JP5989847B2 - Rfidタグを備えた複数のチップからデータを読み取るシステム - Google Patents

Rfidタグを備えた複数のチップからデータを読み取るシステム Download PDF

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Description

本発明は、RFIDタグを備えた複数のチップからデータを読み取るシステムに関する。
RFID(Radio Frequency IDentification)は、予め個体にRFIDタグ(トランスポンダ)を付しておき、電波によってリーダとRFIDタグとの通信を行い、これにより、RFIDタグへのデータの記録又はRFIDタグからのデータの読取を行う個体の認識方法である。従来から、RFIDタグを備えたチップ等の遊技媒体が、幾つかのカジノやパチンコホール等の遊技場で運用されている(例えば、特許文献1)。
米国特許出願公開第2009/0104981号明細書
RFIDを遊技場の遊技媒体に適用する場合、ベットエリアやチップトレイ等、比較的狭い空間に載置される複数のチップ(RFIDタグ)との通信を短期間に行う際の衝突を如何に回避するかが問題となる。
RFIDにおいて、複数のRFIDタグとリーダとの間のアンチコリジョン技術は、決定的手法と確率的手法とに分類される。決定的手法では、個々のRFIDタグに対してリーダが個別に識別情報を問い合わせるため、識別速度を向上させることが困難である。一方、確率的手法によれば、リーダが個々のRFIDタグに識別情報を問い合わせなくても、大量のRFIDタグの識別を達成することができる。
カジノ等の遊技場では、例えば、ゲーム終了時から開始時までの期間や、ディーラーチェンジの期間等のインターバルにおいて、多数の遊技媒体の計数が行われる。
インターバルは、プレーヤのゲームに対する興味や高揚感を損なわない観点から、なるべく短い方がよいので、カジノ等の遊技場には、決定的手法よりも確率的手法が適用し易い。
しかしながら、確率的手法を用いて、短時間に多数のチップの読取を行う場合、所謂ゴーストチップ(ゴーストID)が発生する場合があった。ゴーストチップは、1つのリーダで複数のRFIDタグの読取を行った場合に、複数のチップに含まれる任意の2つ以上のチップが、リーダによって、1つのチップであると誤認識されてしまうという現象によって生じる。ゴーストチップが生じると、チップの枚数を正確に計数することが困難になる。
そのため、従来の遊技場では、上述したようなRFIDタグを備えたチップが、チップの真贋判定等のためにしか用いられていなかった。
本発明は、ベットエリアのチップの読出し率の向上、及び読出しの高速化を実現することができるシステムを提供することを目的とする。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
(1) RFIDタグを備えた複数のチップからデータを読み取るシステムであって、
前記システムは、
複数のベットエリアが設定されたベッティングテーブルと、
前記複数のベットエリアの各々に対応付けて設けられ、対応付けられた前記ベットエリアを通信範囲に含むアンテナと、
ゲームの終了後から次のゲームの開始前の所定期間に、各前記アンテナによる各前記ベットエリアに載置された各前記チップからのデータの読取処理を連続的又は断続的に行う読取手段と、
前記所定期間が経過したか否かを判定し、経過したと判定した際、前記読取手段によって、前記ベットエリアに載置された前記チップから、連続して所定回数、同じデータが読み取られた場合、前記ベットエリアの読取に成功したと判定する一方、連続して所定回数、同じデータが読み取られなかった場合、前記ベットエリアの読取に失敗したと判定する判定手段と、
前記判定手段によって全ての前記ベットエリアの読取に成功したと判定された場合に、ゲームの開始を可能とするゲーム開始可能化手段と
を備え、
前記読取手段は、前記判定手段によって前記ベットエリアの読取に成功したと判定された場合、前記ベットエリアに対する前記読取処理を終了する一方、前記判定手段によって前記ベットエリアの読取に失敗したと判定された場合、読取に失敗したと判定された前記ベットエリアに対する前記読取処理を行う。
(1)の構成によれば、ゲーム終了からゲーム開始までのインターバルの期間を利用してチップの読取を行うため、ベットエリアへのチップのベットが確定してからゲームを開始するまでの期間を短縮することができる。その結果、プレーヤのゲームに対する興味や高揚感を損なわず且つゲームの稼働率を低下させることなく、精度良くチップの読取を行うことができ、過大な演算能力を必要としない。
このように、(1)の構成によれば、ベットエリアのチップの読出し率の向上、及び読出しの高速化を実現することができる。
本発明によれば、ベットエリアのチップの読出し率の向上、及び読出しの高速化を実現することができる。
本発明の第1実施形態に係るゲーミングマシンを模式的に示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るシステムの概要を示すブロック図である。 (a)は、チップが載置されたベットエリアを模式的に示す説明図であり、(b)は、図1に示すサーバのチップ管理データベースについて説明するための図であり、(c)は、RFIDタグのメモリ構成を示す図である。 図1に示すシステムにおいて実行される読取処理を示すフローチャートである。 図4に示す読取処理のステップS10及びステップS11における信号の送受信のタイミングを示すタイミングチャートである。 図4に示す読取処理のステップS15における第1誤り検出符号の一致・不一致について説明するための図である。 図4に示す読取処理のステップS22における再読取処理における信号の送受信のタイミングを示すタイミングチャートである。 図4に示す読取処理のステップS24におけるグループ指定読取処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るベッティングテーブル読出処理を示すフローチャートである。 図9に示すベッティングテーブル読出処理のステップS41及びステップS47において実行されるベットエリア読出処理を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係るチップトレイ読出処理を示すフローチャートである。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るゲーミングマシン10を模式的に示す斜視図である。
ゲーミングマシン10は、ベッティングテーブル11と、チップトレイ20とを備えている。ベッティングテーブル11は、平面視略扇形状のテーブルである。略扇形状の中央部分には、チップトレイ20が設置されている。通常、ベッティングテーブル11の平面視略扇形状の外周側に、プレーヤが位置し、且つチップトレイ20の手前側(扇形状の中央部分)に、ディーラが位置した状態でゲームが行われる。
図2は、本発明の第1実施形態に係るシステム1の概要を示すブロック図である。図3(a)は、チップが載置されたベットエリアを模式的に示す説明図である。
ベッティングテーブル11には、複数のベットエリア12(図2参照)が設定されている。各ベットエリア12は、同時に複数のチップ2が載置され得る広さを有している。各チップ2には、RFIDタグ3が内蔵されている。RFIDタグ3は、図示しないが、半導体チップ及びアンテナを備えており、半導体チップにはメモリ4が搭載されている。本実施形態のRFIDタグ3は、パッシブタイプである。但し、本発明は、この例に限定されず、アクティブタイプのRFIDタグを用いてもよい。パッシブタイプのRFIDタグを用いる場合、電力供給方式は、電磁誘導方式であってもよく、マイクロ波方式であってもよい。
各ベットエリア12の裏側には、チップ2(RFIDタグ3)との通信を行うためのアンテナ38が設置されている。平面視において、アンテナ38の面積は、ベットエリア12の面積よりも小さいが、アンテナ38の通信範囲39は、ベットエリア12の全域を含んでいる。
チップトレイ20には、複数の凹部21が設けられており、各凹部21には、複数のチップ2が収納され得る。図示しないが、チップトレイ20の裏側にも、アンテナ38が設置されている。アンテナ38は、例えば、チップトレイ20に対して1つ設置されていてもよく、チップトレイの20の各凹部21に対して1つずつ設置されていてもよい。
アンテナ38は、リーダ37に接続されており、リーダ37は、サーバ30と接続されている。本発明においては、アンテナ38ごとにリーダ37が設置されていてもよく、複数のアンテナ38と1つのリーダ37とが接続されていてもよい。また、本実施形態では、リーダを採用しているが、RFIDタグへのデータの書き込み機能も有するリーダ/ライタを用いてもよい。本発明におけるリーダは、リーダ/ライタを含む概念である。
サーバ30は、制御部31と、通信用I/F34と、チップ管理データベース35とを備えている。制御部31は、CPU32と、メモリ33とを備えている。通信用I/F34は、ゲーミングマシン10に設けられたリーダ37と接続されており、制御部31は、リーダ37により、アンテナ38を介して、チップ2との通信を行う。
図3(b)は、図1に示すサーバのチップ管理データベースについて説明するための図である。
チップ管理データベース35には、各チップ2(RFIDタグ3)の識別情報と、グループ符号とが記憶されている。ゲーミングマシン10又はこのカジノに用いられるチップの識別情報及びグループ符号は、予めチップ管理データベース35に記憶されていてもよく、テーブル(ゲーミングマシン10)又はカジノの営業開示時にリーダ37により読み取られてチップ管理データベース35に記憶されていてもよい。
本実施形態において、各チップ2の識別情報は、RFIDタグ3の64ビットUID(Unique IDentifier)である。グループ符号は、RFIDタグ3の4ビットAFI(Application Family Identifier)である。また、本実施形態のチップ管理データベース35には、DSFID(Data Storage Format Identifier)は記憶されていないが、DSFIDが記憶されていてもよい。
なお、本発明のシステム1は、RFID技術の確率的手法により、複数のチップ2からデータを読み取る。本発明において、第1誤り検出符号及び第2誤り検出符号によるチップの認識を行う際に、チップの固有の識別情報の対比を行わなくてもよい。
図3(c)は、RFIDタグ3のメモリ構成を示す図である。
本実施形態のRFIDタグ3のメモリ4は、不揮発性のRAMからなり、256バイトのメモリ領域を有している。256バイトのメモリ領域は、4バイト毎に、64個のブロックに区画されている。64個のブロックのうち、58個のブロックは、ユーザ領域に割り当てられており(ブロック番号0〜57)、6個のブロックは、システム領域に割り当てられている(ブロック番号A〜F)。即ち、メモリ4は、ユーザ領域と、システム領域とを有している。ユーザ領域は、ブロックアドレスの指定によってアクセスが可能な領域である。システム領域は、所定のコマンドによってのみアクセス可能な領域である。
システム領域A〜Fのうち、ブロックAは、将来用の領域である。ブロックB及びブロックCには、64ビットのUIDが記憶されている。ブロックDには、DSFID、AFI等が記憶されている。本実施形態において、DSFIDは、1バイトのデータであり、UIDからCRC(Cyclic Redundancy Check)により生成されている。なお、本願明細書においては、CRCとは、その関数自体をいい、前記関数による出力値については、CRC符号ということとする。すなわち、本実施形態において、DSFIDは、1バイトのCRC符号である。DSFIDは、本発明における第2誤り検出符号であり、メモリ4の予め定められた領域に記憶されている。AFIは、本発明におけるグループ符号であり、メモリ4の予め定められた領域に記憶されている。ブロックE及びブロックFには、ブロックセキュリティの状態のデータが記憶されている。
図4は、図1に示すシステムにおいて実行される読取処理を示すフローチャートである。
先ず、サーバ30の制御部31は、リーダ37により、アンテナ38を介して、アンテナ38の通信範囲39内にあるチップ2(RFIDタグ3)に対して要求信号を送信する(ステップS10)。要求信号は、メモリ4に予め定められたタイムスロット領域(例えば、64ビットUIDのうちの最下桁から1〜16番目のビット)を指定している。従って、タイムスロット領域の取り得る値の数は、16個であり、タイムスロット数は16である。
本実施形態において、タイムスロット領域は、16ビットであり、UIDの一部を指定しているが、本発明は、この例に限定されない。
ステップS10において、制御部31は、要求信号送信手段として機能する。
ステップS10は、要求信号送信ステップに相当する。
要求信号を受信したチップ2は、識別情報からCRCにより16ビットのCRC符号を生成する。ここで生成されるCRC符号は、本発明における第1誤り検出符号に相当する。
次に、要求信号を受信したチップ2は、タイムスロット領域の値ごとに定められたタイミングで、識別情報(64ビットUID)、第1誤り検出符号(16ビットCRC符号)、及び第2誤り検出符号(8ビットDSFID)を含む応答信号を送信する。
第1誤り検出符号のデータ長及び第2誤り検出符号のデータ長は、識別情報のデータ長よりも短い。第2誤り検出符号のデータ長は、第1誤り検出符号のデータ長よりも短い。第1誤り検出符号と、第2誤り検出符号とは、互いに異なる方法で(本実施形態では、異なるデータ長となるように)生成されている。第1誤り検出符号は、RFIDタグで生成されている。第2誤り検出符号は、予め生成されてメモリ4に記憶されている。
サーバ30の制御部31は、リーダ37により、アンテナ38を介して、チップ2から応答信号を受信する(ステップS11)。
図5は、図4に示す読取処理のステップS10及びステップS11における信号の送受信のタイミングを示すタイミングチャートである。
図5に示すように、先ず、タイムスロット1(タイムスロット値「1」)の「チップ1」から応答信号を受信し、次に、タイムスロット2の「チップ2」、タイムスロット3の「チップ3」の順に、応答信号を受信する。その後、タイムスロット値の順に応答信号を受信し、最後には、タイムスロット14の「チップ14」、タイムスロット15の「チップ15」、タイムスロット16の「チップ16」の順に、応答信号を受信する。
なお、1回のステップS11において受信する応答信号は、1つのタイムスロット値に応じてチップ2から送信される応答信号である。
ステップS11において、制御部31は、応答信号受信手段として機能する。
ステップS11は、応答信号受信ステップに相当する。
ステップS11の後、サーバ30の制御部31は、チップ2から受信した識別情報から、第1誤り検出符号(16ビットUID)及び第2誤り検出符号(8ビットDSFID)を生成する(ステップS12)。
ステップS12において、制御部31は、生成手段として機能する。
ステップS12は、生成ステップに相当する。
ステップS12の後、サーバ30の制御部31は、ステップS11においてチップ2から受信した第1誤り検出符号と、ステップS12において生成した第1誤り検出符号との一致又は不一致を検出する(ステップS13)。通常、応答信号の衝突が生じていなければ、第1誤り検出符号の値は一致する。
ステップS13の後、サーバ30の制御部31は、ステップS11においてチップ2から受信した第2誤り検出符号と、ステップS12において生成した第2誤り検出符号との一致又は不一致を検出する(ステップS14)。通常、応答信号の衝突が生じていなければ、第2誤り検出符号の値は一致する。
ステップS13、S14において、制御部31は、誤り検出手段として機能する。
ステップS13、S14は、誤り検出ステップに相当する。
ステップS13、S14の順序は特に限定されず、ステップS14の後にステップS13を行ってもよい。
ステップS13及びステップS14の後、サーバ30の制御部31は、第1誤り検出符号が一致したか否かを判断する(ステップS15)。通常、応答信号の衝突が生じていれば、第1誤り検出符号は一致せず、チップ2を認識することはできない。この点について説明する。
図6は、図4に示す読取処理のステップS15における第1誤り検出符号の一致・不一致について説明するための図である。
図6は、タイムスロット16で3つのチップA〜Cが応答信号を送信した場合を示している。チップAの応答信号は「DATA 1」及び「CRC1」を含み、チップBの応答信号は「DATA 2」及び「CRC2」を含み、チップCの応答信号は「DATA 3」及び「CRC3」を含む。
なお、「DATA 1」、「DATA 2」及び「DATA 3」は、識別情報としてのUIDと、第2誤り検出符号としてのDSFIDとを含み、本実施形態では、グループ符号としてのAFIを含む。「CRC1」、「CRC2」及び「CRC3」は、第1誤り検出符号としてのCRC符号である。また、図6では、説明の便宜上、他のデータを示していない。
各チップA〜Cから送信された応答信号は、アンテナ38を介して受信されるときに合成される。各チップA〜Cから、応答信号は、同一のタイミングで送信され、アンテナ38を介した応答信号の受信は、アナログ通信であるため、各ビットは、各同一ビット位置の値の多数決で決定される。
「DATA X」は、「DATA 1」、「DATA 2」及び「DATA 3」が合成されることにより得られたデータであり、「CRCX」は、「CRC1」、「CRC2」及び「CRC3」が合成されることにより得られたデータである。
このように、複数のチップ2から同時に応答信号が送信されると、データ値が変わってしまうため、ステップS13で第1誤り検出符号の不一致が検出される。この場合、制御部31は、第1誤り検出符号が一致しなかったと判断し(ステップS15:NO)、メモリ33に、前記タイムスロットでの通信結果として未認識を記録する(ステップS16)。
通常、応答信号が衝突した場合、ステップS13において、第1誤り検出符号の不一致が検出される。しかし、応答信号が衝突しても、偶然、受信した第1誤り検出符号と生成した第1誤り検出符号とが一致する場合がある。この現状により正しいと認識された識別情報が所謂ゴーストIDであり、正しいと認識されたチップ2が所謂ゴーストチップである。
異なる識別情報を有する複数のRFIDタグが、同時に、同じ拡散符号で、同じタイムスロットを用いて通信を始めた場合に、nビットのCRCにより誤りを検出できない確率は、受信時に合成された識別情報(DATA X)から生成されるnビットのCRC符号が、受信時に合成されたnビットの第1誤り検出符号(CRC X)と偶然に一致する確率である。この確率は、2−nで表わすことができる。本実施形態では、第1誤り検出符号として、16ビットCRC符号を用いるので、2−16=1/65536の確率で、ゴーストチップが生じる。
ステップS15において、第1誤り検出符号が一致したと判断した場合、サーバ30の制御部31は、第2誤り検出符号が一致したか否かを判断する(ステップS17)。
ステップS15及びS17において、制御部31は、判断手段として機能する。
ステップS15及びS17は、判断ステップに相当する。
第1誤り検出符号が一致し且つ第2誤り検出符号が不一致であった場合、応答信号の衝突により第1誤り検出符号の誤認識が発生していることになる。この場合(ステップS17:NO)、サーバ30の制御部31は、メモリ33に、前記タイムスロットでの通信結果として誤認識を記録する(ステップS18)。
一方、ステップS17において、第1誤り検出符号が一致し且つ第2誤り検出符号が一致したと判断した場合、チップ2の正常な認識が行われたこととする。この場合(ステップS17:YES)、サーバ30の制御部31は、メモリ33に、前記タイムスロットでの通信結果として認識完了を記録する(ステップS19)。
ステップS16、S18又はS19の実行後、サーバ30の制御部31は、全タイムスロット(タイムスロット1〜16)の通信が完了したか否かを判断する(ステップS20)。全タイムスロットの通信が完了していないと判断した場合、処理をステップS11に戻す。一方、全タイムスロットの通信が完了したと判断した場合、サーバ30の制御部31は、メモリ33に未認識の記録があるか否かを判断する(ステップS21)。
ステップS21において、未認識の記録があると判断した場合、制御部31は、再読取処理を実行する。再読取処理では、制御部31は、ステップS10で指定したタイムスロット領域とは別のタイムスロット領域(例えば、64ビットUIDのうちの最下桁から17〜32番目のビット)を指定する要求信号を送信し、その後、図4に示すステップS11〜19に示す処理を図4のフローチャートに従って実行する。
図7は、図4に示す読取処理のステップS22における再読取処理における信号の送受信のタイミングを示すタイミングチャートである。
図7は、タイムスロット16のチップA〜Cから同時に応答信号を受信し、その結果、第1誤り検出符号(CRC符号)の不一致が生じた場合を示している。このように、第1誤り検出符号の不一致が生じた場合、制御部31は、今回のタイムスロット領域の値を固定して別のタイムスロット領域を指定する要求信号を送信することにより、チップA〜Cから別々に応答信号を受信することができる。例えば、今回のタイムスロット領域としてUIDの下1バイト目を指定していた場合、その下1バイト目を固定するとともに、次のタイムスロット領域としてUIDの下2バイト目を指定する。
なお、再度、第1誤り検出符号の不一致が検出された場合には、第1誤り検出符号の不一致が生じなくなるまで、順次、タイムスロット領域の指定を変更して要求信号を送信する。これにより、未認識のチップ2が認識されることになる。また、ステップS22の処理において、制御部31がメモリ4に誤認識の記録を行うこともある。
ステップS21において、メモリ4に未認識の記録がないと判断された場合、又はステップS22の処理を実行した場合、制御部31は、メモリ4に誤認識の記録があるか否かを判断する(ステップS23)。誤認識の記録があると判断した場合、制御部31は、グループ指定読取処理を行う(ステップS24)。グループ指定読取処理については、図8を用いて後述する。ステップS23において、誤認識の記録がないと判断した場合、又はステップS24において、グループ指定読取処理を実行した場合、本処理を終了する。
図8は、図4に示す読取処理のステップS24におけるグループ指定読取処理を示すフローチャートである。
制御部31は、第1誤り検出符号の誤認識が生じたときと同一のタイムスロット領域及びタイムスロット値を指定し且つ1つのグループを指定する指定信号を送信する(ステップS30)。
指定信号は、グループ符号を含んでおり、グループ符号により、グループの指定を行う。グループの数は、グループ符号が取り得る値の数(2)である。本実施形態において、グループ符号は、4ビットであるので、グループ数は、2=16である。なお、本発明は、この例に限定されず、システムで用いられるグループ符号の数と、グループの数とが同じであればよい。
ステップS30において、制御部31は、指定信号送信手段として機能する。
ステップS30は、指定信号送信ステップに相当する。
指定信号を受信したチップ2は、グループ符号、識別情報及び第1誤り検出符号を含む返答信号を送信する。
グループ符号のデータ長は、識別情報、第1誤り検出符号及び第2誤り検出符号よりも短い。グループ符号は、予め各チップ2に割り当てられて、メモリ4に記憶されている。
なお、本実施形態では、返答信号が、グループ符号、識別情報及び第1誤り検出符号を含む場合について説明しているが、本発明は、この例に限定されず、返答信号は、少なくともグループ符号を含んでいればよく、グループ符号、識別情報、第1誤り検出符号及び第2誤り検出符号を含んでいてもよい。
サーバ30の制御部31は、リーダ37により、アンテナ38を介して、チップ2から返答信号を受信する(ステップS31)。
ステップS31において、制御部31は、返答信号受信手段として機能する。
ステップS31は、返答信号受信ステップに相当する。
次に、制御部31は、誤認識のチップを特定する処理を行う(ステップS32)。
この処理では、受信した指定信号に含まれる識別情報から第1誤り検出符号を生成し、生成した第1誤り検出符号と、受信した指定信号に含まれる第1誤り検出符号との対比により、チップの認識を行う。この処理では、グループ符号を特定した状態で、第1誤り検出符号の対比を行っているので、返答信号が衝突する可能性は低い。しかし、返答信号が衝突した場合には、上述した応答信号と同様に、チップを識別することができない。そこで、ステップS32において、第1誤り検出符号が不一致であった場合、更に別のタイムスロット領域を指定して指定信号を送信する。なお、ここでの誤認識のチップの特定処理は省略し、指定信号を受信したことをもって、誤認識のチップを特定できたこととしてもよい。
次に、制御部31は、前記グループについての認識が完了したことをメモリ33に記録し、更にチップ2を認識できた場合には、(ステップS33)。その後、制御部31は、メモリ33に記録に基づいて、全グループの読取が完了したか否かを判断する(ステップS34)。全グループの読取が完了していない場合、処理をステップS30に戻し、全グループの読取が完了するまで、ステップS30〜S34の処理を繰り返す。一方、全グループの読取が完了した場合には、本サブルーチンを終了する。
以上、第1の実施形態は、RFIDタグを備えた複数のチップ2からデータを読み取るシステム1である。システム1において、複数のチップ2の各々が備えるRFIDタグ3は、メモリ4を備え、メモリ4は、チップ2の固有の識別情報(例えばUID)を記憶する記憶領域と、識別情報から生成される第2誤り検出符号(例えばDSFID)を記憶する記憶領域とを備える。システム1は、以下の構成を備える。
アンテナ38、
アンテナ38の通信範囲39内に位置する複数のチップ2に対して、メモリ4の識別情報の一部(4ビット)をタイムスロット領域として指定する要求信号を送信する要求信号送信手段(ステップS10)、
要求信号を受信したチップ2から、チップ2が備えるメモリ4のタイムスロット値ごとに定められたタイミングで送信される応答信号を受信し、応答信号は、チップ2の識別情報と、第2誤り検出符号と、識別情報から生成された第1誤り検出符号(例えばCRC符号)とを含み、第1誤り検出符号及び第2誤り検出符号のデータ長は、識別情報より短く、第2誤り検出符号のデータ長は、第1誤り検出符号よりも短い、応答信号受信手段(ステップS11)、
応答信号受信手段により受信された識別情報から第1誤り検出符号及び第2誤り検出符号を生成する生成手段(ステップS12)、
生成手段により生成された第1誤り検出符号と、応答信号受信手段により受信された第1誤り検出符号とが一致するか否かを判定し、一致しない場合に誤りを検出する第1誤り検出手段と(ステップS13)、
生成手段により生成された第2誤り検出符号と、応答信号受信手段により受信された第2誤り検出符号とが一致するか否かを判定し、一致しない場合に誤りを検出する第2誤り検出手段(ステップS14)、
第1誤り検出符号及び第2誤り検出符号のいずれか一方により誤りが検出された場合に、応答信号の衝突に起因してチップ2を認識できなかったと判断する第1判断手段(ステップS15〜S16)、並びに、
第1誤り検出符号及び第2誤り検出符号のいずれか一方により誤りが検出されず、且つ他方により誤りが検出された場合に、応答信号の衝突に起因してチップ2の誤認識が生じたと判断する第2判断手段(ステップS17〜S18)。
本実施形態のシステム1によれば、第1誤り検出符号及び第2誤り検出符号のいずれか一方により誤りが検出された場合に、応答信号の衝突に起因してチップ2を認識できなかったと判断し、第1誤り検出符号及び第2誤り検出符号のいずれか一方により誤りが検出されず且つ他方により誤りが検出されなかった場合に、応答信号の衝突に起因してチップ2の誤認識が生じたと判断する。従って、チップ2の計数ミスを検出することができるので、誤った計数値を計数結果として採用してしまうことを防止することができる。
また、本実施形態のシステム1は、以下のように構成されている。
メモリ4は、チップ2のグループ符号(例えばAFI)を記憶するグループ符号記憶領域を備え、
グループ符号のデータ長は、第2誤り検出符号よりも短く、
複数2のチップは、グループ符号の取り得る値(例えば1〜15)に応じた数(例えば16)のグループに分けられており、
グループ符号は、チップ2のグループに応じて、チップ2の各々に割り当てられており、
システム1は、以下の構成を備える。
第2判断手段によってチップ2の誤認識が生じたと判断された場合に、チップ2に対して指定したタイムスロット領域と同じタイムスロット領域を指定し、且つグループを指定する指定信号を、各グループに対して順次送信する指定信号送信手段(ステップS30)、並びに、
指定信号によって指定された前記グループの前記チップからの返答信号を受信する返答信号受信手段(ステップS31)。
本実施形態のシステム1によれば、チップ2の誤認識が発生した場合に、ゴーストチップとして認識されたチップを高い精度で識別することができるので、より高い精度での計数を実現することができる。
[第2実施形態]
図9は、本発明の第2実施形態に係るベッティングテーブル読出処理を示すフローチャートである。
サーバ30の制御部31は、ゲーム終了のための処理を行う(ステップS40)。ゲーム終了のための処理では、チップの払出を終了させ、ゲーム結果を確定させる。例えば、チップの払出(清算)を行い、ベッティングテーブル11に設置された入力装置を介してディーラ(又はプレーヤ)によってゲーム終了の指示を入力された際にゲーム結果を確定させることとしてもよい。この処理が終了すると、1回のゲームが終了し、次のゲーム開始までの期間がインターバル期間となる。
次に、サーバ30の制御部31は、全ベットエリア12に対して、ベットエリア読出処理を行う(ステップS41)。ここで、ベットエリア読出処理について説明する。
図10は、図9に示すベッティングテーブル読出処理のステップS41(及び後述するステップS47)において実行されるベットエリア読出処理を示すフローチャートである。
ベットエリア読出処理において、制御部31は、各ベットエリア12に対して読取処理を行う(ステップS60)。この読取処理としては、例えば、図4に示した読取処理を挙げることができるが、本発明において、ここでの読取処理は、図4に示した読取処理に限定されず、ベットエリア12内の複数のチップ2を読み取ることができる処理であればよい。
次に、サーバ30の制御部31は、読み取ったチップ2のデータが、チップ管理データベース35内に、そのチップ2が載置されたベットエリア12と対応付けて記録されているか否かを判断する(ステップS61)。
図10のベットエリア読出処理は、図9のベッティングテーブル読出処理におけるステップS41であり、ステップS40のゲーム終了の後、ステップS42において所定時間が経過したと判断されるまで繰り返し実行される。その過程において、ステップS61の処理も繰り返し実行される。第1回目のステップS61においては、読み取ったチップ2のデータが、チップ管理データベース35に、そのチップ2が載置されたベットエリア12と対応付けて記録されていない。第2回目以降のステップS61においては、読み取ったチップ2のデータが、チップ管理データベース35内に、そのチップ2が載置されたベットエリア12と対応付けて記録されている場合と、記録されていない場合とがある。
読み取ったチップ2のデータがチップ管理データベース35内に記録されていることは、前回の読取処理から今回の読取処理までの間に、チップ2の移動が行われなかったことを意味する。読み取ったチップ2のデータがチップ管理データベース35内に記録されていないことは、前回の読取処理から今回の読取処理までの間に、ベットエリア12に新たにチップ2が載置されたことを意味する。
ステップS61において、読み取ったチップ2のデータがチップ管理データベース35に記録されていないと判断した場合、制御部31は、チップ管理データベース35に、読み取ったチップ2を登録する(ステップS63)。具体的に、制御部31は、読み取ったチップ2のデータを、そのチップ2が載置されたベットエリア12に対応付けて記録し、受信回数nをn=1に設定する。
ステップS61において、読み取ったチップ2のデータがチップ管理データベース35に記録されていると判断した場合、制御部31は、受信回数nを、n=n+1に設定する(ステップS62)。
ステップS62又はS63の処理を実行した場合、制御部31は、チップ管理データベース35においてベットエリア12に対応付けて記録されたデータのなかに、読み取ったチップ2のデータ以外のデータが含まれているか否かを判断する(ステップS64)。
ベットエリア12に対応付けて記録されたデータのなかに、読み取ったチップ2のデータ以外のデータが含まれていることは、前回の読取処理から今回の読取処理までの間に、ベットエリア12から取り去られたチップ2が存在することを意味する。
ステップS64において、読み取ったチップ2のデータ以外のデータがあると判断した場合、制御部31は、受信回数nをn=0に設定する(ステップS65)。
ステップS65の処理を実行した場合、又はステップS64において、チップ管理データベース35のなかに、読み取ったチップ2のデータ以外のデータがないと判断した場合、本サブルーチンを終了し、処理を図9に戻す。これにより、図9のステップS41を終了する。
次に、制御部31は、前回ゲームの終了(ステップS40)の後から所定期間が経過したか否かを判断する(ステップS42)。ここで、所定期間は、ゲームが終了してからベットの確定までの時間である。所定時間が経過していないと判断した場合、制御部31は、処理をステップS41に戻す。その結果、制御部31は、ゲーム終了後(ステップS41)からベット確定(ステップS43)までの間に、各アンテナ38による各ベットエリア12に載置された各チップ2からのデータの読取処理を連続的に行う。
ステップS41及びS42の処理を繰り返し実行するとき、制御部31は、読取手段として機能する。また、ステップS40〜S43の期間が、チップトレイ20の計測可能期間(即ち、ディーラーチェンジタイミング)である。
なお、本実施形態では、ゲーム終了からベット確定までの間に読取処理を行う場合について説明するが、本発明は、この例に限定されない。ゲーム終了からゲーム開始までの期間内における任意の期間に読取処理を行うことができる。
また、本実施形態では、連続的に読取処理を実行する場合について説明するが、本発明は、この例に限定されず、例えば、断続的に(例えば、所定の周期で)読取処理を行うこととしてもよい。
ステップS42において、所定時間が経過したと判断した場合、制御部31は、「No More BET」の設定を行い、全ベットエリア12の読み取りを終了する(ステップS43)。
次に、制御部31は、チップ管理データベース35のデータに基づいて、全ベットエリア12のチップ2の受信回数nが、n=Nに達したか否かを判断する(ステップS44)。Nは、予め定められた値であり、ゲーム終了からゲーム開始までの間に行われる読取処理の回数よりも少ない値であり、例えば、2〜3回である。
ステップS44において、制御部31は、判定手段として機能する。
全ベットエリア12のチップ2の受信回数nがn=Nに達している場合、ベットエリア12に載置されたチップ2から、連続して所定回数(N回)、同じデータが読み取られたことになるので、そのベットエリア12に対する読取は成功である。
その場合(ステップS44:YES)、制御部31は、ベッティングテーブル11上に設けられた「GAME START」ボタン(図示せず)を有効化する(ステップS49)。有効化の処理は、「GAME START」ボタンの操作を受け付けるようにする処理である。有効化が行われる前には、前記ボタンが操作されても制御部31はゲーム開始の処理を行わないが、有効化が行われた後には、前記ボタンが操作されることによって制御部31はゲーム開始の処理を実行する。
ステップS49において、制御部31は、ゲーム開始可能化手段として機能する。
ステップS49の後、制御部31は、ゲームをスタートするか否かを判断する(ステップS50)。制御部31は、「GAME START」ボタンが操作された場合には、ゲームをスタートすると判断し(ステップS50:YES)、ゲーム開始のための処理を行う(ステップS51)。その後、ゲームを終了する際には、処理をステップS40に戻す。
一方、ステップS50において、制御部31は、「GAME START」ボタンが操作されていない場合には、処理をステップS50に戻し、「GAME START」ボタンが操作されるまで処理を繰り返す。
全ベットエリア12のチップ2の受信回数nがn=Nに達していない場合、ベットエリア12に載置されたチップ2から、連続して所定回数(N回)、同じデータが読み取られなかったことになるので、そのベットエリア12に対する読取は失敗である。
その場合(ステップS44:NO)、制御部31は、エラーカウントを行い、メモリ33内に記憶されたエラー回数eを、e=e+1に設定する(ステップS45)。なお、eの初期値は0である。
次に、制御部31は、いずれかのベットエリア12について、エラー回数eが、最大値Eに達したか否かを判断する(ステップS46)。最大値Eは、予め定められた値である。最大値Eは、上述した所定回数Nよりも、大きな値であってもよく、小さな値であってもよく、同じ値であってもよい。
ステップS46において、エラー回数eが最大値Eであると判断された場合、エラー表示及びWAIT(待機)を行い(ステップS48)、その後、処理をステップS41に戻す。ステップS48において、エラー表示及びWAITが行われる場合としては、例えば、プレーヤ又はディーラがチップ2を動かした場合、チップ2の劣化による通信不安定化又は通信不能、アンテナ38を含む機材の故障、妨害電波等が挙げられる。
一方、ステップS46において、エラー回数eが最大値Eではないと判断された場合、制御部31は、読取失敗のベットエリア12に対して、ベットエリア読出処理(図10)を行い(ステップS47)、その後、処理をステップS44に戻す。
このように、本実施形態では、ステップS44においてn=N(読取成功)であると判定された場合、ベットエリア12の読取処理を終了する一方、ステップS44においてn≠N(読取失敗)であると判定された場合、ステップS47において読取処理を行う。
以上、第2実施形態のシステム1によれば、ゲーム終了からゲーム開始までのインターバルの期間を利用してチップ2の読取を行うため、ベットエリア12へのチップ2のベットが確定してからゲームを開始するまでの期間を短縮することができる。
かりに「No More BET」でチップ2を確定してからチップ2の読取を開始すると、チップ2の確定からゲーム開始まで約30秒かかってしまい、スムーズなゲーム進行に支障をきたす。そのため、第2実施形態では、前回のゲーム終了から読取を開始し、チップ2の確定からゲーム開始までの期間を短縮している。
その結果、プレーヤのゲームに対する興味や高揚感を損なわず且つゲームの稼働率を低下させることなく、精度良くチップ2の読取を行うことができる。また、その際に、過大な演算能力を必要としない。
[第3実施形態]
図11は、本発明の第3実施形態に係るチップトレイ読出処理を示すフローチャートである。
図11のフローチャートが示す処理は、図9に示す処理が実行されているときに、所定のタイミングで繰り返し呼び出されて実行される処理である。
制御部31は、第1のタイミングであるか否かを判断する(ステップS70)。第1のタイミングは、第2のタイミング及び第3のタイミングよりも先である。第1のタイミングは、チップ管理データベース35に、チップトレイ20内のチップ2として、チップ2が登録されていない場合の任意のタイミングであってもよく、例えば、営業開始時、テーブルのオープン時である。
第1のタイミングであると判断した場合(ステップS70:YES)、制御部31は、読取処理を行う(ステップS71)。この読取処理としては、例えば、図4に示した読取処理を挙げることができるが、本発明において、ここでの読取処理は、図4に示した読取処理に限定されず、チップトレイ20内の複数のチップ2を読み取ることができる処理であればよい。
次に、制御部31は、チップトレイ20内のチップ2から読み取ったデータに基づいて、チップ管理データベース35に、チップトレイ20内のチップ2として、読み取ったチップ2を登録する(ステップS72)。
ステップS71及びS72において、制御部31は、登録手段として機能する。
ステップS70において、第1のタイミングではないと判断した場合、又はステップS72の処理を実行した場合、制御部31は、第2のタイミングであるか否かを判断する(ステップS73)。第2のタイミングは、第1のタイミングの後であれば、特に限定されず、例えば、チップ2の払出、回収、両替等のタイミングを挙げることができる。
第2のタイミングであると判断した場合(ステップS73:YES)、制御部31は、読取処理を行う(ステップS74)。ここでの読取処理は、ステップS71と同じ処理である。
ステップS74の後、制御部31は、登録情報を更新する処理を行う(ステップS75)。ステップS75において、制御部31は、チップ管理データベース35におけるチップトレイ20内のチップ2の登録情報と、ステップS74においてチップトレイ20から読み取ったチップ2のデータとに基づいて、下記(i)〜(iii)の処理を行う。
(i) チップトレイ20から読み取ったチップ2のデータが、チップ2の登録情報と一致する場合、読み取ったチップ2は既に登録されているので、登録情報を維持する。
(ii) チップトレイ20から読み取ったチップ2のデータが、チップ2の登録情報と一致しない場合、読み取ったチップ2は未だ登録されていないので、チップ管理データベース35に登録する。ここでの登録処理は、ステップS72と同様である。
(iii) チップトレイ20から読み取ったチップ2のデータ以外のデータが、チップ2の登録情報に含まれている場合、読み取ったチップ2以外のチップ2が登録されていることになるので、読み取ったチップ2のデータ以外のデータをチップ管理データベース35から削除する。
上記(i)〜(iii)の処理を行うことにより、チップ2のデータを更新することができる。
ステップS74及びS75において、制御部31は、更新手段として機能する。
ステップS73において、第2のタイミングではないと判断した場合、又はステップS75の処理を実行した場合、制御部31は、第3のタイミングであるか否かを判断する(ステップS76)。第3のタイミングは、第1のタイミングの後であれば、特に限定されず、例えば、ディーラーチェンジ時、チップトレイ20の集計時等のタイミングを挙げることができる。第3のタイミングではないと判断した場合(ステップS76:NO)、本サブルーチンを終了する。
一方、第3のタイミングであると判断した場合(ステップS76:YES)、制御部31は、読取処理を行う(ステップS77)。ここでの読取処理は、ステップS71と同じ処理である。
ステップS77の後、制御部31は、チップ管理データベース35におけるチップトレイ20内のチップ2の登録情報と、ステップS77においてチップトレイ20から読み取ったチップ2のデータとを対比する(ステップS78)。
ステップS78における対比によって、次の(I)〜(III)の場合が生じる。
(I) チップトレイ20から読み取ったチップ2のデータが、チップ2の登録情報と一致する場合、
(II) チップトレイ20から読み取ったチップ2のデータが、チップ2の登録情報と一致しない場合、及び
(III) チップトレイ20から読み取ったチップ2のデータ以外のデータが、チップ2の登録情報に含まれている場合。
(III)の場合、チップ2が不足していることになる。
ステップS77及びS78において、制御部31は、判定手段として機能する。
ステップS78の後、制御部31は、不足チップdが0枚であるか否かを判断する(ステップS79)。不足チップdが0枚である場合、制御部31は、読み取りが正常に行われたと判断し、チップトレイ20の読み出しを正常に終了する(ステップS86)。その後、本サブルーチンを終了する。
不足チップdが0枚である場合は、上記(I)の場合に該当するが、本発明は、この例に限定されず、不足チップが0枚である場合に、上記(I)及び(II)の場合を含めてもよい。
不足チップdが0枚ではない場合、制御部31は、読み取りが正常に行われなかったと判断し、エラーカウントを行い、メモリ33内に記憶されたエラー回数eを、e=e+1に設定する(ステップS80)。なお、eの初期値は0である。
不足チップdが0枚ではない場合は、上記(II)及び(III)の場合に該当するが、本発明は、この例に限定されず、不足チップdが0枚ではない場合を、上記(III)の場合のみとしてもよい。
ステップS80の後、制御部31は、エラー回数eが最大値Eに達したか否かを判断する(ステップS81)。最大値Eは、予め定められた値である。ステップS81における最大値Eは、ステップS46における最大値と同じであってもよく、異なっていてもよい。
ステップS81において、エラー回数eが最大値Eであると判断された場合、制御部31は、エラー表示を行い(ステップS84)、ステップS77において読み取ったデータに基づいて、チップ管理データベース35の登録情報を更新する処理を行う(ステップS85)。ここでの更新処理は、ステップS75における更新処理と同様である。ステップS85の後、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS81において、エラー回数eが最大値Eではないと判断された場合、制御部31は、不足チップdが基準値D以下であるか否かを判断する(ステップS82)。基準値Dは、予め定められた値であり、特に限定されない。
ステップS82において、不足チップdが基準値D以下ではないと判断された場合、制御部31は、処理をステップS77に戻し、再度、読取処理を行う。
一方、ステップS82において、不足チップdが基準値D以下であると判断された場合、制御部31は、チップ管理データベース35に記憶されているデータのうち、不足チップのデータに基づいて、不足チップの識別情報を指定して、チップ2の読取を行う(ステップS83)。ここで使用する識別情報は、例えば、UIDであり、ステップS83において、識別情報を使用した読取によって不足チップを特定した場合では、不足チップの枚数を減らす。
このように、識別情報(例えば、UID)を指定した読取を行うことにより、読取時間を短縮することができる。ステップS83において、制御部31は、通信手段として機能する。ステップS83の後、処理をステップS79に戻す。
このように、本実施形態では、不足チップの枚数が、予め定められた基準値を超えているときには、チップトレイ20の全体に対して読取処理を行う一方、不足チップの枚数が基準値以下となったときには、チップ2の識別情報を指定した読取を行う。
第3実施形態のシステム1によれば、第1のタイミングでチップトレイ20内のチップ2の登録を行い、第2のタイミングでチップ2の更新を行っているので、第3のタイミングにおけるチップ2の不足の確認を短時間で行うことができる。その結果、プレーヤのゲームに対する興味や高揚感を損なわず且つゲームの稼働率を低下させることなく、精度良くチップの読取を行うことができ、過大な演算能力を必要としない。これにより、第3実施形態のシステム1は、ディーラによる不正、ミスを発見することができるとともに、チップ2や機器の故障発見に役立つ。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判定し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を十分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各ステップは、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各ステップでは、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各ステップにおける処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各ステップにおける処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各ステップを行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。
1 (チップ読取)システム
2 チップ
3 RFIDタグ
4 (RFIDの)メモリ
10 ゲーミングマシン
11 ベッティングテーブル
12 ベットエリア
20 チップトレイ
21 凹部
30 サーバ
31 制御部
32 CPU
33 (サーバの)メモリ
34 通信用I/F
35 チップ管理データベース
37 リーダ
38 アンテナ
39 (アンテナの)通信範囲

Claims (1)

  1. RFIDタグを備えた複数のチップからデータを読み取るシステムであって、
    前記システムは、
    複数のベットエリアが設定されたベッティングテーブルと、
    前記複数のベットエリアの各々に対応付けて設けられ、対応付けられた前記ベットエリアを通信範囲に含むアンテナと、
    ゲームの終了後から次のゲームの開始前の所定期間に、各前記アンテナによる各前記ベットエリアに載置された各前記チップからのデータの読取処理を連続的又は断続的に行う読取手段と、
    前記所定期間が経過したか否かを判定し、経過したと判定した際、前記読取手段によって、前記ベットエリアに載置された前記チップから、連続して所定回数、同じデータが読み取られた場合、前記ベットエリアの読取に成功したと判定する一方、連続して所定回数、同じデータが読み取られなかった場合、前記ベットエリアの読取に失敗したと判定する判定手段と、
    前記判定手段によって全ての前記ベットエリアの読取に成功したと判定された場合に、ゲームの開始を可能とするゲーム開始可能化手段と
    を備え、
    前記読取手段は、前記判定手段によって前記ベットエリアの読取に成功したと判定された場合、前記ベットエリアに対する前記読取処理を終了する一方、前記判定手段によって前記ベットエリアの読取に失敗したと判定された場合、読取に失敗したと判定された前記ベットエリアに対する前記読取処理を行う。
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