JP5990138B2 - 無線通信システム、チャネル割当装置、及びチャネル割当方法 - Google Patents

無線通信システム、チャネル割当装置、及びチャネル割当方法 Download PDF

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本発明は、無線通信システム、チャネル割当装置、及びチャネル割当方法に関する。
近年、ノートパソコンやスマートフォン等の持ち運び可能かつ高性能な端末の普及により、企業や公共スペースだけではなく、一般家庭でもIEEE802.11標準規格の無線LAN(Local Area Network)が広く使われるようになっている。
IEEE802.11標準規格の無線LANには、2.4GHz(ギガヘルツ)帯を用いるIEEE802.11bやIEEE802.11g規格の無線LANと、5GHz帯を用いるIEEE802.11a規格の無線LANがある。
IEEE802.11bやIEEE802.11g規格の無線LANでは、2400MHz(メガヘルツ)から2483.5MHz間に5MHz間隔で13チャネルが用意されている。ただし、同一場所で複数使用する際は、干渉を避けるためスペクトルが重ならないように使用すると最大で3チャネル、場合によっては4チャネルまで同時に使用できる。
一方、IEEE802.11a規格では、日本の場合は、5170MHzから5330MHz間、及び、5490MHzから5710MHz間でそれぞれ互いに重ならない8チャネル及び11チャネルの合計19チャネルが規定されている。なお、IEEE802.11a規格では、チャネル当たりの帯域幅が20MHzに固定されている(例えば、非特許文献1参照。)。
無線LANの最大伝送速度は、IEEE802.11b規格の場合は11Mbps(メガビット毎秒)であり、また、IEEE802.11a規格やIEEE802.11g規格の場合は54Mbpsである。ただし、ここでの伝送速度は物理レイヤ上での伝送速度であり、実際にはMAC(Medium Access Control)レイヤでの伝送効率が50〜70%程度であるため、実際のスループットの上限値はIEEE802.11b規格では5Mbps程度、IEEE802.11a規格やIEEE802.11g規格では30Mbps程度である。また、スループットは、情報を送信しようとする通信局が増えれば更に低下する。
一方で、有線LANでは、Ethernet(登録商標)の100Base−Tインタフェースをはじめ、各家庭にも光ファイバを用いたFTTH(Fiber to the home)の普及から、100Mbpsの高速回線の提供が普及しており、無線LANにおいても更なる伝送速度の高速化が求められている。
そのため、2009年に標準化が完了したIEEE802.11n規格では、これまで20MHzと固定されていたチャネル帯域幅が最大で40MHzに拡大され、また、空間多重送信技術(MIMO:Multiple Input Multiple Output)技術の導入が決定された。更に、今現在標準化仕様が検討されているIEEE802.11acでは、チャネル帯域幅を80MHzや最大で160MHzまで拡大することや、空間分割多元接続(SDMA:Space Division Multiple Access)を適用したマルチユーザMIMO(MU−MIMO)送信方法の導入等が検討されている(例えば、非特許文献2参照。)。
このように、チャネル当たりの帯域幅を40MHz、80MHz、160MHzと広くする場合、5GHz帯において同一場所で同時に使えるチャネル数は、9チャネル、4チャネル、2チャネルと少なくなる。すなわち、チャネル当たりの帯域幅が増加するにつれて、使えるチャネル数が低減することになる。
上述の通り、同一場所で同時に使えるチャネル数は、2.4GHz帯の無線LANでは3つ、5GHz帯の無線LANでは2つ、4つ、9つ、又は19のチャネルが用意されている。そのため、実際に無線LANを導入する際には、基地局装置であるアクセスポイント(AP:Access Point)が自セル(BSS:Basic Service Set)内で使用するチャネルを選択する必要がある。
使用可能なチャネル数よりもBSS数が多く存在する環境では、複数のBSSが同一チャネルを使うことになる(OBSS:Overlapping BSS)。無線LANでは、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance:搬送波感知多重アクセス)を用いて、チャネルが空いているときにのみデータの送信を行う自律分散的なアクセス制御が使われている。具体的には、送信要求が発生した通信局は、まず所定のセンシング期間(DIFS:Distributed Inter-Frame Space)だけ無線媒体の状態を監視し、この間に他の通信局による送信信号が存在しなければ、ランダム・バックオフを行う。通信局は、引き続きランダム・バックオフ期間中も無線媒体を監視するが、この間にも他の通信局による送信信号が存在しない場合に、チャネルの利用権を得る。チャネルの利用権を得た通信局は同一BSS内の他の通信局にデータを送信したり、それらの通信局からデータを受信したりできる。
このような制御を行うため、競合する通信セルや通信局が多いと、得られるスループットが低下する。したがって、周辺環境をモニタリングし、適切なチャネルを選択することが重要になる。
アクセスポイントにおけるチャネルの選択方法は、IEEE802.11標準規格で定まっていないため、各ベンダーが独自のチャネル選択方法を使用しているが、最も一般的なチャネル選択方法は、干渉電力の最も少ないチャネルを選択する方法である。アクセスポイントは、一定期間すべてのチャネルの状態を検知(スキャニングを実施)して最も干渉電力が少ないチャネルを選択し、選択したチャネル上で配下通信局とデータの送受信を行う。なお、干渉電力とは、近隣BSSや他システムから受信する信号のレベルである。
また、IEEE802.11規格では、BSS周辺の無線状況が変化した場合におけるチャネルの変更手順が規定されているが、基本的に、レーダ検出などによる強制移行以外は、一度選択したチャネルの再選択を行っていない。そのため、現状無線LANでは、無線状況の変化に応じたチャネルの最適化は行われていない。
さらに、現状の市販アクセスポイントは自律分散動作を行っているため、各々のアクセスポイントは、チャネルを選択する際に自局において受信する信号のみを考慮してチャネルを選択している。このため、アクセスポイントの配置分布が一様でない環境では、使用可能チャネルに偏りが生じ、周波数リソースは有効に使用されない。
守倉正博、久保田周治監修、「802.11高速無線LAN教科書」改訂三版、インプレスR&D、2008年3月 IEEE 802.11ac Draft Standard, D3.0, June 2012.
既存無線LANシステムは、自律分散的に動作する。また、上述の通り、一度選択したチャネルの再選択は基本的に行っていないため、各々のアクセスポイントの起動時における周辺の無線環境に基づいて使用するチャネルを選択する。例えば、起動中のアクセスポイントの変化、各々のアクセスポイント配下端末の変化、各々のセル内の無線装置による送出されるデータ量の変化などの環境変化が起きても使用チャネルの最適化を行なっていないため、各々のセルのスループット間で差が生じたり、システム全体でもスループットが劣化したりする問題があった。
上記事情に鑑み、本発明は、基地局装置が密集している環境において、起動中のアクセスポイントについての環境変化が生じた場合でも、局地的なスループットの低下を回避することができる無線通信システム、チャネル割当装置、及びチャネル割当方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、チャネル割当装置と複数の無線基地局装置とを有する無線通信システムであって、前記無線基地局装置は、無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信部が検知した周辺無線環境を示す無線環境情報を前記チャネル割当装置に通知する無線環境情報通知部と、前記チャネル割当装置から通知されたチャネルを前記無線通信部に設定するチャネル設定部とを備え、前記チャネル割当装置は、複数の前記無線基地局装置から前記無線環境情報を収集する情報収集部と、前記情報収集部が収集した前記無線環境情報に基づいて周辺無線環境に共通した特徴を有する前記無線基地局装置を同じグループにグルーピングし、互いに干渉しない前記グループに対して同一のチャネルを割り当てるチャネル算出部と、前記チャネル算出部が前記グループに割り当てた前記チャネルを、当該グループにグルーピングされた前記無線基地局装置に通知する制御部とを備える、ことを特徴とする無線通信システムである。
また、本発明の一態様は、上述する無線通信システムであって、前記無線環境情報は、前記無線通信部が他の前記無線基地局装置から受信した無線信号の信号レベルの情報を含み、前記チャネル算出部は、前記無線環境情報が示す他の前記無線基地局装置の無線信号の信号レベルが予め設定された閾値を超えている場合は前記無線環境情報の通知元の前記無線基地局装置と他の前記無線基地局装置とが干渉し合うと判断し、超えていない場合は前記無線環境情報の通知元の前記無線基地局装置と他の前記無線基地局装置とが非干渉と判断し、互いに非干渉の前記無線基地局装置が属する前記グループに対して同一のチャネルを割り当てる、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上述する無線通信システムであって、前記チャネル算出部は、前記無線環境情報に基づいて、複数の前記無線基地局装置の中から干渉する他の前記無線基地局装置の数が最も少ない前記無線基地局装置を選択し、選択した前記無線基地局装置と、当該無線基地局装置と非干渉の他の前記無線基地局装置とを同じグループにグルーピングし、グルーピングされずに残った前記無線基地局装置がある場合は、残った前記無線基地局装置の中から干渉する他の前記無線基地局装置の数が最も少ない前記無線基地局装置を選択し、選択した前記無線基地局装置と、当該無線基地局装置と非干渉の他の前記無線基地局装置とを同じグループにグルーピングする処理を繰り返し、互いに非干渉の前記無線基地局装置が属する前記グループに対して同一のチャネルを割り当てる、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上述する無線通信システムであって、前記チャネル算出部は、同じグループにグルーピングされた前記無線基地局装置の中から前記無線環境情報に基づいて干渉状況が異なる前記無線基地局装置を特定し、特定した前記無線基地局装置を当該グループから削除して別のグループを形成させ、互いに非干渉の前記無線基地局装置が属する前記グループに対して同一のチャネルを割り当てる、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上述する無線通信システムであって、前記チャネル算出部は、未割当のチャネルを、前記グループに属する一部の前記無線基地局装置に割当てる、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、チャネル割当装置と複数の無線基地局装置とを有する無線通信システムにおける前記チャネル割当装置であって、複数の前記無線基地局装置から周辺無線環境を示す無線環境情報を収集する情報収集部と、前記情報収集部が収集した前記無線環境情報に基づいて周辺無線環境に共通した特徴を有する前記無線基地局装置を同じグループにグルーピングし、互いに干渉しない前記グループに対して同一のチャネルを割り当てるチャネル算出部と、前記チャネル算出部が前記グループに割り当てた前記チャネルを、当該グループにグルーピングされた前記無線基地局装置に通知する制御部と、を備えることを特徴とするチャネル割当装置である。
また、本発明の一態様は、チャネル割当装置と複数の無線基地局装置とを有する無線通信システムが実行するチャネル割当方法であって、前記無線基地局装置が、当該無線基地局装置において無線通信を行う無線通信部により周辺無線環境を検知する無線環境検知過程と、前記無線環境検知過程において検知した前記周辺無線環境を示す無線環境情報を前記チャネル割当装置に通知する無線環境情報通知過程と、前記チャネル割当装置が、複数の前記無線基地局装置から前記無線環境情報を収集する情報収集過程と、前記情報収集過程において収集した前記無線環境情報に基づいて周辺無線環境に共通した特徴を有する前記無線基地局装置を同じグループにグルーピングし、互いに干渉しない前記グループに対して同一のチャネルを割り当てるチャネル算出過程と、前記チャネル算出過程において前記グループに割り当てた前記チャネルを、当該グループにグルーピングされた前記無線基地局装置に通知する制御過程と、前記無線基地局装置が、前記チャネル割当装置から通知されたチャネルを前記無線通信部に設定するチャネル設定過程と、を有することを特徴とするチャネル割当方法である。
また、本発明の一態様は、チャネル割当装置と複数の無線基地局装置とを有する無線通信システムにおける前記チャネル割当装置が実行するチャネル割当方法であって、情報収集部が、複数の前記無線基地局装置から周辺無線環境を示す無線環境情報を収集する情報収集過程と、チャネル算出部が、前記情報収集過程において収集した前記無線環境情報に基づいて周辺無線環境に共通した特徴を有する前記無線基地局装置を同じグループにグルーピングし、互いに干渉しない前記グループに対して同一のチャネルを割り当てるチャネル算出過程と、制御部が、前記チャネル算出過程において前記グループに割り当てた前記チャネルを、当該グループにグルーピングされた前記無線基地局装置に通知する制御過程と、を有することを特徴とするチャネル割当方法である。
本発明により、基地局装置が密集している環境において、起動中のアクセスポイントについての環境変化が生じた場合でも、局地的なスループットの低下を回避することが可能となる。
本発明の一実施形態による無線通信システムの構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態によるチャネル割当装置のチャネル算出部における各制御対象APの干渉AP数計算処理を示すフローチャートである。 同実施形態によるチャネル割当装置のチャネル算出部における制御対象APのグルーピング処理を示すフローチャートである。 同実施形態によるチャネル割当装置のチャネル算出部におけるチャネル割当て用の非干渉AP群形成処理を示すフローチャートである。 同実施形態による制御対象APの配置例を示す図である。 無線通信システムが図5に示す制御対象APを備える場合の各制御対象AP同士の干渉の有無と、各制御対象APの干渉APの数を示す図である。 無線通信システムが図5に示す制御対象APを備える場合の非干渉AP群のグループと、チャネル割当てを示す図である。 同実施形態による無線通信システムの屋内実験環境の詳細を示す図である。 図8に示す屋内実験環境の屋内実験における12台のAPのうち最小スループットを示す図である。 図8に示す屋内実験環境の屋内実験におけるFI値を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態における無線通信システム、チャネル割当装置、及びチャネル割当方法を説明する。
図1は、本実施形態における無線通信システムの構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、無線通信システムは、無線基地局装置1とチャネル割当装置3とを備えて構成される。同図においては、無線通信システムが備える複数の無線基地局装置1のうち、通信範囲がそれぞれセルC1、セルC2である2台の無線基地局装置1のみを示している。無線基地局装置1とチャネル割当装置3とは、有線または無線の通信網により通信する。無線基地局装置1は、例えば、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイント(以下、「AP」と記載する。AP:Access Point)であり、複数のチャネルのうちチャネル割当装置3より通知されたいずれか一つのチャネル(周波数帯域)を用いて、配下の不図示の端末装置と無線通信を行う。チャネル割当装置3は、無線基地局装置1が検知した周辺無線環境を示す無線環境情報に基づいて、各無線基地局装置1が使用すべきチャネルを計算し、各々の無線基地局装置1に割り当てる。
本実施形態による無線通信システムは、OSGi(Open Services Gateway Initiative)サービス・アグリゲーション・プラットフォーム(OSAP:OSGi Service Aggregation Platform)などを用いたネットワーク制御型無線LANにおいて、システムスループットの向上又はシステム内の最小スループットを持つセルのスループット向上を目指す。
そこで、チャネル割当装置3は、非干渉AP群数が最大となるように、無線環境情報が示す各APにおける周辺APの信号検出の可否に基づいて、周辺無線環境に共通した特徴を持つAPをグルーピングする。そして、チャネル割当装置3は、相互に信号検出が不可であるAP(非干渉AP)には同一チャネルを割り当て、信号検出が可能なAP(干渉AP)同士には異なるチャネルを割当てる。なお、チャネル割当装置3は、周辺APの信号検出可否を、予め設定されたRSSI閾値を基に判断する。
無線基地局装置1は、無線通信部11と制御部12とを備えて構成される。制御部12は、無線環境情報保持部13、無線環境情報通知部14、チャネル設定部15、及びアクセス権獲得部16を有する。
無線通信部11は、チャネル設定部15により設定されたチャネルを使用して不図示の端末装置と無線通信を行う。無線通信部11は、例えば、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance:搬送波感知多重アクセス)によるアクセス制御を用いて無線通信を行う。また、無線通信部11は、無線通信において利用可能なすべてのチャネルそれぞれを予め定められた期間スキャンし、スキャン結果を無線環境情報として無線環境情報保持部13に出力する。無線環境情報保持部13は、無線通信部11から入力された無線環境情報を保持する。無線環境情報通知部14は、無線環境情報保持部13に保持されている無線環境情報を読み出してチャネル割当装置3に通知する。チャネル設定部15は、チャネル割当装置3より通知されたチャネルを無線通信部11に設定する。アクセス権獲得部16は、CSMA/CAによるアクセス制御によってアクセス権を獲得する。
チャネル割当装置3は、例えば、サーバコンピュータにより実現でき、通信部31、情報収集部32、記憶部33、チャネル算出部34、及び制御部35を備えて構成される。
通信部31は、無線基地局装置1と通信を行う。情報収集部32は、無線通信システムに存在するチャネル割当制御対象の無線基地局装置1から無線環境情報を収集し、内部に備える記憶部321に書き込む。記憶部33は、本無線通信システムにおいてネットワーク制御によりチャネルを集中的に制御できる無線基地局装置1のリストを記憶する。チャネル算出部34は、予め定められた間隔で、記憶部321内に保持されている無線環境情報と記憶部33に記憶されているリストとを基に、チャネルを集中的に制御できる各々の無線基地局装置1が使用すべきチャネルを算出する。具体的には、チャネル算出部34は、無線環境情報を基に、周辺無線環境に共通した特徴を有する無線基地局装置1を同じグループにグルーピングし、互いに干渉しないグループに対して同一チャネルを割り当てる。チャネル算出部34が備える記憶部341は、チャネルの割り当てに用いる各種データを記憶する。制御部35は、チャネル算出部34が算出したチャネルを無線基地局装置1に通知する。
次に、本実施形態の無線通信システムの動作を説明する。以下では、主にチャネル割当装置3のチャネル算出部34の動作を中心に説明する。
無線基地局装置1の運用が開始されると、無線通信部11は、予め定められた時間間隔毎に、無線通信において利用可能なすべてのチャネルそれぞれを、予め定められた期間スキャンする。無線通信部11は、スキャンの結果得られた自装置周辺の無線通信に関する状況を示す無線環境情報を無線環境情報保持部13に出力し、無線環境情報保持部13は入力された無線環境情報を記憶する。この無線環境情報には、利用可能なそれぞれのチャネルにおいて存在する(チャネルを利用している)他APの数、当該他APそれぞれのAP識別情報、当該他APそれぞれから受信するビーコンなどの信号の受信信号強度(RSSI値:Received Signal Strength Indicator)、などの情報が含まれる。AP識別情報は、各AP(無線基地局装置1)を一意に特定する識別子であり、受信したビーコンなどの信号から得られる。無線環境情報通知部14は、定期的に、あるいは、チャネル割当装置3からの要求を受けて、前回通知を行った後に得られた無線環境情報を無線環境情報保持部13から読み出してチャネル割当装置3に通知する。
チャネル割当装置3の情報収集部32は、各無線基地局装置1から通知された無線環境情報を収集し、記憶部321に書き込む。記憶部33には、予め制御対象APリストが記憶されている。制御対象APリストは、制御対象APの集合を示すデータである。制御対象APは、本無線通信システムにおいてネットワーク制御によりチャネルを集中的に制御できるAPであり、制御対象APリストにおいて制御対象APは、例えば、AP識別情報により示される。
情報収集部32は、周辺APリストを生成し、記憶部321に書き込む。周辺APリストは、制御対象APにおいて検知できる、つまり、制御対象APのキャリアセンス範囲内に存在する他APである周辺APの集合を示すデータである。周辺APは、例えば、AP識別情報により示される。情報収集部32は、無線環境情報から無線基地局装置1が各チャネルについて検知した他APのAP識別情報を読み出す。情報収集部32は、無線環境情報の通知元である無線基地局装置1のAP識別情報に対応した周辺APリストに、読み出したAP識別情報を周辺APとして設定し、記憶部321に書き込む。なお、チャネル算出部34が、記憶部321に記憶されている無線環境情報を読み出し、読み出した無線環境情報に基づいて周辺APリストを生成して記憶部341に書き込んでもよい。
チャネル割当装置3のチャネル算出部34は、情報収集部32が収集した各々の無線基地局装置1の無線環境情報を基に、それぞれの無線基地局装置1が使用すべき無線チャネルを以下のように計算する。
まず、チャネル算出部34は、各々のチャネル割当対象AP(制御対象AP)について、周辺に存在し、干渉し合う他APを把握する必要がある。この周辺の干渉し合う他APの把握は、以下の図2に示す動作により行われる。つまり、チャネル算出部34は、無線環境情報に基づいて、予め設定されたRSSI閾値よりも大きい信号レベルのビーコンを検出すると、当該ビーコンを送信したAPを干渉APと見なす。そして、チャネル算出部34は、干渉APを示すAPリストを生成し、記憶部341に書き込む。干渉APリストとは、制御対象APにおいて検知できる、つまり、制御対象APのキャリアセンス範囲内に存在する他APのうち、制御対象APが使用し得るチャネルを使用しているAPである干渉APの集合を示すデータである。なお、制御対象APであるが、干渉APリストに含まれないAPを「非干渉AP」という。
図2は、チャネル割当装置3のチャネル算出部34における各制御対象APの干渉AP数計算処理を示すフローチャートである。なお、全ての制御対象APの干渉AP数の初期値は0である。
まず、チャネル割当装置3のチャネル算出部34は、記憶部33に記憶されている制御対象APリスト、及び情報収集部32の記憶部321に記憶されている全ての制御対象APの周辺APリストを読み出し、記憶部341に書き込む。チャネル算出部34は、記憶部341に記憶されている制御対象APリストが空か否かを判断する(ステップS105)。制御対象APリストに1以上の制御対象APが登録されており、空ではないと判断した場合(ステップS105:NO)、チャネル算出部34は、制御対象APリストに登録されている制御対象APを1台選択する(ステップS110)。この選択された制御対象APを、「選択制御対象AP」と記載する。
チャネル算出部34は、記憶部341に記憶されている選択制御対象APの周辺APリストが空である否かを判断する(ステップS115)。選択制御対象APの周辺APリストに周辺APが設定されており、空ではないと判断した場合(ステップS115:NO)、チャネル算出部34は、選択制御対象APの周辺APリストから周辺APを1台選択する(ステップS120)。選択した周辺APを、「選択周辺AP」と記載する。チャネル算出部34は、選択制御対象APから受信した無線環境情報を情報収集部32の記憶部321より読み出す。チャネル算出部34は、この無線環境情報から、選択制御対象APが検知した選択周辺APのRSSI値(受信信号強度)を読み出し、予め設定されたRSSI閾値を超えているか否かを判断する(ステップS125)。
チャネル算出部34は、読み出した選択周辺APのRSSI値がRSSI閾値を超えていると判断した場合(ステップS125:YES)、選択周辺APは選択制御対象APに対する干渉APであると判断する。そこで、チャネル算出部34は、選択制御対象APに対する干渉AP数のカウントを1増やす(ステップS130)。さらに、チャネル算出部34は、選択制御対象APのAP識別情報に対応付けられた干渉APリストに、選択周辺APを干渉APとして設定し、記憶部341に書き込む。
チャネル算出部34は、選択周辺APのRSSI値がRSSI閾値以下であると判断した場合(ステップS125:NO)、あるいは、ステップS130の処理の後、選択周辺APを選択制御対象APの周辺APリストから削除し(ステップS135)、ステップS115からの処理を繰り返す。
ステップS115において、選択制御対象APの周辺APリストに周辺APが設定されておらず、空であると判断した場合(ステップS115:YES)、チャネル算出部34は、選択制御対象APのAP識別情報を記憶部341に記憶されている制御対象APリストから削除し(ステップS140)、ステップS105からの処理を繰り返す。
そして、ステップS105において、記憶部341に記憶されている制御対象APリストに制御対象APが登録されておらず、空であると判断した場合(ステップS105:YES)、チャネル算出部34は、処理を終了する。
チャネル算出部34は、図2の処理によって全ての制御対象APの干渉AP数の計算及び干渉APリストの作成を完了すると、続いて、以下の図3の処理よって、最も孤立するAP、つまり、最も干渉セル数が少ないAPから順番にAP群を形成する。このとき、チャネル算出部34は、まず、最も孤立するAPを選択し、選択APと非干渉のAPを同じグループに含める方法で、非干渉AP群を形成する。
図3は、チャネル割当装置3のチャネル算出部34における制御対象APのグルーピング処理を示すフローチャートである。
まず、チャネル算出部34は、記憶部33に記憶されている制御対象APリストを読み出し、記憶部341に書き込む。チャネル算出部34は、記憶部341に記憶されている制御対象APリストが空きであるか否かを判断する(ステップS205)。制御対象APリストが空きではないと判断した場合(ステップS205:NO)、チャネル算出部34は、制御対象APリストに登録されている制御対象AP(無線基地局装置1)について図2のステップS130においてカウントした干渉AP数を比較し、最も干渉AP数が少ない制御対象APを最も孤立した制御対象APとして1台選択する(ステップS210)。
チャネル算出部34は、最も孤立した制御対象APのAP識別情報に対応付けて記憶部341に記憶されている干渉APリストを読み出す。チャネル算出部34は、記憶部341内の制御対象APリストに設定されている他の制御対象APから、読み出した干渉APリストに設定されている干渉APを除外し、非干渉な制御対象APを得る。チャネル算出部34は、非干渉な制御対象AP全てを選択し、最も孤立した制御対象APと併せて1つのグループ、つまり、非干渉AP群を形成する(ステップS215)。チャネル算出部34は、形成した非干渉AP群をグループリストに登録し、記憶部341に書き込む。チャネル算出部34は、ステップS215においてグループを形成した全ての制御対象APを、記憶部341に記憶されている制御対象APリストから削除し(ステップS220)、ステップS205からの処理を行う。
そして、ステップS205において、記憶部341に記憶されている制御対象APリストに制御対象APが登録されておらず、空であると判断した場合(ステップS205:YES)、チャネル算出部34は、処理を終了する。
次に、チャネル算出部34は、以下の図4の処理によって、図3の処理により生成した各非干渉AP群に含まれる制御対象APの中で、干渉し合うAPが異なる制御対象APがある場合は、それらの制御対象APを非干渉AP群から削除し、別の非干渉AP群として形成する。
図4は、チャネル算出部34におけるチャネル割り当て用の非干渉AP群形成処理を示すフローチャートである。まず、チャネル算出部34は、記憶部341に登録されているグループリストが空きであるか否を判断する(ステップS305)。グループリストが空きではないと判断した場合(ステップS305:NO)、チャネル算出部34は、グループリストから非干渉AP群を1つ選択する(ステップS310)。
チャネル算出部34は、選択した非干渉AP群を形成する制御対象APをグループリストから読み出すと、読み出した制御対象APのAP識別情報に対応した干渉APリストを記憶部341から読み出す。チャネル算出部34は、読み出した干渉APリストを比較し、選択した非干渉AP群に含まれる制御対象APの中から、干渉APが異なる制御対象APを特定する。チャネル算出部34は、特定した制御対象APを、ステップS310において選択した非干渉AP群としてグループリストに設定されている制御対象APから除外し、別の非干渉AP群のグループを形成させる(ステップS315)。チャネル算出部34は、ステップS310で選択したグループをグループリストから削除する(ステップS320)。
チャネル算出部34は、ステップS305からの処理を繰り返し、グループリストが空である判断した場合(ステップS305:YES)、処理を終了する。
図4の処理より、共通した特徴を持つ制御対象APのみが含まれるような形で非干渉AP群が形成されると、チャネル算出部34は、グループリストに設定されている各非干渉AP群の制御対象APにチャネルを割り当てる。このとき、チャネル算出部34は、同じ非干渉AP群に含まれる全ての制御対象APに同じチャネルを割り当てることで、チャネルを有効に活用する。つまり、同じ非干渉AP群には、互いの信号が検知されないAPが属しており、これらのAPには、どのチャネルを割り当てても干渉しないので、それらのAPには同一チャネルを割当てることができる。
チャネル割当装置3の制御部35は、制御対象APである無線基地局装置1に、チャネル算出部34が当該制御対象APに割当てたチャネルを通知する。無線基地局装置1のチャネル設定部15は、チャネル割当装置3から割り当てられたチャネルの通知を受信すると、通知されたチャネルを無線通信部11に設定する。無線基地局装置1において無線端末宛のデータが生起すると、アクセス権獲得部16は、例えば、CSMA/CAを実施し、アクセス権を取得する。アクセス権獲得部16がアクセス権を取得すると、無線通信部11は、割り当てられたチャネルによって、無線端末と無線信号を送受信する。
次に、上述した図3、及び図4の処理の具体的な例を説明する。
図5は、制御対象APの配置を示す図である。同図に示すように、無線通信システムは、無線基地局装置1として、5台の制御対象APを備える場合について説明する。5台の制御対象APをそれぞれ、AP1、AP2、AP3、AP4、AP5と記載する。AP1、AP2、AP3、AP4、AP5それぞれの通信セルはそれぞれ、C1、C2、C3、C4、C5である。
図6は、無線通信システムが図5に示す制御対象APを備える場合の各制御対象AP同士の干渉の有無と、各制御対象APの干渉APの数を示す図である。同図において、「○」は干渉し合うことを示し、「×」は非干渉であることを示す。つまり、AP1とAP2、AP1とAP3、AP1とAP5、AP2とAP5、AP3とAP4、AP3とAP5が互いに干渉し合う。また、AP1とAP4、AP2とAP3、AP2とAP4、AP4とAP5は非干渉である。このとき、AP1の干渉APリストには、AP2、AP3、AP5が設定され、干渉AP数は3である。また、AP2の干渉APリストには、AP1、AP5が設定され、干渉AP数は2である。また、AP3の干渉APリストには、AP1、AP4、AP5が設定され、干渉AP数は3である。また、AP4の干渉APリストには、AP3が設定され、干渉AP数は1である。そして、AP5の干渉APリストには、AP1、AP2、AP3が設定され、AP5の干渉AP数は3である。
図3の処理の最初、制御対象APリストには、AP1、AP2、AP3、AP4、AP5が設定されているため(ステップS205:NO)、チャネル算出部34は、干渉AP数が最も少ないAP4を最も孤立した制御対象APとして選択する(ステップS210)。チャネル算出部34は、選択したAP4以外に制御対象APリストに設定されているAP1、AP2、AP3、AP5から、AP4の干渉APリストに設定されているAP3を除いたAP1、AP2、AP5を非干渉な制御対象APとして得る。チャネル算出部34は、選択したAP4と、非干渉な制御対象APとして得られたAP1、AP2、AP5とにより1つのグループを形成し、グループリストに登録する(ステップS215)。チャネル算出部34は、グループを形成したAP1、AP2、AP4、AP5を制御対象APリストから削除する(ステップS220)。これにより、制御対象APリストには、AP3のみが残る(ステップS205:NO)。
そこで、チャネル算出部34は、最も孤立した制御対象APとしてAP3を選択する(ステップS210)。選択したAP3以外に制御対象APリストには制御対象APは設定されていないため、チャネル算出部34は、AP3のみで1つのグループを形成し、グループリストに登録する(ステップS215)。チャネル算出部34は、グループを形成したAP3を制御対象APリストから削除する(ステップS220)。これにより、制御対象APリストは空になるため(ステップS205:YES)、チャネル算出部34は、図3の処理を終了する。
図7は、無線通信システムが図5に示す制御対象APを備える場合の非干渉AP群のグループと、チャネル割当てを示す図である。図7(a)は、図3の処理の後に生成された非干渉AP群のグループを示す図であり、最も孤立した制御対象APであるAP4と、AP4に非干渉な制御対象APであるAP1、AP2、及びAP5とが1つのグループを形成している。また、AP3のみで1つのグループを形成している。
図4の処理の最初、グループリストには図7(a)に示す2つのグループが設定されているため(ステップS305:NO)、まず、チャネル算出部34は、グループリストからAP4と、AP1、AP2、及びAP5とからなる非干渉AP群を選択する(ステップS310)。チャネル算出部34は、最も孤立したAP4と非干渉AP群を形成するAP1、AP2、及びAP5の干渉APリストを比較する。すると、AP2だけが、AP3及びAP4の2つのAPと非干渉である一方、AP1とAP5は、AP4とのみ非干渉であるという特徴が得られる。よって、チャネル算出部34は、特徴が異なるAP2をグループから除外し、別のグループを形成させる(ステップS315)。チャネル算出部34は、グループリストからAP4と、AP1、AP2、及びAP5とからなる非干渉AP群を削除する(ステップS320)。これにより、グループリストには、AP3のみからなる非干渉AP群だけが残る(ステップS305:NO)。
チャネル算出部34は、グループリストから選択した非干渉AP群に、制御対象APがAP3の1台のみが設定されているため(ステップS310)、グループの再形成は行わない(ステップS315)。チャネル算出部34は、グループリストからAP3のみからなる非干渉AP群を削除する(ステップS320)。これにより、グループリストは空になり(ステップS305:YES)、チャネル算出部34は、図4の処理を終了する。
図7(b)は、図4の処理の後に生成された非干渉AP群のグループを示す図であり、AP4とAP1及びAP5とが1つのグループG1を形成し、AP2が1つのグループG2を形成し、AP3が1つのグループG3を形成している。チャネル算出部34は、グループG1〜G3それぞれにチャネルを割当てる。以下に、割当ての手順を示す。なお、割当て可能なチャネルはCH1〜CH3であるとする。また、チャネルの有効活用のため、完全に干渉し合わないグループに同じチャネルを割り当てる。
(1) チャネル算出部34は、グループG1にCH1を割り当てる。よって、AP1、AP4、AP5にCH1が割り当てられる。
(2) チャネル算出部34は、グループG1に割当てたCH1とは異なるCH2をグループG2に割当てる。よって、AP2にCH2が割り当てられる。
(3) グループG2のAP2と、グループG3のAP3は互いに非干渉のため、チャネル算出部34は、グループG3にもCH2を割り当てる。よって、AP3にCH2が割り当てられる。ここまでの処理により、図7(c)に示すように、チャネルが割り当てられる。
(4) チャネル算出部34は、全グループへのチャネルの割り当てが完了すると、割当てしていないCH3を、グループ内のAPにさらに分配する。そこで、チャネル算出部34は、グループG1内において干渉し合うAP1、AP5のうちいずれかのチャネルをCH3に変更する。ここでは、AP1、AP5のうちいずれのチャネルを変更するかは、ランダムに(同確率で)決定する。
この手順により、最終的なチャネル割当は、図7(d)に示すように、AP1がCH1、AP2がCH2、AP3がCH2、AP4がCH1、AP5がCH3となる。これによって、キャリアセンス範囲内に存在しても互いに干渉しない5つのセルが形成される。
上述実施形態における無線基地局装置1を複数具備する無線通信システムでは、上記のように、チャネル割当装置3によって、各無線基地局装置1が無線通信に使用するチャネルを周囲の無線状況に応じて動的に決定することにより、セル間でのスループットのばらつきを抑えることができる。その結果、無線通信システムは、無線基地局装置1が密集するエリアが生じる場合においても、また、無線環境が時間とともに変動する環境においても、常に無線通信システム全体におけるスループット低下を抑制することができる。
上述した実施形態によれば、無線通信システム内の全APにおける干渉AP数などの情報を把握した上で、干渉しないAP群を多く形成してチャネルを割り当てるため、システムスループットが大きくなる。また、同じチャネルを共用するAPが少なくなるため、結果的にAPの最小スループットが向上し、無線基地局装置が密集する環境においても局地的なスループットの低下を回避することができる。また、最小スループットの劣化が抑えられるため、セル間でスループットの公平性が改善する。
以下に、実験により本実施形態の無線通信システムの効果を検証したときの検証環境およびその検証結果について述べる。
図8は、屋内実験環境(検証環境)を示す図である。同図に示すように、屋内実験室において12台のAPを設置し、それぞれのAP近傍に無線端末(STA:Station)を一台ずつ配置した。そして、本実施形態を用いて各々のAPにチャネルを割り当てた場合と、各々のAPが従来の最小RSSI法に基づいて使用するチャネルを自律分散的に選択した場合と、使用可能チャネルからランダムにチャネルを選択するランダムチャネル選択法を用いた場合のそれぞれについて、最小スループットを持つセルのスループット値と、公平性を示すFI値とを計算した。なお、FI値については、文献「R. Jain et al., “A quantitative measure of fairness and discrimination for resource allocation in shared systems,” Digital Equipment Corporation Technical Report, DEC-TR-301, September 1984.」に記載されている。1回の実験におけるスループット測定は60秒間とし、30回の実験の結果を平均化した。各APは2.4GHz帯のIEEE802.11g規格で動作する。使用可能チャネル数を互いに干渉しないチャネル1、6、11とした。
図9及び図10に、図8に示す実験環境の屋内実験の実験結果を示す。図9は、屋内実験において12台のAPについて測定したスループットのうち最小スループットを示し、図10は、屋内実験において測定された12台のAPのスループット値を用いて算出したFI値を示す。これらの図において、「最大非干渉AP群」は、本実施形態を用いて各々のAPにチャネルを割当てた場合を示し、「最小RSSI」は、従来の最小RSSI法に基づいて使用するチャネルを自律分散的に選択した場合を示し、「ランダム」は、ランダムチャネル選択法を用いた場合の結果を示す。
図9、図10に示すように、本実施形態を用いて各々のAPにチャネルを割当てた場合は、従来の最小RSSI法、ランダムチャネル選択法を用いた場合と比較して、最小スループット、FI値とも向上したことが確認できる。例えば、従来の最小RSSI法に対して、本実施形態の最小スループットは、1.7倍となっている。
なお、上述した実施形態におけるチャネル割当装置3の機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
複数の無線基地局装置を有する無線通信システムに適用可能である。
1 無線基地局装置
3 チャネル割当装置
11 無線通信部
12 制御部
13 無線環境情報保持部
14 無線環境情報通知部
15 チャネル設定部
16 アクセス権獲得部
31 通信部
32 情報収集部
33、321、341 記憶部
34 チャネル算出部
35 制御部

Claims (7)

  1. チャネル割当装置と複数の無線基地局装置とを有する無線通信システムであって、
    前記無線基地局装置は、
    無線通信を行う無線通信部と、
    前記無線通信部が検知した周辺無線環境を示す無線環境情報を前記チャネル割当装置に通知する無線環境情報通知部と、
    前記チャネル割当装置から通知されたチャネルを前記無線通信部に設定するチャネル設定部とを備え、
    前記チャネル割当装置は、
    複数の前記無線基地局装置から前記無線環境情報を収集する情報収集部と、
    前記情報収集部が収集した前記無線環境情報に基づいて周辺無線環境に共通した特徴を有する前記無線基地局装置を同じグループにグルーピングし、互いに干渉しない前記グループに対して同一のチャネルを割り当てるチャネル算出部と、
    前記チャネル算出部が前記グループに割り当てた前記チャネルを、当該グループにグルーピングされた前記無線基地局装置に通知する制御部とを備え
    前記チャネル算出部は、
    前記無線環境情報に基づいて、
    複数の前記無線基地局装置の中から干渉する他の前記無線基地局装置の数が最も少ない前記無線基地局装置を選択し、選択した前記無線基地局装置と、当該無線基地局装置と非干渉の他の前記無線基地局装置とを同じグループにグルーピングし、
    グルーピングされずに残った前記無線基地局装置がある場合は、残った前記無線基地局装置の中から干渉する他の前記無線基地局装置の数が最も少ない前記無線基地局装置を選択し、選択した前記無線基地局装置と、当該無線基地局装置と非干渉の他の前記無線基地局装置とを同じグループにグルーピングする処理を繰り返し、
    互いに非干渉の前記無線基地局装置が属する前記グループに対して同一のチャネルを割り当てる、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記無線環境情報は、前記無線通信部が他の前記無線基地局装置から受信した無線信号の信号レベルの情報を含み、
    前記チャネル算出部は、前記無線環境情報が示す他の前記無線基地局装置の無線信号の信号レベルが予め設定された閾値を超えている場合は前記無線環境情報の通知元の前記無線基地局装置と他の前記無線基地局装置とが干渉し合うと判断し、超えていない場合は前記無線環境情報の通知元の前記無線基地局装置と他の前記無線基地局装置とが非干渉と判断し、互いに非干渉の前記無線基地局装置が属する前記グループに対して同一のチャネルを割り当てる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記チャネル算出部は、
    同じグループにグルーピングされた前記無線基地局装置の中から前記無線環境情報に基づいて、無線信号が干渉する他の前記無線基地局装置が異なる前記無線基地局装置を特定し、特定した前記無線基地局装置を当該グループから削除して別のグループを形成させ、
    互いに非干渉の前記無線基地局装置が属する前記グループに対して同一のチャネルを割り当てる、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項に記載の無線通信システム。
  4. 前記チャネル算出部は、未割当のチャネルを、前記グループに属する一部の前記無線基地局装置に割当てる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  5. チャネル割当装置と複数の無線基地局装置とを有する無線通信システムにおける前記チャネル割当装置であって、
    複数の前記無線基地局装置から周辺無線環境を示す無線環境情報を収集する情報収集部と、
    前記情報収集部が収集した前記無線環境情報に基づいて周辺無線環境に共通した特徴を有する前記無線基地局装置を同じグループにグルーピングし、互いに干渉しない前記グループに対して同一のチャネルを割り当てるチャネル算出部と、
    前記チャネル算出部が前記グループに割り当てた前記チャネルを、当該グループにグルーピングされた前記無線基地局装置に通知する制御部と、
    を備え
    前記チャネル算出部は、
    前記無線環境情報に基づいて、
    複数の前記無線基地局装置の中から干渉する他の前記無線基地局装置の数が最も少ない前記無線基地局装置を選択し、選択した前記無線基地局装置と、当該無線基地局装置と非干渉の他の前記無線基地局装置とを同じグループにグルーピングし、
    グルーピングされずに残った前記無線基地局装置がある場合は、残った前記無線基地局装置の中から干渉する他の前記無線基地局装置の数が最も少ない前記無線基地局装置を選択し、選択した前記無線基地局装置と、当該無線基地局装置と非干渉の他の前記無線基地局装置とを同じグループにグルーピングする処理を繰り返し、
    互いに非干渉の前記無線基地局装置が属する前記グループに対して同一のチャネルを割り当てることを特徴とするチャネル割当装置。
  6. チャネル割当装置と複数の無線基地局装置とを有する無線通信システムが実行するチャネル割当方法であって、
    前記無線基地局装置が、
    当該無線基地局装置において無線通信を行う無線通信部により周辺無線環境を検知する無線環境検知過程と、
    前記無線環境検知過程において検知した前記周辺無線環境を示す無線環境情報を前記チャネル割当装置に通知する無線環境情報通知過程と、
    前記チャネル割当装置が、
    複数の前記無線基地局装置から前記無線環境情報を収集する情報収集過程と、
    前記情報収集過程において収集した前記無線環境情報に基づいて周辺無線環境に共通した特徴を有する前記無線基地局装置を同じグループにグルーピングし、互いに干渉しない前記グループに対して同一のチャネルを割り当てるチャネル算出過程と、
    前記チャネル算出過程において前記グループに割り当てた前記チャネルを、当該グループにグルーピングされた前記無線基地局装置に通知する制御過程と、
    前記無線基地局装置が、
    前記チャネル割当装置から通知されたチャネルを前記無線通信部に設定するチャネル設定過程と、
    を有し、
    前記チャネル算出過程では、
    前記無線環境情報に基づいて、
    複数の前記無線基地局装置の中から干渉する他の前記無線基地局装置の数が最も少ない前記無線基地局装置を選択し、選択した前記無線基地局装置と、当該無線基地局装置と非干渉の他の前記無線基地局装置とを同じグループにグルーピングし、
    グルーピングされずに残った前記無線基地局装置がある場合は、残った前記無線基地局装置の中から干渉する他の前記無線基地局装置の数が最も少ない前記無線基地局装置を選択し、選択した前記無線基地局装置と、当該無線基地局装置と非干渉の他の前記無線基地局装置とを同じグループにグルーピングする処理を繰り返し、
    互いに非干渉の前記無線基地局装置が属する前記グループに対して同一のチャネルを割り当てることを特徴とするチャネル割当方法。
  7. チャネル割当装置と複数の無線基地局装置とを有する無線通信システムにおける前記チャネル割当装置が実行するチャネル割当方法であって、
    情報収集部が、複数の前記無線基地局装置から周辺無線環境を示す無線環境情報を収集する情報収集過程と、
    チャネル算出部が、前記情報収集過程において収集した前記無線環境情報に基づいて周辺無線環境に共通した特徴を有する前記無線基地局装置を同じグループにグルーピングし、互いに干渉しない前記グループに対して同一のチャネルを割り当てるチャネル算出過程と、
    制御部が、前記チャネル算出過程において前記グループに割り当てた前記チャネルを、当該グループにグルーピングされた前記無線基地局装置に通知する制御過程と、
    を有し、
    前記チャネル算出部は、
    前記無線環境情報に基づいて、
    複数の前記無線基地局装置の中から干渉する他の前記無線基地局装置の数が最も少ない前記無線基地局装置を選択し、選択した前記無線基地局装置と、当該無線基地局装置と非干渉の他の前記無線基地局装置とを同じグループにグルーピングし、
    グルーピングされずに残った前記無線基地局装置がある場合は、残った前記無線基地局装置の中から干渉する他の前記無線基地局装置の数が最も少ない前記無線基地局装置を選択し、選択した前記無線基地局装置と、当該無線基地局装置と非干渉の他の前記無線基地局装置とを同じグループにグルーピングする処理を繰り返し、
    互いに非干渉の前記無線基地局装置が属する前記グループに対して同一のチャネルを割り当てることを特徴とするチャネル割当方法。
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