JP6291765B2 - ボトルの殺菌方法 - Google Patents

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本発明は、ボトルの殺菌方法に関する。
従来、多数のPET(ポリエチレンテレフタレート)製プリフォームを、それらの中に各々過酸化水素水を一定量ずつ供給したうえで収納体内に収納し、この収納体を密封して所定時間保持することによってプリフォームを殺菌し、しかる後、収納体からプリフォームを取り出してブロー成形機に送り、ボトルに成形している(例えば、特許文献1、2参照。)。
また、PET(ポリエチレンテレフタレート)製のプリフォームを搬送しながら過酸化水素等の殺菌剤のガスをプリフォームに吹き付けて殺菌処理し、ブロー成形機によってプリフォームをボトルに成形し、このボトルに飲料を充填し、キャッピングして無菌包装体とするというインラインシステムとしての無菌充填方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、蒸発させた殺菌剤をプリフォームに付着させ、残留した殺菌剤をバーナーによる火炎で排出するという方法(例えば、特許文献4参照。)や、殺菌剤の蒸気をプリフォームにスプレーし、次いでプリフォームを加熱した後にブロー成形するという方法(例えば、特許文献5参照。)も提案されている。
一方、殺菌剤を使用することなくプリフォームを殺菌する方法として、プリフォーム内に水蒸気を吹き込んでガラス転移点温度以上の温度を所定時間維持することでプリフォーム内を殺菌し、その直後にエアを吹き込んで水蒸気のドレンを除去するという方法が提案されている(例えば、特許文献6参照。)。
特許第4334670号公報 特許第4408194号公報 特開2001−212874号公報 特許第3780165号公報 特開2008−183899号公報 特開2007−111886号公報
過酸化水素水を定量ずつ入れたプリフォームを収納体内に入れて所定時間保持することによりプリフォームを殺菌し、その後、収納体を開封してプリフォームを収納体から取り出し、この取り出したプリフォームをブロー成形機に供給してボトルに成形する方法は、収納体からプリフォームを取り出してブロー成形機に供給する過程でカビ等の菌類がプリフォームに付着しやすくなるという問題がある。
また、インラインで過酸化水素を用いてプリフォームを殺菌する方法は、過酸化水素のガスをプリフォームに吹き付けるものであるから、はたしてプリフォームの全面に過酸化水素のガスが接触したか否か、また、すべてのプリフォームに均等に過酸化水素のガスが接触したか否かを確かめることが困難であるという問題がある。
また、インラインで過酸化水素によりプリフォームを殺菌する場合は、過酸化水素を多めにプリフォームに供給しているが、過酸化水素が多量にプリフォームに付着すると、ボトルに成形した際、ボトル内に過酸化水素が残留しやすくなるという問題がある。
一方、水蒸気でプリフォーム内を殺菌する方法によれば、殺菌剤の残留という問題は解消されるが、水蒸気のドレンがプリフォーム内に残留するとボトルに成形した際に白化等が発生しやすくなるので、殺菌後にドレンを除去する工程を設けなければならないという問題がある。また、プリフォームの口部に水蒸気が掛かると、口部が変形しやすくなり、後に口部に蓋を被せた際に密封性が損なわれる原因となる。さらに、単なる水蒸気による殺菌では、プリフォーム表面を十分に殺菌することができないという問題がある。
本発明は、このような問題点を解消することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
すなわち、請求項1に係る発明は、過酸化水素水を一定量ずつ入れた多数のプリフォーム(1)を収納体(6)内に入れ、この収納体(6)を密封して所定時間保持した後、収納体(6)からプリフォーム(1)を取り出して、筒状ノズル(30)の直下を搬送されるプリフォーム(1)の口部(3)を含む全表面のうち少なくとも内面に、水から作った200℃〜500℃の0.1MPaよりも高く0.3MPa未満の圧力の過熱蒸気(S)を筒状ノズル(30)から吹き付け、プリフォーム(1)をブロー成形温度まで加熱し、しかる後、プリフォーム(1)を成形型(23)内でボトル(2)にブロー成形するボトルの殺菌方法を採用する。
請求項2に記載されるように、請求項1に記載のボトルの殺菌方法において、上記過酸化水素水は定量噴射装置により一定量ずつプリフォーム(1)内に噴射することも可能である。
請求項3に記載されるように、請求項1に記載のボトルの殺菌方法において、上記過熱蒸気(S)は水を誘電加熱することによって発生させることも可能である。
請求項4に記載されるように、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のボトルの殺菌方法において、上記過熱蒸気(S)に過酸化水素を添加することも可能である。
本発明によれば、過酸化水素水を一定量ずつ入れた多数のプリフォームを収納体内に入れ、この収納体を密封して所定時間保持した後、収納体からプリフォームを取り出して、プリフォームの口部を含む全表面のうち少なくとも内面に、水から作った200℃〜500℃の大気圧よりも高い圧力の過熱蒸気を吹き付け、プリフォームをブロー成形温度まで加熱し、しかる後、プリフォームを成形型内でボトルにブロー成形するボトルの殺菌方法であるから、プリフォームを収納体からブロー成形機に移し替える際にプリフォームにカビ等の菌類が付着したとしても、その菌類を適正に殺菌した上でブロー成形機に供給することができる。したがって、殺菌性に優れたボトル詰め製品を製造することができる。また、殺菌に用いる過熱蒸気の素は水であるから、直接過酸化水素を用いる場合のような過酸化水素の残留の問題がない。また、過熱蒸気を殺菌に用いることで水蒸気のドレンを発生させることなく殺菌することができるので、プリフォームからドレンを除去する工程が不要になり、それだけボトルの製造速度を向上させることができる。さらに、ブロー成形機に供給する際にプリフォームを殺菌するので、収納体に収納する前にプリフォームに供給する過酸化水素の量を低減することができる。
(A)は本発明に係るボトルの殺菌方法により殺菌可能なプリフォームを示す垂直断面図、(B)はこのプリフォームをブロー成形して得られるボトルの部分切欠正面図である。 プリフォーム内に過酸化水素を所定量供給するための過酸化水素供給装置の概略平面図である。 過酸化水素供給装置の過酸化水素水噴射ノズルの垂直断面図である。 過酸化水素水噴射ノズルの動作説明図である。 過酸化水素供給装置により過酸化水素が供給されたプリフォームが多数収納された収納体の概略垂直断面図である。 収納体から取り出されたプリフォームを搬送しつつボトルに成形する過程を示す説明図である。 成形したボトルを搬送しつつボトル詰め製品とするまでの過程を示す説明図である。 過熱蒸気によりプリフォームを殺菌する工程を示す説明図である。 収納体から取り出されたプリフォームを搬送しつつ殺菌し、ボトルに成形し、成形したボトルに飲料を充填して密封する無菌充填装置の概略平面図である。
以下に本発明を実施するための形態について説明する。
この実施の形態では、図1(A)に示すプリフォーム1から同図(B)に示すボトル2が殺菌された状態で成形される。
プリフォーム1は、全体として試験管状であり、雄ネジ3aを有する口部3、口部3に続く有底筒状の胴部4、口部3の下端に形成されたサポートリング5等を備え、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)を射出成形することにより一体で形成される。
射出成形されたプリフォーム1は後述するように殺菌液として過酸化水素水を一定量だけ供給された後、収納体であるコンテナ6に入れられて運搬、保管され、その後胴部4がブロー成形され、図1(B)に示すようなより大きな容積を有するボトル2とされる。そして、ボトル2には内容物である飲料a(図7(E))が充填され、キャップ7(図7(F))等で打栓密封されてボトル詰め製品とされる。
最初に、プリフォーム1の内部には、図2に示す過酸化水素供給装置によって過酸化水素水が所定量ずつ供給される。
過酸化水素水としては、例えば過酸化水素水溶液を揮発性の溶剤で希釈したものが使用される。過酸化水素水中の過酸化水素の濃度は例えば0.1〜10重量%とされる。溶剤としては例えばエチルアルコール、メチルアルコール、アセトン、イソプロピルアルコール又は複数種の溶剤を混ぜた混合溶剤が用いられる。過酸化水素水としては過酸化水素水溶液を単独で用いることもできるが、過酸化水素水溶液を揮発性の溶剤で希釈したものを用いることもできる。かくすることにより、過酸化水素水がプリフォーム1の内面に速やかに薄い被膜となって拡がることになるので、過酸化水素水の蒸発が促進され、プリフォーム1の内面の殺菌時間が短縮される。
過酸化水素供給装置は、具体的には、図2に示すように、プリフォーム1を搬送する搬送部8と、過酸化水素水を計量して搬送中のプリフォーム1の中空内に噴射する手段である噴射ノズル9と、噴射ノズル9から噴射される過酸化水素水の付着したプリフォーム1を封入する収納体であるコンテナ6とを具備する。
搬送部8は、複数個のターンテーブル8a,8bを備える。各ターンテーブル8a,8bはその回りに多数のプリフォーム1を把持するグリッパ10を等間隔で有し、ターンテーブル8a,8b同士が隣接して同じ周速度で回転しつつ、グリッパ10間でプリフォーム1を授受するようになっている。上流側のターンテーブル8aには例えばプリフォームの射出成形機11が供給コンベア8cを介して接続される。射出成形機11で射出成形されたプリフォーム1が供給コンベア8cによってターンテーブル8aのグリッパ10に渡される。射出成形機11が他の場所に置かれている場合は、射出成形された多数のプリフォーム1が供給コンベア8cの入口まで図示しないコンテナ等により運搬され、供給コンベア8cからターンテーブル8aへと供給される。下流側のターンテーブル8bには排出コンベア8dを介して収納体であるコンテナ6が連結される。下流側のターンテーブル8bにより搬送されつつ噴射ノズル9により過酸化水素水が噴射されたプリフォーム1は下流側のターンテーブル8bから排出コンベア8d上に放出され、排出コンベア8dはプリフォーム1をコンテナ6内に投入する。
噴射ノズル9は、導管12により過酸化水素水の貯留タンク13と連結される。図示例では二基の噴射ノズル9がターンテーブル8a上の前後二つのプリフォーム1に各々対向するように配置される。もちろん、噴射ノズル9はひとつのプリフォーム1に対向するように一基のみ配置してもよいし、三つ以上のプリフォーム1に対向するように三基以上配置してもよい。
図3に示すように、噴射ノズル9は、噴射ノズル9内に貯留タンク13の液高と同じ液高で一定量溜まった過酸化水素水18を計量し一定方向に噴出させるようにしたもので、先端に吐出口14aを有するシリンダ14を備える。シリンダ14には貯留タンク13からの導管12が連結され、導管12の連結箇所よりも上方にオーバーフロー用の開口14bが形成される。オーバーフロー用の開口14bからオーバーフローする過酸化水素水はパイプ14cにより回収される。
シリンダ14内には、シリンダ14内の過酸化水素水を定量取り込む筒状の枡弁15と、枡弁15内をスライド可能なプランジャ16と、プランジャ16の中心をスライド可能な吐出口14aに対向するニードル弁17とが設けられる。枡弁15、プランジャ16及びニードル弁17はエア等の作動流体を利用した図示しないエアシリンダ装置、サーボモータ等によりそれぞれ駆動される。
噴射ノズル9は、図4に示すように動作し、吐出口14a下にプリフォーム1が到達すると、プリフォーム1の開口に向かって過酸化水素水を一定量ずつ噴射する。
まず、枡弁15が吐出口14a側に降下して一定量の過酸化水素水を計量して捕捉し(図4(A))、ニードル弁17が上昇して吐出口14aを開け(図4(B))、プランジャ16が降下して枡弁15内の過酸化水素水を吐出口14aから矢印方向に噴射させる(図4(C))。この過酸化水素水の噴射量はプリフォーム1の容積、内表面積等によって相違するが、大体0.05〜100μリットルの範囲内における所定の容量である。過酸化水素水をプリフォーム1に対して噴射すると、ニードル弁17が降下して吐出口14aを閉じ(図4(D))、続いて枡弁15が上昇する(図4(E))。最後にプランジャ16が上昇し(図4(F))、過酸化水素水が貯留タンク13からシリンダ14内に流入する。以上の動作がプリフォーム1ごとに繰り返され、各プリフォーム1内に過酸化水素水が計量された量だけ噴射される。
所定量の過酸化水素水が入れられたプリフォーム1は、コンテナ6内に排出コンベア8dから投入される。
図5に示すように、コンテナ6内には合成樹脂製の袋19が膨らんだ状態で入れられ、この袋19内にプリフォーム1が投入される。プリフォーム1が所定量蓄積すると、袋19が塞がれ、蓋6aが被せられ、コンテナ6ごと搬出される。その後、コンテナ6は無菌充填が行われる工場まで運搬され、保管され、その間コンテナ6の袋19内では各プリフォーム1内で過酸化水素水が蒸発し、プリフォーム1内を殺菌する。
このような殺菌のためのエイジングが行われた後、コンテナ6が開封され、袋19が開かれ、殺菌済のプリフォーム1がコンテナ6内の袋19から取り出されて無菌充填装置(図9参照)に送られ、ボトル詰め製品とされる。
無菌充填装置について、図9に基づき、その概略を説明する。
図9に示すように、この無菌充填装置は、上記コンテナ6から取り出したプリフォーム1を所定の間隔で順次供給するプリフォーム供給機20と、ブロー成形機21と、成形されたボトル2に内容物aを充填、密封する充填機22とを備える。
プリフォーム供給機20から充填機22に至る間には、プリフォーム1を第一の搬送路上で搬送するプリフォーム用搬送手段と、上記第一の搬送路に接続される第二の搬送路上でボトル2の成形用金型23を旋回させる金型用搬送手段と、金型23で成形されたボトル2を上記第二の搬送路に接続される第三の搬送路上で搬送するボトル用搬送手段とが設けられる。
プリフォーム用搬送手段の第一の搬送路と、金型用搬送手段の第二の搬送路と、ボトル用搬送手段の第三の搬送路は互いに連通し、これらの搬送路上にはプリフォーム1やボトル2を保持しつつ搬送する図示しないグリッパ等が設けられている。
プリフォーム用搬送手段は、その第一の搬送路上に、プリフォーム1を所定の間隔で順次供給するプリフォームコンベア24を備える。また、プリフォームコンベア24の終端からプリフォーム1を受け取って搬送するホイール25,26,27,28の列と、ホイール28からプリフォーム1を受け取って走行させるコンベア29とを具備する。
プリフォーム供給機20におけるプリフォームコンベア24がホイール25に接続される箇所よりもやや上流側には、過熱蒸気S(図6(A)、図8参照)をプリフォーム1に向かって噴射する筒状ノズル30及びスリット状ノズル31が設けられる。これらのノズル30,31から加熱前のプリフォーム1に向かって過熱蒸気Sが吹き付けられる。これにより、プリフォーム1の内外面が均等に加熱殺菌される。
コンベア29は水平方向に長く伸びる無端搬送チェーンを有し、この無端搬送チェーンに沿って加熱部29aが設けられている。無端搬送チェーンには、図6(B)に示すスピンドル32が一定ピッチで多数取り付けられる。各スピンドル32は無端搬送チェーンの走行と共に走行しながら自転可能である。ホイール28側からコンベア29に送られたプリフォーム1には、図6(B)に示すようにスピンドル32がプリフォーム1の口部1aから挿入され、スピンドル32に正立状態で保持される。
プリフォーム1は、プリフォームコンベア24、ホイール25,26,27,28の列を経てコンベア29に受け取られ、加熱部29a内をこのコンベア29によって往復移動する。加熱部29aの内壁面には、ヒータ33(図6(B)参照)が張り巡らされており、コンベア29によって搬送されるプリフォーム1がこのヒータ33によって加熱される。プリフォーム1はコンベア29上を走行中スピンドル32の回転と共に自転し、ヒータ33によって均一に加熱される。
ブロー成形機21は、上記プリフォーム供給機20の加熱部29aで加熱されたプリフォーム1を受け取ってボトル2に加熱成形する金型23及びブローノズル34(図6(C)参照)を複数セット備える。
ブロー成形機21内には、上記金型用搬送手段の第二の搬送路が通っている。この第二の搬送路は、ホイール35,36,37,27,38の列によって構成される。
なお、このホイール35,36,37,27,38の列と上記プリフォーム用搬送手段のホイール19,20,21,22の列との間ではホイール27が共用される。
金型23及びブローノズル34は、ホイール36の回りに複数個配置され、ホイール36の回転とともにホイール36の回りを一定速度で旋回する。
ホイール35の図示しないグリッパがプリフォーム供給機20の加熱部29aで加熱されたプリフォーム1をスピンドル32ごと受け取ってホイール36の回りの金型23に受け渡すと、二つ割りの金型23が閉じてプリフォーム1を図6(C)のごとく把持する。金型23内のプリフォーム1はホイール36の回りを金型23及びブローノズル34と共に旋回しながら、ブローノズル34からブロー成形用の高圧エアでブローされることによりボトル2の完成品に成形される。プリフォーム1は、図6(B)に示したように、上記ヒータ33によって所定の温度まで均一に加熱されていることから、円滑にブロー成形される。
金型23のキャビティC内にプリフォーム1が密着しボトル2が形成されると、この金型23はホイール37に接したところで型開きし、ボトル2及びスピンドル32を解放する。そして、ボトル2がスピンドル32からホイール37の図示しないグリッパによって受け取られる。
一方、ボトル2を解放したスピンドル32は、ホイール35を経て上記コンベア29へと復帰し、引き続き他のプリフォーム1を保持して搬送する。
一方、ボトル2は、ホイール37からホイール27を経てホイール38へと搬送される。
充填機22は、上記ボトル用搬送手段の第三の搬送路をその内部に有する。この第三の搬送路は、ホイール39,40,41,42,43,44の列を有する。
充填機22内には、ボトル2に飲料aを充填するためのフィラー45が設けられ、飲料aが充填されたボトル2にキャップ7(図7(F)参照)を取り付けて密封するためのキャッパー46が設けられる。
また、この無菌充填装置はチャンバー47で囲まれており、チャンバー47内は無菌ゾーンとグレーゾーンに仕切られている。そして、プリフォーム供給機20及びブロー成形機21はグレーゾーンに、充填機22は無菌ゾーンにそれぞれ配置されている。
グレーゾーンにはHEPAで無菌化されたエアが常時吹き込まれ、これにより、成形時に殺菌されたボトル2が微生物に二次汚染されることなく無菌ゾーンへと搬送される。
次に、上記過酸化水素供給装置及び無菌充填装置を用いた本実施形態の方法の一連の工程について説明する。
図2に示すように、射出成形機11で射出成形されたプリフォーム1が供給コンベア8cから上流側のターンテーブル8aを経て下流側のターンテーブル8bに供給され、ターンテーブル8bは回転しつつプリフォーム1を順次受け取って噴射ノズル9の直下へと搬送する。
噴射ノズル9のシリンダ14内には貯留タンク13から一定濃度の過酸化水素水18が供給される。
噴射ノズル9は、シリンダ14内において枡弁15で一定容積の過酸化水素水18を取り込み、吐出口14a下にプリフォーム1が到来すると、ニードル弁17で吐出口14aを開け、プランジャ16で過酸化水素水を吐出口14aから噴射させる。
噴射ノズル9の吐出口14aから発射された過酸化水素水は直線状になってプリフォーム1内に速やかに入る。
適正量の過酸化水素水が噴射されたプリフォーム1は下流側ターンテーブル8b、排出コンベア8dを経てコンテナ6内の袋19内に投入される。
コンテナ6内にプリフォーム1が所定量蓄積されると、コンテナ6内の袋19が塞がれ、コンテナ6が過酸化水素供給装置外へと搬出される。
このコンテナ6はその後無菌充填を行う工場等へと運搬され、保管される。この運搬、保管等の間にコンテナ6の袋19内では各プリフォーム1内で過酸化水素水が蒸発し、過酸化水素の蒸気がプリフォーム1の内外面を殺菌する。このような殺菌のためのエイジングが行われた後、コンテナ6内の袋19が開封され、殺菌済のプリフォーム1がコンテナ6から取り出される。
殺菌済のプリフォーム1は、無菌充填装置内で、図6(A)(B)(C)、図7(D)(E)(F)に示す各工程に付される。
まず、図6(A)及び図8に示すように、プリフォーム1の殺菌が、プリフォーム1の口部1aを含むプリフォーム全体の内外面に、水から作った200℃〜500℃の大気圧よりも高い圧力の過熱蒸気Sを吹き付けることにより行われる。
この過熱蒸気により殺菌する菌類は、プリフォーム1をコンテナ6から取り出した際にプリフォーム1に付着したカビ等である。
プリフォーム1に吹き付ける過熱蒸気Sの温度は望ましくは200℃〜500℃であり、より望ましくは250℃〜400℃である。200℃〜500℃の温度範囲であれば、プリフォーム1の表面のみ高温に曝すことで、短時間でプリフォーム1の表面に付着した菌を殺菌することができる。過熱蒸気Sの温度が200℃未満では、殺菌のため長時間の吹き付けが必要となって、プリフォーム1を構成するPET自体が高温となり、プリフォーム1の変形が大きくなる。また、500℃を超えると、短時間でもプリフォーム1を構成するPET自体の温度が上がり、プリフォーム1に変形を生じ易くなる。
プリフォーム1に吹き付ける過熱蒸気Sの圧力は、大気圧よりも高い圧力であり、望ましくは0.1MPaよりも高く0.3MPa未満である。0.1MPaの近傍であれば、過熱蒸気Sがプリフォーム1に接して温度が低下しても、結露する可能性は低く、0.3MPaよりも圧力が高いと、プリフォーム1に過熱蒸気Sを吹き付けた際にプリフォーム1の表面で結露する可能性がある。結露が発生すると、後にボトル等にブロー成形した際にボトル2の表面に白化等を生じるおそれがある。
なお、プリフォーム1の殺菌は、プリフォーム1の内面については必須であるが、外面については後述するブロー成形のための加熱によって行うことも可能であり、あるいは、ブロー成形後に所望の殺菌工程を付加することによって行うことも可能である。
過熱蒸気Sは、市販の過熱蒸気発生装置48を使用することにより得ることができる。具体的には、トクデン株式会社製の商品名UPSSである過熱蒸気発生装置を用いることができる。これは、図示しないが、螺旋状に巻回された導電体からなる通水パイプの螺旋の中央に誘導加熱コイルを挿入してなるもので、水を通水パイプ内に導き、誘導加熱コイルに交流電圧を印加するようになっている。交流電圧をインバータにより周波数変換して通電することも可能である。交流電圧の印加により、誘導加熱コイルが交番磁束を発生し、通水パイプに誘導電流が流れ、通水パイプが発熱する。この通水パイプの発熱によって中を流れる水が加熱されて飽和蒸気となり、さらに過熱蒸気Sとなり、通水パイプ外へ取り出される。
なお、誘導加熱コイルを導電性のチューブとし、これに通水することでさらに加熱効果を高めることも可能である。
過熱蒸気Sとしては、圧力が0.1MPa程度で、温度が200℃〜500℃のものを得ることが可能である。上記誘電加熱方式を採用することにより、通電開始から短時間で水を200℃以上の過熱蒸気とすることができる。
上記通水パイプに通す水にあらかじめ少量の過酸化水素水を添加することにより、過酸化水素を含んだ過熱蒸気Sを作り、これをプリフォーム1に吹き掛けるようにしてもよい。
図8中、符号49は過熱蒸気発生装置48の通水パイプの終端に接続された導管を示し、この導管49の先端に筒状ノズル30が垂下するように取り付けられ、その開口30aが垂直下方に向けられる。
プリフォーム1は、その口部1aを上にした正立状態で筒状ノズル30における円形開口30aの直下を一方向に搬送される。搬送方式は、プリフォーム1を連続走行させる連続搬送方式であってもよいし、筒状ノズル30の開口30a直下で一時停止させる間欠搬送方式であってもよい。プリフォーム1はそのサポートリング5が図示しないクランパにより把持されることにより搬送可能である。
また、図8に示すように、スリット状ノズル31が上記導管49から分岐する分岐管49aの先端に接続され、そのスリット31aがプリフォーム1の側面に対峙するように配置される。望ましくは、スリット状ノズル31は対になってプリフォーム1をその側面から挟むように対向配置され、また、プリフォーム1はその軸芯の回りで回転させられつつ搬送される。プリフォーム1を回転させることなく搬送することも可能であるが、その場合はスリット状ノズル31が複数対配置される。
図示例ではスリット状ノズルであるが、上記筒状ノズルの如き円形ノズルをプリフォーム1の側面あるいは底面に対向配置してもかまわない。
プリフォーム1の殺菌に際しては、過熱蒸気発生装置48から過熱蒸気Sが筒状ノズル30及びスリット状ノズル31へ常時供給され、筒状ノズル30の円形の開口30aとスリット状ノズル31のスリット31aからプリフォーム1に向かって噴出する。ノズル径、角度、プリフォームの軸等は任意であり、上記噴出した過熱蒸気Sがプリフォーム1の全内面に接触するように予め設定される。
これにより、筒状ノズル30の開口30aから噴出した過熱蒸気Sはプリフォーム1の口部1aからプリフォーム1内へと入り、プリフォーム1の全内面に接触し、プリフォーム1の内面に付着した一般細菌、カビ、酵母類を殺菌する。また、この殺菌は過熱蒸気Sをプリフォームの内部に向かって短時間吹き込むことで達成可能であるから、プリフォーム1の口部1aにおける内側からの過度な加熱が防止され、従ってプリフォーム1の口部1aの変形が確実に回避される。
また、スリット状ノズル31のスリット31aから噴出した過熱蒸気Sは、軸芯を中心に回転するプリフォーム1の口部1aを含む全外面に接触して加熱殺菌する。これにより、プリフォーム1の外面に付着した一般細菌、カビ、酵母類が殺菌される。また、この殺菌は過熱蒸気Sをプリフォーム1の外面に向かって短時間吹き付けることで達成可能であるから、プリフォーム1の口部1aにおける外側からの過度な加熱が防止され、従ってプリフォーム1の口部1aの変形が確実に回避される。また、蒸気ドレンがプリフォーム1の表面で結露して残留することもないので、後のブロー成形において製造されたボトル2に白化等を来すこともない。
なお、プリフォーム1の内外面は、筒状ノズル30とスリット状ノズル31の設置箇所を相互にずらすことにより、時間的にずらして殺菌することも可能である。
図6(B)に示すように、プリフォーム1の搬送路に沿ってヒータ33が壁状に配置され、このヒータ33によってプリフォーム1は走行しながら加熱される。プリフォーム1は、この加熱によって約90℃から約130℃程度まで均一に加熱され、ブロー成形に適した加熱状態とされる。
加熱時には、プリフォーム1は、その口部1aにスピンドル32が挿入されることによって正立状態で吊下げられ、スピンドル32と共に回転することによってヒータ33で均一に加熱される。
加熱によってブロー成形に適した温度状態とされたプリフォーム1は、図6(C)に示すように、ブロー成形に付され、容器としてのボトル2に成形される。
ブロー成形型である金型23は、プリフォーム1の走行速度と同じ速度で連続的に走行しつつ、型締め状態とされ、金型23内でプリフォーム1に対するブロー成形が行われた後に型開き状態とされる。
プリフォーム1は、図6(B)に示した加熱工程でその全体の温度が成形に好適な温度域に上昇するようにほぼ均一に加熱されており、その加熱状態のままで、図6(C)に示すように、スピンドル32ごと金型23内に装着される。また、ブローノズル34が金型23の上部及びプリフォーム1の口部1a内のスピンドル32を貫通してプリフォーム1内に挿入される。
金型23が走行する間に、例えば一次ブロー用エアや二次ブロー用エアがブローノズル34からプリフォーム1内に順次吹き込まれること等によって、金型23のキャビティC内でプリフォーム1が最終成形品のボトル2まで膨張する。
このように金型23内でボトル2が成形されると、金型23が走行しつつ型開きし、図7(D)に示すように、ボトル2の完成品が金型23外へ取り出される。
ボトル2は成形後も連続走行しつつ、図7(E)に示すように内容物であるミネラルウォータ、カテキンを含有する茶飲料、炭酸飲料等の内容物aが充填ノズル50からボトル2内に充填され、図7(F)に示すように、蓋であるキャップ7で密封される。
かくて、ボトル詰め製品の包装体とされたボトル2は、集積され市場へと搬出される。
1…プリフォーム
2…ボトル
3…口部
6…収納体
23…成形型
S…過熱蒸気

Claims (4)

  1. 過酸化水素水を一定量ずつ入れた多数のプリフォームを収納体内に入れ、この収納体を密封して所定時間保持した後、収納体からプリフォームを取り出して、筒状ノズルの直下を搬送されるプリフォームの口部を含む全表面のうち少なくとも内面に、水から作った200℃〜500℃の0.1MPaよりも高く0.3MPa未満の圧力の過熱蒸気を筒状ノズルから吹き付け、プリフォームをブロー成形温度まで加熱し、しかる後、プリフォームを成形型内でボトルにブロー成形することを特徴とするボトルの殺菌方法。
  2. 請求項1に記載のボトルの殺菌方法において、上記過酸化水素水は定量噴射装置により一定量ずつプリフォーム内に噴射することを特徴とするボトルの殺菌方法。
  3. 請求項1に記載のボトルの殺菌方法において、上記過熱蒸気は水を誘電加熱することによって発生させることを特徴とするボトルの殺菌方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のボトルの殺菌方法において、上記過熱蒸気に過酸化水素を添加することを特徴とするボトルの殺菌方法。
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