JP5992132B1 - 量子暗号装置および信号光の偏波補償方法 - Google Patents

量子暗号装置および信号光の偏波補償方法 Download PDF

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Abstract

送信側干渉計(13)を有する送信機(10)と、受信側干渉計(22)を有する受信機(20)との間で量子暗号処理された通信を行う量子暗号装置において、受信側干渉計(22)の温度が、受信側干渉計(22)の導波路長差をビート長の整数倍とする偏波無依存温度となるように温度調整するように構成するとともに、受信側干渉計(22)の導波路に圧力を付与することで、偏波無依存温度を調整するように構成する。

Description

本発明は、受信機の受信側干渉計の導波路に圧力を付与する圧力付与機構を備えた量子暗号装置、および量子暗号装置に適用される信号光の偏波補償方法に関するものである。
量子暗号を行うと、通信を行う送受信機間で秘密鍵を共有することができる。しかしながら、伝送路中で信号光にノイズが加わり、偏光状態がランダムに変化すると、光学系の干渉明瞭度が劣化し、結果として、装置性能が低下する。なお、装置性能とは、例えば、秘密鍵の生成速度または通信距離などの性能である。
そこで、光学系の干渉明瞭度の劣化を抑制することで装置性能の低下を抑えることを実現するための手法が提案されている。具体的には、このような干渉明瞭度の劣化を防ぐためには、信号光の偏波補償を行うこととなる。
従来の偏波補償方式の1つとしては、非対称Mach−Zehnder干渉計を受信側干渉計として使用し、受信側干渉計において、導波路の複屈折率を制御することで、導波路長差をビート長の整数倍となるように適切に調整する方式がある(例えば、非特許文献1参照)。なお、ビート長とは、入射した光の偏光状態が再び同一の偏光状態に戻るまでの距離である。複屈折率の制御は、例えば、ヒーター等で受信側干渉計の導波路の温度を調整することで実現される。
T.Kimura.et al.「Single−photon Interference over 150km Transmission Using Silica−based Integrated−optic Interferometers for Quantum Cryptography」Japanese Journal of Applied Physics. Vol.43, No.9A/B, 2004, pp. L1217−L1219
本発明者は従来技術の課題について検討した結果、次のような課題に着目した。量子暗号装置の通信速度を大きくするためには、量子暗号装置の駆動周波数を大きくする必要がある。しかしながら、量子暗号装置の駆動周波数を大きくするのに従って、受信側干渉計の導波路長差を大きくする必要がある。
したがって、受信側干渉計において、複屈折率を制御するために温度を調整するように構成する場合、導波路長差をビート長の整数倍にするのに必要な温度が、受信側干渉計で設定可能な許容温度範囲内に存在しない可能性がある。その結果、受信側干渉計において、導波路長差をビート長の整数倍にすることができず、光学系の干渉明瞭度の劣化を抑制することができない。
このように、量子暗号装置において、通信速度の高速化と、光学系の干渉明瞭度の劣化の抑制とを両立することが困難であるという問題がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、通信速度を高速化しつつ、光学系の干渉明瞭度の劣化を抑制することのできる量子暗号装置および信号光の偏波補償方法を得ることを目的とする。
本発明における量子暗号装置は、送信側干渉計を有する送信機と、受信側干渉計を有する受信機との間で量子暗号処理された通信を行う量子暗号装置であって、受信側干渉計の温度が、受信側干渉計の導波路長差をビート長の整数倍とする偏波無依存温度となるように温度調整可能な温度調整部と、受信側干渉計の導波路に圧力を付与することで、偏波無依存温度を調整する圧力付与機構と、を備え、圧力付与機構は、偏波無依存温度が受信側干渉計の許容温度範囲内に収まるように受信側干渉計の導波路に圧力を付与するものである。
また、本発明における信号光の偏波補償方法は、送信側干渉計を有する送信機と、受信側干渉計を有する受信機との間で量子暗号処理された通信を行う量子暗号装置に適用される信号光の偏波補償方法であって、受信側干渉計の温度が、受信側干渉計の導波路長差をビート長の整数倍とする偏波無依存温度となるように温度調整するステップと、受信側干渉計の導波路に圧力を付与することで、偏波無依存温度を調整するステップと、を備え、偏波無依存温度を調整するステップでは、偏波無依存温度が受信側干渉計の許容温度範囲内に収まるように受信側干渉計の導波路に圧力を付与するものである。
本発明によれば、送信側干渉計を有する送信機と、受信側干渉計を有する受信機との間で量子暗号処理された通信を行う量子暗号装置において、受信側干渉計の温度が、受信側干渉計の導波路長差をビート長の整数倍とする偏波無依存温度となるように温度調整するように構成するとともに、受信側干渉計の導波路に圧力を付与することで、偏波無依存温度を調整するように構成する。これにより、通信速度を高速化しつつ、光学系の干渉明瞭度の劣化を抑制することのできる量子暗号装置および信号光の偏波補償方法を得ることができる。
本発明の実施の形態1における量子暗号装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における受信側干渉計を示す構成図である。
以下、本発明による量子暗号装置、および量子暗号装置に適用される信号光の偏波補償方法を、好適な実施の形態にしたがって図面を用いて説明する。なお、図面の説明においては、同一部分または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、実施の形態1では、送信側干渉計を有する送信機と受信側干渉計を有する受信機との間で量子暗号処理された2連光パルスを用いた通信を行う量子暗号装置に対して本願発明を適用した場合を例示する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における量子暗号装置を示す構成図である。図1において、量子暗号装置は、送信機10、受信機20および伝送路30を備える。送信機10および受信機20は、伝送路30を介して接続されている。伝送路30としては、例えば、光ファイバを用いることができる。
ここで、送信機10および受信機20の各構成要素の詳細について説明する前に、本発明者が着目した従来技術の課題について説明する。
まず、量子暗号装置の駆動周期τ1と、量子暗号装置に用いられる干渉計の遅延量τ2の関係について説明する。送信機の光源から出力される信号光の駆動周期τ1は、量子暗号装置の駆動周波数νを用いて、以下の式(1)で表される。
Figure 0005992132
また、干渉計の遅延量τ2は、干渉計におけるロングアーム(Long arm)に相当する導波路とショートアーム(Short arm)に相当する導波路との差である導波路長差ΔLと、真空中の光速度cと、干渉計の導波路の屈折率nとを用いて、以下の式(2)で表される。
Figure 0005992132
ここで、量子暗号装置の送受信機間で通信を行うためには、隣接するビット間で信号光が重なってはいけない。すなわち、図1で例示するように、信号光aと、信号光bとが重なってはいけない。したがって、駆動周期τ1と遅延量τ2との間で、以下の式(3)の関係を満たさなければならない。
Figure 0005992132
量子暗号装置の通信速度を高速化するために駆動周波数νを高くする場合、駆動周期τ1が小さくなるので、式(3)を満たすように遅延量τ2も小さくする必要がある。また、遅延量τ2を小さくするには、式(2)から分かるように導波路長差ΔLを小さくする必要がある。
ここで、受信側干渉計で信号光が干渉する際の、TE偏波の位相φTEおよびTM偏波の位相φTMが以下の式(4)を満たすとき、TE偏波およびTM偏波の干渉度合いが同じになる。換言すると、導波路長差ΔLがビート長の整数倍のとき、式(4)を満たす。
Figure 0005992132
干渉計の導波路の温度Tを考慮したTE偏波の屈折率nTE(T)およびTM偏波の屈折率nTM(T)と、導波路長差ΔLと、各偏波の波長λとを用いると、式(4)は、以下の式(5)のように変形することができる。また、式(5)は、以下の式(6)のように変形することができる。
Figure 0005992132
複屈折率Bは、以下の式(7)のように定義され、式(7)に式(6)を代入すると、複屈折率Bは、以下の式(8)のように表される。
Figure 0005992132
ここで、複屈折率Bを、定数B0およびαを用いて、温度Tの一次の項まで展開すると、以下の式(9)のように表される。
Figure 0005992132
また、式(9)に式(8)を代入すると、温度Tは、以下の式(10)のように表される。式(10)において、mは整数であるので、式(4)を満たすときの温度Tは、以下の式(11)で示す温度幅ΔTpiの間隔で離散的となる。
Figure 0005992132
このように、式(4)を満たすときの温度T、すなわち、受信側干渉計の導波路長差をビート長の整数倍とする偏波無依存温度は、温度幅ΔTpiの等間隔でとびとびの値をとる。換言すると、偏波無依存温度がとりうる値は、温度幅ΔTpiの間隔で離散的となる。また、式(11)から分かるように、温度幅ΔTpiは、導波路長差ΔLに対して反比例する。すなわち、温度幅ΔTpiと、導波路長差ΔLとの関係は、以下の式(12)のように表される。
Figure 0005992132
ここで、干渉計を極端に高温に設定する場合、または極端に低温に設定する場合、干渉計に使用されている部材等が破損してしまう。そのため、通常、干渉計で設定可能な許容温度範囲には、上限値および下限値が存在し、下限値から上限値までの温度範囲が許容温度範囲となる。
また、この許容温度範囲内の下限値から上限値までの温度幅ΔTsと、温度幅ΔTpiとの関係ついて、ΔTpi>ΔTsの場合、偏波無依存温度は、離散的な値であるので、干渉計の許容温度範囲内に存在しないことがある。
以上の考察をまとめると、従来技術においては、量子暗号装置の通信速度を高速化するために導波路長差ΔLを小さくした場合、式(12)から分かるように、温度幅ΔTpiが大きくなる。また、温度幅ΔTpiが大きくなるにしたがって、偏波無依存温度が干渉計の許容温度範囲内に存在しない場合が生じうる。この場合、干渉計の温度を、導波路長差ΔLをビート長の整数倍にするのに必要な偏波無依存温度に設定することができず、光学系の干渉明瞭度の劣化を抑制することができない。
このように、従来技術では、量子暗号装置において、通信速度の高速化と、光学系の干渉明瞭度の劣化の抑制とを両立することが困難であるという問題がある。
これに対して、本発明では、受信機の受信側干渉計の導波路に圧力を付与する圧力付与機構を備えて構成することで、通信速度を高速化しつつ、光学系の干渉明瞭度の劣化を抑制することができる。
次に、送信機10および受信機20の各構成要素の詳細について説明する。
<送信機10の説明>
送信機10は、光源11、光減衰器12、送信側干渉計13および送信側位相変調器14を有する。
送信機10では、まず光源11から光パルスが発せられる。この光パルスは、光減衰器12を通過することで、1パルスあたりの光の強度を単一光子レベルにまで減光する。信号光の光強度は、送信機10から出力される際に単一光子レベルになっていればよいので、光減衰器12は、送信側干渉計13の後段、または送信側位相変調器14の後段に配置してもよい。
光パルスは、次に、送信側干渉計13の入力ポートIn1へと入射し、送信側干渉計13の内部で2つの光パルスに分割される。それぞれの光パルスの一方は、第1の導波路に相当するロングアームを伝播し、他方は、第1の導波路よりも導波路長の短い第2の導波路に相当するショートアームを伝播した後、さらに2つずつに分割され、送信側干渉計13の出力ポートOut1およびOut2から、時間的に離れた2連光パルスが出力される。
ここで、送信側干渉計13内部の温度は、ヒーター等を用いることによって、一定に保っておく必要がある。これは、上述した2連光パルス間の遅延量を一定に保っておくことに相当し、遅延量が一定でない場合、光学系の干渉明瞭度が減少する。
また、送信側干渉計13の出力ポートOut2から出力された2連光パルスは、以降使用されない。続いて、出力ポートOut1から出力された2連光パルスは、送信側位相変調器14へと入射する。
送信側位相変調器14では、2連光パルスの間に相対的な位相差を付加する。与える位相変調量φAは、例えば、(−π/2,0,π/2,π)の4つの変調量のいずれか1つをランダムに選択したものとする。送信側位相変調器14には、その内部に偏光子を含むものを使用してもよいが、送信側位相変調器14の出力の後に別途、偏光子を配置してもよい。最後に、送信側位相変調器14から出力された2連光パルスは、伝送路30へと入射する。
<受信機20の説明>
受信機20は、受信側位相変調器21、受信側干渉計22、第1の光子検出器23および第2の光子検出器24を有する。
受信機20では、まず伝送路30から出力された2連光パルスが受信側位相変調器21へと入力される。受信側位相変調器21では、送信側位相変調器14の動作と同様に、2連光パルスの間に相対的な位相差を付加する。
与える位相変調量φBは、例えば、(−π/2,0,π/2,π)のいずれかをランダムに選択したものとする。受信側位相変調器21で与える位相変調量φBは、本来ならば、(0,π/2)からランダムに選択したものとすればよい。
次に、受信側位相変調器21から出力された2連光パルスは、受信側干渉計22の入力ポートIn1へと入射する。送信側干渉計13の動作と同様に、2連光パルスのそれぞれが2つのパルスずつに分割され、一方が第1の導波路に相当するロングアーム221を伝播し、他方が第1の導波路よりも導波路長の短い第2の導波路に相当するショートアーム222を伝播した後、受信側干渉計22の出力ポートOut1およびOut2に出力される。
このとき、送信側干渉計13と同様に受信側干渉計22の内部の温度も一定に保ち、かつ、送信側干渉計13で生じた2連光パルス間の遅延量と同じ分の遅延量を生じさせる温度に設定する。このように構成することで、ロングアーム221を伝播したパルスのうちの前方のパルスと、ショートアーム222を伝播したパルスのうちの後方のパルスが干渉し、3連光パルスとなって出力される。
干渉した光パルス、すなわち、3連光パルスの真ん中のパルスが、受信側干渉計22の出力ポートOut1およびOut2のどちらから出力されるかは、送信側位相変調器14で付加される位相変調量φAと、受信側位相変調器21で付加される位相変調量φBとで決まる。
さらに、ここで設定する受信側干渉計22内部の温度を、後述するように、偏波無依存温度となるように適切な値に設定することで、干渉の状態が入射する光パルスの偏光状態に依存しないようにすることができる。
最後に、受信側干渉計22から出力された3連光パルスのうちの真ん中のパルスが、第1の光子検出器23または第2の光子検出器24にて検出される。
次に、受信側干渉計22の詳細について、図2を参照しながらさらに説明する。図2は、本発明の実施の形態1における受信側干渉計22を示す構成図である。
図2において、受信側干渉計22は、第1の導波路に相当するロングアーム221と、第1の導波路よりも導波路長の短い第2の導波路に相当するショートアーム222と、ロングアーム221に圧力を付与する第1の圧力付与機構223と、ショートアーム222に圧力を付与する第2の圧力付与機構224とを含んで構成される。
なお、第1の圧力付与機構223および第2の圧力付与機構224は、例えば、圧電素子を用いて構成することができる。
受信側干渉計22では、受信側干渉計22の温度を調整可能な温度調整部(図示せず)によって、ロングアーム221のおよびショートアーム222の複屈折率を制御することで、ロングアーム221とショートアーム222との導波路長差がビート長の整数倍となるように適切に調整する。すなわち、温度調整部によって、受信側干渉計22の温度が、受信側干渉計22の導波路長差をビート長の整数倍とする偏波無依存温度となるように温度調整を行う。なお、ビート長とは、上述のとおり、入射した光の偏光状態が再び同一の偏光状態に戻るまでの距離である。
ここで、受信側干渉計22において、導波路長差がビート長の整数倍となっていると、信号光におけるTE偏波とTM偏波との干渉状態が一致する。すなわち、伝送路30の偏波変動に起因した任意の偏波状態の信号光が、受信側干渉計22へ入射しても、干渉明瞭度の劣化を抑制することができる。
ただし、上述のとおり、量子暗号装置の通信速度を高速化するために駆動周波数を高速化し続けると、これに伴って、受信側干渉計22の導波路長差が小さくする必要があり、その結果、温度幅ΔTpiが大きくなってしまう。つまり、受信側干渉計22の導波路長差が小さくすると、受信側干渉計22の許容温度範囲内に、離散的な値をとる偏波無依存温度が存在しない可能性が大きくなる。また、受信側干渉計22の許容温度範囲内に偏波無依存温度が存在しない場合には、受信側干渉計22の温度を偏波無依存温度に設定することができないので、その結果、受信側干渉計22の導波路長差がビート長の整数倍となるように調整することができない。
これに対して、本発明者は、このような課題を鋭意検討した結果、ロングアーム221およびショートアーム222の少なくとも一方の導波路を圧縮するための圧力を付与することで、受信側干渉計22の導波路長差の大きさによらず、偏波無依存温度を変化させることができることを見出した。また、導波路に付与する圧力の値によって、偏波無依存温度をどの程度変化させるかを調整することができる。したがって、導波路に付与する圧力の値を制御すれば、受信側干渉計22の導波路長差の大きさによらず、受信側干渉計22の許容温度範囲内に偏波無依存温度が存在するようにすることができる。
続いて、導波路に圧力を付与することで偏波無依存温度が変化するメカニズムについて説明する。ここで、物体に圧力を付与することで複屈折率が変化する性質を光弾性という。本願発明では、この光弾性による効果を利用している。
つまり、導波路に圧力を付与することで、導波路の光弾性によって複屈折率が変化する。具体的には、式(9)における右辺のB0が変化する。
また、複屈折率が変化すると、ビート長が変化するので、その結果、偏波無依存温度も変化する。具体的には、式(10)における右辺のB0が変化するので、それに伴い、左辺のTも変化する。
そこで、このような知見を踏まえ、第1の圧力付与機構223および第2の圧力付与機構224を受信側干渉計22に設け、ロングアーム221およびショートアーム222の少なくとも一方に圧力を付与するように構成している。
このように構成することで、ロングアーム221およびショートアーム222の少なくとも一方に圧力を付与することが可能となり、導波路に付与する圧力の値を制御することで、複屈折率を制御し、受信側干渉計22の許容温度範囲内に偏波無依存温度が存在するようにすることができる。したがって、受信側干渉計22の導波路長差がビート長の整数倍となるように調整する際に、第1の圧力付与機構223および第2の圧力付与機構224を制御することで、受信側干渉計22の導波路長差によらず、受信側干渉計22の温度を偏波無依存温度に設定することができる。
なお、ここでは、第1の圧力付与機構223および第2の圧力付与機構224を圧力付与機構として設ける場合を例示した。しかしながら、第1の圧力付与機構223および第2の圧力付与機構224のいずれかを圧力付与機構として設け、ロングアーム221およびショートアーム222のいずれかの導波路に圧力を付与するように構成してもよい。
以上、本実施の形態1によれば、送信側干渉計を有する送信機と受信側干渉計を有する受信機との間で量子暗号処理された通信を行う量子暗号装置において、受信側干渉計の温度が、受信側干渉計の導波路長差をビート長の整数倍とする偏波無依存温度となるように温度調整可能な温度調整部と、受信側干渉計の導波路に圧力を付与することで、偏波無依存温度を調整する圧力付与機構と、を備えて構成する。
このような構成を実現することで、受信側干渉計の導波路長差によらず、偏波無依存温度が受信側干渉計の許容温度範囲内に収まるように、圧力付与機構で受信側干渉計の導波路に付加される圧力の値を制御することができる。また、このような構成を備えた量子暗号装置において、通信速度を高速化しつつ、光学系の干渉明瞭度の劣化を抑制することが可能となり、秘密鍵の共有速度を高めることができる。

Claims (4)

  1. 送信側干渉計を有する送信機と、受信側干渉計を有する受信機との間で量子暗号処理された通信を行う量子暗号装置であって、
    前記受信側干渉計の温度が、前記受信側干渉計の導波路長差をビート長の整数倍とする偏波無依存温度となるように温度調整可能な温度調整部と、
    前記受信側干渉計の導波路に圧力を付与することで、前記偏波無依存温度を調整する圧力付与機構と、
    を備え
    前記圧力付与機構は、
    前記偏波無依存温度が前記受信側干渉計の許容温度範囲内に収まるように前記受信側干渉計の導波路に圧力を付与する
    量子暗号装置。
  2. 前記圧力付与機構は、
    前記受信側干渉計の導波路を構成するロングアームおよびショートアームの少なくとも一方に圧力を付与する
    請求項1に記載の量子暗号装置。
  3. 前記圧力付与機構は、圧電素子を用いて構成される
    請求項1または2に記載の量子暗号装置。
  4. 送信側干渉計を有する送信機と、受信側干渉計を有する受信機との間で量子暗号処理された通信を行う量子暗号装置に適用される信号光の偏波補償方法であって、
    前記受信側干渉計の温度が、前記受信側干渉計の導波路長差をビート長の整数倍とする偏波無依存温度となるように温度調整するステップと、
    前記受信側干渉計の導波路に圧力を付与することで、前記偏波無依存温度を調整するステップと、
    を備え
    前記偏波無依存温度を調整するステップでは、
    前記偏波無依存温度が前記受信側干渉計の許容温度範囲内に収まるように前記受信側干渉計の導波路に圧力を付与する
    信号光の偏波補償方法。
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