JP5989366B2 - 交流信号測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電圧センサで検出した交流電圧と電流センサで検出した交流電流の実効値と、交流電圧と交流電流の位相差を算出する交流信号測定装置に関する。
従来、例えば、特開2005-214932号公報(以下、「公報1」という。)に、交流信号の実効値Armsを算出する方法として、下記の方法が提案されている。
交流信号aをA・cos(ω・t−ψ)(ψ:初期位相))とすると、a2=A2/2+A2・cos(2ω・t−ψ)/2であるから、交流信号aを自乗した後、ローパスフィルタでA2・cos(2ω・t−ψ)/2の成分を除去して直流分A2/2を求めた後、その直流分A2/4の平方根V/√(2)を演算して交流信号aの実効値Arms=A・/√(2)を算出する方法である。
また、交流電圧と交流電流の位相差φを算出する信号処理装置として、例えば、特開2006-300746号公報(以下、「公報2」という。)に、下記の方法が提案されている。
交流電圧のサンプリングデータをv[k]=V・sin(ω・k)、交流電流のサンプリングデータをi[k]=I・sin(ω・k−φ)とすると、
v’[k]=(v[k+1]−v[k-1])/(2・sin(ω))
i’[k]=(i[k+1]−i[k-1])/(2・sin(ω))
但し、v’[k]:v[k]の時間微分値
i’[k]:i[k]の時間微分値
を演算した後、
φ[k]=tan-1[(v[k]・i’[k]-v’[k]・i[k])/(v’[k]・i’[k]+v[k]・i[k]]
を演算して位相φを算出する方法である。
特開2005-214932号公報 特開2006−300746号公報
公報1の実効値算出方法と公報2の位相差算出方法を組み合わせて、交流電圧vと交流電流iの実効値Vrms,Irmsと位相差φを算出する交流信号測定装置を実現する場合、位相差φを演算するには上述したφ[k]の算出式より交流電圧vと交流電流iの基本波成分を抽出する回路が必要になる。
公報1の実効値算出方法ではローパスフィルタから直流分A2/2しか出力されず、交流電圧vと交流電流iの基本波成分を抽出する構成がないので、その構成を設けて抽出した交流電圧vと交流電流iの基本波成分から上述したφ[k]の算出式より位相差φを求めなければならず、公報1の実効値算出方法と公報2の位相差算出方法を組み合わせる方法では交流信号測定装置の構成が複雑になる。
一方、例えば、交流信号a=A・cos(ω・t−ψ)の実効値Armsは、交流信号aの基本波成分を抽出した後、その基本波成分の時間微分値a’=d(a)/dt=−A・sin(ω・t−ψ)を演算し、√(a2+a’2)/2=A/√(2)を演算することにより算出することができる。この実効値算出方法では交流信号aの基本波成分が抽出されるから、この実効値算出方法と公報2の位相差算出方法を組み合わせて交流信号測定装置を実現することが考えられる。
しかし、この方法では、交流信号aのフィルタリング処理では交流信号aの基本波成分しか得られず、交流信号aと90度位相がずれた交流信号を得るために交流信号aの時間微分を演算する必要があり、実効値Armsの演算式が簡単でない。
交流電圧vをv=V・cos(ω・t−ψ)(ψ:初期位相)、交流電流iをi=I・cos(ω・t−ψ−φ)(φ:vとの位相差)とすると、交流電圧vと交流電流iの実効値Vrms(=V/√(2)),Irms(=I/√(2))を求める実効値演算部と位相差φを求める位相差回路の前段で、交流電圧vに対して同相の基本波成分v1=(V/2)・cos(ω・t−ψ)と矩相の基本波成分v2=(V/2)・sin(ω・t−ψ)と、交流電流iに対して同相の基本波成分i1=(I/2)・cos(ω・t−ψ−φ)と矩相の基本波成分i2=(I/2)・sin(ω・t−ψ−φ)と、を得ることができれば、
rms=√2・√(v1 2+v2 2)=V/√(2)
rms=√2・√(i1 2+i2 2)=I/√(2)
φ=tan-1[(v1・i2−v2・i1)/(v2・i2+v1・i1)]
の簡単な演算式により交流電圧vと交流電流iの実効値Vrms,Irmsと、位相差φを高速かつ高精度で算出することができる。しかし、従来、これを実現する交流信号測定装置は全く提案されていない。
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、交流電圧と交流電流の検出値から交流電圧又は交流電流の実効値と、交流電圧と交流電流との位相差とを高速にかつ高精度で算出することのできる交流信号測定装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供される交流信号測定装置は、伝送線路の所定の測定点における交流信号を検出する交流信号検出手段と、前記交流信号検出手段で検出された前記交流信号の基本波成分を抽出するフィルタ手段と、前記交流信号の基本波成分の実効値を算出する実効値演算手段と、を備えた交流信号測定装置であって、前記フィルタ手段は、前記交流信号検出手段で検出された前記交流信号を静止しているαβ座標系のα軸成分u1(t)とし、所定の初期値をβ軸成分u2(t)として両成分u1(t),u2(t)を前記交流信号の角周波数ωoで回転するdq座標系のd軸成分ud(t)とq軸成分uq(t)に変換し、所定のローパスフィルタ特性を有する伝達関数F(s)によってフィルタリング処理をして前記基本波成分のみを抽出した後、前記αβ座標系のα軸成分y1(t)とβ軸成分y2(t)に逆変換する信号処理と等価な下記(a1)式の演算を行うことによって前記交流信号の基本波成分を抽出し、前記実効値演算手段は、下記(a2)の演算処理を行うことによって実効値Armsを算出する、ことを特徴としている(請求項1)。
Figure 0005989366
好ましい実施形態として、請求項1に記載の交流信号測定装置において、記交流信号検出手段が検出する交流信号は交流電圧若しくは交流電流であり、前記実効値演算手段は、前記交流電圧若しくは前記交流電流の実効値を演算するとよい(請求項2)。
本発明の第2の側面によって提供される交流信号測定装置は、伝送線路の所定の測定点における交流電圧と交流電流を検出する交流信号検出手段と、前記交流信号検出手段で検出された前記交流電圧と前記交流電流の基本波成分をそれぞれ抽出する一対のフィルタ手段と、前記交流電圧と前記交流電流の基本波成分の実効値をそれぞれ算出する一対の実効値演算手段と、を備えた交流信号測定装置であって、前記一対のフィルタ手段は、前記交流信号検出手段で検出された前記交流電圧と前記交流電流を、静止しているαβ座標系のα軸成分u1(t)とし、所定の初期値をβ軸成分u2(t)として両成分u1(t),u2(t)を前記交流電圧若しくは前記交流電流の角周波数ωoで回転するdq座標系のd軸成分ud(t)とq軸成分uq(t)にそれぞれ変換し、所定のローパスフィルタ特性を有する伝達関数F(s)によってフィルタリング処理をして前記交流電圧と前記交流電流の基本波成分のみをそれぞれ抽出した後、前記αβ座標系のα軸成分y1(t)とβ軸成分y2(t)に逆変換する信号処理と等価な下記の(a1)式の演算を行うことによって前記交流電圧と前記交流電流の基本波成分をそれぞれ抽出し、前記実効値演算手段は、下記の(a2)式の演算を行うことによって前記フィルタ手段から出力される前記交流電圧と前記交流電流の実効値Vrms,Irmsとを算出する、ことを特徴としている(請求項3)。
Figure 0005989366
好ましい実施形態として、請求項3に記載の交流信号測定装置において、前記フィルタ手段は、前記(a1)式に代えて下記の(a3)式の演算を行い、前記実効値演算手段は、前記(a2)式に代えて下記の(a4)式の演算を行って前記フィルタ手段から出力される前記交流電圧と前記交流電流の実効値Vrms,Irmsを算出するとよい(請求項4)。
Figure 0005989366
また、前記一対のフィルタ手段から出力される前記交流電圧の基本波成分の一対の出力をya1(t),ya2(t)、前記交流電流の基本波成分の一対の出力をyb1(t),yb2(t)、前記一対の実効値演算手段から出力される前記交流電圧の実効値の出力をV、前記交流電
流の実効値の出力をIとすると、下記の(a5)式乃至(a7)式のいずれかを演算する
ことによって前記交流電圧と前記交流電流の位相差φを演算する位相差演算手段を更に備えるとよい(請求項5)。
Figure 0005989366
好ましい実施形態として、請求項1乃至5のいずれかに記載の交流信号測定装置において、前記伝達関数F(s)は、1/(s・T+1)(T:時定数)にするとよい(請求項6)。
本発明によれば、交流電圧v=V・cos(ω・t−ψ)の検出値を一方の入力ua1(t)とし、零を他方の入力ua2(t)としてフィルタ手段で(a1)式の演算を行うと、出力ya1(t)と出力ya2(t)として交流電圧vの基本波成分の余弦波(V/2)・cos(ω・t−ψ)と正弦波(V/2)・sin(ω・t−ψ)とが出力される。また、交流電流i=I・cos(ω・t−ψ−φ)(φ:vとの位相差)の検出値を一方の入力ub1(t)とし、零を他方の入力ub2(t)としてフィルタ手段で(a1)式の演算を行うと、出力yb1(t)と出力yb2(t)として交流電流iの基本波成分の余弦波(I/2)・cos(ω・t−ψ−φ)と正弦波(I/2)・sin(ω・t−ψ−φ)とが出力される。
従って、電圧用の実効値演算手段で√2・√(ya1(t)2+ya2(t)2)を演算することにより実効値Vrms=V/√(2)が算出される。同様に、電流用の実効値演算手段で√2・√yb1(t)2+yb2(t)2)を演算することにより実効値Irms=I/√(2)が算出される。また、位相差演算手段でtan-1[(ya2(t)・yb1(t)−ya1(t)・yb2(t))/(ya1(t)・yb1(t)+ya2(t)・yb2(t))]を演算することにより位相差φが算出される。
本発明によれば、電圧用のフィルタ手段から入力電圧vの基本波成分の余弦波(V/2)・cos(ω・t−ψ)と正弦波(V/2)・sin(ω・t−ψ)とが出力され、電流用のフィルタ手段から入力電流iの基本波成分の余弦波(I/2)・cos(ω・t−ψ−φ)と正弦波(I/2)・sin(ω・t−ψ−φ)とが出力されるので、実効演算手段の実効値演算式と位相差演算手段の位相差演算式が簡単になり、高速かつ高精度で交流電圧vと交流電流iの実効値Vrms,Irmsと位相差φを算出することができる。
特に、伝達関数行列[F(s)]の演算で各成分を√(2)倍していると、実効値演算手段での実効値の演算式が√(ya1(t)2+ya2(t)2)、√(yb1(t)2+yb2(t)2)の形になるので、実効値演算手段での演算がより簡単になる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明に係る交流信号検出装置が適用される高周波電力供給システムの一例を示す図である。 電圧/電流測定装置の内部構成を示すブロック図である。 本発明に係る交流信号検出装置の信号処理と等価な信号処理を行うブロック構成を示す図である。 静止直交座標系と回転座標系の関係を示す図である。 図3に示す信号処理の各処理ブロックを行列式の処理ブロックで示した図である。 図5の処理ブロックと等価な処理ブロックを示す図である。 (11)式に含まれる行列の対角成分の演算内容を表すブロック図である。 ローパスフィルタの回路例を示す図である。 伝達関数行列FLPFの各成分を解析するためのボード線図である。
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本願発明に係る交流信号測定装置が適用される高周波電力供給システムの一例を示す図である。この高周波電力供給システムは、半導体ウェハや液晶基板等の被加工物に対して高周波電力を供給して、例えばプラズマエッチングといった加工処理を行うプラズマ処理システムである。
高周波電力供給システムは、高周波電源装置1、インピーダンス整合装置2及び負荷としてのプラズマチャンバー3で構成されている。高周波電源装置1は、例えば、2.0[MHz]若しくは13.56[MHz]の高周波をプラズマチャンバー3に供給する。インピーダンス整合装置2とプラズマチャンバー3との間にはプラズマチャンバー3の入力端における高周波電圧(以下、「RF電圧」という。)と高周波電流(以下、「RF電流」という。)を検出するセンサ4が設けられ、そのセンサ4で検出される検出値からRF電圧及びRF電流の実効値と、FR電圧とRF電流の位相差とを測定する電圧/電流測定装置5が設けられている。
センサ4には、伝送線路Lに容量結合され、当該伝送線路LのRF電圧vを検出する電圧センサと、伝送線路Lに磁気結合され、当該伝送線路Lに流れるRF電流iを検出する電流センサとが含まれている。電圧/電流測定装置5は、マイクロコンピュータ若しくはFPGA(Field-Programmable Gate Array)で構成され、CPU等の演算素子が所定の演算プログラムを実行することによりRF電圧vの実効値Vrms、RF電流iの実効値Irms及びRF電圧vとRF電流iとの間の位相差φを算出する。
電圧/電流測定装置5は、図3に示す信号処理と等価な信号処理を行う所定の演算によりRF電圧vの基本波成分のみを算出する。この算出処理では、後述するようにRF電圧vの基本波成分と同相の信号ya1(t)と矩相の信号ya2(t)が出力されるので、電圧/電流測定装置5は、これら2つの信号ya1(t),ya2(t)を用いて所定の演算式によりRF電圧vの実効値Vrmsを算出する。電圧/電流測定装置5は、同様の演算処理によりRF電流iの基本波成分のみを算出し、その算出結果(同相の信号yb1(t)と矩相の信号yb2(t))を用いてRF電流iの実効値Irmsを算出する。また、電圧/電流測定装置5は、RF電圧vの一対の信号ya1(t),ya2(t)と、RF電流iの一対の信号yb1(t),yb2(t)と、RF電圧vとRF電流iの実効値Vrms,Irmsを用いて後述する所定の演算式により位相差φを算出する。
電圧/電流測定装置5は、図2に示すように、図3に示す信号処理と等価な信号処理を行う機能ブロックとして電圧用のフィルタ部51と電流用のフィルタ部52を備え、これらの回路の後段にRF電圧vの実効値Vrmsを演算する実効値演算部54と、RF電流iの実効値Irmsを演算する実効値演算部55と、位相差φを演算する位相差演算部55を備える。
図3に示す信号処理は、αβ/dq変換ブロック6aで図4(a)に示す静止直交座標系のα軸(水平軸)成分とβ軸(垂直軸)成分で表わされる2つの入力信号u1(t),u2(t)を、同図(b)に示すRF電圧v又はRF電流iの角速度ωで回転する回転座標系のd軸成分ud(t)とq軸成分uq(t)に変換した後、フィルタ処理ブロック6bで各成分ud(t),uq(t)の交流成分を除去して直流分Ud,Uqのみを抽出し、dq/αβ変換ブロック6cでその直流分Ud,Uqを静止直交座標系のα軸成分y1(t)とβ軸成分y2(t)に逆変換する処理である。
高周波電源装置1からは2.0[MHz]や13.56[MHz]等の固定周波数foの高周波電力が出力されるので、例えば、fo=2.00[MHz]の場合、ω0=2.0×106×2π[rad]である。従って、αβ/dq変換ブロック6a及びdq/αβ変換ブロック6cの座標変換で必要となる角速度ωは、ユーザーによってω=ω0に設定される。
αβ/dq変換ブロック6aへの入力[u(t)]=[u1(t),u2(t)]T([u(t)]の表記は行列であることを示す。以下、同じ。)は、角速度ωoで回転するベクトルE=A・exp(j・ωo・t)の実数部u1(t)=A・cos(ωo・t)と虚数部u2(t)=A・sin(ωo・t)に相当している。センサ4で検出されるRF電圧v若しくはRF電流iは単相の交流信号であるから、RF電圧v若しくはRF電流iの交流信号xをx(t)=A・cos(ωo・t−ψ)(基本波成分)+f(ωn・t)(ψは初期位相、f(ωn・t)は高調波成分やノイズ成分)で表わすと、この交流信号x(t)の基本波成分はベクトルX=A・exp(j・ωo・t−ψ)の実数部によって得られる。
従って、入力[u(t)]=[x,0]Tとしてαβ/dq変換を行うと、その変換値[u(t)’]=[ud(t),uq(t)]Tは、
Figure 0005989366
で表される。
cos(ωo・t−ψ)=cos(ωo・t)・cos(ψ)+sin(ωo・t)・sin(ψ)、sin(ωo・t)・cos(ωo・t)=sin(2・ωo・t)/2、cos2o・t)=[(1+cos(ωo・t)]/2より、αβ/dq変換の出力ud(t)は、
Figure 0005989366
で表わされる。同様にして、αβ/dq変換の出力uq(t)は、
Figure 0005989366
で表わされる。
(2)式及び(3)式より、αβ/dq変換ブロック6aの出力ud,uqの交流分をフィルタ処理ブロック6bでローパスフィルタにより除去すると、フィルタ処理ブロック6bの出力[y’(t)]=[yd(t),yq(t)]Tは、[y’(t)]=[A・cos(ψ)/2,−A・sin(ψ)/2]Tとなる。そして、この出力[y’ (t)]にdq/αβ変換ブロック6bでdq/αβ変換を行うと、その変換値[y(t)]=[y1(t),y2(t)]Tは、
Figure 0005989366
で表される。
すなわち、図3に示す信号処理では、dq/αβ変換ブロック6cからは入力信号x(t)の基本波成分と同一の周波数の余弦波(A/2)・cos(ωo−ψ)と正弦波(A/2)・sin(ωo−ψ)が出力される。
図3のフィルタ処理ブロック6bのローパスフィルタの伝達関数をF(s)とすると、(1)式〜(4)式の演算処理は、
Figure 0005989366
と等価である。従って、図3の信号処理を(5)式の演算ブロックで表すと、図5のようになる。
本実施形態では、図5に示す演算ブロック6a,6b,6cからなる信号処理部6と等価な信号処理として図6に示す演算ブロック7を導出し、
Figure 0005989366
但し、U1(s),U2(s):入力u1(t),u2(t)のラプラス変換
1(s),Y2(s)は入力y1(t),y2(t)のラプラス変換
上記(6)式の演算により入力信号u1(t)=A・cos(ωo−ψ)+f(ωn・t)の基本波成分(角周波数ωoの成分)と同一の角周波数の余弦波A・cos(ωo−ψ)/2と正弦波A・sin(ωo−ψ)/2を算出するようにしている。
次に、(5)式と(6)式が等価であることについて説明する。
(5)式のαβ/dq変換を行う変換行列を[L]とすると、
Figure 0005989366
で表わすことができる。なお、行列[T]-1は、[T][T]-1=[I](単位行列)であるから、行列[T]の逆行列である。
また、(5)式のdq/αβ変換を行う逆変換行列を[R]とすると、[L][R]=[I](単位行列)であるから、逆変換行列[R]は変換行列[L]の逆行列である。従って、以下では、逆変換行列[R]を[L]-1と表記して説明する。逆変換行列[L]-1は、変換行列[L]の回転角θを「−θ」に入れ替えたものであるから、
Figure 0005989366
で表わすことができる。
(7)式の右辺にexp(j・x)=cos(x)+j・sin(x)、exp(−j・x)=cos(x)−j・sin(x)、cos(x)=(exp(j・x)+exp(−j・x))/2、sin(x)=(exp(j・x)−exp(−j・x))/(2・j)のオイラーの公式を代入して計算すると、
Figure 0005989366
となるから、(7)式の成立を確認することができる。同様にして(8)式の成立も確認することができる。
(5)式の行列積の変換行列[L]と逆変換行列[L]-1に(7)式と(8)式を代入して変換行列[L]、伝達関数行列[F]及び逆変換行列[L]-1の行列積を整理すると、
Figure 0005989366
となる。
そして、(9)式を(5)式に代入すると、図5に示す信号処理の入力信号u1(t),u2(t)と出力信号y1(t),y2(t)の関係式は、
Figure 0005989366
となる。なお、行列[T]と逆行列[T] -1 で挟まれた行列の各成分は、線形代数学上の積を表しているのではない。
(10)式の行列[T]と逆行列[T]-1で挟まれた行列における入力ベクトルを[uab(t)]=[ua(t),ub(t)]T、出力ベクトルを[yab(t)]=[ya(t),yb(t)]Tと表記すると、
a(t)=exp(−j・ωo・t)・F(s)・exp(j・ωo・t)・ua(t) …(11a)
b(t)=exp(j・ωo・t)・F(s)・exp(−j・ωo・t)・ub(t) …(11b)
であるから、(11a)式と(11b)式はそれぞれ図7(a)の信号処理システム8と図7(b)の信号処理システム8'を表している。
図7(a)は、入力ua(t)にexp(j・ωo・t)を乗算する処理を行う処理ブロック8aと、その演算結果に伝達関数F(s)で表わされる所定の信号処理の演算を行う処理ブロック8bと、その演算結果にexp(−j・ωo・t)を乗算する処理を行う処理ブロック8cで構成される信号処理システムである。また、図7(b)は、図7(a)の信号処理ブロック8aと信号処理ブロック8cを入れ替えた信号処理システムである。
一入力一出力の線形時不変連続システムは、一般に、
[d(X(t))/dt]=[A]・[X(t)]+[B]・U(t)…(12a)
Y(t)=[C]・[X(t)]+D・U(t) …(12b)
但し、Y(t):出力 U(t):入力
[X(t)]:状態変数の行列 d(X(t))/dt:状態変数の時間微分値
[A]:状態係数の行列 [B]:入力係数の行列
[C]:出力係数の行列 D:直達係数
の状態微分方程式で表わされる。説明を簡単にするために、状態変数X(t)がスカラーの一次元システムで初期状態が零(零状態)の場合、(12a)式と(12b)式の出力Y(t)を与える解は、
Figure 0005989366
で与えられることが知られている。
図7(a)の信号処理ブロック8bが(13)式で表わされる入出力特性を有している場合、信号処理ブロック3bの入力をua(t)’、出力をya(t)’とすると、図7(a)の信号処理システム3の入出力関係は、
Figure 0005989366
で表わされる。
(14)式は、
Figure 0005989366
と定義すると、
ξ(t)’=exp(-A・t)・B・exp(j・ωo・t)・ua(t) …(15a)
y(t)=exp(-j・ωo・t)・C・exp(A・t)・ξ(t)+D・ua(t) …(15b)
但し、ξ(t)’=d(ξ(t))/dt
と表現することができる。
ここで、
M(t)=exp(A・t)・exp(−j・ωo・t)
ζ(t)=M(t)・ξ(t)
の変数変換を行うと、(15a)式と(15b)式は、
ζ(t)’=M(t)’・ξ(t)+M(t)・ξ(t)’
=(A−j・ωo)・exp(A・t)・exp(−j・ωo・t)・ξ(t)+B・ua(t)
=(A−j・ωo)・ζ(t)+B・ua(t) …(16a)
y(t)=C・ζ(t)+D・ua(t) …(16b)
但し、ζ(t)’=d(ζ(t))/dt、M(t)’=d(M(t))/dt
と変形することができる。
すなわち、図7(a)に示す信号処理システム8は、ζ(t)を状態変数とし、(A−j・ωo)、B、C、Dを係数とする状態微分方程式で表わされる数理モデルと考えることができる。一方、図7(b)に示す信号処理システム8’は、図7(a)の信号処理システム8の「ωo・t)を「−ωo・t」に入れ替えたものであるから、(16a)式と(16b)式の「ωo」を「−ωo」に入れ替えることによって、
ζ(t)’=(A+j・ωo)・ζ(t)+B・ua(t) …(17a)
y(t)=C・ζ(t)+D・ua(t) …(17b)
の状態微分方程式で表わされる数理モデルと考えることができる。
(16a)式、(16b)式、(17a)式及び(17b)式を行列式の形に整理すると、
Figure 0005989366
となる。
(18a)式及び(18b)式は、ζa(t),ζb(t)のラプラス変換をXa(s),Xb(s)、ya(t),yb(t)のラプラス変換をYa(s),Yb(s)、ua(t),ub(t)のラプラス変換をUa(s),Ub(s)、Aa=A−j・ω0、Ab=A+j・ω0とすると、
s・Xa(s)=Aa・Xa(s)+B・Ua(s)
a(s)=C・Xa(s)+D・Ua(s)
s・Xb(s)=Ab・Xb(s)+B・Ub(s)
b(s)=C・Xb(s)+D・Ub(s)
となり、伝達関数Fa(s),Fb(s)は、
a(s)=Ya(s)/Ua(s)=C・B/(s-Aa)+D…(19a)
b(s)=Yb(s)/Ub(s)=C・B/(s-Ab)+D…(19b)
で表わされる。
(19a)式は、s’=s+j・ω0とおくと、s−Aa=s’−Aより、
a(s)=C・B/(s’-A)+D
となり、この伝達関数Fa(s)は、信号処理ブロック6bの伝達関数F(s)のラプラス変数sをs’=s+j・ω0に変更したF(s+j・ω0)に相当している。(19b)式は、(19a)式に対して「ω0」を「−ω0」に変換することによって得られるから、(19b)式から得られる伝達関数Fb(s)は、伝達関数F(s+j・ω0)の「ω0」を「−ω0」に変換することによって得られ、F(s-j・ω0)となる。
従って、(10)式の「exp(-j・θ(t))・F(s)・exp(j・θ(t))」と「exp(j・θ(t))・F(s)・exp(-j・θ(t))」の対角成分をそれぞれ「F(s+j・ω0)」と「F(s-j・ω0)」に置き換えて行列積の演算をすると、図5に示す信号処理の入力信号u1(t),u2(t)と出力信号y1(t),y2(t)の関係式は、
Figure 0005989366
となり、(6)式が導出される。
上記の説明では、伝達関数F(s)を状態微分方程式で表現した場合の係数行列[A],[B],[C]をスカラーとし、F(s)=C・B/(s−A)+Dとして(6)式を導出したが、F(s)=[C](s[I]−[A])-1・[B]+D([I]は単位行列)としても(6)式を導出できることは言うまでもない。
フィルタ処理ブロック6bのローパスフィルタが、例えば、図8に示す抵抗RとキャパシタCの逆L型回路からなる一次のローパスフィルタの場合、その伝達関数F(s)は、時定数CRをTとすると、F(s)=1/(s・T+1)で表される。図6に示す演算ブロック7の伝達関数行列[FLPF]のi行列j列の成分をFij(s)とすると、ローパスフィルタの伝達関数F(s)をF(s)=1/(s・T+1)に設計した場合の伝達関数行列[FLPF]の各成分Fij(s)は、
Figure 0005989366
となる。
図9は、伝達関数行列[FLPF]の各成分を解析するためのボード線図である。同図(a)は伝達関数行列[FLPF]の成分F11(s)及びF22(s)の振幅特性と位相特性を示し、同図(b)は伝達関数行列[FLPF]の成分F12(s)の振幅特性と位相特性を示し、同図(c)は伝達関数行列[FLPF]の成分F21(s)の振幅特性と位相特性を示している。図9は、中心角周波数foが2MHzで時定数Tを「10」とした場合のものである。
振幅特性は、伝達関数行列[FLPF]の全ての成分Fij(i=1,2、j=1,2)で中心周波数fo(中心角周波数ωo)にピークがある。図9には示していないが、時定数Tを大きくすると、通過帯域が小さくなる。従って、時定数Tを適切に設定すると、各成分Fjj(s)から入力信号に含まれる周波数成分のうち、中心周波数foと同一の周波数成分だけが抽出することができる。なお、振幅特性のピーク値は、−6dB低下している(入力の1/2に低下する)。従って、各成分Fjj(s)の出力信号のレベルは、入力信号のレベルの1/2となる。
位相特性は、伝達関数行列[FLPF]の成分F11(s)及び成分F22(s)では中心周波数foの位相が0度であるが(図9(a)参照)、成分F12(s)と成分F21(s)ではそれぞれ中心周波数foの信号の位相が+90度と-90度になる。すなわち、伝達関数行列[FLPF]の成分F11(s)及び成分F22(s)では中心周波数foの信号に対して同相の信号が出力されるが、成分F12(s)では中心周波数foの信号に対して90度位相が進んだ信号が出力され、成分F21(s)では中心周波数foの信号に対して90度位相が遅れた信号が出力される。
(6)式によれば、入出力関係は、
1(s)=F11(s)・U1(s)+F12(s)・U2(s)
2(s)=F21(s)・U1(s)+F22(s)・U2(s)
で表わされ、出力y1(t)は、伝達関数F11(s)のフィルタに入力U1(s)を通した信号y11(t)と伝達関数F12(s)のフィルタに入力U2(s)を通した信号y12(t)の合成波で与えられ、出力y2(t)は、伝達関数F21(s)のフィルタに入力U1(s)を通した信号y21(t)と伝達関数F22(s)のフィルタに入力U2(s)を通した信号y22(t)の合成波で与えられる。
図2に示すフィルタ部51,52では、入力[u(t)]=[x,0]T=[A・cos(ωo・t−ψ),0]Tであるから、出力y1(t)は、伝達関数F11(s)のフィルタに入力信号A・cos(ωo・t−ψ)を通した信号y11(t)となり、出力y2(t)は、伝達関数F21(s)のフィルタに入力信号A・cos(ωo・t−ψ)を通した信号y21(t)となる。
図9のボード線図より、伝達関数F11(s)の中心角周波数ωoが入力信号x(t)の角周波数ωoに設定されていれば、伝達関数F11(s)のフィルタに入力信号x(t)を通して出力される信号y11(t)は、入力信号x(t)と同位相で振幅が1/2の信号(A/2)・cos(ωo・t−ψ)となる。一方、伝達関数F21(s)のフィルタに入力信号x(t)を通して出力される信号y21(t)は、入力信号x(t)に対して位相が90度遅れた振幅が1/2の信号(A/2)・cos(ωo・t−ψ−π/2)=(A/2)・sin(ωo・t−ψ)となる。すなわち、図6に示す信号処理ブロック7の出力y1(t),y2(t)は、
1(t)=(A/2)・cos(ωo・t−ψ)
2(t)=(A/2)・sin(ωo・t−ψ)
となり、(4)式に示した図5に示す信号処理部6の出力y1(t),y2と同じ結果が得られる。
図2に戻り、電圧用の実効値演算部53は、フィルタ部51の入力信号ua1(t),ua2(t)をそれぞれV・cos(ωo・t−ψ)(V:RF電圧の振幅)と「零」とすると、フィルタ部51から出力されるya1(t)=V・cos(ωo・t−ψ)/2、ya2(t)=V・sin(ωo・t−ψ)/2を用いてRF電圧vの実効値Vrmsを演算する。ya1(t)2+ya2(t)2=V/4、Vrms=V/√(2)であるから、実効値演算部53は
rms=√(2)・√(ya1(t)2+ya2(t)2) …(20a)
の演算を行うことにより実効値Vrmsを算出する。
電流用の実効値演算部54は、フィルタ部52の入力信号ub1(t) ,ub2(t)をそれぞれI・cos(ωo・t−ψ−φ)/2(I:RF電流の振幅)と「零」とすると、実効値演算部53と同様に、フィルタ部52から出力されるyb1(t)=I・cos(ωo・t−ψ−φ)/2、yb2(t)=I・cos(ωo・t−ψ−φ)/2を用いて、
rms=√(2)・√(yb1(t)2+yb2(t)2) …(20b)
の演算を行うことにより実効値Irmsを算出する。
なお、(20a)式では、フィルタ部51の出力(ya1(t),ya2(t))の自乗和に√(2)の乗算をする必要があるので、√(2)・√(ya1(t)2+ya2(t)2)=√[(√(2)・ya1(t))2+(√(2)・ya2(t))2)]より、(6)式の伝達関数行列[FLPF]の各成分Fij(s)を√(2)倍してフィルタ部51から√(2)・ya1(t)と√(2)・ya2(t)の出力信号が出力されるようにして実効値演算部53の実効値演算を簡単にすると良い。この場合の実効値演算部53の実効値Vrmsの演算式は、
rms=√(y1(t)2+y2(t)2) …(21a)
となる。
電流用のフィルタ部52と実効値演算部54についても同様であり、その場合の実効値演算部54の実効値Irmsの演算式は、
rms=√(yb1(t)2+yb2(t)2) …(21b)
となる。
位相差演算部55は、電圧用のフィルタ部51の出力ya1(t)=V・cos(ωo・t−ψ)/2及びya2(t)=V・sin(ωo・t−ψ)/2と電流用のフィルタ部52の出力yb1(t)=I・cos(ωo・t−ψ−φ)/2及びyb2(t)=I・sin(ωo・t−ψ−φ)/2を用いて位相差φを演算する。a1=A・cos(θ)、a2=A・sin(θ)、b1=B・cos(θ−φ)、b2=B・sin(θ−φ)が既知であれば、
sin(φ)=sin(θ-(θ-φ))=sin(θ)・cos(θ-φ)-cos(θ)・sin(θ-φ)
=(a2・b1−a1・b2)/(A・B) …(22a)
cos(φ)=cos(θ-(θ-φ))=cos(θ)・cos(θ-φ)+ sin(θ)・sin(θ-φ)
=(a1・b1+a2・b2)/(A・B) …(22b)
tan(φ)=sin(φ)/cos(φ)
=(a2・b1−a1・b2)/(a1・b1+a2・b2) …(22c)
の演算式によって位相差φの三角関数値が得られるから、位相差演算部55は、(22a)式乃至(22c)式のいずれかを演算することによって位相差φを算出する。
すなわち、位相差演算部55は、
Figure 0005989366
のいずれかの演算を行うことによって位相差φを算出する。
(23a)式及び(23b)式では、フィルタ部51,52の出力(ya1(t),ya2(t)),(yb1(t),yb2(t))とは別に係数4/(V・I)を算出する必要があるが、V・I=√(2)・Vrms・√(2)・Irms=2・Vrms・Irmsより、4/(V・I)=2/(Vrms・Irms)であるから、実効値演算部53,54の出力をそれぞれyv(t)、yi(t)とすると、2/(yv(t)・yi(t))を演算すれば、4/(V・I)の値を簡単に算出することができる。
(6)式の行列式の各成分を√(2)倍している場合は、フィルタ部51の出力ya1(t),ya2(t)とフィルタ部52の出力yb1(t),yb2(t)の振幅が√(2)倍になるので、(23a)式及び(23b)式の係数「4」を「2」に変更すれば、位相差φを算出することができる。従って、この場合は、
Figure 0005989366
の演算式により、位相差φを算出すればよい。
以上のように、本実施形態によれば、フィルタ部51,52おける演算内容を(6)式の演算内容にしたので、フィルタ部51,52から入力信号に対して基本波成分と同一の周波数で振幅が1/2の余弦波と正弦波を出力させることができ、これらの出力を用いて(20a)式、(20b)式又は(21a)式、(21b)式の実効値演算式と(22a)式乃至(24b)式のいずれかの位相差演算式を演算することにより交流電圧vの実効値Vrmsと交流電流iの実効値Irmsと位相差φを簡単に算出することができる。
実効値演算部53,54の演算式と位相差演算部55の演算式が簡単になるので、高速かつ高精度で交流電圧vの実効値Vrmsと交流電流iの実効値Irmsと位相差φを測定することができる。
上記実施形態では、電圧/電流測定装置5が交流電圧vの実効値Vrms、交流電流iの実効値Irms及び位相差φの全てを測定する装置だったが、交流電圧vの効値Vrmsと交流電流iの実効値Irmsのいずれか若しくは両方だけを測定する装置であってもよい。
上記実施形態では、高周波電力供給システムに用いられる電圧/電流測定装置5を例に説明したが、本発明は高周波電力供給システム以外の任意の周波数の交流信号を用いたシステムの伝送線路の任意の測定点における交流電圧と交流電流を測定する場合に適用できることは言うまでもない。
1 高周波電源装置
2 インピーダンス整合装置
3 プラズマチャンバー
4 センサ(交流信号検出手段)
5 電圧/電流測定装置(交流信号測定装置)
51 電圧用のフィルタ部(フィルタ手段)
52 電流用のフィルタ部(フィルタ手段)
53 電圧用の実効値演算部(実効値演算手段)
54 電流用の実効値演算部(実効値演算手段)
55 位相差演算部(位相差演算手段)
6 信号処理部
6a αβ/dq変換部
6b フィルタ処理部
6c dq/αβ変換部
7 信号処理システム
L 伝送線路

Claims (6)

  1. 伝送線路の所定の測定点における交流信号を検出する交流信号検出手段と、
    前記交流信号検出手段で検出された前記交流信号の基本波成分を抽出するフィルタ手段と、
    前記交流信号の基本波成分の実効値を算出する実効値演算手段と、
    を備えた交流信号測定装置であって、
    前記フィルタ手段は、
    前記交流信号検出手段で検出された前記交流信号を静止しているαβ座標系のα軸成分u1(t)とし、所定の初期値をβ軸成分u2(t)として両成分u1(t),u2(t)を前記交流信号の角周波数ωoで回転するdq座標系のd軸成分ud(t)とq軸成分uq(t)に変換し、所定のローパスフィルタ特性を有する伝達関数F(s)によってフィルタリング処理をして前記基本波成分のみを抽出した後、前記αβ座標系のα軸成分y1(t)とβ軸成分y2(t)に逆変換する信号処理と等価な下記の(a1)式の演算を行うことによって前記交流信号の基本波成分を抽出し、
    前記実効値演算手段は、下記の(a2)式の演算を行うことによって実効値Armsを算出する、
    ことを特徴とする交流信号測定装置。
    Figure 0005989366
  2. 前記交流信号検出手段が検出する交流信号は交流電圧若しくは交流電流であり、
    前記実効値演算手段は、前記交流電圧若しくは前記交流電流の実効値を演算する、
    請求項1に記載の交流信号測定装置。
  3. 伝送線路の所定の測定点における交流電圧と交流電流を検出する交流信号検出手段と、
    前記交流信号検出手段で検出された前記交流電圧と前記交流電流の基本波成分をそれぞれ抽出する一対のフィルタ手段と、
    前記交流電圧と前記交流電流の基本波成分の実効値をそれぞれ算出する一対の実効値演算手段と、
    を備えた交流信号測定装置であって、
    前記一対のフィルタ手段は、
    前記交流信号検出手段で検出された前記交流電圧と前記交流電流を、静止しているαβ座標系のα軸成分u1(t)とし、所定の初期値をβ軸成分u2(t)として両成分u1(t),u2(t)を前記交流電圧若しくは前記交流電流の角周波数ωoで回転するdq座標系のd軸成分ud(t)とq軸成分uq(t)にそれぞれ変換し、所定のローパスフィルタ特性を有する伝達関数F(s)によってフィルタリング処理をして前記交流電圧と前記交流電流の基本波成分のみをそれぞれ抽出した後、前記αβ座標系のα軸成分y1(t)とβ軸成分y2(t)に逆変換する信号処理と等価な下記の(a1)式の演算を行うことによって前記交流電圧と前記交流電流の基本波成分をそれぞれ抽出し、
    前記実効値演算手段は、下記の(a2)式の演算を行うことによって前記フィルタ手段から出力される前記交流電圧と前記交流電流の実効値Vrms,Irmsとを算出する
    ことを特徴とする交流信号測定装置。
    Figure 0005989366
  4. 前記フィルタ手段は、前記(a1)式に代えて下記の(a3)式の演算を行い、
    前記実効値演算手段は、前記(a2)式に代えて下記の(a4)式の演算を行って前記フィルタ手段から出力される前記交流電圧と前記交流電流の実効値Vrms,Irmsを算出する、請求項3に記載の交流信号測定装置。
    Figure 0005989366
  5. 前記一対のフィルタ手段から出力される前記交流電圧の基本波成分の一対の出力をya1(t),ya2(t)、前記交流電流の基本波成分の一対の出力をyb1(t),yb2(t)、前記一対の実効値演算手段から出力される前記交流電圧の実効値の出力をV、前記交流電流の実
    効値の出力をIとすると、下記の(a5)式乃至(a7)式のいずれかを演算することに
    よって前記交流電圧と前記交流電流の位相差φを演算する位相差演算手段を更に備えたことを特徴とする、請求項4に記載の交流信号測定装置。
    Figure 0005989366
  6. 前記伝達関数F(s)は、1/(s・T+1)(T:時定数)で表わされる、請求項1乃至5のいずれかに記載の交流信号測定装置。
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