JP5998246B1 - 粒体組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】自由に変形し、造形が可能で、造形後の保形成に優れ、また粒体間の相互粘着性を有するが、手、衣服、作業台などの周囲の他の部材に対する粘着性が極めて低く、生体不活性な粒体組成物を提供する。【解決手段】粒体組成物は、表面にケイ素酸化物を有する粒体と、シリコーンゴムと流動パラフィンとの混合物からなるバインダとを含み、このバインダが粒体をコーティングし、かつ粒体間に適度な空間を残して充填される。バインダは、粒体間に流動性と相互粘着性を付与する。粒体の含有率が、93.00〜97.00重量%で、保形性−流動性の加圧可逆性を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、砂のような粒体である主材料と、シリコーンゴムと流動パラフィンとが混合した粘着性のバインダを含み、このバインダが粒体をコーティングし、かつ粒体間に適度の空間を残して充填される粒体組成物であって、粒体同士の優れた相互粘着性を有するが、粒体と接触する周囲の他の部材との粘着性が極めて小さく、かつ圧縮造形後、長時間の保形性を有する粒体組成物とその製造方法に関する。
従来、主に遊戯用あるいは教育用に適した粒状の組成物であって、粒体間の相互粘着性を有し、容易に造形、変形可能であるが、接触する周囲の部材には容易に粘着しないという特性を持つものとして、特許文献1に記載されたものが提案されている。
この組成物は、粒子状又は顆粒状の物質である砂のような粒体と、その粒体の表面をコーティングするバインダとを含み、そのバインダはヒドロキシル基(水酸基)を末端に有し、ホウ素化合物で架橋されたポリマーを含む組成物である。
この組成物は、所定量の粒体をミキサに入れる工程と、水酸基を末端に持つ低粘度のポリマーを含む成分をミキサに入れる工程と、架橋剤としてのホウ素を含む成分をミキサに入れる工程とを含む方法により製造される。
この組成物は、粒子状又は顆粒状の物質である砂のような粒体と、その粒体の表面をコーティングするバインダとを含み、そのバインダはヒドロキシル基(水酸基)を末端に有し、ホウ素化合物で架橋されたポリマーを含む組成物である。
この組成物は、所定量の粒体をミキサに入れる工程と、水酸基を末端に持つ低粘度のポリマーを含む成分をミキサに入れる工程と、架橋剤としてのホウ素を含む成分をミキサに入れる工程とを含む方法により製造される。
上記従来の組成物は、高い流動性を持つが、造形性、保形性に乏しく、造形後に放置すると、ごく短時間で崩壊してしまい、遊具としての機能に欠けるところがある。したがって、本発明は、ホウ素化合物で架橋されたポリマーを含まない生体不活性な粒体組成物であって、自由に変形し、造形が可能で、造形後の保形成に優れ、また粒体間の相互粘着性を有するが、手、衣服、作業台などの周囲の他の部材に対する粘着性が極めて低い粒体組成物と、その製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するための、本発明の粒体組成物は、表面にケイ素酸化物を有する粒体と、シリコーンゴムと、このシリコーンゴムと混合して粘着性を有するバインダを形成する流動パラフィンとを含み、粒体がバインダによりコーティングされると共に、粒体間に適度の空間を残してバインダが充填され、粒体の含有率が93.00〜97.00重量%であり、保形性−流動性の加圧可逆性を有する粒体組成物である。
本発明の粒体組成物の製造方法は、2液付加反応硬化型シリコーンエラストマーの主剤と硬化剤の2液と流動パラフィンとを混合撹拌して混合液を生成する第1の工程と、混合液と粒体と含む原材料をミキサに投入する第2の工程と、ミキサに投入された原材料を、40℃〜90℃の範囲で加熱しながら、粒体間の所望の粘着性が得られるまで、所定時間混練する第3の工程とを含む。第3の工程において、シリコーンポリマーを架橋させてシリコーンゴムを生成する第4の工程と、流動パラフィンをシリコーンゴムの分子間に均一に分散させて粘着性を有するバインダを形成する第5の工程と、バインダを粒体の表面にコーティングする第6の工程と、粒体の間に適度の空間を残してバインダを充填する第7の工程とを含む。
本発明の粒体組成物の製造方法は、2液付加反応硬化型シリコーンエラストマーの主剤と硬化剤の2液と流動パラフィンとを混合撹拌して混合液を生成する第1の工程と、混合液と粒体と含む原材料をミキサに投入する第2の工程と、ミキサに投入された原材料を、40℃〜90℃の範囲で加熱しながら、粒体間の所望の粘着性が得られるまで、所定時間混練する第3の工程とを含む。第3の工程において、シリコーンポリマーを架橋させてシリコーンゴムを生成する第4の工程と、流動パラフィンをシリコーンゴムの分子間に均一に分散させて粘着性を有するバインダを形成する第5の工程と、バインダを粒体の表面にコーティングする第6の工程と、粒体の間に適度の空間を残してバインダを充填する第7の工程とを含む。
本発明の粒体組成物は、自由に変形し、加圧することで造形が可能で、造形後の保形成に優れ、また粒体間の相互粘着性を有するが、手、衣服、作業台などの周囲の他の部材に対する粘着性が極めて低く、生体不活性で安全性が高い。本発明の製造方法によれば、上記粒体組成物を容易に得ることができる。
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る組成物の電子顕微鏡写真である。天然の砂からなる大量の粒体1は、シリコーンゴムと流動パラフィンとの混合物である粘着性のバインダ2により表面がコーティングされている。バインダ2には、比較的架橋密度の高いシリコーンゴムと比較的架橋密度の低いシリコーンゴムが含まれる。粒体1間にはバインダ2が充填されるが、適度な空間3が残される。この粒体組成物は、保形性−流動性の加圧可逆性を有し、加圧造形後の比較的長時間の保形性を有し、加圧により流動性を回復する。シリコーンゴムと流動パラフィンとの混合物であるバインダ2の粘性は、混練の時間と加熱温度の制御により調整される。
図1は、本発明に係る組成物の電子顕微鏡写真である。天然の砂からなる大量の粒体1は、シリコーンゴムと流動パラフィンとの混合物である粘着性のバインダ2により表面がコーティングされている。バインダ2には、比較的架橋密度の高いシリコーンゴムと比較的架橋密度の低いシリコーンゴムが含まれる。粒体1間にはバインダ2が充填されるが、適度な空間3が残される。この粒体組成物は、保形性−流動性の加圧可逆性を有し、加圧造形後の比較的長時間の保形性を有し、加圧により流動性を回復する。シリコーンゴムと流動パラフィンとの混合物であるバインダ2の粘性は、混練の時間と加熱温度の制御により調整される。
図2は、本発明に係る粒体組成物の製作過程、すなわち混練時間又は加熱温度が不十分な状態を示す電子顕微鏡写真である。バインダ2を形成するシリコーンゴムと流動パラフィンとの混合物の流動性が高く、粒体1の相互間には大きな空間3が形成され、この空間3にはバインダ2が充填されていない。造形後の保形性がほとんどない粒体組成物を示している。所望の保形性−流動性の加圧可逆性を付与するためには、追加的な加熱又は混練を必要とする。この過程で、流動性の高いバインダ2により粒体1の表面を十分に被覆することが、追加的加熱又は混練による粒子1間の密着性の改善のために重要な過程である。
上記粒体組成物は、以下の方法で作製される。主剤Aと硬化剤Bの2液を混合することにより硬化する、2液付加反応硬化型シリコーンエラストマーを用いる。第1の工程において、所定量のA液とB液と流動パラフィンを混合撹拌して混合液を生成する。次いで、第2の工程において、所定量の混合液と砂とを含む原材料をミキサに投入する。第3の工程において、ミキサに投入された原材料を、40℃〜90℃の範囲で、加熱しながら、所定時間混練する。以下の第4ないし第7の工程は、第3の工程中において順不同に実行される。すなわち、原材料の混連中、第4の工程として、シリコーンポリマーが架橋して硬化し、シリコーンゴムが形成される。また、第5の工程として、シリコーンゴムの分子間に流動パラフィンが分散する。これにより、混練中の粒体間の適度な界面活性が維持される。第6の工程において、粒体の表面に、シリコーンゴムと流動パラフィンとの混合物からなるバインダによるコーティング膜が形成される。流動パラフィンが、シリコーンゴムの硬化速度を遅らせて、バインダが粒体をコーティングするのに十分な混練時間が確保される。同時に、第7の工程として、バインダが、粒体間に適度の空間を残して充填され、部分的に多数の粒体が比較的密に集合して、互いに粘着した塊が形成される。加熱温度と混練時間の調整により、粒体間の所望の粘着性が得られたら、混練を終了し、室温に自然冷却して所望の粒体組成物が完成する。
天然の砂は、一般に二酸化ケイ素を50%以上含有する。粒体の原材料として、二酸化ケイ素を50%以上含有しないものを使用する場合、当該粒体の表面にケイ素酸化物を含むコーティング層を形成する表面改質を行い、シリコーンエラストマーとの親和性を改善する必要がある。粒体の平均粒子径は、0.05〜0.6mmであることが遊具としての取扱上好適である。
本発明の実施例を説明する。2液付加反応硬化型シリコーンエラストマーとして、Wacker-Chemie GmbH製のWACKER(登録商標)612を用いる。WACKER612のA液・B液4.5g、流動パラフィン0.39gを混合撹拌して混合液を生成する。この混合液と天然砂100gからなる原材料をミキサに投入し、室温から85℃まで加熱しながら、目視により所望の粘度が得られるまで混練した。得られた粒体組成物のサンプルを、50mlのメスシリンダに50g入れ、738gの荷重で2分間圧縮したときの圧縮嵩密度は、0.65〜0.70g/?であった。このメスシリンダから取り出した円柱状成型体を放置し、崩壊現象が起こるまでの時間を測定したところ15分以上であり、15分経過後、加圧すれば崩壊して元の流動性を取り戻した。粒体組成物は、良好な相互粘着性と、形状保持性を有するが、接触する他の部材との粘着性はほとんどないことが確認できた。この特性であれば、遊具としての使用に好適である。
砂100g、WACKER612のA液・B液2.76g〜6.90g、流動パラフィン0.24g〜0.60gの混合割合の範囲で、種々上記同様の方法で粒体組成物の生成を試みた結果、得られたいずれの粒体組成物も、上記実施例と同等の良好な使用感が得られた。WACKER612以外の2液付加反応硬化型シリコーンエラストマーを用いても、同様の結果が得られた。
砂100gに対しWACKER612のA液・B液、流動パラフィンの混合割合を種々変え、常温〜90℃まで同時間混練して粒体組成物の生成を試みた結果を下表に示す。圧縮嵩密度は、50mlのメスシリンダに50g入れ、738gの荷重で2分間圧縮して形成された圧縮成形体により測定した。
砂100gに対しWACKER612のA液・B液、流動パラフィンの混合割合を種々変え、常温〜90℃まで同時間混練して粒体組成物の生成を試みた結果を下表に示す。圧縮嵩密度は、50mlのメスシリンダに50g入れ、738gの荷重で2分間圧縮して形成された圧縮成形体により測定した。
1 粒体
2 バインダ
3 空間
2 バインダ
3 空間
Claims (6)
- 表面にケイ素酸化物を有する粒体と、シリコーンゴムとこのシリコーンゴムと混合して粘着性を有するバインダを形成する流動パラフィンとを含み、前記粒体が前記バインダによりコーティングされると共に、粒体間に適度の空間を残してバインダが充填され、前記粒体の含有率が93.00〜97.00重量%であり、保形性−流動性の加圧可逆性を有することを特徴とする粒体組成物。
- 50mlメスシリンダに50gのサンプルを入れ、738gの荷重で2分間圧縮し、メスシリンダから取り出した円柱状成型体を放置し、崩壊現象が起こるまでの時間が15分以上であることを特徴とする請求項1に記載の粒体組成物。
- 前記粒体が、二酸化ケイ素を50%以上含有する天然の砂であることを特徴とする請求項1に記載の粒体組成物。
- 前記粒体の表面が、前記バインダのコーティング層の下において、ケイ素酸化物を有する表面改質剤でコーティングされていることを特徴とする請求項1に記載の粒体組成物。
- 前記粒体の平均粒子径は、0.05〜0.6mmであることを特徴とする請求項1に記載の粒体組成物。
- 2液付加反応硬化型シリコーンエラストマーの主剤と硬化剤の2液と、前記流動パラフィンとを混合撹拌して混合液を生成する第1の工程と、
前記混合液と前記粒体と含む原材料をミキサに投入する第2の工程と、
ミキサに投入された前記原材料を、40℃〜90℃の範囲で加熱しながら、粒体間の所望の粘着性が得られるまで、所定時間混練する第3の工程と、を含み、
前記第3の工程において、シリコーンポリマーを架橋させてシリコーンゴムを生成する第4の工程と、前記流動パラフィンを前記シリコーンゴムの分子間に均一に分散させて粘着性を有するバインダを形成する第5の工程と、前記バインダを前記粒体の表面にコーティングする第6の工程と、前記粒体の間に適度の空間を残して前記バインダを充填する第7の工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の粒体組成物の製造方法。
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