JP5997449B2 - 眼鏡レンズの製造方法、およびレンズ保持具 - Google Patents
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Description
まず、浸漬染色方式の場合は、レンズ保持具で保持した眼鏡レンズを染色液に浸漬させたときに、眼鏡レンズが両面同時に染色される。このため、片面染色に対応できないという問題がある。また、昇華染色方式の場合は、片面染色が実現されるものの、多種の専用装置が必要となり、工程も煩雑になる。
眼鏡レンズを処理液に浸漬させて表面処理する表面処理工程を有する眼鏡レンズの製造方法であって、
前記表面処理工程においては、前記眼鏡レンズが有する2つの光学面のうち、第1の光学面を前記処理液に浸漬させ、かつ第2の光学面を前記処理液に浸漬させない状態にして、前記眼鏡レンズの表面処理を行う
ことを特徴とする眼鏡レンズの製造方法である。
前記眼鏡レンズをレンズ保持具で保持することにより、前記眼鏡レンズの第2の光学面を密閉空間に面する状態に保持する
ことを特徴とする上記第1の態様に記載の眼鏡レンズの製造方法である。
前記処理液を常温よりも高い温度に維持し、
前記レンズ保持具で保持した前記眼鏡レンズを前記処理液に浸漬させたときに、前記密閉空間の空気の熱膨張を利用して、前記レンズ保持具と前記眼鏡レンズの接触部分の密着力を高める
ことを特徴とする上記第2の態様に記載の眼鏡レンズの製造方法である。
前記密閉空間の空気の浮力を利用して、前記眼鏡レンズを前記処理液の液面に浮いた状態に維持する
ことを特徴とする上記第2または第3の態様に記載の眼鏡レンズの製造方法である。
眼鏡レンズを処理液に浸漬させて表面処理する表面処理工程で用いられるレンズ保持具であって、
前記眼鏡レンズの外径に対応して開口した開口部と当該開口部に通じる中空部とを有するとともに、少なくとも前記眼鏡レンズが装着される部分を弾性材料で構成し、前記開口部を塞ぐように前記眼鏡レンズを装着したときに前記中空部に密閉空間が形成されるレンズ保持部材を備える
ことを特徴とするレンズ保持具である。
本発明の実施の形態においては、眼鏡レンズの製造工程に含まれる表面処理工程として、眼鏡レンズの染色処理を例に挙げて説明する。ここで記述する表面処理工程とは、眼鏡レンズを処理液に浸漬させて表面処理する工程をいう。また、本発明の実施の形態においては、プラスチック製の眼鏡レンズを表面処理の対象物として想定する。ただし、表面処理の対象物はこれに限らず、ガラス製の眼鏡レンズであってもよい。
1.眼鏡レンズの構成
2.第1の実施の形態(レンズ保持具の構成、眼鏡レンズの装着、染色処理工程、効果、応用例)
3.第2の実施の形態(レンズ保持具の構成、眼鏡レンズの装着、染色処理工程、効果)
4.第3の実施の形態(レンズ保持具の構成、眼鏡レンズの装着、効果)
5.第4の実施の形態(レンズ保持具の構成、染色処理工程、効果)
6.第5の実施の形態(レンズ保持具の構成、染色処理工程、効果)
7.変形例等
図1は本発明で取り扱う眼鏡レンズの構成を示す図であり、図中(A)は正面図、(B)は側断面図をそれぞれ示している。
図示した眼鏡レンズ1は、たとえば、プラスチック成型によって得られるレンズ基材(フィニッシュレンズやセミフィニッシュレンズ)である。眼鏡レンズ1は、玉型加工前のレンズである。フィニッシュレンズとは、プラスチック成型においてレンズの両面が所定の光学面に仕上げられたレンズをいう。また、セミフィニッシュレンズとは、一方の光学面が仕上げ済みで、他方の光学面が仕上げ前の半完成品のレンズをいう。
(2−1.レンズ保持具の構成)
図2は本発明の第1の実施の形態に係るレンズ保持具の構成を示す断面図である。
レンズ保持具は、全体にカップ型に形成されたレンズ保持部材10を用いて構成されている。レンズ保持部材10は、胴部11と頭部12とを一体に有している。また、レンズ保持部材10は、頭部12と反対側に開口部13を有している。レンズ保持部材10の内部には、中空部14が形成されている。レンズ保持部材10は、ゴム状弾性を有する弾性材料を用いて構成されている。レンズ保持部材10を構成する弾性材料としては、たとえば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴムなどを用いることができる。
次に、上記構成からなるレンズ保持具に眼鏡レンズ1を装着する場合の手順について説明する。
まず、胴部11の開口部13を外側(開口径が大きくなる方向)に開くように変形させる。レンズ保持部材10は、ゴム状弾性を有しているため、たとえば、開口部13の端を指先や器具等で掴んで外側に引っ張る力を加えることにより、開口部13を拡開するように変形させる。
次に、レンズ保持具を用いた眼鏡レンズ1の染色処理工程について説明する。
まず、上記の手順でレンズ保持部材10に眼鏡レンズ1を装着した後、図4に示すように、眼鏡レンズ1を染色液21に浸漬させる。このとき、眼鏡レンズ1が有する2つの光学面2,3のうち、一方の光学面2を染色液21に浸漬させ、かつ他方の光学面3を染色液21に浸漬させない状態に、眼鏡レンズ1を保持する。これにより、眼鏡レンズ1の光学面3が染色されずに光学面2だけが染色される。
以上の染色処理工程により、眼鏡レンズ1が片面染色される。
本発明の第1の実施の形態によれば、以下のような効果が得られる。
すなわち、眼鏡レンズ1を染色処理するにあたって、一方の光学面2を染色液21に浸漬させ、かつ他方の光学面3を染色液21に浸漬させない状態に、眼鏡レンズ1を保持することにより、眼鏡レンズ1の片面染色を、昇華染色方式よりも簡便な浸漬染色方式によって実現することができる。
密閉空間19の過剰な圧力上昇を抑制する手段としては、たとえば図5に示すように、頭部12につながる胴部11の一部に他の部分よりも変形しやすい変形容易部20を形成することにより、胴部11の変形(密閉空間19の容積変化)を容易化したものであってもよい。変形容易部20は、胴部11の一部に、肉厚を薄くした部分と厚くした部分を交互に形成した構造になっている。
(3−1.レンズ保持具の構成)
図7(A),(B)は本発明の第2の実施の形態に係るレンズ保持具の構成を示す概略図である。
図7(A)に示す固定用部材22と同図(B)に示すレンズ保持部材10は、第2の実施の形態に係るレンズ保持具を構成する部材である。レンズ保持部材10については、上記第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
次に、上記構成からなるレンズ保持具に眼鏡レンズ1を装着する場合の手順について説明する。
まず、上記第1の実施の形態と同様の手順で、レンズ保持部材10に眼鏡レンズ1を装着する。
次に、レンズ保持具を用いた眼鏡レンズ1の染色処理工程について説明する。
染色処理工程は、レンズ保持具の構成が異なる以外は、上記第1の実施の形態と同様に行われる。すなわち、上記の手順でレンズ保持具に眼鏡レンズ1を装着した後(図8)、眼鏡レンズ1を染色液21に浸漬させ、その後、予め決められた染色時間が経過した段階で、染色液21からレンズ保持具と一緒に眼鏡レンズ1を取り出す。
本発明の第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果に加えて、以下のような効果が得られる。
すなわち、レンズ保持部材10に固定用部材22を嵌合させることにより、図9(A),(B)に示すように、レンズ保持部材10の内周面15と眼鏡レンズ1のコバ面4とを、固定用部材22の締め付け力を利用して密着させることができる。このため、固定用部材22を具備しない構成に比べて、レンズ保持部材10の内周面15と眼鏡レンズ1のコバ面4との接触界面に染色液21が侵入しにくくなる。したがって、染色液21が眼鏡レンズ1の染色対象以外の部分に付着するのを抑制することができる。また、固定用部材22による締め付け力によって、レンズ保持部材10に対し眼鏡レンズ1を確実に固定することができる。このため、レンズ保持具に装着した眼鏡レンズ1がレンズ保持部材10から落下しないように落下抑止力を高めることができる。
(4−1.レンズ保持具の構成)
図10は本発明の第3の実施の形態に係るレンズ保持具の構成を示す概略図である。
図示したレンズ保持具は、上記第1の実施の形態と同様に、全体にカップ型に形成されたレンズ保持部材10を用いて構成されている。ただし、上記第1の実施の形態と比較すると、レンズ保持部材10の内周面15の一部にストッパー部25を設けた点が異なる。ストッパー部25は、内方にせり出すように段付き状に形成されている。ストッパー部25は、全周(360°)にわたって連続的に形成されていてもよいし、所定の角度ピッチで複数箇所(好ましくは3箇所以上)に分けて形成されていてもよい。これにより、胴部11の内周面15は、ストッパー部25の段差を形作る第1の内周面(テーパー面)15aと、それよりも開口部13寄りの第2の内周面(テーパー面)15bによって形成されている。
次に、上記構成からなるレンズ保持具に眼鏡レンズ1を装着する場合の手順について説明する。なお、上記第1の実施の形態と重複する内容はできるだけ省略する。
まず、胴部11の開口部13を外側に開くように変形させた後、その変形状態を維持しながら、中空部14内に眼鏡レンズ1を挿入する。このとき、図11に示すように、眼鏡レンズ1の光学面3の外周部をストッパー部25に突き当てるようにする。
本発明の第3の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果に加えて、以下のような効果が得られる。
すなわち、レンズ保持部材10の内周面15にストッパー部25を形成しているため、レンズ保持部材10に眼鏡レンズ1を装着する場合に、眼鏡レンズ1の位置および姿勢を安定させることができる。このため、レンズ保持部材10の中空部14の奥側に眼鏡レンズ1が入り込みすぎて、眼鏡レンズ1を保持する力が不足してしまう不都合を回避することができる。また、レンズ保持部材10に眼鏡レンズ1が傾いて保持された場合に起こり得る不都合、たとえば、レンズ保持部材10の内周面15と眼鏡レンズ1のコバ面4との密着性低下などの不都合を回避することができる。
(5−1.レンズ保持具の構成)
図12は本発明の第4の実施の形態に係るレンズ保持具の構成を示す概略図である。
本発明の第4の実施の形態に係るレンズ保持具においては、レンズ保持部材10の頂部(頭部12)に引っ掛け部26を設けた構成を採用している。引っ掛け部26は、側面視T字形に形成されている。また、引っ掛け部26は、レンズ保持部材10の中心軸J上に形成されている。引っ掛け部26は、レンズ保持部材10と一体に形成されたものでもよいし、後付けでレンズ保持部材10に設けられたものでもよい。また、引っ掛け部26の形状は、他の形状(たとえば、リング形状)でもよい。
次に、レンズ保持具を用いた眼鏡レンズ1の染色処理工程について説明する。
まず、上記第1の実施の形態または第3の実施の形態と同様の手順で、レンズ保持部材10に眼鏡レンズ1を装着する。次に、補助器具27の支持部29の両端部に、それぞれレンズ保持部材10の引っ掛け部26を係止させる。次に、補助器具27の取手部28を握って、補助器具27と一緒にレンズ保持部材10を持ち上げた後、図示しない処理槽の上方まで移送する。次に、補助器具27の取手部28を握りながら、処理槽に向けてレンズ保持部材10をゆっくりと下ろすことにより、図13に示すように、各々のレンズ保持部材10で保持する眼鏡レンズ1を染色液21に浸漬させる。これにより、眼鏡レンズ1は、上記同様に空気の浮力で染色液21の液面に浮いた状態となる。このため、浸漬中は補助器具27の取手部28から手を離してもかまわない。その後、予め決められた染色時間が経過したら、その段階で補助器具27の取手部28を握り、補助器具27と一緒にレンズ保持部材10をゆっくりと引き上げる。これにより、染色液21から眼鏡レンズ1が取り出される。
本発明の第4の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態または第2の実施の形態と同様の効果に加えて、以下のような効果が得られる。
すなわち、レンズ保持部材10に引っ掛け部26を設けているため、この引っ掛け部26を利用して染色処理に係る作業を簡便に行うことができる。たとえば、レンズ保持部材10に保持した眼鏡レンズ1を染色液21に浸漬させる場合やそこから取り出す場合に、レンズ保持部材10の引っ掛け部26に補助器具27を係止して、補助器具27と一緒にレンズ保持部材10を移送することが可能となる。このため、染色液21に眼鏡レンズ1を浸漬させる作業や、染色液21から眼鏡レンズ1を取り出す作業を容易に行うことができる。
(6−1.レンズ保持具の構成)
図14は本発明の第5の実施の形態に係るレンズ保持具の構成を示す概略図である。
本発明の第5の実施の形態に係るレンズ保持具においては、上記第4の実施の形態と比較して、補助器具27を用いたレンズ保持部材10の支持方式が異なる。すなわち、上記第4の実施の形態においては、レンズ保持部材10で保持した眼鏡レンズ1が横向きになるように(光学面2,3が鉛直方向を向くように)、レンズ保持部材10を補助器具27で支持する方式を採用している。これに対して、第5の実施の形態においては、レンズ保持部材10で保持した眼鏡レンズ1が縦向きになるように(光学面2,3が水平方向を向くように)、レンズ保持部材10を補助器具27で支持する方式を採用している。具体的には、補助器具27の取手部28の下端に支持部29を設けるとともに、この支持部29を円弧状に湾曲させた構成を採用している。また、レンズ保持部材10の外周部に固定用部材22を嵌合させ、この固定用部材22に補助器具27の支持部29を係着する構成を採用している。係着構造としては、たとえば、支持部29の端部に図示しない爪を設け、この爪を固定用部材22の操作部24に引っ掛けて留める構造を採用することが可能である。この場合は、レンズ保持部材10に引っ掛け部26(図12を参照)を設ける必要はない。
次に、レンズ保持具を用いた眼鏡レンズ1の染色処理工程について説明する。
まず、前述した第2の実施の形態と同様の手順で、レンズ保持部材10に眼鏡レンズ1を装着した後、レンズ保持部材10の外側に固定用部材22を嵌合させる。次に、補助器具27の支持部29をレンズ保持部材10の外周に沿わせて、支持部29の端部を固定用部材22に係着させる。
本発明の第5の実施の形態によれば、上記第4の実施の形態と同様の効果に加えて、以下のような効果が得られる。
すなわち、染色処理に際して、染色液21の液中に眼鏡レンズ1を縦向きに沈めて浸漬させるため、レンズ保持部材10に対して眼鏡レンズ1をいずれの向きで装着した場合でも、眼鏡レンズ1の光学面2,3に気泡溜まりが発生しなくなる。このため、気泡溜まりによる染色ムラの発生を回避することができる。また、眼鏡レンズ1を縦向きに保持することにより、片方の光学面をグラジ染色することが可能となる。グラジ染色とは、眼鏡レンズ1の上半分だけを染色し、下半分は無染色としたり、上下で染色の濃度を変えたりする染色方法をいう。
本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
眼鏡レンズを処理液に浸漬させて表面処理する表面処理工程を有する眼鏡レンズの製造方法であって、
前記表面処理工程においては、前記眼鏡レンズが有する2つの光学面のうち、第1の光学面を前記処理液に浸漬させ、かつ第2の光学面を前記処理液に浸漬させない状態に保持して、前記眼鏡レンズの表面処理を行う
ことを特徴とする眼鏡レンズの製造方法。
前記眼鏡レンズをレンズ保持具で保持することにより、前記眼鏡レンズの第2の光学面を密閉空間に面する状態に保持する
ことを特徴とする付記1に記載の眼鏡レンズの製造方法。
前記処理液を常温よりも高い温度に維持し、
前記レンズ保持具で保持した前記眼鏡レンズを前記処理液に浸漬させた場合に、前記密閉空間の空気の熱膨張を利用して、前記レンズ保持具と前記眼鏡レンズの接触部分の密着力を高める
ことを特徴とする付記2に記載の眼鏡レンズの製造方法。
前記密閉空間の空気の浮力を利用して、前記眼鏡レンズを前記処理液の液面に浮いた状態に維持する
ことを特徴とする付記2または3に記載の眼鏡レンズの製造方法。
前記眼鏡レンズの第2の光学面を前記密閉空間に面する状態に保持しつつ、前記レンズ保持具とともに前記眼鏡レンズを前記処理液の液中に沈める
ことを特徴とする付記2または3に記載の眼鏡レンズの製造方法。
前記処理液の液中において、前記眼鏡レンズを縦向きまたは水平面に対して傾いた状態に保持する
ことを特徴とする付記5に記載の眼鏡レンズの製造方法。
前記表面処理が眼鏡レンズの染色処理である
ことを特徴とする付記1〜6のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造方法。
前記表面処理が眼鏡レンズのハードコート処理である
ことを特徴とする付記1〜6のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造方法。
前記表面処理が眼鏡レンズの撥水処理コートである
ことを特徴とする付記1〜6のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造方法。
眼鏡レンズを処理液に浸漬させて表面処理する表面処理工程で用いられるレンズ保持具であって、
前記表面処理工程において、前記眼鏡レンズが有する2つの光学面のうち、第1の光学面を前記処理液に浸漬させ、かつ第2の光学面を前記処理液に浸漬させない状態に保持するレンズ保持部材を備える
ことを特徴とするレンズ保持具。
前記レンズ保持部材は、前記眼鏡レンズの外径に対応して開口した開口部と当該開口部に通じる中空部とを有するとともに、少なくとも前記眼鏡レンズが装着される部分を弾性材料で構成し、前記開口部を塞ぐように前記眼鏡レンズを装着した場合に前記中空部に密閉空間が形成されるように構成されている
ことを特徴とする上記付記10に記載のレンズ保持具。
前記レンズ保持部材は、前記開口部および前記中空部を形成する円筒状の胴部を有するとともに、前記胴部の内周面の内径が前記開口部に向かって徐々に小さくなるように設定されている
ことを特徴とする付記10または11に記載のレンズ保持具。
前記胴部の肉厚寸法が前記開口部に向かって徐々に大きくなるように設定されている
ことを特徴とする付記10、11または12に記載のレンズ保持具。
前記レンズ保持部材に嵌合されて前記レンズ保持部材の外側から締め付け力を付与することにより、前記中空部内に前記眼鏡レンズを固定する固定用部材をさらに備える
ことを特徴とする付記10〜13のいずれかに記載のレンズ保持具。
前記レンズ保持部材の内周面の一部に、前記眼鏡レンズの外周部を突き当て可能なストッパー部が形成されている
ことを特徴とする付記10〜14のいずれかに記載のレンズ保持具。
前記レンズ保持部材は、前記表面処理に係る作業を補助する補助器具を係止可能な引っ掛け部を有する
ことを特徴とする付記10〜15のいずれかに記載のレンズ保持具。
10…レンズ保持部材
11…胴部
12…頭部
13…開口部
14…中空部
19…密閉空間
21…染色液
22…固定用部材
27…補助器具
Claims (5)
- 眼鏡レンズを染色液に浸漬させて染色処理する染色処理工程を有する眼鏡レンズの製造方法であって、
前記染色処理工程においては、前記眼鏡レンズが有する2つの光学面のうち、第1の光学面を前記染色液に浸漬させ、かつ第2の光学面を前記染色液に浸漬させない状態にして、前記眼鏡レンズの染色処理を行う
ことを特徴とする眼鏡レンズの製造方法。 - 前記眼鏡レンズをレンズ保持具で保持することにより、前記眼鏡レンズの第2の光学面を密閉空間に面する状態に保持する
ことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡レンズの製造方法。 - 前記染色液を常温よりも高い温度に維持し、
前記レンズ保持具で保持した前記眼鏡レンズを前記染色液に浸漬させた場合に、前記密閉空間の空気の熱膨張を利用して、前記レンズ保持具と前記眼鏡レンズの接触部分の密着力を高める
ことを特徴とする請求項2に記載の眼鏡レンズの製造方法。 - 前記密閉空間の空気が前記レンズ保持具に及ぼす浮力を利用して、前記眼鏡レンズを前記染色液の液面に浮いた状態に維持する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の眼鏡レンズの製造方法。 - 眼鏡レンズを染色液に浸漬させて染色処理する染色処理工程で用いられるレンズ保持具であって、
前記染色処理工程において、前記眼鏡レンズが有する2つの光学面のうち、第1の光学面を前記染色液に浸漬させ、かつ第2の光学面を前記染色液に浸漬させない状態に保持するレンズ保持部材を備える
ことを特徴とするレンズ保持具。
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