JP5987375B2 - 光パターン形成装置、電子機器及びレーザー加工機 - Google Patents

光パターン形成装置、電子機器及びレーザー加工機 Download PDF

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Description

本発明は、光パターン形成装置、電子機器及びレーザー加工機等に関する。
微細凹凸構造や空間光変調器を用いると、2次元ならびに3次元の光強度分布をホログラフィックに再生できる。このパターン再生技術はレーザープロセス、レーザーディスプレイ、その他へ応用が可能であり、産学で実用化研究が進んでいる。
所望パターンを作成する回折光学素子から再生された光パターン(ビームアレイ)には必ず0次光が付随する。光パターンの応用により、この0次光が必要な場合もあれば不要な場合もある。いずれにしても、素子製作時の誤差により、0次光には不要なエネルギーが残り、パターンの強度分布が乱れてしまう。例えば、レーザー加工へ応用した場合には、加工の均一性が低下し、不要な場所が加工されるといった問題が生じる。
図1(A)〜図1(C)は、0次光20A〜20Cを回避する原理を示す。図1(A)では、所望パターンを形成する回折光学素子10Aに入射光が入射されて形成された光パターンは、集光レンズ12により集光され、0次光20Aはマスク14で遮られる一方で回折光であるビームアレイ22Aがマスク14を通過する。
図1(B)の回折光学素子10Bには、所望パターン形成する位相分布に搬送格子の位相分布が重ねられている。回折光学素子10Bの搬送格子により搬送波の位相分布が付与されたビームアレイ22Bを、0次光20Bから分離している。
図1(C)では、回折光学素子10Cによりビームアレイ22Cのみが集光される一方で0次光20Cは集光されずに平行光となり、ビームアレイ22Cに重畳する0次光20Cは強度が弱くなってビームアレイに対して無視できるようになる。
図1(B)の回折光学素子10Bは搬送格子とは、回折光パターン(ビームアレイ)2Bを運ぶ搬送波の位相分布であり、回折光パターン22Bを付与するための位相分布に重ねられ、回折光パターン(ビームアレイ)22Bを0次光20Bから離している。非特許文献1,2は、図1(B)の原理を用いた光パターン形成装置を開示している。
特許文献1では、位相変調型の空間光変調器に入力される位相パターンとして、光パターンに対応する主位相パターンに、所定の波面歪みを補正する副位相パターンを足し合わせた位相パターンを採用している。こうすると、波面歪みによって0次光の結像度が低下するので、0次光の輝度が出力面上で低減される。読出し光の0次光以外の成分に与えられる波面歪みは、副位相パターンによって補正されることにより、出力面上における光パターンのぼけが防止される。
特開2006−072280号公報
Appl. Opt. 37, 5454-5460(1998) Opt. Lett. 22, 928-930(1997)
非特許文献1,2の技術によれば、光パターン(ビーム列)をつくる位相分布は一次元である。したがって、光パターンを形成する第1位相分布と、0次光を分離させる第2位相分布との重ね方は二通りとなり、第1,第2位相分布の交差角度が0度か90度である。
図2は、交差角度90度で作成した位相分布から再生された光パターンを示し、0次光20Bから分離された90本×2段のビーム列(光パターン)22B1,22B2を示している。図2では、第1位相分布で形成されるビーム列22B1,22B2が一次元であり、横方向に延びている。よって、0次光20Bからビーム列22B1,22B2を離す方向は、左右方向(交差角度が0度)よりも上下方向(交差角度が90度)の方が短い。この場合、第1,第2位相分布の交差角度は90度が選択される。
しかし、光パターンの位相分布は一次元に限らない。非特許文献1では、光パターンの位相分布が二次元の場合については言及していない。
特許文献1では、書き換え可能な空間光変調素子(液晶パネルなど)のみを対象としており、固定パターンから成る回折光学素子に対しては適用できない。なぜならば、作製した回折光学素子の凹凸形状に後から手を加えて、0次光強度が小さくなるようにその形状を調整することは不可能である。
また特許文献1では、0次光強度を低下させる目的で、位相板により入射光波面に故意に歪を与えています(0021参照)。この歪を補正してパターンを再生するためには、位相板と空間光変調器の位置関係が固定されていなければならない。両者の相対位置がずれると、再生されるパターンの品質は著しく低下する。
本発明のいくつかの態様は、光パターンを作成する第1位相分布が二次元であっても、搬送波を形成する第2位相分布を第1位相分布に重ねる交差角度を最適化できる光パターン形成装置、電子機器及びレーザー加工機を提供することを目的とする。
(1)本発明の一態様は、
入射光を空間変調して再生面に光パターンを再生して0次光を当該光パターンの領域外に分離する、または入射光を回析して集光面に光パターンを集光して0次光を当該光パターンの領域外に分離する、光パターン形成装置であって、
前記光パターンを作成する第1位相分布と、前記0次光を分離させる第2位相分布と、を合成した二次元位相分布F(x,y)を、周期を伴い且つ折り返して得られる位相データを用いて発生させ、前記入射光を透過または反射させて前記光パターンを形成する光学素子を有し、
前記二次元位相分布F(x,y)のx方向の勾配をFxとし、前記二次元位相分布F(x,y)のy方向の勾配をFyとしたとき、1/[Fx+Fy1/2が最大となる交差角度θで、前記第1位相分布と前記第2位相分布とを重ねる光パターン形成装置に関する。
本発明の一態様では、1/[Fx+Fy1/2が最大となる交差角度θで第1位相分布と第2位相分布とが重ねられる。つまり、合成後の二次元位相分布F(x,y)のx方向及びy方向の勾配Fx,Fyが小さくなる交差角度θが選択される。フォトリソグラフィ工程を用いて製造される光学素子例えば回折光学素子では、x方向及びy方向の勾配Fx,Fyが小さくなるほど、製作時の誤差は小さくなる。
また、位相データの周期をPとすると、周期Pは距離[Fx+Fy1/2に反比例し、その逆数である1/[Fx+Fy1/2に比例する。よって、1/[Fx+Fy1/2が最大であると、周期Pも最大となる。それにより、光学素子、例えば射光を空間変調して再生面に光パターンを再生する液晶装置や、マイクロミラーデバイスなど、あるいは入射光を回析して集光面に光パターンを集光する回折光学素子等にて、周期Pの位相データを実現するための二次元配列の最小要素(例えば光学変調素子の凹凸パターンや、液晶装置やマイクロミラーデバイス等の空間変調装置の画素)の周期(配列ピッチ)も大きくなり、光パターン形成装置の製作が容易になる。
(2)本発明の一態様では、前記位相データは2mπ(mは自然数)の周期で折り返され、前記交差角度θは、前記二次元位相分布F(x,y)の周期P=2mπ/[Fx+Fy1/2が最大になるように構成することができる。
位相分布を折り返す深さは2mπ(mは自然数)で与えられる。多くの用途ではm=1を採用し、2πで折り返す。実用上は光の利用効率を低下させたくないため、2πよりも小さい深さで折り返されることはない。
(3)本発明の一態様では、前記周期Pは可変周期であり、前記交差角度θは、前記可変周期の中で最も小さい周期をPminとしたとき、前記交差角度θは、Pmin=2π/[Fx+Fy1/2が最大になるように構成することができる。
周期Pは一定でなく可変としてもよく、それにより光パターン形成の自由度が増す。また、Pmin=2mπ/[Fx+Fy1/2が最大となるように交差角度θを設定すれば、光パターン形成装置の製作が容易になる。
(4)本発明の一態様では、前記光学素子は、前記位相データの電気信号により駆動することができる。
つまり、光学素子は、位相データに基づいて加工された固定パターンの回折光学素子の他、位相データが電気信号として供給されて位相変調する液晶やマイクロミラーデバイスで構成できる。
(5)本発明の一態様では、前記第2位相分布は一次元の周期性をもち、一周期の分布形状が非対称性を有することができる。
こうすると、光パターンは共役像を持たず、0次光を除いて入射光の実用上概ね100%を光パターンに割り当てられる。
(6)本発明の一態様では、前記第2位相分布は、鋸歯状の分布形状とすることができる。
ブレーズ格子のように位相分布が断面鋸歯状であると、一周期の形状が鋸歯となって非対称性となる。
(7)本発明の他の態様は、(1)〜(6)のいずれかの光パターン形成装置を有する電子機器を定義している。この電子機器の一例として、光パターンを表示するディスプレイを挙げることができる。
(8)本発明のさらに他の他態様は、レーザー光源と、前記レーザー光源からのレーザー光が入射される(1)〜(6)のいずれかの光パターン形成装置と、を有し、前記光パターン形成装置からの光パターンに基づいてワークを加工するレーザー加工機を定義している。
図1(A)〜図1(C)はビームアレイと0次光とを分離する原理を示し、図1(B)に本発明が適用される原理を示している。 一次元のビームアレイを上下方向に移動させて0次光から分離した例を示す図である。 ビームアレイを0次光から離す距離Dと、第1,第2位相分布とを重ねる交差角度θとの関係を示す図である。 図4(A)は二次元位相分布F(x,y)をグレースケールで表現した一例を示し、図4(B)は図4(A)の二次元位相分布F(x,y)のx方向に沿ったA−A’線の断面を示す図である。 図5(A)は第1位相分布をグレースケールで表現した一例を示し、図5(B)は図5(A)の第1位相分布が作るパターンを示す図である。 図5(A)は第1位相分布の場合に着目すべき8つの方位を示す図である。 図7(A)(B)は、交差角度θ=45度における位相分布と周期を示す図である。 図8(A)(B)は、交差角度θ=180度における位相分布と周期を示す図である。 図9(A)(B)は、交差角度θ=225度における位相分布と周期を示す図である。 搬送格子に乗せて再生したパターンの模式図である。 図11(A)は、光学素子として回折光学素子に代えて液晶装置を配置した空間光変調装置を含む電子機器を示し、図11(B)は図11(A)の空間光変調装置により位相変調されて表示面に表示される光パターンの位相分布を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。なお、各図においては、各構成要素を図面上で認識し得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
1.第1実施形態
本実施形態の光パターン形成装置では、図1(B)に示すように、所望パターン形成する第1位相分布に搬送格子の第2位相分布が重ねられている回折光学素子10Bが用いられる。
所望のパターンをつくる二次元の第1位相分布をf(x,y)、一次元の搬送格子の第2位相分布をg(x、y)とする。第1,第2位相分布を合成して得られる二次元位相分布F(x,y)はF(x,y)=f(x,y)+g(x,y)である。
この合成された二次元位相分布F(x,y)を2mπ(mは自然数)、例えばm=1とした2πで折り返して得られる位相データを用い、パターンを発生させる光学素子例えば図1(B)の回折光学素子10Bを例えば石英ガラスに微小凹凸パターンを形成して製作する。
ここで、第2位相分布gは、図1(B)に示すように0次光20Bをビームアレイ22Bの領域外とするために、ビームアレイ22Bを0次光20B(入射光の光軸)から距離Dだけ離すためのものである。距離Dは第2位相分布の周期によって定まり、第2位相分布の周期は一定とすることができる。また、距離Dが短いほど第2位相分布の周期を大きくできる。よって、第2位相分布を周期が大きく確保して分離距離Dが短くても、第1,第2位相分布を重ね合わせる交差角度θを選択することで、図1(B)のように0次光20Bを分離する。
本実施形態では、交差角度θを選択するパラメータとして[Fx+Fy1/2に注目した。図3に示すように、横軸を二次元位相分布F(x,y)のx方向の勾配とし、縦軸を二次元位相分布F(x,y)のy方向の勾配とし、横軸及び縦軸の交点Oとする。図3において、二次元位相分布F(x,y)の勾配Fx,Fyにて定まる点Sと交点Oとを結ぶ線分Lの長さが[Fx+Fy1/2に相当する。
本実施形態では、[Fx+Fy1/2の逆数である1/[Fx+Fy1/2が最大となる交差角度θで第1位相分布f(x,y)と第2位相分布g(x,y)とが重ねられる。つまり、合成後の二次元位相分布F(x,y)のx方向及びy方向の勾配Fx,Fyが小さくなる交差角度θが選択される。
こうして、フォトリソグラフィ工程を用いて微小凹凸に加工される回折光学素子では、x方向及びy方向の勾配Fx,Fyが小さくなるほど(勾配が緩やかになるほど)、製作時の誤差は小さくなる。
また、位相データの周期をPとすると、周期Pは[Fx+Fy1/2に反比例し、その逆数1/[Fx+Fy1/2に比例する。
二次元位相分布F(x,y)を2πで折り返して得られる位相データの周期P(x,y)は以下の式で与えられる。
P(x,y)=2mπ/[Fx+Fy1/2…(1)
よって、式(1)にて1/[Fx+Fy1/2が最大であると、周期P(x,y)も最大となる。それにより、光学素子(例えば液晶装置、マイクロミラーデバイス、回折光学素子等)にて周期P(x,y)の位相データを形成する二次元配列の最小要素(例えば光学変調素子の凹凸パターンや、液晶装置やマイクロミラーデバイス等の空間変調装置の画素)の周期も大きくなり、光パターン形成装置の製作が容易になる。
ここで、二次元位相分布F(x,y)を256階調のグレースケールで表現した一例を図4(A)に示す。図4(A)の二次元位相分布F(x,y)のx方向に沿ったA−A’線の断面を図4(B)に示す。図4(B)に示すように、二次元位相分布F(x,y)を2πで折り返して得られる位相データの周期P(x,y)のうち、A−A’線に沿ったx方向の周期Pxは可変であることが分かる。同様に、図4(A)に示す二次元位相分布F(x,y)のy方向の周期Pyも可変であることが分かる。そして、図4(B)に示すように、二次元位相分布F(x,y)のx方向の勾配が緩やかであるほど、x方向の周期pxが大きくなることが分かる。
周期Pが可変周期である場合には、可変周期の中で最も小さい周期をPminとしたとき、交差角度θは、Pmin=2π/[Fx+Fy1/2が最大になるように設定すればよい。こうすると、製造時の誤差を小さくして、光パターン形成装置の製作が容易になる。
図5(A)は第1位相分布f(x,y)をグレースケールで表現した一例を示し、図5(B)は図5(A)の第1位相分布f(x,y)が作る光パターンを示す。なお、図5(A)は、光学素子が回折光学素子である場合には、白が高い場所を示し、黒が低い場所を示す凹凸パターンである。図5(B)に示す光パターンはAiry beamと呼ばれる非回折ビームの強度分布であり、その火面(光線の密度が高い点を連ねてできる曲面)は弧を描くという特徴を有する。なお、図5(B)に示す光パターン中には0次光が含まれているので、0次光を分離したい要望がある。
図5(A)の第1位相分布f(x,y)は、f(x,y)=α(x+y)と表現される。0次光を分離する搬送波の第2位相分布g(x,y)をg(x,y)=β(xcosθ+ysinθ)と与える。α(>0)、β(>0)を位相変調深さとすると、両者の合成である二次元位相分布F(x,y)は以下の式で与えられる。
F(x,y)=α(x+y)+β(xcosθ+ysinθ)…(2)
式(2)をxで微分したx方向の勾配Fxは、Fx=3αx+βcosθとなる。同様に、式(2)をyで微分したy方向の勾配Fyは、Fy=3αy+βsinθとなる。これらを式(1)に代入することにより、回折光学素子10Bの周期P(x,y)は次式で与えられる。
P(x,y)=
2π/[(3αx+βcosθ)+(3αy+βsinθ)1/2…(3)
式(3)から、周期Pの大小は交差角度θで決まることが分かる。
図5(A)の第1位相分布が有する対称性から、図6に示す8つの方位(1)〜(8)の周期Pに注目すればよいことがわかる。以下に、個々の交差角度θで決まる方位(1)〜(8)について、式(3)に交差角度θの値を代入して求められる周期Pを以下に記述する。だたし、式(1)の2mπ=2π(m=1の例)とする。
(1)θ=0度
P=2π/[(3αx+β)+(3αy
(2)θ=45度
P=2π/[(3αx+β/√2)+(3αy+β√2)
(3)θ=90度
P=2π/[(3αx+(3αy+β)
(4)θ=135度
P=2π/[(3αx−β/√2)+(3αy+β/√2)
(5)θ=180度
P=2π/[(3αx−β)+(3αy
(6)θ=225度
P=2π/[(3αx−β/√2)+(3αy−β/√2)
(7)θ=270度
P=2π/[(3αx+(3αy−β)
(8)θ=315度
P=2π/[(3αx+β/√2)+(3αy−β/√2)
(1)〜(8)に示す各式の分母を小さくして周期Pを大きくするには、交差角度θを180度、225度、270度のいずれかに設定することが望ましいことがわかる(180度と270度の間に優位差はない)。
図7(A)、図8(A)及び図9(A)に、異なる交差角度θにおける位相分布を示す。図7(B)、図8(B)及び図9(B)に、異なる交差角度θにおける位相分布と周期を示す。図7(A)(B)はθ=45度の方位(2)の条件であり、図8(A)(B)はθ=180度の方位(5)の条件であり、図9(A)(B)はθ=225度の方位(6)の条件である。ただし、図7〜図9では、第1位相分布fは図5(A)に示す位相分布を採用している。第1位相分布fの周期は可変であり、第1,第2位相分布の合成後の位相分布f+gの周期[1/(f+g)]も可変となる。
θ=45度の方位を示す図7(A)(B)では、合成後の位相分布f+gの勾配が最もきつく(図7(A)参照)、合成後の位相分布の可変周期のうちの最小周期は0.046mmである(図7(B)参照)。θ=180度の方位を示す図8(A)(B)では、合成後の位相分布f+gの勾配がだいぶ緩やかになり、合成後の位相分布の可変周期のうちの最小周期[1/(f+g)]は0.095mmである。θ=225度の方位を示す図9(A)(B)では、合成後の位相分布f+gの勾配はさらに緩やかになり、合成後の位相分布の可変周期のうちの最小周期[1/(f+g)]も0.122mmまで大きくなっている。よって、第1位相分布f(X,Y)と第2位相分布g(x,y)とを重ねる交差角度θとして、最小周期が最大となるθ=225度の方位(7)を採用すればよいことが分かる。
図10は、搬送格子に乗せて再生したパターンの模式図である。図1(B)の回折光学素子10Bを製作するときの誤差により、所望のパターン22Bの他に、その共役像24が現れる。もちろん、0次光20Bも現れる。この共役像24の強度は所望の像と比べてはるかに弱いが、それでも容易に検出することができる。したがって、共役像24の有無とその位置から、パターン再生に用いられた回折光学素子10Bにおける搬送格子の重ね方を知ることが可能である。
第2位相分布g(x,y)は上述の通り一次元の周期性を持つことができる。このとき、一周期の分布形状は例えば矩形パターンのように対称性ではなく、非対称性とすることができる。こうすると、図10の所望パターン22Bは共役像を持たず、0次光20Bを除いて入射光の実用上概ね100%を光パターンに割り当てることができる。この種の第2位相分布g(x,y)としては、鋸歯状の分布形状を挙げることができる。ブレーズ格子のように位相分布が断面鋸歯状であると、一周期の形状が鋸歯となって非対称性となる。
2.第2実施形態
図11(A)は、光学素子として回折光学素子に代えて液晶装置例えば液晶パネル30を用いた例を示している。この場合、第1,第2位相分布を交差角度θで交差させて重ねて合成した二次元位相分布を発生させる位相データは、例えばパーソナルコンピューター(PC)32にて生成されてコントローラー34を介して液晶パネル30に供給される。液晶パネル30では、位相データに従って液晶素子が配列されて、光源40からの入射光を空間変調して例えば反射させ、反射光として得られる光パターンの領域から0次光を分離することができる。
図11(B)は、図11(A)の空間光変調装置により位相変調された反射光が入射される位置に表示部42を配置し、表示部42に表示される光パターンの位相分布を示している。光源40から例えば所定周波数にてパルス発振されたレーザーを、液晶パネル30で反射させて表示部42へ照射すれば、搬送格子に重畳されたパターンがホログラフィックに再生される。図11(B)にては再生されたパターンの右上に微弱ではあるが0次光20Bが現れているが、一次光の光パターン22Bの領域からは分離されている。
このような空間光変調装置を用いたパターン再生技術をレーザー微細プロセスへ応用すると大きな効果が期待できる。例えば、図11(A)にて反射光が入射される部位にワーク42を配置すると、ワーク42の表面あるいは内部の複数部位を同時に加工できる。図5(A)に示したAiry beamを空間光変調装置で再生し、その再生位置(すなわち加工位置)を時々刻々変化させることにより、従来の加工法では不可能であった加工、例えば、曲がった孔の形成等が可能になる。
このように、空間光変調装置を駆動する電気信号を更新するだけで、回折光学素子を用いる場合とは異なり様々なパターンを発生させることができる。ここでは液晶を利用した空間光変調装置の例を示したが、マイクロミラーアレイから成る空間光変調装置等を用いてもよい。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
10B 光学素子、20B 0次光、22B,22B1,22B2 0次光から分離されたビームアレイ、24 共役像、30 液晶装置、32 PC、34 コントローラー、40 光源、42 表示部、ワーク

Claims (8)

  1. 入射光を空間変調して再生面に光パターンを再生して0次光を当該光パターンの領域外に分離する、または入射光を回析して集光面に光パターンを集光して0次光を当該光パターンの領域外に分離する、光パターン形成装置であって、
    前記光パターンを作成する第1位相分布f(x、y)と、前記0次光を分離させる第2位相分布g(x、y)と、を合成した二次元位相分布F(x,y)を、周期を伴い且つ折り返して得られる位相データを用いて発生させ、前記入射光を透過または反射させて前記光パターンを形成する光学素子を有し、
    前記第1位相分布と前記第2位相分布とを重ねる交差角度をθ、前記第2移送分布g(x、y)をg(x、y)=β(xcosθ+ysinθ)とし、前記二次元位相分布F(x,y)のx方向の勾配をFxとし、前記二次元位相分布F(x,y)のy方向の勾配をFyとしたとき、1/[Fx+Fy1/2が最大となる前記交差角度θで、前記第1位相分布と前記第2位相分布とを重ねることを特徴とする光パターン形成装置。
  2. 請求項1において、
    前記位相データは2mπ(mは自然数)の周期で折り返され、前記交差角度θは、前記二次元位相分布F(x,y)の周期P=2mπ/[Fx+Fy1/2が最大になるように構成されていることを特徴とする光パターン形成装置。
  3. 請求項2において、
    前記周期Pは可変周期であり、前記交差角度θは、前記可変周期の中で最も小さい周期をPminとしたとき、前記交差角度θは、Pmin=2mπ/[Fx+Fy1/
    が最大になるように構成されていることを特徴とする光パターン形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記光学素子は、前記位相データの電気信号により駆動されることを特徴とする光パターン形成装置。
  5. 請求項4において、
    前記第2位相分布は一次元の周期性をもち、一周期の分布形状が非対称性を有することを特徴とする光パターン形成装置。
  6. 請求項5において、
    前記第2位相分布は、鋸歯状の分布形状であることを特徴とする光パターン形成装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか記載の光パターン形成装置を有することを特徴とする電子機
    器。
  8. レーザー光源と、
    前記レーザー光源からのレーザー光が入射される請求項1乃至6のいずれか記載の光パターン形成装置と、
    を有し、
    前記光パターン形成装置からの光パターンに基づいてワークを加工することを特徴とするレーザー加工機。
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