JP5994202B2 - システムキッチン装置 - Google Patents

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本発明は、キッチン使用者の年齢、体格、障害の有無、キッチン使用に際して車椅子(単なる椅子を含む)の必要性の有無等に応じて、キッチン天板等の高さ位置等を調節可能にしてなるシステムキッチン装置に関する。
人は、真に偶発的な事故によって後天的に障害を負うことがある。また、生物進化のメカニズムとしての有性生殖機能は、時として配偶子細胞産生時点での遺伝子の分配に失敗し人に重篤な先天的な障害をもたらすことがある。また、いかなる人も加齢による体力の衰えを最終的に阻止することはできない。このような回避することができない困難に対し、本人にどのような責任を追及し得るであろうか。本人に帰責できないとすれば、誰がどのように対処すべきであろうか。
本願の主たる発明者は、福祉先進国として名高い北欧フィンランド国人である。彼のお国では、上記のような問題は、社会の負担に属すると結論される。この結論には、個人主義、自由主義、自己責任を基調として発展してきた現代社会といえども、概ね賛同の意を示すと思われる。しかし、障害者等に健常者と同等の健康で文化的な生活を現実的に保障するためには、言うまでもなく人的な、経済的な、そして物的な社会原資を必要とする。
本願の発明者は、既に本国において、物的な側面から障害者等を支援することができる社会環境の整備に寄与することを目的とし、特に、調理をすることの意義と、調理をすることによって日常生活の充実感と、停滞しがちな高齡者等の精神状態の高揚効果がもたらされることに着目し、例えば、車椅子を必要とするような障害者や高齢者であっても、健常者と同等に便利に活用することができるキッチン設備を開発し、提供してきた(下記、特許文献1参照)。
上記キッチン設備は、基本的には、キッチン使用者個々の身体的特性が異なることに応じてキッチン天板等の高さ位置等を最適化させるための幾種類かのアジャスタブルな構成を含んでいることを特徴とし、長年の運用実績を有する。この間、ユーザからの意見に基づいて小改良を積み重ねてきた。しかし、上記キッチン設備の開発から長年を経て技術革新の著しい今日に至り、小改良では修正することができない基本的構成部分について、抜本的な見直しの必要性が発明者自身において痛感されるに至った。
また、形式的な人権思想が実質的人権思想へと修正されつつある今日においては、高齢者や障害者等を健常者の枠外において保護支援するという考え方から、健常者の枠内で疎外感を与えることなく保護、支援することが弱者保護の本質的精神に合致するものであるという考え方に変化してきた。いわゆる、あらゆる生活部面におけるバリアフリー社会の実現を目指す方向性である。このような社会情勢の変化は、大なり小なり先進国に共通する動きであり、事実、我が国においても、公的機関、施設は言うに及ばず、一般住宅においても玄関先に車椅子用のスロープを設置する建築例が増加している。また、屋外生活場面のみならず、日常的な屋内生活場面に関しても、車椅子対応のキッチン設備の提案例も見受けられる状況となっている(下記、特許文献2,3,4参照)。
このような社会情勢の変化を見据え、上記基本発明(下記、特許文献1参照)の発明者は、基本発明に抜本的改良を加え、今後、世界的に広く普及させることを希望している。しかし、アジャスタブルな構成によってキッチン使用者の身体的特性に応じた最適な作業ポジションを提供しようとするキッチン設備に関しては、世界的な意味での業界標準と言った典型的な構成モデルが存在していない。そこで、発明者は、様々な産業機器分野において、高性能と低故障率で定評のある機器を世界に提供している日本の工作機械メーカと技術提携することによって、どのような国のどのような環境でどのような人がどのように使用しても、故障なく長期間安全に使用することができることにより、可動的なキッチン設備の業界スタンダードとなり得る構成の開発を企図した。ただし、調理スタイルには、お国柄があることから、お国柄に基づく特有の要望には対応可能であることが必要である。
ここで、上記のような本発明の開発意図に基づき、少なくとも車椅子使用者に適合できることを条件として調査した関連すると思われる先行技術に対しての本願発明者らの見解と、発明者自身が取得している基本発明について記述する。
WO0054628A1号公報 特開平11−032840号公報 特開平11−056492号公報 特開2007−185448号公報
上記特許文献2に示される発明は、壁面から左右一対の支持板を突設し、この支持板間にキッチン天板を横設したものである。キッチン天板の下方の空間は、何の障害物もなく周囲の空間に連続している。つまり、キッチン天板の下方には何もない。このようなキッチン設備における考え方は、床からの構造物によってキッチン天板を支持しようとするから車椅子の障害となるのであり、それならば、キッチン天板を壁面によって片持ち状態で支持し、床置きの構造物を廃止すればよいではないかという非常に明快な考え方によるものと推測される。このような構成は、車椅子の使用に確かに有利ではあろうが、キッチン設備としては多分に不十分であると考えられる。また、キッチン天板は、左右の支持板に固定されており、したがって、キッチン天板の高さ位置が、車椅子使用者に対して適切な高さに設定されているとすれば、健常者に対しては、不適切となるであろうことが懸念される。
特許文献3に示される発明は、キッチン天板の下方に配置されたキャビネットの横引き扉を開いて、車椅子のフットレスト部分の進入を許容する構造としたものである。車椅子使用者は、起立姿勢の健常者と異なり着座姿勢である。したがって、車椅子使用者がキッチン設備を利用する際には、下半身の相当部分をキッチン天板の下方に進入させる必要がある。この発明は、この要請に対して、キャビネットの内部スペースの一部を車椅子使用者のために提供するものと理解される。このキッチン設備においては、車椅子使用者の位置が限定的であることよる多くの不便が付きまとうであろうし、車椅子の前方部分が限定的な大きさのキャビネットの開口部によって拘束されるため、車椅子使用者が側方に移動するには、一旦大きく後退しキャビネットから脱出して方向転換する必要がある。また、これは主観的問題かもしれないが、車椅子使用者が両脚を通常は食器等が収納されるべきキャビネットに入れている姿には、何らかの違和感が伴うのではないだろうか。また、車椅子使用者と健常者とでは、最適なキッチン天板の高さ位置が異なるという現実に対応できないという問題に関しては、上記のキッチン設備と同様である。
特許文献4に示される発明は、キッチン天板と、キッチン天板を左右位置で支持する側板とを全体として門型にデザインし、車椅子使用者がキッチン天板の下方スペース全体を利用することができるようにしたものである。したがって、床置き型のキャビネットは有しないが、キッチン天板に埋め込むように設置されるシンク及び調理熱源部分を除くキッチン天板の裏面側には、前方へのせり出し機構を付設したパンタグラフ機構によって上下動自在に支持された一段のみの収納棚が設けられている。この収納棚は、車椅子使用者の操作によって、下降しながら車椅子の左右いずれかの側方にせり出してくるようにされているようである。このキッチン設備は、外観的にもシンプルであって、収納棚の支持機構も巧妙であると評価することができる。しかし、一般家庭で使用されるキッチン設備のキッチン天板のサイズから逆算的に推測する限り、設置可能な収納棚は、1個または2個であろうと思われる。この結果、現実のキッチン使用時における車椅子使用者は、別途に設置を余儀なくされるであろう台所用品収納庫等とキッチン天板との間を往来することを余儀なくされるであろうと思われる。また、車椅子使用者と健常者とでは、最適なキッチン天板の高さ位置が異なることに対応できないという問題に関しては、上記のキッチン設備と同様である。
なお、上記提案例に係る従来のキッチン設備おいては、いずれも、キッチン天板の上方に通常設置されるところのいわゆる吊戸棚に関しては、何らの言及がなく、車椅子使用者が吊戸棚を利用することに関しては、無関心のようである。
次に、本願の発明者自身の先行発明(特許文献1)に係るキッチン設備ついて説明する。このキッチン設備は、従来、位置固定的であったキッチン設備にアジャスタブル(可動的)な構成を導入する手段により、キッチン使用者の年齢、体格、障害の有無、キッチン使用に際して車椅子の必要性の有無等のキッチン使用者の個々的な身体特性に応じた最適な作業ポジションを確保することができるキッチン設備を提供することを目的としたものである。
この目的のために可動的とされたキッチン設備の構成部分は、キッチン天板(上下動および水平動)、キッチン天板の下方に配置される下部収納棚群(上下動および水平動)、および上部収納棚群(上下動)である。なお、上部収納棚群の一部は、外箱と内側トレーとの2重箱構造とされ、必要に応じて内側トレーのみを手前に引き出すことができるようにされている。
可動的とされた上記キッチン設備におけるキッチン天板、下部収納棚群、および上部収納棚群は、全て、床面に固定的に設置される固定フレームに対して、手動または電動の昇降機構を介して上下動操作可能に組み付けられる可動フレームに搭載される。この結果、上下動に関しては、常に三者相互に伴って無段階で上下動する構造である。このうち、キッチン天板と下部収納棚群は、手動の水平動機構を介して可動フレームに搭載されている。そして、このような構成により、車椅子が必要なキッチン使用者は、キッチン天板を好みの高さ位置に下降動作させた後、キッチン天板を自らの方に前進させるとともに、下部収納棚群を奥方向に後退させることにより、上部収納棚群を手の届く高さに下降させるとともに、着座姿勢において必要とされる足元スペースを確保することができる。
本願の発明者による上記従来のキッチン設備に関しては、その運用の過程においてユーザから、およびわが国の開発協力者から次のような問題点が指摘された。そして、指摘された問題点を上記先行技術により示される技術水準を超えるレベルにおいて解決することが本発明の課題であり、課題を解決したキッチン設備を提供することが本発明の目的である。
従来のキッチン設備に対しては、例えば、車椅子使用者がキッチン天板を車椅子使用者に適する高さ位置に下降させた上、健常者のアシストを受けながら調理を行う、あるいは、車椅子使用者である高齢者が伝統的調理の方法を健常者に伝授しながら調理を行うという実際によくあり得る場面において、キッチン天板と上部収納棚群との間隔が接近し過ぎていることにより、上部収納棚群が健常者の顔面直前に位置することとなり、車椅子使用者をアシストするために屈み込む姿勢を取る際において、圧迫感ないし接触の危惧感を伴うという指摘がある。また、健常者がこのような姿勢をとることにより、健常者の上体が上部収納棚群の天面位置に配置されたキッチン専用照明を遮ってしまうという指摘がある。このような指摘は、健常者に不利不便を強いながら障害者等の便宜を図るものに過ぎないとの指摘でもある。
問題とされる従来のキッチン設備におけるキッチン天板と上部収納棚群との上下間隔は、キッチン天板を車椅子使用者に適する高さ位置に下降させた場合において、上部収納棚群が車椅子使用者の手の届く範囲に位置するようにしたいという発明者の願望によって設定されたものである。また、このことから、一般的には上部収納棚群の底面に配置されるキッチン専用照明が、上部収納棚群の天面高さ位置の前方に配置されている。これは、上部収納棚群を下降させた際にキッチン専用照明がキッチン使用者の顔面直前位置にくるのを避けるためである。上記指摘は、発明者の親切心の消極面が評価されたものと言えるが、現実的な指摘でもあり、本願の解決課題とされる。
また、我が国の開発協力者からは、従来のキッチン設備におけるキッチン天板と上部収納棚群との狭い上下間隔では、我が国において今日的一般住宅におけるキッチンスタイルの主流となりつつあるである対面式キッチン配置に適合することができないとの指摘がなされている。対面式キッチンは、キッチン設備全体を大部屋における間仕切り的な配置とするとともに、キッチン天板と上部収納棚群との間にできるだけ大きな開口を部を設定し、調理をする者と食事をする者とが対話しながら一家団欒の場を共有することができるように配慮したキッチンスタイルであり、一家が囲炉裏を囲んで座するというわが国古来の食事スタイルを幾分でも取り入れたいとの願望に基づくスタイルであると思われる。したがって、このようなお国柄的要望に適合することができるようにすることも本願の解決課題とされる。
従来のキッチン設備では、キッチン天板と下部収納棚群との双方を反対方向に水平動させることによって、一定の奥行きのキッチン天板下に車椅子使用者のための最大限の足元スペースを確保するようにされている。しかし、発明者によるこのような工夫に対しては、特に、高齢者において、キッチン天板の前後動作と下部収納棚群の前後動作の組合せの判断に戸惑うという問題が指摘されている。キッチン天板を最大限に手前に移動させ、下部収納棚群を最大限に後退させれば最も大きな足元スペースが形成されることは自明ではないか、というのは健常者の主張であって、高齡者には異なる主張があることを理解すべきであろう。したがって、この点も本願の解決課題とされる。
上記課題を解決し本願の目的を達成するために、本発明は次のような解決手段を採用している。
(解決手段1)
本発明のシステムキッチン装置は、少なくとも調理熱源とシンクとを組み込んだキッチン天板と、該キッチン天板の下位置に配置される下部収納棚群と、前記キッチン天板の上方に配置される上部収納棚群と、前記キッチン天板と下部収納棚群と上部収納棚群とを所定の配置で支持するフレームアセンブリとを備えてなり、
前記フレームアセンブリは、それぞれ小間隙を保って並設される2本の角パイプ部材からなる左右一対の複合支柱を備え、床面に設置する固定フレームと、該固定フレームの前記複合支柱に対して左右一対の下部昇降機構を介して上下動操作自在に組み付ける下部可動フレームと、前記固定フレームの前記複合支柱に対して左右一対の上部昇降機構を介して上下動操作自在に組み付ける上部可動フレームとを含んで構成され、
前記キッチン天板および下部収納棚群は、前記下部可動フレームに搭載されるとともに、前記上部収納棚群は、前記上部可動フレームに搭載され、
前記キッチン天板および下部収納棚群は、前記下部昇降機構に対するキッチン使用者の指示操作によって、前記上部収納棚群は、前記上部昇降機構に対するキッチン使用者の指示操作によって独立して上下動させることができる構成であって、
前記左右一対の下部昇降機構と前記左右一対の上部昇降機構とが、前記左右一対の複合支柱の対応する複合支柱の前記2本の角パイプ部材の小間隙に上下方向に直列配置で組み込まれていることを特徴とする。
上記解決手段1に示すシステムキッチン装置は、キッチン使用者の多様な身体状況に応じて最適なキッチンポジションを提供することができると主張する本発明の主張根拠としての基本的構成を示している。
システムキッチン装置の主要構成部材は、キッチン天板と下部収納棚群と上部収納棚群と、これらを所定の配置で支持するフレームアセンブリとの4部材である。
キッチン天板は、キッチン使用者に作業テーブル提供することを目的とする部材であり、キッチン天板には、調理熱源とシンクが組み込まれているのが通常である。下部収納棚群は、キッチン天板の下位置に配置される複数個の収納棚のセットであり、通常、比較的使用頻度の高い調理用品が収納される。また、上部収納棚群は、キッチン天板の上方に配置される複数の収納棚のセットであり、吊り戸棚とも称される。ここには、比較的使用頻度の低い調理用品が収納されることが多い。
フレームアセンブリは、他の構成部材を所定の三次元位置に支持する部材であり、全体が箱構造である一般的なキッチン設備には見られない本発明に特有の構成部材であると言える。このフレームアセンブリは、適宜に使い分けるアルミニウム合金製の型材、各種の断面形状の中空鋼材を素材とし、建物で言えば柱に相当するポール部材と、梁に相当するビーム部材との組合せからなる骨組みフレームである。また、動作上の観点から見れば、このフレームアセンブリは、床面に固定的に設置される固定フレームと、固定フレームに対して可動的に組み合わされる下部可動フレームと、上部可動フレームとの組合せでもある。この際、固定フレームと下部可動フレームとの間には、下部昇降機構が介装され、固定フレームと上部可動フレームとの間には、上部昇降機構が介装される。そして、キッチン天板と下部収納棚群とは、下部可動フレームに搭載され、上部収納棚群は上部可動フレームに搭載される。
フレームアセンブリにおける可動部分が下部可動フレームと上部可動フレームとに分離されている上記構成は、キッチン使用者に以下のような有意な動作を提供することができる。
例えば、車椅子を使用するキッチン使用者がキッチン天板を下降させたいと希望する場合には、下部昇降機構に対する指示操作、例えば、下向きの矢印を表示した大きな押しボタンを押すことによって希望が実現される。この際、本願発明者による従来のキッチン設備におけるように、希望していない上部収納棚群がキッチン天板に連動して下降することがないので、上部収納棚群とキッチン天板との間に、例えば、対面式キッチンスタイルにも適合可能な大きさに設定された大きな開口部をそのまま維持することができる。また、キッチン専用照明を理想的な位置であるキッチン使用者の斜め上前方、つまり、上部収納棚群の底面に設置することができる。これは、キッチン専用照明がキッチン使用者の顔前に下降してくることがないからである。なお、キッチン使用者が、上部収納棚群に収納された使用頻度の低いキッチン用品を必要とする場合には、上部昇降機構に対する指示操作によって一時的に上部収納棚群を下降させることができる。
(解決手段2)
本発明のシステムキッチン装置は、少なくとも調理熱源とシンクとを組み込んだキッチン天板と、キッチン天板の下位置に配置される下部収納棚群と、キッチン天板の上方に配置される上部収納棚群と、キッチン天板と下部収納棚群と上部収納棚群とを所定の配置で支持するフレームアセンブリとを備えてなり、このフレームアセンブリは、床面に設置する固定フレームと、固定フレームに対して下部昇降機構を介して上下動操作自在に組み付ける下部可動フレームと、下部可動フレームに対してさらに上部昇降機構を介して上下動操作自在に組み付ける上部可動フレームとを含んで構成され、そして、キッチン天板および下部収納棚群は、下部可動フレームに搭載されるとともに、上部収納棚群は、上部可動フレームに搭載され、この結果、キッチン天板および下部収納棚群と上部収納棚群とは、下部昇降機構に対するキッチン使用者の指示操作によって互いに伴って、また、上部収納棚群は、上部昇降機構に対するキッチン使用者の指示操作によって独立して上下動させることができる構成であることを特徴とする。
上記解決手段2は、上記解決手段1に示すそれとは別に、キッチン使用者の多様な身体状況に応じて最適なキッチンポジションを提供することができると主張する本発明の主張根拠としての基本的構成を示している。
本発明のシステムキッチン装置と解決手段1に示すそれとでは、フレームアセンブリの構成が異なっている。すなわち、解決手段1に示すフレームアセンブリにおいては、固定フレームに対して、下部可動フレームと上部可動フレームとが個別に組み付けられているのに対して、本発明に採用されるフレームアセンブリでは、固定フレームに組み付けられた下部可動フレームに対してさらに上部可動フレームが組み付けられる構造である。
この結果、例えば、健常者が上部収納棚群に収納されている調理用品を必要とする際には、上部昇降機構に対する指示操作によって上部収納棚群のみを選択して上下動させることができるとともに、車椅子使用者がキッチン天板と上部収納棚群とを共に下降させたいと希望する場合には、下部可動フレームの電動昇降機構に対する指示操作のみによってこれを実現することができる。また、上部収納棚群の使用後は、上部収納棚群のみを上昇させることによって、キッチン天板と上部収納棚群との間に作業性の良好な大きな上下間隔、または圧迫感の内大きな開口部を確保することができる。
(解決手段3)
本発明のシステムキッチン装置は、解決手段1または解決手段2に記載の発明を基本発明とし、その下部収納棚群を構成する全部の収納棚または一部の収納棚は、下部水平送り機構を介して下部可動フレームに水平動操作自在に搭載され、下部水平送り機構に対するキッチン使用者の指示操作によって収納棚の前面パネルがキッチン天板の前縁にほぼ揃う前進位置と、収納棚の前面パネルがキッチン天板の前縁から後退した状態となる後退位置とを選択することができる構成であることを特徴とする。
上記解決手段3は、キッチン周辺の収納棚はいくらあっても足りないので、下部収納棚群を削減しないで欲しいというキッチン設備に対する一般的要望と、車椅子使用者の足元スペースを確保するための要望とをスマートに両立させることができる構成を示している。
キッチン天板下に車椅子使用者の足元スペースを確保する方法としては、従来技術に示されるように、キッチン天板下の一部に下部収納棚群を設けない方法があるが、これでは、キッチン設備に対する一般的要望を満たすことができない。そこで、本発明では、下部収納棚群を下部水平送り機構を介して下部可動フレームに水平動操作自在に搭載する手段を採用したものである。すなわち、下部収納棚群は、下部可動フレームの機能による上下動と、下部水平送り機構による水平動の組合せ動作をすることができる。これにより、単なる水平動のみや、上下動のみでは実現できない十分に大きな足元スペースを下部収納棚群の全領域にわたり、必要に応じて確保することができる。
(解決手段4)
本発明のシステムキッチン装置は、解決手段1ないし解決手段3のいずれかに記載の発明を基本発明とし、そのシステムキッチン装置における上部収納棚群を構成する全部の収納棚または一部の収納棚が、上部水平送り機構を介して上部可動フレームに水平動操作自在搭載され、上部水平送り機構に対するキッチン使用者の指示操作によって収納棚の前面パネルがキッチン使用者側に接近する前進位置と、不使用時の定位置である後退位置とを選択することができる構成であって、上部水平送り機構が、上部収納棚群を左右の側面側から水平動自在に支持する1対のスライドプレート機構と、上部収納棚群の背面側に配置され、駆動モータによって回転駆動する延長駆動軸に取り付けられた複数本のスイングレバーを備えるプッシュプル機構とからなり、このプッシュプル機構は、延長駆動軸を介して同期駆動される複数本のスイングレバー先端部の水平方向変位成分によって上部収納棚群を前進駆動または後退駆動することを特徴とする。
上記解決手段4は、キッチン天板の奥行き寸法を大きく設定することできる有利な構成を示している。すなわち、キッチン天板は、必要以上に大きなものとする必要はないのであるが、調理内容によっては、知らず知らずのうちにキッチン天板上が混雑してしまいという使用実態がある。また、下部収納棚群を後退させて車椅子使用者の足元スペースを確保する場合においても、キッチン天板の奥行き寸法が大きな方が大きな後退量を確保することができるという利点がある。しかし、キッチン天板の奥行き寸法を大きき設定すると、車椅子使用者が上部収納棚群を下降させても手が届かないという事態が生じる。そこで、本発明は、上部収納棚群を上部水平送り機構を介して水平動操作自在に上部可動フレームに搭載し、この問題を解決したのである。つまり、下降させた上部収納棚群に手が届きにくい場合には、上部水平送り機構を操作して必要な上部収納棚群を使用者側に前進させればよいのである。
本発明のシステムキッチン装置は、固定フレームと、この固定フレームに対して上部昇降機構、下部昇降機構を介して上下動操作自在に組み付ける上部可動フレームと下部可動フレームとからなるフレームアセンブリを備え、キッチン天板とその下位置に配置される下部収納棚群を下部可動フレームに搭載するとともに、キッチン天板の上方に配置される上部収納棚群を上部可動フレームに上下動操作自在に搭載する構成によりキッチン天板およびその下位置に配置される下部収納棚群と、上部収納棚群とを独立に上下動させるという従来のキッチン設備に見られない動作が可能になり、この結果、キッチン天板を着座姿勢の車椅子使用者に適する高さに下降させた上で、上部収納棚群を起立姿勢の健常者に支障のない高所に調節し、車椅子使用者または健常者が上部収納棚群を使用する際にのみ、上部収納棚群を任意の高さ位置に下降させるという使用の仕方ができるので、車椅子使用者に最適のキッチンポジションを提供する機能を減殺することなく、健常者に対しても上部収納棚群を高く配置し、キッチン専用照明を理想的な位置である上部収納棚群の底面位置に配置した開放的で作業性の良いキッチン環境を提供することができる。
また、キッチン天板の動作と上部収納棚群の動作を独立させた上記構成は、キッチン天板と上部収納棚群との上下間隔についての制約が不必要であるという一次的効果をもたらし、これにより、キッチン天板と上部収納棚群との間に対面式キッチン配置に適合させることができる大きな開口部を設定することができるという有意な二次的効果をもたらしている。
そして、上記有意な効果は、固定フレームに対して、下部可動フレームと上部可動フレームとを個別に組み付けたフレームアセンブリを採用する場合においても、固定フレームに組み付けた下部可動フレームに対してさらに上部可動フレームを組み付けたフレームアセンブリを採用する場合においても、ほぼ同等に享受することができる。
さらに、下部収納棚群を下部水平送り機構を介して下部可動フレームに搭載する構成を有するシステムキッチン装置においては、下部収納棚群を省くことなく、下部収納棚群を後退させる方法で車椅子使用者の足元スペースを確保することが可能であるとともに、さらに、上部水平送り機構を介して上部収納棚群をフレームアセンブリに搭載するシステムキッチン装置では、上部収納棚群を車椅子使用者の手の届く範囲とする条件を充足しながら、車椅子使用者の足元スペースの確保に有利な奥行きの大きなキッチン天板を採用することができるという、いわば、複数の動作が相乗的に機能した結果としての快適なキッチンポジションが下部昇降機構または上部昇降機構、上部水平送り機構または下部水平送り機構に対する簡単な指示操作によって提供される。
本発明のシステムキッチン装置によってもたらされる上記効果を総合的に要約すると、車椅子を必要とする障害者等が一人で使用する場合においても、健常者が一人で使用する場合においても、健常者と障害者とが共同で使用する場合においても、対面式キッチンとして設置する必要性に対しても、いずれかの要望を犠牲にすることなく、それぞれの使用形態に対応して最適な機能を選択することができるということでもある。
本発明のシステムキッチン装置の実施の形態を例示する斜視図である。 上記システムキッチン装置の主要部を示す斜視図である。 上記システムキッチン装置のフレーム構成を示す斜視図である。 上記フレーム構成を示す分解斜視図である。 上記システムキッチン装置における要部の拡大斜視図である。 上記フレーム構成を示す図3の背面側斜視図である。 上記システムキッチン装置における要部の動作説明視図である。 上記システムキッチン装置の全体動作説明図である。 上記システムキッチン装置の全体動作説明図である。 本発明の他の実施の形態例を示すフレーム構成の斜視図である。
以下、図面を引用しながら本発明のシステムキッチン装置の実施の形態例を説明する。
老人ホームや料理教室等の施設的、業務的使用においても、一般家庭的使用においても、キッチンの使用態様は多様である。多様な使用態様に対応することができるように、あるいは、需要者の要望によって、本発明のシステムキッチン装置は、多彩なオプション器材を伴って構成されることもあれば(図1)、基本的構成部分のみから構成される場合もある(図2)。
システムキッチン装置が伴うことがあるオプション器材の例としては、スチーム付きオーブン1、ディシュウオッシャー2、引き出し式モニター3、冷凍冷蔵庫4、ドア式キャビネット5、スペーサ兼用の飾り棚6等である(図1)。オプション器材の特徴は、可動的要素を有しないことであり、したがって、これらの任意的な器材は基本的構成部材に寄り添わせる態様で固定的に設置される。
本発明のシステムキッチン装置の基本的構成部材は、キッチン天板10と下部収納棚群20と上部収納棚群30、およびこれらを所定の配置関係で支持するフレームアセンブリFAである(図1,図2)。
ステンレス鋼板製のキッチン天板10には、少なくとも、シンク1A、調理用熱源1Bとしての電磁加熱器、給水栓1Cが設けられる。キッチン天板10の下位置には、下部収納棚群20が配置される。この下部収納棚群20は、多数個の引出し収納棚2A…の集合体であり、通常的使用に十分な個数と容量が確保されている。他方、上部収納棚群30は、多数個のドア式収納棚3A…の横並び集合体である。なお、調理用熱源1Bとしての電磁加熱器の上方位置には、ドア式収納棚3Aに替えて循環方式の排煙淨化装置7が設置される。
フレームアセンブリFAは(図3,図4)、設置場所の床面に固定的に据え置く固定フレームF10と、固定フレームF10に対してそれぞれ電気的な動力源を用いて上下動操作自在に組み付ける下部可動フレームF20と、上部可動フレームF30とからなる。これらのフレームは、アルミニウム型材、および、ボックス断面、L型断面、溝型断面の鋼材を素材とし、基本的には、柱に相当するポール部材と、梁に相当するビーム部材との組合せからなる骨組みフレームである。
本実施の形態におけるフレームアセンブリFAは、建築物の壁に寄せて設置する形式のものである。フレームアセンブリFAに含まれる固定フレームF10は、システムキッチン装置を設置個所の床面に高さを確保しつつ安定に自立させることを目的とするフレームであり、下部可動フレームF20および上部可動フレームF30の取付部材でもある。この固定フレームF10は、システムキッチン装置の横方向サイズに応じた大きな左右間隔を保って直立姿勢で配置される1対の複合支柱F1,F1を備える。
各複合支柱F1は、小間隙を保って並設された2本の角パイプ部材P1,P1からなる。各複合支柱F1は、その基部にシステムキッチン装置の前方に向けられたベース部材F2を有し、これによって前後方向の倒れ抗力を発揮することができる。1対の複合支柱F1,F1は、その上端寄りの相互間と、基部相互間に横設される連結ビームF3,F4によって一体化され、各複合支柱F1は、これによって左右方向の倒れ抗力を発揮することができる。なお、基部側の連結ビームF4は、システムキッチン装置の左右方向のベース部材として設置面積を拡大する機能を兼ねている。また、各フレーム構成部材の連結部分は、三角コーナ部材によって補強されている。
フレームアセンブリFAを構成する下部可動フレームF20について説明する(図3,図4)。下部可動フレームF20は、上下に配置された2本の横方向ビームF5,F6間に上下方向の桟材P4…を複数本分散配置してなる梯子状のフレーム構造に4本の前後方向ビームF7…を片持ち状態で取り付け、前後方向ビームF7…の先端部相互を横方向ビームF8で連結した構成である。梯子状のフレーム構造の左右の端部には、それぞれ、上下方向のスライド支柱P2,P2が固定されている。各スライド支柱P2の側面には、上下1対のガイドローラR2,R2と、その中間に位置する外部入力の受け部材T2が突設されている。
フレームアセンブリFAを構成する上部可動フレームF30について説明する(図4,図6)。上部可動フレームF30は、上下平行に配置された1対の横方向ビームF9,F9と左右2本のスライド支柱P3,P3とを角枠上に組んでなる簡単なものである。これは、上部可動フレームF30には、大きな荷重負担が予定されていないためである。上部可動フレームF30における各スライド支柱P3の側面には、上下1対のガイドローラR3,R3と、その中間に位置するナットブラケットN3が突設されている。
下部可動フレームF20および上部可動フレームF30は、それぞれ1対の複合支柱F1,F1に対応する左右1対の下部昇降機構D20,D20、上部昇降機構D30,D30を介して固定フレームF10に組み付けられる(図3,図4)。下部昇降機構D20および上部昇降機構D30には、後述する駆動モータによる送りねじ機構が採用される。
下部可動フレームF20は、複合支柱F1の内側にスライド支柱P2を沿わせる態様で配置される。この際、スライド支柱P2の1対のガイドローラR2,R2は、複合支柱F12を構成する2本の角パイプ部材P1,P1の間隙に挟み込まれ、これによりスライド支柱P2の姿勢が上下動可能に決定される。また、スライド支柱P2に突設された受け部材T2は、2本の角パイプ部材P1,P1の間隙を介して外側に抜け出る。そして、駆動モータ2Mによってねじ送り下部昇降機構D20の作動ロッドは、受け部材T2を下側から支持する態様で受け部材T2に連結される。1対の複合支柱F1,F1に対応する1対の下部昇降機構D20,D20は電気的に同期駆動され、下部可動フレームF20全体を上下に平行移動させるように昇降動作させることができる。
上部可動フレームF30用の上部昇降機構D30,D30には、より軽負荷用の小型の駆動モータ3Mとねじ軸3Nとの組合せからなる送りねじ機構が採用される。駆動モータ3Mおよびねじ軸3Nは、各複合支柱F1を構成する2本の角パイプ部材P1,P1の間隙に組み込まれている(図3,図5)。また、上部可動フレームF30は、下部可動フレームF20の場合と同様に、ガイドローラR3,R3を介してスライド支柱P3を複合支柱F12の内側に沿わせる態様で位置決めされ、上部昇降機構D30のねじ軸3Nは、角パイプ部材P1,P1間に入り込む状態となるナットブラケットN3に螺合している。このように左右1対の複合支柱F1,F1組み込まれた1対の上部昇降機構D30,D30は、互いに電気的に同期駆動され、これにより上部可動フレームF30は、水平姿勢を維持しながら上下に昇降動作をすることができる。
下部可動フレームF20および上部可動フレームF30には、それぞれ、下部水平送り機構D40、上部水平送り機構D50が搭載されている(図3ないし図7)。
下部水平送り機構D40は、下部可動フレームF20の4本の前後方向ビームF7…に3組が組み付けられている(図3,図4)。各組の下部水平送り機構D40は、駆動付きガイドレール機構D41と、従動ガイドレール機構D42との組合せからなる(図5)。
駆動付きガイドレール機構D41は、前後方向ビームF7の側面に固定するガイドレールD1と、ガイドレールD1に走行自在に組み付けられるランナプレートD2と、ランナプレートD2の上端面に取り付けるラックギヤD3と、ラックギヤD3を駆動する駆動モータ4Mとからなる。なお、従動ガイドレール機構D42は、駆動付きガイドレール機構D41から駆動モータ4MとラックギヤD3を省略した機構内容である。
下部収納棚群20は、3組の下部水平送り機構D40…を介して下部可動フレームF20によって支持される。具体的には、下部収納棚群20を構成する多数個の引出し収納棚2A…は、3組の下部水平送り機構D40対応して3群に区分されて、それぞれ、駆動付きガイドレール機構D41と従動ガイドレール機構D42のランナプレートD2,D2から吊下げる態様で支持される(図3,図5)。この結果、下部収納棚群20は、個々の下部水平送り機構D40単位で選択して水平動させることができる。
上部可動フレームF30に搭載される上部水平送り機構D50は、上部可動フレームF30の左右のスライド支柱P3,P3にそれぞれ取り付ける1対のスライドプレート機構D51,D51と(図4,図6)、上部可動フレームF30の下側の横方向ビームF9に取り付けるプッシュプル機構D52とから構成される(図6)。
各スライドプレート機構D51は、スライド支柱P3に固定する固定プレートD5と、上下2本のスライドレールL1,L1を介して固定プレートD5に対して水平動自在に組み付けるスライドプレートD6とからなる(図6,図7)。なお、固定プレートD56には、スライドプレートD6のスライドレールL1,L1をスライド可能に保持するためのガイドリブL2,L2が形成されている。左右1対のスライドプレート機構D51,D51は、互いのスライドプレートD6,D6を内側にして対面させる向きに配置される。
スライドプレート機構D51,D51とともに上部水平送り機構D50を構成するプッシュプル機構D52は、先端部に小径ローラを備える3本のスイングレバーD7…と、延長駆動軸D9を介して3本のスイングレバーD7…を同時に駆動する駆動モータ5Mと、被駆動部材である上部収納棚群30の裏面パネル30Bに3本のスイングレバーD7…に対応して取り付ける縦長のガイドボックスD8…から構成される(図6,図7)。このガイドボックスD8は、スイングレバーD7の先端部の小径ローラを転動可能かつ脱出不能に拘束する機能を有する。
上部収納棚群30は、1対のスライドプレート機構D51,D51のスライドプレートD6,D6によって両側面から挟み込まれる態様で上部可動フレームF30に搭載される。そして、上部収納棚群30の裏面パネルに30Bにプッシュプル機構D52の3本のスイングレバーD7…に対応する3個のガイドボックスD58…が固定される。駆動モータ5Mによって延長駆動軸D9が駆動されると、3本のスイングレバーD7…が同期してスイング動作をし、上部収納棚群30は、スイングレバーD7…先端部の水平方向変位成分によって、前進位置(図7に二点鎖線で示す)または後退位置に駆動される(図7)。
以上の本発明のシステムキッチン装置の各部の動作に基づき、システムキッチン装置全体の動作を要約すると次のようである(図8,図9)。
本発明のシステムキッチン装置には、キッチン天板10等の高さ等に関し、可動部を有しない一般的なキッチン設備における平均人向けの設定と同等な考え方による標準位置が設定されている(図8(A))。ただし、本発明のシステムキッチン装置における上部収納棚群30については、使い易さという観点ではなく、設置場所の状況が許す範囲で高く設定し、上部収納棚群30とキッチン天板10との間隔を十分に確保するように設定される。これにより、頭上圧迫感を伴わない開放的で明るいキッチン雰囲気が得られる。
上部収納棚群30を十分に高く設定することができるのは、上部昇降機構D30によって上部収納棚群30をキッチン使用者が希望する任意の高さに下降させて使用することが前提とされているからである(図8(B))。この上部収納棚群30の昇降機能は、子供や車椅子使用者は言うに及ばず、健常者にとっても極めて便利な機能である。また、このことに伴い、上部収納棚群30の高さ制約を排除し、多様なキッチンスタイルに適合させるためのデザイン自由度を向上させることができるという利点を伴うものでもある。
キッチン使用に際してのキッチン天板10の高さは、下部昇降機構D20に対する指示操作によって無段階で調節することができるので。標準伸長に満たない子供や女性のキッチン使用に際しても最適なキッチンポジションが得られる。また、腰痛を患っている場合には、キッチン天板10を高めに設定することによって前かがみ姿勢の苦痛を伴うことなく調理に専念することが可能である。
車椅子使用者がキッチンを利用するに際しては、3組の下部水平送り機構D40…に分担させて支持されている下部収納棚群20の全部、または任意の位置の下部収納棚群20を後退させることによって着座姿勢に必要とされる足元スペースを確保することができる(図2,図3,図9(A))。本発明のシステムキッチン装置においては、標準位置において下部収納棚群20の底面と床面との間に適切な空間が設定されているので、下部収納棚群20を僅かに後退させることによって効果的な空間形状の足元スペースが確保されるように配慮されている。
また、いずれの使用状況においても、上部収納棚群30は、上部水平送り機構D50に対する指示操作によって手前に移動させて使用することができる(図9(B))。この機能は、キッチン天板10の奥行き寸法が狭い小型のキッチンシステムにおいては省略しても支障がないのであるが、多数人分の調理を賄う必要があるホテル等の業務用の大型キッチンシステムにおいては、がぜんその威力を発揮することができる。
次いで、本発明のシステムキッチン装置の他の実施の形態について説明する。本発明の他の実施の形態は、フレームアセンブリFAの構成が上記実地の形態例と大きく異なる(図10)。
すなわち、本実施の形態に示すシステムキッチン装置では、下部昇降機構D20,D20を介して固定フレーム10に上下動操作自在に組み付けられた下部可動フレームF20に対して、さらに上部昇降機構D30を介して上部可動フレームF30が組み付けられる構成である。その他、キッチン天板10や下部収納棚群20が下部可動フレームF20に搭載されることや、上部収納棚群30が上部可動フレームF30に搭載されることは、上記実施の形態におけると同様である。
具体的には、固定フレームF10は、4本脚の机を上下反転させたような形態に形成され、4本の上向き支柱15…を有する。一方、下部可動フレームF20は、4本の下向き支柱25…を備える。このような固定フレームF10と下部可動フレームF20とは、上向き支柱15…と下向き支柱25…との間にそれぞれリニアスライドユニットS1を介して組み合わされる。つまり、下部可動フレームF20は、固定フレームF10に対して上下動自在の状態である。そして、この状態の固定フレームF10と下部可動フレームF20との間に、1対の下部昇降機構D20,D20が組み込まれている。
上部可動フレームF30は、左右1対のL字フレーム35,35を横方向の連結材36によって連結してなり、上部収納棚群30は、それぞれ左右1対の上部水平送り機構D50,D50とリニアスライドユニットS2,S2を介して上部可動フレームF30の直立辺35,35に組み付けられている。そして、上部収納棚群30の下方位置に左右1対の上部昇降機構D30,D3が上部収納棚群30を下方から支持する態様で配置される。
このようなフレームアセンブリFAを備えるシステムキッチン装置は、固定フレームF10と下部可動フレームF20とが机状に形成されていることにより、建物の壁面等依存することなく、床面に独立して安定に設置することができるという設置上の利点を発揮することができる。
また、上記のようなフレームアセンブリFAにおける相違は、次のような動作上の相違をもたらす。下部昇降機構D20による下部可動フレームF20の上下動は、上部可動フレームF30にもそのまま伝達される。この結果、下部可動フレームF20に搭載される図示しない下部収納棚群20と図示の上部収納棚群30とは、下部昇降機構D20,D20に対する指示操作によって同時に上下動させることができる。また、上部収納棚群30は、上部昇降機構D30,D30に対する指示操作によって単独で上下動させることもできる。つまり、このようなフレーム構成を採用した場合いおいても本発明の目的を支障なく達成することができるということである。
さらに、本実地の形態は、上部収納棚群30の上下動範囲を拡大することができるという特徴がある。これは、上部収納棚群30には、下部昇降機構D20と上部昇降機構D30の動作が加算的に表現されることに基づく。このことは、上部昇降機構D30の動作範囲がごく小さなもので足りるということでもある。
FA フレームアセンブリ
F10 固定フレーム
F1 複合支柱
P1 角パイプ部材
F20 下部可動フレーム
F30 上部可動フレーム
D20 下部昇降機構
D30 上部昇降機構
D40 下部水平送り機構
D50 上部水平送り機構
5M 駆動モータ
D51 スライドプレート機構
D52 プッシュプル機構
D7 スイングレバー
D9 延長駆動軸
10 キッチン天板
10F キッチン天板の前縁
1A シンク
1B 調理熱源
20 下部収納棚群
2PF 下部収納棚群の前面パネル
30 上部収納棚群
3PF 上部収納棚群の前面パネル

Claims (3)

  1. 少なくとも調理熱源とシンクとを組み込んだキッチン天板と、該キッチン天板の下位置に配置される下部収納棚群と、前記キッチン天板の上方に配置される上部収納棚群と、前記キッチン天板と下部収納棚群と上部収納棚群とを所定の配置で支持するフレームアセンブリとを備えてなり、
    前記フレームアセンブリは、それぞれ小間隙を保って並設される2本の角パイプ部材からなる左右一対の複合支柱を備え、床面に設置する固定フレームと、該固定フレームの前記複合支柱に対して左右一対の下部昇降機構を介して上下動操作自在に組み付ける下部可動フレームと、前記固定フレームの前記複合支柱に対して左右一対の上部昇降機構を介して上下動操作自在に組み付ける上部可動フレームとを含んで構成され、
    前記キッチン天板および下部収納棚群は、前記下部可動フレームに搭載されるとともに、前記上部収納棚群は、前記上部可動フレームに搭載され、
    前記キッチン天板および下部収納棚群は、前記下部昇降機構に対するキッチン使用者の指示操作によって、前記上部収納棚群は、前記上部昇降機構に対するキッチン使用者の指示操作によって独立して上下動させることができる構成であって、
    前記左右一対の下部昇降機構と前記左右一対の上部昇降機構とが、前記左右一対の複合支柱の対応する複合支柱の前記2本の角パイプ部材の小間隙に上下方向に直列配置で組み込まれていることを特徴とするシステムキッチン装置。
  2. 前記下部収納棚群を構成する全部の収納棚または一部の収納棚は、下部水平送り機構を介して前記下部可動フレームに水平動操作自在に搭載され、前記下部水平送り機構に対するキッチン使用者の指示操作によって収納棚の前面パネルが前記キッチン天板の前縁にほぼ揃う前進位置と、収納棚の前面パネルが前記キッチン天板の前縁から後退した状態となる後退位置とを選択することができる構成であることを特徴とする請求項1に記載のシステムキッチン装置。
  3. 前記上部収納棚群を構成する全部の収納棚または一部の収納棚は、上部水平送り機構を介して前記上部可動フレームに水平動操作自在搭載され、前記上部水平送り機構に対するキッチン使用者の指示操作によって前記収納棚の前面パネルがキッチン使用者側に接近する前進位置と、不使用時の定位置である後退位置とを選択することができる構成であって
    前記上部水平送り機構が、前記上部収納棚群を左右の側面側から水平動自在に支持する1 対のスライドプレート機構と、前記上部収納棚群の背面側に配置され、駆動モータによっ て回転駆動する延長駆動軸に取り付けられた複数本のスイングレバーを備えるプッシュプ ル機構とからなり、
    前記プッシュプル機構は、前記延長駆動軸を介して同期駆動される前記複数本のスイング レバー先端部の水平方向変位成分によって前記上部収納棚群を前進駆動または後退駆動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシステムキッチン装置。
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