JP5987567B2 - プリフォーム殺菌方法及び装置 - Google Patents
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本発明は、ボトル等の容器を作るためのプリフォームを殺菌する方法及び装置に関する。
従来、PET(ポリエチレンテレフタレート)製のボトルを過酸化水素水で殺菌するには、ボトルをチャンバ内に導き、過酸化水素水をチャンバ内にスプレーし、かつチャンバ内に空気流を導入するようにしている。これにより、複雑な形状を有するボトルであっても過酸化水素水のミストがボトル表面に均一に付着するようにし、ボトル表面がむらなく殺菌されるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ボトル成形前のプリフォームの段階で殺菌することも試みられている。すなわち、プリフォームの口部を垂直下方に開口したノズルに正対させ、過酸化水素等の薬剤をノズルから噴射し、続いてプリフォームを加熱炉内に導入し、プリフォームをブロー成形温度まで加熱するとともに殺菌効果を高め、しかる後に成形型で挟んでボトルにブロー成形している(例えば、特許文献2参照。)。
また、プリフォームの段階で殺菌する場合、各々過酸化水素水溶液を滴下した多数のプリフォームをコンテナ内に入れて密封し、このコンテナを輸送、保管する際にコンテナ内で気化した過酸化水素の蒸気でプリフォームの内外面を殺菌することも試みられている。コンテナの搬入先でコンテナから取り出されたプリフォームは搬入先の成形機によって無菌状態のボトルに成形されることとなる(例えば、特許文献3参照。)。
さらに、プリフォームの殺菌に過酸化水素等の殺菌剤の使用が望まれない場合もある。この殺菌剤を使用することなくプリフォームを殺菌する方法として、プリフォーム内に水蒸気を吹き込んでガラス転移点温度以上の温度を所定時間維持することでプリフォーム内を殺菌し、その直後にエアを吹き込んで水蒸気のドレンを除去するという方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
従来の過酸化水素水のミストを用いてボトルを殺菌する方法は、過酸化水素水のミストを微細化する必要があることから、高価なミスト生成器を使用しなければならず、そのため、コストアップを招くという問題がある。
また、プリフォームに過酸化水素等の薬剤を噴射する方法は、プリフォームを正立状態で整列走行させる必要があり、しかも薬剤を付着させた後ただちに加熱炉内に導く必要がある。このため、殺菌システムが複雑化、大型化し、コストアップを招くという問題がある。
また、プリフォームに過酸化水素水溶液を滴下して殺菌する方法は、プリフォームを整列させて搬送する必要があり、大量のプリフォームを高速で処理することが困難である。さらに、過酸化水素水溶液は各プリフォームに定量だけ滴下するようになっているため、過酸化水素水溶液を計量しつつ吐出する高価な装置が必要になるという欠点がある。
さらに、従来の水蒸気でプリフォーム内を殺菌する方法によれば、殺菌剤の残留という問題は解消されるが、水蒸気のドレンがプリフォーム内に残留すると容器に成形した際に白化等の発生原因となるので、殺菌後にドレンを除去する工程を設けなければならないとうい問題がある。また、プリフォームの口部に水蒸気が永く掛かると、口部が変形しやすくなり、後に口部に蓋を被せた際に密封性が損なわれる原因となる。
本発明は、このような問題点を解消することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
すなわち、請求項1に係る発明は、有底筒状に形成された多数のプリフォーム(1)をコンベア(4)上に投入して不揃いな横臥状態にし、これらプリフォーム(1)を、コンベア(4)によって第一のチャンバ(5)内を通過させながら、コンベア(4)の両側から加温エア(H)をプリフォーム(1)に吹き付けてプリフォーム(1)を予熱し、引き続きプリフォーム(1)を、コンベア(4)によって第二のチャンバ(6)内を通過させながら、コンベア(4)の両側から過熱蒸気(S)をプリフォーム(1)に向かって吹き付けてプリフォーム(1)を殺菌するプリフォーム殺菌方法を採用する。
請求項2に記載されるように、請求項1に記載のプリフォーム殺菌方法において、上記加温エア(H)の吹き付けにより、プリフォーム(1)の表面を40℃〜70℃に予熱するようにしてもよい。
請求項3に記載されるように、請求項1に記載のプリフォーム殺菌方法において、過熱蒸気(S)は水を誘電加熱することによって発生させるようにしてもよい。
また、請求項4に係る発明は、有底筒状に形成されたプリフォーム(1)を横臥状態で乗せて搬送するコンベア(4)と、このコンベア(4)の水平走行部に直列に設置された第一及び第二のチャンバ(5,6)と、第一のチャンバ(5)内でコンベア(4)の両側から加温エア(H)をプリフォーム(1)に向かって吹き付けてプリフォーム(1)を予熱する予熱用ノズル(11)と、第二のチャンバ(6)内でコンベア(4)の両側からプリフォーム(1)に向かって過熱蒸気(S)を吹き付けてプリフォーム(1)を殺菌する殺菌用ノズル(20)とを具備したプリフォーム殺菌装置を採用する。
本発明によれば、プリフォーム成形機から放出されるプリフォーム(1)をコンベア(4)で受け止め、コンベア(4)上で横臥状態にしたままコンベア(4)によって第一と第二のチャンバ(5,6)内に導入することで足りる。そして、第二のチャンバ(6)内ではコンベア(4)の両側からプリフォーム(1)に向かって過熱蒸気(S)を吹き付けるので、コンベア(4)上のプリフォーム(1)の外面が適正に殺菌される。また、その際、プリフォーム(1)はコンベア(4)上で振動等によって横転しうるので過熱蒸気がプリフォーム(1)の外面にまんべんなく均一に付着する。また、同時に過熱蒸気(S)は横向きになったプリフォーム(1)の口部(1a)からもプリフォーム(1)内に流入するので、プリフォーム(1)内面も適正に殺菌される。これにより、プリフォーム(1)の全表面が過熱蒸気(S)によって均等に殺菌される。
また、過熱蒸気(S)の吹き付けによる殺菌に先立ち、第一のチャンバ(5)内で加温エア(H)の吹き付けによりプリフォーム(1)を予熱するので、過熱蒸気(S)の温度や使用量を低減しても所期の殺菌効果を得ることができる。
以下に本発明を実施するための形態について説明する。
本発明が殺菌の対象とするプリフォームは、PETを射出成形することによって、試験管状の有底筒状体として形成される。プリフォームは、後に所望の形状のボトル(図示せず)に成形されるが、図1(A)(B)に示すように、プリフォーム1には、成形後のボトルにおけると同様な口部1aをその成形当初に付与される。この口部1aの外周面にはプリフォーム1の成形と同時に雄ネジ2が形成される。この雄ネジ2は、ボトルの口部1aに被せられるキャップ(図示せず)の雌ネジと螺合可能である。雄ネジ2の下方には後にボトル内へ飲料等を充填する際に利用されるサポートリング3が形成される。
このプリフォーム1を殺菌する装置は、図2及び図3のように構成される。
図2及び図3中、符号4は無端ベルト式のコンベアを示す。このコンベア4の矢印で示す走行方向の上流側には、プリフォーム成形機(図示せず)が配置される。プリフォーム成形機から放出される成形済のプリフォーム1はコンベア4の上流部で図示しないホッパ等の使用によって受け止められる。図2に示すように、成形されたプリフォーム1は、コンベア4上に不揃いな向きで横臥状態になって乗せられる。
コンベア4の中間部は水平に走行可能であり、この中間部には第一と第二のチャンバ5,6が直列状態でフード状に被せられる。
図2及び図3に示すように、第一のチャンバ5は、コンベア4を両側から挟むように配置される両側壁7と、両側壁7の前後端に配置された前後壁8,9と、両側壁7及び前後壁8,9の上側を遮蔽する天壁10とを有する。
両側壁7には、コンベア4の側縁側からコンベア4を横切る方向に加温エアHを吐出する予熱用ノズル11が各々取り付けられる。予熱用ノズル11は両側壁7に一個ずつ取り付けることも可能であるが、望ましくは両側壁7にコンベア4の走行方向に向かって複数個ずつ配列される。
また、予熱用ノズル11としては、円形の開口を有するものであってもよいし、スリット状の開口を有するものであってもよい。
各予熱用ノズル11の上流からは無菌の加温エアHが供給され、この加温エアHが各予熱用ノズル11の先端から第一のチャンバ5内に吐出されてコンベア4上のプリフォーム1の表面に吹き付けられると、加温エアHの熱によってプリフォーム1の表面が予熱される。
この加温エアHが予熱用ノズル11から吹き出す時の温度は、望ましくは80℃〜130℃であり、加温エアによって予熱されたプリフォーム1の表面の温度は、望ましくは40℃〜70℃である。40℃よりも低いと後に吹き付ける過熱蒸気Sの温度等をさほど低減することができず、70℃よりも高いとプリフォーム1の口部1aに変形を来すおそれがある。
また、加温エアHはチャンバ5内でコンベア4の両側からコンベア4を横切る方向に吐出され、プリフォーム1はコンベア4上で振動等によって横転しうるので加温エアHがプリフォーム1の表面にまんべんなく均一に接触する。同時に加温エアは横向きになったプリフォーム1の口部1aからもプリフォーム1内に流入し、プリフォーム1の内面に均一に接触する。さらに、予熱用ノズル11から吐出された加温エアHは第一のチャンバ5内に充満して循環することから、この予熱用エアHの流れもプリフォーム1の表面に均一に付着する。これにより、プリフォーム1の全表面が加温エアHによって適正に予熱される。
上記第一のチャンバ5の前後壁8,9には、コンベア4とその上に乗ったプリフォーム1が通過することができるように、開口8a,9aが形成される。また、天壁10には排気ダクト12が連結される。上記第一のチャンバ5内に吐出された加温エアHは図示しないブロアの駆動により排気ダクト12内に吸引され、第一のチャンバ5の外へと排出される。
加温エアHの発生部は、図4(A)に示すように、ブロア13と、除菌フィルタ14と、電熱器15とを備える。ブロア13から取り込まれた外気が除菌フィルタ14によって除菌され、電熱器15で所定温度まで加熱された後、無菌の加温エアHとなって配管から各予熱用ノズル11へと送られる。
なお、ブロア13から除菌フィルタ14に向かうエアには加熱した蒸気を添加することで、このエアを予備加熱するとともに加湿し、電熱器15から出る無菌の加温エアHの熱容量を高めるようにしてもよい。また、除菌フィルタ14は、プレフィルタとULPAフィルタを直列に連結したものであってもよい。プレフィルタを設けることでULPAフィルタの寿命を長くすることが可能である。
図2及び図3に示すように、第一のチャンバ5には第二のチャンバ6がコンベア4の下流側から隣接する。
この第二のチャンバ6も第一のチャンバ5と同様に、コンベア4を挟むように配置される両側壁16と、両側壁16の前後端に配置された前後壁17,18と、両側壁16及び前後壁17,18の上側を遮蔽する天壁19とを有する。
両側壁16には、コンベア4の側縁側からコンベア4を横切る方向に過熱蒸気Sを吐出する殺菌用ノズル20が各々取り付けられる。殺菌用ノズル20は両側壁16に一個ずつ取り付けることも可能であるが、望ましくは両側壁16にコンベア4の走行方向に向かって複数個ずつ配列される。
また、殺菌用ノズル20としては、円形の開口を有するものであってもよいし、スリット状の開口を有するものであってもよい。
各殺菌用ノズル20の上流から過熱蒸気Sが供給され、過熱蒸気Sが各殺菌用ノズル20の先端から第二のチャンバ6内に吐出されてコンベア4上のプリフォーム1の表面に吹き付けられると、過熱蒸気Sの熱によって上記予熱されたプリフォーム1の表面が殺菌される。
プリフォーム1に吹き付ける過熱蒸気Sの温度は望ましくは200℃〜700℃であり、より望ましくは250℃〜500℃である。200℃〜700℃の温度範囲であれば、プリフォーム1の表面のみ高温に曝すことで、短時間でプリフォーム1の表面に付着した菌を殺菌することができる。過熱蒸気Sの温度が200℃未満では、殺菌のため長時間の吹き付けが必要となって、プリフォーム1を構成するPET自体が高温となり、プリフォーム1の変形が大きくなる。また、700℃を超えると、短時間でもプリフォーム1を構成するPET自体の温度が上がり、プリフォーム1に変形を生じ易くなる。
また、プリフォーム1に吹き付ける過熱蒸気Sの圧力は、大気圧よりも高い圧力であり、望ましくは0.1MPaよりも高く0.3MPa未満である。0.1MPaの近傍であれば、過熱蒸気Sがプリフォーム1に接して温度が低下しても、結露する可能性は低く、0.3MPaよりも圧力が高いと、プリフォーム1に加熱蒸気Sを吹き付けた際にプリフォーム1の表面で結露する可能性がある。結露が発生すると、後にボトル等にブロー成形した際にボトル2の表面に白化等を生じるおそれがある。
また、過熱蒸気Sをプリフォーム1に吹き付ける時間は、1.0秒〜10.0 秒であるのが望ましい。1.0秒未満であると、殺菌不良を生じ易くなり、10.0秒より永いとプリフォーム1の口部1aに変形を生じ易くなる。この過熱蒸気Sの吹き付け時間は、上述のごとく予めプリフォーム1の表面を予熱していることから、予熱を行なわない場合に比べ、プリフォーム1の表面の過熱蒸気Sによる殺菌が効率的に行われ、過熱蒸気Sの吹き付け時間が短くて済み、結果として省エネルギーとなる。
また、過熱蒸気Sは第二のチャンバ6内でコンベア4の両側からコンベア4を横切る方向に吐出され、プリフォーム1はコンベア4上で振動等によって横転しうるので過熱蒸気Sがプリフォーム1の表面にまんべんなく均一に接触する。同時に過熱蒸気Sは横向きになったプリフォーム1の口部1aからもプリフォーム1内に流入し、プリフォーム1の内面に均一に接触する。さらに、殺菌用ノズル20から吐出された過熱蒸気Sは第二のチャンバ6内に充満して循環することから、この過熱蒸気Sの流れもプリフォーム1の表面に均一に付着する。これにより、プリフォーム1の全表面が過熱蒸気Sによって適正に殺菌される。
上記第二のチャンバ6の前後壁17,18には、コンベア4とその上に乗ったプリフォーム1が通過することができるように、開口17a,18aが形成される。また、天壁19には排気ダクト21が連結される。上記第二のチャンバ6内に吐出された過熱蒸気Sは図示しないブロアの駆動により排気ダクト21内に吸引され、第二のチャンバ6の外へと排出される。
上記過熱蒸気Sは、図4(B)に示す市販の過熱蒸気発生装置22を使用することにより得ることができる。具体的には、トクデン株式会社製の商品名UPSSである過熱蒸気発生装置を用いることができる。これは、図示しないが、螺旋状に巻回された導電体からなる通水パイプの螺旋の中央に誘導加熱コイルを挿入してなるもので、水を通水パイプ内に導き、誘導加熱コイルに交流電圧を印加するようになっている。交流電圧をインバータにより周波数変換して通電することも可能である。交流電圧の印加により、誘導加熱コイルが交番磁束を発生し、通水パイプに誘導電流が流れ、通水パイプが発熱する。この通水パイプの発熱によって中を流れる水が加熱されて飽和蒸気となり、さらに過熱蒸気Sとなり、通水パイプ外へ取り出される。
なお、誘導加熱コイルを導電性のチューブとし、これに通水することでさらに加熱効果を高めることも可能である。
上記過熱蒸気発生装置22によれば、過熱蒸気Sとして、圧力が0.1MPa程度で、温度が200℃〜700℃のものを得ることが可能である。上記誘電加熱方式を採用することにより、通電開始から短時間で水を200℃以上の過熱蒸気Sとすることができる。この過熱蒸気Sは、過熱蒸気発生装置22の通水パイプの終端に接続された導管23の先端から取り出され、各殺菌用ノズル20へ分配される。
上記コンベア4における第二のチャンバ6よりも下流側は、図示しないコンテナ等の大型容器に向かって伸びている。第二のチャンバ6内で過熱蒸気Sにより殺菌されたプリフォーム1は、コンベア4により大型容器へと運ばれ、大型容器内に投入される。大型容器は所定量のプリフォーム1が入れられた後密閉され、保管され、ボトルに成形する工場へと搬送される。
また、コンベア4における第二のチャンバ6よりも下流側がブロー成形機に接続されている場合は、殺菌されたプリフォーム1は直ちにブロー成形に付され、ボトル等の容器に成形される。さらに、ブロー成形機が飲料等の内容物充填機に接続されている場合は、ボトル等の容器に飲料等の内容物が充填され、密封され、無菌充填包装品として排出される。
次に、上記プリフォーム殺菌装置の作用をプリフォーム殺菌方法と共に説明する。
プリフォーム1の殺菌処理を開始する前に予め第一及び第二のチャンバ5,6内が過酸化水素水等の薬剤のスプレーにより殺菌処理される。
プリフォーム成形機の稼働により、成形されたプリフォーム1が走行するコンベア4の上流側に投入される。プリフォーム成形機から放出されるプリフォーム1はコンベア4の上流部で受け止められ、図2及び図3に示すように、コンベア4上に不揃いな横臥状態となる。
コンベア4上のプリフォーム1はコンベア4と共に第一のチャンバ5内に入り、予熱用ノズル11から吐出される加温エアHの吹き付けにより予熱される。
加温エアHは第一のチャンバ5内でコンベア4の両側からコンベア4を横切る方向に吐出され、また、プリフォーム1はコンベア4上で振動等によって横転しうるので加温エアHがプリフォーム1の外面にまんべんなく均一に接触する。
加温エアHは横向きになったプリフォーム1の口部1aからもプリフォーム1内に流入し、プリフォーム1の内面に均一に接触して加温する。
予熱用ノズル11から吐出された加温エアHは、第一のチャンバ5内に充満して循環することから、この加温エアHも流れつつプリフォーム1の表面に均一に接触する。これにより、プリフォーム1の全表面が加温エアHによって均一に予熱される。
プリフォーム1は加温エアHを吹き付けられつつコンベア4と共に第一のチャンバ5を通過し、続いて第二のチャンバ6内に入って殺菌用ノズル20から吐出される過熱蒸気Sの吹き付けにより殺菌される。
過熱蒸気Sは第二のチャンバ6内でコンベア4の両側からコンベア4を横切る方向に吐出され、また、プリフォーム1はコンベア4上で振動等によって横転しうるので過熱蒸気Sはプリフォーム1の外面にまんべんなく均一に付着する。
過熱蒸気Sは横向きになったプリフォーム1の口部1aからもプリフォーム1内に流入し、プリフォーム1の内面に均一に接触して殺菌する。
殺菌用ノズル20から吐出された過熱蒸気Sは、第二のチャンバ6内に充満して循環することから、この過熱蒸気Sも流れつつプリフォーム1の表面に均一に付着する。これにより、プリフォーム1の全表面が過熱蒸気Sによって均一に殺菌される。
コンベア4の走行に伴い第二のチャンバ6から出た殺菌済のプリフォーム1は、コンテナ等の大型容器内に投入される。あるいはコンテナ等に梱包されることなくブロー成形機、充填機へと搬送され、無菌包装体となって排出される。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることなく種々の形態にて実施可能である。
第一のチャンバ5及び第二のチャンバ6はそれぞれ幅1,000mm、長さ1,500mm、高さ200mmとした。これに容量500mlボトル用プリフォームを860本/分供給しコンベア4を所定の速度で運転した。また、第一のチャンバ5内での加温エアHの温度及び第二のチャンバ6内での過熱蒸気Sの吹き出し温度についても表1のごとく設定したところ、同表のような結果を得た。
なお、表1中、「B.sub」は、Bacillus subtilisの略語であり、「A.niger」は、Aspergillus nigerの略語である。「D」は殺菌効果を示すD値である。
表1の結果から明らかなように、プリフォームを予熱しない場合はA.nigerについて3.0Dであったが、加温エアの吹き付けによりプリフォームを予熱した場合は、過熱蒸気の温度を上げたり、吹き付け量を増やしたりしなくとも、A.nigerについて6.0D以上の殺菌効果を得ることができた。
1…プリフォーム
4…コンベア
5…第一のチャンバ
6…第二のチャンバ
11…予熱用ノズル
20…殺菌用ノズル
H…加温エア
S…過熱蒸気
4…コンベア
5…第一のチャンバ
6…第二のチャンバ
11…予熱用ノズル
20…殺菌用ノズル
H…加温エア
S…過熱蒸気
Claims (4)
- 有底筒状に形成された多数のプリフォームをコンベア上に投入して不揃いな横臥状態にし、これらプリフォームを、コンベアによって第一のチャンバ内を通過させながら、コンベアの両側から加温エアをプリフォームに吹き付けてプリフォームを予熱し、引き続きプリフォームを、コンベアによって第二のチャンバ内を通過させながら、コンベアの両側から過熱蒸気をプリフォームに向かって吹き付けてプリフォームを殺菌することを特徴とするプリフォーム殺菌方法。
- 請求項1に記載のプリフォーム殺菌方法において、上記加温エアの吹き付けにより、プリフォームの表面を40℃〜70℃に予熱することを特徴とするプリフォーム殺菌方法。
- 請求項1に記載のプリフォーム殺菌方法において、過熱蒸気は水を誘電加熱することによって発生させることを特徴とするプリフォーム殺菌方法。
- 有底筒状に形成されたプリフォームを横臥状態で乗せて搬送するコンベアと、このコンベアの水平走行部に直列に設置された第一及び第二のチャンバと、第一のチャンバ内でコンベアの両側から加温エアをプリフォームに向かって吹き付けてプリフォームを予熱する予熱用ノズルと、第二のチャンバ内でコンベアの両側からプリフォームに向かって過熱蒸気を吹き付けてプリフォームを殺菌する殺菌用ノズルとを具備したことを特徴とするプリフォーム殺菌装置。
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