JP5986369B2 - 圧電式バルブの組立方法及び圧電式バルブ、並びに該圧電式バルブを利用した噴風手段を備える光学式粒状物選別機 - Google Patents
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Description
この種の粒状物選別機は、搬送路の端部から所定の軌跡に沿って落下する粒状物を、不良品等の検出信号に基づいて噴風により吹き飛ばし除去することで、該粒状物の選別を行うものである。
そこで、先に、圧電素子を利用することでバルブの開閉を高速で行える圧電式エアバルブが提案されている(特許文献1参照。)。
図19に示す圧電式エアバルブは、圧電素子70の長手方向軸線と弁体95とを結ぶ直線を中心に、図面上、上下対称に二つの変位拡大機構が設けられたものである。
また、上記圧電式エアバルブは、前記圧電素子70への電圧印加を解除すると、当該圧電素子70の原状復帰に伴う復帰力が前記一対の変位拡大機構を介して前記弁体95に伝わり、該弁体95を速やかに前記弁座64に当接させて閉弁する。
また、本発明は、上記組立方法により組み立てられて、閉弁時にエア漏れを起こす虞がない圧電式バルブを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、閉弁時にエア漏れを起こす虞がない上記圧電式バルブを利用した噴風手段を備える光学式粒状物選別機を提供することを目的とする。
また、本発明の光学式粒状物選別機は、前記噴風手段が、前記圧電式バルブを複数並設してなり、前記光学検出手段による検出結果に基づいて前記圧電式バルブを選択的に駆動しエアを噴風することとすれば、前記複数の圧電式バルブが開弁するタイミングをほぼ均一化することができるため選別精度が向上する。
[実施の形態1]
図1は、圧電式バルブの内部構造を示す概略斜視図である。
図2は、図1に示す圧電式バルブの概略説明図であって、(a)は閉弁時における右側面図、(b)は(a)のA−A断面図を示す。
図2に示すように、本実施の形態において、圧電式バルブ10は、バルブ本体20と該バルブ本体20に取り付けられるアクチュエータ30を備える。
前記バルブ本体20は、外部の圧縮気体供給源(図示せず)から圧縮気体の供給を受ける気体圧力室21と、該気体圧力室21内の圧縮気体を外部に噴出する気体排出部22、前記気体圧力室21から連続し、後述するアクチュエータ30のベース基板36を着脱可能に受け入れるベース基板装着部25を備える。
また、前記ベース基板装着部25には、後述するアクチュエータ30のベース基板36を固定するための有底のネジ穴26が複数形成される。
該バルブ本体20は、例えば合成樹脂材料により一体に成形される。
前記アクチュエータ30は、ゴム製の弁体31、該弁体31の動作に必要な駆動力を変位として発生する圧電素子32、前記圧電素子32の変位を拡大して前記弁体31に作用させる変位拡大機構33を備える。
前記弁体31は、前記バルブ本体20の気体排出部22に設けられる弁座24に当接する。該弁体31の材料として滑性ゴムを用いれば、当該弁体31の耐久性が向上する。
ここでは、前記圧電素子32は、前記U字状のベース基板36の空間内であって該ベース基板36のU字状底部と前記キャップ部材37との間に組み込まれ、前記ベース基板36のU字状底部を塑性変形させることで、前記一端が前記ベース基板36に接合され、前記他端が前記キャップ部材37に接合される。
前記第1変位拡大部34aは、第1ヒンジ39、第2ヒンジ40、第1アーム41及び第1板バネ42を有する。前記第1ヒンジ39の一端は前記U字状のベース基板36の一方側先端に対し一体とされ、前記第2ヒンジ40の一端は前記キャップ部材37に対し一体とされる。前記第1アーム41の外側先端部には、くびれ部を介して前記第1板バネ42の取り付け部41aが設けられる。該取り付け部41aには前記第1板バネ42の一端が接合され、該第1板バネ42の他端には前記弁体31の一方側の側端部が接合される。
上記圧電式バルブ10は、閉弁状態において前記圧電素子32に通電すると、当該圧電素子32が図面上左方向に伸長する。当該圧電素子32の伸長に伴う変位は、前記変位伝達部35を介して前記変位拡大部34に伝達され、前記第1変位拡大部34aにおいて、前記第1ヒンジ39を支点、前記第2ヒンジ40を力点、前記第1アーム41の外側先端部を作用点としてテコの原理により拡大され、前記第1アーム41の外側先端部を大きく変位させる。また、前記圧電素子32の伸長に伴う変位は、同様に、前記第2変位拡大部34bにおいて、前記第3ヒンジ43を支点、第4ヒンジ44を力点、第2アーム45の外側先端部を作用点として、前記第2アーム45の外側先端部を大きく変位させる。
図6乃至10は、上記圧電式バルブ10の組立工程の説明図を示す。
(1)ステップ1
まず、図6に示すように、前記アクチュエータ30において、前記圧電素子32に所定の電圧を印加し、前記弁体31を開弁方向へ動作させる。ここでは、一例として、前記圧電素子32に10Vの電圧を印加して、前記弁体31を開弁方向へ20μm動作させる。
次に、図7に示すように、前記アクチュエータ30を前記バルブ本体20に装着し、該アクチュエータ30を図面上左方向に移動させて、前記開弁方向へ20μm動作させた前記弁体31を前記バルブ本体20に設けられる前記弁座24の弁座面に当接させる。
次に、図8に示すように、前記バルブ本体20の外部から前記気体排出路23に負圧を作用させて当該気体排出路23からのエア漏れの有無を確認し、該エア漏れがある場合には前記弁体31と前記弁座面との当接状態を調整した上で、前記アクチュエータ30を前記バルブ本体20に対し固定する。
このとき、前記アクチュエータ30は、前記ベース基板36に形成される複数の貫通孔38と、前記バルブ本体20のベース基板装着部25に形成される複数のネジ穴26を利用して、前記バルブ本体20に対しネジにより固定される。
ここで、前記アクチュエータ30と前記バルブ本体20との相対的な位置関係は、前記ステップ2の工程により変化するが、前記貫通孔38が前記ネジ穴26にねじ込まれるネジ軸の外径よりも大きな開口とされるため、当該位置関係の変化に対応することができる。
次に、図9に示すように、前記ステップ1の工程において前記圧線素子32に印加した10Vの電圧を解除し、前記開弁方向へ動作させた20μm分の原状復帰力を前記弁体31に対し作用させる。
このとき、前記ゴム製の弁体31は前記樹脂性の前記弁座24の弁座面に対し潰し代をもって押し付けられるため、前記ステップ2の工程において前記弁体31を前記弁座24の弁座面に当接させた際、仮に両者の間に隙間が存在したとしても、該隙間を確実に閉鎖することができる。
次に、図10に示すように、前記バルブ本体20の外部から前記気体排出路23に負圧を作用させて吸引することで、前記気体排出路23からのエア漏れが無いか検査する。
なお、前記ステップ3の工程において前記気体排出路23に負圧を作用させた状態を維持しつつ、前記ステップ4の工程における作業を行えば、当該ステップ5の工程における作業を前記ステップ4の工程における作業と同時に行うことができる。
次に、上記組立方法によって組み立てられる圧電式バルブを利用した噴風ノズルを備える光学式粒状物選別機について説明する。
図11は、光学式粒状物選別機の内部構造を簡略化して示した要部側断面図を示す。図12は、光学式粒状物選別機における制御ブロック図を示す。
光学式粒状物選別機210は、上部にタンク220と振動フィーダ230とからなる粒状物供給部を有する。粒状物供給部の下方には所定幅を有する傾斜状シュート240が配置される。
前記粒状物供給部から供給された粒状物は、前記傾斜状シュート240上を幅方向に広がって連続状に自然流下した後、その下端から所定の落下軌跡に沿って空中に放出される。
[実施の形態2]
図13は、圧電式バルブの内部構造を示す概略斜視図である。
図14は、図13に示す圧電式バルブの概略説明図であって、(a)は閉弁時における右側面図、(b)は(a)のA−A断面図を示す。
図14に示すように、本実施の形態において、圧電式バルブ110は、バルブ本体120と、該バルブ本体120に取り付けられるプレート140と、該プレート140に取り付けられるアクチュエータ30を備える。
前記バルブ本体120は、外部の圧縮気体供給源(図示せず)から圧縮気体の供給を受ける気体圧力室121と、後述するプレート140に設けられる気体排出部142を着脱可能に受け入れる気体排出部装着部126と、前記気体圧力室121から連続し、後述するプレート140に取り付けられる後述するアクチュエータ30のベース基板36を受け入れるベース基板装着部125を備える。
さらに、該バルブ本体120には、後述するプレート140のガイド突起用開口147内に挿入されるガイド突起128が形成される。
該バルブ本体120は、例えば合成樹脂材料により一体に成形される。
前記プレート140は、その先端部に気体排出部142を備える。
当該気体排出部142には、気体排出路143及び該気体排出路143の入り口側端部であって後述するアクチュエータ30の弁体31が当接する弁座面を有する樹脂製の弁座144が設けられる。
該気体排出部142は、前記バルブ本体120に設けられる気体排出部装着部126に装着され、前記バルブ本体120の気体圧力室121内の圧縮気体を外部に噴出する。
また、前記圧電素子用開口146の両側部には、後述するアクチュエータ30の圧電素子32と該アクチュエータ30のU字状ベース基板36の内側面とを絶縁する絶縁壁148が形成される。
また、前記プレート140には、後述するアクチュエータ30のベース基板36を固定するためのネジ穴141が複数形成される。
該プレート140は、例えば合成樹脂材料により一体に成形される。
当該アクチュエータ30は、図4に示す実施の形態1のアクチュエータ30と同じ構成であるため、ここでの説明は省略する。
前記アクチュエータのベース基板36には、前記プレート140に形成される複数のネジ穴141に対応して複数の貫通孔38が形成されている。前記貫通孔38は、前記プレート140に形成される複数のネジ穴141にねじ込まれるネジ軸の外径よりも大きな開口を有する。そして、前記ベース基板36は、前記ネジの頭部により前記プレート140に対し固定される。
前記気体排出部装着部126には、前記気体排出部142との間から圧縮気体が漏れることのないよう、適宜シール部材が配置される。
上記圧電式バルブ110の組立方法は、実施の形態1における圧電式バルブ10の組立方法とステップ2及びステップ3の工程において異なる。
前記アクチュエータ30において、前記圧電素子32に所定の電圧を印加し、前記弁体31を開弁方向へ動作させる。
前記アクチュエータ30を前記プレート140上に装着し、前記開弁方向へ動作させた前記弁体31を前記プレート140に設けられる前記弁座144の弁座面に当接させる。
次に、前記気体排出路123の外部から負圧を作用させて当該気体排出路123からのエア漏れの有無を確認し、該エア漏れがある場合には前記弁体31と前記弁座面との当接状態を調整した上で、前記アクチュエータ30を前記プレート140に対し固定する。
このとき、前記アクチュエータ30は、該アクチュエータ30のベース基板36に形成される複数の貫通孔38と、前記プレート140に形成される複数のネジ穴141を利用して、前記プレート140に対しネジにより固定される。
ここで、前記アクチュエータ30と前記プレート140との相対的な位置関係は、前記ステップ2の工程により変化を生じるが、前記貫通孔38が前記ネジ穴141にねじ込まれるネジの軸の外径よりも大きな開口とされるため、当該位置関係の変化に対応することができる。
このとき、前記プレート140は、該プレート140に形成される複数の貫通孔145又はネジ穴と、前記バルブ本体120に形成される複数のネジ穴127を利用して、前記バルブ本体120に対しネジにより固定される。
次に、前記ステップ1の工程において前記圧電素子32に印加した電圧を解除し、前記開弁方向へ動作させた分の原状復帰力を前記弁体31に対し作用させる。
このとき、前記ゴム製の弁体31は前記樹脂性の弁座144の弁座面に対し潰し代をもって押し付けられるため、前記ステップ2の工程において前記弁体31を前記弁座144の弁座面に当接させた際、仮に両者間に隙間が存在したとしても、該隙間を確実に閉鎖することができる。
次に、前記気体排出路123の外部から負圧を作用させて吸引することで、前記気体排出路143からエアの漏れが無いか検査する。
なお、前記ステップ3の工程において前記気体排出路123に負圧を作用させた状態を維持しつつ、前記ステップ4の工程における作業を行えば、当該ステップ5の工程における作業を前記ステップ4の工程における作業と同時に行うことができる。
上記圧電式バルブ110は、実施の形態1における圧電式バルブ10と同様に、光学式粒状物選別機の噴風ノズルに利用することができる。
そして、上記圧電式バルブ110を利用した噴風ノズルを備える光学式粒状物選別機も、上記圧電式バルブ110が閉弁時にエア漏れを起こす虞がなく選別精度が安定する。
20 バルブ本体
21 気体圧力室
22 気体排出部
23 気体排出路
24 弁座
25 ベース基板装着部
26 ネジ穴
30 アクチュエータ
31 弁体
32 圧電素子
33 変位拡大機構
34 変位拡大部
34a 第1変位拡大部
34b 第2変位拡大部
35 変位伝達部
36 ベース基板
37 キャップ部材
38 貫通孔
39 第1ヒンジ
40 第2ヒンジ
41 第1アーム
41a 板バネ取り付け部
42 第1板バネ
43 第3ヒンジ
44 第4ヒンジ
45 第2アーム
45a 板バネ取り付け部
46 第2板バネ
110 圧電式バルブ
120 バルブ本体
121 気体圧力室
125 ベース基板装着部
126 気体排出部装着部
127 ネジ穴
128 ガイド突起
130 アクチュエータ
140 プレート
141 貫通孔又はネジ穴
142 気体排出部
143 気体排出路
144 弁座
145 貫通孔
146 圧電素子用開口
147 ガイド突起用開口
210 光学式粒状物選別機
240 傾斜状シュート
250a,250b 光学検出装置
251a,251b CCDカメラ(撮像手段)
260 制御装置
270 噴風装置
271 噴風ノズル
273 圧縮空気供給装置
Claims (8)
- 外部から供給される圧縮気体を受け入れる気体圧力室、該気体圧力室から前記圧縮気体を排出する気体排出路及び該気体排出路の入り口側端部であって弁座が形成される気体排出部、を有するバルブ本体と、
前記気体圧力室に配置され前記気体排出路を開閉する弁体、前記弁体の動作に必要な駆動力を変位として発生する圧電素子、前記弁体における動作方向の軸線に対して対称に設けられ、前記圧電素子の変位を拡大して前記弁体に作用させる一対の変位拡大機構、を有するアクチュエータと、
を備えてなる圧電式バルブの組立方法であって、
前記圧電素子に所定の電圧を印加して前記弁体を開弁方向へ動作させる工程と、
前記開弁方向へ動作させた弁体を前記弁座の弁座面に当接させる工程と、
前記アクチュエータを前記バルブ本体に対し固定する工程と、
前記圧電素子に印加した所定の電圧を解除する工程と、
を含むことを特徴とする圧電式バルブの組立方法。 - 前記気体排出部は、前記バルブ本体に対し着脱可能とされるプレートに設けられており、前記開弁方向へ動作させた弁体を前記弁座の弁座面に当接させた後、前記アクチュエータを前記プレートに固定し、その後、前記プレートを前記バルブ本体に固定する請求項1記載の圧電式バルブの組立方法。
- 外部から前記気体排出路に負圧を作用させ、前記気体排出路からのエア漏れがない状態を確認した後に、前記アクチュエータを前記バルブ本体に固定する請求項1記載の圧電式バルブの組立方法。
- 外部から前記気体排出路に負圧を作用させ、前記気体排出路からのエア漏れがない状態を確認した後に、前記アクチュエータを前記プレートに固定し、その後、前記プレートを前記バルブ本体に固定する請求項2記載の圧電式バルブの組立方法。
- 外部から供給される圧縮気体を受け入れる気体圧力室、該気体圧力室から前記圧縮気体を排出する気体排出路及び該気体排出路の入り口側端部であって弁座が形成される気体排出部、を有するバルブ本体と、
前記気体圧力室に配置され前記気体排出路を開閉する弁体、前記弁体の動作に必要な駆動力を変位として発生する圧電素子、前記弁体における動作方向の軸線に対して対称に設けられ、前記圧電素子の変位を拡大して前記弁体に作用させる一対の変位拡大機構、を有するアクチュエータと、
を備えてなる圧電式バルブであって、
請求項1乃至4の何れかに記載の圧電式バルブの組立方法によって組み立てられ、前記圧電素子に印加した前記所定の電圧を解除することに伴う前記弁体の復帰力により、前記弁体が前記弁座面に押し付けられる一方で、前記圧電素子に印加した前記所定の電圧に対応して、前記圧電素子への通電により所定のタイミングで開弁することを特徴とする圧電式バルブ。
- 前記弁体における動作方向の軸線は、前記弁体と前記圧電素子の長手方向軸線とを結ぶ直線である請求項5記載の圧電式バルブ。
- 被選別物を移送する移送手段と、該移送手段の端部から落下する被選別物を検出位置において検出する光学検出手段と、該光学検出手段のさらに下方に設けられ当該光学検出手段による検出結果に基づいて前記被選別物をエアの噴風により吹き飛ばす噴風手段とを備えてなる光学式粒状物選別機であって、
前記噴風手段は、請求項5又は6に記載の圧電式バルブを備え、前記光学検出手段による検出結果に基づいて前記圧電式バルブを駆動しエアを噴風することを特徴とする光学式粒状物選別機。 - 前記噴風手段が、請求項5又は6に記載の圧電式バルブを複数並設してなり、前記光学検出手段による検出結果に基づいて前記圧電式バルブを選択的に駆動しエアを噴風する請求項7記載の光学式粒状物選別機。
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