JP5988666B2 - 切削装置 - Google Patents

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本発明は、二つのスピンドルを有する所謂デュアルダイサーに関する。
ダイサーと呼ばれる切削装置においては、切削ブレードはマウントやフランジと呼ばれる固定治具で挟持されスピンドルに固定される(例えば、特開平11−33907号公報及び特開2009−262266号公報参照)。
マウントはハブタイプブレード用の固定治具の名称であり、後フランジと、前フランジ部として作用する押さえナットとから構成される。一方、フランジはワッシャータイプブレード用の固定治具の名称であり、後フランジと、前フランジと、前フランジを固定する押さえナットとから構成される。
ハブブレード交換時には、後フランジをスピンドルに固定した状態で押さえナットを緩めてスピンドルから外し、ハブブレードを新品に交換する。一方、ワッシャーブレード交換時には、後フランジをスピンドルに固定した状態で押さえナットを緩めて押さえナット及び前フランジを外し、ワッシャーブレードを新品に交換する。
特開平11−33907号公報 特開2009−262266号公報 特開2001−298002号公報
ところが、スピンドルを二本備えた所謂デュアルダイサーでは、それぞれ前フランジをスピンドルから外し、ブレードを交換して装着した後、作業者が一方のスピンドルの前フランジと他方のスピンドルの前フランジと入れ替えて取り付けてしまうという問題がある。
マウント及びフランジと呼ばれる固定治具は、切削ブレードを挟持する一対の後フランジと前フランジとでバランス取りがなされており、異なる対の後フランジと前フランジとを組み合わせて使用することは好ましくない。特に、ブレードの種類や加工条件によっては、これらの固定治具は予め定めた一対で使用することが推奨される。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、異なる対の後フランジと前フランジとが組み合わされて使用される恐れを低減可能な二つのスピンドルを有する切削装置を提供することである。
請求項1記載の発明によると、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する第1の切削手段と第2の切削手段とを備えた加工装置であって、該第1の切削手段は、第1スピンドルと、該第1スピンドルの先端に固定される第1ハブブレードと、該第1ハブブレードを挟持して該第1スピンドルの先端に固定する第1ボス部を有する第1後フランジと第1押さえナットとから構成される第1マウントと、を含み、該第1後フランジの少なくとも該第1ボス部を含む一部と該第1押さえナット少なくとも一部が第1の色を有しており、該第2の切削手段は、第2スピンドルと、該第2スピンドルの先端に固定される第2ハブブレードと、該第2ハブブレードを挟持して該第2スピンドルの先端に固定する第2ボス部を有する第2後フランジと第2押さえナットとから構成される第2マウントと、を含み、該第2後フランジの少なくとも該第2ボス部を含む一部と該第2押さえナット少なくとも一部が該第1の色とは異なる第2の色を有することを特徴とする切削装置が提供される。
請求項2記載の発明によると、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する第1の切削手段と第2の切削手段とを備えた切削装置であって、該第1の切削手段は、第1スピンドルと、該第1スピンドルの先端に固定される第1ワッシャーブレードと、該第1ワッシャーブレードを挟持して該第1スピンドルの先端に固定する第1ボス部を有する第1後フランジと第1前フランジと第1押さえナットとから構成される第1フランジと、を含み、該第1後フランジの少なくとも該第1ボス部を含む一部と該第1前フランジの少なくとも一部と該第1押さえナット少なくとも一部が第1の色を有しており、該第2の切削手段は、第2スピンドルと、該第2スピンドルの先端に固定される第2ワッシャーブレードと、該第2ワッシャーブレードを挟持して該第2スピンドルの先端に固定する第2ボス部を有する第2後フランジと第2前フランジと第2押さえナットとから構成される第2フランジと、を含み、該第2後フランジの少なくとも該第2ボス部を含む一部と該第2前フランジの少なくとも一部と該第2押さえナット少なくとも一部が該第1の色とは異なる第2の色を有することを特徴とする切削装置が提供される。
本発明によると、第1マウントと第2マウント、又は第1フランジと第2フランジとは、それぞれ少なくとも一部が異なる色を有するようにしたので、前フランジ部として作用する押さえナット、又は同じく前フランジ部として作用する前フランジと押さえナットを第1及び第2の切削手段で入れ替えて使用される恐れを低減することができる。
二つのスピンドルを有する切削装置の外観斜視図である。 ハブブレードを装着する第1切削ユニットの分解斜視図である。 ハブブレードを装着する第2切削ユニットの分解斜視図である。 ワッシャーブレードを装着する第1切削ユニットの分解斜視図である。 ワッシャーブレードを装着する第切削ユニットの分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明実施形態に係る切削装置2の外観斜視図が示されている。切削装置2の機構部は、複数のパネルを組み合わせて形成された外装カバー4内に収容されている。
6はチャックテーブルであり、回転可能且つX軸方向に移動可能に構成されている。チャックテーブル6には、よく知られているようにダイシングテープを介してウエーハを支持する環状フレームをクランプする複数のクランプ8が配設されている。
切削装置2は、Y軸方向に整列して配設された第1切削ユニット10及び第2切削ユニット12を有している。第1切削ユニット10及び第2切削ユニット12ともY軸方向に伸長するガイドレール14に案内されてY軸方向に移動可能であるとともに、Z軸方向(高さ方向)にも移動可能に配設されている。切削装置2はスピンドルを2本有する所謂デュアルダイサーである。
16は内部に複数枚のウエーハを収容したカセットを載置するカセット載置台であり、上下方向(Z軸方向)に移動可能に構成されている。18は切削装置2の稼動状況を表示する表示ランプであり、切削装置2が正常作動時には例えば緑色で点灯し、何らかの故障が生じた場合には赤色が点滅する。
20はタッチパネル式の表示モニタであり、オペレータが装置の操作指令を入力できるとともに、装置の稼働状況が表示モニタ20上に表示される。22,24は非常停止ボタンであり、作業者がこの非常停止ボタン22,24を押すと切削装置2の作動を直ちに停止することができる。
図2を参照すると、ハブブレード44が装着される第1切削ユニット10の分解斜視図が示されている。第1切削ユニット10は、スピンドルハウジング28中に回転可能に収容され、図示しないモータにより回転駆動される第1スピンドル30を含んでいる。第1スピンドル30の先端部にはねじ穴32が形成されている。
34は第1後フランジであり、ボス部36とボス部36と一体的に形成されたフランジ38を有している。ボス部36の先端部には雄ねじ40が形成されている。第1後フランジ34は更に挿入穴41を有している。
ねじ42を第1後フランジ34の挿入穴41を介して第1スピンドル30の先端に形成されたねじ穴32に螺合して締め付けることにより、第1後フランジ34は第1スピンドル30の先端部に固定される。
44は第1ハブブレードであり、第1ハブブレード44は、円形ハブ48を有する円形基台46の外周にニッケル母材中にダイアモンド砥粒が分散されて電着された切刃(電着砥石)50を有している。円形基台46は第1後フランジ34のボス部36が挿入される装着穴52を有している。
第1ハブブレード44を第1スピンドル30の先端部に固定された第1後フランジ34のボス部36に挿入し、第1押さえナット54をボス部36の雄ねじ40に螺合して締め付けることにより、第1ハブブレード44は第1後フランジ34のフランジ38と前フランジとして作用する第1押さえナット54により挟持されて、第1スピンドル30の先端部に取り付けられる。
第1切削ユニット10では、第1後フランジ34及び第1押さえナット54はそれぞれ少なくとも一部が第1の色を有している。この色付けは、例えばメッキ、着色、シール等で達成される。色付けは着色やシールでも良いが、メッキ処理によって色を着色すると、色落ちしづらくより好適である。
図3を参照すると、第2ハブブレード44aが装着される第2切削ユニット12の分解斜視図が示されている。第2切削ユニット12は、第1切削ユニット10と同一構成部分については同一符号を付し、更に第1切削ユニット10と区別するため「a」を付加している。第2切削ユニット12の構成は第1切削ユニット10と同様であるのでその説明を省略する。
第2切削ユニット12の、第2後フランジ34a及び第2押さえナット54aはそれぞれ少なくともその一部が第1の色とは異なる第2の色を有している。本実施形態では、第2後フランジ34a及び第2押さえナット54aの全体が第2の色を有している。
スピンドル30,30aにハブブレード44,44aを装着する第1実施形態の第1切削ユニット10及び第2切削ユニット12で、ハブブレード44,44aを交換する場合には、それぞれ押さえナット54,54aを外して、ハブブレード44,44aを新品に交換する。
この交換の際に、第1押さえナット54と第2押さえナット54aとはそれぞれ異なる色を有しているため、作業者は第1後フランジ34の色に合致した色を有する第1押さえナット54を容易に選択することができ、第2後フランジ34aの色に合致した第2押さえナット54aを容易に選択することができる。よって、異なる対の後フランジ34,34aと押さえナット54,54aとが組み合わされて使用される恐れを低減することができる。
第1ハブブレード44を装着する第1切削ユニット10では、第1後フランジ34と第2押さえナット54との組合せを「第1マウント」と称する。第2切削ユニット12では、第2後フランジ34aと第2押さえナット54aとの組合せを「第2マウント」と称する。
図4を参照すると、ワッシャーブレード68を装着する第2実施形態の第1切削ユニット10Aの分解斜視図が示されている。56は第1後フランジであり、ボス部58とボス部58と一体的に形成されたフランジ60を含んでいる。ボス部58の先端部には雄ねじ62が形成されている。第1後フランジ56は更に挿入穴63を有している。
第1後フランジ56の挿入穴63中にねじ64を挿入し、第1スピンドル30の先端に形成されたねじ穴32に螺合して締め付けることにより、第1後フランジ56が第1スピンドル30の先端部に固定される。
68は第1ワッシャーブレードであり、その全体がニッケル母材中にダイアモンド砥粒が分散されて電着された電着砥石の他、例えば樹脂や金属中にダイアモンド砥粒が分散されたレジンブレードやメタルブレードから形成される。
第1ワッシャーブレード68を第1スピンドル30に固定するには、第1スピンドル30の先端部に固定された第1後フランジ56のボス部58に第1ワッシャーブレード68を装着し、更に押さえフランジとして作用する第1前フランジ70をボス部58に装着して、第1押さえナット72をボス部58の雄ねじ62に螺合して締め付けることにより、第1ワッシャーブレード68は第1後フランジ56と第1前フランジ70とで挟持されて第1スピンドル30の先端部に固定される。
本明細書では、第1後フランジ56と第1前フランジ70と第1押さえナット72との組合せを「第1フランジ」と称する。第1後フランジ56、第1前フランジ70及び第1押さえナット74はそれぞれ少なくとも一部が第1の色を有している。
図5を参照すると、第2ワッシャーブレード68aを装着する第2実施形態の第2切削ユニット12Aの分解斜視図が示されている。第2切削ユニット12Aの説明においては、図4に示した第1切削ユニット10Aと同一構成部分については同一符号を付し、更に第1切削ユニット10Aと区別するために符号「a」を付加している。本明細書では、第2後フランジ56aと第2前フランジ70aと第2押さえナット72aとの組合せを「第2フランジ」と称する。
第2後フランジ56a、第2前フランジ70a及び第2押さえナット72aはそれぞれ第1の色とは異なる第2の色を有している。第2の色の色付けは、第1の色の色付と同様に、メッキ、着色、シール等で達成される。
第1切削ユニット10A及び第2切削ユニット12Aでそれぞれワッシャーブレード68、68aを交換する場合には、押さえナット72,72a及び前フランジ70,70aを後フランジ56,56aから外す。
そして、ワッシャーブレード68,68aを取り外して新たなワッシャーブレード68,68aを後フランジ56,56aのボス部58,58aに装着し、前フランジ70,70a及び押さえナット72、72aで新たなワッシャーブレード68,68aを固定する。
第1ワッシャーブレード68の交換時には、第1前フランジ70及び第1押さえナット72が第1後フランジ56と同じ色を有しているため、作業者が誤って第2前フランジ70a及び/又は第2押さえナットの72aを使用する恐れを低減できる。
同様に、第2前フランジ70a及び第2押さえナット72aが第2後フランジ56aと同じ色を有しているため、第2ワッシャーブレード68aを交換する際に、作業者が誤って第1前フランジ70及び/又は第1押さえナットの72を使用する恐れを低減できる。
10,10A 第1切削ユニット
12,12A 第2切削ユニット
30 第1スピンドル
30a 第2スピンドル
34 第1後フランジ
34a 第2後フランジ
44 第1ハブブレード
44a 第2ハブブレード
54 第1押さえナット
54a 第2押さえナット
56 第1後フランジ
56a 第2後フランジ
68 第1ワッシャーブレード
68a 第2ワッシャーブレード
70 第1前フランジ
70a 第2前フランジ
72 第1押さえナット
72a 第2押さえナット

Claims (2)

  1. 被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する第1の切削手段と第2の切削手段とを備えた加工装置であって、
    該第1の切削手段は、
    第1スピンドルと、
    該第1スピンドルの先端に固定される第1ハブブレードと、
    該第1ハブブレードを挟持して該第1スピンドルの先端に固定する第1ボス部を有する第1後フランジと第1押さえナットとから構成される第1マウントと、を含み、
    該第1後フランジの少なくとも該第1ボス部を含む一部と該第1押さえナット少なくとも一部が第1の色を有しており、
    該第2の切削手段は、
    第2スピンドルと、
    該第2スピンドルの先端に固定される第2ハブブレードと、
    該第2ハブブレードを挟持して該第2スピンドルの先端に固定する第2ボス部を有する第2後フランジと第2押さえナットとから構成される第2マウントと、を含み、
    該第2後フランジの少なくとも該第2ボス部を含む一部と該第2押さえナット少なくとも一部が該第1の色とは異なる第2の色を有することを特徴とする切削装置。
  2. 被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する第1の切削手段と第2の切削手段とを備えた切削装置であって、
    該第1の切削手段は、
    第1スピンドルと、
    該第1スピンドルの先端に固定される第1ワッシャーブレードと、
    該第1ワッシャーブレードを挟持して該第1スピンドルの先端に固定する第1ボス部を有する第1後フランジと第1前フランジと第1押さえナットとから構成される第1フランジと、を含み、
    該第1後フランジの少なくとも該第1ボス部を含む一部と該第1前フランジの少なくとも一部と該第1押さえナット少なくとも一部が第1の色を有しており、
    該第2の切削手段は、
    第2スピンドルと、
    該第2スピンドルの先端に固定される第2ワッシャーブレードと、
    該第2ワッシャーブレードを挟持して該第2スピンドルの先端に固定する第2ボス部を有する第2後フランジと第2前フランジと第2押さえナットとから構成される第2フランジと、を含み、
    該第2後フランジの少なくとも該第2ボス部を含む一部と該第2前フランジの少なくとも一部と該第2押さえナット少なくとも一部が該第1の色とは異なる第2の色を有することを特徴とする切削装置。
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