JP6002560B2 - 気化薬剤収納容器 - Google Patents

気化薬剤収納容器 Download PDF

Info

Publication number
JP6002560B2
JP6002560B2 JP2012263609A JP2012263609A JP6002560B2 JP 6002560 B2 JP6002560 B2 JP 6002560B2 JP 2012263609 A JP2012263609 A JP 2012263609A JP 2012263609 A JP2012263609 A JP 2012263609A JP 6002560 B2 JP6002560 B2 JP 6002560B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vaporized
container
cylinder
crushing
take
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012263609A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014108211A (ja
Inventor
當麻 徹
當麻  徹
宏太郎 藤原
宏太郎 藤原
徹也 石塚
徹也 石塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yoshino Kogyosho Co Ltd
Original Assignee
Yoshino Kogyosho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yoshino Kogyosho Co Ltd filed Critical Yoshino Kogyosho Co Ltd
Priority to JP2012263609A priority Critical patent/JP6002560B2/ja
Publication of JP2014108211A publication Critical patent/JP2014108211A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6002560B2 publication Critical patent/JP6002560B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Packaging Of Annular Or Rod-Shaped Articles, Wearing Apparel, Cassettes, Or The Like (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Description

本発明は、気化薬剤収納容器に関するものである。
従来、この種の気化薬剤収納容器として、例えば下記特許文献1に示されるような、使用に際し蓋を任意の角度で開くことにより、気化薬剤(芳香剤)からの気化ガスを常に少量ずつ揮散させる構成、あるいは例えば下記特許文献2に示されるような、噴霧ボタンを押すことで容器体内の気化ガスを噴出させて揮散させる構成が知られている。
特許第3744563号公報 特開2001−72151号公報
しかしながら、上記従来の気化薬剤収納容器のうち前者の気化薬剤収納容器では、一旦蓋を開けば、気化ガスの揮散が不要な場合でも継続して気化ガスが揮散され続けることとなり、気化薬剤が無駄に消費されていた。また、後者の気化薬剤収納容器では、気化ガスの揮散が一時的であり、揮散をある程度の時間(所定時間)持続させることができなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、気化薬剤から気化ガスが無駄に揮散されることを防止しつつ、必要なときにある程度の時間継続して気化ガスを揮散させることができる気化薬剤収納容器を提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明の気化薬剤収納容器は、気化薬剤が収容されるとともに、気化薬剤が自重により落下することで取り出される取り出し孔が形成された収容体と、前記収容体に連結されるとともに、前記取り出し孔から取り出された気化薬剤を破砕する破砕体と、前記破砕体に破砕されて自重により落下した気化薬剤を外気に晒された状態で保持する気化薬剤保持部材と、を備え、前記破砕体は、前記収容体の下側に連結されて上下方向に延び、前記取り出し孔に連通する取り出し筒と、前記取り出し孔から取り出された気化薬剤を挟むように対向配置された一対の破砕部材と、を備え、前記一対の破砕部材は、前記取り出し筒の周壁における押圧壁部と、前記押圧壁部に対向配置され、該押圧壁部に接近離間可能とされたロッドと、を有し、前記ロッドの先端面には、前記押圧壁部へ向けて前記取り出し筒内にせり出し、前記取り出し孔から前記取り出し筒内に落下した気化薬剤を支持可能な支持片が突設されていることを特徴とする。
また、本発明の気化薬剤収納容器は、気化薬剤が収容されるとともに、気化薬剤が自重により落下することで取り出される取り出し孔が形成された収容体と、前記収容体に連結されるとともに、前記取り出し孔から取り出された気化薬剤を破砕する破砕体と、前記破砕体に破砕されて自重により落下した気化薬剤を保持する気化薬剤保持部材と、を備え、前記破砕体は、前記取り出し孔から取り出された気化薬剤を挟むように対向配置された一対の破砕部材を備え、これら破砕部材同士が相対的に回転移動することで気化薬剤を破砕するように構成されたことを特徴とする。
本発明の気化薬剤収納容器によれば、収容体に収容された気化薬剤(例えば芳香剤など、詳しくは後述する)が取り出し孔から取り出され、破砕体によって破砕されることで、気化薬剤保持部材に保持されつつ気化ガスを揮散させるようになっている。すなわち、気化薬剤が収容体に収容された状態では該気化薬剤から気化ガスが揮散されるようなことを抑制して、気化薬剤が無駄に消費されることが防止されている。そして気化薬剤の気化ガスを揮散させたいときには、気化薬剤を破砕することによってある程度の時間(所定時間)継続して、該気化薬剤から気化ガスを揮散させることができる。
また、一対の破砕部材同士の相対的な移動によって気化薬剤が破砕されるので、前述した作用効果を簡単な構成により安定的に得ることができる。
また、本発明の気化薬剤収納容器において、前記一対の破砕部材のうち、少なくとも一方の破砕部材には、他方の破砕部材に向けて突出する突起部が形成されていることとしてもよい。
この場合、一対の破砕部材同士の間に保持された気化薬剤が、これら破砕部材同士の相対的な移動にともない突起部に当接するとともに押圧されて、より確実に破砕されやすくなる。
また、本発明の気化薬剤収納容器において、前記一対の破砕部材同士の間には、気化薬剤を保持可能な隙間が形成され、前記隙間は、下側に向かうに従い漸次小さくされていることとしてもよい。
この場合、一対の破砕部材同士が相対的に回転移動することで、これら破砕部材同士の隙間に保持された気化薬剤が、その自重により下側へと移動しつつ、破砕される。ここで、一対の破砕部材同士の相対的な移動が、回転移動とされているので、気化薬剤を安定して確実に破砕させることができる。
本発明の気化薬剤収納容器によれば、気化薬剤から気化ガスが無駄に揮散されることを防止しつつ、必要なときにある程度の時間継続して気化ガスを揮散させることができる。
本発明の第1実施形態に係る気化薬剤収納容器を示す縦断面図(半断面図)である。 本発明の第2実施形態に係る気化薬剤収納容器を示す側面図であるとともに、容器軸Oの左側に容器正面(前面)を、容器軸Oの右側に容器背面(後面)を表している。 本発明の第2実施形態に係る気化薬剤収納容器を示す縦断面図である。 図3のA−A断面を示す図である。 図3の気化薬剤収納容器の操作を説明する図である。 本発明の第3実施形態に係る気化薬剤収納容器を示す縦断面図(半断面図)である。 図6の気化薬剤収納容器を示す上面図である。 図6のB−B断面を示す図である。 図6のC−C断面を示す図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る気化薬剤収納容器10について、図1を参照して説明する。
図1に示されるように、本実施形態の気化薬剤収納容器10は、固形状の気化薬剤Mが収容されるとともに、気化薬剤Mが自重により落下することで取り出される取り出し孔2が形成された収容体1と、収容体1に連結されるとともに、取り出し孔2から取り出された気化薬剤Mを破砕する破砕体3と、破砕体3に破砕されて自重により落下した気化薬剤mを外気に晒された状態で保持する気化薬剤保持部材4と、気化薬剤保持部材4を囲うとともに、破砕した気化薬剤mから生じる気化ガスを揮散させる揮散窓6が形成された囲繞部材5と、を備えている。
ここで、本実施形態の収容体1は、口部1aが下側に開口されるとともに頂部1bが上端に位置する有頂筒状をなしており、この口部1a内が前記取り出し孔2とされている。また、収容体1の下側(図1における下側)には、口部1aに螺着により連結される筒状の破砕体3が設けられており、該破砕体3の下側には、気化薬剤保持部材4を囲う筒状の囲繞部材5が設けられている。これら収容体1、破砕体3及び囲繞部材5の各中心軸線は、共通軸上に位置している。本明細書では、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う方向を上下方向、上下方向に沿った収容体1側を上側、囲繞部材5側を下側という。また、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
収容体1の口部1aは、該口部1aの上側に位置する胴部1cよりも小径とされている。口部1aの外周面には、雄ねじ部が形成されている。収容体1内には、少なくとも外殻が固形状とされたカプセル状、粒状又はゼリー状をなし、破砕されることで気化ガスを揮散(拡散)しやすくなる性質を有する気化薬剤Mが複数収容されている。尚、本実施形態においては、気化薬剤Mとして芳香剤を用いており、該気化薬剤Mの外形が円柱状をなしている。
ここで、気化薬剤Mの用途、形状及び構造は、上記したものに限定されない。具体的に、気化薬剤Mは、上記した芳香剤の他、例えば空気清涼剤、脱臭剤、消臭剤、悪臭中和剤、殺虫剤、防虫剤、忌避剤、薬物、消毒剤、殺菌剤、興奮剤、アロマテラピー組成物等の揮散可能な薬剤等であってもよい。また本明細書でいう「固形状の気化薬剤M」とは、下記の構造を含んでいる。すなわち本実施形態では、気化薬剤Mは外殻が固形状とされたカプセル状をなしているが、前記外殻は固形状でなくてもよく、例えば比較的軟らかいフィルム状とされていてもよい。さらに、気化薬剤Mはカプセルに限定されることはなく、例えば、粉末状の上記薬剤が圧縮して形成された球状の錠剤や、球状に成形されたゼリー状の薬剤、内部がゲル状であって外表面が固形の球状に成形された薬剤等であってもよい。
破砕体3は、取り出し孔2から取り出された気化薬剤Mを挟むように対向配置された一対の破砕部材13、14を備え、これら破砕部材13、14同士が相対的に移動することで気化薬剤Mを破砕するように構成されている。
具体的に、破砕体3は、収容体1の口部1aに装着される上キャップ11と、収容体1内に連通して破砕後の気化薬剤mを吐出する吐出口12aを有し、上キャップ11に対して容器軸O回りに回転可能に組み付けられた下キャップ12と、上キャップ11の径方向内側に固定された筒状の外歯13と、下キャップ12に固定されるとともに、外歯13内に配設された内歯14と、を備えている。すなわち、本実施形態では前記一対の破砕部材13、14として外歯13及び内歯14を有しており、破砕体3のこれら外歯13と内歯14とが、容器軸O回りに相対的に回転移動するように構成されている。
上キャップ11は、上下方向に沿って延設された筒状に形成され、収容体1の口部1aに螺着された本体筒部15と、本体筒部15の径方向外側を囲繞するように形成された外装筒部16と、を備えている。
外装筒部16の外径は、収容体1の胴部1cの外径と同等に形成されており、該外装筒部16の下端部は本体筒部15の上側部分17に連設され、該外装筒部16の上端部は本体筒部15の上端よりも上側に突出している。すなわち、外装筒部16は、破砕体3を収容体1に装着したときに、収容体1の口部1aに対して径方向外側に配置されて、収容体1の胴部1cとともに外装面を構成している。
本体筒部15は、収容体1の口部1aに着脱可能に螺着された上側部分17と、上側部分17の下側に位置し、外歯13に対して容器軸O回りへの回転が規制された状態で係合する下側部分18と、これら上側部分17と下側部分18との連結部位から径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状のフランジ部19と、前記連結部位から径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる係合凸部20と、を備えている。
上側部分17の内周面には、雌ねじ部が形成されており、該雌ねじ部は収容体1の口部1aの雄ねじ部に着脱可能に螺着されている。また、上側部分17の雌ねじ部と口部1aの雄ねじ部とが螺着した状態で、該口部1aの下端開口縁はフランジ部19にその上側から当接している。図1に示されるように、収容体1が上キャップ11に装着された状態で、収容体1を上キャップ11に対してさらにねじ込み方向R1(本実施形態においては頂部1bを正面に見た気化薬剤収納容器10の上面視で時計回り)へ回転させようとすると、該収容体1とともに上キャップ11が供回りするようになっている。
下側部分18の内周面には、上下方向に延びる溝部21が周方向に間隔をあけて複数形成されている。下側部分18の外周面は、下キャップ12の装着筒23における内周面に摺動可能に当接又は近接している。
外歯13は、筒状をなして本体筒部15の下側部分18内に収容されており、該外歯13の上端には、その上側からフランジ部19が当接している。外歯13は、その内周面(歯面13a)に歯形を有しており、該内周面は下側に向かうに従い漸次拡径されている。外歯13の外周面には、径方向外側に向かって突出するとともに上下方向に延びるリブ22が周方向に間隔をあけて複数形成されている。これらリブ22は、それぞれ上述した下側部分18の溝部21内に各別に収容されており、これらリブ22と溝部21とが互いに係合されることで、本体筒部15(上キャップ11)に対する外歯13の周方向への移動(回転)が規制されている。尚、前記回転を規制する構成としては溝部21に限られるものではなく、例えば外歯13のリブ22を周方向の両側から挟み込む一対のリブを下側部分18に形成することとしても構わない。
下キャップ12は、上下方向に沿って延設された筒状の部材であり、上キャップ11の下側部分18に外挿され囲繞部材5に装着される装着筒23と、装着筒23の下側部分における内周面から径方向内側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の外歯支持部24と、該外歯支持部24の内周縁部から下側に向けて垂下設された吐出筒25と、該吐出筒25の径方向内側に配置されて内歯14を支持する内歯支持部26と、を備えている。
装着筒23の内周面における上端部には、径方向外側に向けて窪むとともに周方向に沿って延びる係合凹部27が形成されており、該係合凹部27は本体筒部15の係合凸部20にアンダーカット嵌合されている。また、装着筒23の内周面における下端部には、雌ねじ部が形成されている。
外歯支持部24には、その上側から本体筒部15の下端開口縁が摺動可能に当接しており、該下端開口縁の径方向内側には、外歯支持部24に対してその上側から外歯13の下端が摺動可能に当接している。また外歯支持部24には、その下側から環状のシール部材28が当接している。
吐出筒25の内周面には、径方向内側へ向けて突出するブリッジ部29が複数形成されており、これらブリッジ部29は周方向に間隔をあけて配置されている。また、これらブリッジ部29は吐出筒25内で内歯支持部26を支持しており、周方向に隣り合うブリッジ部29同士の間に形成され上下方向に貫通する孔が、前記吐出口12aとされている。
内歯支持部26は、環状をなすベース部30と、ベース部30の外周縁部から上側に向けて突設された外筒31と、外筒31内に同軸に配置されベース部30の内周縁部から上側に向けて突設された内筒32と、を備えている。
ベース部30は、リング板状をなしており、該ベース部30の外周縁部は前記ブリッジ部29を介して吐出筒25の内周面に連結されている。
外筒31の上端は、外歯支持部24の上面より僅かに下側に位置しており、該外筒31の上端には、その上側から内歯14の下端部が当接している。
内筒32は、その上側部分が下側部分よりも小径とされた二段筒状をなしている。内筒32のベース部30から上側へ向けた突出高さは、外筒31の前記突出高さよりも大きくなっている。内筒32の下側部分の外周面には、径方向外側へ向けて突出するとともに上下方向に沿って延びるリブ33が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
内歯14は、筒状をなしており、外歯13と内筒32の間に配設されている。内歯14は、その外周面(歯面14a)に歯形を有しており、該外周面は下側に向かうに従い漸次拡径されている。内歯14の歯面14aは、外歯13の歯面13aに隙間Sをあけて対向配置されている。すなわち、一対の破砕部材(外歯13及び内歯14)同士の間には、固形状の気化薬剤Mを保持可能な隙間Sが形成されており、該隙間Sは、下側に向かうに従い漸次小さくされていて、気化薬剤Mを破砕しながら吐出口12aへと送り出す破砕通路を構成している。また、隙間Sの上側には、収容体1の取り出し孔2が配置されており、該取り出し孔2を通して気化薬剤Mが自重により隙間Sに落下させられて、収容体1内から取り出されるようになっている。
内歯14の上端部は、内筒32の上側部分に嵌合している。また、内歯14の下端部における外周縁部は、該外周縁部以外の部分よりも下側に向けて突出しているとともに、外筒31の上端部をその径方向外側から囲繞している。また、内歯14の内周面には、径方向外側に向かって窪むとともに上下方向に延びる溝部34が周方向に間隔をあけて複数形成されている。これら溝部34内には、内筒32のリブ33が各別に収容されており、これらリブ33と溝部34とが互いに係合されることで、内筒32(下キャップ12)に対する内歯14の周方向への移動(回転)が規制されている。尚、前記回転を規制する構成としては溝部34に限られるものではなく、例えば内筒32のリブ33を周方向の両側から挟み込む一対のリブを内歯14に形成することとしても構わない。
このような構成により、上キャップ11及び外歯13は、下キャップ12及び内歯14に対して、容器軸O回りに回転可能とされている一方、容器軸O方向への移動は規制されている。さらに、上キャップ11に連結される収容体1は、下キャップ12に連結される囲繞部材5及び該囲繞部材5内に配設される気化薬剤保持部材4に対して、容器軸O回りに回転可能とされる。
囲繞部材5は、有底筒状の本体筒35と、本体筒35を径方向外側から覆うように形成された外装筒36と、を備えている。
本体筒35は、その上側部分が下側部分より大径となっている。本体筒35における上側部分と下側部分との間に位置するテーパ状の中間部には、該本体筒35を径方向に貫通する揮散窓6が周方向に間隔をあけて複数形成されている。図示の例では、揮散窓6は上下方向に長い矩形孔状とされている。
本体筒35の底壁上には、気化薬剤保持部材4が配設されており、該気化薬剤保持部材4は吐出口12aの下側に位置している。気化薬剤保持部材4は、板状とされた不織布や多孔質材料(例えばスポンジ体)等からなり、気化薬剤Mが隙間Sを通ることにより破砕されて生じた液体、粒体、粉体、破片等を含む気化薬剤mを含浸又は載置可能とされている。気化薬剤保持部材4に保持されることで、気化薬剤mは揮散窓6を通して外気に晒されつつ気化しやすくされている。尚、図示の例では、本体筒35の底壁に該底壁を貫通する通気孔38が形成されており、該通気孔38を外気や気化ガスが流通することで、気化薬剤保持部材4に含浸・保持された気化薬剤mがより揮散されやすくなっている。
本体筒35の外周面における上端部には、雄ねじ部が形成されている。本体筒35の雄ねじ部は、下キャップ12の雌ねじ部に着脱可能に螺着されている。また、本体筒35の上端開口縁は、シール部材28にその下側から当接している。
外装筒36は、本体筒35の上端部以外の部位を囲繞するように形成されており、該外装筒36の上端部は本体筒35の外周面の上側部分に連設されている。外装筒36の下端開口縁は、本体筒35の底壁よりも下側に位置している。また、外装筒36には、該外装筒36を径方向に貫通するとともに下端開口縁に亘って切り欠かれた切り欠き部37が、周方向に間隔をあけて複数形成されている。
次に、本実施形態の気化薬剤収納容器10の使用手順について説明する。
まず、固形状の気化薬剤Mが収容された収容体1を、螺着により上キャップ11に装着する。そして、気化薬剤収納容器10を図1に示す正立姿勢とすることで、収容体1内の気化薬剤Mを自重により隙間S内に落下させる。この状態で上キャップ11と下キャップ12とを容器軸O回りに相対的に回転させると、外歯13と内歯14とが相対的に回転することで、隙間(破砕通路)S内の気化薬剤Mが両歯13、14の歯形によってすり潰されるように破砕されながら、該隙間S内を下側に向けて送り出される。そして、液状、粒状、粉状、破片状等に破砕された気化薬剤mは、隙間Sの出口(外歯13及び内歯14の下端縁同士の間)から排出され、吐出筒25の吐出口12aを通ってその下側の気化薬剤保持部材4上に落下する。
気化薬剤保持部材4上に落下した気化薬剤mは、該気化薬剤保持部材4に含浸されたり載置されたりしつつ、気化ガスを揮散させる。気化ガスは、囲繞部材5内から揮散窓6及び切り欠き部37を通って、容器外部に揮散される。
尚、破砕した気化薬剤mが気化薬剤保持部材4上に溜まった場合は、囲繞部材5を下キャップ12から取り外して、気化薬剤保持部材4を掃除又は交換すればよい。
以上説明したように、本実施形態の気化薬剤収納容器10によれば、収容体1に収容された固形状の気化薬剤Mが取り出し孔2から取り出され、破砕体3によって破砕されることで、気化薬剤保持部材4に保持されつつ気化ガスを揮散させるようになっている。すなわち、気化薬剤Mが収容体1に収容された状態では該気化薬剤Mから気化ガスが揮散されるようなことを抑制して、気化薬剤Mが無駄に消費されることが防止されている。そして気化薬剤Mの気化ガスを揮散させたいときには、気化薬剤Mを破砕することによってある程度の時間(所定時間)継続して、破砕後の気化薬剤mから気化ガスを揮散させることができる。
さらに、複数の気化薬剤Mを連続的に破砕することで、気化ガスの揮散時間(効果の持続時間)及び気化ガスの揮散量を増大させることができる。つまり、必要に応じて一対の破砕部材13、14同士の相対的な移動量を調整することで、気化ガスの揮散時間及び揮散量を調整することが可能である。
また、囲繞部材5が気化薬剤保持部材4を囲っているので、破砕された気化薬剤mが気化薬剤保持部材4に落下するときに、容器外部に飛び散るようなことが防止される。また破砕した気化薬剤mが覆われることで、容器の外観(見映え)が損なわれるようなことが防止されつつ、揮散窓6を通して気化ガスが容器外部に確実に揮散される。
また、破砕体3が、取り出し孔2から取り出された気化薬剤Mを挟むように対向配置された一対の破砕部材(外歯13及び内歯14)を備えており、これら破砕部材同士の相対的な移動によって気化薬剤Mが破砕されるので、前述した作用効果を簡単な構成により安定的に得ることができる。具体的に、一対の破砕部材13、14同士の相対的な移動として本実施形態のように回転移動を用いた場合は、気化薬剤Mを安定して確実に破砕させることができる。
また、一対の破砕部材同士の間に形成される隙間Sが、下側に向かうに従い漸次小さくされているので、一対の破砕部材同士が相対的に回転移動することで、これら破砕部材同士の隙間Sに保持された固形状の気化薬剤Mが、その自重により下側へと移動しつつ、破砕されやすくなっている。
また、破砕体3の内部(隙間Sなど)が、破砕された気化薬剤mで汚れた場合には、上キャップ11から収容体1を取り外し下キャップ12から囲繞部材5を取り外すことで、破砕体3を洗浄することが可能であり、メンテナンス性を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る気化薬剤収納容器40について、図2〜図5を参照して説明する。尚、前述の実施形態と同様の構成については同一名称で表してその説明を省略し、以下に異なる点についてのみ、説明する。
図3に示されるように、本実施形態の気化薬剤収納容器40は、本体筒41と、本体筒41内を上下方向(容器軸O方向)に区画する仕切り壁42と、仕切り壁42から下側(図3における下側)へ向けて突設される取り出し筒43と、取り出し筒43内の気化薬剤Mに対して径方向(容器軸O方向に直交する方向)から接近離間可能とされたロッド44と、ロッド44に連結されて容器外部に露出される操作部45と、取り出し筒43に対してロッド44を離間させる向きに付勢する付勢部材46と、本体筒41の上端開口部に着脱可能に装着される蓋47と、を備えている。
そして、本体筒41のうち、仕切り壁42の上側(図3における上側)に位置する部位及び該仕切り壁42が収容体48を構成しており、該収容体48内には球状をなす気化薬剤Mが複数収容されている。また仕切り壁42は、径方向内側へ向かうに従い漸次下側へ向かって傾斜しており、該仕切り壁42における下端部(容器軸O上に位置する部分)には、該下端部から垂下設される取り出し筒43内へ開口された取り出し孔52が形成されている。
取り出し筒43には、ロッド44が摺動可能に内挿されるガイド筒53が径方向外側へ向けて突設されている。また、取り出し筒43の周壁において、ガイド筒53とは径方向の反対側に位置する部分が押圧壁部54とされており、該押圧壁部54の下側には上下方向に延びるとともに取り出し筒43の下端開口縁に亘って切り欠かれたスリット55が形成されている。取り出し筒43の下端開口部内は吐出口43aとされており、該吐出口43aの下側には、気化薬剤保持部材51が配設されている。
ここで、本実施形態では、気化薬剤収納容器40における径方向のうち、容器軸Oからガイド筒53側へ向かう方向(図3における右側)を前方といい、容器軸Oからスリット55側へ向かう方向(図3における左側)を後方という。
また、本体筒41のうち、仕切り壁42の下側(図3における下側)に位置する部位が気化薬剤保持部材51を囲う囲繞部材49を構成しており、該囲繞部材49において後方を向く背面部分には、揮散窓50が複数形成されている。図2に示されるように、揮散窓50は、上下方向に長いスリット状をなしている。
図3において、囲繞部材49の内周面における揮散窓50の下側には、径方向内側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる突起56が、周方向に間隔をあけて複数形成されており、これら突起56により気化薬剤保持部材51が支持されている。また、囲繞部材49における突起56の下側には、該囲繞部材49の周壁を貫通するとともに該周壁の下端開口縁に亘って切り欠かれた切り欠き部57が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
また、囲繞部材49の周壁において前方を向く正面部分には、該周壁の他の部位よりも径方向内側へ窪まされた凹部58が形成されている。図2に示されるように、凹部58は矩形穴状をなしており、該凹部58において容器正面を向く前壁58aは、その外周縁部以外の部位が大きく矩形孔状に切り欠かれている(図3を参照)。また前壁58aの内周縁部には、角筒状をなすガイド枠59が径方向内側へ向けて突設されている。
図3及び図4に示されるように、ガイド枠59内には、操作部45が径方向へ向けて摺動可能に配設されている。操作部45は、容器正面を向く矩形板状の前板60と、前板60の外周縁部から径方向内側へ向けて延設された4つの側板61と、前板60から径方向内側へ向けて突設されるとともにロッド44に嵌合されるロッド受け筒62と、を備えている。操作部45における前板60、及び側板61の径方向の外側部分は、凹部58の前壁58aよりも径方向外側へ突出していて、容器外部に露出されている。
図3において、4つの側板61のうち、上下に配置される一対の側板61の径方向内側の端部には、仕切り壁42に対する逃げ部66が凹状に形成されている。これら側板61のそれぞれに逃げ部66が形成されていることで、本体筒41に対する操作部45の上下方向の取り付け向きが規制されないようになっている。図4において、4つの側板61のうち、左右に配置される一対の側板61の各外面には、ガイド枠59の径方向内側を向く端部にその径方向内側から係止可能な突起63がそれぞれ形成されている。
ロッド44は、径方向に沿って延設されており、その径方向の外側部分をなす小径の連結部64がロッド受け筒62内に嵌合していることで、操作部45に一体とされている。ロッド44において径方向の内側部分をなす本体部65は、ガイド筒53の内周面に摺動可能とされている。本体部65において径方向内側を向く先端面65aは、取り出し筒43における押圧壁部54の内周面に対して接触面積を大きく確保可能な凸曲面状に形成されている。
そして、本実施形態における破砕体67は、取り出し孔52から取り出された気化薬剤Mを挟むように対向配置された一対の破砕部材44、54を備え、これら破砕部材44、54同士が相対的に移動することで気化薬剤Mを破砕するように構成されている。
具体的に、破砕体67は、収容体48の下側に連結されて取り出し孔52に連通する取り出し筒43と、取り出し筒43の押圧壁部54に対向配置されるとともに接近離間可能とされたロッド44と、を備えており、前記一対の破砕部材44、54としてロッド44及び押圧壁部54を有している。また、破砕体67のこれらロッド44と押圧壁部54とが、径方向に相対的にスライド移動するように構成されている。詳しくは、操作部45が操作され径方向内側へ向けて押し込まれることで、押圧壁部54に対してロッド44が接近させられていき、取り出し筒43内(破砕通路)に配置された固形状の気化薬剤Mがこれらロッド44及び押圧壁部54の間で破砕されるようになされている。
また、ロッド44の先端面65aにおける下端部には、押圧壁部54側へ向けて支持片68が突設されている。図3において、支持片68は取り出し筒43内にせり出しており、その上側に位置する取り出し孔52から取り出し筒43内に落下した気化薬剤Mを上面で支持可能とされている。また図4において、支持片68の幅は取り出し筒43の内径よりも十分に小さく設定されている。
付勢部材46は、圧縮コイルばね等の弾性体からなり、ロッド44と押圧壁部54とを離間させる向きに付勢している。本実施形態では、付勢部材46は、ロッド44の本体部65及び操作部45のロッド受け筒62に外挿されており、該付勢部材46における径方向内側の端部はガイド筒53の径方向外側の端部に当接し、該付勢部材46における径方向外側の端部は操作部45の前板60にその径方向内側から当接している。
図3において、蓋47は有頂筒状をなしており、天壁47aと、周壁47bと、天壁47aから垂下設されたシール筒47cと、周壁47bの下端部から径方向外側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状のフランジ47dと、を備えている。天壁47aには、その下側から本体筒41の上端開口縁が当接している。周壁47bは、本体筒41の上端開口部の径方向外側に嵌合している。シール筒47cは、本体筒41の上端開口部の径方向内側に嵌合している。
次に、本実施形態の気化薬剤収納容器40の使用手順について説明する。
収容体48の仕切り壁42が傾斜していることにより、球状をなす気化薬剤Mは自重によって該収容体48内から取り出し孔52を通り取り出し筒43内へ落下し、ロッド44の支持片68上に支持される。この状態から、図5に示されるように、操作部45を容器内部に向けて(図5に示す矢印方向へ)押し込むと、取り出し筒43の押圧壁部54に対してロッド44が接近させられていき、気化薬剤Mがこれらロッド44及び押圧壁部54の間で押し潰されるように破砕される。尚、この際ロッド44の支持片68は取り出し筒43のスリット55内に収容される。
操作部45の押し込みを解除すると、付勢部材46の付勢力によってロッド44が押圧壁部54から離間される。これらロッド44及び押圧壁部54により破砕された気化薬剤mは、支持片68の周囲から取り出し筒43内を下側に向けて送り出され、吐出口43aを通ってその下側の気化薬剤保持部材51上に落下する。
気化薬剤保持部材51上に落下した気化薬剤mは、該気化薬剤保持部材51に含浸されたり載置されたりしつつ、気化ガスを揮散させる。気化ガスは、囲繞部材49内から揮散窓50及び切り欠き部57を通って、容器外部に揮散される。
以上説明した本実施形態の気化薬剤収納容器40によれば、前述の実施形態と同様の効果を奏功する。
また、破砕体67における一対の破砕部材44、54同士の相対移動がスライド移動であるので、簡単な操作によって気化薬剤Mを破砕させることができる。
また本実施形態では、付勢部材46の付勢力に抗って一対の破砕部材44、54同士を接近移動させることで気化薬剤Mを破砕した後、該付勢部材46の付勢力によってこれら破砕部材44、54同士を離間させ元の状態に戻すことができ、操作性がよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る気化薬剤収納容器70について、図6〜図9を参照して説明する。尚、前述の実施形態と同様の構成については同一名称で表してその説明を省略し、以下に異なる点についてのみ、説明する。
図6に示されるように、本実施形態の気化薬剤収納容器70は、気化薬剤保持部材71と、気化薬剤保持部材71をその上側(図6における上側)から覆って該気化薬剤保持部材71に着脱可能に装着される下筒72と、下筒72の上側に配設されるとともに該下筒72に対して周方向(容器軸O回り)に回転可能とされた上筒73と、上筒73の上端開口部に着脱可能に装着される蓋74と、を備えている。
気化薬剤保持部材71は、深さの浅い有底筒状をなしており、底壁71aと、周壁71bと、を備えた受け皿形状とされている。底壁71aは、径方向(容器軸Oに直交する方向)の外側へ向かうに従い漸次下側(図6における下側)へ向けて傾斜している。周壁71bの下側部分は、該周壁71bの上側部分よりも厚肉とされている。周壁71bの上側部分の外周面には、雄ねじ部が形成されている。
下筒72は、有頂筒状の装着筒部75と、装着筒部75より小径とされて該装着筒部75の天壁75aに立設される支持筒部76と、支持筒部76内に配置される下破砕板77と、下破砕板77上に立設される回転軸78と、を備えている。本実施形態では、下筒72が、気化薬剤保持部材71を囲う囲繞部材72とされている。
装着筒部75は、リング板状の天壁75aと、周壁75bと、を備えている。図7に示されるように、天壁75aには、該天壁75aを上下方向に貫通するとともに周方向に沿って延びる揮散窓79が複数形成されている。図示の例では、これら揮散窓79は、互いに周方向及び径方向に間隔をあけて配置されている。図6において、天壁75aには、その下側から気化薬剤保持部材71の周壁71bの上端開口縁が当接している。
装着筒部75の周壁75bの内周面には、雌ねじ部が形成されており、該雌ねじ部は気化薬剤保持部材71の周壁71bの雄ねじ部に螺着されている。この螺着によって、下筒72が気化薬剤保持部材71に着脱可能に装着されている。
支持筒部76は、装着筒部75の天壁75aにおける内周縁部から上側に向けて突設されている。支持筒部76の上端開口部には、径方向内側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる係合突起76aが周方向に間隔をあけて複数形成されている。
下破砕板77は、円板状をなしており、該下破砕板77の外周縁部は支持筒部76の内周面に連結されている。下破砕板77には、後述する上破砕板83に向けて(本実施形態では上側に向けて)突出する突起部80が複数形成されている。図9に示されるように、これら突起部80は下破砕板77の中心(容器軸O上)から径方向外側へ向けて列をなしているとともに、該列が周方向に間隔をあけて複数形成されていて、全体としては放射状に配置されている。
また、下破砕板77において周方向に隣り合う突起部80の前記列同士の間には、該下破砕板77を上下方向に貫通する吐出孔81が、径方向に間隔をあけて複数形成されている。これら吐出孔81における径方向の長さ及び周方向の長さの少なくともいずれかは、球状をなす気化薬剤Mの外径よりも小さくされている。図6及び図9において、下破砕板77の外周縁部における前述した係合突起76aの直下に位置する部分には、該係合突起76aを成形する型を抜くための細溝82が下破砕板77を上下方向に貫通するとともに周方向に延びて複数形成されている。
また図6において、回転軸78は、支持筒部76の上端開口縁より上側に向けて突出している。
上筒73は、下破砕板77との間に間隔をあけてその上側に配置される上破砕板83と、上破砕板83上に立設される筒状の収容体84と、収容体84の径方向内側に間隔をあけて内挿され上破砕板83上に立設される軸支筒85と、上破砕板83から垂下設されるスペーサ筒86と、を備えている。
上破砕板83は、円板状をなしており、該上破砕板83の外周縁部には、その下側から支持筒部76の上端開口縁が摺動可能に当接している。上破砕板83には、下破砕板77に向けて(本実施形態では下側に向けて)突出する突起部87が複数形成されている。図8に示されるように、これら突起部87は上破砕板83の中心(容器軸O上)から径方向外側へ向けて列をなしているとともに、該列が周方向に間隔をあけて複数形成されていて、全体としては放射状に配置されている。
また、上破砕板83において周方向に隣り合う突起部87の前記列同士の間には、該上破砕板83を上下方向に貫通する連通孔88がそれぞれ形成されている。連通孔88における径方向の長さ及び周方向の長さは、いずれも固形状の気化薬剤Mの外径より大きくされている。
また上破砕板83と下破砕板77との上下方向の間隔(破砕用の隙間)は、気化薬剤Mの外径に対して同等以下とされている。
図6において、収容体84は、その下端部が小径とされ、上端部が大径とされていて、これら下端部と上端部との間に位置する中間部分が下側へ向かうに従い漸次縮径されたテーパ状となっている。
また、軸支筒85には、その容器軸O上において上破砕板83に開口するとともに上下方向に延びる軸穴85aが形成されている。軸穴85aには回転軸78が摺動可能に挿入されている。また軸支筒85の上面は、径方向外側へ向かうに従い漸次下側へ向かって傾斜している。
本実施形態では、収容体84の内周面と軸支筒85の外周面との間に形成された上面視円環状の隙間が、収容体84の取り出し孔89とされている。取り出し孔89の内周は、連通孔88の内周の直上に位置しており、取り出し孔89の外周は、連通孔88の外周の直上に位置している。取り出し孔89の径方向の幅は、気化薬剤Mの外径よりも僅かに大きくされている。
スペーサ筒86は、上破砕板83において径方向に配列された複数の突起部87のうち、最も径方向外側に位置する突起部87の径方向外側から下側へ向けて突設されている。スペーサ筒86の下端開口縁は、下破砕板77の外周縁部にその上側から摺動可能に当接している。スペーサ筒86の外周面には、径方向外側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状のフランジ90が形成されている。フランジ90の外周縁部には、その上側から支持筒部76の係合突起76aが当接されており、これらフランジ90と係合突起76aとは摺動可能にアンダーカット嵌合されている。
そして、本実施形態における破砕体91は、取り出し孔89から取り出された気化薬剤Mを挟むように対向配置された一対の破砕部材77、83を備え、これら破砕部材77、83同士が相対的に移動することで気化薬剤Mを破砕するように構成されている。
具体的に、破砕体91は、収容体84の下側に連結されて取り出し孔89に連通する連通孔88が形成された上破砕板83と、上破砕板83の下側に該上破砕板83との間に気化薬剤Mの外径よりも小さい隙間をあけて対向配置されるとともに、該隙間と気化薬剤保持部材71上とを連通する吐出孔81が形成された下破砕板77と、を備えている。すなわち、本実施形態では前記一対の破砕部材77、83として上破砕板83及び下破砕板77を有しており、破砕体91のこれら上破砕板83と下破砕板77とが、容器軸O回りに相対的に回転移動するように構成されている。
尚、本実施形態では、一対の破砕部材77、83の両方に、これら破砕部材77、83のうち一方から他方へ向けて突出する突起部80、87が形成されているとしたが、これに限定されるものではなく、少なくとも一方の破砕部材から他方の破砕部材へ向けて突出する突起部が形成されていればよい。さらに破砕部材には突起部が設けられていなくても構わない。
図6において、蓋74は有頂筒状をなしており、天壁74aと、周壁74bと、天壁74aから垂下設されたシール筒74cと、周壁74bの下端部から径方向外側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状のフランジ74dと、天壁74aの外周縁部から上側へ向けて立設された棒状の操作片74eと、を備えている。天壁74aには、その下側から収容体84の上端開口縁が当接している。周壁74bは、収容体84の上端開口部の径方向外側に嵌合している。シール筒74cは、収容体84の上端開口部の径方向内側に嵌合している。
次に、本実施形態の気化薬剤収納容器70の使用手順について説明する。
収容体84内の気化薬剤Mは、自重によって該収容体84内から取り出し孔89及び連通孔88を通り一対の破砕部材77、83同士の間の隙間に落下して、下破砕板77上に支持される。この状態で蓋74の操作片74eを操作し、該蓋74に密着固定された上筒73を下筒72及び気化薬剤保持部材71に対して容器軸O回り(図示の例では回転方向R2)に回転させると、上破砕板83と下破砕板77とが相対的に回転することで、隙間(破砕通路)内の気化薬剤Mがこれら上破砕板83、下破砕板77及び突起部80、87によってすり潰されるように破砕されながら、下破砕板77の吐出孔81内を通ってその下側の気化薬剤保持部材71の底壁71a上に落下する。
気化薬剤保持部材71の底壁71a上に落下した気化薬剤mは、該底壁71aが傾斜しているのにともなって径方向外側へと移動されつつ揮散窓79の下側に配置されて、気化ガスを揮散させる。気化ガスは、気化薬剤保持部材71及び下筒72内から揮散窓79を通って、容器外部に揮散される。
尚、破砕した気化薬剤mが気化薬剤保持部材71の底壁71a上に溜まった場合は、下筒72を気化薬剤保持部材71から取り外して、気化薬剤保持部材71を掃除又は交換すればよい。
以上説明した本実施形態の気化薬剤収納容器70によれば、前述の実施形態と同様の効果を奏功する。
また、一対の破砕部材77、83のうち、少なくとも一方の破砕部材に、他方の破砕部材に向けて突出する突起部80、87が形成されているので、一対の破砕部材77、83同士の間に保持された気化薬剤Mが、これら破砕部材77、83同士の相対的な移動にともない突起部80、87に当接するとともに押圧されて、より確実に破砕されやすくなる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、気化薬剤保持部材4、51、71を囲う囲繞部材5、49、72が設けられるとしたが、該囲繞部材5、49、72が設けられずに気化薬剤保持部材4、51、71が容器外部に露出されていても構わない。
また、一対の破砕部材同士の相対的な移動が、回転移動又はスライド移動であることとしたが、これに限定されるものではなく、例えばこれら回転移動及びスライド移動が合成された複合的な相対移動であってもよい。
また、第3実施形態で説明した突起部80、87に相当する構成が、第1、第2実施形態の一対の破砕部材に用いられていてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を組み合わせたり周知の構成要素に置き換えたりすることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1、48、84 収容体
2、52、89 取り出し孔
3、67、91 破砕体
4、51、71 気化薬剤保持部材
5、49 囲繞部材
6、50、79 揮散窓
10、40、70 気化薬剤収納容器
13 外歯(破砕部材)
14 内歯(破砕部材)
44 ロッド(破砕部材)
46 付勢部材
54 押圧壁部(破砕部材)
72 下筒(囲繞部材)
77 下破砕板(破砕部材)
80、87 突起部
83 上破砕板(破砕部材)
M 気化薬剤
m 破砕された気化薬剤
S 隙間

Claims (4)

  1. 気化薬剤が収容されるとともに、気化薬剤が自重により落下することで取り出される取り出し孔が形成された収容体と、
    前記収容体に連結されるとともに、前記取り出し孔から取り出された気化薬剤を破砕する破砕体と、
    前記破砕体に破砕されて自重により落下した気化薬剤を保持する気化薬剤保持部材と、を備え
    前記破砕体は、
    前記収容体の下側に連結されて上下方向に延び、前記取り出し孔に連通する取り出し筒と、
    前記取り出し孔から取り出された気化薬剤を挟むように対向配置された一対の破砕部材と、を備え、
    前記一対の破砕部材は、
    前記取り出し筒の周壁における押圧壁部と、
    前記押圧壁部に対向配置され、該押圧壁部に接近離間可能とされたロッドと、を有し、
    前記ロッドの先端面には、前記押圧壁部へ向けて前記取り出し筒内にせり出し、前記取り出し孔から前記取り出し筒内に落下した気化薬剤を支持可能な支持片が突設されていることを特徴とする気化薬剤収納容器。
  2. 気化薬剤が収容されるとともに、気化薬剤が自重により落下することで取り出される取り出し孔が形成された収容体と、
    前記収容体に連結されるとともに、前記取り出し孔から取り出された気化薬剤を破砕する破砕体と、
    前記破砕体に破砕されて自重により落下した気化薬剤を保持する気化薬剤保持部材と、を備え、
    前記破砕体は、前記取り出し孔から取り出された気化薬剤を挟むように対向配置された一対の破砕部材を備え、これら破砕部材同士が相対的に回転移動することで気化薬剤を破砕するように構成されたことを特徴とする気化薬剤収納容器。
  3. 請求項1又は2に記載の気化薬剤収納容器であって、
    前記一対の破砕部材のうち、少なくとも一方の破砕部材には、他方の破砕部材に向けて突出する突起部が形成されていることを特徴とする気化薬剤収納容器。
  4. 請求項2に記載の気化薬剤収納容器であって、
    前記一対の破砕部材同士の間には、気化薬剤を保持可能な隙間が形成され、
    前記隙間は、下側に向かうに従い漸次小さくされていることを特徴とする気化薬剤収納容器。
JP2012263609A 2012-11-30 2012-11-30 気化薬剤収納容器 Active JP6002560B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012263609A JP6002560B2 (ja) 2012-11-30 2012-11-30 気化薬剤収納容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012263609A JP6002560B2 (ja) 2012-11-30 2012-11-30 気化薬剤収納容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014108211A JP2014108211A (ja) 2014-06-12
JP6002560B2 true JP6002560B2 (ja) 2016-10-05

Family

ID=51029212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012263609A Active JP6002560B2 (ja) 2012-11-30 2012-11-30 気化薬剤収納容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6002560B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7286455B2 (ja) * 2019-07-19 2023-06-05 エステー株式会社 揮散装置
WO2022220011A1 (ja) * 2021-04-16 2022-10-20 ソニーグループ株式会社 香料保持部材および香り提供装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6115893Y2 (ja) * 1981-04-28 1986-05-16
JPS6115892Y2 (ja) * 1981-04-28 1986-05-16
IT1230313B (it) * 1989-07-07 1991-10-18 Somova Spa Inalatore per medicamenti in capsule.
JPH04161165A (ja) * 1990-10-25 1992-06-04 Barutetsuku Kk 薬液等の蒸散装置
BR9601523A (pt) * 1996-04-09 1998-03-24 De Sousa Mauricio Araujo Processo e aparelho para aromatização programada de ambientes
JP4872872B2 (ja) * 2007-09-28 2012-02-08 大日本印刷株式会社 薬剤揮散装置
JP2012085993A (ja) * 2010-10-21 2012-05-10 Welco Butsuryu Kk 芳香発生具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014108211A (ja) 2014-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104203426B (zh) 设有可拆除的盖子的液体输配设备
NL1015694C2 (nl) Dubbele functieafgeefinrichting.
EP0362397B1 (en) Heater-fumigator
EP2885226B1 (en) Method and system for dispensing a composition
KR19980702911A (ko) 에어로졸 밸브
WO1993018812A1 (en) Powder jet dispenser for medicament inhalation therapies
JP6002560B2 (ja) 気化薬剤収納容器
JP6937924B2 (ja) 薬剤送達システムおよび方法
JP2007508856A (ja) 揮発性材料を供給するためのシステム及び装置
KR101933934B1 (ko) 약제 휘산 장치, 및 약제 휘산 방법
EP4101477A1 (en) Volatile composition dispenser with increased membrane exposure and volatile composition weight loss
CN204521855U (zh) 吸粉器及连接于该吸粉器的吸粉器本体上的药匣组件
JP2010022206A (ja) 防虫器
JP5393995B2 (ja) 害虫駆除用噴霧装置
KR100813783B1 (ko) 약제 휘산 장치
JP6093595B2 (ja) 気化薬剤収納容器
WO2013114111A1 (en) Pill dispensing device
JP2009153400A (ja) 害虫防除剤収納容器
JP4974167B2 (ja) 吐出容器
JP2002300838A (ja) 加熱蒸散装置
JP3512220B2 (ja) 徐放性を有するエアゾール装置
JPS6036186Y2 (ja) 芳香剤容器
JPS6115893Y2 (ja)
JP2014198587A (ja) 揮散容器
WO2022124124A1 (ja) 薬剤揮散器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150603

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160301

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160502

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160905

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6002560

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150