以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
本発明を適用した実施形態の遊技機たるパチンコ機を説明する。図1に示すように、パチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠51には、左側の上下の位置に設けたヒンジ53を介して、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52および後述の内枠が開閉可能に設けてある。前枠52の板ガラス61の奥には前記内枠に保持された遊技盤10(図2)が設けてある。
前枠52の上部の左右両側位置および外枠51の下部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ66が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また前枠52には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。前枠52の下半部には上皿55と下皿63とが一体に形成してある。下皿63の右側には発射ハンドル64が設けてあり、該発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤10に向けて発射される。
下皿63は上皿55から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。下皿63の左側には演出ボタン67が設けてある。
本パチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には下皿63の左側に貸出ボタン57、精算ボタン58および精算表示装置59が設けてある。なお、図1の39は、前枠52および前記内枠を外枠51にロックするシリンダ錠であり、シリンダ錠39に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠52を開放する。
図2に示すように、遊技盤10には外レール11と内レール12とによって囲まれた略円形の遊技領域13が形成されている。遊技領域13には、その中央部にセンターケース14が装着され、センターケース14のほぼ中央下方および右方位置にはそれぞれ第1および第2の普通図柄始動口21A,21Bが設置されている。第2普通図柄始動口21Bは遊技球が通過可能なゲートで構成しているのでゲート21Bともいう。これに対し第1普通図柄始動口21Aを作動口21Aともいう。普通図柄(以下、普図ともいう)の始動口21A,21Bは普図の当否抽選を実行する始動口であり、始動口21A,21Bのいずれかに遊技球が入球すると普図の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数は普図の保留記憶として記憶される。
センターケース14の直下に位置する第1普図始動口21Aの右横位置には、普図の当否抽選が当選したときに開放される普通電動役物からなる特別図柄の始動口22が配設されている。始動口22は特別図柄(以下、特図ともいう。また始動口22を特図始動口22ともいう)の当否抽選用の始動口であり、特図始動口22に遊技球が入球すると複数種類の乱数が抽出され、これらの乱数に基づいて特図の当否抽選が行われる。なお、該当否抽選に用いる乱数の保留記憶機能は備えていない。特図始動口22は、普図の当選時に、5.8秒開放される。なお、始動口22に入球させるにはセンターケース14の上方を通過させて遊技領域の右側に発射(いわゆる右打ち)すると入球し易いように配置されている。
ゲート21Bの下方位置には、特図の当否抽選が当選となって当り遊技に移行したときに開放される特別電動役物からなる大入賞口25が配設されている。
また第1普図始動口21Aの左横位置には、複数の普通入賞口24が配設してある。更に内レール12沿いには、特図表示装置16や普図表示装置18、左打ち遊技か右打ち遊技のいずれかを推奨する左右の打ち位置ランプ41,42等が配設された遊技状態報知ランプ部30が設けてある。
センターケース14は中央に演出図柄表示装置15(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設され、演出図柄表示装置15には前記普図に対応する擬似図柄などの演出を表示する。センターケース14の下縁には普図保留数表示装置19が配設してある。またセンターケース14には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。なお、遊技盤10の遊技領域13には多数の遊技釘が植設されており、盤面最下部にはアウト口28が設けられている。
図3に示すように、パチンコ機50の裏側は、前記遊技盤10を脱着可能に取付ける内枠70が収納されている。内枠70は、前枠52と同様に、一方の側縁(図3の右側)の上下位置が前記外枠51にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71、タンクレール72、払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤10の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット73により払出球流下通路を通り上皿55に払い出される。また、本実施形態では前記賞球を払い出す払出ユニット73により貸出ボタンの操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当する。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤10に設けられ、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85は内枠70に設けられている。図3では発射制御装置84が描かれていないが、払出制御装置81の下に設けてある。
また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けてあり、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータ(図4参照)へ送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いていたが、本実施形態では、ひとつの外部接続端子板78を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
図4は本パチンコ機50の電気的構成を示すもので、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83および発射制御装置84においては、詳細の図示は省略するが、これらの制御装置はいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。また、主制御装置80には各種の乱数を抽出する乱数カウンタ等も備わっている。
主制御装置80は、裏配線中継端子板および外部接続端子板78を介して遊技施設のホールコンピュータと電気的に接続される。主制御装置80には、裏配線中継端子板や遊技盤中継端子板を介して、前枠(ガラス枠)52および内枠70が開放しているか否か検出するガラス枠開放SW(スイッチ)、内枠開放SW、特図の始動口22への入球を検出する特図始動口SW、第1および第2普図始動口21A,21Bへの入球を検出する第1、第2普図作動SW、大入賞口25への入球を検出するカウントSW、普通入賞口24への入賞球を検出する左、右入賞口SW等の検出信号が入力される。
また主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81や、サブ制御装置たるサブ統合制御装置83および演出図柄制御装置82にコマンドを出力し、図柄表示装置中継端子板を介して特図表示装置16、普図表示装置18および普図保留数表示装置19の表示制御を行なう。主制御装置80は、大入賞口ソレノイドを制御して大入賞口を開放作動せしめる。また特図の始動口22を開閉する普電役物ソレノイドの作動を制御する。
払出制御装置81には、球タンクが空状態になったことを検出する球切れSW、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW等の検出信号が入力される。払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータを稼働させて遊技球を払い出させる。また、CRユニット56と電気的に接続され、精算表示装置59を介して球貸および精算SW57,58による貸出要求、精算要求の操作信号を受け付け、CRユニット56とデータを送受し、貸出要求信号に応じて払出モータを稼働させて貸球を払い出させ、CRユニット56に挿入されているプリペイドカードの残高表示を制御する。
発射制御装置84は、発射停止SW、発射ハンドル64に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW等の検出信号が入力される。払出制御装置81を介して主制御装置80から送られてくるコマンド(タッチSWの信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル64の回動信号および発射停止SWの信号に基づいて発射モータを制御して遊技球を発射および停止させ、タッチランプの点灯を制御する。
サブ統合制御装置83は、音量調節SWや演出ボタン67などの検出信号が入力される。主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて、スピーカを駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプの点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置82へキャラクタなどを表示する擬似演出や普図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
演出図柄制御装置82は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置15を構成している。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から送られてくるコマンドに応じてLCDパネルの表示を制御する。
次にパチンコ機50の作動を説明する。パチンコ機50は、第1または第2の普図始動口21A,21Bに遊技球が入球すると、普図の当否抽選を実行する。このとき普通図柄表示装置18および演出図柄表示装置15の図柄変動を開始し、その後、普通図柄表示装置18に普図を、演出図柄表示装置15に普図に対応する擬似図柄を確定表示して前記抽選結果を報知する。抽選結果が当りであれば普図の当り遊技として普通電動役物(特図の始動口22)を開放する。なお、本実施例では第1または第2の普図始動口21A,21Bのどちらの入賞に対しても同一の当否判定テーブルが使用される構成である。また当否判定テーブルが同一であるため、当選確率は同じとなる。当否判定テーブル以外にも変動パターンテーブルも同一のものを用いることも考えられる。
逆に各始動口21A,21Bで異なる当否判定テーブルを使用する構成も考えられる。遊技性を形成する上で適宜選択すればよい。
この状態で特図の始動口22に遊技球が入球すると特図の当否抽選を実行し、該抽選結果が当りであれば特図の当り遊技として大入賞口25を開放する。なお特図の抽選結果は特別図柄表示装置16に特図を、演出図柄表示装置15に特図に対応する擬似図柄を確定表示して報知する。そして特図の当り遊技終了には遊技状態が通常の遊技状態とは異なる特別の遊技状態へ移行される。特別な遊技状態として、普図の当選確率を高確率とする普図確率変動機能、普通電動役物の開放延長機能および特図の当選確率を高確率とする特図確率変動機能が作動する特別遊技状態へ移行する。本実施例では100%の確率で上記特別遊技状態へ移行するが、100%以外でもよい。
このように特図の当り遊技の終了後には、普図の当り遊技が生起しやすい状態となって、特図の当否抽選が行なわれ易くなる。なお、特別遊技状態は「特図が10回確定表示されるまで」と制限されている。以下、主制御装置80(厳密には、そのCPU)が実行するプログラム処理に基づいて作動の詳細を説明する。
先ず図5を参照して前記プログラム処理の「メインルーチン」の概要を説明する。「メインルーチン」は本処理(S100〜S111,S115)と残余処理(S112)とで構成され、2ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
正常割り込みなら(S100:yes)、初期乱数更新処理(S101)、特図の大当り決定用乱数の更新処理(S102)、大当り図柄決定用乱数の更新処理(S103)、普図の当り決定用乱数の更新処理(S104)、当り図柄決定用乱数の更新処理(S105)、普図のリーチに関するリーチ判定用乱数の更新処理(S106)、普図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数の更新処理(S107)、入賞確認処理(S108)、当否判定処理(S109)、各出力処理(S110)、不正監視処理(S111)を行なって、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S112)をループ処理する。
次に主制御装置80が実行するプログラム処理で、当否判定処理(S109)を中心に、入賞確認処理(S108)や各出力処理(S110)の一部のサブルーチンについて説明する。
図6に示す「普図始動入賞確認処理」は入賞確認処理(S108)のサブルーチンで、第1または第2の普図始動口21A,21Bへの入球があるか確認し(S200)、入球があれば(S200:yes)、普図の保留記憶が満杯でないか確認する(S201)。保留記憶が満杯でなければ(S201:no)、S202の処理で、普図の当り決定用乱数、当り図柄決定用乱数、リーチ図柄決定用乱数、はずれ図柄決定用乱数、移行決定用乱数などの各種乱数を抽出し、抽出された各種乱数が保留記憶として主制御装置80のメモリに記憶される(最大4つ)。そして、普図保留数表示装置19の表示制御、および演出図柄制御装置82やサブ統合制御装置83へ普図保留数のコマンドを送信する(S203)。
図7に示す「普図当否判定処理」は、当否判定処理(S109)のサブルーチンで、S300の処理で特図の始動口22を開放させるための普通電動役物が作動中か確認し、作動していなければ(S300:no)、普図が変動中か確認し(S301)、変動中でなければ(S301:no)、普図の確定図柄が表示されているか確認する(S302)。なお、普通電動役物が作動中(S300:yes)であれば「普図遊技処理」に移行する。
S302の処理で確定図柄が表示中でなければ(S302:no)、普図の保留記憶があるか確認(S303)し、普図の保留記憶があれば(S303:yes)、普図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S304)。該シフト処理により普図の保留記憶のうち最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。普図の保留記憶がなければ(S303:no)、「普図遊技処理」に移行する。
次にS305の処理で、時短フラグを確認して現在の遊技状態が時短中であるか確認する(時短フラグが1であれば時短中)。時短中であれば(S305:yes)、高確率の当否判定用テーブルで当否判定を行なうようにセットする(S306)。時短中でなければ(S305:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルで当否判定を行なうようにセットする(S307)。そしてS308の処理では、S307またはS308の処理でセットした当否判定用テーブルと当り判定用乱数とを対比して当りか否か当否判定を行なう。普図の当り確率は、図24に示すように、通常は200分の1に設定されており、確変時には約1分の1に設定される。
当りであれば(S308:yes)、S309の処理において、前記対象となる保留記憶の当り図柄決定用乱数に基づいて当り図柄を決定し、前記対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて当りの変動パターンを決定する(S310)。一方、普図が当りでなければ(S308:no)、ハズレの変動パターンを決定する(S311)。こうしてS310またはS311の処理にて変動パターンが決定されると、S312の処理で、普図表示装置18の変動開始、および演出図柄制御装置82およびサブ統合制御装置83へ普図変動開始コマンドを送信し、「普図遊技処理」に移行する。
S301の処理で普図の図柄変動中のときは(S301:yes)、図8の処理に移行し、図柄の変動時間が経過したか否かを判定する(S320)。図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S320:yes)、確定図柄表示設定処理(S321)により普図表示装置18の確定図柄表示、演出図柄制御装置82およびサブ統合制御装置83へ普図に対応する擬似図柄を確定表示させるようにコマンドを送信する。続いて確定表示させた普図が当りになる組合せであるか否か確認し(S322)、当りになる組合せであったときは(S322:yes)、普図当り開始演出処理(S323)により演出図柄制御装置82およびサブ統合制御装置83へ当り演出を開始させるようにコマンドを送信し、「普図遊技処理」に移行する。
図7のS302の処理で確定図柄表示中のときは(S302:yes)、図9の処理に移行し、確定図柄の表示時間が経過したか否かを判定する(S330)。確定図柄の表示時間が経過したことを確認すると(S330:yes)、確定図柄表示終了処理(S331)において普図表示装置18の確定図柄表示の終了、演出図柄制御装置82およびサブ統合制御装置83へ擬似図柄の表示を終了させるようにコマンドを送信し、「普図遊技処理」へ移行する。確定図柄の表示時間が経過していない場合(S330:no)は、そのまま「普図遊技処理」へ移行する。
図10に示す「特図当否判定処理」は、当否判定処理(S109)のサブルーチンであり、大入賞口25を開放させるための特別電動役物が作動中か確認し(S400)、作動していなければ(S400:no)、特図が変動中か確認し(S401)、変動中でなければ(S401:no)、特図の確定図柄が表示されているか確認する(S402)。なお、特別電動役物が作動中(S400:yes)であれば「特別遊技処理」に移行する(図13参照)。
S402の処理で確定図柄が表示中でなければ(S402:no)、特図の始動口22(普通電動役物)への入球があるか確認する(S403)。特図の始動口22への入球があれば(S403:yes)、次にS404の処理において現在の遊技状態が、特図の当り確率が高確率の確変中であるか確認する(確変フラグが1であれば確変中)。確変中であれば(S404:yes)、高確率の当否判定用テーブルで当否判定を行うようにセットする(S405)。確変中でなければ(S404:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルで当否判定を行うようにセットする(S406)。そしてS407の処理では、S405またはS406の処理でセットした当否判定用テーブルと大当り判定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う。特図の当り確率は、図24に示すように、通常では約1.0000305分の1に設定され、確変時には約1.0000152分の1に設定される。
大当りであれば(S407:yes)、大当り図柄決定用乱数に基づいて特図の大当り図柄を決定し(S408)、変動パターン決定用乱数に基づいて大当りの変動パターンを決定する(S409)。
続く特図変動開始コマンド送信処理(S410)では特図表示装置16の特図の変動開始、演出図柄制御装置82およびサブ統合制御装置83へ特図の変動開始に対応するコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
S407の処理で大当りでなければ、変動パターン決定用乱数に基づいてハズレの変動パターンを決定し(S411)、次のS412の処理においてハズレ設定処理を行なってS410に合流し、特図表示装置16のハズレ時の特図の変動開始、演出図柄制御装置82およびサブ統合制御装置83へハズレ時の特図の変動開始に対応するコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
図10のS401の処理で、特図が変動中であれば(S401:yes)、図11の処理に移行し、図柄の変動時間が経過したか否かを判定する(S420)。経過したことを確認すると(S420:yes)、確定図柄表示設定処理(S421)により特図表示装置16の確定図柄表示、演出図柄制御装置82およびサブ統合制御装置83へ特図確定図柄に対応するコマンドを送信する。
続いて確定表示させた特図が大当りになる組合せであるか否か確認し(S422)、大当りになる組合せであったときは(S422:yes)、確変フラグが1(確変中)であれば(S423:yes)、確変フラグを0にセットし(S424)、時短フラグが1(時短中)であれば(S425:yes)、時短フラグを0にセットする(S426)。
続いて条件装置の作動を開始させ(S427)、役物連続作動装置の作動を開始させる(S428)。条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は特別電動役物を連続して作動させる装置である。そして大当り開始演出処理(S429)により演出図柄制御装置82およびサブ統合制御装置83へ大当り演出を開始させるようにコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
S422の処理で、大当りになる組合せでないと判定された場合(S422:no)は、確変フラグが1か確認し(S430)、確変フラグが1であり(S430:yes)、確変回数が0であれば(S431:yes)、確変フラグを0にセットして(S432)、S433に移行する。確変フラグが1でない(S430:no)か又は、確変回数が0でなければ(S431:no)、S433に直行する。S433では時短フラグが1か確認し、時短フラグが1であり(S433:yes)、時短回数が0であれば(S434:yes)、時短フラグを0にセットして(S435)、「特別遊技処理」に移行する。時短フラグが1でない(S433:no)か又は、時短回数が0でなければ(S434:no)、そのまま「特別遊技処理」に移行する。
図10のS402の処理で確定図柄表示中のときは(S402:yes)、図12の処理に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する(S440)。終了したことを確認すると(S440:yes)、確定図柄表示終了処理(S441)において特図表示装置16の確定図柄表示の終了、演出図柄制御装置82およびサブ統合制御装置83へ確定図柄表示の終了に関するコマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。終了していない場合(S440:no)は、そのまま「特別遊技処理」へ移行する。
図7に示した「普図遊技処理」の概要を図13に示す。先ず、普通電動役物が開放中か確認する(S500)。普通電動役物が開放中でなければ(S500:no)、普図当り終了演出中か確認し(S501)、普図当り終了演出中でなければ(S501:no)、普図当り開始演出時間が経過したか確認し(S502)、普図当り開始演出時間が経過していれば(S502:yes),S503の普通電動役物の開放処理で普通電動役物を開放してリターンする。なお、時短フラグが1の場合は、普図当り開始演出時間は0にされ、S502の処理では、普図当り開始演出時間が経過したと判定されて、S503に直行する。
S500の処理で普通電動役物が開放中と判定された場合(S500:yes)は、図14に示すように、普通電動役物に10個(規定数)の入賞があったか否か(S510)、または普通電動役物の開放時間が終了したか否か(S511)を確認して、いずれかを確認できれば(S510:yesまたはS511:yes)、普通電動役物を閉鎖し(S512)、普図当り演出終了処理を実行して(S513)、普図遊技処理を終了(リターン)する。普図当り演出終了処理(S513)では、サブ統合制御装置83に、普電が閉鎖された旨を示すコマンドが送信される。いずれも確認できなければ(S510:noかつS511:no)、そのままリターンする。
図13のS501の処理で普図当り終了演出中と判定された場合(S501:yes)は、図15に示すように、前記普図当り終了演出時間が経過したか否かを判定する(S520)。経過していれば(S520:yes)、普図当り終了コマンド送信の処理(S521)を実行し、この処理で演出図柄制御装置82およびサブ統合制御装置83に普図当り終了コマンドおよび普電の作動が停止した旨を示すコマンドを送信し、普図遊技を終了する。一方、普通図柄当り終了演出時間が経過していなければ、(S520:no)、そのまま普図遊技処理を終了する。
図10にあった「特別遊技処理」の概要を図16に示す。先ず、役物連続作動装置が作動中か確認し(S600)、作動中であれば(S600:yes)、S601の処理で大入賞口25が開放中か確認する。役物連続作動装置が作動中でなければ(S600:no)リターンする。S601の処理で大入賞口25が開放中でなければ(S601:no)、インターバル中か確認し(S602)、インターバル中でなければ(S602:no)、大当り終了演出中か確認し(S603)、大当り終了演出中でなければ(S603:no)、大当り開始演出時間が経過したか確認し(S604)、大当り開始演出時間が経過していれば(S604:yes)、S605で大入賞口25を開放して特別遊技処理を終了(リターン)する。
S601の処理で大入賞口開放中と判定された場合(S601:yes)は、図17に示すように、大入賞口25に1個以上入賞したか否か(S610)、または大入賞口25の開放時間が終了したか否か(S611)を確認する。なお、大入賞口25の開放時間は最長0.6sである(図24参照)。なお、本実施例の遊技構成では、普電で出玉を獲得していくことになる。そのため、大入賞口25に入球することは稀であり、0.6秒を最長開放時間にしていても問題はない。いずれかを確認できれば(S610:yesまたはS611:yes)、大入賞口25を閉鎖し(S612)、大当りインターバル処理を実行して(S613)特別遊技処理を終了する。いずれも確認できなければ(S610:noかつS611:no)そのまま特別遊技処理を終了する。
図16のS602の処理でインターバル中と判定された場合(S602:yes)は、図18に示すように、大当りインターバル時間が経過したか否か確認し(S620)、経過していれば(S620:yes)、最終ラウンド(2ラウンド目)かどうか確認する(S621)。最終ラウンドであれば、(S621:yes)、大当り終了演出の処理(S622)を実行し、この処理で演出図柄制御装置82およびサブ統合制御装置83に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了して特別遊技処理を終了する。一方、最終ラウンドでなければ、(S621:no)、大入賞口の開放設定処理(S623)を実行して特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していない場合(S620:no)は、そのまま特別遊技処理を終了する。
図16のS603の処理で大当り終了演出中と判定された場合(S603:yes)は、図19に示すように、大当り終了演出時間が経過したか確認し(S630)、該時間が経過していれば(S630:yes)、役物連続作動装置の作動を停止する処理(S631)を実行し、条件装置の作動を停止する処理(S632)を実行する。このとき、サブ統合制御装置83に、条件装置の作動が停止された旨を示すコマンドが送信される。続いて、時短フラグに1をセットし(S633)、時短カウンタに10をセットし(S634)、確変フラグに1をセットし(S635)、確変カウンタに10をセットする(S636)。そして大当り終了コマンド送信の処理(S637)を実行し、この処理で演出図柄制御装置82およびサブ統合制御装置83に大当り終了コマンドを送信し、特別遊技処理を終了する。
ここでパチンコ機50における遊技進行の例を、図20を用いて説明する。普通図柄の保留記憶がない状態で作動口21Aに入球(A)すると、普通図柄が変動を開始する(B1 )。ここではこの変動の結果、当り図柄で普通図柄が停止するものとする。この変動が停止すると(B2 )、その確定(B3 )と共に普通電動役物が作動し(C1 )、普電開放の演出時間(F1 )の経過後に普通電動役物が開放、すなわち特図の始動口22に入球可能となる(F2 )。遊技者が特図の始動口22をめがけて遊技球を発射すると、いずれ遊技球が特図の始動口22に入賞し(G1 )、特図が変動を開始する(H1 )。この変動が停止すると(H2 )、その確定(H3 )と共に条件装置が作動し(I1 )、大当たりの発生となる。なお、図24にも示したように、特図は確変状態か否かに係わらずほぼ当選するので、条件装置の作動もほぼ確実であり、それに従ってここでは条件装置が作動するものとした。なお、遊技者が特図の始動口22をめがけて遊技球を発射するとその内のいくつかはゲート21Bを通る(D1 )が、普電が作動しているので、普通図柄は変動されず、保留として記憶される。所定のインターバルを経て特別電動役物が作動し(J1 )、大入賞口25が開放する(K1 )。図24にも示したように大入賞口25の規定数は1個なので、遊技球が入賞した時点で大入賞口25は閉鎖する(K2 )。ここでは大入賞口25に全く入賞しなかった場合を示している。なお、前述したように、大入賞口25に1個も入賞しなくても、0.6s(図24参照)が経過すると大入賞口25は閉鎖される。条件装置が作動すると、特別電動役物は2回作動するので、大入賞口25も2回開放される。すなわち、再び特別電動役物が作動(J3 )することにより、大入賞口25が開放する(K3 )。ここでは再び、大入賞口25が開放してから遊技球が大入賞口25に全く入らなかったものとして図示している。従って大入賞口25は最長開放時間である0.6sの後に閉鎖(K4 )する。なお、特電の作動の停止時点(J2,J4 )は、大入賞口25の開放時間に応じて決定する。また、本実施例の構成では特図に保留機能を備えていないため、条件装置の作動中に特図の始動口22に入賞しても(G2 )、賞球が払い出されるだけで、特別図柄の変動は開始されない。そして普電の閉鎖後、開放時に入球した遊技球が検出されるに十分な時間が設けられた残存球処理期間(F3 )を経た後に、普電内に残っていた遊技球が始動口22に入賞しても(G3 )、それが普電作動の停止(C2 )後であれば、賞球が払い出されるだけで、特別図柄の変動は開始されることはない。
条件装置の作動が停止(I2 )されると、遊技状態は高確率の時短状態となる。なお、大当り遊技中は確変機能も時短機能も全て停止された状態になる。そのため、大当り遊技中に普図が変動開始すると、本来は時短機能作動状態で当否判定、変動を行わなければならないものが低確率状態で行われることになる。これでは、目指している遊技性を安定して享受させることが困難になるため、本実施例では特図変動〜条件装置の終了までの時間は普電作動の時間よりも短く設定している。
これならば、普図が変動する時は必ず大当り遊技状態ではない時とすることができ、安定した確変状態、時短状態を付与することができる。ここで「高確率」としたのは、確変突入率が95%(図24参照)であることによる。また、時短状態になるのは、リミッターに到達するまでは必ず大当り後に時短フラグが1になるというパチンコ機50の仕様による。なお、リミッターは15回である。そして普通図柄は、特図が確変するか否かに係わらず、特図が当れば必ず高確率状態となる(リミッター到達時は除く)。これにより、以降、遊技球が普通図柄始動口21A,21Bを通過(または普通図柄の保留記憶を消化。本事項は以下省略)→普通図柄が変動→普通図柄が当選(高確率状態の普通図柄の当選確率がほぼ1/1であることによる)→普電が開放→特図の始動口に入賞(賞球発生)→特図が変動→特図が当選→遊技状態は高確率の時短状態→遊技球が普通図柄始動口21A,21Bを通過→・・・の繰り返しとなって遊技者は賞球を得ていく。この、普電が複数回開放されて賞球を得ていく様子は、旧来よりあるパチンコ機において役物連続作動装置が作動して、大入賞口が複数回開放されて賞球を得ていく様子に似ているので、「大当り」と呼ぶことにする。この大当りの途中で、特別図柄が確変ではない当選(通常当り)をすると、確変当選回数のリミッターがリセットされ、そこから更に「大当り」が発生する。
特図の確変当選回数がリミッターに到達すると、特図の当選は強制的に通常当りとなり、該当りの終了後に普通図柄を確変させるか否かの振分抽選が行なわれる。普通図柄が確変すれば、遊技球が普通図柄始動口21A,21Bを通過することによりほぼ確実に普通図柄が当り、普電が開放して再び特図の始動口22に入賞して大当りが再発する。確変当選回数がリミッターに到達した場合の一例を図21に示す。大当り中にゲート21Bを遊技球が通過(または普通図柄の保留記憶を消化)すると(D2 )、普通図柄が変動を開始する(B4 )。普通図柄変動の起因が作動口21Aではなくゲート21Bなのは、遊技者が普電を狙って遊技球を発射していることによる。この変動は普通図柄が確変しているので当り態様で停止する(B5 )。普通図柄が確定(B6 )すると普通電動役物が作動し(C3 )、普通電動役物が開放し、特図の始動口22に入球可能となる(F4 )。遊技者が特図の始動口22をめがけて遊技球を発射すると、いずれ遊技球が特図の始動口22に入賞し(G4 )、特図が変動を開始する(H4 )。この変動が停止すると(H5 )、その確定(H6 )と共に条件装置が作動し(I3 )、大当たりの発生となる。リミッターに到達しているので、これは通常当りである。ここで条件装置の作動停止後に普通図柄の高確率状態が維持されるならば、無条件に「大当り」が再発するので、以降の進行は説明するに値しない。そこでここでは普通図柄も低確率に戻るものとする。所定のインターバルを経て特別電動役物が作動し(J5 )、大入賞口25が開放し(K5 )、遊技球が入賞した時点で大入賞口25は閉鎖する(K6 )が、ここでは図20とは異なり、大入賞口25の開放から0.1s後に大入賞口25への入球が発生したものとする。従って大入賞口25は図20よりも0.5s(=0.6s−0.1s)早く閉鎖し、これに伴って特別電動役物の作動停止(J6 )および再作動(J7 )も図20よりも早い時点で行なわれる。そして、大入賞口25への入球が再び開放から0.1s後に発生し、大入賞口25が早い時点で閉鎖し(K8 )、特別電動役物の作動停止も早い時点(J8 )で行なわれたとする。すると条件装置の作動停止は、図20よりも1s(=0.5s+0.5s)早い時点(I4 )で行なわれる。ここで、普電はその最大時間である5.8s(図24参照)まで開放されたとする。その理由としては、普電に規定数の遊技球が入らなかった等を挙げることができる。これらの条件が成立すると、条件装置の作動停止の後であって、かつ普電の作動中(残存球処理期間である(F5 ))という時間帯(本図の構成では0.9s)が発生する。この時間帯に始動口22で検出が発生(G5 )すると、特図が変動される(H7 )。特図は常に約1/1で当選するので、この変動が停止すると(H8 )ほぼ必ず当り、その確定(H9 )と共に条件装置が作動し(I5 )、大当たりの再発生となる。リミッターはクリアされているので、大当り終了後に普通図柄も高確率状態となり、普通図柄が変動すれば普電がほぼ確実に開放する状態となる。
このように構成された遊技機によれば、大入賞口25が開放されるごとに早い時点で遊技球を入れることにより、特図を2回変動させることができる。これにより、リミッターに到達した時点でこれを行なうと、終わったはずの「大当り」を再発させることができるという遊技興趣を持った遊技機とすることができる。遊技者にとっては、リミッターに到達した際には、開放された大入賞口25には速やかに入球させることにより、「大当り」が再発されるかもしれないという技術介入余地をもった遊技機となる。なお、リミッターに到達していないときには、速やかに普電に入球させ、大入賞口25には入球させないことにより、リミッターの浪費(特図が2回当り、かつそれらが共に確変当りであると、普電が1回しか開放していないのにリミッターが一気に2個減少する)を防ぐことができる。このように、パチンコ機50において賞球を払い出すために専ら用いられる普電に係る遊技だけでなく、従来は普通図柄を確変させる程度にしか利用されてこなかった特別図柄の遊技にも遊技者の興味を抱かせることができる。なお、図21に示したタイムチャートでは、大入賞口25の開放から大入賞口25への入球まで2ラウンドとも0.1s掛かった結果、チャンス時間が0.9s生じたことから分かるように、1ラウンド平均、開放から0.55s未満で入球させれば、チャンス時間が生じる。特別図柄を変動させる難易度は上昇するものの、1ラウンド平均、開放から0.55s未満で入球させれば、大当りを再開させるチャンスとなる。
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。S312の処理が本発明の「普通図柄変動手段」に相当し、S308の処理が本発明の「普通図柄当否判定手段」に相当し、S410の処理が本発明の「特別図柄変動手段」に相当し、S407の処理が本発明の「特別図柄当否判定手段」に相当し、S635の処理が本発明の「特図確変制御手段」に相当し、S633の処理が本発明の「普通図柄確変制御手段」に相当する。なお、リミッターに到達した際に確変フラグを1にしない処理も本発明の「特図確変制御手段」に相当し、同じくリミッターに到達した際に普通図柄を確変させるか否かを決定する処理も本発明の「普通図柄確変制御手段」に相当する。
[実施例2]
本発明の第2実施例について説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。
本実施例では、普電が1回作動する間に2回目の特図変動が行なわれる際には、演出図柄表示装置15で専用の演出が行なわれる。これについて図22に示す。図22(a)はリミッターに到達する条件装置の作動(図22の時点I3 )前に特別図柄の擬似図柄150が演出図柄表示装置15で変動されている様子を示す説明図である。この状態では、演出図柄表示装置15にキャラクタ151(犬の達吉)が平静な表情で表示されている。前述のように特図は確変中か否かに係わらずほぼ必ず当るのでこの擬似図柄150の変動は当たり態様で停止される(ただしリミッターに到達しているので必ず通常当り)。「15回目」と表示されているのは、今回の特図当りがリミッターに到達するものであることを遊技者に報知するメッセージ152である。
リミッターに到達した条件装置の作動中に始動口22に入球した際には、図22(b)のような画像が演出図柄表示装置15に出力される。本来なら、リミッター到達により、普通図柄が確変するか否かを振り分ける抽選(確変なら大当り継続)を受けることになるのだが、たとえここで普通図柄が確変しなくとも、特図が変動したことにより大当りが再発する可能性がある。特図は100%当るわけではないので、メッセージ153は「ボーナスチャレンジ」となっているが、何度も記載したように特図は確変しているか否かに係わらずほぼ必ず当るので、大当りが再発する。このように普電が1回作動する間に2回目の特図変動が行なわれる際には、専用の演出を行なうので、遊技者は特別な事態が発生したことを認識して、より大きな喜びを得ることができる。
なお、当該特図の変動が普電中に行なわれたのが1回目であるか2回目であるかは、S410の特図の変動開始コマンドを受信したのが、残存球処理時間(図21のF5 。図20のF3 も残存球処理時間だが条件装置が作動中なので特別図柄が変動しない)であったか否かにより判定する(「否」の場合が1回目)。残存球処理時間前に始動口22に入球した場合も条件装置が作動していなければ特図は変動するのだが、パチンコ機50ではこれがタイミング的に不可能な設計となっている。すなわち、前述のように、特電が2回開放された際に、その夫々の開放とも速やかに特電に入賞させても、普電の開放中に条件装置の作動が停止されることがない設定となっている。そして現在が残存球処理時間であることは、現在がS513で主制御装置80から送信された普電が閉鎖された旨を示すコマンドを受信した後であって、且つS521で主制御装置80から送信された普電の作動が停止した旨を示すコマンドを受信する前であることにより判定する。
図22(b)の画像を出力するサブ統合制御装置83の処理が本発明の「特別変動演出手段」に相当する。
[実施例3]
本発明の第3実施例について説明する。なお、本実施例も実施例1と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。
本実施例では、大入賞口25に遊技球が入球すると、演出図柄表示装置15で専用の演出が行なう。これについて図23に示す。図23(a)は、特図およびその擬似図柄150が当り態様で停止されたことにより発生した特別遊技の大入賞口25の1回目の開放(第1ラウンド)で、大入賞口25に入賞したことをカウントSW(図4参照)が検出した場合に演出図柄表示装置15に出力された画像の例を示す説明図である。第1ラウンドにおける入賞発生という第1条件をクリアしたことにより、「ワンクリア!」というメッセージ154が表示される。図23(b)は、特別遊技の第1ラウンドで大入賞口25に入賞しなかった場合、または第1ラウンドでは大入賞口に入球したが第2ラウンドで入球しなかった場合に、演出図柄表示装置15に出力される画像である。このような事態が発生すると、2回目の特図変動(普電の開放1回あたり)は望めないので「残念」というメッセージ155が表示される。
特別遊技の第1ラウンドで大入賞口25に入賞し、更に第2ラウンドでも大入賞口25に入賞した場合には図23(c)のような画像が演出図柄表示装置15に出力される。すなわち、大入賞口25の2回の開放の双方に入球させることに成功したので、条件装置の作動停止後であって普電作動の停止前に特図の始動口22に入球すれば、特図およびその擬似図柄150が変動を開始し、殆どの場合、特図は当るので大当りが再発するので「ビッグチャンス」というメッセージ156が表示されている。この演出を見ることにより、遊技者は再び大当りが発生するかもしれないという期待感を抱くことができる。
なお、前述したように、各ラウンドで大入賞口25に入球させなくとも、特電が開放されてからラウンド平均0.55s未満で特図始動口22への入球が検知されれば、チャンス時間は発生する。しかし、特図始動口22への入球したのが一方のラウンドだけではチャンス時間が短く、特図始動口22への入球が困難であるため、図23のような演出をしている。なお、図23(c)の画像を表示した後、条件装置が作動を停止して普電の作動が停止する前に特図の始動口22に入球した場合には図22(b)に示したような演出を行なうのが望ましい。
図23の画像を出力するサブ統合制御装置83の処理が本発明の「規定入賞報知手段」に相当する。
[他の実施例]
前記実施例ではいずれも、ラウンド平均0.55s未満で大入賞口25に入球させないとチャンス時間が発生しない設定となっていたが、この条件を緩めても良い。例えば、2ラウンドとも大入賞口25に早期に入賞させるだけで、2回目の特図変動(普電の開放1回あたり)は発生する仕様としてもよい。ただし条件を緩め過ぎると、リミッターの到達前にも普通図柄の1回当りに対して特図の当りが2回発生する可能性が高くなり、発生するとリミッターを浪費してしまうので注意が必要である。これを逆手に取り、こうしたスリルを有する遊技機として実現しても良い。また、逆に2ラウンドとも早期に大入賞口25に入賞させないとチャンス時間が生じないという厳しい設定にしてもよい。また、ラウンド平均0.55s未満という数値も変更して構わない。
図22、図23のいずれにおいても、特別図柄の疑似図柄150を演出図柄表示装置15に大きく表示していたが、特図はパチンコ機50においては確率変動を起こすことが目的のいわば脇役であるため、小さく表示したり、或いは全く表示しなくてもよい。後者の場合は特図を特別図柄表示装置16に出力するのみとなる。その場合も、大入賞口25への入球や、条件装置の作動停止後かつ普電の作動停止前の大入賞口25への入球が発生した旨を遊技者に報知する演出は行なうのが望ましい。
パチンコ機50は遊技球を遊技者に払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずにデータとして遊技者に付与し、遊技球自体はパチンコ機内で循環させる封入式の構成にしても良い。
実施例2において、発生した特別図柄の変動が2回目の変動か否かを、S410の特図の変動開始コマンドをサブ統合制御装置83が受信したのが、残存球処理時間であったか否かにより判定していたが、これ以外の方法で判定しても良い。例えば、普電が開放した際にフラグを立て、普電が閉鎖した際に該フラグをクリアする。このフラグの状態をサブ統合制御装置83が参照可能に構成しておく(例えば、該フラグの状態が変化する都度、その旨を示すコマンドをサブ統合制御装置83に送信する)。サブ統合制御装置83が特別図柄の変動コマンドを受信したら、前記フラグが立っているか否かを判定し、立っていれば1回目の変動、立っていなければ2回目の変動と判断する。この場合は、普電の開放中に条件装置の作動が停止することがないような設計をするとよい(さもないと2回目の特別図柄の変動が行なわれても、サブ統合制御装置83が1回目と判定される可能性がある。ただし、該判定が為されても、演出が適切に行なわれなくなるだけであって、遊技者の好機が失われるわけではない)。
実施例3では、各ラウンドで大入賞口25に入球さえすれば、図23(a)、図23(c)に示したような演出が演出図柄表示装置15に出力されたが、各ラウンドの早い時点(具体的には、条件装置の作動停止後に普電の作動が続いている時間が確保される時点)に大入賞口25への入球が発生した時のみ、前記演出が行なわれるようにしてもよい。