JP5999912B2 - 電気錠 - Google Patents
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また開錠する際には、シリンダーに鍵を挿入してシリンダーを回動し、デッドボルト等を錠ケース内に没入させる。
電気錠は、例えば集合住宅等の正面玄関に取り付けられ、各部屋からの遠隔操作によって玄関ドア(扉)を施開錠させるものである。
即ち旧来の錠は、前記した様に鍵を鍵孔に挿入して回動させることによって施開錠させるものであったが、鍵を鍵孔に挿入することは面倒であり、鍵を使用せずに扉を開錠させたいという要求がある。
例えば鍵の代わりにカードを使用し、カードを特定の位置に挿入したり、かざすことによって施開錠する。あるいは鍵の代わりにリモコン装置を使用し、リモコン装置を操作することによって鍵を使用すること無く施開錠する。
即ち、扉に取り付けられていた旧来の錠を電気錠に取り替えてキーレス施錠システムに変更したいという要求がある。
しかしながら、キーレス施錠システムに使用する錠は、前記した様に電気錠であり、モータやソレノイド等の動力源を内蔵するので、旧来の錠よりも大きい。
そのため扉の彫り孔の開口から、電気錠を挿入することができないという問題があった。即ち旧来の錠を電気錠に取り替えるには、扉ごと取り替えるか、扉の彫り孔を彫り直す必要があった。
ここで一般的に、扉の内部に設けられた錠収納用空洞部は、端面の開口面積の割に大きい。即ち一般に、錠収納用空洞部の高さ方向の長さは、開口面積の高さ方向の長さに比べて大きい。
そこで本発明者らは、扉の開口の端部を回り込んで錠ケースを錠収納用空洞部に挿入させることを思いついた。
前記本体部と突出部を合計した錠ケースの高さ寸法は、前記挿入用開口の高さ方向の長さよりも長く、本体部の高さ寸法は前記挿入用開口の高さ方向の長さよりも短いことを特徴とする電気錠である。
一方、突出部を除いた本体部の高さ寸法は、挿入用開口の長さよりも短いから、錠ケースを回動させながら挿入用開口に挿入することにより、挿入用開口の端部を回り込むことができる。そのため突出部を含む部位を錠収納用空洞部に入れることができる。
本発明の実施形態の電気錠1は、主錠2と副錠3によって構成されている。
主錠2及び副錠3は、図1の様に、扉5の自由端側の端面6に取り付けられている。即ち扉5は、一辺側が蝶番7,8によって扉枠11に固定されたものであり、他端側(端面6側)が自由端となる。
そして自由端側に、電気錠1と、ラッチ錠12が取り付けられている。ラッチ錠12は、公知のそれと同様に、ハンドル13を操作することにより、錠ケース(図示せず)からラッチ14が出没するものである。
要するに、電気錠1の主錠2と副錠3は、ラッチ錠12を挟んで上下の高さの位置に設けられている。
図1で扉5の上部と、扉枠11に設けられている部材は、扉5が閉じているか否かを確認するセンサー9,10である。実際には、センサー9,10は、室内側に取り付けられるが、図示の都合上、屋外側に描かれている。
錠収納用空洞部22は、彫り孔とも称されるものであり、扉5の端面に挿入用開口23が設けられている。そして後記する様に、主錠2等の錠ケース30の機構収容部37が挿入用開口23から錠収納用空洞部22に挿入される。
主錠2は、図3、図4、図5の様に、錠ケース30を有し、図4に示すように当該錠ケース30内に錠機構部31と、動力部32と、制御基板33a及び電源部35aが内蔵されたものである。
化粧板36は、短冊状の金属板であり、デッドボルト43が出没する開口39が設けられている。また化粧板36には、扉に取り付けられた姿勢を基準として上下の位置に取り付け孔42、54が設けられている。
機構収容部37は、一面に取り付けフランジ部38(以下単にフランジ部38という場合がある)が設けられた匡体であり、箱本体部40と正面蓋41によって構成されている。
フランジ部38は、前記した化粧板36と同様に短冊状の金属板である。フランジ部38には、前記した化粧板36と同様に、デッドボルト43が出没する開口45と、取り付け孔46、47が設けられている。
またフランジ部38には、電源部35を取り出すための開口44が設けられている。
即ち錠ケース30の機構収容部37は、図5のXの領域で囲まれる大きな四角形の本体部50と、Yの領域で囲まれる小さな四角形の突出部51が合体した形状をしている。
即ち大きな四角形の本体部50があり、その下部側であって、フランジ部38から遠い側の位置に突出部51が垂下している。
即ち錠ケース30の本体部50は、取り付けフランジ部38から後端辺52に至る辺56を一辺とし、後端辺52を他辺とする長方形に、四角形の欠落部60を設けた形状であると言える。
欠落部60の位置は、錠ケース30の下部側であって、取り付けフランジ部38に近い領域である。
図7に示すように、錠収納用空洞部22の挿入用開口23の長さをAとし、錠ケース30の機構収容部37の全高をBとすると、錠ケース30の全高B(フランジ部38を除く全高)は、挿入用開口23の長さAよりも高い。
即ち錠ケース30の後端辺52の長さ(B)は、挿入用開口23の長さAよりも長い。言い換えると、錠ケース30の本体部50と突出部51とを併せた高さ(B)は、挿入用開口23の長さAよりも長い。
なお取り付けフランジ部38の長さFは、挿入用開口23の長さAよりも長い。
前記した様に、錠ケース30内には、錠機構部31と、動力部32と、制御基板33a及び電源部35aが内蔵されている(図4)。
錠機構部31のハブ70を回転させることによって連動機構が運動し、デッドボルト43を錠ケース30から出没させることができる。
また錠機構部31には、図示しないセンサーが内蔵されている。センサーは、デッドボルト43の出入りを検知するものである。
即ち錠ケース30の本体部50の上部であって、正面蓋41(図4では正面蓋41が取り外されている)側の位置に制御基板33aが設けられている。そして同じ領域であって、箱本体部40側の位置に電源部35aが設けられている。
本実施形態では、主錠2側の制御基板33aと、副錠3側の制御基板33bは、若干機能が異なる。即ち主錠2側の制御基板33aには、電気錠1の全体の動作を司る制御装置としての機能がある。
そのため、アンテナ16からの信号を受信し、これを処理する機能や、モータ72を起動停止したり、逆転させるスイッチング回路85(図13)が内蔵されている。
従って、化粧板36を取り外すと、機構収容部37の取り付けフランジ部38に設けられた開口44が露出し、内部の電池ケース75を抜き出すことができる。
前記した様に、主錠2及び副錠3は、公知の錠と同様に、扉の内部に形成された錠収納用空洞部22(図2)に取り付けられる。
錠収納用空洞部22は、扉の端面に形成された挿入用開口23を介して外部と連通する。挿入用開口23は、長方形であり、その上下に取り付け用のネジ孔78,79が設けられている。
錠収納用空洞部22の天地方向の長さは、図6の様に挿入用開口23の長さAに比べて相当に長い。
さらに突出部51の挿入用開口側の根元部62と、前記根元部及び挿入用開口の双方から遠い側の錠ケースの突端部63との距離Eは、挿入用開口23の長さAよりも短い。
そのため錠ケースの突端部63は、挿入用開口23の上部側突端81をすり抜け、本体部50が、錠収納用空洞部22内に入る。
さらに錠ケース30の取り付けフランジ部38を化粧板36と共に挿入用開口23にネジ止め(図示せず)し、主錠2及び副錠3の取り付けを完了する。
本実施形態の電気錠1では、検知箱21に設けられたスイッチ15のオンオフ信号や、アンテナ16の受信信号は、図11、図12の様に主錠2側の制御基板33aに入力される。また主錠2に設けられたセンサーの信号も図12の様に主錠2側の制御基板33aに入力される。さらに、副錠3側に設けれられたセンサーの信号は、一旦、副錠3側の制御基板33bに入力され、制御基板33bを経由して、主錠2側の制御基板33aに入力される。
そしてこれらの信号に基づいて、主錠2側の制御基板33a内のソフトウェアで演算処理が行われ、モータ72a,72bを動作させる信号が主錠2側から送信される。
即ち主錠2側のモータ72aだけでなく、副錠3側のモータ72bについても、主錠2側の制御基板33aで制御される。
具体的には、主錠2側の制御基板33aは、図13の様なスイッチング回路85を内蔵しており、主錠2側のモータ72aだけでなく、副錠3側のモータ72aについても、制御基板33aのスイッチング回路85によって起動・停止・逆転が行われる。
さらにアンテナ16への送信信号や、図示しないランプ等を点灯させる信号は、いずれも主錠2側の制御基板33aから発信される。
即ち図11、図12、図13の様に、主錠2の電源部35aは、4本の電池76が直列に接続されており、6ボルトの直流電圧を発生させる。副錠3の電源部35bについても、4本の電池76が直列に接続されており、6ボルトの直流電圧を発生させる。
しかしながら、主錠2の電源部35aと副錠3の電源部35bは並列接続され、電圧が6ボルト、容量が2個の電池76分の電源となっている。この電源が一旦、主錠2側に入力されている。そして副錠3側には、主錠2側から、電力線86,87によって電力が供給されている。
また電源を主錠2と、副錠3に分散しているから、個々の電源部35a,35bの外形形状が小さい。そのため主錠2及び副錠3自体の大きさが過度に大きくならず、既設の錠が取り付けられていた部位に本実施形態の電気錠1を取り付けることができる。
本実施形態の電気錠は、鍵90(図2)及びカード83(図11)の双方によって施開錠することができる。
カード83を使用して施開錠する場合は、検知箱21に設けられたスイッチ15を押し、検知箱21にカード83をかざす。スイッチ15が押されたという信号は、信号線によって主錠2の制御基板33aに入力され、主錠2側から、アンテナ16に電力が供給されて、電磁波を発生させる。
カード83は、この電磁波を受けて発電し、所定の電波を発信する。カード83から発信された電波は、信号ラインによって制御基板33aに入力され、解析される。
そしてカード83が発信する信号が、所定の条件に適合するならば、制御基板33aのスイッチング回路85が機能し、主錠2側のモータ72aと、副錠3側のモータ72bを起動させるスイッチをオン状態にする。
即ち二つの錠の電源部35a,35bが並列に接続されて、大容量の電源を構成し、この合成された電源の電力が、制御基板33aのスイッチング回路85の接点に供給されている。
そしてスイッチング回路85が繋がることにより、主錠2内のモータ72aと、副錠3内のモータ72bに順次、電力が供給される。なお、主錠2内のモータ72aと、副錠3内のモータ72bへの電力供給は、時間差を設けて行われる。
さらに図14に示す様に、本体部50の上下に突出部51を設けてもよい。
2 主錠
3 副錠
5 扉
7,8 蝶番
12 ラッチ錠
15 スイッチ
16 アンテナ
20 シリンダー
21 検知箱
22 錠収納用空洞部
23 挿入用開口
30 錠ケース
31 錠機構部
32 動力部
33 制御基板
35a,35b 電源部
36 化粧板
37 機構収容部
38 取り付けフランジ部
40 箱本体部
41 正面蓋
43 デッドボルト
50 本体部
51 突出部
60 欠落部
72a,72b モータ
70 ハブ
85 スイッチング回路
Claims (5)
- 扉の内部に形成された錠収納用空洞部に、扉の端面に形成された挿入用開口から錠ケースが挿入される電気錠であって、前記錠ケース内に錠の機構部分と動力源とが内蔵されている電気錠において、前記錠ケースは本体部と、取り付け姿勢を基準として前記本体部から上方向又は下方向に向かって突出する突出部とを有し、前記本体部と突出部を合計した錠ケースの高さ寸法は、前記挿入用開口の高さ方向の長さよりも長く、本体部の高さ寸法は前記挿入用開口の高さ方向の長さよりも短いことを特徴とする電気錠。
- 前記突出部の挿入用開口側の根元部と、前記根元部及び挿入用開口の双方から遠い側の錠ケースの突端部との距離が、前記挿入用開口の高さ方向の長さよりも短いことを特徴とする請求項1に記載の電気錠。
- 前記錠ケースの本体部は略四角形であり、突出部についても略四角形であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気錠。
- 前記錠ケースの本体部は、四角形の一部が欠落した形状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気錠。
- 動力源はモータであり、モータ及びギアボックスが前記突出部に配されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気錠。
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