JP6002608B2 - 無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、てこクランク機構を用いた四節リンク機構型の無段変速機に関する。
従来、エンジン等の駆動源からの駆動力が伝達される入力軸と、入力軸と平行に配置された出力軸と、複数のてこクランク機構とを備える四節リンク機構型の無段変速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の無段変速機において、てこクランク機構は、入力軸を中心として回転するように設けられた回転半径調節機構と、出力軸に軸支される揺動リンクと、一方の端部が回転半径調節機構に回転自在に外嵌していて他方の端部が揺動リンクの揺動端部に連結されたコネクティングロッドとで構成されている。
揺動リンクと出力軸との間には、揺動リンクが出力軸を中心として一方側に回転しようとするときに出力軸に対して揺動リンクを固定し、他方側に回転しようとするときに出力軸に対して揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構としての一方向クラッチが設けられている。
揺動リンクは、コネクティングロッドの一方の端部と連結する揺動端部と、一定の肉厚を持ち一方向回転阻止機構に外嵌する環状部とが設けられている。
回転半径調節機構は、入力軸に対して偏心した状態で入力軸と一体的に回転する円盤形状のカム部と、このカム部に対して偏心した状態で回転自在でありコネクティングロッドと連結する回転部と、複数のピニオンを軸方向に一体に備えるピニオンシャフトとで構成されている。なお、カム部は、特許文献1に示される円盤形状のものの他、2つのリングギヤを利用したものもある。
カム部は、入力軸の軸方向に貫通するように形成された貫通孔が形成されている。この貫通孔は、入力軸を挟んでカム部の中心と反対側の領域において、カム部の外周部に連通する切欠になっている。そして、隣接するカム部同士は、ボルトで固定されてカム部連結体を構成している。
カム部連結体は、その軸方向一端が入力軸に連結され、カム部連結体と入力軸とでカムシャフトが構成されている。また、カム部連結体は、各カム部の貫通孔が連なることによって中空となっており、内部にピニオンシャフトが挿入される。
回転部には、カムシャフトを受け入れる受入孔が設けられている。受入孔の内周面には内歯が形成されている。
そして、カム部連結体に挿入されたピニオンシャフトは、各カム部の切欠から露出し、回転部の受入孔の内周面に形成された内歯と噛合する。
そのため、入力軸とピニオンシャフトの回転速度が同一の場合には、回転半径調節機構の入力軸側の回転運動の半径が維持されるが、入力軸とピニオンシャフトの回転速度が異なる場合には、回転半径調節機構の入力軸側の回転運動の半径が変更されて、変速比が変化する。
この無段変速機では、入力軸を回転させることによって回転半径調節機構を回転させると、コネクティングロッドの入力側環状部が回転運動して、コネクティングロッドの他方の端部と連結されている揺動リンクが揺動する。そして、揺動リンクは、一方向クラッチを介して出力軸に軸支されているので、一方側に回転するときのみ出力軸に回転駆動力(トルク)を伝達する。
また、カム部は、それぞれ位相が異なるように設定され、複数のカム部で入力軸の周方向を一回りするようになっている。そのため、各回転半径調節機構に外嵌したコネクティングロッドによって、各揺動リンクが順にトルクを出力軸に伝達し、出力軸をスムーズに回転させることができるようになっている。
このように、コネクティングロッドと揺動ンリンクと回転半径調節機構とで構成されるてこクランク機構を備えた無段変速機においては、コネクティングロッドに連結される揺動リンクの揺動端部と出力軸との距離、すなわち、揺動運動をする側の中心点から揺動端部までの距離と、回転半径調節機構の回転半径、すなわち、回転運動をする側の回転半径とが、互いに対応している。そのため、揺動運動をする側の中心点から揺動端までの距離が短ければ、回転運動をする側の回転半径も小さくなる。
換言すれば、コネクティングロッドと揺動リンクの揺動端部との連結点から出力軸の回転中心軸線までの距離を短くすることができれば、回転半径調節機構の回転半径を小さくすることができ、ひいては、回転半径調節機構の小型化を図ることができる。
そこで、揺動端部と出力軸との距離を短くするため、それらの間に位置する揺動リンクの環状部の肉厚は、できるだけ薄くすることが考えられる。
特表2005−502543号公報
しかしながら、上記のように環状部の一部のみ薄くした場合には、揺動リンクが揺動運動するときに、その一部に応力が集中して環状部に歪みが生じてしまうおそれがある。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、上記の応力集中を回避しつつ、小型化を図ることができる無段変速機を提供することを目的とする。
本発明の無段変速機は、駆動源の駆動力が伝達される入力軸と、入力軸と平行に配置された出力軸と、入力軸を中心として回転可能であり回転半径を調節自在な回転半径調節機構と、出力軸に軸支された揺動リンクと、回転半径調節機構と揺動リンクとを連結するコネクティングロッドとを有し、入力軸の回転運動を揺動リンクの揺動運動に変換するてこクランク機構と、揺動リンクと出力軸との間に設けられ、出力軸を中心として一方側に回転しようとするときに出力軸に対して揺動リンクを固定し、他方側に回転しようとするときに出力軸に対して揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構とを備え、揺動リンクは、コネクティングロッドの一方の端部と連結する揺動端部と、一方向回転阻止機構に外嵌する環状部が設けられ、環状部は、揺動端部側に形成された第1の薄肉部と、第1の薄肉部に対して出力軸を中心として点対称になるように形成された第2の薄肉部とを有していることを特徴とする。
本発明によれば、揺動リンクの環状部においてコネクティングロッドを連結する揺動端部側に第1の薄肉部を形成することによって、コネクティングロッドと揺動リンクの揺動端部との連結点から出力軸までの距離を短くすることができるので、回転半径調節機構の回転半径、ひいては、回転半径調節機構の最大外径を小さくすることができる。
また、第2の薄肉部を第1の薄肉部に対して点対称となるように形成することによって、応力が環状部の一部に大きく集中することがなく、環状部に歪みが生じないような剛性を維持することができる。
また、本発明の無段変速機においては、第1の薄肉部は、揺動端部と出力軸との間が最も肉厚が薄く、揺動端部からの距離が大きくなるに従って連続的に肉厚が厚くなる形状であることが好ましい。このように構成すると、揺動リンクが揺動運動する際に環状部に加わる応力が一点に集中しにくく、環状部に歪みが生じにくい。
また、本発明の無段変速機においては、第1の薄肉部の外縁は、出力軸の軸方向から見たときに、中心が揺動端部のある方向とは反対方向に出力軸から離れた位置にある円と一致することが好ましい。このような薄肉部であれば、形成するための加工がしやすい。
本発明の無段変速機の実施形態を示す断面図。 図1に示した無段変速機の回転半径調節機構、コネクティングロッド及び揺動リンクを軸方向から示す模式図。 図1の無段変速機の回転半径調節機構の回転半径の変化を示す模式図。 図1の無段変速機の回転半径調節機構の回転半径の変化と、揺動リンクの揺動運動の揺動角の関係を示す模式図であり、(a)は回転半径が最大、(b)は回転半径が中、(c)は回転半径が小である場合の揺動リンクの揺動運動の揺動角を示す。 図1の無段変速機の回転半径調節機構の回転半径の変化に対する揺動リンクの角速度の変化を示すグラフ。 図1の無段変速機の揺動リンクの形状を示す斜視図。 図1の無段変速機の揺動リンクの断面形状とコネクティングロッドを示す模式図。
以下、本発明の無段変速機の実施形態を説明する。本実施形態の無段変速機は、四節リンク機構型の無段変速機であり、変速比i(i=入力軸の回転速度/出力軸の回転速度)を無限大(∞)にして出力軸の回転速度を「0」にできる変速機、いわゆるIVT(Infinity Variable Transmission)の一種である。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態の無段変速機の構成について説明する。
本実施形態の無段変速機1は、入力軸2と、出力軸3と、6つの回転半径調節機構4とを備える。
入力軸2は、中空の部材であり、内燃機関であるエンジンや電動機等の駆動源からの回転駆動力を受けることで入力軸2の回転中心軸線P1を中心に回転する。
出力軸3は、入力軸2に平行に配置され、図外のデファレンシャルギヤやプロペラシャフト等を介して車両の駆動輪等の駆動部に回転動力を伝達させる。
回転半径調節機構4の各々は、入力軸2の回転中心軸線P1を中心として回転するように設けられ、カム部としてのカムディスク5と、回転部としての回転ディスク6と、ピニオンシャフト7とを有する。
カムディスク5は、円盤形状であり、入力軸2の回転中心軸線P1から偏心して入力軸2と一体的に回転するように入力軸2に2個1組で設けられている。各1組のカムディスク5は、それぞれ位相を60°異なるように設定され、6組のカムディスク5で入力軸2の周方向を一回りするように配置されている。
回転ディスク6は、その中心から偏心した位置に受入孔6aが設けられた円盤形状であり、その受入孔6aを介して、1組のカムディスク5に対して1つずつ、回転自在に外嵌している。
回転ディスク6の受入孔6aは、その中心が、入力軸2の回転中心軸線P1からカムディスク5の中心P2(受入孔6aの中心)までの距離Raとカムディスク5の中心P2から回転ディスク6の中心P3までの距離Rbとが同一となるように形成されている。また、回転ディスク6の受入孔6aには、1組のカムディスク5の間となる位置に、内歯6bが設けられている。
ピニオンシャフト7は、中空の入力軸2内に、入力軸2と同心に配置され、入力軸2に対して相対回転自在になっている。また、ピニオンシャフト7の外周には、外歯7aが設けられている。さらに、ピニオンシャフト7には、差動機構8が接続されている。
ところで、入力軸2には、1組のカムディスク5の間において、カムディスク5の偏心方向に対向する個所に内周面と外周面とを連通させる切欠孔2aが形成されている。その入力軸2の切欠孔2aを介して、ピニオンシャフト7の外周に設けられた外歯7aは、回転ディスク6の受入孔6aの内周に設けられた内歯6bと噛合している。
差動機構8は、遊星歯車機構として構成され、サンギヤ9と、入力軸2に連結された第1リングギヤ10と、ピニオンシャフト7に連結された第2リングギヤ11と、サンギヤ9及び第1リングギヤ10と噛合する大径部12aと、第2リングギヤ11と噛合する小径部12bとからなる段付きピニオン12を自転及び公転自在に軸支するキャリア13とを有している。また、差動機構8のサンギヤ9は、ピニオンシャフト7用の電動機からなる調節用駆動源14の回転軸14aに連結されている。
そのため、調節用駆動源14の回転速度を入力軸2の回転速度と同一にした場合、サンギヤ9と第1リングギヤ10とが同一速度で回転することとなり、サンギヤ9、第1リングギヤ10、第2リングギヤ11及びキャリア13の4つの要素が相対回転不能なロック状態となって、第2リングギヤ11と連結するピニオンシャフト7が入力軸2と同一速度で回転する。
調節用駆動源14の回転速度を入力軸2の回転速度よりも遅くした場合、サンギヤ9の回転数をNs、第1リングギヤ10の回転数をNR1、サンギヤ9と第1リングギヤ10のギヤ比(第1リングギヤ10の歯数/サンギヤ9の歯数)をjとすると、キャリア13の回転数が(j・NR1+Ns)/(j+1)となる。また、サンギヤ9と第2リングギヤ11のギヤ比((第2リングギヤ11の歯数/サンギヤ9の歯数)×(段付きピニオン12の大径部12aの歯数/小径部12bの歯数))をkとすると、第2リングギヤ11の回転数が{j(k+1)NR1+(k−j)Ns}/{k(j+1)}となる。
したがって、調節用駆動源14の回転速度を入力軸2の回転速度よりも遅くした場合であって、カムディスク5が固定された入力軸2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とが同一である場合には、回転ディスク6はカムディスク5とともに一体に回転する。一方で、入力軸2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とに差がある場合には、回転ディスク6はカムディスク5の中心P2を中心にカムディスク5の周縁を回転する。
図2に示すように、回転ディスク6は、カムディスク5に対して、P1からP2までの距離RaとP2からP3までの距離Rbとが同一となるように偏心されている。そのため、回転ディスク6の中心P3を入力軸2の回転中心軸線P1と同一線上に位置させて、入力軸2の回転中心軸線P1と回転ディスク6の中心P3との距離、すなわち、偏心量R1を「0」にすることもできる。
回転半径調節機構4、具体的には回転半径調節機構4の回転ディスク6の周縁には、コネクティングロッド15が回転自在に外嵌している。
コネクティングロッド15は、一方の端部に大径の大径環状部15aを有し、他方の端部に大径環状部15aの径よりも小径の小径環状部15bを有している。コネクティングロッド15の大径環状部15aは、ボールベアリングからなるコンロッド軸受16を介して、回転ディスク6に外嵌している。
出力軸3には、一方向回転阻止機構としての一方向クラッチ17を介して、揺動リンク18が軸支されている。
一方向クラッチ17は、出力軸3の回転中心軸線P4を中心として一方側に回転しようとする場合に出力軸3に対して揺動リンク18を固定し、他方側に回転しようとする場合に出力軸3に対して揺動リンク18を空転させる。
揺動リンク18は、揺動端部18aを有し、その揺動端部18aに、連結ピン19によって、コネクティングロッド15の小径環状部15bと連結されている。
本実施形態においては、一方向回転阻止機構として一方向クラッチ17を用いているが、本発明の一方向回転阻止機構は、これに限らず、揺動リンク18から出力軸3にトルクを伝達可能な揺動リンク18の出力軸3に対する回転方向を切換自在に構成される二方向クラッチ(ツーウェイクラッチ)で構成してもよい。
次に、図1〜図5を参照して、本実施形態の無段変速機のてこクランク機構について説明する。
図2に示すように、本実施形態の無段変速機1では、回転半径調節機構4と、コネクティングロッド15と、揺動リンク18とで、てこクランク機構20(四節リンク機構)が構成されている。
このてこクランク機構20によって、入力軸2の回転運動は、揺動リンク18の揺動運動に変換される。本実施形態の無段変速機1は、図1に示すように、合計6個のてこクランク機構20を備えている。
このてこクランク機構20では、回転半径調節機構4の偏心量R1が「0」でない場合に、入力軸2とピニオンシャフト7を同一速度で回転させると、各コネクティングロッド15が、60度ずつ位相を変えながら、入力軸2と出力軸3との間で出力軸3側に押したり、入力軸2側に引いたりを交互に繰り返して、揺動リンク18を揺動させる。
そして、揺動リンク18と出力軸3との間には一方向クラッチ17が設けられているので、揺動リンク18が押された場合又は引かれた場合のいずれか一方の場合には、揺動リンク18が固定されて出力軸3に揺動リンク18の揺動運動の力が伝達されて出力軸3が回転し、他方の場合には、揺動リンク18が空回りして出力軸3に揺動リンク18の揺動運動の力が伝達されない。6つの回転半径調節機構4は、それぞれ60度ずつ位相を変えて配置されているので、出力軸3は6つの回転半径調節機構4で順に回転させられる。
また、本実施形態の無段変速機1では、図3に示すように、偏心量R1を変えることによって、回転半径調節機構4の回転半径を調節自在としている。
図3(a)は、偏心量R1を「最大」とした状態を示し、入力軸2の回転中心軸線P1とカムディスク5の中心P2と回転ディスク6の中心P3とが一直線に並ぶように、ピニオンシャフト7と回転ディスク6とが位置する。この場合の変速比iは最小となる。図3(b)は、偏心量R1を図3(a)よりも小さい「中」とした状態を示し、図3(c)は、偏心量R1を図3(b)よりも更に小さい「小」とした状態を示している。変速比iは、図3(b)では図3(a)の変速比iよりも大きい「中」となり、図3(c)では図3(b)の変速比iよりも大きい「大」とした状態を示している。図3(d)は、偏心量R1を「0」とした状態を示し、入力軸2の回転中心軸線P1と、回転ディスク6の中心P3とが同心に位置する。この場合の変速比iは無限大(∞)となる。
また、図4は、本実施形態の回転半径調節機構4の回転半径、すなわち、偏心量R1の変化と、揺動リンク18の揺動運動の揺動角の関係を示す模式図である。
図4(a)は偏心量R1が図3(a)の「最大」である場合(変速比iが最小である場合)、図4(b)は偏心量R1が図3(b)の「中」である場合(変速比iが中である場合)、図4(c)は偏心量R1が図3(c)の「小」である場合(変速比iが大である場合)の、回転半径調節機構4の回転運動に対する揺動リンク18の揺動範囲θ2を示している。ここで、出力軸3の回転中心軸線P4からコネクティングロッド15と揺動端部18aの連結点、すなわち、連結ピン19の中心P5までの距離が、揺動リンク18の長さR2である。
この図4から明らかなように、偏心量R1が小さくなるにつれ、揺動リンク18の揺動範囲θ2が狭くなり、偏心量R1が「0」になった場合には、揺動リンク18は揺動しなくなる。
また、図5は、無段変速機1の回転半径調節機構4の回転角度θ1を横軸、揺動リンク18の角速度ωを縦軸として、回転半径調節機構4の偏心量R1の変化に伴う角速度ωの変化の関係を示す図である。
この図5から明らかなように、偏心量R1が大きい(変速比iが小さい)ほど揺動リンク18の角速度ωが大きくなることが分かる。
次に、図6及び図7を参照して、本実施形態の無段変速機1における揺動リンク18の形状を詳細に説明する。
図6に示すように、揺動リンク18は、揺動端部18aを有している。その揺動端部18aには、コネクティングロッド15の小径環状部15bを軸方向で挟み込むために、突出した一対の突片18bが形成されている。その一対の突片18bには、小径環状部15bの内径に対応する貫通孔18cが穿設されている。
そして、この貫通孔18cと小径環状部15bとに連結ピン19が挿入されることによって、揺動リンク18とコネクティングロッド15とは連結される。
また、揺動リンク18は、揺動端部18aよりも出力軸3側に、環状部18dを有している。この環状部18dが一方向クラッチ17に外嵌することによって、揺動リンク18は、一方向クラッチ17を介して、出力軸3に軸支されている。
また、環状部18dは、第1の薄肉部18eと第2の薄肉部18fが形成されている。第1の薄肉部18eは、環状部18dの外周面のうち、出力軸3よりも揺動端部18a側の領域であって一対の突片18bの間となる領域に形成されている。第2の薄肉部18fは、図7に示すように、出力軸3の軸方向から見たときに、第1の薄肉部に対して、出力軸3を中心として点対称になるように形成されている。
本実施形態の無段変速機1は、この第1の薄肉部18eが形成されているため、従来の揺動リンクを用いて構成されている無段変速機よりも、揺動リンク18の揺動端部18aと出力軸3との距離が短い。すなわち、てこクランク機構20における揺動運動をする側の中心点(出力軸3の回転中心軸線P4)から揺動端部18a(具体的には、連結ピン19の中心P5)までの距離R2が短い。また、その距離R2に対応する回転運動をする側の回転半径、すなわち、回転半径調節機構4の回転半径も小さい。
その結果、揺動リンクに上記のような薄肉部が形成されていない従来のてこクランク機構を備えた無段変速機と比較して、てこクランク機構20が小さく、装置そのものの大きさも小さい。
また、本実施形態の無段変速機1は、第1の薄肉部18eとともに、第2の薄肉部18fとを有していることによって、揺動リンク18の揺動端部18aが激しく揺動運動するような場合であっても、応力が環状部18dの一部に大きく集中することを防止し、環状部に歪みを生じさせない剛性を維持している。
そのため、本実施形態の無段変速機1は、環状部18dには歪みが生じにくく、一部において一方向クラッチと接触しなくなったり、一方向クラッチに過剰な負荷が加わったりしてしまうことがない。
また、この第1の薄肉部18eは、揺動端部18aと出力軸3との間の肉厚T1が最も薄く、揺動端部18aからの距離が大きくなるにしたがって、連続的に肉厚が厚くなり、揺動端部18aから最も離れた位置の肉厚T2が最も厚くなるように形成されている。
より具体的には、第1の薄肉部18eの外縁は、出力軸3の軸方向から見たときに、中心が揺動端部18aのある方向とは反対方向に出力軸3から離れた位置P6にある円(図7において破線で示した円)と一致するように形成されている。その円の半径は、環状部18dの第1の薄肉部18eや第2の薄肉部18fが形成されていない部分の外周面から出力軸3までの距離よりも大きい。
このように形成されているため、本実施形態の無段変速機1は、連続的に形成されていない薄肉部を有する無段変速機に比べて、揺動リンク18が揺動運動する際に加わる応力が環状部18dの一部に集中しにくく、歪みが生じにくい。
また、第1の薄肉部18eの外縁がこのような形状であるため、本実施形態の無段変速機1は、第1の薄肉部18eを形成するための加工がしやすい。そして、当然のことながら、第1の薄肉部18eと対称的な形状の第2の薄肉部18fを形成するための加工もしやすい。
以上、図示の実施形態について説明したが、本発明はこのような形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、揺動リンク18の揺動端部18aと出力軸3との距離を短くするために第1の薄肉部18eを形成しているが、コネクティングロッド15等の部材との接触を避けるために、第1の薄肉部18eとは異なる薄肉部を形成するようにしてもよい。
そのような薄肉部を形成した場合には、出力軸3の軸方向から見たときに、その薄肉部に対して出力軸3を中心として点対称になる位置に、バランスを取るための薄肉部を形成すればよい。
1…無段変速機、2…入力軸、2a…切欠孔、3…出力軸、4…回転半径調節機構、5…カムディスク、6…回転ディスク、6a…受入孔、6b…内歯、7…ピニオンシャフト、7a…外歯、8…差動機構、9…サンギヤ、10…第1リングギヤ、11…第2リングギヤ、12…段付きピニオン、12a…大径部、12b…小径部、13…キャリア、14…調節用駆動源、14a…回転軸、15…コネクティングロッド、15a…大径環状部、15b…小径環状部、16…コンロッド軸受、17…一方向クラッチ(一方向回転阻止機構)、18…揺動リンク、18a…揺動端部、18b…突片、18c…貫通孔、18d…環状部、18e…第1の薄肉部、18f…第2の薄肉部、19…連結ピン、20…てこクランク機構、i…変速比、P1…入力軸2の回転中心軸線、P2…カムディスク5の中心、P3…回転ディスク6の中心、P4…出力軸3の回転中心軸線、P5…連結ピン19の中心、P6…第1の薄肉部18eの外縁と一致する円の中心、Ra…P1とP2の距離、Rb…P2とP3の距離、R1…P1とP3の距離(偏心量,回転半径調節機構4の回転半径)、R2…P4とP5の距離(揺動リンク18の長さ)、θ1…回転半径調節機構4の回転角度、θ2…揺動リンク18の揺動範囲。

Claims (3)

  1. 駆動源の駆動力が伝達される入力軸と、
    前記入力軸と平行に配置された出力軸と、
    前記入力軸を中心として回転可能であり回転半径を調節自在な回転半径調節機構と、前記出力軸に軸支された揺動リンクと、前記回転半径調節機構と前記揺動リンクとを連結するコネクティングロッドとを有し、前記入力軸の回転運動を前記揺動リンクの揺動運動に変換するてこクランク機構と、
    前記揺動リンクが前記出力軸を中心として一方側に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを固定し、他方側に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構とを備える無段変速機であって、
    前記揺動リンクは、前記コネクティングロッドと連結する揺動端部と、前記一方向回転阻止機構に外嵌する環状部を有し、
    前記環状部は、前記揺動端部側に形成された第1の薄肉部と、前記第1の薄肉部に対して前記出力軸を中心として点対称になるように形成された第2の薄肉部とを有していることを特徴とする無段変速機。
  2. 請求項1に記載の無段変速機であって、
    前記第1の薄肉部は、前記揺動端部と前記出力軸との間が最も肉厚が薄く、前記揺動端部からの距離が大きくなるに従って連続的に肉厚が厚くなる形状であることを特徴とする無段変速機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の無段変速機であって、
    前記第1の薄肉部の外縁は、前記出力軸の軸方向から見たときに、中心が前記揺動端部のある方向とは反対方向に前記出力軸から離れた位置にある円と一致することを特徴とする無段変速機。
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