JP5999338B2 - 車両用航続距離算出装置 - Google Patents
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Description
このように構成された本発明においては、車速に応じて異なる電力量消費率に基づいて航続距離を算出することができ、車速の影響を考慮して正確に航続距離を算出することができる。
また、運転者の運転傾向や車両の走行状況に応じて変化する車速と電力量消費率との関係を、サンプリング距離毎に逐次電費テーブルに反映することができ、一層正確に航続距離を算出することができる。
このように構成された本発明においては、車速に応じた適当な距離の平均車速に対応する電力量消費率に基づいて航続距離を算出することができ、車両の走行状況に対応する適当な電力量消費率に基づいて一層正確に航続距離を算出することができる。
このように構成された本発明においては、交差点や踏み切りにおける一時的な車速の低下が平均車速に及ぼす影響を除外することができ、一層正確に航続距離を算出することができる。
このように構成された本発明においては、車両の走行による電力消費が少ない場合においても、空調装置の電力消費により変化する航続距離を算出することができる。
まず、図1により、本発明の実施形態による車両用航続距離算出装置を搭載する車両について説明する。図1は、本発明の実施形態による車両用航続距離算出装置を搭載する車両の全体構造を示す概略平面図である。
また、車両1には、車速パルスを検出し、その検出信号を車両用航続距離算出装置20に出力する車速センサ24と、車両用航続距離算出装置20から提供される各種情報を出力する出力装置26とが設けられている。
また、車両用航続距離算出装置20には、ECUを介してバッテリ2の出力電力値、及びSOC(State of Charge)が入力される。
これらの内、車速検出部28、平均車速算出部30、航続距離算出部32、電費算出部34、及び情報提供部36は、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを記憶するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
図3は、電費テーブル40に記憶されている情報を例示した表である。
図3に示すように、電費テーブル40には、複数に区分された車速の各範囲を示す情報(図3では「0≦V<4」等)と、車両1の走行による電費(単位電力量当たりの航続距離)を示す値(図3では「10.5」等)とが、相互に関連付けて記憶される。電費テーブル40には、予め初期値が記憶されており、その初期値が後述する電費算出処理において随時更新される。
図4は、電費算出部34が電費を算出して電費テーブル40を更新する電費算出処理のフローチャートである。この電費算出処理は、車両1のイグニッションがオンにされ、車両用航続距離算出装置20に電源が投入された場合に起動され、繰り返し実行される。
具体的には、電費算出部34は、ステップS4において算出した平均消費電力(kW)によって、ステップS5において算出した平均車速(km/h)を除算することにより、直近のサンプリング距離における電費(km/kWh)を算出する。そして、電費テーブル40に記憶されている電費と、算出した直近のサンプリング距離における電費との各々に所定の重み付けをして加重平均を算出し、この加重平均値により電費テーブル40を更新する。
図5は、電費テーブル40に記憶されている車速と電費との関係を例示した線図であり、横軸は車速(km/h)を示し、縦軸は電費(km/kWh)を示す。この図4の実線は、予め電費テーブル40に記憶されている車速と電費の関係を示し、破線は、上述した電費算出処理により更新された車速と電費の関係を示す。
このように、電費算出処理を繰り返すことにより、運転者の運転傾向や車両1の走行状況に応じて変化する車速と電費との関係を、サンプリング距離毎に逐次電費テーブル40に反映することができる。
この時、平均車速算出部30は、車速検出部28が検出しRAMに記憶させた直近の4kmにおける車速の内、所定値(本実施形態では4km/h)以上の車速の平均値を、直近の所定距離における平均車速として算出する。これにより、例えば交差点や踏み切りにおける一時的な車速の低下が平均車速に及ぼす影響を除外することができる。
さらに、ステップS16において、航続距離算出部32は、ECUを介して入力された空調装置22の消費電力値に基づき、直近の所定時間(本実施形態においては1時間)における空調装置22の平均消費電力を算出する。
具体的には、航続距離算出部32は、バッテリ2の残容量(kWh)に平均電費(km/kWh)を乗算することにより、空調装置22の使用による電力消費を考慮しない場合の航続距離Rdrv(km)を算出する。
また、航続距離算出部32は、ステップS16において算出した空調装置22の平均消費電力(kW)を、直近の所定走行距離(例えば500km)の平均車速(km/h)によって除算することにより、単位走行距離当たりの空調装置22による消費電力量(kWh/km)を算出する。この算出した消費電力量によって、バッテリ2の残容量を除算することにより、空調装置22の使用のみを考慮した航続距離Rair(km)を算出する。
そして、航続距離算出部32は、空調装置22の使用を考慮した航続距離Rout(km)を、1/Rout=1/Rdrv+1/Rairにより算出する。
図7は、航続距離を表示する出力装置26を例示した平面図である。この図7に示すように、出力装置26は、ステップS14において特定したバッテリ2の残容量を示す残容量ゲージと、ステップS17において算出した航続距離を表示する。
さらに、ステップS20において、航続距離算出部32は、ECUを介して入力された空調装置22の消費電力値に基づき、直近の所定時間(本実施形態においては1時間)における空調装置22の平均消費電力を算出する。
図8は、車両1の走行に伴って変化する航続距離を例示する線図であり、横軸は車両1の走行距離を示し、縦軸は航続距離算出処理において算出した航続距離を示す。この図8の例において、平坦な高速道路の区間Aにおける平均車速は60km/h、登り坂の高速道路の区間Bにおける平均車速は60km/h、登り坂の高速道路の区間Cにおける平均車速は80km/h、下り坂の一般道路の区間Dにおける平均車速は30km/h、下り坂の高速道路の区間Eにおける平均車速は80km/h、下り坂の高速道路の区間Fにおける平均車速は60km/h、平坦な一般道路の区間Gにおける平均車速は40km/hである。
平坦な道路と比較して登り坂においては走行負荷が増大するため、電費が悪化する傾向にある。したがって、平坦な高速道路の区間Aや一般道路の区間Gと比較して、登り坂の高速道路の区間Bにおける航続距離の減少率(傾き)が大きくなっている。また、一般的に車速が高いほど電費が悪化することから、区間Bと比較して車速の高い区間Cにおいては、航続距離の減少率が区間Bよりもさらに大きくなっている。さらに、下り坂であっても車速が高い場合には走行負荷が高く電費が悪化することから、下り坂の高速道路の区間Eにおいても、区間Aや区間Bと比較して航続距離の減少率が大きくなっている。
一方、回生ブレーキが作動するような斜度の大きい下り坂の場合、走行負荷が低下し電費が向上することから、斜度の大きい下り坂の区間Dや区間Fにおいては、航続距離が増加している。
このように、本実施形態の車両用航続距離算出装置20によれば、車速の影響による電費の変化を反映した航続距離を算出することができる。
上述した実施形態の航続距離算出処理のステップS12において、平均車速算出部30は、車速検出部28が検出した車速に基づき、直近の所定距離における平均車速を算出すると説明したが、平均車速算出部30が、現在の車速に応じて異なる直近の所定距離における平均車速を算出するようにしてもよい。
図9は、平均車速算出部30が平均車速の算出に使用する直近の所定距離と現在の車速との関係を例示した線図である。この図9において、横軸は現在の車速を示し、縦軸は平均車速算出部30が平均車速の算出に使用する直近の所定距離を示す。例えば、この図9に示すように、平均車速部は、車速が高いほど長い距離における平均車速を算出する。
具体的には、記憶部38は、電費テーブル40に代えて、車両1の走行による燃料消費率(燃費)と車速とを相互に対応付けて記憶する燃費テーブルを備える。
航続距離算出処理において、航続距離算出部32は、燃費テーブルを参照し、平均車速算出部30が算出した平均車速に対応する平均燃費を特定し、この平均燃費と、燃料の残量とに基づき、航続距離を算出する。
2 バッテリ
4 モータルーム
6 駆動輪
8 モータユニット
10 モータ用インバータ
12 バッテリチャージャ
14 バッテリ搭載フレーム
16 充電レセプタクル
18 充電ケーブル
20 車両用航続距離算出装置
22 空調装置
24 車速センサ
26 出力装置
28 車速検出部
30 平均車速算出部
32 航続距離算出部
34 電費算出部
36 情報提供部
38 記憶部
40 電費テーブル
Claims (4)
- 動力源として二次電池を搭載する車両が航続可能な航続距離を算出する車両用航続距離算出装置であって、
上記車両の走行による電力量消費率と車速とを相互に対応付けて記憶する電費テーブルと、
車速を検出する車速検出手段と、
検出した上記車速に基づき、直近の所定距離における平均車速を算出する平均車速算出手段と、
算出した上記平均車速に対応する上記電力量消費率と、上記二次電池の残容量とに基づき、上記航続距離を算出する航続距離算出手段と、
直近のサンプリング距離における上記車両の走行による平均消費電力と、このサンプリング距離における平均車速とに基づき、このサンプリング距離における電力量消費率を算出し、このサンプリング距離における平均車速と電力量消費率とに基づいて上記電費テーブルを上記サンプリング距離毎に逐次更新する電費算出手段と
を有することを特徴とする車両用航続距離算出装置。 - 動力源として二次電池を搭載する車両が航続可能な航続距離を算出する車両用航続距離算出装置であって、
上記車両の走行による電力量消費率と車速とを相互に対応付けて記憶する電費テーブルと、
車速を検出する車速検出手段と、
検出した上記車速に基づき、直近の所定距離における平均車速を算出する平均車速算出手段と、
算出した上記平均車速に対応する上記電力量消費率と、上記二次電池の残容量とに基づき、上記航続距離を算出する航続距離算出手段と、を有し、
上記平均車速算出手段は、現在の車速に応じて異なる上記直近の所定距離における平均車速を算出することを特徴とする車両用航続距離算出装置。 - 動力源として二次電池を搭載する車両が航続可能な航続距離を算出する車両用航続距離算出装置であって、
上記車両の走行による電力量消費率と車速とを相互に対応付けて記憶する電費テーブルと、
車速を検出する車速検出手段と、
検出した上記車速に基づき、直近の所定距離における平均車速を算出する平均車速算出手段と、
算出した上記平均車速に対応する上記電力量消費率と、上記二次電池の残容量とに基づき、上記航続距離を算出する航続距離算出手段と、を有し、
上記平均車速算出手段は、上記直近の所定距離における所定値以上の車速から平均車速を算出することを特徴とする車両用航続距離算出装置。 - 動力源として二次電池を搭載する車両が航続可能な航続距離を算出する車両用航続距離算出装置であって、
上記車両の走行による電力量消費率と車速とを相互に対応付けて記憶する電費テーブルと、
車速を検出する車速検出手段と、
検出した上記車速に基づき、直近の所定距離における平均車速を算出する平均車速算出手段と、
算出した上記平均車速に対応する上記電力量消費率と、上記二次電池の残容量とに基づき、上記航続距離を算出する航続距離算出手段と、を有し、
上記航続距離算出手段は、現在の車速が所定値未満の場合、上記車両の空調装置による消費電力に基づき上記航続距離を算出することを特徴とする車両用航続距離算出装置。
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