JP5991650B2 - サイトカインを発現する豚丹毒菌及び豚丹毒菌を用いたサイトカインのデリバリー方法 - Google Patents

サイトカインを発現する豚丹毒菌及び豚丹毒菌を用いたサイトカインのデリバリー方法 Download PDF

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Description

本発明は、サイトカインを発現する豚丹毒菌及び非ヒト動物体内にサイトカインをデリバリーする方法に関する。
現在、豚、牛、鶏等の家畜動物を飼育する際に健康管理のためにワクチンを投与することが一般に行われているが、そのワクチンには、アジュバントを利用して家畜動物の免疫が賦活されている。しかしながら、アジュバントは、炎症惹起物質であるため、時として使用した動物に副作用や残留の問題を引き起こす可能性があり、コストも高い。したがって、アジュバントにかわる物質が求められている。このようなアジュバント代替物としては、前記の動物が体内で産生しているサイトカイン(以下、ヒト以外の動物に由来するサイトカインを動物サイトカインともいう)が注目されている。
動物サイトカインは、動物の生体内の免疫システムの細胞で産生されるが、アジュバント代替物のように使用するには大量に製造する必要がある。このような動物サイトカインの製造方法としては、遺伝子工学的な製造方法がすでにいくつか報告されている。例えば、本発明者らは、サイトカインとしてブタインターロイキン18を昆虫細胞又は昆虫を用いることを特徴とする活性型インターロイキン−18の生産方法を開発している(特許文献1)。また、非刺激下においてブタインターロイキン8を産生するブタ骨髄細胞由来細胞株やこの細胞株を用いたブタインターロイキン8の製造方法が知られている(特許文献2)。また、ブタ以外にも、ウシインターロイキン1β活性を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNA断片を組み込んだプラスミドにより形質転換されたブレビバチルス・チョーシネンシスを培養することにより、ウシインターロイキン1βを培養物中に生成、蓄積せしめ、これを採取すること、を特徴とするウシインターロイキン1βの製造方法法も知られている(特許文献3)。
前記の遺伝子工学的な技術は、いずれも、細胞培養液中に所望のサイトカインを分泌させるため、アジュバント代替物として使用するには精製を行う必要がある。しかしながら、このような精製を行うと、製造コストが増大するという問題がある。
また、前記のように動物サイトカインの製造方法はいくつか知られているものの、現在までのところ、動物サイトカインを実際に使用した製品は一製品のみに限られている。これは動物サイトカインそのものを経口投与したのでは消化酵素による影響を受けやすく、また、注射で投与した場合には一度に大量の動物サイトカインの投与が為されるために発熱などの副作用が生じやすいという技術的な課題があり、まだ十分に検討する余地があるためと考えられる。
さらに、動物サイトカインを効率よく安全に動物体内にデリバリーして、所望の効果を発現させる技術も確立されていない。
特許第3541216号公報 特開2004−129660号公報 特開2003−135060号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、サイトカインを安全に非ヒト動物の体内に供給して、非ヒト動物に免疫増強作用を発現させることができる豚丹毒菌、非ヒト動物の疾患の予防及び/又は治療方法、並びにサイトカインを非ヒト動物体内へ安全にデリバリーする方法を提供することを目的とする。また、本発明は、新規なワクチンアジュバント及び非ヒト動物用ワクチン製剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題解決のため鋭意研究を行った結果、様々な宿主細胞の候補の中から、弱毒化した豚丹毒菌に着目し、動物サイトカインの1種として豚サイトカインを発現できるように前記豚丹毒菌を形質転換して豚に投与したところ、豚サイトカインに由来する免疫増強作用が見られるという事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、
(1)豚丹毒菌弱毒株の形質転換体である豚丹毒菌であって、サイトカインをコードする遺伝子を結合させた組換えDNAとして前記組換えDNAがサイトカインをコードする遺伝子を豚丹毒菌のSpaA.1遺伝子の中央部に挟むようにして設計したキメラ遺伝子を有し、前記サイトカインを発現する豚丹毒菌
)サイトカインがインターロイキン、インターフェロン、造血因子、細胞増殖因子及び細胞傷害因子からなる群より選ばれた1種以上である前記(1)記載の豚丹毒菌、
)宿主となる豚丹毒菌弱毒株が豚丹毒菌小金井株65−0.15又は莢膜欠損豚丹毒弱毒YS−1株(FERM P−16466)である前記(1)または(2)に記載の豚丹毒菌、
)前記(1)〜()いずれかに記載の豚丹毒菌を非ヒト動物に投与する工程を含む非ヒト動物の疾患の予防及び/又は治療方法、
)前記(1)〜()いずれかに記載の豚丹毒菌を非ヒト動物に投与することを特徴とする非ヒト動物体内へのサイトカインのデリバリー方法、
)前記(1)〜()いずれかに記載の豚丹毒菌を非ヒト動物におけるワクチンアジュバントとして使用する方法、
)前記(1)〜()いずれかに記載の豚丹毒菌を含有する非ヒト動物用ワクチン製剤
に関する。
本発明の豚丹毒菌は、非ヒト動物に投与することができ、非ヒト動物の体内で菌が生存できる間、所望のサイトカインを免疫に影響を与える量で持続的に供給できる。さらに、生菌を使用するために、病原体の感染で誘導される種々のサイトカインのネットワーク全体に影響を与えることができる。
したがって、本発明の豚丹毒菌を用いることで、非ヒト動物の疾患の予防又は治療を簡単に行うことができる。
また、本発明の豚丹毒菌は、非ヒト動物の免疫増強を行うことができるため、他のワクチン製剤を併用することで、非ヒト動物における予防又は治療効果を一層得やすくなる。
図1は、実施例1における、豚丹毒菌YS−1/IL18株の作製の手順を示す概略図である。 図2は、実施例1において、poIL−18遺伝子を導入した莢膜欠損豚丹毒菌弱毒YS−1株(YS−1/IL18株)の培養上清及び菌体破砕遠心上清中に検出されたpoIL−18の含有量を示すグラフである。対照はYS−1株(親株)である。 図3は、実施例2において、poIL−18遺伝子を導入した豚丹毒菌生ワクチン小金井65−0.15株(KO/IL18株)の培養上清及び菌体破砕遠心上清中に検出されたpoIL−18の含有量を示すグラフである。対照はKO株(親株)である。 図4は、実施例3において、YS−1/IL18株の培養上清の直接刺激でマウス脾細胞が有意にIFN−γを産生したことを示すグラフである。対照はYS−1株(親株)である。 図5は、実施例3において、YS−1/IL18株をマウスに投与した後、5日目に採取したマウスの脾細胞がコンカナバリンAの刺激により有意にIFN−γを産生したことを示すグラフである。対照はYS−1株(親株)である。 図6は、実施例4において、YS−1/IL18株を投与したマウスの腹腔マクロファージが、Salmonella Typhimurium(ST)に対する貪食能が亢進していることを示すグラフである。 図7は、実施例5において、YS−1/IL18株を投与後にSTを経口感染させたマウスでは、脾臓、腸管膜リンパ節及びパイエル板におけるSTの増殖がYS−1株(親株)を接種した対照マウスに比べ有意に抑制されたことを示すグラフである。 図8は、実施例6において、KO/IL18株を経口投与した豚では、親株(小金井65−0.15株)を経口接種した対照ブタに比べ、血清及び気管支肺胞洗浄液中の豚丹毒菌抗原SpaA.1に対する抗体価が上昇していることを示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の豚丹毒菌は、豚丹毒菌弱毒株の形質転換体である豚丹毒菌であって、サイトカインをコードする遺伝子を結合させた組換えDNAを有し、前記サイトカインを発現することができる。
本件出願人は、以前に、株式会社微生物化学研究所と共に、豚丹毒菌の表面抗原をコードするSurface Protective Antigen(SpaA.1)の遺伝子をクローニングし、この遺伝子SpaA.1の一部を取り除いて外来遺伝子であるマイコプラズマ・ハイオニューモニエのP97アドヘジン遺伝子の一部を挿入したキメラ遺伝子を作製し、そのキメラ遺伝子を豚丹毒菌に導入して、このキメラ遺伝子由来の蛋白質を発現する豚丹毒菌を開発している(特開2002−119285号公報)。
本発明では、上記の技術を応用し、外来遺伝子としてサイトカインをコードする遺伝子を用い、SpaA.1の一部にサイトカインをコードする遺伝子を挿入したキメラ遺伝子を作製し、このキメラ遺伝子を豚丹毒菌弱毒株に導入することで、サイトカインを発現する豚丹毒菌の形質転換体を作製する。
本発明で宿主として用いられる豚丹毒菌弱毒株は、エリシペロスリクス・ルシオパシエ(Erysipelothrix rhusiopathiae)、エリシペロスリクス・トンジラーラム(Erysipelothrix tonsillarum)の弱毒株が挙げられ、例えば、日本においてよく使用されている、豚丹毒菌小金井株65−0.15や、本件出願人が以前に提出した特許公報第2992980号に記載された、豚丹毒菌強毒株Fujisawa−SmRのトランスポゾン変異株に由来し、テトラサイクリン感受性を示す豚丹毒菌莢膜欠損変異株(FERM P−16466)が挙げられる。これらの宿主として用いられる豚丹毒菌弱毒株は、いずれも豚に対して弱毒化されたものであり、その生菌は、豚はもちろん豚以外の動物に感染した場合でも、疾患を引き起こさない。中でも、取り扱い易いという観点から、市販されている豚丹毒菌小金井株65−0.15、及び莢膜欠損豚丹毒弱毒YS−1株(FERM P−16466)が好ましい。
本発明において、サイトカインとしては、インターロイキン(IL)、インターフェロン(IFN)、造血因子、細胞増殖因子及び細胞傷害因子からなる群より選ばれた1種以上である。ILとしては、IL−1、IL−2、IL−4、IL−18、IL−8等、IFNとしては、IFN−α、IFN−β、IFN−γ、IFN−ε、INF−κ等、造血因子としては、コロニー刺激因子(Coloney-Stimulating Factor (CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte- (G-)CSF)、エリスロポエチン(Erythropoietin (EPO)等、細胞増殖因子としては、上皮成長因子(EGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、肝細胞成長因子(HGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF)等、細胞傷害因子としては、腫瘍壊死因子(TNF−α)、リンフォトキシン(TNF−β)等が挙げられる。
前記サイトカインの起源となる動物としては、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、鳥類、イルカ等、種々の動物が挙げられるが、免疫増強しようとする動物であればよく、特に限定はない。
前記サイトカインをコードする遺伝子のクローニングは、常法に従って各種原料からmRNAを抽出、精製後に、DDBJ/GenBank/EMBL等のデータベースにより入手した所望のサイトカインのDNA情報に基づいて選択したプライマーを用い、逆転写酵素により合成したcDNAを鋳型としたPCR反応によって行えばよい。なお、前記PCRによって増幅される前記サイトカインをコードする遺伝子を含む遺伝子産物は、サイトカインをコードする遺伝子の上流側と下流側にEcoRIの切断部位を有する遺伝子配列となるように作製する。後述のキメラ遺伝子を作製に用いるために、前記遺伝子産物を予めEcoRIで酵素処理して断片化しておいてもよい。
本発明において、前記サイトカインをコードする遺伝子を結合させた組換えDNAとして、特開2002−119285号公報に記載の方法に準じて、前記サイトカインをコードする遺伝子を豚丹毒菌のSpaA.1遺伝子の中央部に挟むようにして設計したキメラ遺伝子を作製する。
前記キメラ遺伝子の作製に用いるSpaA.1遺伝子としては、特開2002−119285号公報に記載のspaA.1遺伝子の完全長を含むファージミドpERc6.1を用いる。
なお、前記ファージミドpERc6.1は、以下のようにして作製されたものである。具体的には、本発明者である下地らがすでに報告(Infection and Immunity 1999,p1646-1651)しているとおり、豚丹毒菌藤沢株の染色体遺伝子をGalanとTimoneyらの方法(Infection and Immunity 1990,58,p3116-3121)にしたがい抽出し、この染色体遺伝子を制限酵素Sau3AIで部分消化し、3-5キロベースペアの遺伝子断片をシクロースグラジエント遠心法で分画し、得られた遺伝子断片をZap Express Vector(Stratagene社製: La Jolla,Calf.)のBamHIサイトに連結し、Gigapack III Gold packaging extract(Stratagene社製)を用いてインビトロパッケージングを行い、得られた組換えファージを大腸菌に感染させ、寒天平板上にファージプラークをつくらせた。このファージプラークを予めIPTG(isopropylthiogalactoside)を染み込ませたニトロセルロース膜に転写し、実験的に豚丹毒強毒株を感染させた豚から得られた血清と反応させ、酵素抗体法により、反応するプラークを検出した。選択された組換えファージにクローニングされている豚丹毒の遺伝子を大腸菌内で発現させ、発現された蛋白を精製し、マウスに免疫した。免疫後、強毒豚丹毒菌藤沢株で攻撃した。この攻撃に対し、防御能を示した蛋白を発現する組換えファージクローンを最終的に選択した。さらに、選択したクローンをExAssistヘルパーファージ・大腸菌XLOLR システム(Stratagene社製)を用いてファージミドpERc6を作製した。ファージミドpERc6の挿入遺伝子配列をサイクルシークエンス法により決定し、この配列をジーンバンクに登録されている配列と比較したところ、牧野らの報告している豚丹毒菌の表面防御蛋白(Surface protective antigen:SpaA)と高いホモロジーを示した。しかし、牧野らの報告とは、特にC末端側の配列が異なることから、この遺伝子をspaA.1とした。ファージミドpERc6をサブクローニングし、spaA.1遺伝子の完全長を含むファージミド(プラスミド)pERc6.1を作製した。
本発明において、前記キメラ遺伝子は、以下のようにして作製することができる。
即ち、前記プラスミドpERc6.1のSpaA.1遺伝子内に2箇所の制限酵素EcoRIサイトが存在しているため、プラスミドpERc6.1を制限酵素EcoRIで処理する。次にサイトカインをコードする遺伝子を含む遺伝子産物(両端に制限酵素EcoRIの切断部位を有する遺伝子断片)と、準備したプラスミドpERc6.1とを、常法により連結させ、大腸菌にトランスフォーメーションし、キメラ遺伝子であるプラスミドを保有する大腸菌を得る。このプラスミドはSpaA.1遺伝子のN末端側にプロモーター配列を含むため、通常使用されるIPTG等の蛋白発現のために添加される薬剤の添加なしに、大腸菌で蛋白を発現することができる。大腸菌の増殖に伴って発現された蛋白をウェスターン・ブロティングで解析することで、発現された蛋白質の分子量と、SpaA.1に対する単クローン抗体とサイトカインに対する単クローン抗体の両抗体の反応を確認することができる。このSpaA.1に対する単クローン抗体は受身感染防御能をもつ抗体となる。この結果から豚丹毒菌SpaA蛋白とサイトカインとが融合したキメラ蛋白の発現が確認でき、さらに合わせて、この蛋白の発現に関わる遺伝子カセットが作製できる。
次に、前記キメラ遺伝子を特開2002−119285号公報に記載の方法に準じて、以下の手順で豚丹毒菌弱毒株に形質転換する。
即ち、キメラ遺伝子であるプラスミドのインサート全体を増幅するための制限酵素ClaIサイトをもつPCRプライマーを5’側に設計し、そのプライマーとT7プライマーを用いてPCRを行う。その増幅産物を制限酵素ClaIで処理し、予め制限酵素ClaIで処理しておいたストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)と大腸菌のシャトルベクターpGA14に連結する。このプラスミドをエレクトロポレーションにより豚丹毒菌弱毒株に導入する。
前記形質転換体の中から、spaA.1遺伝子上下流領域が、導入した遺伝子、すなわちpER6.1/IL18プラスミド上にある相同性領域とダブルクロスオーバーにより置き換わった結果、薬剤耐性を示さなくなった株を選択し、PCR法によりこの株が目的とする遺伝子を保有することを確認する。
なお、前記形質転換法に用いるコンピタントセルの作製法、及び、形質転換に用いたエレクトロポレーション法の条件、形質転換株の選択法は、本発明者である下地らがすでに報告した方法(Infection and Immunity, 70: 226-232, 2002)に準じて行う。
以上のようにして得られる本発明の豚丹毒菌は、常法の培養手段を用いることで、低コストで簡易に増殖させることができる。また、本発明の豚丹毒菌は非ヒト動物に投与されると、非ヒト動物体内の各部に定着し、その各部にサイトカインを投与することができる。
さらに、本発明の豚丹毒菌は、生きている限り、定着している非ヒト動物体内にサイトカインを供給し続けることが可能であるため、一度、豚丹毒菌を投与すれば所望の効果が奏される。
したがって、本発明は、精製したサイトカインを必要となるたびに投与する必要がない点で、簡便でしかも安全な、非ヒト動物へのサイトカインのデリバリー方法である。
本発明の豚丹毒菌を非ヒト動物に投与する経路としては、経口投与、経鼻投与、注腸投与等が挙げられるが、操作が容易である観点から、経口投与が好ましい。例えば、前記豚丹毒菌そのものや、水等に前記菌体を懸濁した液体を用いることができる。
前記のように豚丹毒菌を投与された非ヒト動物の体内では、サイトカインが安全に供給されることで、免疫増強作用が奏される。
したがって、非ヒト動物に豚丹毒菌を投与することで、感染症等の疾患に罹患し難くしたり、症状を軽減したり、さらに他のワクチン製剤を併用することでより早期に疾患を完治することができる。また、本発明の豚丹毒菌は、非ヒト動物用のワクチンと混合した場合でも、大きな影響はないと考えられることから、例えば、本発明の豚丹毒菌を非ヒト動物用ワクチン製剤に含有させることができる。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1:poIL−18遺伝子を導入した莢膜欠損豚丹毒菌弱毒YS−1株(YS−1/IL18株)の作製)
特開2002−119285号公報に記載の方法に準じて、導入する外来遺伝子としてマイコプラズマ・ハイオニューモニエの付着蛋白質であるP97アドヘジン遺伝子に替えて豚インターロイキン18(poIL−18)遺伝子を導入した莢膜欠損豚丹毒菌弱毒YS−1株(YS−1/IL18株)の作製を行った。
なお、前記poIL−18遺伝子としては、本発明者である下地らが提出した特許第3541216号公報に記載されたブタIL−18をコードする遺伝子を含むプラスミドDNA(pVL1392−IL18)を用い、このプラスミドDNAのPCR産物からEcoRIで切り出したDNA断片(カスパーゼの切断認識アミノ酸配LESD以降のブタIL−18をコードする遺伝子)を用いた。
全てのクローニング及び解析手法は、標準的なプロトコル(Sambrook J., E.F. Fritsch, and T.Maniatis. 1989. Molecular cloning: a Laboratory manual, 2nd ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.)に従って行った。
また、前記形質転換法に用いるコンピタントセルの作製法、及び、形質転換に用いたエレクトロポレーション法の条件、形質転換株の選択法は、本発明者である下地らがすでに報告した方法(Infection and Immunity, 70: 226-232, 2002)に準じて行った。
前記形質転換体の中から、spaA.1遺伝子の上下流領域が、導入した遺伝子、すなわちpER6.1/IL18プラスミド上にある相同性領域とダブルクロスオーバーにより置き換わった結果、薬剤耐性を示さなくなった株を選択し、PCR法によりこの株が目的とする遺伝子を保有することを確認した。この株をYS−1/IL18株とした。
なお、図1に、豚丹毒菌YS−1/IL18株の作製の手順を示す。
前記YS−1/IL18株を培養培地(組成:0.1%ツイーン80を添加したブレイン・ハート・インフュージョン)において37℃で一晩培養し、遠心分離(×9,000g)して培養上清を得た。次いで、得られた菌体をバッファー(組成:0.1%ツイーン20を添加したリン酸緩衝生理食塩水)と混合した後、超音波処理により破砕し、遠心分離して菌体破砕遠心上清を得た。
前記培養上清及び前記菌体破砕遠心上清のOD450nmにおける吸光度を特開2001−103967号公報に記載の方法に準じて測定し、これらの上清中に含まれるpoIL−18の濃度を測定した。
また、対照として、形質転換を行っていないYS−1株(親株)の培養上清と菌体破砕遠心上清についても調べた。これらの結果を図2に示す。
図2に示す結果より、YS−1株(親株)では、培養上清と菌体破砕遠心上清のいずれにもpoIL−18がほとんどみられないのに対して、YS−1/IL18株では培養上清と菌体破砕遠心上清のいずれにもpoIL−18が顕著に発現されていることがわかる。
(実施例2:poIL−18遺伝子を導入した豚丹毒菌小金井65−0.15株(KO/IL18株)の作製)
宿主細胞として、莢膜欠損豚丹毒菌弱毒YS−1株に替えて豚丹毒菌小金井65−0.15株を用いた以外は実施例1と同様にして、poIL−18遺伝子を導入した豚丹毒菌小金井65−0.15株(KO/IL18株)の作製を行った。なお、poIL−18遺伝子としては、実施例1と同じDNA断片を用いた。
形質転換体の中から、spaA.1遺伝子の上下流領域が、導入した遺伝子、すなわちpER6.1/IL18プラスミド上にある相同性領域とダブルクロスオーバーにより置き換わった結果、薬剤耐性を示さなくなった株を選択し、PCR法によりこの株が目的とする遺伝子を保有することを確認した。この株をKO/IL18株とした。
また、KO/IL18株を培養培地(組成:0.1%ツイーン80を添加したブレイン・ハート・インフュージョン)において37℃で一晩培養し、遠心分離(×9,000g)して培養上清を得た。次いで、得られた菌体をバッファー(組成:0.1%ツイーン20を添加したリン酸緩衝生理食塩水)と混合した後、超音波処理により破砕し、遠心分離して菌体破砕遠心上清を得た。
培養上清及び菌体破砕遠心上清のOD450nmにおける吸光度を測定して、これらの上清中に含まれるpoIL−18の濃度を測定した。
また、対照として、形質転換を行っていない小金井65−0.15株(親株)の培養上清と菌体破砕遠心上清についても調べた。これらの結果を図3に示す。
図3に示す結果より、小金井65−0.15株(親株)では、培養上清と菌体破砕遠心上清のいずれにもpoIL−18がほとんどみられないのに対して、KO/IL18株では培養上清と菌体破砕遠心上清のいずれにもpoIL−18が顕著に発現されていることがわかる。
(実施例3)
マウス(10週齢)2匹から脾細胞を取り出し、10%牛胎児血清を添加したRPMI−1640培地(Invitrogen社)にて2×106/ml個に調整後、この細胞浮遊液100μlに実施例1で得られたYS−1/IL18株の培養上清の2倍希釈液100μlを加えて2晩37℃で培養し、マウスIFN−γ ELISAキット(Invitrogen社)により、IFN−γの産生量を調べた。また、対照として、YS−1株(親株)の培養上清を用いて、同様にIFN−γの産生量を調べた。結果を図4に示す。
図4に示す結果より、YS−1株(親株)の培養上清ではIFN−γの産生が検出限界以下であるのに対して、YS−1/IL18株の培養上清では、IFN−γの産生が確認された。
また、YS−1/IL18株とYS−1株(親株)のIFN−γの誘導能について、YS−1/IL18株又はYS−1株(親株)1.3×108CFUの菌を含むブレイン・ハート・インフュージョン(BHI)培地(Becton,Dickinson and Company(BD)社)をマウス(9週齢)7匹に腹腔内投与後、5日目にマウスの脾細胞を採取して、2×106/ml個に調整した。その細胞浮遊液100μlに、100μlのコンカナバリンA溶液(5μg/ml)を加えて一晩37℃で培養後、マウスIFN−γ ELISAキット(Invitrogen社)により、その培養上清中のIFN−γの量を調べた。その結果を図5に示す。
図5の結果から、YS−1/IL18株は、マウスの体内にYS−1/IL18株が定着してIL18が供給されることによって、YS−1株(親株)と比べて、マウスにおいて有意にIFN−γの産生を促進することがわかる。
以上の結果から、本発明の豚丹毒菌は、非ヒト動物であるマウスの免疫増強を行うことができることがわかる。
(実施例4)
マウス(7週齢)32匹に、実施例1で得られたYS−1/IL18株を1.3×107CFU/匹の菌を含むBHI培地を腹腔内投与した。また、対照として、同数のマウスにYS−1株(親株)1.0×107CFU/匹を腹腔内接種した。菌を投与後、5日目、1週間目、2週間目、3週間目に、各菌投与群のマウス、それぞれ8匹ずつを安楽殺し、マウスの腹腔から採取したマクロファージを用いて、Salmonella Typhimurium(ST)に対する貪食能を調べた。貪食能は、貪食1時間後のマクロファージを培地に滴下し,出現した菌のコロニーをカウントすることにより測定した。結果を図6に示す。
図6に示す結果より、YS−1/IL18株を投与したマウスの腹腔マクロファージは、YS−1株(親株)を接種したマウスのマクロファージに比較し、菌を投与後1週目及び2週目において、STに対する貪食能が亢進していることが確認された。
このことから、YS−1/IL18株を投与されたマウスではマクロファージの貪食能が亢進したことからも分かるように、マウスの体内にYS−1/IL18株が定着してIL18が供給されることによって、非特異的に免疫能が賦活されていることがわかる。
なお、上記の実験中、マウスの飼育は、常法に従い温度、湿度がコントロールされた部屋にて行い、食餌と水は自由に与えた。
(実施例5)
実施例1で得られたYS−1/IL18株をマウス(10週齢)5匹に1.3×107CFU/匹の菌を含むBHI培地を腹腔内投与した後、5日目にSTを1.0×109CFU/headの菌を含むLuria−Bertani培地(BD社)を経口接種させ、19日目にマウスを安楽殺して、脾臓、腸管膜リンパ節、パイエル板を常法により取り出し、それぞれの器官に存在するST数を、組織のホモジネートを培地に滴下し,出現した菌のコロニーをカウントすることにより測定した。
また、対照として、YS−1株(親株)1.2×107CFU/匹を用いて、同様に各器官におけるST数を測定した。結果を図7に示す。
図7に示す結果より、前記3種類の器官におけるサルモネラ菌の存在数は、YS−1/IL18株を接種した場合の方が、YS−1株(親株)を用いた場合に比べて有意に低かった。特に腸管膜リンパ節及びパイエル板におけるサルモネラ菌の存在数は顕著に低かったことから、YS−1/IL18株を投与されたマウスでは、その体内にYS−1/IL18株が定着してIL18が供給されることによって、免疫が賦活された結果、サルモネラ菌の排除能が亢進していることがわかる。
したがって、本発明の豚丹毒菌は、非ヒト動物であるマウスの疾患の予防及び/又は治療に有効であることがわかる。
なお、上記の実験中、マウスの飼育は、実施例4と同様にして行った。
(実施例6)
実施例2で得られたKO/IL18株を無菌豚(動衛研にて作出)2頭に7×1010CFU/頭となるように添加した人口ミルクを経口投与した。菌投与後、13日目に、SpaA.1抗原に対するIgA及びIgGの抗体濃度を測定した。
また、対照として、KO株(親株)を投与した無菌豚2頭を用いて、同様にSpaA.1抗原に対する抗体濃度をELISAにより測定した。結果を図8に示す。
図8に示す結果より、KO/IL18株を経口投与した豚では、KO株(親株)を経口接種した対照ブタに比べ、血清及び気管支肺胞洗浄液(BALF)中の豚丹毒菌抗原SpaA.1(IgA、IgG)に対する抗体価が上昇していた。
このことから、KO/IL18株を経口投与された豚では、体内にKO/IL18株が定着してIL18が供給されることによって、豚の免疫が賦活された結果、抗体産生能が亢進しており、アジュバント効果があることがわかる。
したがって、本発明の豚丹毒菌は、非ヒト動物におけるワクチンアジュバントとして使用することが可能である。この場合、ワクチン製剤において、アジュバントのかわりに本発明の豚丹毒菌を使用することで、非ヒト動物用ワクチン製剤を調製することができる。
また、本発明の豚丹毒菌を単独で使用した場合でも、非ヒト動物である豚の疾患の予防及び/又は治療に有効であることがわかる。
なお、上記の実験中、豚の飼育は常法に従い温度、湿度がコントロールされた部屋にて行い、水は自由に与えたが、食餌は一日一回必要量を与えた。
前記の実施例1、2では、サイトカインとして、豚IL−18を用いたが、他の豚サイトカインや他の動物由来のサイトカインを用いる場合でも、実施例1、2に記載の手順に準じて、所望のサイトカインを産生する豚丹毒菌弱毒株YS−1、KO株の形質転換株を作出することができる。

Claims (7)

  1. 豚丹毒菌弱毒株の形質転換体である豚丹毒菌であって、サイトカインをコードする遺伝子を結合させた組換えDNAとして前記組換えDNAがサイトカインをコードする遺伝子を豚丹毒菌のSpaA.1遺伝子の中央部に挟むようにして設計したキメラ遺伝子を有し、前記サイトカインを発現する豚丹毒菌。
  2. サイトカインがインターロイキン、インターフェロン、造血因子、細胞増殖因子及び細胞傷害因子からなる群より選ばれた1種以上である請求項1に記載の豚丹毒菌。
  3. 宿主となる豚丹毒菌弱毒株が豚丹毒菌小金井株65−0.15又は莢膜欠損豚丹毒弱毒YS−1株(FERM P−16466)である請求項1または2に記載の豚丹毒菌。
  4. 請求項1〜いずれかに記載の豚丹毒菌を非ヒト動物に投与する工程を含む非ヒト動物の疾患の予防及び/又は治療方法。
  5. 請求項1〜いずれかに記載の豚丹毒菌を非ヒト動物に投与することを特徴とする非ヒト動物体内へのサイトカインのデリバリー方法。
  6. 請求項1〜いずれかに記載の豚丹毒菌を非ヒト動物におけるワクチンアジュバントとして使用する方法。
  7. 請求項1〜いずれかに記載の豚丹毒菌を含有する非ヒト動物用ワクチン製剤。
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