JP5988958B2 - 評価方法、評価装置、および半導体装置の製造方法 - Google Patents

評価方法、評価装置、および半導体装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5988958B2
JP5988958B2 JP2013265402A JP2013265402A JP5988958B2 JP 5988958 B2 JP5988958 B2 JP 5988958B2 JP 2013265402 A JP2013265402 A JP 2013265402A JP 2013265402 A JP2013265402 A JP 2013265402A JP 5988958 B2 JP5988958 B2 JP 5988958B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor
energy
insulator
photoelectrons
ray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013265402A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015122408A (ja
Inventor
貴史 今澤
貴史 今澤
明 清井
明 清井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2013265402A priority Critical patent/JP5988958B2/ja
Publication of JP2015122408A publication Critical patent/JP2015122408A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5988958B2 publication Critical patent/JP5988958B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

この発明は、評価方法および評価装置に関し、たとえば絶縁膜を有する半導体装置の評価に好適に用いられるものである。さらに、この発明は半導体装置の製造方法に関する。
半導体材料は構造に敏感な材料であり、ごくわずかの不純物および欠陥がその物性を決める。このため、欠陥濃度、欠陥への捕獲の時定数、および欠陥のエネルギー準位などを評価することが重要であり、これまで様々な評価手法が開発されてきた。
たとえば、Si(シリコン)基板を用いたMOS(Metal Oxide Semiconductor)型半導体素子では、C−V(電気容量−電圧)法というMOS構造の容量と印加電圧との関係を測定する方法が広く用いられている(たとえば、特開2001−85484号公報(特許文献1)参照)。C−V法によって、MOS構造の界面トラップおよび酸化膜中の欠陥を評価できる。
しかしながら、C−V法は、実際の素子を作るより簡単とはいっても電極を有する評価用の素子を形成する必要がある。さらに、酸化膜の膜厚が非常に薄くなると、トンネル電流が流れるため適用できなくなる。
DLTS(Deep Level Transient Spectroscopy)は熱励起により容量の過渡過程を計測する手法であり、Si、GaAs(ガリウムヒ素)、InP(インジウムリン)等、様々な半導体中のトラップ解析に用いられる。しかしながら、この手法も、簡単な素子構造と電極とを形成する必要がある。
そこで、電極および素子構造を形成せず、様々な材料中のトラップを簡便に評価できる手法の一つとして、時間分解X線光電子分光法が提案されている。たとえば、特開平9−162253号公報(特許文献2)に記載された方法では、X線照射によって半導体基板内の絶縁膜中に電荷(電子および正孔)を発生させ、発生した電荷を電流あるいは試料の表面電位変化として測定する。発生した電荷は、絶縁膜中の欠陥があるとそこにトラップされるため、試料の電流およびは表面電位が変化する。この変化を検出することによって、欠陥の密度およびキャリア捕獲の時定数についての情報を得ることができる。
特開2001−85484号公報 特開平9−162253号公報
しかしながら、従来の時間分解X線電子分光法では、欠陥のエネルギー準位についての情報を得ることができないという問題がある。
一方、上記の特開2001−85484号公報(特許文献1)は、深いトラップ準位を評価するために、欠陥にトラップされたキャリアを光照射によって励起しながらC−V測定を行う方法を開示している。しかしながら、全てのトラップ準位を評価するためには、照射光の波長を変えながら繰り返しC−V測定を行う必要があり、評価に時間がかかるという問題がある。
この発明は上記の問題点を考慮してなされたものであり、その主たる目的は、試料を素子構造に加工することなく、半導体または絶縁体の欠陥準位を従来よりも容易に測定することができる評価方法および評価装置を提供することである。
一実施の形態による評価方法は、第1および第2の検出ステップと、評価ステップとを備える。第1の検出ステップでは、試料表面の半導体または絶縁体にX線を照射することによって半導体または絶縁体から放出される光電子のエネルギー分布の時間的変化が検出される。第2の検出ステップでは、X線に加えて半導体または絶縁体のバンドギャップよりも小さいエネルギーの単色光を試料表面に照射することによって生じる光電子のエネルギー分布の時間的変化が検出される。評価ステップでは、第1および第2の検出ステップの検出結果に基づいて、半導体または絶縁体の内部の欠陥が評価される。
上記の実施の形態によれば、試料を素子構造に加工することなく、半導体または絶縁体の欠陥準位を従来よりも容易に測定することができる。
実施の形態1による評価装置の構成を模式的に示す図である。 X線光電子分光法による測定結果の一例を示す図である。 ΔESiのX線照射時間依存性を示す図である。 式(2)〜(8)の導出について説明するための図である(斜視図)。 式(2)〜(8)の導出について説明するための図である(側面図)。 実施の形態1による評価方法の手順を示すフローチャートである。 具体例のSiO2膜のバンド構造を模式的に示す図である。 図7のSiO2膜において観測されるΔESiのX線照射時間依存性を模式的に示す図である。 光照射の際のΔESiの変化を示す図である。 実施の形態1による評価方法の適用例として、半導体装置の製造方法を説明する図である。
以下、各実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。以下の図面では、図解を容易にするために各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。さらに、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない場合がある。
<実施の形態1>
[評価装置の構成]
図1は、実施の形態1による評価装置の構成を模式的に示す図である。図1を参照して、評価装置1は、真空チャンバー10、試料台14、X線源18、電子分光器22、制御部28、および波長可変光源26を含む。
真空チャンバー10内はバルブ30を介して真空ポンプ32によって減圧されることによって超高真空に保たれている。これによって、試料12より放出された光電子は電子分光器22までの飛行が可能になる。真空チャンバー10内に設けられた試料台14は、試料12を測定位置に保持する。
X線源18は単色化されたX線16を発生させ、発生したX線16を試料12に照射する。これによって、試料12中にキャリア(電子および正孔)が発生し、同時に試料12から光電子20が放出する。電子分光器22は試料12から放出された光電子を取り込み、エネルギー的に分光する。
波長可変光源26は、試料表面に形成されている測定対象の絶縁膜が有するバンドギャップより小さい特定のエネルギーを持つ照射光24(すなわち、単一波長の光)を、制御部28の指令に基づく所定のタイミングで試料12に照射する。これによって、絶縁膜中の欠陥に捕獲されたキャリアの一部を再励起し、この結果、試料12の帯電を緩和する。なお、波長可変光源26として、誘導蛍光に基づくレーザ光源、もしくは非線形光学効果に基づくコヒーレント光源などを用いることができる。
制御部28は、プロセッサ、メモリ、入出力インターフェース、および表示装置等を有するコンピュータをベースに構成される。制御部28は、電子分光器22によって検出された光電子のエネルギーと数との関係を示すデータ(すなわち、光電子のエネルギー分布データ)を取得し、取得したデータの処理を行なうとともに表示装置に表示する。制御部28は、さらに、X線源18および波長可変光源26の動作を制御する。
[時間分解X線光電子分光について]
試料にX線を照射しこれによって発生する光電子スペクトル(すなわち、光電子のエネルギー分布)を評価するX線光電子分光法は、様々な材料の表面の組成分析および化学結合状態の分析法として広く用いられている。材料が半導体または絶縁体の場合、光電子の放出により試料に帯電現象を生じることも良く知られている。この帯電現象は光電子スペクトルのピークを与えるエネルギー値を変化させる。
帯電現象は欠陥へのキャリアの捕獲の結果であり、帯電過程は膜中欠陥の密度およびキャリア捕獲の時定数を反映する。したがって、X線連続照射時の光電子スペクトル変化の時間依存性を検出することによって、試料中の欠陥を評価できる。この手法が時間分解X線光電子分光法である。なお、金属はバンドギャップを有さず、帯電現象を生じないため、本手法の対象外である。時間分解X線光電子分光法は、前述のC−V法を用いた方法と比べて、評価のための素子構造を形成する必要がなく、電極形成も不要であるという利点を有している。
以下、Si基板上に熱酸化法にて成膜したSiO2膜に対して時間分解X線光電子分光法を適用した場合を例に挙げて、時間分解X線光電子分光法の測定原理について説明する。
図2は、X線光電子分光法による測定結果の一例を示す図である。図2の横軸は光電子の運動エネルギーから計算した試料中における電子の結合エネルギーであり、縦軸は各結合エネルギーに対応する光電子の強度を任意単位(a.u.)で示している。図2では、Siの2p電子に対応するピークとその近傍のSiO2に対応するピークとが示されている。
SiO2膜は9eVのバンドギャップを有し、バンドギャップ中にはキャリアを捕獲する欠陥準位が存在する。このため、X線をSiO2膜に連続的に照射すると、励起されたキャリアの一部が欠陥準位に捕獲され試料に蓄積する。そして、その電荷により試料が帯電し、試料の電位が変化する。
試料の電位の変化に伴って、図2の曲線40に示すように、SiO2ピークのエネルギーが変化する。SiピークとSiO2ピークのエネルギー差を以下、ΔESiと称する。
図3は、ΔESiのX線照射時間依存性を示す図である。図3の曲線44(以下、特性曲線とも称する)に示すように、X照射時間(単位は時間(hr:hour))の経過に伴って、ΔESiの値、すなわち、SiO2ピークのシフト量は徐々に飽和する。この特性曲線44は、以下に示すように、1または複数の指数関数で分離することができる。分離される指数関数の個数が欠陥準位の種類に対応し、分離後の各指数関数の変化量は各欠陥準位の密度を反映し、各指数関数の時定数が各欠陥準位へのキャリアの捕獲の時定数を反映している。
次に、ΔESiの変化量と欠陥準位の密度の関係について詳細に述べる。簡単のため、欠陥準位を1種類のみ有するSiO2膜の場合を考える。前述の通り、ΔESiは指数関数的に変化するので、X線照射開始後、時間tが経過した時点のΔESi(t)を数式にて記述すると、
Figure 0005988958
となる。ここで、ΔESi(0)はX線照射開始前のΔESi、Kは全ての欠陥準位がキャリアを捕獲した際のSiO2膜の電位、tはX線照射時間、τは捕獲の時定数である。
上式(1)中のKを試料の欠陥準位の密度Dを用いて表す。Kは被捕獲キャリアが形成する電場Eの積分値であり、電場Eはガウスの法則を用いることで、Dを含む位置rの関数として表すことができる。以下にその導出を示す。
図4、図5は、式(2)〜(8)の導出について説明するための図である。一般に、評価対象とする絶縁膜50の厚さは、膜の辺長と比べ十分に薄いので、被捕獲キャリアが形成する電場は、無限平板が作る電場と等しいとみなすことができる。そこで、図3に示すような円筒状微小体積V(参照符号52)を考え、ガウスの法則を適用すると、以下の等式が得られる。
Figure 0005988958
上式(2)において、E(r)は位置rにおける電場、nは単位ベクトル、Sは円筒状微小体積Vの上面及び底面の面積、ε0は真空の誘電率、εrはSiO2の比誘電率、QはVに含まれる電荷量である。全電荷量は各電荷Qiの和として与えられる。
式(2)の左辺は、以下のように計算される。
Figure 0005988958
また、式(2)の右辺は、
Figure 0005988958
と計算される。ここで、eは電気素量、pは欠陥準位の極性(正孔トラップなら+1、電子トラップなら−1)である。
したがって、式(2)より、
Figure 0005988958
が得られる。このE(r)をr=0〜tfの範囲で積分することでKを求めると、
Figure 0005988958
となる。ここで、tfはSiO2膜厚である。
したがって、式(1)は、
Figure 0005988958
となり、この式を用いることで、ΔESiのX線照射時間依存性からDが算出可能である。なお、式(7)は、欠陥準位がi種類存在する場合、下記となる。
Figure 0005988958
[評価方法の概要]
次に、実施の形態1による評価方法の概要について説明する。以下の評価方法は、図1の制御部28の制御の下に実行される。
図6は、実施の形態1による評価方法の手順を示すフローチャートである。図1、図6を参照して、まず、制御部28は、X線源18によって試料12へのX線16の連続照射を開始する(S100)。制御部28は、電子分光器22によって一定時間毎に光電子スペクトル(光電子のエネルギー分布)を取得し、その時々のΔESiを求める(S105)。求めたΔESiは、表示装置にX線照射時間に対してプロットされる。
制御部28は、ΔESiとX線照射時間との関係を表わす曲線(特性曲線とも称する)を、前述の式(8)にフィッティングすることによって、1つ以上の指数関数に分離する(S110)。さらに、制御部28は、分離後の指数関数の変化量及び時定数から各欠陥準位の密度及び捕獲時定数を定量する(S115)。ただし、この時点では、各欠陥のエネルギー準位は不明である。
制御部28は、ΔESiの変化を追いつつX線電子分光測定を継続し、1分当たりのΔESiの変化率が0.05%以下となったか否かを判定する。1分当たりのΔESiの変化率が0.05%以下となってから1時間経過後(S120でYES)、制御部28は、波長可変光源26によって、X線とは別の特定のエネルギーを有する光を照射する(S125)。なお、X線の照射は上記の単色光の照射後も継続している。
制御部28は、電子分光器22によって再度一定時間毎にその時々のΔESiを求める(S130)。制御部28は、ステップS110のフィッティングにより得られた指数関数のうち、光照射によりその影響が消失するものを特定する(S135)。そして、制御部28は、消失した指数関数に対応する欠陥のエネルギー準位が、価電子帯または伝導帯のバンド端を基準として照射光のエネルギー以内にあると判断する(S135)。
その後、制御部28は、ステップS125〜S140の工程を照射光のエネルギーを段階的に変化させながら繰り返し(ステップS140でYES)、バンドギャップ内のすべての欠陥準位の密度、捕獲時定数、エネルギー準位範囲を求める。
[評価方法の具体例]
次に、実施の形態1による評価方法を、Si基板上に熱酸化法によって成膜した厚さ5nmのSiO2膜に対して適用した場合を例に挙げて具体的に説明する。
図7は、具体例のSiO2膜のバンド構造を模式的に示す図である。図7を参照して、SiO2膜は、9eVのバンドギャップ58を有し、バンドギャップ中に合計3種類の欠陥準位を有するものとする。具体的に、価電子帯54の頂から高エネルギー側に3〜2eVの範囲および2〜1eVの範囲にそれぞれ正孔トラップとして振舞う欠陥1および2が1種類ずつあるものとする。欠陥1は酸素欠損によるものであり、欠陥2は非架橋酸素によるものである。さらに、伝導帯56の底から低エネルギー側に0〜1eVの範囲に電子トラップとして振舞う欠陥3が1種類あるものとする。
このようなSiO2膜に対し、X線を連続的に照射すると、膜中にキャリアが生成する。生成したキャリアは、膜内を拡散し、やがて欠陥1、欠陥2、欠陥3に捕獲されていく。その結果、試料は帯電し、得られる光電子ピークのエネルギー値を変化させる。
図8は、図7のSiO2膜において観測されるΔESiのX線照射時間依存性を模式的に示す図である。ΔESiのX線照射時間依存性を表わす特性曲線60は図6中において実線で示されている。
図8に示す通り、試料中に数種の欠陥準位がある場合、ΔESiのX線照射時間依存性(特性曲線60)は、各欠陥準位に捕獲されたキャリアが及ぼす変化の総和となる。このような曲線に対し、前述の式(8)を用いて1つ以上の指数関数に分離し、それぞれの変化量、時定数を求めることで、各欠陥準位の密度Dと捕獲の時定数τとを得ることができる。
図8の特性曲線60の分離の結果を、図8中に指数関数曲線62,63,66として示す。分離により各欠陥の密度D1,D2,D3および捕獲の時定数τ1、τ2、τ3が以下のように得られる。なお、曲線62,64,66は欠陥1,2,3にそれぞれ対応するものであるが、この段階ではエネルギー準位は不明であり、欠陥1,2,3との対応関係も不明である。
曲線62:D1=1.25×1020[/cm3]、τ1=0.5[時間]
曲線64:D2=5.22×1019[/cm3]、τ2=1[時間]
曲線66:D3=2.09×1020[/cm3]、τ3=2[時間]
次に、上述の欠陥準位の密度Dと捕獲の時定数τに加え、各欠陥のエネルギー準位範囲を得る方法について述べる。ΔESiは先述の通り、X線照射時間の長期化に伴い指数関数的に減衰していくが、変化がなくなった後でも、実際には欠陥準位によるキャリアの捕獲と熱励起及びX線励起による脱出が起きており、両者が平衡状態になっている。そこで、ΔESiの1分当たりの変化率が0.05%以下である状態が1時間継続した時点(図8の例では5時間経過時)を、帯電現象の平衡状態する。そして、この状態から、X線とは別の光(ここでは1eVのエネルギーを有する光)を波長可変光源26から試料12にX線と同時に連続的に照射する。この結果、1eVで励起可能な、価電子帯または伝導帯のバンド端より1eV以内のエネルギー範囲に存在する被捕獲キャリアは、欠陥準位から脱出する。これによって、試料の帯電が緩和されΔESiの挙動に変化が生じる。
図9は、光照射の際のΔESiの変化を示す図である。図9を参照して、X線の照射開始から5時間経過後に(図9の時刻t1)、1eVのエネルギーを有する光を照射することによって、曲線66に変化が見られる。すなわち、曲線66に対応する欠陥からキャリア(この場合は電子)が放出されたことがわかる。これによって、曲線66に対応する欠陥は、バンド端より1eV以内の範囲にエネルギー準位を持つ欠陥3であることが分かる。
その後更に、X線及び1eVのエネルギーを有する光の照射下におけるΔESiの1分当たりの変化率が、0.05%以下である状態が1時間継続した時点(図9の時刻t2)で、1eVのエネルギーを有する光の照射を停止し、新たに2eVのエネルギーを有する光の照射を開始する。これによって、曲線64に変化が見られる。すなわち、曲線64に対応する欠陥からキャリア(この場合は正孔)が放出される。したがって、曲線66に対応する欠陥は、バンド端より1〜2eVの範囲にエネルギー準位を持つ欠陥2であることが分かる。
同様にして、都度帯電現象が平衡状態になったタイミングで、3eV及び4eVのエネルギーを有する光を順に試料に照射し、バンド端から2〜3eV、3〜4eV、4〜4.5eV(バンドギャップの1/2まで)の各範囲に存在する欠陥準位について定量を行う。これによって、SiO2膜中の各種欠陥準位の密度、捕獲の時定数、エネルギー準位を明らかにすることができる。
なお、上記では、光照射の開始後もその都度、帯電現象が平衡状態になるタイミングを待ったが、必ずしもその必要はない。分離後の曲線の変化が判別できれば、照射する光のエネルギーを次の値に変更しても構わない。
[実施の形態1の効果]
上記のとおり、実施の形態1による評価方法では、最初にX線のみを試料に照射したときに試料表面の半導体または絶縁体の膜中から放出される光電子のエネルギー分布、特にピークを与えるエネルギー値のシフト量(すなわち、ΔESi)を検出する。このピークのシフトは、X線の照射によって生じたキャリアが膜中の欠陥にトラップされることによって生じる。ピークのエネルギー値のシフト量とX線照射時間との対応関係を表わす曲線は、1または複数の指数関数曲線に分離される。これによって、膜中の欠陥の種類、欠陥の密度、および欠陥へのキャリアの捕獲の時定数を決定することができる。
次に、X線と共に、評価対象の半導体または絶縁体のバンドギャップよりも小さいエネルギーを有する単色光を照射する。単色光のエネルギーは段階的に増加される。この単色光の照射によって単色光のエネルギーに対応する一部の欠陥にトラップされたキャリアが放出される。この結果、単色光のエネルギーに応じて上記の指数関数曲線のうちの一部が変化する。この変化した指数関数曲線を判別することによって、各欠陥のエネルギー準位を特定することができる。
以上により、従来のC−V法を用いた方法に比べて、試料を素子構造に加工することなく、半導体または絶縁体の欠陥準位を1回の測定で容易に評価することができる。
<実施の形態2>
実施の形態2では、実施の形態1による評価方法の適用例として半導体装置の製造方法について説明する。半導体装置として、MOSFET(MOS Field Effect Transistor)またはTFT(Thin Film Transistor)等、構造内に絶縁膜を持つ半導体装置全般に適用することができる。絶縁膜として、熱酸化法、水蒸気酸化法、またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法等で製膜されたSiO2膜が好適な適用例である。
SiO2膜内には数種の欠陥が含まれるが、実施の形態1による評価方法が対象とするのは、リーク不良要因になりうる非架橋酸素と酸素欠損である。SiO2膜内において、SiO2膜の欠陥の存在量が規定値以下であるか否かが判定される。各欠陥の存在量の検査は、成膜工程で作成した検査用のウェハに対して行なわれる。具体的な規定値は、1〜2eVおよび2〜3eVのエネルギー領域の欠陥密度がいずれも2×1020[/cm3]以下であることである。
図10は、実施の形態1による評価方法の適用例として、半導体装置の製造方法を説明する図である。図10では、一例としてMOS半導体装置の製造工程の例が示されている。
図10を参照して、まず、洗浄後(S200)のSi基板に、ウェル領域が形成され(S205)、さらにSTI(Shallow Trench Isolation)などの素子分離領域が形成される(S210)。
続いて、チャネル領域が形成され(S215)、その後、ゲート酸化膜が形成される(S220)。このゲート酸化膜の欠陥の評価に実施の形態1による評価方法が用いられる(S225)。このように、欠陥の評価は酸化膜の形成の直後に行なわれる。通常、ゲート酸化膜の形成時に検査用のダミーウェハにも同じプロセスで酸化膜が形成され、この検査用のウェハに形成された酸化膜に対して欠陥の評価が行なわれる。
続いて、ゲート電極、ソース領域、およびドレイン領域が形成され(S230,S235)、その後、上部の金属配線層との層間絶縁のために絶縁層が形成される(S240)。この絶縁層の形成時にも検査用ウェハに絶縁層が同じプロセスで形成され、検査用ウェハを用いて欠陥の評価が行なわれる。
続いて、形成された絶縁層にコンタクトホールが形成され(S250)、さらに絶縁層の上部に金属配線層が形成される(S225)。ステップS240〜S255は、必要な金属配線層の数に応じて繰り返される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。たとえば、実施の形態1および2では、シリコン基板上に形成されたSiO2膜の評価を例に挙げて説明したが、この発明は上記の例に限られるものでない。この発明は、半導体基板上に形成された半導体膜または絶縁膜の評価、さらには絶縁基板または金属板上に形成された半導体膜または絶縁膜の評価にも用いることができる。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 評価装置、10 真空チャンバー、12 試料、14 試料台、16 X線、18 X線源、20 光電子、22 電子分光器、24 照射光、26 波長可変光源、28 制御部。

Claims (5)

  1. 試料表面の半導体または絶縁体にX線を照射することによって前記半導体または絶縁体から放出される光電子のエネルギー分布の時間的変化を検出する第1の検出ステップと、
    前記X線に加えて前記半導体または絶縁体のバンドギャップよりも小さいエネルギーの単色光を前記試料表面に照射することによって生じる前記光電子のエネルギー分布の時間的変化を検出する第2の検出ステップと、
    前記第1および第2の検出ステップの検出結果に基づいて、前記半導体または絶縁体の内部の欠陥を評価するステップとを備える、評価方法。
  2. 前記第2の検出ステップでは、照射する前記単色光のエネルギーを段階的に増加させながら、前記光電子のエネルギー分布の時間的変化を検出する、請求項1に記載の評価方法。
  3. 前記評価するステップは、
    前記第1の検出ステップで検出された光電子のエネルギー分布のピークを与えるエネルギー値のシフト量とX線照射時間との関係を表わす特性曲線を求めるステップと、
    前記特性曲線を1または複数の指数関数曲線の和に分離するステップと、
    前記第2の検出ステップにおいて前記単色光のエネルギーの段階的変化に応じて、前記分離後の1または複数の指数関数曲線の変化を検出するステップとを含む、請求項2に記載の評価方法。
  4. 試料表面の半導体または絶縁体にX線を照射するためのX線源と、
    前記X線源の照射によって前記半導体または絶縁体から放出される光電子のエネルギー分布を検出する電子分光器と、
    前記半導体または絶縁体のバンドギャップよりも小さいエネルギーの単色光を前記試料表面に照射するための波長可変光源と、
    制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記X線源によって前記試料表面にX線を照射したときに検出される前記光電子のエネルギー分布の第1の時間的変化を検出し、
    前記X線に加えて、前記波長可変光源によって前記単色光を照射したときに検出される前記光電子のエネルギー分布の第2の時間的変化を検出し、
    前記第1および第2の時間的変化に基づいて、前記半導体または絶縁体の内部の欠陥を評価するように構成されている、評価装置。
  5. 半導体基板上に絶縁膜を形成するステップと、
    前記絶縁膜を請求項1〜3のいずれか1項に記載の評価方法によって評価するステップとを備える、半導体装置の製造方法。
JP2013265402A 2013-12-24 2013-12-24 評価方法、評価装置、および半導体装置の製造方法 Active JP5988958B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013265402A JP5988958B2 (ja) 2013-12-24 2013-12-24 評価方法、評価装置、および半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013265402A JP5988958B2 (ja) 2013-12-24 2013-12-24 評価方法、評価装置、および半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015122408A JP2015122408A (ja) 2015-07-02
JP5988958B2 true JP5988958B2 (ja) 2016-09-07

Family

ID=53533791

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013265402A Active JP5988958B2 (ja) 2013-12-24 2013-12-24 評価方法、評価装置、および半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5988958B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2609728B2 (ja) * 1989-10-18 1997-05-14 株式会社日立製作所 Mis界面評価法及び装置
JPH0685021A (ja) * 1992-08-31 1994-03-25 Shimadzu Corp 半絶縁性半導体の深い準位の評価方法
JPH07183343A (ja) * 1993-12-24 1995-07-21 Nec Corp X線光電子分光分析装置
JPH09162253A (ja) * 1995-12-08 1997-06-20 Hitachi Ltd 半導体評価装置
JP3862964B2 (ja) * 2001-03-28 2006-12-27 独立行政法人科学技術振興機構 2波長励起フォトルミネッセンスによる禁制帯内準位の測定方法及びその装置
WO2011122020A1 (ja) * 2010-03-31 2011-10-06 独立行政法人物質・材料研究機構 X線照射装置および分析装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015122408A (ja) 2015-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Eriguchi et al. Quantitative and comparative characterizations of plasma process-induced damage in advanced metal-oxide-semiconductor devices
CN109765206B (zh) 表征二维材料缺陷的方法及其应用
JP6204036B2 (ja) 酸化物半導体薄膜の評価方法、及び酸化物半導体薄膜の品質管理方法
KR101318749B1 (ko) 실리콘 웨이퍼의 평가 방법 및 제조 방법
TWI787631B (zh) 帶電粒子束裝置
TW201318061A (zh) 刻蝕終點動態檢測方法
US10641708B2 (en) Method of evaluating semiconductor substrate and method of manufacturing semiconductor substrate
JP2016539327A (ja) 生物試料、化学試料又はその他の試料の電圧及び電位を測定するための装置及び方法
JP5988958B2 (ja) 評価方法、評価装置、および半導体装置の製造方法
US20180003673A1 (en) Membrane device and method for manufacturing same
JP6605386B2 (ja) 金属汚染濃度分析方法
TWI550746B (zh) Evaluation method of semiconductor wafers
JP5074262B2 (ja) 帯電電位測定方法、及び荷電粒子顕微鏡
KR101141242B1 (ko) 광전 분광 기법을 이용한 계면 결함 분석 방법, 그 기록 매체 및 장치
TWI565940B (zh) Evaluation method, evaluation device and utilization of organic matter contamination on the surface of a semiconductor substrate
US7106087B2 (en) Method and apparatus for evaluating semiconductor device
WO2023145015A1 (ja) 検査装置および膜質検査方法
JPH11297779A (ja) 半導体装置の欠陥検出方法およびその製造方法
RU2535228C1 (ru) Способ определения длительности времени плазмохимического травления поверхности полупроводниковых пластин для субмикронных технологий
Polignano et al. Molybdenum and tungsten contamination in MOS capacitors
JP2001237288A (ja) 半導体基板表面の評価方法
Borja et al. Experimental Techniques
RU2431216C1 (ru) Способ определения энергии ионизации глубоких уровней в полупроводниковых барьерных структурах и устройство для его осуществления
WO2016163500A1 (ja) 半導体ウェーハの製造方法および半導体ウェーハの評価方法
JP2004363231A (ja) 不純物汚染の判定方法および検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5988958

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250