JP5987337B2 - カッター、裁断装置、記録装置、及びカッターの製造方法 - Google Patents

カッター、裁断装置、記録装置、及びカッターの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、媒体を裁断するカッター、裁断装置、記録装置、及びカッターの製造方法に関する。
一般に、搬送される用紙などの媒体に印刷などの記録処理を行う記録装置として、インクジェット式のプリンターが広く知られている。こうしたプリンターの中には、ロール紙などの媒体を所望の大きさに裁断するためのカッターを備えたものがある。
例えば、特許文献1には、ロール紙を裁断するカッターとして、回転することによってロール紙を裁断する回転刃が記載されている。通常、このような回転刃は、裁断時の切れ味を確保するために、片面に刃付けがされた薄肉の片刃に形成されるとともに、その刃こぼれなどを抑制するために、刃先における先端側の刃先角度がそれに引き続く基端側の刃先角度よりも鈍角に形成されている。
特開2010−253653号公報
ところで、カッターでロール紙などの用紙を裁断するとき、裁断された後の用紙の端部がカッターの刃先における刃付けがされた面に接触し紙粉(媒体粉)が生じることがある。カッターによる用紙の裁断は、通常、プリンターの装置内部で行われるため、こうした紙粉の発生はインクを噴射する記録ヘッドのノズルの目詰まりや印刷領域の汚染の原因となる。
特許文献1に記載の回転刃の場合であっても、紙粉の発生は裁断された後の用紙の端部が、回転刃における刃付けがされた面のうち、刃先の先端側で第1の刃先角度を形成する面と、それに引き続く基端側の第2の刃先角度を形成する面とに接触することで紙粉が発生してしまう。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、媒体の裁断時に発生する媒体粉の量を少なくすることができるカッター、裁断装置、記録装置、及びカッターの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のカッターは、媒体を裁断可能な片面に刃付けがされた片刃のカッターであって、刃先の尖端から引き続いて第1の刃先角度を形成する第1の刃先角度形成面と、該第1の刃先角度形成面に引き続いて第2の刃先角度を形成する第2の刃先角度形成面と、該第2の刃先角度形成面に引き続いて第3の刃先角度を形成する第3の刃先角度形成面と、を有し、前記第1の刃先角度は、前記第3の刃先角度よりも大きく、前記第3の刃先角度は、前記第2の刃先角度よりも大きい。
上記構成によれば、刃先の尖端に引き続く第1の刃先角度形成面と、それよりも基端側の第3の刃先角度形成面との間に、第3の刃先角度よりも小さい第2の刃先角度で形成される第2の刃先角度形成面を設けたので、その第2の刃先角度形成面においては、裁断された後の媒体の端部がカッターに接触し難くなる。したがって、媒体の裁断時に発生する媒体粉の量を少なくすることができる。
また、本発明のカッターにおいて、前記第1の刃先角度は、40度以上70度以下に形成され、前記第3の刃先角度は、25度以上35度以下に形成される。
上記構成によれば、刃先の尖端に引き続く第1の刃先角度形成面が形成する第1の刃先角度及び第1の刃先角度形成面よりも基端側で第3の刃先角度形成面が形成する第3の刃先角度の各々が、相対的に刃欠けし難く且つ裁断時に相対的に媒体と接触し難くなる角度範囲の刃先角度とされる。そのため、かかる刃先角度としたことにより、刃先の先端部に必要な強度を確保しつつ、媒体粉の発生量を抑制することができる。
また、本発明のカッターにおいて、前記第2の刃先角度は、0度に形成される。
上記構成によれば、第2の刃先部分により、裁断された後の媒体の端部がカッターに対して接触する確率を極力低減でき、媒体粉の発生量を大幅に抑制することができる。
また、本発明のカッターにおいて、前記第2の刃先角度形成面と対応する部分における厚さ方向の寸法は、前記媒体の裁断時に該媒体に対してせん断力を付与する方向における寸法よりも大きく形成される。
上記構成によれば、媒体へのせん弾力の付与方向における第2の刃先角度形成面と対応する部分の寸法を小さくできるので、刃先の先端部におけるカッターの強度を確保できる。
また、本発明のカッターは、回転して前記媒体を裁断する円形刃である。
上記構成によれば、直刃では媒体の裁断時に刃部の全体で媒体に接触するために媒体の大きさに合わせたカッターが必要になるのに対し、回転刃では小型のカッターであっても大きさの異なる複数の媒体の裁断に対応できる。
また、本発明の裁断装置は、前記媒体を裁断するカッターとして上記構成のカッターを備える。
上記構成によれば、上記カッターの発明と同様の効果が得られる。
また、本発明の記録装置は、媒体に記録を行う記録部と、上記構成の裁断装置と、を備える。
上記構成によれば、上記カッターの発明と同様の効果が得られる。
また、本発明のカッターの製造方法は、端縁から引き続く平面状の第1の面と該第1の面における前記端縁の反対側に引き続いて該第1の面に対して鈍角に交差する斜面状の第2の面とを一面側に有する成形物を成形する成形工程と、前記成形物の厚さ方向において前記一面側とは反対側となる面に、前記第1の面に沿う方向へ延びる第3の面を研削して形成する第1研削工程と、前記第1の面と前記第2の面とが交差する角度よりも大きな角度で前記第3の面と交差する第4の面を、前記成形物の前記端縁側から研削して形成する第2研削工程と、を含む。
上記構成によれば、1つの成形工程と2つの研削工程とからなる3つの加工工程によって、カッターの切れ味に影響を与える複数の設計寸法を満たすことができる。
また、本発明のカッターの製造方法において、前記成形工程では射出成形法を用いて前記成形物を成形する。
上記構成によれば、複雑な形状を精度良く成形することができる射出成形法を用いることで、カッターの研削工程における研削量を減少させたり、カッターの刃先部分を除く形状を二次加工を必要としない水準まで作り込んだりすることができる。
本発明の実施形態に係るプリンターの概略側断面図。 裁断装置の斜視図。 裁断装置の要部の斜視図。 円形刃の形状を示す図であって、(a)は対称部分を省略した平面図、(b)は正断面図。 円形刃における要部の拡大正断面図。 円形刃の加工順序を示す図であって、(a)は射出成形工程後の要部の拡大正断面図、(b)は第1研削工程後の要部の拡大正断面図、(c)は第2研削工程後の要部の拡大正断面図。
以下、本発明を記録装置の一種であるインクジェット式プリンター(以下、単に「プリンター」ともいう。)に具体化した一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態のプリンター11は、筐体状をなすフレーム12内に、装着部13、搬送部14、記録部15、裁断部(裁断装置)16、及び排出部17を備えている。なお、これらは、プリンター11において記録処理が施される媒体としてのシートSの搬送経路に沿って順次に配置されている。
シートSの搬送経路の中で最も上流側に位置する装着部13には、シートSをロール状に巻き重ねたロール体Rがトレイ20に収容されている。また、装着部13と隣り合うフレーム12の側壁には、矩形板状に形成された扉21が開閉可能に設けられており、装着部13はこの扉21を介してフレーム12外に取り出し可能とされている。また、トレイ20に収容されたロール体Rが巻き軸22を中心に回転することにより、ロール体RからシートSが巻き解かれ、装着部13から搬送経路の下流側に向かって搬送される。
シートSの搬送経路において、装着部13の下流側には、装着部13に収容されたロール体Rから巻き解かれたシートSを搬送経路に沿って記録部15に搬送する搬送部14が設けられている。搬送部14は、シートS搬送経路に沿って配設される複数の搬送ローラー23〜25と搬送ローラー対26,27とを備えており、図示しない駆動手段によって搬送ローラーを駆動することでシートSを搬送する。
そして、次にシートSが搬送される記録部15では、シートSに記録(印刷)が行われる。記録部15は、ロール体Rから巻き解かれて搬送されるシートSを支持する平板状の支持板28と、該支持板28とシートSを介して対向する位置に、駆動手段(図示略)によってシートSの搬送方向と交差する方向に往復移動可能なキャリッジ29を備えている。このキャリッジ29のシートSと対向する面には、記録ヘッド30が支持されており、その記録ヘッド30には、インクを噴射する複数のノズル(図示略)が設けられている。そして、当該ノズルからシートSにインクを噴射することで記録が行われる。
記録部15において記録が行われたシートSは、その下流側に配置される裁断部16に搬送される。裁断部16では、裁断部16に備えられるカッターキャリッジ45(図3参照)により、必要に応じてシートSを裁断する。そして、シートSの裁断を行った場合であっても、行わなかった場合であっても、裁断部16を通過したシートSは、下流側に位置する排出部17に一枚ずつ搬送される。
シートSの搬送経路の中で最も下流側に位置する排出部17は、記録後のシートSを、フレーム12の内部から外部へ排出口34を通じて排出する。排出部17には、シートSの表裏を反転させる反転部31と、シートSを搬送する搬送ローラー対32,33とが備えられている。反転部31は、シートSの幅方向(走査方向Xともいう)において断面略円弧状をなす2枚の案内板31a,31bによって構成され、両案内板31a,31bは間隔を設けて配置されている。また、搬送ローラー対32は反転部31における搬送経路の下流端に配置され、搬送ローラー対33は反転部31における搬送経路の上流端に配置されている。
次に、シートSを裁断する裁断部(裁断装置)16の具体的構成について説明する。
図2に示すように、裁断部16は、走査方向X(図2の左右方向)に長く延びる矩形板状の架設フレーム40を備えており、この架設フレーム40が、フレーム12に両端を固定されることにより、裁断部16はプリンター11に対して固定されている。また、架設フレーム40には、記録部15で記録されたシートSを通過させる通紙領域PFが走査方向Xに亘って設けられている。なお、シートSは記録部15において記録が行われた記録面を、図2における上側に向けて通紙領域PFを通過する。
また、架設フレーム40の走査方向Xにおける一端(図2において左方)には、駆動モーター41が備えられており、この駆動モーター41は、図示しない伝達ギアを介してプーリー42(図3参照)を任意の回転方向に回転させることが可能となっている。さらに、架設フレーム40の走査方向Xにおける他端にも、同様のプーリー(図示略)が回転可能に軸支されており、これら両プーリーには、無端状のタイミングベルト43が搬送方向Yから見てシートSを囲む環状をなすように掛装されている。
また、架設フレーム40において通紙領域PFを通過するシートSの記録面側となる位置には、所定長さを有するガイドレール44が走査方向Xに沿うように延設され、このガイドレール44に沿ってカッターキャリッジ45が走査方向Xへ往復移動可能に設けられている。さらに、カッターキャリッジ45は、前述したタイミングベルト43に固定されることで、駆動モーター41が正逆転駆動された場合に走査方向Xに往復移動することが可能となる。
また、図3に示すように、カッターキャリッジ45には、カッターとしての円形刃50がカッターキャリッジ45から通紙領域PFに向かって突出した状態で軸支されている。さらに、架設フレーム40の通紙領域PFにおいて、カッターキャリッジ45と対向する面には、カッターキャリッジ45に向かって、直刃46が通紙領域PFの走査方向Xにおける全域に亘って設けられている。そして、これら円形刃50と直刃46は、通紙領域PFを通過するシートSの搬送方向Yから見た場合において、刃先同士を重複させた状態で配置されており、この重複状態を維持したままカッターキャリッジ45が走査方向Xに移動することでシートSは裁断される。
次に、カッターキャリッジ45に軸支される円形刃50の形状について図4及び図5を用いて説明する。本実施例の円形刃50は、図4(a)に図示されるように、一例として、直径が30mm、板厚が1.0mmの片面に刃付けがされた片刃であって、円形刃50の中心にはカッターキャリッジ45に軸支される際に軸(図示略)を嵌合させるための軸受け51が設けられている。また、図4(b)に図示されるように、円形刃50において刃付けがされる面とは厚さ方向で反対側となる面である裏面52には、実際にシートSを裁断するときに直刃46の刃先と円形刃50の裏面52とが接触することを避ける目的で裏面にげ53が設けられている。
続いて、円形刃50の刃先の詳細な形状について、図5を参照して説明する。
図5に示すように、円形刃50は、刃先の尖端54から引き続いて第1の刃先角度θ1を形成する第1の刃先角度形成面Fθ1と、それに引き続いて第2の刃先角度θ2を形成する第2の刃先角度形成面Fθ2と、それに引き続いて第3の刃先角度θ3を形成する第3の刃先角度形成面Fθ3と、を有する3段の刃先形状に形成されている。ちなみに、第1の刃先角度θ1は40度以上70度以下、第3の刃先角度θ3は25度以上35度以下であることが望ましく、また、逃げ角を形成するという意味からは、第2の刃先角度θ2は、第3の刃先角度θ3よりも小さいことが必要である。本実施形態では、一例として、第1の刃先角度θ1が60度、第2の刃先角度θ2が0度、第3の刃先角度θ3が30度となるように、円形刃50の各刃先角度形成面Fθ1,Fθ2,Fθ3は形成されている。
ここで、第1の刃先角度θ1及び第3の刃先角度θ3について、上記の推奨角度よりも小さい場合(θ1<40度、θ3<25度の場合)には、刃先の先端部での刃欠けのリスクが高まり、切れ味を維持することが困難となる。その一方、第1の刃先角度θ1及び第3の刃先角度θ3が上記の推奨角度よりも大きい場合(θ1>70度、θ3>35度の場合)には、裁断後のシートSの端部が第1の刃先角度形成面Fθ1及び第3の刃先角度形成面Fθ3と接触しやすくなり紙粉が多く発生するようになる。
また、第2の刃先角度θ2については、裁断後のシートSの端部と刃先の先端部との接触という点を考えると、第3の刃先角度θ3よりも小さいときに限り、従来の2段の刃先(図5中二点鎖線で図示)に比べてシートSとの間に逃げ角度を形成することが可能となり、紙粉の発生量を減らすことができる。なお、実際には第2の刃先角度θ2を0度よりも小さくしてしまうと、刃先の先端部での厚さ寸法が局所的に小さくなることで刃欠けのリスクが高まるので下限値としては0度が望ましい。
また、第2の刃先角度形成面Fθ2と対応する部分における径方向(すなわち、裁断時にシートSに対してせん断力を付与する方向)の寸法(0.05mm)は、刃先の先端部での強度を確保する目的で、その厚さ方向の寸法(0.1mm)よりも小さくなるように形成されている。なお、厚さ方向の寸法が0.1mmよりも小さい場合には、刃欠けのリスクが高まり、厚さが0.1mmよりも大きい場合には、第1の刃先角度形成面Fθ1と対応する部分の厚さ寸法が増加することで、裁断後のシートSの端部が第1の刃先角度形成面Fθ1と接触しやすくなり紙粉が多く発生する。ところで、第2の刃先角度θ2が0度でなかった場合には、第2の刃先角度形成面Fθ2と対応する部分における厚さ方向の寸法は径方向に変化することになる。よって、この場合の第2の刃先角度形成面Fθ2と対応する部分における厚さ方向の寸法とは、第2の刃先角度形成面Fθ2と対応する部分において径方向に変化する厚さ寸法のうち、最小の厚さ方向の寸法とする。
次に、以上のような形状を有する円形刃50の製造方法について図6を参照して説明する。本実施形態の円形刃50は、高い耐久性を得るためにセラミックスを材料とし、これを射出成形する射出成形工程と、設計要求される外形寸法を作りこむ研削工程(第1研削工程及び第2研削工程)と、によって製造される。
射出成形工程では、セラミックスの一種であるジルコニア粉末(粒径0.5μm)と樹脂系のバインダーとを加熱混練して、この混合物を射出成形機から射出成形することで、端縁部分が図6(a)に示すような形状の成形物を得る。
図6(a)は、成形物としての円盤状をなす射出成形物50Aにおいて後述する研削工程で形成される刃体の刃先となる部分のみを示す拡大図である。同図に示されるように、射出成形物50Aにおいて刃付けがされる一面側の面(図6では上側の面)には、その端縁F1eから引き続く平面状の第1の面F1と、その第1の面F1における径方向で端縁F1eの反対側に引き続いて第1の面F1に対して鈍角(180度−θ3)に交差する斜面状の第2の面F2とが形成されている。つまり、射出成形によっては、切れ味に影響する刃先の先端部の形状までは作りこまれておらず、刃先の先端部に関しては次に説明する研削工程によって形成される。なお、図示が省略されている軸受け51及び軸受け51周辺の形状や裏面にげ53の構造については、刃先の先端部とは異なり、精密な寸法公差は要求されないため射出成形によって最終寸法まで作りこむことが可能である。
続いて、円形刃50の外形寸法、第1の刃先角度θ1、及び第1の面F1における厚さ寸法を作りこむ2段階の研削工程について説明する。第1研削工程では、図6(b)に示すように、射出成形物50Aにおいて刃付けがされる一面側とは厚さ方向で反対側となる面の斜線領域で示される部分を研削して、第1の面F1に沿う方向へ延びる第3の面F3を形成する。より具体的には、第1の面F1と第3の面F3との間の寸法が0.1mmになるまで研削が行われる。
次に、第2研削工程では、図6(c)に示されるように、第1の面F1と第2の面F2との間を成す角度(第3の刃先角度θ3)よりも大きな角度で、第3の面F3に対して斜めに交差する第4の面F4が射出成形物50Aの端縁F1e側から研削により形成される。ここで、第3の面F3と第4の面F4の間の角度は第1の刃先角度θ1に相当し、第2研削工程では、この第1の刃先角度θ1で砥石を射出成形物50Aに端縁F1e側から押し付けることで研削が行われる。なお、この研削工程は、円形刃50の刃先における直径が30mmになるまで研削が行われる。
こうして、図5に図示される、円形刃50の刃先における直径(φ30)、刃先の尖端54に引き続く先端部での第1の刃先角度θ1、及び第2の刃先角度形成面Fθ2における厚さ方向の寸法に関する製品要求を満たす円形刃50を作成することができる。なお、刃先の先端部における第1の刃先角度θ1及び第2の刃先角度形成面Fθ2における厚さ方向の寸法が裁断性能にどう影響を与えるかは前述した通りであるが、刃先における外形寸法は、円形刃50の刃先と直刃46の刃先との重複量に関係するため切れ味に影響を与える。
次に、上記のように構成されたプリンター11の作用について、裁断部16の動作に着目して説明する。
さて、図1に示すように、装着部13に装着されたロール体Rから巻き解かれたシートSは、搬送部14によって記録部15に搬送され、その記録部15で記録が行われた後に裁断部16に搬送される。
裁断部16では、シートSの裁断の必要が無い場合には、図2に示すようにシートSを裁断することなく搬送方向Yに向かって通紙させる。その一方、シートSの裁断の必要が生じた場合、搬送部14は、シートSの搬送を停止させた上で、駆動モーター41を駆動させることで、円形刃50を備えたカッターキャリッジ45を走査方向Xに移動させる。このとき、円形刃50は、その刃先をシートSの搬送方向Yから見た場合において直刃46の刃先と重複させた状態で回動することで、シートSの走査方向Xにおける一端から他端へ向かって裁断を行う。つまり、シートSは、シートSの搬送方向Yから見た場合において重複する円形刃50の刃先と対向する直刃46の刃先とによって、せん断力を付与されることにより裁断される。そして、裁断されたことで新たにできたシートSの端部は、図5に示される第2の刃先角度形成面Fθ2によって、円形刃50と接触し難くなっており、紙粉の発生量を抑えることができる。裁断が終わると、裁断されたシートSは、排出部17によって排出口34からプリンター11の外部に排出される。
上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)刃先の尖端54に引き続く第1の刃先角度形成面Fθ1と、それよりも基端側の第3の刃先角度形成面Fθ3との間に、第3の刃先角度θ3よりも小さい第2の刃先角度θ2で形成される第2の刃先角度形成面Fθ2を設けたので、その第2の刃先角度形成面Fθ2においては、裁断された後のシートSの端部が円形刃50に接触し難くなる。したがって、シートSの裁断時に発生する紙粉の量を少なくすることができる。
(2)刃先の尖端54に引き続く第1の刃先角度形成面Fθ1が形成する第1の刃先角度θ1及び第1の刃先角度形成面Fθ1よりも基端側で第3の刃先角度形成面Fθ3が形成する第3の刃先角度θ3の各々が、相対的に刃欠けし難く且つ裁断時に相対的にシートSと接触し難くなる角度範囲の刃先角度とされる。そのため、かかる刃先角度としたことにより、刃先の先端部に必要な強度を確保しつつ、紙粉の発生量を抑制することができる。
(3)第2の刃先部分により、裁断された後のシートSの端部が円形刃50に対して接触する確率を極力低減でき、紙粉の発生量を大幅に抑制することができる。
(4)シートSへのせん弾力の付与方向における第2の刃先角度形成面Fθ2と対応する部分の寸法を小さくできるので、刃先の先端部における円形刃50の強度を確保できる。
(5)直刃ではシートSの裁断時に刃部の全体でシートSに接触するためにシートSの大きさに合わせた円形刃50が必要になるのに対し、回転刃では小型の円形刃50であっても大きさの異なる複数のシートSの裁断に対応できる。
(6)1つの射出成形工程と2つの研削工程とからなる3つの加工工程によって、円形刃50の切れ味に影響を与える複数の設計寸法を満たすことができる。
(7)複雑な形状を精度良く成形することができる射出成形法を用いることで、円形刃50の研削工程における研削量を減少させたり、軸受け51や裏面にげ53など円形刃50の刃先部分を除く形状を二次加工を必要としない水準まで作り込んだりすることができる。
(8)粒径0.5μmのジルコニア微粒子を用いて円形刃50を射出成形するため、刃先で起こる刃こぼれは、この微粒子単位の大きさで発生することが期待できる。これは、プレス焼結によって成形した刃先で発生する刃こぼれ(5〜10μm)に比べて非常に小さい。
なお、上記実施形態は、以下のような別の実施形態に変更しても良い。
・本実施形態において、シートSを裁断する対となる刃体は、円形刃と円形刃であってもよく、直刃と直刃であってもよい。
・本実施形態において、第1の刃先角度形成面Fθ1及び第3の刃先角度形成面Fθ3は曲面であってもいい。この場合、裁断後のシートSの断面との接触の機会を減らすために各刃先角度形成面Fθ1,Fθ3は、刃先の先端部で要求される強度を満たした上で凹曲面状に形成されることが望ましい。
・本実施形態において、直刃46のシートSの走査方向Xにおける断面形状についても、図5に図示される断面形状であってもよい。
・本実施形態において、円形刃50の材料はさらに微粒径又は大粒径のジルコニア粉末であってもよいし、その他のセラミックス材料であってもよいし、樹脂材料であっても金属材料であってもよい。
・上記実施形態では、記録装置を、インクを噴射する記録ヘッドを備えたインクジェット式のプリンター11に具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置に具体化してもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置を流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。あるいは、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
15…記録部、16…裁断部(裁断装置)、50…円形刃(カッター)、50A…射出成形物(成形物)、54…刃先の尖端、S…シート(媒体)、θ1…第1の刃先角度、θ2…第2の刃先角度、θ3…第3の刃先角度、F1…第1の面、F2…第2の面、F3…第3の面、F4…第4の面、F1e…端縁、Fθ1…第1の刃先角度形成面、Fθ2…第2の刃先角度形成面、Fθ3…第3の刃先角度形成面。

Claims (9)

  1. 媒体を裁断可能な片面に刃付けがされた片刃のカッターであって、
    刃先の尖端から引き続いて第1の刃先角度を形成する第1の刃先角度形成面と、
    該第1の刃先角度形成面に引き続いて第2の刃先角度を形成する第2の刃先角度形成面と、
    該第2の刃先角度形成面に引き続いて第3の刃先角度を形成する第3の刃先角度形成面と、を有し、
    前記第1の刃先角度は、前記第3の刃先角度よりも大きく、40度以上70度以下に形成され、
    前記第3の刃先角度は、前記第2の刃先角度よりも大きいことを特徴とするカッター。
  2. 記第3の刃先角度は、25度以上35度以下に形成されることを特徴とする請求項1に記載のカッター。
  3. 前記第2の刃先角度は、0度に形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカッター。
  4. 前記第2の刃先角度形成面と対応する部分における厚さ方向の寸法は、前記媒体の裁断時に該媒体に対してせん断力を付与する方向における寸法よりも大きく形成されることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のカッター。
  5. 回転して前記媒体を裁断する円形刃であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のカッター。
  6. 前記媒体を裁断するカッターとして請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のカッターを備えたことを特徴とする裁断装置。
  7. 前記媒体に記録を行う記録部と、
    請求項6に記載の裁断装置と、を備えたことを特徴とする記録装置。
  8. 端縁から引き続く平面状の第1の面と該第1の面における前記端縁の反対側に引き続いて該第1の面に対して鈍角に交差する斜面状の第2の面とを一面側に有する成形物を成形する成形工程と、
    前記成形物の厚さ方向において前記一面側とは反対側となる面に、前記第1の面に沿う方向へ延びる第3の面を研削して形成する第1研削工程と、
    前記第1の面と前記第2の面とが交差する角度よりも大きな角度で前記第3の面と交差する第4の面を、前記成形物の前記端縁側から研削して形成する第2研削工程と、を含むことを特徴とするカッターの製造方法。
  9. 前記成形工程では射出成形法を用いて前記成形物を成形することを特徴とする請求項8に記載のカッターの製造方法。
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