JP5985530B2 - はしご付き棚 - Google Patents

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本発明は、はしごや脚立の用意が不要なはしご付き棚に関するものである。
吹き抜け等がある住宅の場合には、この吹き抜けの高さ方向を有効活用して、2階天井まで届く高さの高い棚を設けることが可能である。このような高さのある棚で手の届かない棚を利用する場合には、はしごや脚立を使用する必要がある。
しかしながら、棚だけのために、はしごや脚立を別に用意することは無駄が多く、本や小物を取る都度、はしごや脚立を棚の前に移動させ設置するのは使い勝手が悪い。
このような課題を解決する技術としては、本棚の前方の上下のレールに、はしご支持体を側方移動可能に連係し、このはしご支持体に、下端にキャスタを備えるはしご本体の上端部を、垂直をなす格納位置と、下端が前方の床面に接する使用位置とに保持し得るように、上下移動可能かつ回動可能に連結する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002-13375号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、はしご本体を左右に移動させるためのレールが必要なため構造が複雑で高価となる。また、結局のところ、取りたいものがある棚の位置に、はしご本体を左右に移動させる必要があるため、使い勝手が悪い。
さらに、はしご本体を移動させるためのレールが制約となり、棚が有効に使用できないことも考えられる。さらに、はしごの踏板が、棚の中部程度までしか設けられていないため、棚の上部に手が届くようにするためには、棚の高さが制限されてしまうことも考えられる。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、はしごや脚立を別途用意することが不要なはしご付き棚を提供することである。
本発明のはしご付き棚は、所定の横方向間隔で直立して配置された複数の隔壁部と、隔壁部の間に所定の上下間隔で略平行に設けられ複数の棚板部と、複数の隔壁部の各々の正面に各々対応して設けられた複数のはしご桁取付部と、複数のはしご桁取付部の間に設けられ、複数の棚板部の各々の上方向に所定の間隔で配置された略棒状の複数のはしご桁部とを有することを特徴とする。
本発明のはしご付き棚によれば、はしごや脚立を別途用意することが不要とすることが可能となる。
本発明の第1実施形態のはしご付き棚の全体構成を示す図である。 本発明の第1実施形態のはしご付き棚の断面図である。 本発明の第1実施形態のはしご付き棚の実際の使用態様を示す図である。 本発明の第2実施形態のはしご付き棚200の縦断面を示す図である。 本発明の第3実施形態のはしご付き棚300の縦断面を示す図である。 本発明の第4実施形態のはしご付き棚400の縦断面を示す図である。 本発明の各実施形態のはしご付き棚に取り付け可能な踏み台500を示す図である。
以下、本発明の実施形態であるはしご付き棚について、図を参照して詳細に説明をする。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態のはしご付き棚100の全体構成を示す図である。図1(a)は本実施形態のはしご付き棚100の正面図であり、図1(b)は本実施形態のはしご付き棚100の斜視図である。
本実施形態のはしご付き棚100は、横方向に整列したA列、B列、及び、C列の複数の棚列を有する。本実施形態のA列、B列、及び、C列の各棚列は同様の構成を有するため、以下の説明ではB列の棚部について説明する。
なお、A列、B列、及び、C列の棚列の構成はあくまでも一例であり、本実施形態に限られるものではない。例えば、A列、B列、及び、C列の棚列は異なる棚数を有してもよい。また、棚の列数は3列に限られず、室内空間の大きさに応じて、棚の列数を適宜増減してよい。
本実施形態のはしご付き棚100のB列の棚列は、隔壁101a、101bと、棚板102a〜102lと、はしご桁103a〜103lと、はしご桁取付部材104a、104bとから構成される。なお、図1の隔壁101、棚板102、はしご桁103、及び、はしご桁取付部材104の数はあくまでも一例であり、棚が設置される建物の内部空間の大きさにより適宜変更してよい。
本実施形態の隔壁101a、101bは、建物の内部空間の床面に対して直立し、所定の横方向間隔で配置される。本実施形態の隔壁101a、101bは、床面から例えば高さ5m程度の吹き抜け最上部に至る。隔壁101は、高さ5m程度、幅200mm〜400mm程度の木材を用いることができる。なお、図では、隔壁101は建物の壁等から独立した部材としているが、これに限られず、例えば、柱など他の構造物を利用してもよい。
図2は、本発明の第1実施形態のはしご付き棚100の断面図である。図2(a)は、図1(a)のB-B断面図であり、図2(b)は、図1(a)のA-A断面図である。
図2(b)に示すように、本実施形態の棚板102a〜102lは、隔壁101aと隔壁101bの間に所定の上下間隔で平行に設けられる。棚板102の上方のいくつかは、人間の手が届かない高さまで配置される。棚の使用時に、棚板102a〜102lの上面には書籍等の収納物が載せられる。棚板102a〜102lの上下間隔は、400mm程度とすることができる。
図2(a)に示すように、本実施形態のはしご桁103a〜103lは、隔壁101aと隔壁101bの各々の前面に設けられたはしご桁取付部材104aと104bの間に設けられる。図2(b)に示すように、本実施形態のはしご桁103a〜103lの各々は、複数の棚板102a〜102lの各々の正面方向、及び、上方向に所定の間隔で配置される。
本実施形態のはしご桁103a〜103lの各々は、棒状の形状を有する。なお、本実施形態において、隔壁101とはしご桁取付部材104とは別部材であってもよいし、一体的な部材であってもよい。
図3は、本発明の第1実施形態のはしご付き棚100の使用態様を示す図である。図3(a)は、はしご桁がストッパとして機能する態様を説明する図であり、図3(b)は、実際に人間が上る場合の態様を説明する図である。
図3(a)に示すように、本実施形態のはしご桁103a〜103lの各々は、複数の棚板102a〜102lの各々の正面方向、及び、上方向に所定の間隔で配置される。このため、はしご桁103a〜103lは、棚板102a〜102lに載置された書籍等が地震などの際に、棚板102からずれて落下することを予防するストッパとしての機能も有する。
すなわち、図3(a)に示すように、棚板102上の書籍等の載置物が水平移動する場合や回転移動する場合でも、棚板102の正面方向及び上方向に離れた位置に、はしご桁103が配置されているため、それ以上の移動を効果的に予防できる。
図3(b)に示すように、はしご桁103と対応する棚板102の水平方向の間隔は、40mm〜100mm程度とすることが好ましい。その理由は、この範囲以上離れた場合には、棚の奥まで手が届かない場合があり、また、書籍以外の小物等がはしごと棚の間の隙間から地震などの場合に落下する可能があるからである。
はしご桁103と対応する棚板102の上方向の間隔は、20mm程度とすることが好ましい。その理由は、これ以上間隔を大きくした場合には、大きな書物等の出し入れがしにくくなるからである。
また、図3に示すように、本実施形態のはしご桁103は、35mm角程度の正方形の四隅をr面取りした断面形状を有するのがよい。断面形状を正方形とすることにより、単なる円状とした場合より、人間が把持しやすくなる。
以上説明したように、本発明の第1実施形態のはしご付き棚100によれば、あらかじめ、はしごが組み込まれているため、別途はしごや脚立の用意が不要であり、使い勝手がよい。さらに、はしご桁が書籍等の落下防止のストッパの機能も有するため、地震等による落下を低減できる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態のはしご付き棚200の縦断面を示す図である。図に示すようにはしご桁203aから203lの各々は、はしご付き棚200の上下方向に対して、所定の傾斜角(図中のθ)を有するように整列している。
本実施形態において、はしご桁203の傾斜角を75度から87度とすることが好ましい。その理由は、75度未満とした場合には、棚の下部の収納の奥行きが大きくなりすぎ使いづらくなるからである。
本実施形態では、最上段の棚板202aの奥行きは150mmで、例えば、文庫本等を収納でき、棚の最下段の奥行きは400mmとなるため、段ボール等を収納できる。なお、棚板の奥行きは、用途に応じて適宜変更できる。
以上説明したように、本発明の第2実施形態のはしご付き棚200によれば、はしごに傾斜が付くことにより、人間が昇降する際の負担を軽減できる。
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態のはしご付き棚300の縦断面を示す図である。図に示すようにはしご桁303aから303l(303b〜303lについては表記を省略)の各々は、はしご桁取付部材304a、304b(不図示)に取り付く。同時に、はしご桁取付部材304は、図中の棚上部のA部及び棚下部等に備わるスライド機構により、図中のC方向(棚の正面方向)にスライドすることが可能である。
図5において、はしご使用時のはしご桁取付部材、及び、はしご桁位置の位置を、それぞれ、303a、304aで表し、はしご格納時のはしご桁取付部材、及び、はしご桁位置の位置を、それぞれ、303a´、及び、304a´(点線部分)で表している。
なお、スライド機構自体については、公知の機構(スライドレール等)を適宜用いればよい。また、図中のはしご桁303には傾斜が設けられているが、本発明の第1実施形態のように、はしご桁303の整列方向は床に対してほぼ垂直であってもよい。
以上説明したように、本発明の第3実施形態のはしご付き棚300によれば、はしご使用時には、はしご桁が303aの位置(すなわち棚の前方)にスライドされることができる。これにより、はしご桁303と棚板302の正面との間隔を空けて、昇降しやすくする。
また、本発明の第3実施形態のはしご付き棚300によれば、はしごの不使用時には、はしご桁303a´と棚板302aの正面との距離を小さくする、もしくは、棚板302a上面にはしご桁303a´が来るようスライドして、収納物とストッパとなるはしご桁303a´との距離を縮めることができる。これにより、ストッパとしての機能をより高めることが可能となる。
(第4実施形態)
図6は、本発明の第4実施形態のはしご付き棚400の縦断面を示す図である。図に示すようにはしご桁403aから403l(403a〜403i、403k、403lについては表記を省略)の各々は、はしご桁取付部材404a、404b(不図示)に取り付く。同時に、はしご桁取付部材404は、図中の棚上部のA部に備わる搖動機構により、その下端を図中のB方向(棚の正面方向)に搖動することが可能である。
図6において、はしご使用時のはしご桁取付部材、及び、はしご桁位置の位置を、それぞれ、403j、及び、404aで表し、はしご格納時のはしご桁取付部材、及び、はしご桁位置の位置を、それぞれ、403j´、及び、404a´(点線部分)で表している。
なお、搖動機構自体については、公知の機構(蝶番等)を適宜用いればよい。また、はしご桁取付部材404を前方に搖動した場合には、はしご桁取付部材404の長さが不足するが、はしご桁取付部材404の末端が床に接地するように、はしご桁取付部材404の伸長機構を末端に設けてもよい。
以上説明したように、本発明の第4実施形態のはしご付き棚400によれば、はしご使用時には、はしご桁が403aの位置(すなわち棚の前方)に搖動することができる。これにより、はしご桁403と棚板302の正面との間隔を空けて、昇降しやすくする。さらに、はしご桁403が、はしご付き棚400の上下方向に対して、所定の傾斜角を有することとなるため、人間が昇降する際の負担を軽減できる。
また、本発明の第4実施形態のはしご付き棚400によれば、はしごの不使用時には、はしご桁403´と棚板402の正面との距離を小さくする、もしくは、棚板402上面にはしご桁403が来るように搖動して、収納物とストッパとなるはしご桁403との距離を縮めることができる。これにより、ストッパとしての機能をより高めることが可能となる。
図7は、本発明の各実施形態のはしご付き棚に取り付け可能な踏み台500を示す図である。図に示すように踏み台500は、ステージ部501と支持脚502とからなる。
ステージ部501は、ほぼ平板状の形状を有する。ステージ部501は一端にステージ面から直角方向に伸長する引掛け部501aを有する。なお、引掛け部501aの形状はこれに限られず、例えば、別部材として金具等をステージ部501の一端に取り付けてもよい。
支持脚502は、略棒状の形状を有する。支持脚502の一端502bは、ステージ部501の引掛け部501aが備わらない他の一端に取り付けられる。また、支持脚502は、支持脚502の他端に、略棒状の伸長方向と角度をなす挿入部502aを有する。
なお、支持脚502の形状はこれに限られず、例えば、L字状であってもよい。また、本実施形態では、2本の支持脚を有する形態が開示されているが、これに限られず、1つの部材としてもよいし、3本以上設けてもよい。また、踏み台500の材質は木材でもスチールでも構わない。
図7に示すように、踏み台500の使用時には、ステージ部501の引掛け部501aをはしご桁103dに引掛け、支持脚502の挿入部502aを、はしご桁103dの下段のはしご桁103eと棚板102eとの隙間に挿入して固定する。なお、踏み台の固定法はこれに限られず、例えば、引掛け部501a及び挿入部502aの先端が、はしご桁103を直接把持するようなクランプ等の構造を有してもよい。
以上説明したように、本実施形態の踏み台によれば、本発明の各実施形態のはしご桁と棚板との隙間を利用し、確実に引掛けるような構造とすることにより、必要に応じて着脱が容易であり、人間の荷重が加わっても十分な強度を発揮する踏み台とすることができる。
100、200、300、400:はしご付き棚
101、201、301、401:隔壁
102、202、302、402:棚板
103、203、303、403:はしご桁
500:踏み台

Claims (6)

  1. 所定の横方向間隔で直立して配置された、複数の隔壁部と、
    前記隔壁部の間に所定の上下間隔で略平行に設けられ、複数の棚板部と、
    前記複数の隔壁部の各々の正面に各々対応して設けられた、複数のはしご桁取付部と、
    前記複数のはしご桁取付部の間に設けられ、前記複数の棚板部の各々の上方向に所定の間隔で配置された略棒状の複数のはしご桁部と、
    を有することを特徴とするはしご付き棚。
  2. 前記複数のはしご桁部の各々は、前記はしご付き棚の上下方向に関して、所定の傾斜角を有して整列することを特徴とする請求項1に記載のはしご付き棚
  3. 前記はしご桁取付部は、前記棚板部の正面方向にスライド可能であることを特徴とする請求項1または2に記載のはしご付き棚。
  4. 前記はしご桁取付部は、前記棚板部の正面方向に搖動可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のはしご付き棚。
  5. 前記はしご桁部の断面は、略正方形の各角部を面取りした形状であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のはしご付き棚。
  6. 前記複数のはしご桁部の内の任意の上下のはしご桁部に取り付け可能な踏み台を備えることを特徴とする請求項1から5にいずれかに記載のはしご付き棚。
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