JP5990099B2 - Ehecを含有すると疑われる複雑な多菌サンプルの分子的リスク評価を決定するアッセイ - Google Patents
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Description
加えて、検査するサンプルの性質に起因して、これらは、各々が異なる総数の遺伝子を含み、したがって各々が可能な病原性を異なるレベルで提示するいくらかの多様な細菌株を含むことがある。
前記サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子:
− stx1;
− stx2;
と下記の標的遺伝子:
− eae;
− espK;
の少なくとも1つとに由来する一対のプライマーと接触させる工程を含んでなる、シガトキシンをコードする大腸菌(Shiga toxin-encoding Escherichia coli;STEC)を含有すると疑われるサンプルについて分子的リスク評価(MRA)を行う方法であって、該方法が、
前記サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子:
− nleB;
− nleH1-2;
− nleE;
− ent/espL2;
に由来する一対のプライマーと接触させること、及び
該標的遺伝子の各々について増幅産物の存否を検出すること
もまた含んでなることを特徴とする、方法が提供される。
幾つかのEHEC及びEPEC株はまた、LEEに加えて、種々のエフェクタータンパク質をコードするその他のゲノムアイランドを共有する。これら非LEEによりコードされるエフェクタータンパク質は、E. coliの病毒性と多かれ少なかれ関連するnle遺伝子の大きなパネルによってコードされる。
Salmonella spp.のようなその他の病原性細菌について達成されているようなEHEC株の独特なマーカーを入手することは現実的でないという事実を前提として、本発明者らは、選択した標的の検出に基づく、多菌サンプル(例えば食品、糞便、環境サンプル)をスクリーニングする方法を開発し、洗練させた。この方法は、stx1/2及びeae(及び/又はespK)を、少なくとも下記の遺伝子:ent/espL2、nleB、nleE及びnleH1-2と共に検出することに基づくマルチパラメータアプローチに基づく。
したがって、この方法により、作業者は、第1に、或るサンプルがSTEC汚染菌を含むかどうかを決定することができるようになり、第2に、このSTEC株がEHEC株である可能性が高いかどうかを決定することができるようになる。
或いは、これら工程は、異なる時点で行うことができる。例えば、サンプルを、最初に、stx1、stx2並びにeae及び/又はespK遺伝子の存在について分析することができる。この反応の結果が陽性であれば、次いでサンプルを、残りの病毒性決定因子nleB、nleH1-2、nleE及びent/espL2の存在について分析し、そして両セットの結果を用いてMRAを行うことができる。
サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子:
− stx1 (配列番号1若しくは配列番号2又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− stx2 (配列番号4若しくは配列番号5又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
と下記の標的遺伝子:
− eae (配列番号7若しくは配列番号8又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− espK (配列番号82若しくは配列番号83又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用)
の少なくとも1つとに由来する一対のプライマーと接触させる工程を含んでなる、EHECを含有すると疑われるサンプルについてMRAを行う方法であって、
前記サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子:
− nleB (配列番号16、配列番号17、配列番号79若しくは配列番号80又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントにより規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− nleH1-2 (配列番号25若しくは配列番号26又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントにより規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− nleE (配列番号19若しくは配列番号20又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントにより規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− ent/espL2 (配列番号13若しくは配列番号14又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントにより規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
に由来する一対のプライマーと接触させ、
該標的遺伝子の各々について増幅産物の存否を検出すること
もまた含んでなることを特徴とする方法を提供する。
したがって、本発明者らは、ゲノムO-アイランドOI#71及びOI#122のモジュール2に属する幾つかの非-LEEエフェクター遺伝子と共にシガトキシン(stx1及びstx2)、インチミン(eae)を同時検出することが、STEC病毒性の分子的リスク評価に関する完全なアプローチを提供することを示した。
− ehxA (配列番号10若しくは配列番号11又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントにより規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− nleF (配列番号22若しくは配列番号23又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントにより規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− nleA (配列番号28若しくは配列番号29又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントにより規定される少なくとも1つのプライマーを使用)
の少なくとも1つに由来する一対のプライマーと接触させることを含んでなる。
本発明に従う増幅産物は、この目的に利用可能な種々の天然の又は操作した酵素の任意のものを使用し、任意の適切なDNA増幅技法、例えば単式又はマルチプレックス形態のいずれかでのPCRを用いて生成することができる。核酸配列ベースの増幅(NASBA)、分岐DNA、鎖置換増幅及びループ媒介等温増幅(loop-mediated isothermal amplification:LAMP)法(Compton 1991、Chang 1991、Walkerら,1992、Notomiら,2000)のような代替法も、増幅産物の生成に使用することができる。
− stx1については、配列番号3又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− stx2については、配列番号6又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− eaeについては、配列番号9又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− espKについては、配列番号84又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− ehxAについては、配列番号12又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− nleFについては、配列番号24又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− nleBについては、配列番号18若しくは配列番号81又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− nleH1-2については、配列番号27又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− nleEについては、配列番号21又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− nleAについては、配列番号30又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− ent/espL2については、配列番号15又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント。
詳細には、本方法は、陰性増幅コントロール及び/又は阻害コントロールの実行;及び
前記反応からの増幅産物の存否の検出を更に含んでなる。
これらタイプの内部実験コントロールに加えて、本方法を数回行い結果をプールして、より代表的な結果を得てもよい。
適切な蛍光標識の非限定的な例としては、6-カルボキシルフルオレセイン(FAM)、テトラクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(TET)、6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)が挙げられる。二重標識プローブを標識するための適切な消光剤の非限定的な例としては、6-カルボキシ-テトラメチル-ローダミン(TAMRA)、DABCYL、ブラックホール消光剤ファミリー(BHQ)の消光剤のような非蛍光消光剤剤が挙げられ、マイナーグルーブバインダー基(minor groove binder group;MGB)も挙げられる。
或いは、増幅産物は、一連の独立/単式の増幅反応を用いて生成される。
特には、増幅反応はマイクロアレイで行われる。
本特許出願に従えば、マイクロアレイは、或る数のDNAプライマー(本発明の種々の観点に従って記載されているもの)がスポット状に塗布されている基板のような予め形成された構造を記述するために使用する。したがって、このようなマイクロアレイにより、本明細書に記載の1以上の検出アッセイのルーチンの実行が可能になる。好適なマイクロアレイは本明細書に記載のGeneDiscシステムである。
EHEC関連病毒性決定因子は、GeneDiscアッセイで現実に検出された。このことにより、これをルーチン診断用の適切な検出ツールとして提示する。他の多くの診断試験とは対照的に、特別な実験装置及び特別に訓練を受けた人員を必要とすることなく結果が得られ、アッセイは非常に短時間で実行される。よって、低密度マイクロアレイは、STEC単離株のルーチンモニタリング用並びに古典的な及び新たに明らかになりつつあるEHEC株の同定用の革新的で効率的な分子的リスク評価ツールである。
特には、増幅反応はリアルタイムPCR反応である。
好適なRT-PCR法は、下記に概説するようなGeneDiscシステムを使用する。
サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子:
− nleB (配列番号16、配列番号17、配列番号79若しくは配列番号80又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− nleH1-2 (配列番号25若しくは配列番号26又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− nleE (配列番号19若しくは配列番号20又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− ent/espL2 (配列番号13若しくは配列番号14又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
の少なくとも1つに由来する一対のプライマーと接触させ、
前記標的遺伝子の各々について増幅産物の存否を検出する
ことを含んでなることを特徴とする、STEC株について分子的リスク評価を行う方法が提供される。
したがって、本発明はまた、STEC株を含むことが既知であるサンプルについて分子的リスク評価を行う方法を提供する。ここで、列挙された標的遺伝子の存在は、STEC株がEHEC株である可能性が高く、よってヒトの健康に有害であることを示す。
前記サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子:
− nleB (配列番号16、配列番号17、配列番号79若しくは配列番号80又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− nleH1-2 (配列番号25若しくは配列番号26又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− nleE (配列番号19若しくは配列番号20又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− ent/espL2 (配列番号13若しくは配列番号14又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− nleF (配列番号22若しくは配列番号23又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− nleA (配列番号28若しくは配列番号29又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
に由来する一対のプライマーと接触させる工程、及び
前記標的遺伝子の各々について増幅産物の存否を検出する工程
を含んでなる。
1つの特徴的nleパターン[ent/espL2、nleB、nleE、nleF、nleH1-2、nleA]が、EHEC O157:[H7]、O111:[H8]、O26:[H11]、O103:[H25]、O118:[H16]、O121:[H19]、O5:[HNM]、O55:[H7]、O123:[H11]、O172:[H25]及びO165:[H25]株と関連することが判明した。興味深いことに、rfbEO157遺伝子に関して陽性であると以前に同定されているソルビトール発酵性(SF)O157:[HNM]、stx2株及びO-rough:[H7](stx2、eae-γ)株が、同じ定型病毒性プロフィールを示した。
牛肉、乳製品及びヒトHC患者から単離された別の新生EHECタイプO5:HNM株(McLeanら,2005)は、同じnleパターン[ent/espL2、nleB、nleE、nleF、nleH1-2、nleA]を示す。興味深いことに、欧州で新たな高病毒性STECタイプとして現在明らかになりつつあるEHEC O118:H16/HNM(Maidhofら,2002)は、EHEC O157:H7及び試験したほとんどの定型EHEC株に特徴的である、この同じnleパターン[en/espL2、nleB、nleE、nleF、nleH1-2、nleA]を示す。
結果全体は、EHECが、nle病毒性決定因子という共通コアを共有し、(おそらくは、異なる宿主又は環境的適所に対するこれら株の順応を反映する)株及び/又はセロタイプ特異的である多くの変動性nle遺伝子もまた保有する異質な群を構成することを示唆している。同じ株における毒性決定因子のコア[eae、ent/espL2、nleB、nleE及びnleH1-2]の存在が、ヒトの罹患及び死亡を引き起こし得る病原性EHECの強力なサインであることは注目に値する。本発明者らは、これら病毒性因子が、全ての定型EHECに、そして欧州及び北米で新たに明らかになりつつあるEHECタイプ、例えばO5:HNM(McLeanら,2005)、O15:H2(Starrら,1998)、O118:H16(Maidhofら,2002)、O121:H19(Brooksら,2005)にも見出されることを示した。
[ent/espL2、nleB、nleE、nleF、nleH1-2、nleA]、このEHEC株は下記を含む群に属する可能性が高い:EHEC O157:[H7]、O111:[H8]、O26:[H11]、O118:[H16]、O121:[H19]、O5:[HNM]、O55:[H7]、O123:[H11]、O172:[H25]、O165:[H25]、O157:[HNM]、O103:[H25]、O5:[HNM]、O118:[H16/HNM];又は
[ent/espL2、nleB、nleE、nleH1-2]、このEHEC株は下記を含む群に属する可能性が高い:EHEC O103:[H2]、O145:[H28]、O15:[H2]及びO45:[H2]。
− nleB;
− nleH1-2;
− nleE;
− ent/espL2;
のためのプライマーセットと、任意に、各標的遺伝子について増幅産物を検出するためのプローブセットを少なくとも含んでなる、シガトキシン産生性生物の検出用キットが提供される。
本発明の更なる観点に従えば、本発明に従う方法から得られる増幅産物からなる単離核酸分子が提供される。
a)サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子:
− stx1;
− stx2;及び下記の標的遺伝子の少なくとも1つ:
− eae;
− espK;
に由来する一対のプライマー及び下記の標的遺伝子:
− nleB;
− nleH1-2;
− nleE;
− ent/espL2;
の少なくとも1つに由来する一対のプライマーと接触させ、前記標的遺伝子の各々について増幅産物の存否を検出する工程;及び、増幅産物が検出される場合には、次いで
b)前記サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、eae標的遺伝子に由来する1以上のプライマー対と接触させ、eaeサブタイプを決定する工程
を含んでなる、シガトキシンをコードする大腸菌(STEC)を含有すると疑われるサンプルについて分子的リスク評価(MRA)を行う方法が提供される。
本発明の更なる好適な観点に従えば、nleB遺伝子の特定のnleB2対立遺伝子の存在が、配列番号79若しくは配列番号80又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントの群から選択される少なくとも1つのプライマーを用いるこのアッセイで検出される。その増幅反応産物は、配列番号81又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントからなるプローブを用いて検出される。本発明者らは、特に、nleB2対立遺伝子の存在と宿主株がEPECよりむしろEHECであることとの間の関連を確立した。
本発明の更なる観点に従えば、工程b)では、eaeサブタイプeaeγ、eaeβ、eaeθ及びeaeεが検出される。
サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子:
− eaeγ (配列番号52若しくは配列番号53又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− eaeβ (配列番号49若しくは配列番号50又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− eaeθ (配列番号64若しくは配列番号65又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− eaeε (配列番号58若しくは配列番号59又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
に由来する一対のプライマーと接触させる工程、及び
前記標的遺伝子の各々について増幅産物の存否を検出する工程
を含んでなる方法によって決定される。
加えて、他のeaeサブタイプの検出、例えば、配列番号46若しくは配列番号47又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントにより規定される少なくとも1つのeaeα用プライマー及び/又は配列番号61若しくは配列番号62又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントにより規定される少なくとも1つのeaeζ用プライマーを用いるeaeα及びeaeζの検出もまた、本発明に包含される。
本発明者らは、eae遺伝子のサブタイプとEHEC株における或る種の血清病原型(又は血清群)との間に相関が存在することを見出した。したがって、stx1/2及びeae遺伝子並びに選択されたnle遺伝子(例えばnleB)が或る種のeaeサブタイプ及びセロタイプと共に存在することは、検査したサンプルがEHEC株を含んでいることを強く示す。
STECは幾つかの血清群の1つに属し得るが、重篤なヒト疾患に最も強固に関連するもの(例えばEHEC株)は、一般に、血清群O157:[H7]、O111:[H8]、O26:[H11]、EHEC O103:[H2]、O145:[H28]に属する(EFSA,2007)。これら血清群に対応する遺伝子は、rfbE(0157)、wbdl(O111)、wzx(026)、ihp1(0145)及びwzx(0103)である。
− rfbE(0157);
− wbdl(O111);
− wzx(026);
− ihp1(0145);
− wzx(0103)
に由来する一対のプライマーと接触させることを更に含んでなる。
前記サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子:
− rfbE(O157) (配列番号31若しくは配列番号32又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− wbdl(O111) (配列番号34若しくは配列番号35又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− wzw(O26) (配列番号37若しくは配列番号38又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− Ihp1(O145) (配列番号40若しくは配列番号41又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− wzx(O103) (配列番号43若しくは配列番号44又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
に由来する一対のプライマーと接触させる工程、及び
前記標的遺伝子の各々について増幅産物の存否を検出する工程
を含んでなる方法によって決定される。
O118:[H16]、O121:[H19]、O5:[HNM]、O55:[H7]、O123:[H11]、O172:[H25]、O165:[H25]、O157:[HNM]、O103:[H25]、O5:[HNM]、O118:[H16/HNM]、O15:[H2]及びO45:[H2]のような他のセロタイプを検出することも可能であり、これらセロタイプの1以上の検出も本特許出願に包含される。
前記サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子:
− wzx(O121) (配列番号67若しくは配列番号68又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− wzy(O118) (配列番号70若しくは配列番号71又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− wzx(O45) (配列番号73若しくは配列番号74又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
− wbgN(O55) (配列番号76若しくは配列番号77又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントによって規定される少なくとも1つのプライマーを使用);
に由来する一対のプライマーと接触させる工程、及び
前記標的遺伝子の各々について増幅産物の存否を検出する工程
を含んでなる方法によって決定される。
a)前記サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子:
− stx1;
− stx2;
− eae;
− espK;
− nleB又はent/espL2;
− rfbE(0157);
に由来する一対のプライマーと接触させ、前記標的遺伝子の各々について増幅産物の存否を検出する工程;及び、増幅産物が検出された場合には、次いで
b)前記サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子及び/又はeaeサブタイプ:
− eaeγ
− eaeβ
− eaeθ
− eaeε
− wbdl(O111);
− wzx(026);
− ihp1(0145);
− wzx(0103).
に由来する1以上のプライマー対と接触させる工程
を含んでなるアッセイが提供される。
GeneDiscアレイの原理
GeneDiscアレイ(GeneSystems,Bruz,France)の原理は、以前に報告されている(Beutinら,2009)。これは、乾燥PCRプライマー及びTaqMan(登録商標)プローブ(リポーター色素6-FAM(490〜520nm)又はROX(580〜620nm)のいずれかで標識)が予め付与された反応マイクロチャンバが刻まれているプラスチック反応トレイ中での複数標的のリアルタイムPCR適用に基づく。
「病毒性型決定GeneDisc」は、(各々が10のEHEC特異的遺伝子標的について試験される)6つの異なるサンプルを、陰性及び阻害コントロールと併せて同時に検査するために設計されている。これは下記の設定を有する:マイクロウェル1)陰性PCRコントロール(6-FAM標識)及びPCR阻害コントロール(ROX-標識)、マイクロウェル2)stx2(FAM)及びstx1(ROX)、マイクロウェル3)ent/espL2(FAM)及びnleF(ROX)、マイクロウェル4)nleB(FAM)及びnleH1-2(ROX)、マイクロウェル5)nleE(FAM)及びnleA(ROX)、並びにマイクロウェル6)ehxA(FAM)及びeae(ROX)。
GeneDiscで使用したオリゴヌクレオチドプライマー及び遺伝子プローブを表1に記載する。stx1、stx2、eae及びehxAを検出するために使用するプライマー及びプローブは以前に記載されており(Nielsen及びAndersen 2003、Perelleら,2004)、最近の研究において「VTEC Screening」GeneDiscで評価された(Beutinら,2009)。全てのオリゴヌクレオチドは、Sigma-Aldrich(St. Quentin Fallavier,France)から購入した。GeneDiscのスポット形成(spotting)及び製造はGeneSystems(Bruz,France)が行った。
「病毒性型決定GeneDisc」を用いて病毒性遺伝子含量について調べたE. coli及び他のEnterobacteriaceaeの株は、Federal Institute for Risk Assessment(BfR)(Berlin,Germany)のNational Reference Laboratory for E. coliのコレクションからのもの;及びFrench Food Safety Agency(AFSSA)(Maisons-Alfort,France)からのものであった。評価のために、本発明者らは、STEC参照株及びstx-及びeae-遺伝子型について以前に特徴付けられたeae-陽性「接着・消去E. coli(Attaching and Effacing E. coli)」(AEEC)(Beutinら,2007、Kozub-Witkowskiら,2008)を使用した。EHEC O-群O26、O103、O111、O145及びO157の参照株については、本発明者らは、O-及びH-抗原のセロタイプ決定並びにfliC遺伝子型決定によって以前に同定された株(Beutinら,2004)を使用した。参照としたEHEC参照株H19(O26:H11)、PMK5(O103:H2)、CL37(O111:[H8])、CB7874(O145:[H28])及びEDL933(O157:H7)の特性及び起源は、他の刊行物(Beutinら,2004、Oswaldら,2000、Tarr及びWhittam 2002)に記載されている。参照STEC株EDL933(O157:H7)及びEPEC株E2348/69(O127:H6)は、完全なnle遺伝子セット、すなわちent/espL2(Z4326)、nleB(Z4328)、nleE(Z4329)、nleF(Z6020)、nleH1-2(Z6021)及びnleA(Z6024)の試験についての陽性コントロールとして使用した。株C600(E. coli K-12)は、本研究で調べた全遺伝子についての陰性コントロールとして採用した(Beutinら,2007)。加えて、標準的な方法(Ewing 1986)により特徴付けられた68の腸内細菌株(C. sakasaki、Yersinia、Escherichia、Salmonella、Shigella、Citrobacter、Hafnia、Kebsiella、Proteus)をGeneDiscアレイの評価に使用した。S. dysenteriaeタイプ1(stx1)、S. sonnei株CB7888(stx1)(Beutinら,2007)及びCitrobacter rodentium株10835(eae)を除き、他の全てのEnterobacteriacae単離株は、stx-及びeae-遺伝子について陰性であった。検査のために、細菌を、Luria-Brothプレート上で単一コロニーに培養し、37℃にて一晩増殖させた。このコロニーの約2×106細菌に相当する小アリコートを、InstaGeneマトリクス(Bio-Rad Laboratories,Marnes La Coquette,France)を使用してDNA抽出したか、又は200μlの滅菌水に直接溶解し、十分にボルテックスした。36μlの懸濁細菌又はDNA抽出物をGeneDiscアレイにより試験した。
eae-タイプ、ehxA遺伝子及びnle遺伝子と定型及び非定型EHEC株との関連:
定型EHEC(n=178)、非定型EHEC(n=26)及び新たに明らかになりつつあるEHEC株(n=46)を含む250のEHEC株並びにEHEC株と同じセロタイプに属するstx-陰性株(n=65)を、病毒性型決定GeneDiscアレイで調べた(表2、3及び4)。全てのEHEC株がstx1及び/又はstx2遺伝子について陽性との検査結果であった。これは、以前に発表されたデータと全く一致する(Beutinら,2004、Beutinら,2009、Fachら,2001、Perelleら,2004)。eae遺伝子は、古典的EHEC群O26、O103、O111、O145及びO157に属する株並びに明らかになりつつあるEHECタイプO5、O15、O45、O55、O118、O121、O123、O165及びO172株で検出された。唯一、EHEC O103:H2株がeae遺伝子で陰性との検査結果であった(表2)。
表4では、下記の略語(号)を使用する:EHECは腸管出血性E. coliであり;STECはシガトキシン産生性E. coliであり;ETECは腸管毒素原性E. coliであり;FECは健常な子供の糞便から単離されたE. coliであり、ECはE. coliである。
EHEC株は、感染の間及び継代培養の際にstx-遺伝子を自発的に喪失することがあると以前に報告された(Friedrichら,2007)。本発明者らは、EHEC関連セロタイプに属するStx-陰性、eae-陽性E. coli株を、eae-遺伝子型及びnle-遺伝子に関するEHEC株との類似性について調べることに興味を抱いた。65の株で得られた結果を表3に示す。本発明者らは、同じセロタイプに属するstx-産生性EHECと類似するeae-遺伝子型及びnleパターンを示した、3つのstx-陰性O157:[H7]、10のO26:[H11]、1つのO103:[H2]、3つのO121:[H19]、1つのO121:[H-]、4つのO55:H7及び1つのO15:H2株を同定することができた(表3)。これら株は、これらセロタイプに属するEHEC株のstx-遺伝子喪失レムナントである可能性が高いようである。対照的に、非H7-鞭毛(HNT、H16、H2、H26、H27、H39、H45)を有する14のO157株の群は、EHEC O157:H7と、H-タイプのみならず、eae-遺伝子型も、調べたほとんどのnle遺伝子(nleH1-2及びnleA以外)が存在しないことも異なっていた。
EHEC O145:[H28]株は、OI#122モジュール2がコードするnle遺伝子の完全なセットent、nleB及びnleEの保持により特徴付けられる(表2)。興味深いことに、これら遺伝子は、調べた他の全ての形質についてO145:[H28] EHECと似ている2つのstx-陰性O145:[H28]株には存在しなかった(表3)。これら株は、stx遺伝子及びOI#122 PAIを喪失したEHEC O145:[H28]のレムナントである可能性がある。全てのEPEC O145株(O145:H34、O145:H4及びO145:Hr)は、nle遺伝子を有さず、他のeae-遺伝子型をコードしているので、EHEC O145:[H28]とは顕著に異なっていた。
STECの多くのタイプが、動物及び食物から単離されるが、これらの僅か5%がeae-遺伝子について陽性であるか、又は定型EHEC血清群O26、O103、O111、O145及びO157に属する(Beutinら,2007)。eae-陰性STEC株の幾つかは、ヒトにおいて下痢を引き起こすことが知られているが、稀にHC及びHUSのような出血性疾患に関与する(Beutinら,2004、Friedrichら,2007、Werberら,2008)。本発明者らは、食物からしばしば単離されるeae-陰性STECタイプの代表株(O8、O91、O100、O113、O146、O128及びO174)を調べることに興味を抱いた。食物、動物及びヒトから単離された合計150のSTEC株並びに健常な子供からの29の糞便E. coli単離株(FEC)を病毒性型決定GeneDiscで調べた。結果を表4にまとめる。eae-陰性STEC株及び健常乳児からのFECのいずれもnle遺伝子について陽性でなかった。このことは、LEEの存在とOI#122及びOI#71がコードするnle遺伝子との間の密接な関連を示している。
上記で説明したとおり、EHECは、食物の安全性に対する重大な脅威である、食物媒介病原体の既存の又は新たに明らかになりつつある重要な群である。その検出が、他の一般的な微生物(例えばSalmonella spp.)による食物汚染についてのアッセイと類似する方法で、複雑な多菌サンプル(例えば食品又は糞便サンプル)中のEHECの存在を示す単一遺伝子マーカーは知られていない。結果として、多パラメータアッセイにおける幾つかの遺伝子マーカーの迅速な同時検出は、分子的リスク評価を行う手段としての迅速なサンプルスクリーニングへの最も適切なアプローチである。これは、次に、例えばセロタイプ特異的集積培養により、被疑株を更に研究するために必要なより多くの手段(resource)を可能にする。
このアッセイは、サンプル中に存在するeae遺伝子のサブタイプもまた決定することにより更に精密化することができる。
本発明者らは、これは、stx1/2とeae遺伝子とnle(ent/espL2、nleB、nleE、nleH1-2)遺伝子の少なくとも1つとが検出されたとき、及び第2の工程で、特定のeaeサブタイプであるeae-γ、eae-β、eae-ε及びeae-θの1つもまた検出されたとき、EHEC株セロタイプの予測(このことは、当然のことながら、セロタイプの基礎をなす遺伝子の存在を検出することによって更に検証することができる)に使用することができることを確かめた。
− 特にeae-γ、ent/espL2、nleB、nleE及びnleH1-2が検出されると、EHEC O157:H7及びO145:H28が疑われる。
− 特にeae-ε、ent/espL2、nleB、nleE及びnleH1-2が検出されると、EHEC O103:H2が疑われる。
− eae-β、ent/espL2、nleB、nleE及びnleH1-2が検出されると、EHEC O26:H11が疑われる。
− eae-θ、ent/espL2、nleB、nleE及びnleH1-2が検出されると、EHEC O111:H11が疑われる。
本発明者らはまた、サンプル中に存在するE. coli spp.により提示されるリスクを決定するため、特にサンプルがEHEC株を含むかどうかを決定するための更なる二工程方法を開発した。
この第1の工程により、作業者は、サンプルがEHEC株に必須の遺伝子を少なくとも含むかどうかを決定することが可能になる。これら遺伝子の1以上が存在しなければ、サンプルは、低リスクであると考えることができ、よって更に調べる必要はない。
これら全ての遺伝子が存在する場合、サンプルはリスクを呈する。次いで、第2の工程が行われ、そこで少なくともeaeサブタイプ(例えばeae-γ、eae-β、eae-ε及びeae-θ)及びセロタイプ遺伝子(例えば、セロタイプO157、O103、O26、O111、O145)の1以上の存在もまた決定される。
本発明に基づいて、下記の多パラメータアプローチにより、複雑なサンプル中のEHECの信頼性のあるスクリーニングが可能になる。
本発明者らが見出した相関を、下記の表2及び5にまとめる。
本発明者らはまた、明らかになりつつあるEHEC株(総数46株)からの低頻度に観察される他の幾つかのセロタイプを検査して、eaeサブタイプ及びnle遺伝子種類とこれら他のセロタイプとの間の更なる相関を見出した(表2及び6を参照)
a)サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子:
− stx1;
− stx2;
− eae;
− nleB又はent/espL2;
− rfbE(0157);
に由来する一対のプライマーと接触させ、標的遺伝子の各々について増幅産物の存否を検出し;そして、増幅産物が検出された場合には、次いで:
b)サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子及び/又はeaeサブタイプ:
− eaeγ
− eaeβ
− eaeθ
− eaeε
− wbdl(O111);
− wzx(026);
− ihp1(0145);
− wzx(0103);
に由来する1以上のプライマー対と接触させ、該標的遺伝子の各々について増幅産物の存否を決定する。
(全てがstx陰性、eae-陽性と特徴付けられた)E. coli株のセットを、遺伝子espK及びnleBの存在について更に分析し、これらを、stx-陽性、eae-陽性の或る数のEHEC株と比較した。
nleB遺伝子は、多様で異なる対立遺伝子の存在が判明した。したがって、本発明者らは、EPEC及びEHEC株に固有に分布することが見出された(表7)2つの異なるnleB対立遺伝子を同定する2セットのプライマー及びプローブを選択した。
驚くべきことに、全てのEHEC株が、nleB及びnleB2遺伝子型の両方並びにespKについて陽性との検査結果であった。非常に少数のEPEC株(これらは血清群が定型EHEC株と明らかに異なる)のみが、[nleB、nleB2及びespK]遺伝子マーカーの完全なセットを保有する。
興味深いことに、幾つかのEPEC株はnleB2遺伝子配列を欠いているか又は顕著に異なるnleB2配列を有しているために、nleB2に特異的なPCR検査で検出されなかった。また、幾つかのEPEC株は、nleB2 PCR検査で非常に弱いシグナルを生じた。このことは、これら株におけるnleB2遺伝子配列変形体の存在を示している。(幾つかのEPEC株で本発明で記載したPCR検査を用いて生成された高いCt値に関しては、このような株は表7でnleB2-陰性と報告した)。
上記の結果として、nleB2遺伝子配列の検出は、EHEC O157、O145、O103、O111、O26及びO121に主に限定されていた。よって、或る株又は多菌サンプルにおけるこの特異配列の検出は、トップ5のEHEC及び限られた数のEPEC株の存在と相関している(表7を参照)。
同じE. coli株又は同じサンプル中でのnleB2及びespK遺伝子配列の検出は、EHEC予測値を補強する(表7参照)。EHEC及び非常に限られた数の非EHEC株におけるこれら2つの配列の限定は、EHEC株についての分子的リスク評価の一部として価値が大きい。
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Claims (16)
- a)サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、少なくとも下記の標的遺伝子:
− stx1;
− stx2;
と
− espK
に由来する一対のプライマー及び下記の標的遺伝子:
− nleB;
− nleH1-2;
− nleE;
− ent/espL2;
の少なくとも1つに由来する一対のプライマーと接触させ、前記標的遺伝子の各々について増幅産物の存否を検出する工程であって、stx1、stx2、espK及び前記nleB、nleH1-2、nleE及びent/espL2の少なくとも1つの標的遺伝子の1以上についての増幅産物の不在は、前記サンプルがEHEC株で汚染されているリスクが低いことを示し、stx1、stx2、espK及び前記nleB、nleH1-2、nleE及びent/espL2の少なくとも1つの標的遺伝子の増幅産物の同時検出は、前記サンプルがEHEC株で汚染されているリスクが高いことを示す、工程;及び、工程a)からの前記遺伝子の各々についての増幅産物が検出された場合には、次いで:
b)前記サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、eae標的遺伝子に由来する1以上のプライマー対と接触させ、eaeサブタイプを決定する工程
を含んでなる、腸管出血性大腸菌(EHEC)を含有すると疑われるサンプルについて分子的リスク評価(MRA)を行う方法。 - 工程b)において、検出されたeaeのサブタイプがeaeγ;eaeβ;eaeθ;eaeεを含んでなる群より選択される請求項1に記載の方法。
- 前記サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、標的遺伝子eae、rfbE(0157)、wbdl(O111);wzx(026);ihp1(0145);wzx(0103)に由来する1以上のプライマー対と接触させ;そして
前記標的遺伝子の各々について増幅産物の存否を検出すること
もまた含む請求項1又は2に記載の方法。 - a)サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子:
− stx1;
− stx2;
− eae;
− espK;
− nleB又はent/espL2;
− rfbE(0157);
に由来する一対のプライマーと接触させ、前記標的遺伝子の各々について増幅産物の存否を検出する工程;及び、前記遺伝子の各々について増幅産物が検出された場合には、次いで:
b)サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子及び/又はeaeサブタイプ:
− eaeγ;
− eaeβ;
− eaeθ;
− eaeε;
− wbdl(O111);
− wzx(026);
− ihp1(0145);
− wzx(0103);
に由来する1以上のプライマー対と接触させ、前記標的遺伝子の各々について増幅産物の存否を検出する工程
を含んでなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 - サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子:
− stx1;
− stx2;
と
− espK;
とに由来する一対のプライマーと接触させる工程を含んでなる方法であって、前記サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子:
− nleB;
− nleH1-2;
− nleE;
− ent/espL2;
に由来する一対のプライマーと接触させ、前記標的遺伝子の各々について増幅産物の存否を検出することも含んでなり、stx1、stx2、espK、nleB、nleH1-2、nleE及びent/espL2の増幅産物の同時検出は、前記サンプルがEHEC株で汚染されているリスクが高いことを示すことを特徴とする、腸管出血性大腸菌(EHEC)を含有すると疑われるサンプルについて分子的リスク評価(MRA)を行う方法。 - 前記サンプル又は該サンプルから単離したDNAを、下記の標的遺伝子:
− eae;
− ehxA;
− nleF;
− nleA
の少なくとも1つに由来する一対のプライマーと接触させることを更に含んでなる請求項5に記載の方法。 - 前記標的遺伝子の各々についての前記プライマー対が:
− stx1については、配列番号1若しくは配列番号2又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマー;
− stx2については、配列番号4若しくは配列番号5又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマー;
− eaeについては、配列番号7若しくは配列番号8又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマー;
− espKについては、配列番号82若しくは配列番号83又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマーを使用;
− nleBについては、配列番号16、配列番号17、配列番号79若しくは配列番号80又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマー;
− nleH1-2については、配列番号25若しくは配列番号26又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマー;
− nleEについては、配列番号19若しくは配列番号20又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマー;
− ent/espL2については、配列番号13若しくは配列番号14又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマー;
− ehxAについては、配列番号10若しくは配列番号11又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマー;
− nleFについては、配列番号22若しくは配列番号23又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマー;
− nleAについては、配列番号28若しくは配列番号29又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマー;
− eaeγについては、配列番号52若しくは配列番号53又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマーを使用;
− eaeβについては、配列番号49若しくは配列番号50又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマーを使用;
− eaeθについては、配列番号64若しくは配列番号65又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマーを使用;
− eaeεについては、配列番号58若しくは配列番号59又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマーを使用;
− rfbE(O157)については、配列番号31若しくは配列番号32又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマーを使用;
− wbdl(O111)については、配列番号34若しくは配列番号35又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマーを使用;
− wzw(O26)については、配列番号37若しくは配列番号38又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマーを使用;
− Ihp1(O145)については、配列番号40若しくは配列番号41又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマーを使用;
− wzx(O103)については、配列番号43若しくは配列番号44又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントで規定される少なくとも1つのプライマーを使用
を含んでなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。 - 前記増幅産物が各標的遺伝子について下記の配列:
− stx1については、配列番号3又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− stx2については、配列番号6又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− eaeについては、配列番号9又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− espKについては、配列番号84又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− ehxAについては、配列番号12又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− nleFについては、配列番号24又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− nleBについては、配列番号18若しくは配列番号81又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− nleH1-2については、配列番号27又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− nleEについては、配列番号21又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− nleAについては、配列番号30又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− ent/espL2については、配列番号15又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− eaeγについては、配列番号54又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− eaeβについては、配列番号51又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− eaeθについては、配列番号66又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− eaeεについては、配列番号60又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− rfbE(O157)については、配列番号33又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− wbdl(O111)については、配列番号36又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− wzw(O26)については、配列番号39又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− Ihp1(O145)については、配列番号42又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント;
− wzx(O103)については、配列番号45又はその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメント
で規定される縮重プローブを使用して検出される請求項7に記載の方法。 - 陰性PCRコントロール及び/又は阻害コントロールを行うこと;及び
前記反応からの増幅産物の存否を検出すること
を更に含んでなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。 - 前記プローブが少なくとも1つの蛍光標識で標識されている請求項8に記載の方法。
- 前記方法が多重増幅反応を含んでなる請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記方法が一連の独立した増幅反応を含んでなる請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 増幅反応がマイクロアレイ上で行われる請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記増幅反応がリアルタイムPCR反応である請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
- 以下のプライマー対のセット:
− stx1に由来する一対のプライマー;
− stx2に由来する一対のプライマー;
− 標的遺伝子espKに由来する一対のプライマー;
− 標的遺伝子nleB、nleH1-2、nleE及びent/espL2の少なくとも1つに由来する一対のプライマー;及び
− eae標的遺伝子に由来する1以上のプライマー対
を含んでなる、請求項1に記載の分子的リスク評価(MRA)を行う方法を実行するためのキット。 - 以下のプライマー対のセット:
− stx1に由来する一対のプライマー;
− stx2に由来する一対のプライマー;
− 標的遺伝子espKに由来する一対のプライマー;
− 標的遺伝子nleB、nleH1-2、nleE及びent/espL2の少なくとも1つに由来する一対のプライマー
を含んでなる、請求項5に記載の分子的リスク評価(MRA)を行う方法を実行するためのキット。
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