JP5988017B2 - 希土類窒化物系等方性焼結磁石とその製造方法 - Google Patents

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本発明は,Sm-Fe-N系磁石粉末の焼結体として,磁気特性に優れ,かつ高い密度を有する等方性磁石とその製造方法に関するものである。
Sm-Fe-N系磁石は残留磁束密度(Br)や保磁力(Hcj),最大エネルギー積((BH)max)のいずれも大きいことから,Nd-Fe-B系磁石やSm-Co系磁石と並ぶ優れた磁石材料の一つとされている。現在工業的によく用いられるNd-Fe-B系磁石は,高温化では保磁力が著しく低下するため,高価なDyを添加することで要求される磁気特性を発現させている。また,Sm-Co系磁石はキュリー温度が高く,耐熱性には優れるものの,高価なCoを多量に用いるため,広く普及するに至っていない。これに対し,Sm-Fe-N系磁石はキュリー温度が高く,高価な原料を使用しなくとも優れた磁気特性を示す。従って,Sm-Fe-N系磁石は磁気特性に優れ,かつ高い耐熱性を有する磁石材料と言える。
一方で,等方性磁石は着磁パターンが自由に選択でき,モータ部品として使用される場合には回転がスムーズになる等の利点があることから,電気・電子部品に広く使用されている。通常,等方性磁石は磁石粉末と樹脂(エポキシやナイロン等)と混合した原料を圧縮成形あるいは射出成型などにより成形したボンド磁石である。しかしながら,ボンド磁石では磁石粉末の結合剤として樹脂を用いることから,その耐熱性や強度は樹脂の特性に依存することとなり,高耐熱性や高強度が要求される部位への使用には適さない。とりわけ,前述したようにSm-Fe-N系磁石は耐熱性に優れるが,ボンド磁石として用いるとその優位性を有効に利用できない。さらに,通常のボンド磁石では,樹脂結合剤を含むため,磁石粉末の体積比率を83%以上にすることは難しい。樹脂結合剤は磁石特性の発現に寄与しないため,焼結磁石に比べてボンド磁石の磁気特性は低い。
このような問題を解決するための最も有効な手段はSm-Fe-N系磁石粉末に対して焼結を行い,結合剤を含まない焼結磁石とすることである。ここで,鉄系の磁石材料粉末を焼結緻密化しようとする場合,一般には1000℃以上に加熱しなければならない。しかし,Sm-Fe-N系磁石粉末は,500℃以上に加熱すると,FeとSm-Nに分解してしまい磁石特性の失ってしまう。このような熱安定性の低いSm-Fe-N系磁石粉末を焼結する技術として,プラズマ焼結法や通電焼結法による低温焼結法がある。
特許文献1は,プラズマ焼結法を用いた200℃/min以上の高速昇温によって前述の熱分解を抑制するR-Fe-N(Rは希土類元素)焼結磁石の製造法を開示している。
特許文献2は,プラズマ焼結法を用いた600〜1000℃/minの高速昇温,および分解温度以下の焼結温度,かつ高圧を付与したプラズマ焼結法による,高密度のSm-Fe-N系焼結磁石の製造法およびその磁石を開示している。
特許文献3は,超急冷法を経て作製された等方性の磁石粉末を,4t/cm2以上の高加圧下で熱間プレスすることにより,分解温度以下の焼結温度であっても高い磁気特性を有する焼結磁石を実現する製造法を開示している。
特開平4−323803号公報 特開平7−323803号公報 特開平2004−319602号公報
特許文献1に開示されている方法では,プラズマ焼結における昇温速度が高速であるため,Sm-Fe-N系磁石粉末にかかる熱負荷は抑制されることが期待できるが,この方法により達成される密度も不明である上に,結果として得られた等方性磁石の(BH)maxは8MGOe程度と低い。また,特許文献2は,焼結による熱分解なく相対密度が97%以上の磁石を作製できる技術を開示しているが,実施例として示された原料Sm-Fe-N粉末は高い磁気特性を示すTh2Zn17型の結晶相以外にFeを含む多くの副相を含有しており,実際の実用磁石に適用できるかは不明である。さらに,多くの副相を含むために(BH)maxは8MGOe以下と低い。特許文献3に開示される製造法では,Th2Zn17型よりも高い磁気特性が得られるTbCu7型結晶構造の磁石粉末を用い,これを高加圧下での熱間プレスすることで,熱分解を殆ど起こすことなく,(BH)maxが17MGOeの等方性磁石の製造を可能にする技術が開示されている。しかし,この技術がどのくらいのかさ密度を達成できるかは不明であり,従来のボンド磁石の磁石粉末体積率より数%高い程度であると考えられる。
このように,樹脂結合剤を用いることなく磁石粉末を成形する従来技術では,作製された磁石が実用性に乏しいか,ないしはボンド磁石よりわずかに高い磁石粉末体積率しか達成できない。
本発明は,上記問題を解決するためになされたものであり,磁気特性に優れるとともに,高い密度を持つSm-Fe-N系等方性焼結磁石とその製造法を提供することを課題としている。
本発明の希土類窒化物系等方性焼結磁石は,鱗片形状の希土類窒化物系磁石粉末の粒子が焼結により結合して形成される磁石であって,相対(かさ)密度が83体積%以上であり,前記磁石粉末はSm-Fe-N系合金であり,磁石を形成する内部粒子のうちのアスペクト比が2から12の粒子の累計分布が20個数%以上であり、最大エネルギー積(BH) max が14.2MGOeを超えることを特徴としている。
また,前記累計分布が30個数%以上であって,相対(かさ)密度が86体積%以上で,最大エネルギー積(BH)max15.2MGOe以上であることが好ましい。
本発明の焼結磁石は,鱗片形状の粒子を含有するSm-Fe-N系磁石粉末を,1200MPa以上1800MPa以下の圧力で圧縮成型する工程と,350℃以上450℃以下の温度および1200MPa以上1500MPa以下の圧力で焼結する工程を含み、前記圧縮成型する工程において,希土類窒化物系磁石粉末の全粒子うち,アスペクト比が2から12の鱗片形状粒子を30個数%以上含むSm-Fe-N系磁石粉末を原料粉末とする方法により製造することができる。
さらには,この圧縮成型する工程において,1200MPa以上1800MPa以下の任意の圧力と,その10%以下の圧力を交互に負荷し,これを2回以上100回以下繰り返すことにより圧縮成型体を形成することでより高密度な等方性焼結磁石が作製することが可能となる。
また,前記の圧縮成型工程において,希土類窒化物系磁石粉末の全粒子うち,アスペクト比が2を超える鱗片形状粒子を60個数%以上含むSm-Fe-N系磁石粉末を原料粉末とすることが好適である。
さらに望ましくは,前記の圧縮成型工程において,希土類窒化物系磁石粉末の全粒子うち,アスペクト比が10以上の鱗片形状粒子を50個数%以上含むSm-Fe-N系磁石粉末を原料粉末とすると,より高密度な等方性焼結磁石を得ることができる。
本発明によれば,従来技術に比べて格段に高い相対(かさ)密度83%以上が実現され,しかも優れた磁気特性,たとえば13MGOe,そして15MGOe以上の最大エネルギー積(BH)maxが実現されることになる。
焼結温度とかさ密度およびダイアメトラル引張り強度との関係を示すグラフである。 焼結温度と最大エネルギー積(BH)maxとの関係を示すグラフである。 実施例6の繰返し加圧工程および焼結工程における密度の履歴を示したグラフである。
本発明では,焼結磁石が鱗片形状のSm-Fe-N磁石粉末粒子から形成され,これら粒子同士は焼結によって結合されており,かつ全体に占める磁石粉末の相対密度,つまりかさ密度としての体積比率が83体積%以上であれば,従来のボンド磁石より磁石粉末体積率が高く優れた磁気特性を示し,かつ高強度な等方性焼結磁石となる。これは,鱗片形状の粒子は規則正しく積み重なりやすいため緻密に充填配置される上,粒子同士が面で接するために焼結により接合される面積は広くなり,樹脂結合剤を用いることなく高強度な等方性焼結磁石を成形できるからである。
なお,本発明での相対密度,つまり,かさ密度は焼結磁石の全体積に占める磁性粒子の体積比率と定義され,アルキメデス法によって測定されるものである。
また,その上限値については特に限定的でなく,たとえば95体積%が目安として考慮される。
このような焼結磁石において,その磁石を形成する粒子のうち,アスペクト比が2を超える鱗片形状粒子を20個数%以上,さらには30個数%以上含むように制御することによって,従来のボンド磁石における磁石粉末の体積比率を超え,かつ優れた磁気特性を与えることが可能となる。
ここでの磁石内部粒子のアスペクト比の累計分布については,実施例でも示しているように,焼結体の加圧軸に平行な断面において観察される粒子の形状を画像解析により分析することで測定される。画像解析のツール(手段)は市販の画像処理ソフトウェアとする。
このような本発明の焼結磁石は,鱗片形状のSm-Fe-N系磁石粉末を,350℃以下の温度および1200MPa以上1800MPa以下の圧力で圧縮成型する工程により高密度に緻密化させ,さらに350℃以上450℃以下の温度および1200MPa以上1500MPa以下の圧力で焼結することによって粉末粒子間を強固に結合することで作製できる。
さらに,前記の圧縮成型する工程において,1200MPa以上1800MPa以下の任意の圧力と,その10%以下の圧力を交互に負荷し,これを2回以上100回以下繰り返すことにより,鱗片形状のSm-Fe-N系磁石粉末は更に高密度な成形体とすることができ,ひいては高密度な焼結磁石につながる。
前記の工程における圧力や温度条件に加えて,原料粉末として,アスペクト比が2を超える鱗片形状粒子を30個数%以上,さらには60個数%以上含むSm-Fe-N系磁石粉末を用いることで,本発明の焼結磁石を作製することができる。さらに,アスペクト比が10以上の鱗片形状粒子を50個数%以上含むSm-Fe-N系磁石粉末を原料粉末とすれば,従来のボンド磁石における磁石粉末の体積比率や磁気特性を大幅に超えた本発明の焼結磁石を作製できる。
原料とする磁石粉末としては,等方性磁石としては最優れた磁石特性を有する,TbCu7型結晶構造のものが好ましい。また、その元素組成についてはSm-Fe-N以外にも、磁石性能や耐熱性の向上のために数%の添加物を入れた従来公知のものをはじめとして各種のものが考慮されてよい。
たとえば、組成式はRxT100-x-y-zAyNzであって,Rは少なくともSmと,LaおよびCe以外の希土類元素,TはFeまたはCo,Niであり,少なくともFeを含む遷移金属元素,AはTi,Al,Si,V,Cr,Mn,Cu,Zn,Ga,Zr,Nb,Mo,Hf,Taからなる金属元素,Nは窒素であるものが考慮される。
また、これら原料粉末の大きさについては、本発明では、鱗片状の粉末が緻密に充填されるために圧縮負荷により粉末が破砕されやすいことが好ましく考慮される。
破砕されやすさはアスペクト比と粉末の径によるが、一般的に粉末径が小さ過ぎる場合(たとえば数μm以下)には破砕されにくくなる。一方、理論的にはより大きな径ではかなりの程度の粉末径まで有効であるが、その作製の観点等からは、実際的には最大径として1mm以下であることが好ましく考慮される。
なお,加熱焼結では,放電プラズマ焼結法やホットプレス焼結法も可能であるが、高速加熱および短時間焼結により低熱負荷焼結が実現できる,通電焼結法を採用することが好ましい。
以下,本発明の実施例および比較例を詳述する。
実験には超急冷法を経て作製された厚み25μmの鱗片状の原料Sm-Fe-N粉末を準備した。なお,原料粉末はTbCu7型結晶構造の磁石粉末である。この粉末を分級処理することにより,表1に示すような異なるアスペクト比(長さ/厚さ)の分布を持つ粉末A〜Dを供試粉末とした.また,同じ原料を分級処理することにより,2以上のアスペクト比を持つ粒子を殆ど含まない,つまり鱗片状粉末ではなく多角形粒状粉末といえる粉末Eも準備した。
Figure 0005988017
<実施例I>
表1の粉末A,D,Eの各々から1gを秤量し,内径6mmの超硬合金製円筒形ダイセットに充填し,サーボ制御型プレス装置による加圧機構を備えたパルス通電焼結機に設置した。焼結室内を10Pa以下の真空雰囲気としたのち,粉末に1200MPaの圧縮圧力を負荷し,直ちに除荷した。再び粉末に1200MPaの圧縮圧力を印加し,この圧力を保持したまま400℃の温度にて1分間の通電焼結を行った。こうして得られた焼結体のかさ密度,最大エネルギー積((BH)max),および焼結体内部粒子のアスペクト比の累計分布を評価した。アスペクト比の測定は,焼結体の加圧軸に平行な断面において観察される粒子の形状を,画像解析により分析することによって得た。また,最大エネルギー積はパルスB-Hトレーサー装置を用いて測定した。結果を次の表2に示した。
Figure 0005988017
表2に示すように,実施例1および2は高い(BH)maxを示し,これは従来のボンド磁石の値(13MGOe)を超える。また,実施例1においては,かさ密度についてもボンド磁石が達成できる最大体積比率を上回った。一方で,比較例1では,かさ密度および(BH)maxともにボンド磁石と同程度であった。ここで,この焼結体の内部における粒子のアスペクト比の分布をみると,比較例1の焼結磁石はアスペクト比が2以下の粒状粒子から形成されていた。実施例1および2では,焼結磁石を形成する粒子としてアスペクト比が2を超える鱗片状粒子が多く含まれている。特に,実施例1ではアスペクト比が2を超える粒子の比率が30個数%を超えており,実施例2と大きく異なる。つまり,鱗片状の粒子からなる焼結磁石は優れた磁気特性を有し,特にアスペクト比が2を超える粒子の比率が30個数%を超える場合には高密度かつ優れた磁気特性を発揮した。
<実施例II>
次に,前述の粉末Aを用いた焼結磁石作製における焼結工程に対して,焼結温度を変化させて焼結磁石の作製を行った。焼結温度とかさ密度およびダイアメトラル引張り強さ(DTS)の関係を図1に示す。かさ密度は焼結温度が300℃以上になると増加する。しかし,DTSは350℃以上にならないと増加せず,これは350℃以上から磁性粉末の粒子間が焼結により結合されることを意味している。図2に焼結温度と(BH)maxの関係を示す。焼結温度が500以上になると(BH)maxは急激に減少した。これはSm-Fe-N粉末が加熱によって分解したためと考えられる。従って,焼結温度を350〜450℃とすることで高密度,高強度,かつ優れた(BH)maxの等方性磁石の作製が可能となる。
<実施例III>
さらに,上記の粉末Aを用いた実験おいて,焼結温度を400℃に固定して,圧縮成形圧力条件および焼結圧力条件を表3に示す範囲で変化させて焼結磁石を作製した。実施例3および4から分かるように,圧縮成形圧力が1200〜1800MPaの範囲では高密度かつ優れた(BH)maxの焼結磁石の作製が可能である。これ以下の圧力においては比較例1に示すように密度および(BH)maxともに従来ボンド磁石程度となる。一方で,1800MPaより大きな圧力にて成形を行うと,比較例3に示すように過負荷による焼結磁石の破壊が離形時に頻繁に生じた。
加えて,実施例6および7に示すように,上記の好適な圧力範囲において,任意の圧力への加圧と,その10%以下の圧力までの除荷を100回繰り返したことによって,1回の圧力負荷に比べて,さらに高い密度および(BH)maxを持つ焼結磁石を作製できた。実施例6の繰返し加圧工程および焼結工程における密度の履歴を図3に示す。100回以下の繰返しにおいても密度増加の効果が得られることが分かる。
また,実施例1および3から分かるように,焼結時の圧力が1200〜1500MPaの範囲では高密度かつ優れた(BH)maxの焼結磁石の作製が可能である。これ以下の圧力においては比較例4に示すように密度および(BH)maxともに低い。一方で,1500MPaより高い圧力下で焼結すると,比較例3と同様に離形時の破壊が頻繁に起こった。
Figure 0005988017
<実施例IV>
圧縮成形時の圧力を1200MPaとし,また焼結時の温度および圧力を400℃および1200MPaに固定して,粉末A〜Eを用いた焼結を実施した。表1に示したように,粉末Aはアスペクト比が2から12までの広い分布をもつ鱗片状粒子から構成されており,いくらかの粒状粒子(アスペクト比<2)を含む。粉末Bは粉末Aに比べてアスペクト比が4以下の粒子の含有量が多く,また8以上の粒子を殆ど含まない。粉末Cは,50個数%以上の粒子がアスペクト比10以上であり完全な鱗片状の粗大粉末である。粉末Dは,粒子の半分以上が粒状粒子であり,鱗片状粒子の含有率が低い。また粉末Eは殆どが粒状粒子からなる。
各粉末から得られた焼結磁石のかさ密度を表4に示す。この結果を見ると,鱗片状粒子を多く含む粉末から作製された焼結磁石ほど高いかさ密度が達成されており,さらにはアスペクト比の大きい粒子を多く含む粉末ほど高密度の焼結磁石をしている。このことは,鱗片状粒子は圧縮によって積み重なるように緻密に充填されやすいこと,さらにはアスペクト比の高い粒子は圧縮によって破砕されやすく,破砕された細かい粒子が隙間に充填されたことに起因する。表1のアスペクト比の分布と表2のかさ密度の結果を詳細に比べると,アスペクト比が2以上の鱗片状粒子が60個数%以上含まれる粉末を用いることにより,密度の高い焼結磁石の作製が可能であることが分かる。さらには,アスペクト比が10以上の鱗片状粒子を50個数%以上含む粒子を用いれば非常に高密度な等方性焼結磁石の作製が達成できることが分かる。
Figure 0005988017

Claims (7)

  1. 鱗片形状の希土類窒化物系磁石粉末の焼結磁石であって,相対(かさ)密度が83体積%以上であり,前記磁石粉末はSm-Fe-N系合金であり,磁石を形成する内部粒子のうちのアスペクト比が2から12の粒子の累計分布が20個数%以上であり、最大エネルギー積(BH) max が14.2MGOeを超えることを特徴とする希土類窒化物系等方性焼結磁石。
  2. 前記累計分布が30個数%以上であって,相対(かさ)密度が86体積%以上で,最大エネルギー積(BH) max が15.2MGOe以上であることを特徴とする請求項1の希土類窒化物系等方性焼結磁石。
  3. 鱗片形状の粒子を含有するSm-Fe-N系磁石粉末を,1200MPa以上1800MPa以下の圧力で圧縮成型する工程と,350℃以上450℃以下の温度および1200MPa以上1500MPa以下の圧力で焼結する工程を含み、前記圧縮成型する工程において,希土類窒化物系磁石粉末の全粒子うち,アスペクト比が2から12の鱗片形状粒子を30個数%以上含むSm-Fe-N系磁石粉末を原料粉末とすることを特徴とする希土類窒化物系等方性焼結磁石の製造方法。
  4. 前記の圧縮成型する工程において,1200MPa以上1800MPa以下の任意の圧力と,その10%以下の圧力を交互に負荷し,これを2回以上100回以下繰り返すことにより圧縮成型体を形成することを特徴とする請求項3記載の希土類窒化物系等方性焼結磁石の製造方法。
  5. 前記原料粉末は,アスペクト比が2を超える鱗片形状粒子を60個数%以上含むことを特徴とする請求項3または4記載の希土類窒化物系等方性焼結磁石の製造方法。
  6. 前記原料粉末は,アスペクト比が10以上の鱗片形状粒子を50個数%以上含むことを特徴とする請求項3から5のうちのいずれか一項記載の希土類窒化物系等方性焼結磁石の製造方法。
  7. 前記の焼結工程を,通電焼結法を用いて焼結することを特徴とする請求項3から6のうちのいずれか一項記載の希土類窒化物等方性焼結磁石の製造方法。
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