JP6000361B2 - 分散ワイヤレス送信機からのコヒーレント伝送 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年10月6日出願の米国仮特許出願第61/543,832号(代理人整理番号70009−D13P01;クライアントケース14965)の利益を主張するものであり、その内容を参照により本明細書に組み込む。
連邦政府の後援による研究に関する陳述
本発明は、アメリカ国立科学財団(National Science Foundation)によって与えられた契約番号CCF−0728645の下で政府支援を受けた。米国政府は、本発明において特定の権利を有する。
本発明は、分散ワイヤレス送信機からのコヒーレント伝送に関する。特に、幾つかの例では、これらの送信機は、例えば802.11でのアクセスポイント(AP, access point)、例えばセルラネットワークでの基地局、中継局、又は他のワイヤレスノードである。
802.11又はセルラネットワークなど従来のワイヤレスネットワークの通信能力は、干渉により制限を受けることがある。例えば、ワイヤレス媒体が共有され、その結果、2つの隣接するデバイスが同時に送信する場合、それらの伝送信号は一般に干渉し、各デバイスがパケットを配信するのを妨げる。ワイヤレス技術の近年の進歩により、SAM、IAC、及びビームフォーミングなどの実証的ワイヤレスシステムが生まれている。これらのシステムは、同じ干渉領域内の異なる送信機にわたる並行伝送が可能であることを実証している。これらのシステムを採用するワイヤレスネットワークのスループットは2倍又は3倍にすることができる。
しかし、そのようなシステムは、個々のノードでのアンテナの最大数によって制限されており、より多くの送信機がシステムに加入するとき、スループットを連続的に拡張することができない。従来のワイヤレスネットワーク、例えば802.11やセルラシステムは、全ての利用可能なチャネルを使用することによって、又はセクタ化アンテナを採用することによってこの問題を緩和することができる。しかし、そのような技法は、小さな定利得しか提供せず、これは、ユーザの数が増加するにつれて拡張しない。さらに、追加の送信機の単純な追加は、これらの送信機が互いに干渉するので、ユーザスループットを改善しない。
ユーザの数が増加すると共にスループットを線形に拡張することができ、完全にスケーラブルなワイヤレスネットワークを生み出すワイヤレスネットワーキングシステムが必要とされる。
一態様では、一般に、分散コヒーレント伝送システムは、独立した周波数又は基準クロックを有する別個のワイヤレス送信機からの伝送が、全ての送信機が共通の周波数又は基準クロックを共有するシステムをエミュレートできるようにする。そのようなアーキテクチャの技術的な問題は、個々の送信機の発振器周波数(すなわち、信号を変調/復調するために使用されるもの)が、送信機毎に正確には同じでない可能性があり、これが、位相同期の問題をもたらすことがあることである。例えば、2つの送信機の発振器周波数の100Hz程の小さい差が、5msの短期間の後に、2つの送信機によって送信される信号の
ラジアンの位相差を生じることがある。そのような位相差は、ただ1つのパケットの持続期間にわたってさえ、2つの伝送信号がコヒーレントであり続けることができる能力の大幅な低下をもたらすことがある。この問題は、1又は2以上の送信機での変調前に信号を適切にプリコーディングすることによって、送信機間の周波数及び/又は位相差を補償することによって緩和される。
様々な例において、これらの送信機は、例えば802.11におけるアクセスポイント(AP)、例えばセルラネットワークでの基地局、中継局、又は他のワイヤレスノードである。本文献では以下、特に明記しない限り、用語「送信機」は、これらの種類の送信ノードの任意のものを表すために広く使用される。
別の態様では、一般に、そのような分散コヒーレント伝送システムは、分散MIMOアーキテクチャの一部である。そのような分散MIMOアーキテクチャでは、複数の個別の送信機が、全ての送信機に利用可能な共通の周波数又は基準クロックを必要とせずに、単一のマルチアンテナMIMO送信機をエミュレートする。幾つかの例では、送信機は、有線バックホール(例えば、802.11のAP又はセルラ基地局)又はワイヤレス媒体(例えば、bluetooth、IR、セルラ方式のアップリンクを使用するモバイルデバイスでの802.11)など比較的高速の接続性を使用して互いに通信することができ、そのような接続性を使用して、受信機に通信する必要があるデータ及び何らかの最低限の制御情報を交換する。次いで、送信機は、従来のMIMO技法を利用することができ、例えば複数の受信機でビームフォーミング又はヌリングを行う。
別の態様では、一般に、そのような分散コヒーレント伝送により、独立した送信機は、それらが共通の周波数又は基準クロックを共有していると仮定する情報理論の文献における様々な方式を実装できるようになる。そのような方式は、例えば、ワイヤレスメッシュネットワークでの格子コード、ワイヤレスアップリンクでの重畳符号化、分散された送信機にわたる干渉アライメント、又は独立した送信機からの分散ダーティペーパーコーディング/認識方式(distributed dirty paper coding/cognitive scheme)を含むことがある。
幾つかの例では、送信機から受信機へのチャネル推定値が、送信機からの協調伝送(すなわち周波数及び/又は位相差の補償を含む伝送)に基づいて生成され、チャネル関連情報が、受信機から返される。そのようなチャネル情報は、例えば、(複数の送信機が1又は2以上の受信機で例えばビームフォーミングやヌリングを行うことができるようにする)分散MIMO手法を使用して特定の受信機に伝送信号を宛てるようにデータの組合せを生成するために、各送信機で使用されることがある。幾つかの例では、送信機から受信機へのチャネル推定値は、受信機によって、送信機からの伝送信号を使用して計算され、送信機に戻るように明示的に通信される。他の例では、送信機から受信機へのチャネル推定値は、送信機から受信機へのチャネル特性を決定するために相反性手法を使用して、受信機から送信機への逆方向送信に基づいて生成又は更新される。さらに他の例では、チャネル推定手法の組合せが使用され、例えば、受信機からの明示的な通信によって送信機から受信機への初期チャネル推定値を得て、受信機から送信機への伝送信号(例えば肯定応答)に基づいて送信機から受信機への既存のチャネル推定値を更新する。
別の態様では、一般に、システムは、分散された1組の送信機が、マルチアンテナ送信機をエミュレートして、共通の発振器周波数で実現可能な性能に近付くことができるようにする。幾つかの例では、これは、1又は2以上のスレーブ送信機が、マスタ送信機の伝送信号を監視するためにそれらそれぞれの受信機モジュールを使用することによって達成される。マスタ送信機の監視される伝送信号は、マスタ送信機とスレーブ送信機との間の特性(例えば、発振器間の位相オフセットの時変部分)を推定するために、各スレーブ送信機の受信モジュールによって使用される。マスタ送信機からの監視された伝送信号は、推定されたチャネル特性と共に、マスタ送信機の発振器とスレーブ送信機の発振器との間の発振器周波数オフセット(及び位相オフセットでもよい)を決定するために、各スレーブ送信機の受信機モジュールによって使用される。各スレーブ送信機での決定された発振器周波数オフセット及び位相オフセットが、伝送信号を補償するために、スレーブ送信機の送信機モジュールによって使用される。
別の態様では、一般に、マスタ送信機との協調伝送を提供するようにスレーブ送信機を操作するための方法が、マスタ送信機からの信号の送信とスレーブ送信機から並列変調するための信号を生成するステップを含む。スレーブ送信機で受信されるマスタ送信機からの伝送信号に基づいて、マスタからの伝送信号の変調周波数と、スレーブ送信機での周波数基準との間の時変位相オフセットの推定値が、スレーブ送信機で維持される。信号は、時変位相オフセットの推定値に従って変調前に修正され、次いで、スレーブ送信機で周波数基準に従って変調される。マスタ送信機で変調された信号がマスタ送信機から送信され、並行して、変調された修正された信号がスレーブ送信機から送信される。
別の態様では、一般に、スレーブ送信機が、スレーブ送信機で受信されたマスタ送信機からの伝送信号に基づいて、マスタ送信機からの信号に対する任意の受信機での位相オフセットの変化を推定する。位相オフセットの変化の推定は、マスタ送信機からの伝送信号を復調するステップと、復調された伝送信号を、期待される復調値と比較するステップとを含む。
幾つかの例では、マスタ送信機からの伝送信号が、マスタ送信機からの伝送信号のプリアンブルを含む。
別の態様では、一般に、スレーブ送信機は、マスタ送信機に対する周波数オフセットを監視すると共に、ジョイントパケット伝送中の伝送の期間とサイレンスの期間を調整することによって、マスタ送信機と並行して送信する。
別の態様では、一般に、スレーブ送信機は、マスタ送信機に対する周波数及び/又は位相オフセットを監視し、それと共に、スレーブ送信機でのアンテナのサブセットを使用することによってマスタ送信機と同時に送信して、同時伝送信号からの干渉を相殺する。
別の態様では、一般に、スレーブ送信機とマスタ送信機がそれぞれ、受信機へのチャネル推定値を連続的に追跡し、受信機からのチャネル情報の定期的な通信を必要としない。
別の例では、この手法は、マスタ送信機からの信号の送信とスレーブ送信機から並列変調するための信号を生成するステップと、スレーブ送信機で受信されるマスタ送信機からの伝送信号に基づいて、マスタからの伝送信号と、スレーブでの伝送信号との間の時変位相オフセットの推定値を維持するステップと、時変位相オフセットの推定値に従って、変調前に信号を修正するステップと、スレーブ送信機での周波数基準に従って、修正された信号を変調するステップとを含む。
幾つかの例では、この手法は、並行して、マスタ送信機で変調された信号をマスタ送信機から送信し、変調された修正された信号をスレーブ送信機から送信するステップを含む。
幾つかの例では、マスタ送信機とスレーブ送信機からの伝送信号によって搬送されるデータは同じであり、スレーブ送信機(及び場合によってはマスタ)が、それらの(1又は2以上の)送信信号を修正して、特定の受信機での信号の強度(SNR)を高める。
幾つかの例では、マスタ送信機とスレーブ送信機からの伝送信号によって搬送されるデータは、異なる受信機向けのものであり、異なっていることがあり、マスタ送信機及びスレーブ送信機は、それらの送信信号を修正して、所期の受信機それぞれが、他の伝送信号からの干渉を伴わずに、それらの所期のデータを受信できるようにする。
幾つかの例では、前のデータパケットからの送信に関して、受信機からの肯定応答が利用されて、受信機へのチャネル推定値を常に更新し、マスタ送信機及び/又はスレーブ送信機が、マスタ送信機とスレーブ送信機の両方での変調の前にそれらの送信信号を修正できるようにする。
別の態様では、一般に、マスタ送信機が、第1の発振器周波数で動作する第1の発振器と、シンボルを送信するための第1の送信機モジュールとを含み、第1の送信機モジュールが、第1の発振器周波数で動作する第1の発振器に結合され、1又は2以上のスレーブ送信機の各スレーブ送信機が、第2の発振器周波数で動作する第2の発振器と、マスタ送信機から伝送信号を受信するための受信機モジュールとを備え、受信機モジュールが、第2の発振器周波数で動作し、マスタ送信機から受信された伝送信号に基づいて、第1の発振器周波数と第2の発振器周波数との間の周波数オフセットを決定するための位相及び周波数オフセット追跡モジュールを含み、スレーブ送信機がさらに、シンボルを送信するための第2の送信機モジュールを備え、第2の送信機モジュールが、第2の発振器周波数で動作し、シンボルを送信する前に周波数オフセットを補償するための位相及び周波数オフセット補償モジュールを含む。
マスタ送信機を示す図である。 スレーブ送信機を示す図である。 ベースバンド伝送経路のモデルのブロック図である。
1 概要
本明細書で述べるシステムは、アクセスポイントにわたって一貫した位相及び周波数を有する共通の搬送波基準へのアクセスを
個の送信機が有するシステムを、独立した周波数及び基準クロックを有する
個の単一アンテナ送信機がエミュレートできるようにする。これは、
個の単一アンテナ送信機が、例えば、単一の
−アンテナ多入力多出力(MIMO, Multiple-Input-Multiple-Output)送信機をエミュレートできるようにする。エミュレートされる
−アンテナMIMO送信機は、ビームフォーミング、ヌリング、又はより一般的な多入力多出力(MIMO)技法、例えば
個未満のストリームを送信する一方で特定の受信機でヌリングを行う技法によって、互いに干渉しない
個の並行ストリームを送信し、
個の並行ストリームを
人のユーザに配信することができる。そのようなシステムは、一例として、大きな室内(例えば会議場)で、又は屋外環境(例えば、人口の密集した都市部)で、干渉なく、相応の数のデータストリームの並行伝送を可能にする数十又は数百の送信機を提供するために展開することができる。より一般的には、複数の送信機の幾つか又は全て、及びユーザデバイスの幾つか又は全てが、複数のアンテナを有することがある。
以下に論じる様々な例において、「送信機」(又は「送信元局」)は、少なくとも一部、又は幾つかの時点で送信機として働く、通信ネットワーク内の様々なタイプのノードでよい。「送信機」は、一般に送信機構成要素と受信機構成要素を含み、コヒーレント伝送信号の1つ又はサブセットをクライアント「受信機」(又は「宛先局」)に送信する役割において「送信機」と呼ばれ、「受信機」も、一般に送信機構成要素と受信機構成要素を含み、複数の「送信機」から複数のコヒーレント信号を受信する役割において「受信機」と呼ばれる。そのような送信機は、限定はしないが、例えば802.11nアクセスポイントでのワイヤレスEthernetインフラストラクチャアクセスポイント(AP)、ワイヤレス中継局、例えばセルラネットワークでの基地局、中継局、又は他のワイヤレスノードを含むことができる。本文献では以下、特に明記しない限り、用語「送信機」及び「アクセスポイント」は、他の無線局に送信するこれらの種類のノードの任意のものを表すために広く使用される。
クライアント受信機(以下、幾つかの場合には、単に「クライアント」又は「受信機」と呼ぶ)がその所期の信号を干渉なく復号するために、そのクライアントにおいて、他のクライアント向けの
個の信号が互いに相殺する(すなわち弱め合う)ことが望ましい。相殺が起こるように、各送信機が、その送信信号の位相(及び大きさ)を制御し、それにより、送信されるどのシンボルに関しても、所期のクライアント以外の全てのクライアントで相殺が実現される。送信信号間の位相を制御することは、全ての送信アンテナが同じ発振器を共有するときには、単一の
−アンテナ送信機に関して比較的単純である。対照的に、分散環境では、送信アンテナが異なる送信機にあり、したがって、各送信アンテナが異なる発振器に接続される。異なる発振器は、当然、互いに対して未知の位相シフトを有する。さらに、異なる発振器が正確に同じ周波数を有することはありえないので、また、異なる送信機が、例えば動作パワーを減少させるためにそれらの発振器をオフに切り替えることを独立して選択することがあるので、これらの位相シフトは時間と共に変化する。この分散環境における一貫した位相同期の施行は、非常に難しい。
以下の特定の論述は、それぞれただ1つのアンテナを有する送信機に焦点を当てるが、これらの手法は、送信機の幾つか又は全てが、共通の発振器に従って制御される複数のアンテナを有する場合にも適用可能であることに留意すべきである。そのような場合には、1つの送信機の内部で、共通の発振器を使用することにより、その送信機のアンテナから送信される信号は、当然、互いに対して一貫した位相を維持する。したがって、例えば、
個の2−アンテナアクセスポイントが、
−アンテナアクセスポイントをエミュレートすることができる。
図1a及び図1bを参照すると、例示的な例では(例えば、
個の送信機。この手法が、はるかに多数のアクセスポイント及びクライアント受信機に適用可能であることを認識されたい)、単一アンテナマスタ送信機102、単一アンテナスレーブ送信機104、及び2つの単一アンテナクライアント受信機106、110が、共有媒体を介してワイヤレスで通信するように構成される。アンテナは、デバイスでの送信機区域と受信機区域との両方に結合されるものとして図示されており、カップリング及び/又はスイッチング回路は図示されていないことに留意されたい。マスタ送信機102は、2つの受信機への2つのデータフレーム(それぞれ

)の並行伝送を制御する。マスタ送信機とスレーブ送信機のアンテナから発出される信号は、受信機のアンテナで所望の強め合う干渉及び弱め合う干渉を実現するように同期される。
この例では、マスタ送信機とスレーブ送信機とはどちらも、受信機に送信されるデータフレーム

へのアクセスを有する。例えば、各送信機は、送信機をリンクする有線ネットワーク(又は、例えば同じ周波数又は異なる周波数でのワイヤレスネットワーク)を介してデータフレームを受信していることがある。
図1aを参照すると、2つのフレームを送信するために、マスタ送信機102は、データフレームを受信し(すなわち、フレーム内で送信されるペイロードに関するデータパケットを受信し)、データをマスタパラレル化モジュール112に提供する。マスタパラレル化モジュール112は、シンボルのストリームを
個のシーケンスにパラレル化し、例えば、
を、固定配置(例えば、QAM配置)からの複素値(シンボル)によって表される値の
(ここで、
)にパラレル化する。以下に概説するように、各シーケンスは、直交周波数分割多重(OFDM, Orthogonal Frequency Division Multiplexing)手法で異なる周波数に変調される。
マスタパラレル化モジュール112は、マスタ送信部分103で、第1の受信機のためのマップされたシンボル
と、第2の受信機のためのマップされたシンボル
とをマスタプリコーディングモジュール114に出力する。また、マスタプリコーディングモジュール114は、各送信機102、104の送信アンテナから各受信機106、110の(受信)アンテナへのチャネルを表すチャネル伝達関数を受信する。図1のシステムでは2つの送信機と2つの受信機が存在するので、それぞれに関して、4つのチャネル伝達関数、すなわち



が存在する。
は、マスタ送信機102から第1の受信機106へのチャネル伝達関数である。一般に、各周波数成分に関する伝達関数は、個別の複素数であるが、分かりやすくするために、
−依存性は表記を省かれており、及び/又はチャネル
は、
−次元複素ベクトルとみなすことができる。
は、マスタ送信機102から第2の受信機110へのチャネル伝達関数である。
は、スレーブ送信機104から第1の受信機106へのチャネル伝達関数である。
は、スレーブ送信機104から第2の受信機110へのチャネル伝達関数である。
単一周波数成分
を考慮すると(以下の表記では
依存性を省く)、マスタプリコーディングモジュール114は、チャネル伝達関数



に基づいて、マップされたシンボルをプリコーディングして、組み合わされたプリコーディングされたシンボル
を生成し、それにより、マップされたシンボルは、スレーブ送信機からの伝送信号と組み合わせて受信されて、第1の受信機106のアンテナでは、
を提供し、
を相殺し、第2の受信機110のアンテナでは、
を提供し、
を相殺する。従来のMIMO技法がマスタプリコーディングモジュール114によって実装されており、本明細書でさらには論じない。
マスタプリコーディングモジュール114の出力は、マスタ変調モジュール116に提供され、マスタ変調モジュール116は、マップされたプリコーディングされたシンボルそれぞれを時間領域波形に変換する。少なくとも概念上は、第
の構成要素が周波数
に有効に変調されるようにベースバンド時間波形が生成され、ここで、係数
は、変調器での時間信号への変換のサンプリングレートに依存し、所望のサンプリング周波数
に実質的に比例する。マスタ変調モジュールは、マスタ変調器116によってドライブされ、実質的に所望の搬送波周波数
で搬送波信号を生成し、より正確には、第
の入力の変調を複素正弦信号
によって表し、したがって、
であり、
であり、

はゆっくりと変化することがある。マスタ変調モジュール116の出力は、
個の直交副搬送波の和を含む時間領域信号であり、各副搬送波が1つのシンボルを搬送する。マスタ変調モジュール116の出力は、マスタアンテナ120に提供される。
図1bを参照すると、スレーブ送信機104の送信部分105は、マスタアクセスポイント102と同様にシンボルを送信する。しかし、上述したように、スレーブアクセスポイントは、スレーブアクセスポイントからの伝送信号を変調するために使用される個別の発振器144を有する。スレーブ発振器144は、実質的に所望の搬送波周波数
で搬送波信号を生成し、より正確には、複素正弦信号
であり、したがって、
であり、
であり、このとき一般的に
及び
である。以下に論じるように、これらの差が明示的に考慮に入れられる。
マスタとスレーブそれぞれで、受信経路上の復調器が同じ発振器(142、144)を利用し、したがって、発振器間の差は、アクセスポイントの受信経路と送信経路の両方で現れる。
複数のアクセスポイントから、協調(例えばコヒーレント)伝送信号を発出するために、以下の2つの問題が対処される。
a.複数のアクセスポイントからの伝送信号を、それらが単一の同時フレーム伝送内で一貫した相対位相を維持するように同期させること。及び
b.チャネル推定値を決定すること。チャネル推定値は、アクセスポイントとクライアントとの間での一貫した相対伝送位相と整合性があり、したがって、MIMO技法を適用して、同時伝送中に複数のデータストリームをそれらの所期の宛先に送信することができるように、伝送信号をプリコーディングすることができる。
これらの問題のうち最初のものに関して、単に発振器周波数を補正することが、1つのフレーム伝送内部での一貫した位相をもたらすことがあることに留意することが重要である。しかし、発振器周波数の差の推定の小さな誤差が、フレーム毎に変化する同時伝送信号の相対位相をもたらすことがあり、それにより、アクセスポイントからクライアントへのチャネルの妥当な推定値を、有用となるほど十分な長さにわたって維持することが難しくなる。
したがって、この同期手法は、各フレーム伝送信号での周波数オフセットと位相オフセットとの両方の補償に対処し、フレームの伝送信号中の連続するシンボルに関する位相を調節する。一般的な手法は、リードアクセスポイントと1又は2以上のスレーブアクセスポイントとによるクライアントへの同時伝送の直前に1又は2以上のスレーブアクセスポイントによって受信されるリードアクセスポイントからの同期フレーム伝送信号を利用することである。一般に、以下により詳細に説明するように、スレーブアクセスポイントは、リードアクセスポイントからの受信された同期伝送信号を使用して、スレーブアクセスポイントの同時伝送信号を補償し、リードアクセスポイントに対するスレーブアクセスポイントの一貫した固定相対位相を実現する。
アクセスポイントからクライアントへのチャネル推定値を決定するという問題は、様々な方法で対処することができる。幾つかの手法は、複数のアクセスポイントから伝送信号が発出することに気付くクライアントを利用し、適切な協調により、アクセスポイントへのフィードバックを提供して、ダウンリンクチャネルの推定と、アクセスポイントからの後続のダウンリンク伝送に関するMIMO技法の適用とを可能にする。
2 動作原理
特定の実施形態を論じる前に、幾つかの動作原理を、2つの単一アンテナクライアントと通信する2つの単一アンテナアクセスポイント(一方がマスタであり、一方がスレーブである)の特定の文脈で論じる。これは、非常に単純な例示的な例であり、これらの動作原理は、当然、3つ以上のアクセスポイント、及びそれぞれ複数のアンテナを備えるアクセスポイントとクライアントにまで及ぶことを理解すべきである。
図2を参照すると、図示されるように、アクセスポイントとクライアントの間の信号経路を、それらの等価なベースバンド構成要素に分解することができる。図2は、入力信号(すなわち複素値)

を示し、これらは、リードアクセスポイント102及びスレーブアクセスポイント104から送信され、組み合わされて、それぞれクライアント106及び110で(スケール調整されたバージョンの)所望の信号
及び
を生成する。信号

は、送信フレーム内の、ある時間オフセットでの特定の周波数(
)での代表的な値である。しかし、説明を明瞭にするために、周波数及び時間依存性は表記を省かれる。
入力信号は、アクセスポイントとクライアントの間のチャネル推定値に基づいて、従来のMIMO技法を使用して、例えば
として決定され、又は、より一般的には、パワー制限バージョン、例えば
として決定され、ここで、
は、マスタアクセスポイント及び/又はスレーブアクセスポイントでのパワー制約を満たすように選択される。以下に論じる一態様は、信号
がクライアントで所望の組合せを生み出すように、チャネル行列
に関する適切なエントリを決定するための一手法である。
の適用は、図2には示されていない。
図2には、信号経路の構成要素が詳細に示されているが、動作時、各構成要素を個々に考慮する必要はなく、図2でのシステムは、必ずしも物理的構造に対応していないが、それでも、使用される処置を説明するための基礎となる。
リードアクセスポイント102で、送信経路内で、ハードウェア(例えば、増幅器、アンテナ、アンテナ−無線インターフェースなど)は、複素(一般には時不変)利得
を導入する。図2は、単一周波数成分を示し、したがって、この図に示される利得は一般に周波数に依存することに留意されたい。同様に、受信経路は、利得
を含む。一般に、送信経路と受信経路での(複素)利得は等しくないことに留意されたい。同様に、スレーブアクセスポイント104は、送信経路利得
及び受信経路利得
をそれぞれ有する。
さらに、上述したように、スレーブでの受信経路は、時変する単位利得、すなわち「回転」位相成分を含み、これは、時点
の近くで
と近似することができ、これは、マスタアクセスポイントに対するスレーブアクセスポイントでの発振器周波数とサンプリング周波数の不一致を表す。スレーブアクセスポイントの出力経路上で同じ発振器及びサンプリングクロックが使用されるので、出力経路も、回転する位相成分
を含み、受信経路上とは逆方向に回転する回転位相成分を有する(項
は、一般に周波数成分
に依存し、例えば、発振器周波数オフセットと、変調及び復調に関するサンプリング周波数に依存する係数との両方を反映することに留意されたい)。
例示されるように、同様に、クライアントは、送信経路利得
及び受信経路利得
、並びに回転位相成分
を有し、回転位相成分は、クライアント発振器とサンプリングクロックの不一致を考慮に入れる。
アクセスポイント

の間の無線経路(over-the-air paths)は、
として示され、相反性であると仮定される。同様に、アクセスポイント
とクライアント
の間の相反性経路は、
と示される。
2.1 発振器周波数及び位相オフセットに関するスレーブ送信補償
再びスレーブアクセスポイント104を参照すると、スレーブアクセスポイントがマスタアクセスポイントから伝送信号を受信するとき、伝送信号中の既知の値(「パイロットシンボル」)により、スレーブが、マスタからスレーブへの経路の大きさ及び位相を決定できるようになる。この経路は、利得
を有する比較的一定の部分と、上述したように
として局所的にモデル化される部分
とを有すると考えられる。スレーブは、時点
で伝送信号を受信するとき、比較的一定の部分によって導入される位相を見分けることはできず、
として合計の位相を近似することができる。
スレーブアクセスポイントは、送信経路上に位相調節要素

を含み(これらは、送信経路内でIDFT及び変調の前に実装される)、
によって出力経路上で導入される予想される時変する位相差の逆位相を導入する。位相調節要素

はそれぞれ、単位量を有し、共同して
の逆位相を導入する。時点
で、
は1に初期化され、
は、
を有する単位量に設定される。
の直後に送信される値
は、概して単位量及び位相
を有する定数である利得
を受け、その後、図2に示される
ブロックを介して送信経路に渡ることに留意されたい(したがって、
ブロックを介してマスタでの送信経路に提供される信号の位相に対する、
ブロックを介してスレーブでの送信経路に提供される信号の相対位相は、
であることに留意されたい)。
後の時点
で、スレーブアクセスポイントがマスタから別の伝送信号を受信するとき、推定器は、新たな推定値
及び
を決定し、
及び
となるように
及び
を更新する。発振器の位相の変化
は、(
の位相が一定のままであると仮定して)
に等しく、したがって、
の直後(すなわちブロック
及び
が更新された後)に送信される新たな値
は、やはり、概して単位量及び位相
を有する定数である定利得
を受け、その後、
ブロックを介して送信経路に渡ることに留意されたい(時点
の直後の時点に、更新されたブロック
及び
及び時間
で、
ブロックを介してマスタでの送信経路に提供される信号の位相に対する、
ブロックを介してスレーブでの送信経路に提供される信号の相対位相は、
として維持されることに留意されたい)。
2.2 マスタアクセスポイント及びスレーブアクセスポイントからのコヒーレント伝送
それぞれマスタアクセスポイント及びスレーブアクセスポイントからの値
及び
のコヒーレント伝送は、まず、マスタアクセスポイントが、時点
で、スレーブに同期伝送信号(すなわち既知のシンボルを含むシーケンス)を送出することによって達成される。上述したように、スレーブアクセスポイントは、その受信された同期伝送信号から、
及び
に従って補償項を更新する。
既知の時間遅延後、すなわち時点
で、マスタ及びスレーブは、それぞれ
及び
を並行して送信する(すなわち、これらのシンボルは、より大きなフレームの一部として送信される)。これらの伝送信号は、伝送信号全体にわたる固定の相対位相で送信ブロック
及び
に渡り、したがって、2つの信号間の位相回転はない。さらに、連続する伝送信号は、上で概説したのと同じ相対位相を受ける(すなわち相対位相
)。この特徴は、スレーブアクセスポイントからクライアントへのチャネル推定値が、マスタからのスレーブ発振器位相及び周波数オフセットの変化によって影響を及ぼされないので重要である。
スレーブアクセスポイントが、マスタアクセスポイントからの伝送信号を検出する際に遅延を受けることがあることを認識することが重要である。例えば、伝送信号を
だけ遅れて検出し、次いで、時点
にその送信を行うと仮定する。マスタからの伝送信号中の既知のシンボルの遅れた検出により、スレーブの位相推定値が
だけ増加され、補償項
の位相の増加が、スレーブからの遅れた送信を正確に補償し、それにより、この手法は、検出遅延の量の影響を本質的に受けない。
2.3 発振器周波数及び位相オフセットに関するスレーブ受信機補償
スレーブアクセスポイントでの受信経路上で、受信された信号に
を有効に乗算することによって、発振器位相及び周波数オフセットの同様の補償を達成することができる。例えば、(例えばクライアントから)信号が受信される
の時間近傍で、補償された経路の利得
は、近似的に、単位量及び位相
を有する。ここでも、時間
での後続の更新の時間近傍で、この補償された経路の位相は、ほぼ
のままである。
2.4 クライアントチャネルへのアクセスポイント
マスタアクセスポイント(
)からクライアント
への実効ベースバンド信号経路は、
である。クライアントが、その発振器位相及び周波数オフセットを補償するために伝送信号中の既知の値を使用する場合、実効チャネルは、
である。
上述したように、スレーブアクセスポイントがマスタに対するそれらの回転送信位相を補償し、補正項が正確なままであると仮定すると、スレーブアクセスポイント
からクライアント
への位相補正された(すなわち、
及び
ブロックでの入力の補償を考慮に入れた)実効ベースバンド信号経路は、
であり、ここで、
は、そのスレーブアクセスポイントで測定され、スレーブアクセスポイント
で記録される初期位相の効果である。ここでも、クライアントが、その発振器位相及び周波数オフセットを補償するために伝送信号中の既知のシンボルを使用する場合、実効チャネルは、
である。
行列
の要素を形成するチャネル推定値
は、宛先クライアント
に依存する(複素)比例係数
内部でのみ知られていればよいことに留意することが重要である。以下の論述では、この比例定数は、
となるように定義される。
3 スレーブアクセスポイントからのコヒーレント伝送
したがって、上述した原理と整合性のある複数アクセスポイントからの並行伝送をもたらすステップは、以下のようなものである。これらの例では、アクセスポイントが高容量バックエンドチャネル(例えば、ギガビット有線Ethernet)によってリンクされているという根本的な仮定があることに留意されたい。クライアント向けのフレームは、共有されたバックエンドチャネルを介して全てのアクセスポイントに分散され、フレームの所望のプリコーディング(例えば、
)もバックエンドチャネルを介して調整される。
この例では、1つのアクセスポイントが、例えば最初に起動されたアクセスポイントであったので、又はマスタとして機能するように特に構成されているので、マスタアクセスポイントとして既に識別されていると仮定される。この例では、
個のスレーブアクセスポイント(
の番号を付されている。マスタは、番号
を付されている)があると仮定し、それぞれが1つのアンテナを有し、これらのアンテナは、同時伝送に関与する。
初期化:
1)各スレーブアクセスポイント
に関して、時点
で、マスタは、そのスレーブに初期伝送信号を送出し、それに基づいて、スレーブは、それが記録する各周波数成分毎に初期位相オフセット
を決定する(すなわち、全ての周波数成分に関するベクトルを
と表すことができる)。これらの初期化は、一般には、全てのスレーブアクセスポイントに関して並行ではないことに留意されたい。
アクセスポイントからの並行伝送:
2)時点
で、マスタは、各スレーブに宛てられた同期フレームを送信する。バックエンドチャネルを介して、及び/又は同期フレーム内の情報の識別によって、スレーブが、所望のフレーム
を決定して、各アクセスポイントから送信すると仮定する。
3)各スレーブアクセスポイント
で:
a)マスタからの伝送信号が検出される(各スレーブが、わずかに異なる遅延の後にその伝送信号を検出することができることを認識されたい)。
b)スレーブアクセスポイントは、構成された補正要素
及び
に基づいて、新たな位相オフセット
と周波数オフセット
を決定する(すなわち、各周波数成分に関する推定値。しかし、
の推定値は、ある範囲の周波数成分からの情報を利用することがある)。
c)マスタからの伝送信号の検出後の固定遅延の後に、スレーブは、その構成された補正要素
及び
を介してフレーム
を送信する。
上述したように、この補正の結果、各アクセスポイントが、マスタに対して(送信成分
に提供された)固定位相を効果的に保つ。
ステップ2及び3は、後続の伝送信号で繰り返される。
ステップ2が、スレーブへのフレーム全体の伝送として上述されていることに留意されたい。フレームのプリアンブル(例えば、802.11nレガシープリアンブル)は、スレーブが同期するのに十分なものにすることができ、次いで、マスタからの伝送信号と合わせることができ、したがって、プリアンブルは、マスタから送信され、フレームのボディは、マスタ及びスレーブから送信されることを理解すべきである。そのような手法は、自動利得制御及びチャネル推定がレガシープリアンブル後まで行われないので、例えばワイヤレスEthernet標準に準拠することができる。
3.1 複数アンテナアクセスポイント
本論述は単一アンテナアクセスポイントに対処するが、複数のアンテナが共通の発振器を利用するという観察事項を利用することによって複数アンテナアクセスポイントも対処されることに留意されたい。したがって、マスタからの同期伝送信号を受信するために1つのアンテナを利用することによって、又はそれと同等に、例えばマスタアクセスポイントの方向で望ましい受信感度を提供する複数のアンテナの固定の組合せ(重み付け)を利用することによって、1つのアンテナに関して上述した処置を複数のアンテナに拡張することができる。次いで、各送信ストリームが、同じ推定される補償項(
及び
)を使用して独立して補償される。
4 クライアントフィードバックベースのチャネル推定
上述したように、まず、マスタアクセスポイントが同期伝送信号を送出し、次いで、固定遅延の後に、マスタとスレーブの両方が1又は2以上のクライアントに伝送信号を送出することによって、マスタアクセスポイント及びスレーブアクセスポイントは、コヒーレント伝送を生成することができる。
一般に、チャネル推定のための1つの手法は、クライアントが、並行伝送信号を受信し、既知のシンボルを含む各アクセスポイントからの伝送信号の成分を識別することができ、それにより各アクセスポイントからのチャネルを推定し、それらのチャネルをアクセスポイントに報告することを含み、これらのチャネルは、さらに、全体的なチャネル行列
を構成し、次いでその逆行列が求められて、後続の伝送信号における値
を決定するために使用される。
各アクセスポイントからの成分をクライアントが識別できるようにする1つの手法は、クライアントに知られているパターンで、各アクセスポイントからの伝送信号を時間的にインターリーブすることであり、それにより、特定の時点に、各アクセスポイントが単独で送信し、既知のシンボルを含む。この伝送は、ある時点でただ1つのアクセスポイントが送信することを含むので、クライアントは、各チャネルを個別に決定することができる。
別の手法は、各アクセスポイントが、異なる1組の線形に独立した既知の値を送出することである。例えば、2つの同時伝送信号の場合、マスタが
を送出し、スレーブが
を送出する場合に、クライアントは、
を効果的に受信し、そこから、
及び
を求解して、アクセスポイントに報告し返すことができる。より一般的には、少なくとも
個の値の
線形独立シーケンスが、複数のアクセスポイントから送出され、クライアントは、各アクセスポイントからの相対チャネル(すなわち、未知の複素スケール係数内部へのチャネル)を決定する。
複数のクライアントへのチャネルをこのようにして決定することができ、異なるクライアントへの送信が異なる時点で行われ、又はチャネルを推定するために、アクセスポイントからの同じ伝送信号が複数のクライアントによって使用されていてもよいことに留意されたい。さらに、異なるサブセットのアンテナを用いた伝送信号のシーケンスが、異なるクライアントに関してインターリーブされることがある。
5 代替形態
5.1 パケット内部での再同期
上述した手法は、データ伝送の開始時に、スレーブアクセスポイントがそれらの位相をリードアクセスポイントと正確に同期し、次いで、リードアクセスポイントに対するそれらの位相及び周波数オフセットの推定値を使用して、パケット内部での位相回転を考慮に入れることができるようにする。そのような技法は、単独では、パケット内部の位相の累積誤差をもたらすことがあり、それにより受信機でのSNRを減少させるが、これらの誤差は、複数のパケットにわたってではなく、1つのパケット内でのみ累積するので、これらの誤差の大きさは、初期位相回転でのものよりも小さい。発振器オフセット推定値が十分に正確である場合、これらの誤差は、通常のフレーム長さにわたってジョイント伝送のSNRが影響を及ぼされないほど十分に小さい。このセクションでは、ジョイント伝送の受信されたSNRに対して大きな影響をもたらすほど誤差が大きい場合に、フレームの持続時間中の発振器オフセット誤差を追跡して補償するための技法を説明する。
1つの代替形態は、スレーブアクセスポイントが、パケットの持続時間全体を通してさえ、位相同期の誤差を補償できるようにする。基本的な着想は、スレーブアクセスポイントがリードアクセスポイント伝送信号をリッスンし、リードアクセスポイントに対するスレーブアクセスポイントの現行チャネルを推定し、リードアクセスポイントの発振器位相の推定値を適宜再較正するというものである。しかし、この着想を実施する際の課題は、スレーブアクセスポイント伝送パワーがそれらの受信チェーンでのADCを大きく上回るので、スレーブアクセスポイントが、それ自体同時に送信しながらリードアクセスポイントの伝送を単純にリッスンすることができないことである。スレーブアクセスポイントがこの課題に対処できるように、スレーブアクセスポイントがそれら自体の伝送信号のパワーを相殺することができるか否かに応じて少なくとも2つの異なるメカニズムを使用することができる。
スレーブアクセスポイントがそれら自体の伝送信号を相殺できない場合(これは、スレーブアクセスポイントがただ1つのアンテナしか有さないとき、又は、スレーブアクセスポイントが複数のアンテナを有するが、(場合によっては、スレーブアクセスポイントがパワー制限されたレジームであるので)それら自体の信号を相殺するようにパワーを消費することができないときに生じることがある)、アクセスポイントは、スレーブアクセスポイントが定期的にサイレンス状態になり、リードアクセスポイントがこのサイレンス中に既知のシンボルを送信して位相追跡を可能にする方式を使用する。具体的には、リードアクセスポイントは、L個のデータシンボル毎に、「再同期シンボル」を送信する。スレーブアクセスポイントは、この再同期シンボル中には並行して送信しない。その代わりに、スレーブアクセスポイントは、この再同期シンボルを使用してリードアクセスポイントからのチャネルを計算し、前の同期シンボルを使用して計算されたチャネルからの差(又は、最初の再同期シンボルの場合には同期ヘッダ)を使用して、位相を再同期させる。
ただ1つの再同期シンボルの使用は、スレーブアクセスポイントでのチャネルの推定値を雑音の多いものにし、したがって、それらの再同期の精度を低下させると考えられることがある。しかし、チャネル推定値は、広帯域チャネルにわたってOFDMを使用するので、雑音除去することができる。OFDM副搬送波にわたる位相回転が補正され、この補正を利用して、1つのOFDM再同期シンボルを用いる場合でさえ位相回転から雑音除去することができる。
具体的には、スレーブアクセスポイントは、OFDM高精度位相追跡によって動因される(motivated)技法を使用する。スレーブアクセスポイントは、各再同期シンボルを使用して、各副搬送波に関してリードアクセスポイントへの現行のチャネルを推定する。次いで、全ての副搬送波に関して、このチャネルと、前の再同期シンボルから計算されたチャネルとの位相差を計算する。副搬送波毎に計算される、しかし雑音に関する位相差は、ラインに沿って位置する。これは、標準の高精度位相追跡と同様に、リードアクセスポイントとスレーブアクセスポイントの間の搬送波周波数オフセット(CFO, carrier frequency offset)が、副搬送波にわたる同じ位相シフトを生成し、一方、サンプリング周波数オフセット(SFO, sampling frequency offset)が、副搬送波インデックスに比例する位相シフトを生成するからである。したがって、位相オフセットにラインを当て嵌めることによって、前の再同期以来の(リードアクセスポイントからスレーブアクセスポイントへの)チャネルの位相変化の推定値から雑音除去することができる。ライン上の値は、各副搬送波に関する、実際の雑音除去された位相変化である。ここでは、これらの値は、対応する副搬送波に関する現行推定値
に適用することができる。

、すなわち再同期間隔の値は、最大許容位相誤差と、周波数オフセット推定の精度とに依存する。802.11システムによって必要とされる25dBまでのSNRを維持するために、100Hzの周波数オフセット誤差を有する
システムに関して、
秒毎に再同期シンボルを挿入することを必要とする。802.11gにおける
システムに関して、これは、7個のデータシンボル毎に1個の再同期再シンボルのオーバーヘッドとなり、すなわちわずか14%であり、オーバーヘッドは、
としてのみ増加する。
同期ヘッダ後にはSIFSが必要であるが、再同期シンボル後にはSIFSが必要ないことに留意されたい。これは、同期ヘッダに関して、スレーブアクセスポイントが伝送を開始することができるようにするために、スレーブアクセスポイントがこのヘッダからチャネル及び位相推定値を計算する必要があるからである。対照的に、再同期シンボルの場合、スレーブアクセスポイントは、妥当な推定値を既に有し、これらの推定値を、再同期シンボルから新たな推定値を並列して計算するときでさえ、スレーブアクセスポイントのシンボルを送信するために使用することができる。
前のメカニズムは、スレーブアクセスポイントが、それら自体の伝送信号を相殺することができないときでさえリードアクセスポイントと同期できるようにするが、スレーブアクセスポイントが初期周波数オフセットの妥当に良好な推定値を得ることを必要とし、ゆっくりではあるが
と共に増加するオーバーヘッドを有する。しかし、このシステムは、(1)追加の注意深く配置された送信アンテナ(しかしハードウェア内での追加のtx/rxチェーンではない)、(2)関連のtx/rxチェーンを有する任意に配置されたアンテナ、又は(3)送信アンテナと受信アンテナの間の較正された回路を使用して、スレーブアクセスポイントが相殺を行うことができることを利用することができる。
第1の場合は、各スレーブが、単一の送信アンテナ、及び個別の送信アンテナと受信アンテナを有するときに当てはまる。その場合、スレーブは、第2の「相殺」アンテナを使用することができ、受信アンテナからのその離隔は、受信アンテナからの第1の送信アンテナの離隔よりも半波長だけ大きい。第2の送信アンテナは、第1のアンテナと同じ信号を送信し、2つの信号は、受信アンテナで弱め合う。これは、受信アンテナが、それ自体の信号を送信している間でさえ他の送信機(特にマスタ)から信号を受信できるようにする。
第2の場合は、スレーブが、複数の送信アンテナと、場合によってはそれらの送信アンテナと同じ位置にあることがある受信アンテナとを有するときに当てはまる。それぞれ
個のアンテナを有する
個の送信機、及びそれぞれ
個のアンテナを有する
個の受信機を備える場合を考える。そのような場合には、各送信機は、全ての送信機にわたる合計で
個のストリームに関して最大
個のストリームを送信することができ、それでも、スレーブが送信しながら受信することもできることを保証する。これは、以下のようにして実現される。各スレーブでの1つの送信アンテナが、そのスレーブでの受信アンテナの1つで、全ての送信信号の結果を相殺する(スレーブは、全ての送信信号を相殺するために「相殺」アンテナで必要とされる伝送パワー間の任意のパワー不一致に対処するために、複数の「相殺」アンテナを使用することがある)。相殺は、完全である必要はなく、スレーブが周波数オフセット推定を行うのに十分に良好な信号をマスタから獲得するのに十分なものであればよいことに留意されたい。次いで、スレーブは、この受信アンテナでマスタから受信された信号を使用して、マスタからの周波数オフセット推定を行うことができる。マスタでの送信アンテナの数とは関係なく、スレーブがマスタからの周波数オフセットを追跡するためにただ1つの受信アンテナで足りることに留意されたい(マスタが送信に使用するのと同数の受信アンテナをスレーブが必要とする完全復号の場合とは異なる)。これは、マスタ上の全ての送信アンテナが同じ発振器周波数を有し、したがって、スレーブでただ1つのパラメータが推定されるからである。スレーブは、場合によっては、複数の測定値からのチャネルダイバーシチ又はロバスト性を利用するために、追加の受信アンテナを使用することができる(同時受信のために最大L個の受信アンテナを使用することは、L個の「相殺」アンテナを必要とする)。
第3の場合は、スレーブAPハードウェアが、送信アンテナと受信アンテナの間にあるサーキュレータと、異なる送信アンテナと受信アンテナの間にある較正回路とを使用する場合に当てはまり、異なる送信アンテナからの送信信号が、受信アンテナで相殺することを保証する。この解決策は、スレーブでの任意の追加の送信アンテナを必要としない。
上述した全ての場合において、スレーブアクセスポイントは、リードアクセスポイントの伝送信号を、それ自体の伝送信号との自己干渉なく受信することができる。しかし、スレーブアクセスポイントは、リードアクセスポイント伝送信号が他のスレーブアクセスポイントからの伝送信号によって干渉されないことを保証する必要もある。新たな手法は、典型的には802.11など単一ユーザシステムでの受信機追跡に関して使用されるOFDMパイロットの着想を活用することによってこれを保証する。リードアクセスポイントのみが、割り振られたOFDMパイロット副搬送波で送信する。上述した相殺技法の1又は2以上を使用して、各スレーブアクセスポイントは、それ自体の信号を送信しているときでさえ、リードアクセスポイント及び他のスレーブアクセスポイントの複合信号を受信することができる。次いで、この受信された時間領域信号を、FFTを使用して周波数領域に変換し、前述したように、OFDMパイロット副搬送波のみを使用して位相追跡を行うことができる。これらの副搬送波は、リードアクセスポイントからの伝送信号のみを含有するので、これは、各スレーブアクセスポイントが、その位相を、あらゆるデータシンボルを使用してリードアクセスポイントと同期させることができるようにする。さらに、この方式は再同期シンボルを必要としないので、通常のOFDMと同じパケットフォーマットを保ち、したがって、修正なしの標準802.11受信機が、送信されたパケットを復号できるようにする。
5.2 ダイバーシチ利得
システムの幾つかのバージョンは、多重化とダイバーシチ利得との両方を提供することができる。上の説明は、多重化に焦点を当てている。同じ論述がダイバーシチにも当てはまり、この場合には、
個のアクセスポイントが、単一のクライアントにデータシンボル
を送信する。多重化と同様に、各アクセスポイント
が、クライアントへのそのチャネル
を計算する。また、スレーブアクセスポイントは、リードアクセスポイントからのチャネルを計算し、§3で述べたのと同様に、データ送信前に分散位相アライメントを行う。唯一の相違点は、各アクセスポイント
が、そのシンボル

(ここで、
は、複素共役演算子である)として計算することである。
5.3 相反性
また、分散コヒーレントシステムは、送信機が、受信機からの送信機での受信信号、例えばパケット伝送に応答して受信機によって送出された肯定応答を使用して、受信機への送信機のチャネルを推定できるようにすることができる。これは、分散コヒーレントシステムが、オーバーヘッドをなくすことができるようにし、受信機が、順方向チャネルの推定値を送信機に送信する必要をなくす。このオーバーヘッドをなくすことにより、送信機は、送信機でのパケット受信信号を使用して受信機からのチャネルを常に更新できるようになり、したがって、ある程度の移動性があるときでさえ分散コヒーレントシステムが動作できるようにする。
同じ周波数帯域でアップリンクとダウンリンクが動作する従来の
−アンテナMIMOシステムは、チャネル相反性を使用して、受信機から送信アンテナへの逆方向チャネルを使用し、逆方向チャネルに複素時間独立較正定数を乗算することによって、送信アンテナから受信機への順方向チャネルを推定することができる。そのようにして生成された順方向チャネルの推定値は、時間依存位相オフセットまでは適正である。従来のMIMOシステムでは、この位相オフセットは、全ての送信アンテナが同じ周波数基準を共有するので、全ての送信アンテナに関して同じであり、したがって、ビームフォーミングやヌリングなどのMIMO技法の使用に影響を及ぼさない。具体的には、それぞれマスタ送信機及びスレーブ送信機への周波数オフセット
及び
を有する受信機を考える。
を、マスタ送信機から受信機への順方向チャネルとし、
を、時点
での受信機からマスタ送信機への逆方向チャネルとする。
を、マスタでの送信チェーンによって導入されるチャネルとし、これは、ノード上のハードウェア要素から構成されるので、本質的に時間独立であると仮定することができ、又は時間と共に非常にゆっくりと変化すると仮定することができる。
を、時点
での送信機の発振器の位相とし、
を、マスタ送信機から受信機への大気を介する通過帯域チャネルとし、
を、受信機での受信チェーンによって導入されるチャネルとし、
を、時点
での受信機の発振器の位相とする。このとき、信号が、送信機でアップコンバートされ、受信機でダウンコンバートされるので、合成チャネルを
と表すことができる。同様に、
とも表すことができる。チャネル相反性によって、
である。順方向チャネル及び逆方向チャネルの較正が時点
で行われるとし、
を、送信機及び受信機での送信チェーン及び受信チェーンに対応するチャネルの差を考慮に入れた、対応する測定される較正定数とし、したがって、
とする。マスタ送信機と受信機の間の周波数オフセットにより、それらの発振器位相は、互いに対して
だけ変化し、ここで、
であり、
である。したがって、
となる。したがって、較正式と組み合わせて、
となる。同様に、
となる。マスタ送信機とスレーブ送信機が同じクロック及び周波数基準によってドライブされる従来のMIMOシステムの場合、
である。この場合、受信機から送信機への逆方向チャネルに較正定数を単に乗算することによって、すなわち
として(及びスレーブに関しても同様にして)送信機から受信機への順方向チャネルを計算すると、全ての送信機に関して、実際の順方向チャネルに対して同じ位相誤差
が生じる。受信機での送信機間の相対位相の影響のみを受け、実際の位相自体の影響は受けないMIMO技法(例えばビームフォーミングやヌリング)は、従来のMIMOの場合にはこの位相差を考慮に入れる必要がない。なぜなら、「計算される」順方向チャネル間の相対位相が、「実際の」順方向チャネル間の相対位相と同じだからである。
しかし、分散環境では、異なる送信機が、受信機からの異なる周波数オフセットを有し、したがって異なる位相オフセットを受ける。その結果、マスタ送信機は、受信機に対して
の位相誤差を受け、スレーブ送信機は、受信機に対して
の位相誤差を受ける。送信機間の周波数オフセットを、
とする。ここで、送信機が、前述したように順方向チャネルを計算する場合、「計算された」順方向チャネルは、「実際の」順方向チャネルとは異なる相対位相を有する。具体的には、「計算された」チャネル間の相対位相
は、「実際の」チャネル間の相対位相
とは、
だけ異なる。これは、上述した順方向チャネルを計算する従来のメカニズムが使用される場合、MIMO技法の性能の大幅な低下をもたらすことになる。
分散コヒーレントシステムは、スレーブ送信機がマスタ送信機の受信発振器をエミュレートするように、スレーブ送信機での受信信号の周波数及び位相オフセットを適用することによって、相反性を利用することができる。スレーブ送信機は、スレーブでの変調された伝送信号の位相及び周波数オフセット補償と同様にこれを行うことができる。より正確には、受信機からの逆方向伝送信号の受信時に、スレーブ送信機は、マスタ送信機に対するその位相オフセットを計算する。スレーブ送信機は、順方向伝送信号に関する位相オフセットの計算と同様にこれを行うことができる。すなわち、マスタ送信機からの前の伝送信号(例えば、データパケット又は同期信号)の位相を使用して、現行の位相オフセットを推定することができる。前述したように、この位相オフセット
は、値
となる。次いで、スレーブは、逆方向チャネルの推定値を復号及び計算する前に、受信された信号を
によって変調することによって、順方向チャネルの補正推定値を計算することができる。この位相補正後にそのようにして推定された逆方向チャネルは、将来のコヒーレント伝送のために使用することができる。
逆方向チャネル推定値に
を乗算することによる送信機からの順方向チャネルのこの計算は、マスタ送信機とスレーブ送信機の間の基準チャネル位相(前に上で
と定義した)の更新を伴う。すなわち、この瞬間を、将来の伝送信号に関する
とみなすことができる。或いは、スレーブ送信機は、逆方向チャネルに
を乗算して、マスタ送信機とスレーブ送信機の間の基準チャネル位相の前の推定値を維持することができる。
幾つかの例では、ある時点
での送信機と受信機の対の間の順方向チャネル及び逆方向チャネルは、以下のメカニズムによって計算される。第1に、受信機は、送信機からの伝送信号を時点
で送信機から受信し、チャネル
を評価し、この情報を(例えば肯定応答で)送信機に搬送する。次いで、受信機は、時点
で別の伝送信号に応答し(例えば肯定応答)、ここで
は短い時間間隔である。次いで、送信機は、受信機からの逆方向チャネル
を評価する。ここで、送信機は、時間
にわたって累積された送信機と受信機の間の搬送波周波数差
及びサンプリング周波数差
を補償することによって、
から
を推定することができる。これは、送信機で受信された信号を、副搬送波
での
によって変調することによって行うことができる。幾つかの実装形態では、送信機は、この方法を使用して
及び
を得て、
を評価することによって、時点
での較正定数
を計算することができる。マスタ送信機及びスレーブ送信機に関する較正定数は、全てのチャネルが同じ
で測定されたかのように計算すべきである。
正確には、全ての順方向チャネルが同じ時点で計算されたかのように測定されることのみが必要であり、全ての逆方向チャネルは、同じ時点で計算されたかのように、かつ全ての送信機が共通の発振器を共有しているかのように測定されることが必要である。順方向チャネルが測定される時点は、逆方向チャネルが測定される時点とは異なることがある。しかし、説明を容易にするために、ここでは、全てのチャネルが同じ時点
で測定されたかのようにシステムを述べる。
これを実現するために、スレーブ送信機は、上述した技法の組合せを使用して、
と、スレーブ送信機に関する順方向チャネル及び逆方向チャネルが測定される時点との間での任意の位相回転に関して、順方向チャネルと逆方向チャネルの両方を補正する。
幾つかの場合には、送信機は、単に回転バージョンではなく、順方向チャネルの正確な位相を望むことがある。そのような場合、受信機は、その肯定応答に、マスタ送信機から受信機への順方向チャネルの位相(又は、経過時間を乗算し、前の推定量に加えることによって、その情報から位相を計算することができる、計算された周波数オフセットなど等価な情報)を単に含むことができる。受信機は、差分方式を使用してこの位相をコンパクトに符号化していてもよい。具体的には、受信機は、(例えば、時間、周波数、又は空間が異なる)異なるスロットでシンボル

を送信することによって、送信機に位相
を通信することができる。次いで、送信機は、
を計算することによって値
を単純に回復することができ、全ての関連の副搬送波に関してこの同じ操作を行うことができる。上述したように、マスタ送信機とスレーブ送信機が、それらの順方向チャネルの計算で従来のMIMOシステムをエミュレートした後、実際の順方向チャネルの位相と、逆方向チャネルに較正係数を乗算することによって計算された順方向チャネルの位相との差は、正確には回転係数
である。したがって、マスタ送信機は、その「計算された」順方向位相から、受信された値
(「実際の」順方向位相)を差し引くことによって回転係数を回復することができる。マスタ送信機は、その有線バックホール又は他の接続性を使用して、全てのスレーブに回転係数を通信することができる。次いで、スレーブは、この調節を、それら自体の順方向チャネル推定値に適用することができる。
幾つかの例では、送信機は、それらの更新されたチャネル情報を有線バックホール又は他の接続性を介して互いに交換することができ、1又は2以上の将来のパケットに関して、この更新されたチャネル情報を使用することができる。更新の周波数は、移動性又は他の環境的変化に対する所要の公差及び応答性に基づいて決定することができる。
クライアントに送出されるデータを分散させるために使用される有線又はワイヤレスチャネルによってリンクされるアクセスポイントの文脈で述べてきたが、これらの手法を他の状況でも使用することができることに留意されたい。例えば、データ転送状況において、上述したコヒーレント伝送手法を使用して、データパケットを、1セットのワイヤレスノードから後続のセットのワイヤレスノードに転送することができる。データパケットに関する宛先に達するために、このプロセスを繰り返すことができる。
これらの手法の実装形態は、アクセスポイント及び/又はクライアントでの処理装置を制御するためのソフトウェアの形態でよく、例えば有形の機械可読媒体に記憶されることがある。幾つかの実装形態は、ソフトウェアに加えて、又はその代わりに、専用ハードウェア(例えば、特定用途向け集積回路)を使用することがある。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の説明から、及び特許請求の範囲から明らかである。

Claims (22)

  1. マスタ送信機とのコヒーレント伝送を提供するようにスレーブ送信機を操作するための方法であって、
    前記マスタ送信機からの対応する信号の送信と前記スレーブ送信機から変調及びコヒーレント伝送のためのデータフレーム用の第1の信号を生成するステップと、
    前記スレーブ送信機で受信される前記マスタ送信機からの伝送信号と、前記スレーブ送信機での周波数基準から決定される時変位相オフセットの推定値を維持するステップと、
    前記時変位相オフセットの前記推定値から決定される前記データフレーム内の相の時間変化に従って、変調前に前記データフレーム用の前記第1の信号を修正するステップと、
    前記スレーブ送信機での前記周波数基準に従って、前記修正された第1の信号を変調するステップと
    を含む、前記方法。
  2. スレーブ送信機での周波数基準が、変調周波数とサンプリング基準クロックとの少なくとも一方を含み、前記周波数基準が、マスタ送信機とスレーブ送信機との間で独立している、請求項1に記載の方法。
  3. さらに、
    並行して、マスタ送信機で変調された対応する信号を前記マスタ送信機から送信し、前記変調された修正された第1の信号をスレーブ送信機から送信するステップ
    を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 複数の受信機への並行データ通信のための多入力多出力(MIMO)に従って第1信号及び対応する信号を生成することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
  5. 修正された第2の信号を変調することが、直交周波数分割多重(OFDM)アプローチを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 時変位相オフセットの推定値を維持するステップが、マスタ送信機からの伝送信号を復調するステップと、前記復調された伝送信号を期待される復調値と比較するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
  7. マスタ送信機からの伝送信号が、前記マスタ送信機からの対応する信号の伝送のプリアンブルを含む、請求項6に記載の方法。
  8. マスタ送信機からの伝送信号が、周波数多重伝送信号を含み、復調された伝送信号を期待される復調値と比較するステップが、複数の多重化された周波数で前記比較を行うステップと、前記比較の結果を組み合わせるステップを含む、請求項に記載の方法。
  9. 第1の信号が、周波数多重化された信号を含み、変調前に前記第1の信号を修正するステップが、時変位相の推定値に従って、前記第1の信号の複数の多重化成分それぞれを修正するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 伝送のための第1の信号を生成するステップが、スレーブ送信機から修正された第1の信号を送信するために使用される伝送システムとは別の通信リンクを介して、前記第1の信号を表すデータを受信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 変調された修正された第1の信号の送信が、前記変調された修正された第1の信号の送信の持続のために、マスタ送信機からの対応する信号の送信と実質的に一定の相関係を有する、請求項1に記載の方法。
  12. 独立した周波数及び基準クロックを有するマスタ送信機とのコヒーレント動作をエミュレートしながら、スレーブデータ送信機からデータ受信機への順方向チャネルを推定するための方法であって、
    前記データ受信機から前記スレーブデータ送信機への伝送信号を利用して、前記順方向チャネルと逆方向チャネルとの間の複素乗算係数を決定するステップと、
    前記スレーブデータ送信機で受信される前記マスタ送信機からの伝送信号に基づいて、前記マスタ送信機からの伝送信号の変調と、スレーブアクセスポイントでの周波数基準との間の時変位相オフセットの推定値を維持するステップと、
    前記時変位相オフセットの前記推定値に従って、復号前に、前記データ受信機からの前記受信された信号を修正するステップと、
    前記スレーブデータ送信機での前記周波数基準に従って、前記受信された信号を復号し、前記データ受信機から前記スレーブデータ送信機への前記逆方向チャネルを計算するステップと、
    前記逆方向チャネルの前記推定値に、前記計算された較正係数を乗算することによって、前記順方向チャネルの推定値を計算するステップと
    を含む、前記方法。
  13. 推定された順方向チャネルが、複数のワイヤレス送信機から1又は2以上の受信機への分散コヒーレンス伝送を提供するために1又は2以上のスレーブ送信機によって使用される、請求項12に記載の方法。
  14. マスタ送信機からの対応する信号の送信とスレーブ送信機から変調及びコヒーレント伝送するためのデータフレーム用の第1の信号を生成するステップと、
    前記スレーブ送信機で受信される前記マスタ送信機からの伝送信号と、前記スレーブ送信機での周波数基準から決定される時変位相オフセットの推定値を維持するステップと、
    前記時変位相オフセットの前記推定値から決定される前記データフレーム内の相の時間変化に従って、変調前に前記データフレーム用の前記第1の信号を修正するステップと、
    前記スレーブ送信機での前記周波数基準に従って、前記修正された第1の信号を変調するステップと
    によって、前記スレーブ送信機に関連付けられる処理装置に、前記マスタ送信機とのコヒーレント伝送の提供を行わせるための命令を含む有形の持続性コンピュータ可読媒体上で具現化されるソフトウェア。
  15. 変調された修正された第1の信号の送信が、前記変調された修正された第1の信号の送信の持続のために、マスタ送信機からの対応する信号の送信と実質的に一定の相関係を有する、請求項14に記載の有形の持続性コンピュータ可読媒体上で具現化されるソフトウェア。
  16. マスタ送信機とのコヒーレント伝送を提供するように構成されたスレーブ送信機であって、
    前記マスタ送信機からの対応する信号の送信とスレーブ送信機から変調及びコヒーレント伝送するためのデータフレーム用の第1の信号を生成し、
    スレーブ送信機で受信される前記マスタ送信機からの伝送信号と、前記スレーブ送信機での周波数基準から決定される時変位相オフセットの推定値を維持し、
    前記時変位相オフセットの前記推定値から決定される前記データフレーム内の時間変化に従って、変調前に前記データフレーム用の前記第1の信号を修正し、
    前記スレーブ送信機での前記周波数基準に従って、前記修正された第1の信号を変調する
    ように構成される、前記スレーブ送信機。
  17. 変調された修正された第1の信号の送信が、前記変調された修正された第1の信号の送信の持続のために、マスタ送信機からの対応する信号の送信と実質的に一定の相関係を有する、請求項16に記載のスレーブ送信機。
  18. マスタ送信機を備え、前記マスタ送信機が、
    第1の発振器周波数で動作する第1の発振器と、
    1又は2以上のシンボルをそれぞれ含む1又は2以上のデータフレームを送信するための第1の送信機モジュールとを含み、前記第1の送信機モジュールが、前記第1の発振器周波数で動作する前記第1の発振器に結合され、
    さらに1又は2以上のスレーブ送信機を備え、前記1又は2以上のスレーブ送信機の各スレーブ送信機が、
    第2の発振器周波数で動作する第2の発振器と、
    前記マスタ送信機から、1又は2以上のデータフレームの第1の伝送信号を含む伝送信号を受信するための受信機モジュールとを備え、前記受信機モジュールが、前記第2の発振器周波数で動作し、前記マスタ送信機から受信された前記第1の伝送信号に基づいて、前記第1の発振器周波数と前記第2の発振器周波数との間の周波数オフセットを決定するための周波数オフセット追跡モジュールを含み、
    前記スレーブ送信機がさらに、1又は2以上のシンボルをそれぞれ含む1又は2以上のデータフレームを送信するための第2の送信機モジュールを備え、前記第2の送信機モジュールが、前記第2の発振器周波数で動作し、前記1又は2以上のデータフレームを送信する前に、前記1又は2以上のデータフレーム内の前記シンボルの前記周波数オフセットの時間変化を補償するための周波数オフセット補償モジュールを含む
    置。
  19. 第2の送信機モジュールによる1又は2以上のデータフレームの伝送が、前記第2の送信機モジュールによる前記1又は2以上のデータフレームの伝送の持続のための前記第2の送信機モジュールによる前記1又は2以上のデータフレームの伝送と実質的に一定の相関係を有する、請求項18に記載の装置。
  20. 複数の受信機にマスタアクセスポイントとの協調伝送を提供するように1又は2以上のスレーブ送信機を操作するための方法であって、
    マスタ送信機に結合されたマスタシンボル記憶要素に、前記複数の受信機のサブセットに宛てられた複数のシンボルをロードするステップと、
    前記スレーブ送信機それぞれに結合された複数のスレーブシンボル記憶要素それぞれに、前記複数の受信機の前記サブセットに宛てられた複数のシンボルをロードするステップと、
    前記スレーブ送信機で受信される前記マスタ送信機からの伝送信号に基づいて、前記マスタ送信機からの伝送信号と、前記各スレーブ送信機での周波数基準との間の時変位相オフセットの推定値を維持するステップと、
    前記マスタ送信機からの信号の送信と前記1又は2以上のスレーブ送信機から並行伝送するための信号を生成するステップとを含み、前記信号を生成するステップが、前記複数のシンボルを表す複数の副信号を組み合わせるステップを含み、それにより、前記信号の送信後、前記複数の副信号の各副信号が、前記複数の受信機の前記サブセットの1又は2以上の受信機のアンテナに現れ、前記複数の受信機の前記サブセットの1又は2以上のクライアントのアンテナで相殺され、前記方法がさらに、
    前記時変位相オフセットの前記推定値に従って、変調前に前記信号を修正するステップと、
    前記スレーブ送信機それぞれでの前記周波数基準に従って、前記修正された信号を変調するステップと
    を含む、前記方法。
  21. 複数のシンボルが、各受信機に宛てられた異なるシンボルを含み、前記受信機向けの前記複数のシンボルが全て、マスタ記憶要素及びスレーブ記憶要素にロードされ、
    信号が、送信機それぞれで生成されて、各受信機が、前記受信機に宛てられた前記シンボルを同時に受信及び復号することができるようにし、
    次いで、各受信機が、組み合わされた伝送信号を使用して前記シンボルを復号し、それにより、各受信機に関して、前記組み合わされた伝送信号が、受信機に対して最も強い信号を有する前記送信機からの単一の伝送信号から受信機が得るレートに実質的に等しいレートを同時に実現する、
    請求項20に記載の方法。
  22. 同じシンボルが、マスタ記憶要素とスレーブ記憶要素とにロードされ、前記シンボルが、単一の受信機に宛てられ、
    所期の前記単一の受信機で何らかの予測可能な相対位相と組み合わせるために、送信機それぞれで信号が生成される、
    請求項20に記載の方法。
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