JP6002909B2 - 膝装具及び膝装具用パッド - Google Patents

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Description

本発明は、膝装具及び膝装具用パッドに関する。より詳しくは、膝関節の疼痛の軽減、予防又は治療等のために用いられる膝装具及び膝装具用パッドに関する。
膝関節に関する疾患としては、一例として、変形性膝関節症がある。この変形性膝関節症を患った、いわゆる変形性膝関節症患者は、加齢に伴い後述する膝関節の固有覚が低下することが一般的に知られている。また、膝関節に関する他の疾患の一例として、靭帯が外力などにより損傷を受けたことにより生じる靭帯損傷がある。これらの疾患による疼痛は、膝蓋骨の周囲に発生することが知られている。
上述した変形性膝関節症や靭帯損傷等のような膝関節に関する疾患の予防、治療、及び疼痛緩和等をすることを目的とした膝装具が知られている。
この膝装具の一例として、例えば、特許文献1に示されるような膝装具がある。この膝装具は、膝蓋骨が入る孔の下側半分の周囲に配置されたパッド部材により、膝蓋骨の移動、及び膝蓋骨の脱臼等を防止し、疼痛の緩和等を図っている。
特開昭63−51855号公報
上記の問題に鑑みて、本発明は、固有覚機能の低下を防止し、疼痛を予防することが可能な膝装具及び(一般的な膝装具にも適用可能な)膝装具用パッドの提供を課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、身体に装着される本体部と、本体部の身体側に配置され、身体側に突出する凸部と、凸部の身体側に配置され、身体の皮膚の感覚受容器を刺激する凹凸部と、を備えている膝装具を提供する。
ここで、『凸部』とは、本体部の身体側の表面を基準として、この身体側の表面から身体側へ突出し、身体に押圧負荷を与える部分を意味する。本体部の身体側の表面に部材を設けたり、本体部の生地の一部を突出させて凸部を構成する場合には、本体部の身体側の表面から身体側(本体部の表面に対して垂直方向)へ突出している部分をいう。また、本体部の生地内に、(身体に押圧負荷を与える)他の部品が埋設して凸部を構成した場合には、他の部品、及び当該部品により本体部の身体側に突出している生地をいう。係る場合、他の部品については、本体部の身体側に一部入り込んでいるとはいえ、上記他の部品の「全体」までも含む部分をいう。
なお、「装具を装着(固定)する」ことを趣旨とする「面ファスナー等」については、「身体の一部を押圧する」という凸部の趣旨と異なるため、(本体部の身体側の表面から身体側へ突出している部材とはいえ、)凸部には含まれない。
また、『凸部の身体側に配置される凹凸部』とは、本発明の膝装具を「装着した際」に、凸部の身体側に凹凸部があり、且つ凹凸部と凸部とが重なっていることを意味する。例えば、凸部の身体側に凹凸部が構成されており、「常時」凸部の身体側に凹凸部が位置しているもののほか、凹凸部が凸部とは別位置に構成され、本発明の膝装具を「装着した際」に、初めて凹凸部が凸部の身体側(内側)に配置され、凹凸部と凸部とが重なるものも包含される。
従来の膝装具は、実際に生じている疼痛を緩和することを趣旨としており、更なる疼痛の悪化を未然に防ぐ方策を何ら有していなかった。この疼痛は、『膝関節の固有覚(位置覚及び運動覚をあわせた関節の運動の機能)の低下』によって誘引されるものであり、この膝関節の固有覚は、膝蓋骨周辺の身体内部に存在するため、外界から直接何らかの刺激を付与し、膝関節の固有覚の低下を防止することは極めて困難であった。そのため、この膝関節の固有覚と同一の神経支配領域下にある皮膚に存在する感覚受容器に着目し、この感覚受容器を刺激することにより、膝関節の固有覚の低下を防止することとした。
しかしながら、感覚受容器は、皮膚の表面や皮膚の細かな溝(皮溝等)の内部に存在しており、外界から単に部材を身体に押し当てただけでは、感覚受容器を十分に刺激することが困難であった。そこで、本発明では、凸部の身体側に配置され、装着時に凸部と重なる位置に凹凸部を備え、皮膚の感覚受容器を刺激する凹凸部を凸部で突出させて押し当てる構成を採用した。これにより、凹凸部が、皮膚表面を擦る刺激(摩擦刺激)や皮膚を伸ばす刺激(伸張刺激)を高効率に与えることができ、皮膚表面や皮膚の皮溝等の内部に存在する感覚受容器を高効率に刺激することができる。この結果、(凸部によって突出させられた)凹凸部は、皮膚に存在する感覚受容器と同一神経支配領域下にある膝関節の固有覚を高効率且つ継続的に刺激することができ、膝関節の固有覚の低下を防止することができる。即ち、本発明は、凸部と凹凸部が相俟って、膝関節の固有覚の低下を防止するという、従来にない作用効果を実現することができる。
以上のことから、本発明は、凸部と凹凸部が相俟って、現時点で生じている疼痛を防止するだけでなく、この疼痛の前提となる位置覚、運動覚の低下を防止し、将来的に誘起される疼痛の更なる悪化を防止することができる。
この膝装具において、凹凸部の少なくとも一部が、凸部の身体側の表面に備えられていることが好ましい。
この膝装具において、凹凸部は、凸部とは異なる位置に配置され、装着時に凸部の身体側に配置され、且つ凸部と重なる構成であることも好ましい。この場合、凹凸部は、本体部とは別体として構成され、凹凸部は、装着時に凸部の身体側に配置され、且つ凸部と重なる構成であることが好ましい。また、この場合、凹凸部は、本体部の身体側に配置された凸部とは異なる位置に備えられており、凹凸部は、装着時に凸部の身体側に配置され、且つ凸部と重なる構成であることも好ましい。
この膝装具において、凹凸部は、直径500nm〜1000nmの範囲にある繊維を含む生地であることが好ましい。この場合、凹凸部は、表面摩擦係数が0.35±0.04の範囲にある繊維を含む生地であることが好ましい。
この膝装具において、凸部は高分子体を有しており、高分子体は、55g/cmの荷重を24時間かけた後の高分子体の厚み(t)が、前記荷重を負荷する前の高分子体の厚み(t)の90%以上を示す材料であることが好ましい。
この膝装具において、凸部は、身体の膝蓋骨周囲に配置されることが好ましい。
さらに本発明は、膝装具の身体側に用いられるものであって、膝装具の身体側に突出した凸部と、凸部の身体側に備えられており、且つ、直径500nm〜1000nmの範囲にある繊維を含み、身体の皮膚の感覚受容器を刺激する生地である凹凸部と、を備えている膝装具用パッドを提供する。
この膝装具用パッドにおいて、凹凸部は、表面摩擦係数が0.35±0.04の範囲にある繊維を含む生地であることが好ましい。
この膝装具用パッドにおいて、凸部は高分子体を有しており、高分子体は、55g/cmの荷重を24時間かけた後の高分子体の厚み(t)が、前記荷重を負荷する前の高分子体の厚み(t)の90%以上を示す材料であることが好ましい。
本発明の膝装具及び膝装具用パッドによれば、装着者の固有覚機能の低下を防止し、疼痛を防止することができる。
本発明の実施形態に係る膝装具11を説明する模式的平面図である。 本発明の実施形態に係る膝装具11を説明する図1のA−A線断面の部分拡大図である。 本発明の実施形態に係る膝装具11の装着状態を表す模式図である。 本発明の実施形態に係る膝装具11の装着状態を図3のB−B矢視の模式的断面図である。 本発明の他の実施形態に係る膝装具21を説明する模式的断面図である。 本発明の他の実施形態に係る膝装具31を説明する模式的断面図である。 本発明の他の実施形態に係る膝装具41を説明する模式的平面図である。 本発明の他の実施形態に係る膝装具41の装着状態の模式的断面図である。 本発明の他の実施形態に係る膝装具51に用いる凹凸部(下巻き材)54を説明する模式図である。 本発明の他の実施形態に係る膝装具51の装着状態の模式的断面図である。 本発明の他の実施形態に係る膝装具61を説明する模式的断面図である。 本発明の他の実施形態に係る膝装具を説明する模式的平面図の部分図である。 本発明の他の実施形態に係る膝装具81を説明する模式図である。 変形性膝関節症及び靭帯損傷患者と固有覚の関係を示すフロー図である。 疼痛の発生箇所を説明する模式図である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。また、各実施形態で共通する構成及び材質については重複説明を省略する。
まず、膝装具について詳述する前提として、膝装具が対象とする疾患及びこの疾患が生じるメカニズム等について簡単に述べる。
図14は、変形性膝関節症及び靭帯損傷患者と固有覚の関係を示すフロー図である。図15は、疼痛の発生箇所を説明する模式図である。
膝関節に関する疾患としては、一例として、変形性膝関節症がある。この変形性膝関節症とは、筋力低下、加齢、肥満等のきっかけにより膝関節の機能が低下して、膝軟骨や半月板のかみ合わせが緩み、変形及び断裂等を起こし、多くが炎症による関節液の過剰滞留があり、痛みを伴う病気である。また、膝関節に関する他の疾患の一例として、靭帯が外力などにより損傷を受けたことにより生じる靭帯損傷がある。
図14に示すように、変形性膝関節症を患った、いわゆる変形性膝関節症患者(OA:実線矢印)は、加齢に伴い後述する膝関節の固有覚が低下することが一般的に知られている(符号1)。この『関節の固有覚』とは、位置覚及び運動覚をあわせた関節の運動の機能をいい、位置覚は屈曲状態とその位置と動きを検出する機能、運動覚は関節運動の加速度を検出する機能を意味する。この固有覚の低下により、位置覚、運動覚の空間的・時間的協調性が低下する(符号2)。この状態が更に悪化した場合、固有覚を更に悪化させるだけでなく(符号3参照)、膝関節の更なる変形・疼痛を引き起こし(符号4、5)、変形性膝関節症を更に悪化させる恐れがある。
疼痛は、図15に示すように、膝蓋骨8の外周に沿って広範囲に発生することが知られている(符号9の○印を含む全ての○印参照)。『膝蓋骨』とは、膝の皿とも呼ばれ、膝関節の前面にある骨をいい、『膝蓋骨周囲』とは、図15に示す膝蓋骨8の周囲にあたる皮膚表面上の箇所をいい、膝関節において膝蓋骨外縁8aに沿った箇所を意味するものとする。膝蓋骨外縁8aに沿った箇所は、膝蓋骨外縁8a上に加えて、外縁近傍をも含む。外縁近傍は、具体的には、膝蓋骨外縁8aよりも内側であって膝蓋骨8上に位置する膝蓋骨外縁内側と、膝蓋骨外縁8aよりも外側であって膝蓋骨上に位置しない膝蓋骨外縁外側8bと、のうち、膝蓋骨外縁8aに近い箇所(概ね、膝蓋骨外縁から内側又は外側に距離で5cm以内の箇所)を指す。
また、図14に示すように、膝関節に関する他の疾患の一例である靭帯損傷を受けた、いわゆる靭帯損傷患者(Li:破線矢印)も、靭帯損傷を受けた後(符号6)、メカノレセプターの異常・消失が生じ(符号7)、運動機能等のパフォーマンスを低下させるだけでなく、上述した固有覚を悪化させ(符号3)、疼痛・関節の変形を生じる恐れがある(符号4、5)。その結果、上述した変形性膝関節症も併発する危険性が極めて高いことが知られている。
発明者は、上記疾患及びこの疾患が生じるメカニズムを十分に検討し、凸部と凹凸部が相俟って、固有覚の低下を防止し、現時点で生じている疼痛及び、将来的に誘起される疼痛の更なる悪化を防止する膝装具を創作した。以下で、この膝装具について詳述する。
図1〜図4は、本発明の実施形態に係る膝装具11を説明する模式図である。
図1は実施形態に係る膝装具11の展開状態を身体側から視た平面図であり、図2は図1のA−A線断面図の領域R1部分の拡大図を示す。図3は、膝装具11の足(右足)Lへの装着状態を表す説明図であり、図4は、膝装具11の装着状態を図3のB−B線矢視の模式的断面図である。なお、図4では、説明の便宜上、ベルト15及び面ファスナー16の図示を省略している。
膝装具11は、身体(足)Lに装着される本体部12と、本体部12の身体側X(図2の矢印方向参照)に配置され、身体側Xに突出する凸部13と、凸部13の身体側Xに配置され、身体Lの皮膚の感覚受容器を刺激する凹凸部14と、を備えている(図1、2参照)。即ち、膝装具11は、主に本体部12、凸部13、及び凹凸部14を有している。
以下、膝装具11の主要構成部材である本体部12、凸部13、及び凹凸部14について詳述する。
本体部12は、主に、背面部12A、左側側面部12B、右側側面部12C、及びベルト15(本実施形態では、2本:大腿ベルト15A、下腿ベルト15B)から構成されている。本体部12は、膝関節L2近位の大腿L1から膝関節L2近位の下腿L3までを覆う長さ(軸方向の長さ)を有している(図3参照)。大腿ベルト15Aは、右側側面部12Cの反身体側表面の下腿L3側(下側)に一端が固定され、大腿L1側(上側)に向かって構成され、大腿ベルト15Aの他端に面ファスナー17Aが構成されている。下腿ベルト15Bは、右側側面部12Cの反身体側表面の大腿L1側(上側)に一端が固定され、下腿L3側(下側)に向かって構成され、下腿ベルト15Bの他端に面ファスナー17Bが構成されている。下腿ベルト15Bは、後述する凸部13の反膝蓋骨側(下側)の端部に接触するようにして通過するように設計されている。
図3に示すように、(膝装具11の)本体部12を装着する際には、まず、背面部12Aを膝関節L2の裏側に保持し、本体部12の上辺12aが大腿L1に、本体部12の下辺12bが下腿L3に位置するように配置される。その上で、左側側面部12Bを身体側に配置し(膝蓋骨P1側へ移動させ)、左側側面部12Bの反身体側(半径方向Y外側)に右側側面部12Cを重畳的に配置し、右側側面部12Cに設けられている面ファスナー16により本体部12は固定される。この固定をより確実にするために、本体部12の反身体側(外側)に設けられたベルト15により本体部12は締め付けられる。
次に、凸部13及び凹凸部14について詳述する。
凸部13は、本体部12の身体側X(図2の矢印方向参照)に配置され、身体側Xに突出している。『凸部』とは、本体部の身体側の表面を基準として、この表面から身体側へ突出し、身体に押圧負荷を与える部材をいう。
本実施形態では、部材13が、本体部12に配置され、本体部12の身体側の表面121の表面を基準として、この身体側の表面121から身体側Xへ突出しているため、『凸部』である。
身体側Xに突出している凸部13は、身体Lの膝蓋骨P1周囲に配置されている。
本実施形態では、膝装具11を装着した際に、凸部13は、装着者の身体Lの膝蓋骨(P1(図3)、P2(図4))の下部であって、且つ膝蓋骨P1に沿って配置されている(詳細については、図15参照)。また、凸部13は、凸部13の四隅に丸みを有しており、身体Lへの過剰な刺激を排除している。
凸部13は、高分子体を有しており、高分子体は、55g/cmの荷重を24時間かけた後の高分子体の厚み(t)が、荷重を負荷する前の高分子体の厚み(t)の90%以上(即ち、(t×100/t)≧90%)を示す材料である。
本実施形態では、凸部13として、山本化学社製の商品名「ネオプレーン」を用いた。「ネオプレーン」について、10cm×10cmの試験片を製作し、この試験片上に接触面積3.5cm×6.0cmの重さ1146gの重りを置き、一晩中放置したときの高分子体の厚みを計測し、試験前の高分子体の厚みと比較した。この試験を行った結果、「ネオプレーン」は、(試験後の高分子体の厚み/試験前の高分子体の厚み)が94%であった。
凸部13の厚さ(本体部の表面に対して垂直方向の長さ)は、4mmである。なお、凸部の厚さについては、2〜6mmが好ましい。
なお、凸部の高分子体の商品としては、東洋ケミテック社製の商品名「フィットセル」(JIS K6301(現在のJIS K6262に相当)に規定される圧縮永久ひずみが20%未満)、株式会社第一化学製の商品名「トランスフォーム500S」(株式会社第一化学の登録商標/JIS K6767に規定される圧縮永久ひずみが1.1%)、東レペフ加工品株式会社製の商品名「トーレペフ」(東レ株式会社の登録商標/JIS K6767に規定される圧縮永久ひずみが6%)、株式会社ロジャースイノアック製の商品名「ポロン」(JIS K6401に規定される圧縮残留ひずみが3.1%)等を用いてもよい。
上述した商品に対しても、上記試験(上述した「ネオプレーン」に対して行った試験と同様の試験)を行った結果、「フィットセル」及び「ポロン」は、(試験後の高分子体の厚み/試験前の高分子体の厚み)が100%、であり、「トランスフォーム500S」が98%であり、「トーレペフ」が95%であった。
即ち、凸部は、高分子体を有しており、高分子体は、55g/cmの荷重を24時間かけた後の高分子体の厚み(t)が、荷重を負荷する前の高分子体の厚み(t)の90%以上を示す材料である。より好ましくは、試験後の高分子体の厚み(t)/試験前の高分子体の厚み(t)が94%以上である。
また、本実施形態において、凸部13は、アスカーC硬度計(日本ゴム協会標準規格SRIS0101)で測定される硬度が17である。なお、凸部の硬度は、5〜40であることが好ましく、10〜30であることがより好ましい。
なお、凸部が有する高分子体の材質としては、天然ゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等の高分子体を用いてもよい。また、上記材料でなる発泡材(フォーム)、ポリエチレン等のポリオレフィンフォームも用いてもよい。こうした材質のうち、シリコーンゴム、ポリウレタンフォーム、ポリオレフィンフォーム、EVAフォームが好適である。
凹凸部14は、凸部13の身体側Xに配置され、身体Lの皮膚の感覚受容器を刺激する。
凹凸部14は、身体Lに押圧負荷を与える凸部13の身体側の表面131に配置され、凸部13と重なっている。即ち、凹凸部14は、凸部13の身体側Xに配置されている。換言すれば、装着者の身体(より具体的には、足)Lの横断面の中心を軸心Zとした場合に、軸心Zから半径方向Yに向かって、凹凸部14、凸部13の順に配置されており、凹凸部14と凸部13が重畳的に配置されている(図4参照)。
より具体的には、凹凸部14の少なくとも一部が、凸部13の身体側Xの表面131に備えられている。凸部13は、本体部12の身体側の表面121に配置され、凸部13の身体側の表面131及び、(凸部13の)身体側の表面131に対して垂直方向の四方向の側面132を、凹凸部14によって覆われる。凹凸部14は、本体部12に縫い付けられ、凹凸部14が凸部13に接触した状態で固定されている。
本実施形態において、凹凸部14は、直径500nm〜1000nmの範囲にある繊維を含む生地である。また、凹凸部14は、表面摩擦係数が0.35±0.04の範囲にある繊維を含む生地である。凹凸部14の表面摩擦係数は、カトーテック株式会社製の自動化表面試験機(KESFB4−AUTO−A)を用いて、試験機の測定用端子の(凹凸部14の表面に対する)垂直方向の移動量により測定した。
なお、凹凸部の材質として、他の天然繊維及び化学繊維を用いてもよい。化学繊維としては、合成繊維(ポリエステル系合成繊維・ポリアミド系合成繊維・ポリウレタン系合成繊維・ポリアクリルニトリル系合成繊維・ポリオレフィン系合成繊維)や半合成繊維(セルロース系半合成繊維・タンパク質系半合成繊維)、再生繊維(セルロース系再生繊維)、無機繊維(ガラス繊維・炭素繊維)等を用いてもよい。これらのうち、ポリエステル系合成繊維が好適である。
次に、本実施形態に係る膝装具11の作用効果について詳述する。
膝装具11は、身体Lに装着される本体部12と、本体部12の身体側Xに配置され、身体側Xに突出する凸部13と、凸部13の身体側X(より具体的には、身体側の表面131)に配置され、身体Lの皮膚の感覚受容器を刺激する凹凸部14と、を備えている。しかも、本実施形態では、凸部13の高分子体は、試験後の高分子体の厚み(t)/試験前の高分子体の厚み(t)が90%以上(より具体的には、94%)を示す材料であるため、凸部13が変形しにくく、継続的に凹凸部14を押圧し続けることができる。さらに、凹凸部14は、直径500nm〜1000nmの範囲にある繊維を含む生地であるため、皮膚表面だけでなく、皮膚の皮溝等の内部にも入り込むことができる。
これらの構成が相俟って、凹凸部14は、凸部13により押圧され、(身体Lの)皮膚表面を擦り、皮膚表面及び(皮膚の)皮溝等の内部に存在する感覚受容器に対して、高効率且つ継続的に『摩擦刺激』を与えることができる。この結果、凹凸部14は、(身体Lの)皮膚に存在する感覚受容器と同一神経支配領域下にある膝関節L2の固有覚を高効率且つ継続的に刺激することができ、膝関節L2の固有覚の低下を防止することができる。即ち、膝装具11は、凸部13と凹凸部14が相俟って、膝関節L2の固有覚の低下を防止することができる。
また、本実施形態では、本体部12の下腿L3に向かって走行するベルト15Bは、設計上凸部13の反膝蓋骨側(下側)の端部に接触するようにして通過するため、このベルト15Bが凸部13を膝蓋骨側(上側)に押し上げることができる。これにより、ベルト15Bは、(凸部13によって突出させられた)凹凸部14による皮膚の感覚受容器の刺激を、より継続的に行うことができる。
以上のことから、膝装具11は、凸部13により現時点で生じている膝関節L2の疼痛を防止するだけでなく、この膝関節L2の疼痛の前提となる位置覚、運動覚の低下を防止し、将来的に誘起される疼痛の更なる悪化を防止することができる。
また、本実施形態の膝装具11は、凸部13の位置を固定化することにより、同一の膝装具11で左右双方の足(身体)Lに装着することもできる。さらに、サイズ展開の容易化を図るとともに、製造コストの低減、量産の容易化を図ることができる。凹凸部14は、吸湿性及び通気性がよい材料を用いているため、凹凸部14と凸部13の間から汗等が放出し、装着者の皮膚障害等の防止を図ることができる。
なお、上記実施形態における凹凸部(14)が凸部(13)の身体側の表面(131)に備えられている部材、いわゆる膝装具用パッドは、単独の部材として流通させ、(上記実施形態における)膝装具11の交換部品として用いてもよいし、膝装具用パッドを付属品としていない一般の膝装具に用いてもよい。
膝装具用パッドは、膝装具の身体側に用いられるものであって、膝装具の身体側に突出した凸部と、凸部の身体側に備えられており、且つ、直径500nm〜1000nmの範囲にある繊維を含み、身体の皮膚の感覚受容器を刺激する生地である凹凸部と、を備えている。凹凸部は、表面摩擦係数が0.35±0.04の範囲にある繊維を含む生地である。凸部は高分子体を有しており、前記高分子体は、55g/cmの荷重を24時間かけた後の前記高分子体の厚み(t)が、前記荷重を負荷する前の前記高分子体の厚み(t)の90%以上を示す材料である。
膝装具用パッドを膝装具とは独立した部品としておくことで、様々な疼痛箇所に対応して、膝装具用パッドの取り付け位置を変更することができる。また、大きさ、形状、厚さ等が異なる膝装具用パッドを複数用意しておければ、膝関節の症状、疼痛の程度等に応じて、装着者が適宜膝装具用パッドを付け替えることができる。
また、膝装具用パッドが膝装具への取り付けや取り外しが可能となることにより、例えば、靭帯損傷患者は、術後、凸部があると患部が圧迫され、痛みが発生するおそれがあるため、術後しばらくは膝装具用パッドを取り外しておき、その後、リハビリの段階に至った際に、膝装具用パッドを膝装具に取り付け、感覚受容器に対する刺激強度を上げ、固有覚の改善を促進させることもできる。すなわち、術後の損傷部の回復度合に応じて、膝装具用パッドによる刺激強度の調整が可能となる。
なお、上記実施形態における凹凸部14の取り付け方は特に限定されない。例えば、凹凸部で凸部の全体を覆った上で、本体部の身体側側面に、凹凸部を縫い付けてもよい。また、凹凸部は、面ファスナーや接着剤等を介して、凸部や本体部に固定してもよい。
なお、凹凸部は、凸部の身体側に配置されていれば、必ずしも凸部の身体側の表面の全体に配置されている必要はなく、凸部の身体側の表面の一部に配置される構成でもでもよい。要は、凹凸部の身体側(身体と接する側)の表面積は、凸部の身体側の表面積より大きくても、小さくてもよい。
次に、他の実施形態について説明する。
本実施形態では、膝装具における凸部と凹凸部が、1つの部材によって構成されている。この構成について、図5を用いながら、以下で詳述する。図5は、他の実施形態に係る膝装具21を説明する模式的断面図である。
膝装具21は、身体に装着される本体部22と、本体部22の身体側X(図5の矢印方向参照)に突出する凸部23と、凸部23の身体側Xに配置され、身体の皮膚の感覚受容器を刺激する凹凸部24と、を備えている(図5参照)。
『凸部』と『凹凸部』の双方が、1つの部材に構成されている場合には、双方の部位の趣旨に鑑み、それぞれの部位を定義付ける。『凹凸部』は身体の皮膚の感覚受容器を刺激することを趣旨とするため、この部材の身体側の表面(表層部分)をいう。そして、『凸部』は、身体に押圧負荷を与えることを趣旨とするため、部材の身体側の表面以外の部分(換言すれば、凹凸部以外の部分)をいう。
本実施形態において、凸部23と凹凸部24は、1つの部材であるシリコーンゴムで構成されている。このシリコーンゴムの内、身体側Xの表面(表層部分)が『凹凸部』24であり、身体側Xの表面以外の部分が『凸部』23である。
『凸部』23と『凹凸部』24の位置関係を考慮すると、本実施形態においても、凹凸部24は凸部23の身体側Xに配置されている。より具体的には、凹凸部24は、凸部23の身体側Xの表面に備えられている。
本実施形態では、(凸部23と凹凸部24が構成されている)シリコーンゴムのアスカーC硬度計で測定される硬度は、20である。なお、凸部(シリコーンゴム)のアスカーC硬度計で測定される硬度は、5〜40であることが好ましく、より好ましくは、10〜30である。
また、(カトーテック株式会社製の自動化表面試験機(KESFB4−AUTO−A)により測定された)凸部23(シリコーンゴム)の表面摩擦係数(MIU)は、0.124以上であり、摩擦変数の変動(MMD)は、0.01以上である。また、本実施形態では、凸部(シリコーンゴム)23の厚さ(身体側側面に対して垂直方向における長さ)は、4mmである。なお、凸部(シリコーンゴム)の厚さは、2〜10mmであることが好ましく、より好ましくは、3〜5mmである。
本実施形態における(膝装具21の)本体部22は、上記実施形態における(膝装具11の)本体部12と同様の構成となっている。
本実施形態における膝装具21は、凹凸部24が凸部23の身体側Xに配置され(凸部23の身体側Xの表面に備えられ)、且つ凹凸部24をシリコーンゴム(表面摩擦係数:0.124以上)により構成している。凹凸部24のシリコーンゴムが、身体の表面摩擦係数0.124以上であるため、(凸部23によって突出して押し当てられた)凹凸部24が、装着者の皮膚に密着し、皮膚を伸張させ、身体の皮膚表面に存在する感覚受容器を刺激することができる。即ち、膝装具21は、いわゆる『伸張刺激』を高効率に感覚受容器に与えることができる。この結果、皮膚表面に存在する感覚受容器と同一神経支配領域下にある膝関節の固有覚を高効率且つ継続的に刺激することができ、膝関節の固有覚の低下を防止することができる。
即ち、膝装具21は、凸部23と凹凸部24が相俟って、膝関節の固有覚の低下を防止する効果を実現することができる。この結果、膝装具21は、凸部23と凹凸部24により現時点で生じている膝関節の疼痛を防止するだけでなく、この膝関節の疼痛の前提となる位置覚、運動覚の低下を防止し、将来的に誘起される疼痛の更なる悪化を防止することができる。
なお、上記他の実施形態において、膝装具21では、凸部23と凹凸部24を「1つ」の部材により構成しているが、これに限らず、例えば、図6に示す膝装具31のように、凸部33と凹凸部34を「別個」の部材により構成してもよい。図6は、膝装具31を説明する模式的断面図である。具体的には、身体側X(図6の矢印方向参照)に突出する凸部33と、凸部33の身体側Xに配置される凹凸部34とをそれぞれ別個の部材で構成してもよい。また、上記他の実施形態において、凸部については、シリコーンゴムに限らず、他の高分子体を用いてもよい。
また、凹凸部34は、凸部33の身体側Xの表面331に加えて、凸部33の身体側Xの表面331に対して垂直方向に位置する側面332にも構成してもよい。凹凸部34は、凸部33の身体側の表面331の一部に設けてもよい。凸部33、凹凸部34の厚さについても、例えば、皮膚を伸張させる刺激量(皮膚の伸張量)等に応じて、変更してもよい。
なお、上記いずれの実施形態においても、凹凸部14、24は、「常に」凸部13、23、33の身体側Xの表面に備えられ、凸部13、23と重なる構成となっているが、これに限らず、凹凸部は、凸部とは「(装着前は)異なる位置」に配置され、「装着時」に凸部の身体側に配置され、且つ凸部と重なる構成としてもよい。要は、凹凸部は、「常に」凸部の身体側に配置される構成である必要はなく、装着者が「膝装具を装着した際」に、凹凸部が、凸部の身体側に配置され、凸部と重畳的に配置されていればよい。
例えば、凹凸部は、本体部の身体側に配置された凸部とは異なる位置に備えられており、凹凸部は、装着時に凸部の身体側であって、且つ凸部と重なる構成としてもよい。この構成については、図7及び図8を用いて説明する。
図7は膝装具41の展開状態を身体側から視た平面図である。図8は、膝装具41の装着状態を表す模式的断面図である。なお、図8では、説明の便宜上、(図7に示す)ベルト45及び面ファスナー46を省略している。
図7に示すように、凹凸部44は、「本体部42の身体側に配置された」凸部43とは異なる位置に備えられている。具体的には、凸部43は、本体部42の身体側の右側側面部42C側に備えられている。凹凸部44は、本体部42の身体側の左側側面部42Bに備えられており、(本体部42の身体側に配置された)凸部43と異なる位置に備えられている。
上述した定義における『凸部の身体側に配置される凹凸部』とは、「膝装具を装着した際」に、凸部の身体側に凹凸部があり、且つ凹凸部と凸部とが重なっていることを意味する。すなわち、(上記実施形態に示すような)凸部の身体側の表面に凹凸部が構成されているもののほか、凹凸部が凸部とは別位置に構成され、膝装具を装着した際に、初めて凹凸部が凸部の身体側(内側)に位置する構成(凹凸部と凸部とが重なる構成)も包含される。
この構成では、図8に示すように、膝装具41を装着する際、まず、凹凸部44のある左側側面部42Bを身体側に配置し(膝蓋骨側へ移動させ)、その上で、(左側側面部42Bの反身体側側面に)凸部43のある右側側面部42Cを重畳的に装着する。即ち、膝装具41を装着した際に、凹凸部44が凸部43の身体側に位置する構成(凹凸部44と凸部43とが重なっている構成)である。即ち、膝装具41は、『凸部の身体側に配置される凹凸部』を備える構成となっている。なお、膝装具41においても、(上記実施形態と同様に、)凸部43と凹凸部44は、膝蓋骨(P3(図8))の下部に配置されている。
また、凹凸部は、「本体部とは別体として構成され」、凹凸部は、装着時に凸部の身体側に配置され、且つ凸部と重なる構成としてもよい。この構成については、図9、図10を用いて説明する。
図9は膝装具51に用いる凹凸部(下巻き材)54の装着状態を表す説明図であり、図10は、図9の凹凸部(下巻き材)下巻き材54の上から本体部52を装着した際の膝装具51の装着状態を表す模式的断面図である。
膝装具51には、本体部52の身体側に凸部53が構成されている。また、凹凸部54は、本体部52とは別体として構成される下巻き材54である。膝装具51は、本体部52を装着する前提として、まず凹凸部(下巻き材)54を膝蓋骨周囲、より具体的には、膝蓋骨(P4(図9)、P5(図10))の周囲を含む大腿部から下腿部に装着する。
この凹凸部54の反身体側から(凹凸部54を覆うようにして)、凸部53が構成されている本体部52を装着する。本体部52を装着した際に、本体部52の身体側に配置された凸部53と凹凸部54が重なる。即ち、膝装具51の装着時に、凹凸部54は凸部53の身体側に配置(装着)される。
上述した構成により、膝装具41(図7、8)、膝装具51(図9、10)は、凹凸部44、54が広範囲に渡って構成されているため、この膝装具41、51を装着することにより、広範囲にわたって感覚受容器の刺激を促すことができ、結果として、固有覚を高効率に向上させることができる。また、広範囲に渡って設けられた凹凸部44、54は、装着者に対して本体部42、52(膝装具51については、凹凸部54も含む)のずれをより速く認知させ、(装着者が凹凸部54及び本体部42、52のずれを直すことができ、)凹凸部54及び本体部42、52を常に最適な位置に保持させることができる。
また、膝装具41、51は、凸部43、53を覆う凹凸部44の裁縫を不要とするため、凸部43、53(膝装具41については凹凸部44も含む)の取り付け作業が容易になり、結果として、量産の容易化を図ることができる。
なお、膝装具51における凹凸部54は下巻き材の身体側表面(内周)541の一部に構成してもよいし、身体側側面541に加えて、反身体側表面(外周)542に構成してもよい。
なお、(図7〜図10に示す膝装具41、51の)凹凸部54の形状等については、上記実施形態に限らず、他の構成を用いてもよい。凹凸部の形状、配置位置、個数、大きさについては、凹凸部が「装着時に」凸部の身体側に配置され、凸部と重なる構成であれば、特に限定されない。
なお、上記実施形態において、図2に示すように、凸部13は本体部12の身体側の表面121に設けられたが、例えば、図11に示すように、凸部63を本体部62の生地内に埋設してもよい。図11は、実施形態の変形例に係る膝装具61を説明する模式的断面図である。
『凸部』とは、本体部の生地内に他の部品を埋設して凸部が構成された場合には、他の部品、及び当該部品により本体部の身体側に突出している生地をいう。係る場合、他の部品については、身体に押圧負荷を与えるという凸部の趣旨に照らして、(本体部の身体側に一部入り込んでいるとはいえ、)他の部品の「全体」までをも含む部分をいう。
膝装具61では、押圧部材67が身体に押圧負荷を与える他の部品である。即ち、凸部63は、押圧部材(他の部品)67の「全体」と、この押圧部材67の身体側671にあって、押圧部材67によって身体側X(図11の矢印方向参照)に突出している本体部62の生地622を含む部分をいう。
この場合、押圧部材67を予め本体部62の生地内に埋設しておくため、本体部62における押圧部材67の位置を保持しながら、押圧部材67を覆う凹凸部64の裁縫を不要とし、押圧部材67の身体側Xに配置される凹凸部64の取り付け作業が容易になり、結果として、量産の容易化を図ることができる。
また、凸部63は、上記実施形態における高分子体を有する材料ではなく、他の部材を用いたり、本体部62の生地の一部分を局所的に身体側Xに厚みを出したりして構成してもよい。安価な凸部を用いることにより、膝装具の製造コストをより低減することができる。
なお、図12に示すように、凸部の形状、配置位置、個数、形成角度等についても上記いずれの実施形態にも限定されない。図12(A)〜(D)は、凸部の形状、配置位置、個数、形成角度等についての変形例を説明するための膝装具の模式的平面図であり、本体部72の左側側面部(図1の符号12Bに相当する)の部分図である。例えば、形状については、円形状の凸部73Aとしてもよく(図12(A)参照)、配置位置については、膝蓋骨の上部や左右部でもよく(図12(B)〜(D)参照:凸部73B、73C、73D)、個数についても、凸部を複数(具体的には、2個:凸部73B、73C)設けてもよく(図12(C)参照)、形成角度についても、凸部73Dのように膝蓋骨の外周の大部分を覆うようにしてもよい(図12(D)参照)。これにより、疼痛箇所の広狭度合い、疼痛箇所の位置等に応じて、最適な形状又は位置に凸部を配置することができる。
また、図示しないが、本体部の身体側に凸部を配置し、この凸部の身体側に凹凸部を配置する構成として、本体部の身体側において、身体側側面に凹凸部を備えたポケットを設け、このポケット内に凸部を収容する構成としてもよい。これにより、凸部の入れ替えが容易になり、厚み・大きさ・硬度等の異なる凸部を付け替えることが容易になり、(凸部及び凹凸部を有する)膝装具の適用可能な疼痛の程度等の自由度を高くすることができる。
なお、(凸部と凹凸部を備える)本体部については、上記実施形態において(図1参照)、膝蓋骨側が開いた状態から左側側面部(12B)及び右側側面部(12C)を重ね合わせて身体(足)(L)に装着させる構成を示したが、図13に示すように、膝関節の全周を全面的に覆う、いわゆる筒状の構成(図1に示す左側・右側側面部を有さず、膝関節側が開口しない構成)としてもよい。図13(A)は、膝装具81の斜視図であり、図13(B)は、膝装具81の上面図である。筒状の本体部82は、上記実施形態(図1参照)における本体部(12)に設けたベルト(15)や面ファスナー(16)が不要となり、本体部82の部品点数を削減することができ、膝装具81の製品コストの低減化を図ることができる。
本発明の膝装具及び膝装具用パッドは、膝関節に関する疾患の予防や治療、痛みの緩和等のため好適に用いられ得る。
11、21、31、41、51、61、81 膝装具
12、22、32、42、52、62、72、82 本体部
12A、42A 背面部
12B、42B 左側側面部
12C、42C 右側側面部
12a、42a 上辺
12b、42b 下辺
121、221、321、421、521、621、821 本体部の身体側側面
13、23、33、43、53、63、73A〜D、83 凸部
131、331 凸部の身体側の表面
14、24、34、44、54、64 凹凸部
15A、45A 大腿ベルト
15B、45B 下腿ベルト
16、17A、17B、46、47A、47B 面ファスナー
X 身体側
Y 半径方向
Z 軸心

Claims (11)

  1. 身体に装着される本体部と、
    前記本体部の前記身体側に配置され、前記身体側に突出する凸部と、
    前記凸部の前記身体側に配置され、前記身体の皮膚の感覚受容器を刺激する凹凸部と、
    を備え、
    前記凹凸部は、直径500nm〜1000nmの範囲にある繊維を含み、表面摩擦係数が0.35±0.04の範囲にある生地である
    ことを特徴とする膝装具。
  2. 前記凹凸部の少なくとも一部が、前記凸部の前記身体側の表面に備えられている
    ことを特徴とする請求項1記載の膝装具。
  3. 前記凹凸部は、前記凸部とは異なる位置に配置され、装着時に前記凸部の前記身体側に配置され、且つ前記凸部と重なる構成である
    ことを特徴とする請求項1記載の膝装具。
  4. 前記凹凸部は、前記本体部とは別体として構成され、
    前記凹凸部は、装着時に前記凸部の前記身体側に配置され、且つ前記凸部と重なる構成である
    ことを特徴とする請求項3記載の膝装具。
  5. 前記凹凸部は、前記本体部の前記身体側に配置された前記凸部とは異なる位置に備えられており、
    前記凹凸部は、装着時に前記凸部の前記身体側に配置され、且つ前記凸部と重なる構成である
    ことを特徴とする請求項3記載の膝装具。
  6. 前記凸部は高分子体を有しており、
    前記高分子体は、55g/cmの荷重を24時間かけた後の前記高分子体の厚み(t)が、前記荷重を負荷する前の前記高分子体の厚み(t)の90%以上を示す材料である
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の膝装具。
  7. 前記凸部は、前記身体の膝蓋骨周囲に配置されることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の膝装具。
  8. 更に、前記本体部の反身体側表面の下腿側に一端が固定され、大腿側に向かって構成される大腿ベルト及び/又は前記本体部の反身体側表面の大腿側に一端が固定され、下腿側に向かって構成される下腿ベルト、を備えている
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の膝装具。
  9. 膝装具の身体側に用いられるものであって、
    前記膝装具の前記身体側に突出した凸部と、
    前記凸部の身体側に備えられると共に、直径500nm〜1000nmの範囲にある繊維を含み、且つ、表面摩擦係数が0.35±0.04の範囲であって前記身体の皮膚の感覚受容器を刺激する生地である凹凸部と、を備えている
    ことを特徴とする膝装具用パッド。
  10. 前記凸部は高分子体を有しており、
    前記高分子体は、55g/cmの荷重を24時間かけた後の前記高分子体の厚み(t)が、前記荷重を負荷する前の前記高分子体の厚み(t)の90%以上を示す材料である
    ことを特徴とする請求項9記載の膝装具用パッド。
  11. 身体に装着される本体部と、
    前記本体部の前記身体側に配置され、前記身体側に突出する凸部と、
    前記凸部の前記身体側に配置され、前記身体の皮膚の感覚受容器を刺激する凹凸部と、
    を備え、
    前記凹凸部は、前記凸部とは異なる位置に配置され、装着時に前記凸部の前記身体側に配置され、且つ前記凸部と重なる構成である
    ことを特徴とする膝装具。
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