JP5993857B2 - 感覚性ニューロパチーに関連するsptlc2遺伝子の突然変異 - Google Patents

感覚性ニューロパチーに関連するsptlc2遺伝子の突然変異 Download PDF

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Description

本発明は、感覚性ニューロパチー関連疾患の危険性を有しているまたはこれに罹患している対象を特定する方法およびキットに関する。特に本発明は、前記感覚性ニューロパチーを引き起こす、SPTLC2遺伝子の突然変異を決定することに基づく。
遺伝性感覚性ニューロパチー(HSN)は、3つのカテゴリーに一般に細分される遺伝性末梢性ニューロパチーの一部をなし、運動または感覚末梢神経系の選択的または優勢な関与を示す。最も一般的なバリアントは、シャルコー・マリー・ツース症候群とも称される遺伝性運動感覚性ニューロパチー(HMSN)であり、このバリアントでは、運動神経および感覚神経の両方が影響を受ける(Dyckら1993)。末梢運動神経系のみが影響を受ける場合は、このニューロパチーは、遠位型遺伝性運動ニューロパチーとして分類される(Harding1993)。これに対して、感覚機能障害はHSNにおいて一般的である。自律神経系が様々な程度でHSNに関与するので、これらは遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチー(HSAN)と称されることが多い(Dyck1993)。
HSN/HSANは、臨床的および遺伝的に不均一な障害の一群である。患者は通常、顕著な遠位感覚消失を示し、一部の患者では痛みに対する明らかな無感覚を伴う。顕著な遠位感覚消失は、足および手に慢性の潰瘍をもたらすことが多く、時に、広範な軟部組織感染症、足指および手指の切断または稀に四肢のより近位部の切断さえ要する骨髄炎などの重篤な合併症を引き起こす(Dyck1993)。無汗、発熱、血圧変動および胃腸障害などの自律神経機能障害がある患者もいる。電気生理学的に感覚ニューロンの軸索神経損傷が見つかることが多いが、さらに脱髄がある可能性もある(Auer−Grumbachら2003)。
HSANは、常染色体優性(AD)または常染色体劣性(AR)の形質として遺伝され得る。孤立性患者も述べられている(Dyck1993、Auer−Grumbach2004)。HSANのAD型は、著しい感覚障害ならびに最小限の自律神経性障害および不定の運動障害を伴って10歳代または20歳代に通常現れるが、一方AR HSANは、著しい感覚異常および自律神経異常を伴う先天性症候群またはほとんど純粋な自律神経障害のどちらかとして現れる(Verpoortenら2006a)。
遺伝性感覚性ニューロパチーのHSAN I−V型への分類(Dyck、1993)は、発症年齢、遺伝様式および付加的な特徴に基づいて行われた。分子遺伝学的研究によって、少なくとも7つの遺伝子がHSN/HSANの異なる型に関係していることが示された(http://www.molgen.ua.ac.be/CMTMutations/)。2つの遺伝子がAD HSANと関係していた。セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)の長鎖サブユニット1(SPTLC1)のミスセンス突然変異は、成人発症型感覚性ニューロパチーであるHSAN I型を罹患している家族および個人において発見された(Bejaouiら2001、Dawkinsら2001)。低分子GPTaseの後期エンドソームタンパク質RAB7の突然変異は、CMT2Bの原因となる(Verhoevenら2003、Meggouhら2006)。WNK1/HSN2遺伝子(リジン(K)−1を有さないプロテインキナーゼ/遺伝性感覚性ニューロパチー2型)およびFAM134Bの突然変異は、早発性の潰瘍断節性感覚性ニューロパチーであるAR HSAN II型の原因となる(Lafreniereら2004、Kurthら2009)。家族性自律神経失調症またはライリー・デイ症候群としても知られるHSAN III型は、典型的な顕著な自律神経性症状の発現を伴って若年期に現れ、B細胞におけるκ軽鎖ポリペプチド遺伝子エンハンサーインヒビター、キナーゼ複合体関連タンパク質(the inhibitor of kappa−light polypeptide gene enhancer in B cells,kinase complex associated protein)(IKBKAP)の突然変異によって引き起こされる(Slaugenhauptら2001)。神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体1型(NTRK1)の突然変異は、痛みに対する先天性の無感覚、無汗および精神遅滞(CIPAまたはHSAN IV型)を罹患している家族において報告されている(Indoら1996)。CIPAと密接な関連がある表現型であるが、精神発達が正常であり明白な無汗が少ないHSAN V型は、神経栄養因子β(NGFB)の突然変異によって引き起こされる可能性があり(Einarsdottirら2004)、NTRK1の突然変異によっても引き起こされる可能性がある(Houldenら2001、Einarsdottirら2004)。これら6つのHSAN亜型の他に、他と異なる付加的な特徴を有する他の型が存在し、例えば胃食道逆流および咳を伴うHSAN(Kokら2003)および痙性対麻痺を伴うHSAN(Bouhoucheら2006b)が存在する。最近、この最後の型に関する遺伝子がサイトゾルのシャペロニン含有t複合体ペプチド1(CCT5)として同定された(Bouhoucheら2006a)。
近年のHSAN型に関する原因遺伝子の同定は、こうした珍しいニューロパチーの病因に対する予備的な洞察を提供したが、基本的な根底にある病理機序はまだ明らかにされていない(Verhoevenら2006)。既存の分類をさらに改善するためにおよびこうした障害の分子基盤に対するより良い洞察を得るために、既知または新規な遺伝的欠陥を有するHSAN病の家族および患者に関するさらなる説明が必要とされる。
Dyckら1993 Harding1993 Dyck1993 Auer−Grumbachら2003 Auer−Grumbach2004 Verpoortenら2006a http://www.molgen.ua.ac.be/CMTMutations/ Bejaouiら2001 Dawkinsら2001 Verhoevenら2003 Meggouhら2006 Lafreniereら2004 Kurthら2009 Slaugenhauptら2001 Indoら1996 Einarsdottirら2004 Houldenら2001 Kokら2003 Bouhoucheら2006b Bouhoucheら2006a Verhoevenら2006
(発明の要旨)
本発明は、SPTLC2遺伝子における核酸変異と感覚性ニューロパチーとの間に明確な関連を初めて確認した。したがって、前記新規遺伝子マーカーは、感覚性ニューロパチー関連疾患もしくは障害を発症する危険性に関して信頼できる診断または予測を提供する。こうした遺伝的変異の同定は、治療に対する応答が個体間で変化する理由に関する洞察を提供するだけでなく、改善されたリスク評価および個別化医療の適用を通して、罹患率および死亡率を潜在的に減少させる可能性もある。
したがって、本発明は、感覚性ニューロパチー疾患の危険性を有しているまたはこれに罹患している対象を特定する方法およびキットであって、SPTLC2遺伝子における少なくとも1つの核酸変異体の有無を検出することを含み、少なくとも1つの核酸変異体の存在が、対象が感覚性ニューロパチー疾患の危険性を有しているかまたはこれに罹患しているかを特定する方法およびキットを提供する。SPTLC2遺伝子の目的の特異的領域は、SPTLC2遺伝子のコード領域である。感覚性ニューロパチー疾患は、好ましくは、HSAN1型、HSAN2型、HSAN3型、HSAN4型およびHSAN5型からなる群から選択される遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチー疾患である。
本発明の方法およびキットは、感覚性ニューロパチー疾患の危険性を有しているまたはこれに罹患している対象を特定するための他の方法と組み合わせて実施され得る。好ましい実施形態において、方法およびキットは、任意の他の遺伝子における核酸変異体または他のマーカーの有無を検出する方法と組み合わせて実施される。
感覚性ニューロパチー関連疾患または障害の診断および/または予測のための任意の検出方法は、本発明の一部を形成する。本発明の核酸変異体の有無を検出するための好ましい方法および手段は、突然変異スキャンニングを目的とする、ハイブリダイゼーション、シークエンシング、PCR、プライマー伸長法、MLPA、OLA、制限酵素部位解析もしくは高解像度融解曲線解析またはそれらの組み合わせである。
本発明のさらなる実施形態は、感覚性ニューロパチー疾患の危険性を有しているまたはこれに罹患している対象に対する適切な治療または治療剤を選択する方法であって、本発明の方法および適切な治療または治療剤の選択によって感覚性ニューロパチー疾患の状態を判定することおよび適切な治療または治療剤を選択することを含む方法に関する。
スフィンゴ脂質のデノボ生合成経路を示す図である。左側:L−セリンを伴う標準経路、右側L−アラニンを伴う疾患関連の別経路。L−セリンの代わりにL−アラニンと縮合すると、Cヒドロキシル基を欠く代謝産物が生じ、SL複合体への変換および分解を阻害する。本経路の酵素を緑で示す。ミリオシンおよびフモニシンB1は、SPT酵素およびCerS酵素をそれぞれ阻害するカビ毒である。SPT:セリンパルミトイルトランスフェラーゼ、PLP:ピリドキサール−5’−リン酸、KSA:3−ケト−スフィンガニン、CerS:セラミド合成酵素、DES:ジヒドロセラミド不飽和化酵素、SO:スフィンゴシン、SL:スフィンゴ脂質。 スフィンゴ脂質のデノボ生合成経路を示す図である。左側:L−セリンを伴う標準経路、右側L−アラニンを伴う疾患関連の別経路。L−セリンの代わりにL−アラニンと縮合すると、Cヒドロキシル基を欠く代謝産物が生じ、SL複合体への変換および分解を阻害する。本経路の酵素を緑で示す。ミリオシンおよびフモニシンB1は、SPT酵素およびCerS酵素をそれぞれ阻害するカビ毒である。SPT:セリンパルミトイルトランスフェラーゼ、PLP:ピリドキサール−5’−リン酸、KSA:3−ケト−スフィンガニン、CerS:セラミド合成酵素、DES:ジヒドロセラミド不飽和化酵素、SO:スフィンゴシン、SL:スフィンゴ脂質。 SPTLC2のミスセンス突然変異がHSAN−Iと関係することを示す図である。(A)家族CMT−1117(発端者を矢印で示す。)およびCMT−1044におけるG382V突然変異の配列トレースファイル。(B)V359M突然変異を有する孤立性患者CMT−747.I:1。(C)デノボI504F突然変異を有する患者CMT−635.II:1。 SPTLC2のミスセンス突然変異がHSAN−Iと関係することを示す図である。(A)家族CMT−1117(発端者を矢印で示す。)およびCMT−1044におけるG382V突然変異の配列トレースファイル。(B)V359M突然変異を有する孤立性患者CMT−747.I:1。(C)デノボI504F突然変異を有する患者CMT−635.II:1。 生物種間における突然変異の保存および細菌SPT酵素の構造図を示す図である。(A)ヒト(ホモ・サピエンス(Homo sapiens))、マウス(ムス・ムスクルス(Mus musculus))、ラット(ラッツス・ノーウィジアス(Rattus norvegicus))、ウシ(ボース・タウルス(Bos Taurus))、ゼブラフィッシュ(ダニオ・レリオ(Danio rerio))、ハエ(ドロソフィラ・メラノガスター(Drosophila melanogaster))、パン酵母(サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae))およびSPT活性を有するグラム陰性菌(スフィンゴモナス・パウシモビリス(Sphingomonas paucimobilis))由来のSPTLC2相同分子種のClustalWによるタンパク質マルチプルアライメント。(B)スフィンゴモナス・パウシモビリスのSPTホモ二量体(PDB ID:2JGT)のSPT構造であり、二量体サブユニットを赤および青で示す。強調されたアミノ酸(V246、G268およびG385)は、HSAN−I患者で突然変異を起こしたアミノ酸(V359、G382およびI504)に対応する(パネルAのアライメントを参照されたい。)。 HSAN−I関連SPTLC2突然変異型のインビトロでのSPT活性測定を示すグラフである。(A)フモニシンB1阻害アッセイ。野生型または突然変異型のSPTLC2を安定に発現しているHEK293細胞のSPT活性を、フモニシンB1処理後のSA蓄積を測定することによって解析する。野生型SPTLC2の安定な発現は、SPT活性を8.5倍増大させる(p=3.24E−5)が、G382V突然変異型はSPT活性を増大しない(p=0.18)。V359M突然変異およびI504F突然変異は活性を有意に増大する(それぞれp=0.00063および0.00064)が、野生型SPTLC2と程度が異なる。EGFPをトランスフェクションした細胞は対照として機能した。(B)放射性ベースのSPT活性アッセイ。野生型または突然変異型のSPTLC2を安定的に発現しているHEK293細胞のSPT活性を、14C−標識L−セリンの取り込みをインビトロで測定することによって決定した。野生型SPTLC2の安定発現はSPT活性を著しく増大させるが、G382Vの発現はSPT活性を基礎レベルより上には高めない。V359M突然変異型またはI504F突然変異型の発現は、SPT活性を上昇させるが、野生型SPTLC2ほど強烈ではない。右側のバーは、SPT阻害剤ミリオシン存在下におけるSPT活性を示す(負の対照、図1を参照されたい。)。CPM:毎分当たりのカウント。***P値<0.001、SA:スフィンガニン。データは、標準偏差を表すエラーバーとともに平均として示す。エラーバーおよび標準偏差は、3回の独立した実験に基づいて計算した。 異なるYCplac111_LCB2コンストラクトで相補されたヘテロ接合型LCB2/lcb2::KanMX系統の四分子分離による、S.セレビシエにおける遺伝的相補性試験を示す図である。フィトスフィンゴシンなしの37℃のYPD培地上に4つの等しい大きさのコロニーが出現したことで示されるように、野生型LCB2はLCB2欠損を相補することができる。V346M(SPTLC2のV359Mに対応する。)およびI491F(SPTLC2のI504Fに対応する。)のLCB2突然変異型も内在性のLCB2の不在を救済する。しかし、G369V(SPTLC2のG382Vに対応する。)またはK366T(ドミナントネガティブ)突然変異型で形質転換された酵母は、内在性のLCB2が存在する場合のみコロニーを生じ、このことは、これらの突然変異型がLCB2欠損を補完できないことを示す。 SPTLC2突然変異がSPTの酵素親和性に影響を及ぼすことを示すグラフである。(A)抽出した脂質の酸および塩基加水分解アッセイ後に、野生型または突然変異型のSPTLC2を安定的に発現しているHEK293細胞の1−デオキシ−SAレベルを測定する。野生型SPTLC2の発現は細胞の1−デオキシ−SAレベルを変化させない(p=0.55)が、3つのHSAN−I関連突然変異型全ては、1−デオキシ−SAレベルを有意に上昇させる(V359Mに関してp=0.0025、G382Vに関してp=0.00093、I504Fに関してp=0.00048)。(B)HSAN−I患者のリンパ芽球様細胞系の1−デオキシ−SAレベル。2人のHSAN−I患者CMT−1044.I:2(G382V突然変異)およびCMT−635.II:1(I504F突然変異)は、CMT−635.II:1の罹患していない両親および血縁関係にない2人の対照個体と比較して、高レベルの1−デオキシ−SAを示す。残念ながら、V359M突然変異を有する患者CMT−747.I:1からはリンパ芽球細胞を得ることができなかった。***P値<0.001、SA:スフィンガニン。データは標準偏差を表すエラーバーとともに平均として示す。エラーバーおよび標準偏差は、3回の独立した実験に基づいて計算した。
定義
本発明は、特定の実施形態に関しておよび特定の図面を参照して説明されるが、本発明はこれらに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。特許請求の範囲における如何なる参照符号も範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。説明する図面は概略的なものに過ぎず、限定的でない。図面において、いくつかの要素のサイズは説明のため誇張されており、正確な縮尺で示されていない可能性がある。本明細書および特許請求の範囲において「含む(comprising)」という用語が使用される場合、これは他の要素またはステップを排除するものではない。単数名詞に言及する際、不定冠詞または定冠詞、例えば「1つ(a)」または「1つ(an)」、「その(the)」が使用される場合、何か他に特記されていない限り、これはその名詞の複数形を含む。
本明細書で別段定義しない限り、本発明に関連して使用される科学技術の用語およびフレーズは、当業者に一般に理解される意味を持つものとする。さらに、文脈によって別段必要とされない限り、単数形の用語は複数形の用語を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。一般に、本明細書に記載される生化学、酵素学、分子細胞生物学、微生物学、遺伝学およびタンパク質核酸化学ならびにハイブリダイゼーションに関連して用いられる用語およびこれらの技術は、当技術分野において周知であり一般に使用されているものである。本発明の方法および技術は、別段示されない限り、当技術分野において周知の従来の方法に従って、ならびに本明細書の全体にわたって引用され議論される種々の一般的な参考文献およびより特定の参考文献に記載されるように、一般に実施される。例えば、SambrookらMolecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989);Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology、Greene Publishing Associates(1992、および2002までの補遺);HarlowおよびLane、Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.(1990);TaylorおよびDrickamer、Introduction to Glycobiology、Oxford Univ.Press(2003);Worthington Enzyme Manual、Worthington Biochemical Corp.、Freehold,NJ;Handbook of Biochemistry:Section A Proteins、第L巻 CRC Press(1976);Handbook of Biochemistry:Section A Proteins、第π巻、CRC Press(1976)を参照されたい。
本明細書で使用する場合、「ポリペプチド」、「タンパク質」、「ペプチド」という用語は互換的に使用され、任意の長さのアミノ酸のポリマー形態を指し、コード化アミノ酸および非コード化アミノ酸、化学的もしくは生化学的に修飾されたまたは誘導体化されたアミノ酸ならびに修飾されたペプチド骨格を有するポリペプチドを含むことができる。
本明細書で使用する場合、「核酸」、「ポリヌクレオチド」、「ポリ核酸」という用語は互換的に使用され、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドのどちらかまたはそれらの類似体である任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。ポリヌクレオチドは任意の三次元構造を有してもよく、既知または未知の任意の機能を果たすことができる。ポリヌクレオチドの非限定例には、遺伝子、遺伝子断片、エキソン、イントロン、伝令RNA(mRNA)、転移RNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離DNA、制御領域、任意の配列の単離RNA、核酸プローブおよびプライマーが含まれる。核酸分子は、直鎖状でも環状でもよい。約100ヌクレオチドの長さまでの核酸は、しばしばオリゴヌクレオチドとも称される。
本明細書で使用する場合、「対立遺伝子」という用語は、特定の染色体上の位置(遺伝子座)における遺伝子またはDNA配列のいくつかの選択的形態(alternative forms)のうちの1つである。各常染色体の遺伝子座において、1個体は父親から遺伝したものと母親から遺伝したものの2つの対立遺伝子を有する。「遺伝子型」という用語は、全体または特定の遺伝子座のどちらかの1個体の遺伝子構成を意味する。
本明細書で使用する場合、「ホモ接合型」という用語は、2つの同一対立遺伝子を遺伝子座に有することを指す。「ヘテロ接合型」という用語は、異なる対立遺伝子を遺伝子座に有することを指す。
本明細書で使用する場合、「障害」および「疾患」という用語は互換的に使用される。
詳細な説明
膨大な数にのぼる患者における既知のHSAN遺伝子の系統的スクリーニングでは、発端者の19%でのみ病原性突然変異が認められた(Rotthierら2009)。このことは、他の疾患関連遺伝子の関与を示唆する。大規模なHSANコホートにおいて一連の機能的候補遺伝子をスクリーニングすることによって、本発明者らは、典型的なHSAN I型の表現型を呈する4人の発端患者において、スフィンゴ脂質のデノボ生合成経路の最初の酵素であり律速酵素であるセリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)のSPTLC2サブユニット中に3つのヘテロ接合型ミスセンス突然変異を同定した。SPTLC2はHSAN I型の原因から以前に除外されていたので(Dawkinsら2002)、このことは特に驚くべきことである。さらに、これらの突然変異は部分的なSPT活性の喪失から完全なSPT活性の喪失まで引き起こし、神経毒性代謝産物である1−デオキシスフィンガニン形成の原因となる。したがって、本発見はHSAN関連疾患の遺伝的異質性を拡大し、SPTの欠損を伴うHSANニューロパチーの群を増大させる。
したがって、第一の態様によれば、本発明は、感覚性ニューロパチー疾患の危険性を有しているまたはこれに罹患している対象を特定する方法であって、SPTLC2遺伝子またはそれらの一部において少なくとも1つの核酸変異体の有無を検出することを含み、少なくとも1つの核酸変異体の存在が、対象は感覚性ニューロパチー疾患の危険性を有しているかまたはこれに罹患しているかを特定する方法に関する。
本明細書で使用する場合、「SPTLC2遺伝子」という用語は、セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)の第2サブユニットをコードする遺伝子を指す。SPT酵素はマルチサブユニット構造であり、SPTLC1とSPTLC2またはSPTLC3のどちらかとの二量体サブユニットからなる(Hornemannら2007)。SPT酵素は小胞体(ER)に付随し、そこでSPT酵素はピリジキサール(pyridixal)−5’リン酸(PLP)依存性のL−セリンとパルミトイルCoAとの縮合を触媒する。これは、スフィンゴ脂質のデノボ生合成における最初のステップであり律速ステップである(図1も参照されたい。)。スフィンゴ脂質は全ての真核細胞の必須成分であり、真核細胞においてスフィンゴ脂質は膜構造および細胞内シグナル伝達において重要な役割を果たす。
本発明で示す核酸およびタンパク質の参照配列は、当業者に周知であるように、GeneBank(NCBI)から取得され、それらの各受託番号によって示される。配列変異の記載に関する用語の更新は、Human Genome Variation Societyのウェブサイト上で頻繁に提供される。したがって、コーディングDNAおよびRNAの参照配列のヌクレオチドナンバリングは以下の通りである。ヌクレオチド+1はATG翻訳開始コドンのAであり、ヌクレオチド0は存在せず、ATG翻訳開始コドンのヌクレオチド5’は−1である。ゲノムの場合は「g.」が、またはcDNA参照配列が使用される場合は「c.」がヌクレオチド番号の前に付く。置換は「>」で表される。同様に、タンパク質参照配列が使用される場合は「p」がアミノ酸番号の前に付く。
ヒトSPTLC2遺伝子(セリンパルミトイルトランスフェラーゼ長鎖サブユニット2)は、14番染色体の座位14q24.3に位置し、12のエキソンを含む。ヒトSPTLC2の参照核酸配列はNC_000014.8(gDNA;バージョン:NC_000014.8 GI:224589805;リージョン:相補鎖(77973269−78083109);配列番号1)またはNM_004863(cDNA;バージョン:NM_004863.2 GI:31881646;配列番号2)である。ヒトSPTLC2遺伝子にコードされる参照タンパク質配列はNP_004854(バージョン:NP_004854.1 GI:4758668;配列番号3)である。
本発明で使用する場合、「核酸変異体」または「多型」または「変異体」という用語は、SPTLC2遺伝子のある位置の核酸配列が1つまたは複数の参照核酸配列に対して異なっていることを意味する。最も単純な核酸多型は一ヌクレオチドに係わる多型、すなわち一塩基多型またはSNPである。核酸多型には、1つまたは複数の参照核酸の一次ヌクレオチド配列に対する、調査中核酸の一次ヌクレオチド配列における任意の数の連続したおよび/または非連続の差異がさらに含まれる。「多形位置」または「位置」という用語は、核酸多型が生じる核酸の位置を指す。少なくとも1つのこうした多型を含む核酸配列は、「多形核酸配列」、「多形ポリヌクレオチド」、「多形配列」などと称される。多型または核酸変異体は、挿入、欠損、置換、タンデムリピートまたは類似のものであり得る。
本明細書で使用する場合、例えば遺伝子マーカーの「有無の検出」というフレーズは、疾患の発生に関係する関連遺伝事象が存在するかしないかを決定することを指す。実際には、特定の事象の非存在と存在の両方がマーカーとして機能することができる。したがって、核酸変異体の存在の検出への言及は、試料中の変異体の有無のどちらかに基づいて、マーカーが存在するかどうかを決定することを一般に包含する。さらにこれには、マーカーが試料中に存在しないという可能性のある知見、すなわち核酸変異体の非存在(または存在)の決定も含まれる。いずれの場合でも、マーカーの存在の決定はまた間接的に行うことができ、例えば核酸変異体の存在が疾患と関連して場合、このマーカーの存在は、核酸変異体を含まない対応する対立遺伝子がホモ接合的に存在することを決定することで行うこともできる。同様に、SNPの存在を検出するための対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブは、SNPが存在しない対立遺伝子に対して特異的でもよい。
特定の実施形態では、本発明は、SPTLC2遺伝子型がSPTLC2遺伝子の少なくとも1つの変異型対立遺伝子(ヘテロ接合型)を有する、本発明による方法に関する。さらなる実施形態では、本発明の方法は、SPTLC2遺伝子型がSPTLC2遺伝子の2つの変異型または野生型対立遺伝子(ホモ接合型)を有する、本発明による方法に関する。
本発明の方法は、対象、好ましくはヒトにおける感覚性ニューロパチー関連疾患または障害の診断および/または予測に特に適する。感覚性ニューロパチー関連疾患には、これに限定されないが、遺伝性感覚性ニューロパチー(HSN)が含まれ、これは他に遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチー(HSAN)と呼ばれ、HSAN1型、HSAN2型、HSAN3型、HSAN4型、およびHSAN5型にさらに分類され得る(背景技術を参照されたい。)。本発明の方法によって、感覚性ニューロパチー障害の発症の危険性が決定され得る。本発明の方法が実施される「対象」は、感覚性ニューロパチーの診断/予測/危険性を決定することが必要な任意の対象でよい。対象は、(これらに限定されないが)雌ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、サル、ウサギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ハムスター、ゼブラフィッシュ、パファーフィッシュ(フグ)、ハエ、虫またはC.エレガンス(C.elegans)などの非ヒト対象でもよい。より好ましくは対象は霊長類である。さらにより好ましくは対象はヒトである。
さらなる実施形態では、本発明の方法は、SPTLC2遺伝子の1つまたは複数の核酸変異体が0、1または2コピーで存在するか、より具体的にはSPTLC2遺伝子の核酸変異体が一方または両方の対立遺伝子に存在するかを測定するステップを含む。
上記方法の別の実施形態では、核酸変異体の有無はSPTLC2遺伝子またはそれらの一部において検出することができる。本文脈内において、「それらの一部」は、目的の領域、すなわち核酸変異体を含むSPTLC2遺伝子領域を指す。より具体的には、「それらの一部」は、5’UTR、プロモーター領域、エキソン1、イントロン1、エキソン2、イントロン2、エキソン3、イントロン3、エキソン4、イントロン4、エキソン5、イントロン5、エキソン6、イントロン6、エキソン7、イントロン7、エキソン8、イントロン8、エキソン9、イントロン9、エキソン10、イントロン10、エキソン11、イントロン11、エキソン12および/またはイントロン12を指す。好ましくは多型は、SPTLC2遺伝子のプロモーター領域および/またはコード領域、例えばSPTLC2遺伝子のエキソンのうちの少なくとも1つに位置する。典型的には、核酸変異体は、これらに限定されないが、少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠損、挿入、重複、転座および/または反転である。
本発明は、cDNA配列(配列番号2)において確認され得るように、SPTLC2遺伝子のコード領域内に位置する任意の多型に特に関する。より具体的には、核酸変異体は、これらに限定されないが、cDNA配列の位置1145、1075または1510を含めたSPTLC2遺伝子のコード領域の少なくとも1つの位置で検出される。より特定すると、核酸変異体はc.1145G>Tであり、これはG382Vのアミノ酸変化をもたらす。または、核酸変異体はc.1075G>Aであり、これはV359Mのアミノ酸変化をもたらす。または、核酸変異体はc.1510A>Tであり、これはI504Fのアミノ酸変化をもたらす。
本明細書で使用する場合、「野生型」配列という用語は「参照」配列と類似しており、両用語は本明細書で互換的に使用される。例えば野生型ヒトSPTLC2遺伝子に対する参照配列は、NC_000014(gDNA;バージョン:NC_000014.8 GI:224589805;配列番号1)で特定されるようなゲノムDNA配列またはNM_004863(cDNA;バージョン:NM_004863.2 GI:31881646;配列番号2)で特定されるようなコード配列を含むcDNA配列でもよい。例えば、対立遺伝子は参照配列(複数可)にあるような標準のものでもよいし、構造的または非構造的変異体などの変異体でもよい。野生型ヒトSPTLC2タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号3で特定される。
本明細書に記載の核酸変異体の有無を検出するのに用いられてもよい多数の解析手法があることは当業者に明らかである。任意の有核細胞由来の核酸は、こうしたアッセイ技術の出発点として用いることができ、当業者に周知の標準的な核酸調製手法によって単離することができる。対立遺伝子変異を検出するための多くの現行方法がNollauら(1997)によってならびに標準的な教科書、例えば、「Laboratory Protocols for Mutation Detection」U.Landegren編、Oxford University Press、1996、および「PCR」、第2版」Newton&Graham、BIOS Scientific Publishers Limited、1997に概説されている(参照により本明細書に組み込む。)。
本発明の方法は、インビボまたはインビトロで行うことができる。しかし、対象から得た生物試料中のSPTLC2遺伝子の核酸変異体をインビトロで検出することが好ましい。「生物試料」という用語は組織試料または体液試料を意味する。組織試料には、これらに限定されないが、口腔細胞、脳試料、皮膚試料、器官試料、胎盤組織または胎児細胞が含まれる。「体液」という用語は、これらに限定されないが、血液、血漿、血清、リンパ液、滑液、羊水、尿、唾液または脳脊髄液を含めた、体内に存在する全ての液体を指す。生物試料は、必要ならば、例えばホモジナイズまたは抽出による前処理にかけることにより得ることもできる。こうした前処理は、前処理される生物試料に応じて、当業者によって適切に選択される。
生物試料から調製される所期の配列を含む核酸は、DNA(例えばgDNAもしくはcDNA)またはRNA(例えばmRNA)から調製することができる。試料からの核酸の遊離、濃縮および単離は、当技術分野で既知の任意の方法によって行うことができる。現在、Qiagen(Hilden、Germany)の血液試料から核酸単離用のQIAamp Bloodキット、または「High pure PCR Template Preparationキット」(Roche Diagnostics、Basel、Switzerland)、またはDNA purificationキット(PureGene、Gentra、Minneapolis、US)などの様々な市販のキットが入手可能である。生物試料からDNAまたはRNAを単離するための他の周知の手法もまた利用可能である(Sambrookら、1989、Ausubelら、2003)。
評価するには核酸量が少ないまたは不十分である場合は、核酸を増幅することができる。こうした増幅手法は、例えばポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)、リガーゼ連鎖反応法(LCR)、核酸配列ベース増幅法(NASBA)、鎖置換増幅法、ローリングサークル増幅法、T7ポリメラーゼ増幅法および逆転写ポリメラーゼ反応法(RT−PCR)を含めた、当技術分野で既知の増幅方法で達成することができる。
抽出および/または増幅手法を行った後に、標的配列における特定の核酸変異体の有無を検出することができる。核酸配列の一塩基異常を検出するための多数の方法が当技術分野で周知である。本発明は、標的配列を検出するのに用いる、本明細書で開示する如何なる特定の方法によっても限定されない。こうした方法の例はGut(2001)およびSyvanen(2001)で述べられており、ならびにこれらに限定されないが、突然変異スキャンニングを目的とする、逆ドットブロット、ラインプローブアッセイ(LiPA)、geneChip(商標)マイクロアレイ、動的対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーション(DASH)、ペプチド核酸(PNA)プローブとロックド核酸(LNA)プローブ、TaqMan(商標)(5’ヌクレアーゼアッセイ)およびモレキュラービーコンなどのハイブリダイゼーション法;インターカレート色素、FRETプライマーおよびAlphascreen(商標)などの対立遺伝子特異的PCR法;ARMS、キネティックPCR、SNPstream(商標)、Genetic Bit Analysis(商標)(GBA)、マルチプレックスミニシークエンシング、SNaPshot、パイロシークエンシング、MassExtend、MassArray、Goodassay、マイクロアレイミニシークエンシング(microarray miniseq)、APEX(アレイ化プライマー伸長法(arrayed primer extension))、配列特異的プライミング(SSP)、マイクロアレイプライマー伸長法、タグアレイ、コード化ミクロスフェア(coded microspheres)、鋳型特異的取り込み(template−directed incorporation)(TDI)、蛍光偏光法などのプライマー伸長法;比色定量OLA、配列コード化OLA、マルチプレックスライゲーション依存性プローブ増幅(MLPA)、マイクロアレイライゲーション、リガーゼ連鎖反応、パドロックプローブおよびローリングサークル増幅などのオリゴヌクレオチドライゲーション法;制限酵素部位解析(RFLP)およびInvader(商標)アッセイなどのエンドヌクレアーゼ切断法;高解像度融解(HRM)解析を含む。好ましい実施形態では、核酸変異体の有無の検出は、突然変異スキャンニングを目的とする、DNAハイブリダイゼーションもしくはRNAハイブリダイゼーション、シークエンシング、PCR、プライマー伸長法、MLPA、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA)、制限酵素部位解析または高解像度融解(HRM)解析またはこれらの組み合わせによって測定される。したがって、本発明の方法は、試料から核酸を単離するステップおよび/または増幅ステップを場合によって含む。
本発明はまた、SPTLC2遺伝子の核酸変異体および/または野生型配列を増幅および/または検出するための単離オリゴヌクレオチド、すなわちプライマーおよびプローブも提供する。SPTLC2遺伝子の野生型配列は、そのゲノムDNA配列(配列番号1)またはcDNA配列(配列番号2)で特定される。標的核酸に特異的にハイブリダイズするこうしたプライマーまたはプローブは、少なくとも8、9、10、11、12、13、14または15ヌクレオチドからなり、40ヌクレオチドまで、30ヌクレオチドまで、またはより好都合には25ヌクレオチドまでの長さなどの任意の好都合な長さのものであり、例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチドの長さなどである。一般にこうしたプライマーまたはプローブは、SPTLC2遺伝子の対応する野生型または変異型遺伝子座に対して完全に相補的なヌクレオチド配列を含む。しかし、オリゴヌクレオチドプライマーまたはプローブの特定能力が過度に影響を受けない条件で、必要に応じて、1つまたは複数のヌクレオチドが付加されてもよく、または1つまたは複数のミスマッチが導入されてもよい。
遺伝子座における野生型または変異型対立遺伝子のどちらかを特異的に認識および増幅するように設計されたオリゴヌクレオチドプライマー(またはプライマー対)は対立遺伝子特異的プライマー(またはプライマー対)と称される。同じことが、対立遺伝子特異的プローブ、すなわち野生型または変異型対立遺伝子のどちらかに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブについても当てはまる。
特異的な長さおよび配列のプローブおよびプライマーは、所要の核酸標的の複雑さならびに温度およびイオン強度などの反応条件によって決まる。一般に、ハイブリダイゼーション条件は、当技術分野で既知のようなストリンジェントとする。「ストリンジェント」は、ヌクレオチド配列が関連配列または非特異的配列に結合することができる条件を指す。例えば、高温度およびより低塩は、非特異的結合または低融解温度による結合を解消するようにストリンジェンシーを高める。
本発明のプライマーまたはプローブは、検出を容易にするために1つまたは複数の標識を有することができる。標識の性質は本発明にとって重要ではなく、蛍光性、化学発光性、酵素性、放射性、化学性または他のものでもよく、但し、標識がオリゴヌクレオチドの正確なハイブリダイズを妨げないものとする。
好ましい実施形態では、プライマーおよびプローブは、10から30ヌクレオチド、好ましくは15から30または15から25ヌクレオチドからなり、SPTLC2遺伝子の一部とハイブリッドを特異的に形成することができ、1)配列番号1または2によって代表される配列とストリンジェント条件下でハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドまたはそれらの相補体、2)配列が配列番号1または2によって代表される配列と80、85または90%が同一であるオリゴヌクレオチドまたはそれらの相補体、および3)1つまたは複数のヌクレオチドが置換、欠損、挿入または付加などの変異を受けた、配列番号1または2によって代表される配列とストリンジェント条件下でハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドまたはそれらの相補体からなる群から選択される、少なくとも1つまたは複数である。
より具体的には、本発明は、配列番号1または2における1つまたは複数の核酸変異体の存在を検出するための10から30ヌクレオチド、好ましくは15から30または15から25ヌクレオチドからなる、単離オリゴヌクレオチドまたは相補鎖に関する。より特定すると、核酸変異体は、配列番号2の位置1145、1075または1510に位置する。
SPTLC2遺伝子に位置する多型はまた、単離SPTLC2タンパク質において、前記タンパク質をシークエンシングしてアミノ酸変化の有無を決定することによってインビトロで検出することもできる。アミノ酸変化は、当技術分野で既知の任意の従来の方法、例えば、質量分光、ゲル電気泳動、MALDI−TOF質量分光、ELISA、プロテインアレイ、分子量測定または等電点分画電気泳動によって検出することもできる。
いずれのヒト遺伝子も本発明の方法を用いて試験することができる。特定された異なる遺伝子マーカーのうち、さらに重要な危険因子は、1つまたは複数の以下の遺伝子の多型または核酸変異である(Rotthierら2009):SPTLC1(例えばBejaouiら2001、Dawkinsら2001)、RAB7A(例えばVerhoevenら2003、Meggouhら2006)、WNK1/HSN2(例えばLafreniereら2004)、IKBKAP(例えばSlaugenhauptら2001)、FAM134B(例えばKurthら2009)、NTRK1(例えばIndoら1996)、NGFβ(例えばEinarsdottirら2004、Houldenら2001)、CCT5(例えばBouhoucheら2006a)またはSCN9A(例えばCoxら2006)。
さらなる実施形態では、本発明の方法はまた、治療剤が感覚性ニューロパチー疾患の危険性を有しているまたはこれに罹患している患者に適し得るか、およびどの治療剤がこうした患者に適し得るかを決定することに使用することもできる。治療剤は、疾患を予防または治療するのに使用することができる。本明細書で使用する場合、「疾患を予防すること」という用語は、疾患の発症を抑制または逆行させること、疾患の初期徴候を抑制または逆行させること、疾患の臨床症状の出現を抑制することを意味する。本明細書で使用する場合、「疾患を治療すること」という用語には、疾患を実質的に抑制すること、疾患の進行を実質的に遅延または逆行させること、疾患の臨床症状を実質的に改善することまたは疾患の臨床症状の出現を実質的に予防することが含まれる。
本発明の別の態様は、本明細書に記載の方法において使用するための診断キットに関する。より特定すると、本発明は、感覚性ニューロパチー疾患の危険性を有している、これに罹患している危険性を有しているまたはこれに罹患している対象を特定するためのキットを包含する。このキットは、前記対象のSPTLC2遺伝子における核酸変異体の検出に基づくことができる。したがって、本発明のキットはSPTLC2遺伝子の核酸変異体を選択的に検出する試薬を備える。
SPTLC2遺伝子の核酸変異体の検出に基づくキットは以下を備えることができる:
(a)前記対象のSPTLC2遺伝子において1つまたは複数の核酸変異体の有無を検出するための手段または試薬、および
(b)場合によって、対象が感覚性ニューロパチー疾患の危険性を有しているかまたはこれに罹患しているかを、ステップ(a)の手段によって検出された核酸変異体から決定するための手段。
より好ましくは、キットは、SPTLC2遺伝子のコード領域における1つまたは複数の核酸変異体の有無を検出するための手段を備える。本発明の好ましい実施形態では、キットは以下を備える:
(a)以下の位置、すなわちcDNA配列(配列番号2)で特定され得るようなSPTLC2遺伝子のコード領域の1145、1075または1510の1箇所または複数個所において、核酸変異体の有無を検出するための手段または試薬、および
(b)場合によって、対象が感覚性ニューロパチー疾患の危険性を有しているかまたはこれに罹患しているかを、ステップ(a)の手段によって検出された核酸変異体から決定するための手段。
特定の実施形態では、前記キットのステップ(a)の手段または試薬は、これらに限定されないが以下を含むことができる:
(i)適切な場合には、生物試料中に存在する標的SPTLC2ポリ核酸を得るおよび/またはそれらのヌクレオチド配列を得るための手段、
(ii)標的SPTLC2核酸の検出に適した少なくとも1つのオリゴヌクレオチドおよび/または標的SPTLC2ポリ核酸の増幅に適した少なくとも1つのオリゴヌクレオチド対、
(iii)適切な場合には、核酸を変性させるための薬剤、
(iv)適切な場合には、二本鎖または一本鎖の核酸分子を修飾することができる酵素、
(v)適切な場合には、ハイブリダイゼーション緩衝液または前記緩衝液を作製するのに必要な成分、
(vi)適切な場合には、洗浄液または前記溶液を作製するのに必要な成分、
(vii)適切な場合には、部分的または完全に変性したポリ核酸を検出するための手段および/または前記ハイブリダイゼーションにおいて形成されたハイブリッドを検出するための手段および/または核酸の酵素的修飾を検出するための手段、
(viii)適切な場合には、固形担体上の既知の位置にオリゴヌクレオチドを結合させる手段。
好ましい実施形態では、前記キットのステップ(a)の手段または試薬は、標的SPTLC2核酸の検出に適した少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプローブを含む。特定の実施形態では、標的SPTLC2核酸はコード領域またはそれらの一部に位置する。さらにより特定すると、標的SPTLC2核酸は、SPTLC2遺伝子のcDNAの位置1145、1075および/または1510に位置する。示された位置は、野生型ヌクレオチドまたはそれらの核酸変異体のいずれかを有する。場合によって、ステップ(a)の手段または試薬は、標的SPTLC2ポリ核酸の増幅に適した少なくとも1つのプライマー対も含む。より具体的には、標的ポリ核酸はSPTLC2遺伝子のコード領域またはそれらの一部である。さらにより特定すると、標的SPTLC2ポリ核酸は、SPTLC2遺伝子のcDNAの位置1145、1075および/または1510を含む。示された位置は、野生型ヌクレオチドまたはそれらの核酸変異体のいずれかを有する。
「ハイブリダイゼーション緩衝液」という用語は、オリゴヌクレオチドと試料中に存在するポリ核酸または増幅産物との間のハイブリダイゼーション反応を適切なストリンジェンシー条件下で可能にする緩衝液を意味する。「洗浄液」という用語は、適切なストリンジェンシー条件下で、形成したハイブリッドの洗浄を可能にする溶液を意味する。
キットに関する特定の実施形態では、SPTLC2遺伝子において核酸変異体の有無を検出するための手段は、マルチプレックスアッセイを含む。
ステップ(a)の手段で検出されたSPTLC2遺伝子の核酸変異体から、対象が感覚性ニューロパチー疾患の危険性を有しているかまたはこれに罹患しているかを決定するための前記キットのステップ(b)の手段には、感覚性ニューロパチー疾患に対する危険性またはこれの存在を与えるSPTLC2核酸変異体またはハプロタイプを示す、一般に「素因危険性アルゴリズム(predisposition risk algorithm)」と称される表、チャートまたは類似物が含まれる。本明細書で使用する場合、「チャート」という用語は、関連情報を含むグラフ表示、視覚資料、図表、図面、グラフ、シート、地図などを指す。危険性の決定は、手作業でまたはコンピューターを使用して行うことができる。
本発明のキットは、感覚性ニューロパチー疾患に関して、核酸変異体の有無の検出のための前記手段または試薬に加えて、他の危険因子、例えば、ある遺伝子の核酸変異体を検出するための手段を備えることができる。好ましい実施形態では、キットは、SPTLC1、RAB7A、WNK1/HSN2、IKBKAP、FAM134B、NTRK1、NGFβ、CCT5またはSCN9Aからなる群から選択される遺伝子の少なくとも1つの遺伝子型またはこれらにおける核酸変異体を検出するための手段、好ましくはプローブをさらに備える。
以下の例は、本発明のさらなる理解を促進させることを意図する。本発明は、例示した実施形態を参照して本明細書で説明されるが、本発明は、本明細書に限定されないことを理解されたい。当業者および本明細書の教示にアクセスする者は、それらの範囲内においてさらなる変形および実施形態を認識するものとする。したがって、本発明は本明細書に添付した特許請求の範囲によってのみ限定される。
[実施例1]
SPTLC2の突然変異はHSAN−Iに関係する
SPTLC2(染色体座位14q24.3)のコード配列およびイントロン−エキソン境界部位を、以前にスクリーニングされ、他の既知HSAN遺伝子(SPTLC1、RAB7A、WNK1/HSN2の全コード領域、FAM134B、NTRK1、NGFBおよびCCT5)における突然変異について陰性であると分かった(Rotthierら2009、Kurthら2009)78人のHSAN罹患患者において解析した。本出願人らは、4人の発端患者において3つのヘテロ接合型ミスセンス突然変異を同定し、その人たちに関する臨床的および電気生理学的な情報を表1および表2にまとめる。この突然変異は300人のヨーロッパ人対照個体には存在しなかった。
c.1145G>T配列変異(p.G382V)は2家族(CMT−1044およびCMT−1117、図2a)で発見された。家族CMT−1117の発端者では、38歳で進行性の遠位感覚消失および下肢の遠位筋衰弱が現れた。臨床症状は、家族CMT−1044の一員と類似していた。さらに、この患者は、手足に感覚不全を経験しており、親指の骨髄炎を発症していた。ハプロタイプ解析により、これらの家族は血縁関係にないことが分かった(データ非表示)。
第2のヘテロ接合型突然変異(c.1075G>A、p.V359M)は孤立性患者(CMT−747.I:1、図2b)で発見された。この患者は、足指切断を必要とする足部潰瘍を伴う遠位型感覚機能障害発症後にHSANと診断された。運動または自律神経障害の徴候は認められなかった。
第3の突然変異(c.1510A>T、p.I504F)は、潰瘍、骨髄炎および無汗を併発した非定型の早発性感覚運動性ニューロパチーを呈した患者CMT−635.II:1に見つかった、ヘテロ接合型のデノボ突然変異である(図2c)。親子鑑定を行って親子関係を確認した。
優性軸索感覚運動性ニューロパチーが現れている全ての患者において、神経伝導検査を実施した。この診断は、患者CMT−747.I:1における腓腹神経生検によって裏付けられた(表1および表2)。
SPTLC3(染色体座位20p12.1、GenBank受託番号NM_018327)のコード領域またはイントロン−エキソン境界部位において、疾患に関連する配列変異体は特定されなかった。
[実施例2]
SPTLC2突然変異はSPT活性の低下に関係する
SPTLC2の3つの突然変異全ては、それらが機能的に重要であり得ることを示す高度に保存されたアミノ酸(図3a)を標的にする。本出願人らは、安定的にトランスフェクトされたFlp−in HEK293細胞において、これらの突然変異がSPT活性に与える影響の試験に着手した。Flp−inシステムは、特異的なゲノム位置における導入遺伝子1コピーの安定的挿入を確実なものにする。この方法で、異なる導入遺伝子の適度なおよび等しい発現が得られる。SPT下流にあるスフィンゴ脂質のデノボ生合成経路を阻害するカビ毒であるフモニシンB1(Wangら1991)(図1)で細胞を24時間処理した。SPTによるパルミトイルCoAとセリンとの縮合がこの生合成経路の律速ステップであるため、結果として生じるスフィンガニン(SA)の蓄積は、標準的なSPT活性(L−セリンの取り込み)を反映する。野生型(wt)SPTLC2の安定発現は、GFPを安定的に発現している対照細胞と比較して、SA蓄積を8倍増大させた。これは、野生型SPTLC2の過剰発現がより高いSPT活性を実際に導くという以前の報告(Hornemannら2006)に一致する。これに反して、G382V突然変異型の安定発現は、基礎レベルより上にSA蓄積を増大させなかった。V359M発現細胞およびI504F発現細胞は、SA蓄積の増大を示したが、野生型SPTLC2発現細胞よりずっと不明瞭であった(図4a)。したがって、これら3つの突然変異は、部分的なSPT活性の喪失から完全なSPT活性の喪失までをもたらす。
標準SPT活性への影響を代替的な放射性ベースのインビトロアッセイによって確認した。全脂質を野生型または突然変異型のSPTLC2を安定的に発現しているHEK293細胞から抽出し、14C標識L−セリン、PLPおよびパルミトイルCoAとインキュベートし、その後放射性標識されたセリンの取り込みを測定した(図4b)。結果は先のアッセイの結果と似ていた。野生型SPTLC2の安定発現は、SPT活性を著しく増加させたが、G382Vの発現は基礎レベルより上にSPT活性を高めなかった。V359M突然変異型またはI504F突然変異型の発現は、SPT活性を上昇させたが、野生型SPTLC2と程度が異なった。V359M発現細胞およびI504F発現細胞のSPT活性の相対的な増大は、フモニシンB1阻害アッセイのものよりも明白であった(図4a)。この違いは、先のアッセイ中に細胞培養培地に存在するセリン濃縮と比較して、後のインビトロアッセイで使用したセリンの濃縮がより高いことで説明することができる。
[実施例3]
S.セレビシエにおいてSPTLC2突然変異型はインビボSPT活性に異なる影響を与える
インビボで標準SPT活性の喪失を確証するために、本出願人らは、対応する酵母の突然変異型を(図3A)、ヘテロ接合型LCB2欠損酵母系統(LCB2はSPTLC2のS.セレビシエ相同分子種である。LCB2配列に対するGenBank受託番号はNM_001180370である。)で発現させ、内在性LCB2を有するまたは有さない2つの一倍体胞子を得るために、四分子分析を行った。期待された通り、4つの胞子全ては、これらが野生型または突然変異型のLCB2を発現したかどうかに関係なく、許容温度である18℃で生育した。制限温度(37℃)では、(残存)SPT活性を有する胞子は生育可能であるが、LCB2を有さないまたは機能しないLCB2を有する胞子は、フィトスフィンゴ脂質を産生し生育するために、フィトスフィンゴシンの外部添加に依存する(Dunnら2000)。フィトスフィンゴシンなしで4つの等しい大きさのコロニーが出現したこと(図5)から明らかであるように、野生型LCB2はLCB2の欠損を相補することができた。これとは対照的であるが、ドミナントネガティブであるLCB2のK366T突然変異(Gableら2002)と類似して、G369V突然変異(SPTLC2のG382Vに対応する。)を発現している酵母胞子は、内在性のLCB2が存在する時のみコロニーを生じた。このことは、この突然変異型がLCB2欠損を相補できないことを示す。V346M突然変異型およびI491F突然変異型(SPTLC2のV359MおよびI504Fにそれぞれ対応する。)によってもたらされた残存活性は、37℃での成長を回復するのに十分であった。これは、本出願人らの生化学的なデータと一致する。
[実施例4]
突然変異型SPTはそのアミノ酸基質に対して曖昧性を示す
最近の報告によって、HSAN−IのSPTLC1突然変異はSPT酵素の基質特異性に影響することが示されている。すなわち、突然変異型SPTは、別の基質としてL−アラニンおよびそれほどではないがグリシンを代謝することができる。これは、非定型および神経毒性のスフィンゴイド塩基代謝産物1−デオキシ−SAおよび1−デオキシメチル−SAの形成をもたらす(Zitomerら2009、Pennoら2010)。末梢神経におけるこれらの代謝産物の蓄積はHSAN−Iの根本原因であるとみなされていた(Pennoら2010)。SPTLC2突然変異がSPTの酵素親和性に対して同様に影響を及ぼし、代替代謝産物の同様の蓄積を起こすかどうかを試験するために、突然変異型を発現しているHEK293細胞のスフィンゴイド塩基プロファイルを解析した。野生型SPTLC2を安定的に発現している細胞において、1−デオキシ−SAの量は対照細胞と類似しており(図6a)、このことは、SPT活性の増大それ自体は基質特異性を変化させないことを示す。これに反して、突然変異体の発現は、対照細胞と比較して20倍までの高い1−デオキシ−SAレベルをもたらし、最高レベルはG382VまたはI504Fの突然変異型酵素を安定的に発現しているHEK細胞であった。HEK細胞およびリンパ芽球細胞の両方における1−デオキシメチル−SA発生レベルは検出限界を下回った。
HEK細胞で得られた結果がHSAN−I患者の状況を反映するかどうかを確認するために、それぞれG382V突然変異およびI504F突然変異を有する2人のHSAN−I患者由来のリンパ芽球細胞系の1−デオキシ−SAレベルを測定した。両細胞系統において、罹患していない家族構成員または血縁関係にない健常対照個体と比較した場合、1−デオキシ−SAの蓄積が観察された(図6b)。この発見は、本出願人らのインビトロでの結果に一致し、さらに重要なことに、1−デオキシ−SAの蓄積は生理的に関連し得ることを示す。
実施例の材料および方法
対象
本試験のために、一群の78人の遺伝性の潰瘍断節性感覚性ニューロパチー患者を選択した。組み入れ基準はRotthierら2009で既に述べられている。このコホートは、臨床的特徴および異なる遺伝様式において大きな変動を示すが、全ての患者は進行性の遠位型感覚機能障害を共有する。本試験に組み入れる前に、全ての患者または彼らの法定代理人から治療担当医師によってインフォームドコンセントを得た。
突然変異解析
DNA試料は全て、全ゲノム増幅キット「GenomiPhi V2 DNA Amplificationキット」(GE Healthcare)を使用して増幅した。SPTLC2およびSPTLC3のエキソンの100bp上流および100bp下流までのコード領域およびエキソン−イントロン境界部位を、Primer3およびSNPboxソフトウェアツール(RozenおよびSkaletsky2000、Weckxら2004)を用いて設計したオリゴヌクレオチドプライマーを使用してPCRで増幅した。プライマー配列を表3および表4に列挙する。突然変異スクリーニングは、BigDye(登録商標)Terminator v3.1 Cycle Sequencingキット(Applied Biosystems)を使用して、精製PCR断片のダイレクトDNAシークエンシングによって行い、ABI3730xl DNA Analyzer(Applied Biosystems)で分離した。得られた配列を整列させ、novoSNP(Weckxら2005)およびSeqMan(商標)IIプログラムを用いて解析した。配列変異体は、最初のDNA試料に関する再PCRおよび両方向のシークエンシングによって確認した。
親子関係は、ゲノム全体にわたって分布している非常に有益な15のショートタンデムリピート(STR)(ATA38A05、D1S1646、D1S1653、D1S1360、D2S2256、D3S3037、D4S2382、D4S3240、D7S509、D8S1759、D9S1118、D12S1056、D12S2082、D16S2619およびGATA152H04)を使用して試験した。STRをPCRで増幅して、PCR断片をABI3730xl DNA Analyzerにかけた。遺伝子型はLocal Genotype Viewerを使用して解析した。
クローニング
SPTLC2cDNA(NM_004863.2)を増幅し、Gateway(登録商標)エントリーベクターpDONR221(Invitrogen)に以下のプライマーを使用してクローニングした。
SPTLC2_attb1: 5’−gggacaagtttgtacaaaaaagcaggctatgcggccggagcccggaggctgct−3’ (配列番号4);および
SPTLC2_attb2: 5’−ggggaccactttgtacaagaaagctgggtccgtcttctgtttcttcatacgtc−3’ (配列番号5)
SPTLC2突然変異は、以下のプライマーを使用して部位特異的突然変異誘発によって導入した。
SPTLC2_V359M_fw: 5’−ccacaggccggggtatggtggagtac−3’ (配列番号6)
SPTLC2_V359M_rv: 5’−gtactccaccataccccggcctgtgg−3’ (配列番号7)
SPTLC2_G382V_fw: 5’−gaacgttcacaaagagttttgttgcttctggaggatatattgg−3’ (配列番号8)
SPTLC2_G382V_rv: 5’−ccaatatatcctccagaagcaacaaaactctttgtgaacgttc−3’ (配列番号9)
SPTLC2_I504F_fw: 5’−ttcctgccaccccaatttttgagtccagagcc−3’ (配列番号10)
SPTLC2_I504F_rv: 5’−ggctctggactcaaaaattggggtggcaggaa−3’ (配列番号11)
コンストラクトをデスティネーションベクターpEF5/FRT/V5−DEST(Invitrogen)中に組換え、cDNAをC末端のV5−タグと融合させた。全てのコンストラクトはシークエンシングによって確認した。適切な細胞系統をFlp−in宿主細胞系統HEK293を使用して製造業者の指示(Invitrogen)に従って作出した。
それ自身のプロモーター(開始コドンの700bp上流)および自身のターミネーター(終止コドンの450bp下流)とともに酵母LCB2遺伝子を、LEU2遺伝子を内部に持つYCplac111プラスミドベクターにクローニングした。以下のプライマーを使用して部位特異的突然変異誘発で突然変異およびHA−タグを導入した。
LCB2_HA_fw:5’−gccactacctgagcccgttgtcagcgtagtctgggacgtcgtatgggtaagcgtagtctggga cgtcgtatgggtaagcgtagtctgggacgtcgtatgggtagacacccctccttattacatttc−3’ (配列番号12)
LCB2_HA_rv:5’−gaaatgtaataaggaggggtgtctacccatacgacgtcccagactacgcttacccatacgacgt cccagactacgcttacccatacgacgtcccagactacgctgacaacgggctcaggtagtggc−3’ (配列番号13)
LCB2_V346M_fw: 5’−gcccaactggtcgcggtatgtgtgaaatatttggcg−3’ (配列番号14)
LCB2_V346M_rv: 5’−cgccaaatatttcacacataccgcgaccagttgggc−3’(配列番号15)
LCB2_G369V_fw: 5’−gtactttcactaagtcgtttgttgctgctggtggttacattg−3’ (配列番号16)
LCB2_G369V_rv: 5’−caatgtaaccaccagcagcaacaaacgacttagtgaaagtac−3’(配列番号17)
LCB2_ I491F_fw: 5’−cttatcctgctactccgctgtttgaatcaagagtaagattctg−3’(配列番号18)
LCB2_I491F_rv: 5’−cagaatcttactcttgattcaaacagcggagtagcaggataag−3’(配列番号19)
LCB2_K366T_fw: 5’−ctaatgggtactttcactacttcgtttggtgctgctggtg−3’(配列番号20)
LCB2_K366T_rv: 5’−caccagcagcaccaaacgaagtagtgaaagtacccattag−3’(配列番号21)
細胞培養の材料および条件
HEK293Flp−in細胞を10%ウシ胎仔血清、L−グルタミンおよびペニシリン/ストレプトマイシンを追加したDMEM中で37℃および5%COで培養した。リンパ芽球様細胞系を10%ウシ胎仔血清、L−グルタミン、ピルビン酸ナトリウムおよびペニシリン/ストレプトマイシンを追加したRPMIで37℃および5%COで培養した。細胞培養培地および追加物は全てInvitrogenから得た。
リンパ芽球様細胞系
全血液試料を15mlのフィコールパックと混合し、10分間遠心分離した。洗浄後、リンパ球をエプスタインバールウイルスで形質転換し、37℃で2時間インキュベートした。遠心分離後、1%フィトヘマグルチニンを加えた4mlのRPMI完全培地にペレットを再懸濁させた。細胞を24ウェルプレートに播種して、37℃および5%COで最低3日間インキュベートした。細胞を分割し、必要に応じて新鮮な培地を補充した。
酵母相補性アッセイ
野生型または突然変異型のLCB2を含有するYCplac111コンストラクトを、カナマイシン抵抗性遺伝子でLCB2が置換されたヘテロ接合型LCB2欠損系統(BY4743)に形質転換し(Gietzら2007)、胞子形成させた。得られた四分子を分離してLCB2の内在性の発現を欠く一倍体胞子を獲得し、フィトスフィンゴシン(15μM、Avanti Polar Lipid)および0.1%テルギトールを有するYPD培地で26℃で生育させた。2日後、異なる生育培地、すなわち18℃および37℃(酵母SPT突然変異型は温度感受性生育の表現型を有する[Dunnら2000]。)のYPD培地、ロイシンなしの合成最少培地(形質転換された胞子の選抜を可能にする。)およびジェネテシン(LCB2欠損胞子の選抜)を有するYPD培地にレプリカ培養を行った。各コンストラクトに関して、少なくとも6つの四分子を解析した。別段の指定がない限り、培地および追加物はSigmaから得た。
RNA単離およびmRNA解析
全mRNAをRNeasy miniキット(Qiagen)を使用して精製した。Turbo DNA freeキット(Ambion)を使用してDNA不活化を行い、cDNA合成をSuperscript III first strand synthesis system for RT−PCR(Invitrogen)を用いて行った。SPTLC2の発現(内在性およびコンストラクト)を以下のプライマーの組み合わせを使用して解析した。
SPTLC2_Fw:5’−gagtccagagccaggttttg−3’(配列番号22)、および
SPTLC2_3’UTR_Rv:5’−ctgagggagcaccaaaaag−3’(配列番号23)(内在性のSPTLC2発現用)、または
V5_Rv:5’−gagagggttagggataggcttac−3’(配列番号24)(SPTLC2コンストラクト用)。
リアルタイムqPCR(RT−qPCR)反応は、SYBR Green Iミックス(Applied Biosystems)中で10ngのcDNAを用いて3重で行い、ABI Prism 7900 HT Sequence Detection System(Applied Biosystems)にかけた。プライマーは、特異性および増幅効率について確認した。RT−qPCRデータをVandesompeleら2002によって述べられた方法に従って標準化した。相対発現レベルを使用してフモニシンB1阻害アッセイ、インビトロSPT活性アッセイおよび1−デオキシ−SA定量化のデータを標準化した。
フモニシンB1阻害アッセイ
本アッセイは、Pennoら2010に記載されているように行った。手短に述べると、細胞が指数関数的に生育する培地にフモニシンB1(Sigma)を10μg/mlの終濃度で添加した。負の対照として、SPT阻害剤のミリオシン(10μg/ml、Sigma)をフモニシンB1とともに添加した。フモニシンB1を添加してから24時間後に、細胞をPBSで2回洗浄し、回収して、計数した(Coulter(登録商標)Z2、Beckman Coulter)。次に、この細胞を塩基性条件下で脂質抽出にかけた(以下を参照されたい。)。スフィンゴイド塩基をLC−MSによって定量化した。合成C17スフィンゴシン(Avanti Polar Lipids)を内部抽出標準として各試料に添加した。
インビトロ放射性ベースのSPT活性アッセイ
SPT活性をRuttiら2009に記載の放射活性ベースのアッセイを使用して測定した。手短に述べると、400μgの全細胞可溶化物、50mMのHEPES(pH8.0)、0.5mMのL−セリン、0.05mMのパルミトイルCoA、20μMのピリドキサール−5’−リン酸、0.2%のショ糖モノラウレート(sucrose monolaureate)(全てSigma)および0.1μCiのL−[U−14C]セリン(Amersham)を混合し、37℃でインキュベートした。対照反応において、SPT活性はミリオシン(40μM、Sigma)の添加によって特異的に阻害された。60分後に反応を終了し、Rileyら1999の方法に従って脂質を抽出した(以下を参照されたい。)。
脂質抽出および加水分解
全脂質をRileyら1999の方法に従って細胞または血漿から抽出した。酸加水分解については、乾燥脂質を200μlのメタノールHCl(メタノール中に1N HCl/10M水を入れたもの)に再懸濁させ、12−15時間65℃で保った。この溶液を40μlのKOH(5M)を添加して中和し、続いて以下のように実施した塩基加水分解にかけた。0.5mlの抽出緩衝液(メタノール中に0.125M KOHを入れたもの4容量+クロロホルム1容量)をこの溶液に加えた。続いて、0.5mlのクロロホルム、0.5mlのアルカリ水および100μlの2Mアンモニアをこの順番で加えた。液相を遠心分離(12.000g、5分)で分離させた。上相を吸引し、下相をアルカリ水で2回洗浄した。最後に、脂質をN2下でクロロホルム相の蒸発によって乾燥させ、液体クロマトグラフィー質量分析(LC−MS)解析にかけた。
抽出した脂質を56.7%メタノール−33.3%エタノール−10%水中に可溶化し、オルトフタルアルデヒドで誘導体化した。この脂質をC18カラム(Uptispere 120A、5μm、125×2mm、Interchim、France)蛍光検出器(HP1046A、Hewlet Packard)で分離して、続いてMS検出器(LCMS−2010A、Shimadzu)で検出した。APCI(大気圧化学イオン化)を使用してイオン化した。非天然C17スフィンゴシン(Avanti Polar Lipids)を内部標準として使用した。保持時間は以下の通りである。C17SO(内部標準):6分、スフィンゴシン:7.5分、1−デオキシスフィンゴシン:9分、1−デオキシメチルスフィンゴシン:10.5分、スフィンガニン:10.5分、1−デオキシメチルスフィンガニン:13分、1−デオキシスフィンガニン:13.5分。MSデータは、LCMS solution(Shimadzu)およびMS Processor v.11(ACD Labs)を使用して解析した。
統計
両側の対のないスチューデントのt検定を使用して統計解析を行った。エラーバー(標準偏差)およびP値(スチューデントのt検定)を3回の独立した実験に基づいて計算した。
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Claims (10)

  1. 感覚性ニューロパチー疾患の危険性を有しているまたは前記疾患に罹患している対象の特定を補助する方法であって、配列番号2における位置1333、1263及び1698のうちの少なくとも1つの位置における、SPTLC2遺伝子の少なくとも1つの核酸変異体の存在を検出することを含み、前記少なくとも1つの核酸変異体の存在により、対象が感覚性ニューロパチー疾患の危険性を有しているかまたは前記疾患に罹患しているかが特定される、方法。
  2. 核酸変異体が、少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠損および/または挿入である、請求項1に記載の方法。
  3. 感覚性ニューロパチー疾患が、HSAN1型、HSAN2型、HSAN3型、HSAN4型およびHSAN5型からなる群から選択される遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチー疾患である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 少なくとも1つの他の遺伝子における核酸変異体の有無を検出することをさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 他の遺伝子が、SPTLC1、RAB7A、WNK1/HSN2、IKBKAP、FAM134B、NTRK1、NGFβおよびCCT5からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 核酸変異体の存在の検出が、以下の方法:突然変異スキャンニングのための、ハイブリダイゼーション、シークエンシング、PCR、プライマー伸長法、マルチプレックスライゲーション依存性プローブ増幅(MLPA)、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA)、制限酵素部位解析または高解像度融解曲線(HRM)解析の少なくとも1つによって行われる、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 感覚性ニューロパチー疾患の危険性を有しているまたは前記疾患に罹患している対象を特定するためのキットであって、
    (a)配列番号2における位置1333、1263及び1698のうちの少なくとも1つの位置における、SPTLC2遺伝子の1つまたは複数の核酸変異体の有無を検出するための手段、および
    (b)ステップ(a)の手段で検出された核酸変異体から、対象が感覚性ニューロパチー疾患に関連する兆候の危険性を有しているかまたは前記兆候を有しているかを決定するための手段
    を含むキット。
  8. ステップ(a)の手段が、標的SPTLC2核酸の検出に適した少なくとも1つのオリゴヌクレオチドおよび/または標的SPTLC2核酸の増幅に適した少なくとも1つのオリゴヌクレオチド対である、請求項7に記載のキット。
  9. SPTLC2核酸における1つまたは複数の核酸変異体の存在を検出するための、15から30ヌクレオチドからなる単離オリゴヌクレオチドまたはこの相補鎖であって、ここで、前記オリゴヌクレオチドは、配列番号2の位置1333、1263又は1698における置換を含む配列に特異的にハイブリダイズする、オリゴヌクレオチド又はその相補鎖。
  10. 位置1333、1263又は1698を含む配列番号2の配列に特異的にハイブリダイズする15から30ヌクレオチドからなる単離オリゴヌクレオチド。
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