JP5984426B2 - 固体燃料粉砕装置および固体燃料粉砕装置の制御方法 - Google Patents
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Description
そして、固体燃料粉砕装置は、粉砕部に酸化剤を含有する空気等の酸化性ガスを供給して粉砕された固体燃料を上昇させて分級するとともに、微粉燃料が混合した酸化性ガスを、供給流路を介してバーナ部へ供給する。
また、固体燃料粉砕装置は、燃料供給部が回転テーブルの中央部に固体燃料を供給し、回転テーブルが回転する際の遠心力を利用して中央部分から外周部分に固体燃料を移動させ、回転テーブルの外周部を押圧するように配置された複数のローラを用いて固体燃料を粉砕する。
この問題は、ボイラを起動する起動時に特に顕著である。それは、固体燃料粉砕部に供給される一次酸化性ガスを、バーナ部を備えるボイラの排出ガスの熱を利用して予熱する場合、ボイラを起動する際にボイラが十分に暖まっておらず、一次酸化性ガスの予熱が不十分となるからである。十分に予熱されていない一次酸化性ガスが供給される回転テーブルでは、水分を多く含む固体燃料が回転テーブルの中央部に堆積しやすい。
そして、回転テーブルの中央部に固体燃料が堆積した状態で燃料供給部から更に固体燃料が供給され、その後に回転テーブルの中央部から外周部に大量の固体燃料がまとめて移動すると、大量の微粉燃料がバーナ部に供給され、ボイラの蒸気温度および蒸気圧力が急上昇してしまうという問題が発生する。
本発明に係る固体燃料粉砕装置は、駆動源からの駆動力により回転する回転テーブルと、前記回転テーブルの中央部に固体燃料を供給する燃料供給部と、前記回転テーブルの外周部に押圧され、前記回転テーブルの回転に伴って前記中央部から前記外周部に移動する前記固体燃料を粉砕するローラと、前記回転テーブルの上方に設けられ、前記ローラにより粉砕された前記固体燃料を所定粒径より小さい微粉燃料に分級する分級部と、前記ローラにより粉砕された前記固体燃料を前記分級部へ供給するための一次酸化性ガスを送風する一次送風部と、前記ローラが前記燃料供給部により供給された前記固体燃料の粉砕を開始したか否かを検出する検出部と、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給と、前記一次送風部による前記ローラへの前記一次酸化性ガスの送風を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給開始からの経過時間と前記検出部による前記固体燃料の粉砕開始の検出情報に基づき、前記一次送風部による前記ローラへの前記一次酸化性ガスの送風状態と、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給状態を制御することを特徴とする。
このようにすることで、水分を多く含む石炭等の固体燃料が回転テーブルの中央部分に大量に堆積してしまう場合であっても、ローラへの一次酸化性ガスの送風状態と固体燃料の供給状態を適切に制御し、大量の微粉燃料がバーナ部に供給されることを防止することができる。
以下、第1実施形態の固体燃料粉砕装置について、図1を用いて説明する。図1は、第1実施形態の固体燃料粉砕装置を示す構成図である。
第1実施形態の固体燃料粉砕装置1は、燃料粉砕部10と、燃料粉砕部10に固体燃料を供給する燃料供給部36と、燃料粉砕部10に送風される一次酸化性ガスを予熱する酸化性ガス予熱器40と、酸化性ガス予熱器40により予熱された酸化性ガスを一次酸化性ガスとして燃料粉砕部10に送風する一次酸化性ガスファン90を備える。また、固体燃料粉砕装置1は、燃料粉砕部10から供給される微粉燃料を燃焼させるバーナ部110を含む微粉燃料ボイラ60を備える。また、固体燃料粉砕装置1は、燃料粉砕部10、燃料供給部36、押込ファン80、一次酸化性ガスファン90などの固体燃料粉砕装置1の各部を制御する制御部50を備える。
固体燃料粉砕装置1の外部の酸化性ガスは、押込ファン80により流路100から流入する。押込ファン80により流路100から流入した酸化性ガスの一部は流路101から酸化性ガス予熱器40を経由して予熱され、予熱された酸化性ガスが流路109を経由してバーナ部110へ供給される。この流路109を経由してバーナ部110へ供給される酸化性ガスは、二次酸化性ガスとしてバーナ部110における微粉燃料の燃焼に用いられる。
燃料粉砕部10は、略円筒形状の中空のハウジング11と、ハウジング11内の下部に配置され、上下方向に延在する軸線周りに回転可能に取り付けられた回転テーブル12と、回転テーブル12の外周部12bに押圧され回転テーブル12と協働して固体燃料を粉砕するローラ(粉砕部)13と、回転テーブル12を回転させる駆動部14と、電源装置200を備える。駆動部14は電動モータと減速機を含み、電動モータの回転数を減速させる減速機が回転軸15を介して回転テーブル12の中心部12aに接続されている。また、駆動部14は、電源装置200から電源ケーブル200bを介して電力が供給され、供給された電力により電動モータが動作する。電源装置200は、駆動部14に供給する電流(電動モータに流れる電流)の電流値を検出する検出部(電流検出センサ)200aを備える。制御部50が、電源装置200に対して電流検出の指示をすると、電源装置200は検出部200aにて検出される電流値を制御部50に通知する。
回転軸23は、軸線が略水平方向であり、回転テーブル12の円形形状の接線方向に延在するように配置されている。ローラ支持部20は回転軸23を中心に回動可能となっており、回転軸23を中心に回動することにより、回転テーブル12の外周部12bに対するローラ13の距離が変化する。
ステップS401で、制御部50は、固体燃料粉砕装置1のウォーミングを開始する。ここで、ウォーミングとは、燃料粉砕部10に一次酸化性ガスを流入させて燃料粉砕部10のハウジング11内を暖気する処理をいう。制御部50は、押込ファン80と一次酸化性ガスファン90を動作させ、酸化性ガス予熱器40により予熱された一次酸化性ガスを燃料粉砕部10に流入させる。
ステップS403で、制御部50は、燃料供給部36に固体燃料の燃料供給を開始するよう指示する。制御部50の指示を受けた燃料供給部36は、燃料粉砕部10の固体燃料投入部17への固体燃料の供給を開始する。
ステップS404で、制御部50は、駆動部14に対して電動モータに流れる電流の電流値を検出する検出部(電流検知センサ)200aの出力値を通知するように指示し、通知された電流値に基づいて固体燃料の粉砕が開始されたかどうかを判定する。ローラ13は回転テーブル12の外周部12bに押圧されている。ローラ13と回転テーブル12の間に固体燃料が入り込んで粉砕が開始すると、回転テーブル12とローラ13の押圧力が高まり、それに伴って回転テーブル12を回転させるのに要する駆動力が増加する。そして、回転テーブル12を回転させるのに要する駆動力を補うために、駆動部14は電動モータに供給する電流の電流値を高める。制御部50は、電動モータに流れる電流が所定の電流値を超えた場合に、固体燃料の粉砕が開始されたと判定する。したがって、電動モータに流れる電流の電流値に基づいて判定された固体燃料の粉砕が開始されたか否かを示す情報が、粉砕開始の検出情報となる。
ステップS408で、制御部50は、固体燃料粉砕装置1の運転を終了させるかどうかを判定し、運転を終了させると判定した場合には、燃料供給部36による燃料供給を停止させ(ステップS409)、図4の処理を終了させる。
制御部50は、ステップS412で固体燃料の粉砕開始を検出したと判定した場合はステップS413に処理を進める。
以上の図4の処理によれば、固体燃料粉砕装置1のウォーミングが完了し、燃料供給が開始された後に所定時間経過しても固体燃料の粉砕開始が検出されない場合、燃料供給を停止した上で一次酸化性ガスファン90による一次酸化性ガスの送風を継続し、ハウジング11内の固体燃料の粉砕が開始されるまで燃料供給の再開を待機させることができる。
図8は、第1実施形態の固体燃料粉砕装置の運転結果を示す図であり、(a)は一次酸化性ガスファンの風量を示し、(b)は固体燃料粉砕部の出口温度を示し、(c)は燃料供給部からの燃料供給量を示し、(d)は蒸気温度を示す。
また、図9は、第1実施形態の比較例の固体燃料粉砕装置の運転結果を示す図であり、(a)は一次酸化性ガスファンの風量を示し、(b)は固体燃料粉砕部の出口温度を示し、(c)は燃料供給部からの燃料供給量を示し、(d)は蒸気温度を示す。
なお、図8および図9の横軸はいずれも時間であり、T0〜T6は、時刻を示す。また、出口温度とは、燃料粉砕部10の出口34および出口35の近傍に設けられた温度センサ(不図示)が検出する温度を示す。また、蒸気温度とは、微粉燃料ボイラ60にて蒸気管(不図示)を流通する蒸気の温度を示す。
図9に示すように、時刻T0で風量が増加するとともに、出口温度の上昇が始まる。そして、時刻T1で、風量がさらに増加するとともに、燃料供給部36による燃料供給が開始される。ここまでの運転結果は、図8に示す第1実施形態の固体燃料粉砕装置の運転結果と同様である。
次に、本発明の第2実施形態について、図6および図7を用いて説明する。
第2実施形態は、第1実施形態の変形例であり、燃料供給部36による燃料供給を停止させた後に燃料供給部36による燃料供給を再開させる場合の処理が、第1実施形態とは異なる。
第1実施形態では、燃料供給部36による燃料供給が停止され(ステップS411)、固体燃料の粉砕開始が検出され(ステップS412でYES)、その後に固体燃料粉砕装置1の操作者による燃料供給再開指示を受け付けた場合に(ステップS413でYES)燃料供給部36による燃料供給を再開するものであった。
それに対して第2実施形態では、燃料供給部36による燃料供給が停止され(ステップS611)、固体燃料の粉砕開始が検出され(ステップS612でYES)、その後に待機時間が経過した場合に(ステップS613でYES)燃料供給部36による燃料供給を再開する。
なお、図6および図7のフローチャートにおけるステップS601からステップS612までの各処理は、図4および図5のフローチャートにおけるステップS401からステップS412までの各処理と同様であるので、説明を省略する。
第1実施形態では、固体燃料の粉砕が開始されたかどうかを、電動モータに流れる電流の電流値を検出する検出部(電流検出センサ)200aの出力値に基づいて判定するものであったが、他の態様であっても良い。
例えば、回転テーブル12の外周部12bに対してローラ13が所定距離以上離れたかどうかを検出し、所定距離以上離れたことを検出した場合に、固体燃料の粉砕が開始されたことを検出するようにしても良い。
10 燃料粉砕部
12 回転テーブル
13 ローラ
14 駆動部
16 分級部
36 燃料供給部
80 押込ファン
90 一次酸化性ガスファン
110 バーナ部
200 電源装置
200a 検出部(電流検出センサ)
Claims (6)
- 駆動部からの駆動力により回転する回転テーブルと、
前記回転テーブルの中央部に固体燃料を供給する燃料供給部と、
前記回転テーブルの外周部に押圧され、前記回転テーブルの回転に伴って前記中央部から前記外周部に移動する前記固体燃料を粉砕するローラと、
前記回転テーブルの上方に設けられ、前記ローラにより粉砕された前記固体燃料を所定粒径より小さい微粉燃料に分級する分級部と、
前記ローラにより粉砕された前記固体燃料を前記分級部へ供給するための一次酸化性ガスを送風する一次送風部と、
前記ローラが前記燃料供給部により供給された前記固体燃料の粉砕を開始したか否かを検出する検出部と、
前記燃料供給部による前記固体燃料の供給と、前記一次送風部による前記ローラへの前記一次酸化性ガスの送風を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を開始させてから所定時間経過しても前記検出部が前記固体燃料の粉砕の開始を検出しない場合に、前記一次送風部による前記ローラへの前記一次酸化性ガスの送風を停止させることなく前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を停止させ、前記検出部が前記固体燃料の粉砕の開始を検出したことに応じて前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を再開させるよう制御することを特徴とする固体燃料粉砕装置。 - 操作者による前記固体燃料の供給再開指示を受け付ける受付手段を備え、
前記制御部は、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を停止させた後に前記検出部が前記固体燃料の粉砕の開始を検出し、かつ、前記受付手段が前記供給再開指示を受け付けた場合に、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を再開させるよう制御することを特徴とする請求項1に記載の固体燃料粉砕装置。 - 前記制御部は、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を停止させた後に前記検出部が前記固体燃料の粉砕の開始を検出し、かつ、所定の待機時間が経過した場合に、前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を再開させるよう制御することを特徴とする請求項1に記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記駆動部は、電動モータを含み、
前記検出部は、前記電動モータに供給される電流の電流値が所定値を上回った場合に、
前記ローラが前記燃料供給部により供給された前記固体燃料の粉砕を開始したと検出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固体燃料粉砕装置。 - 前記検出部は、前記回転テーブルに対して前記ローラが所定距離以上離れた場合に、前記ローラが前記燃料供給部により供給された前記固体燃料の粉砕を開始したと検出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固体燃料粉砕装置。
- 駆動部からの駆動力により回転する回転テーブルと、前記回転テーブルの中央部に固体燃料を供給する燃料供給部と、前記回転テーブルの外周部に押圧され、前記回転テーブルの回転に伴って前記中央部から前記外周部に移動する前記固体燃料を粉砕するローラと、前記回転テーブルの上方に設けられ、前記ローラにより粉砕された前記固体燃料を所定粒径より小さい微粉燃料に分級する分級部と、前記ローラにより粉砕された前記固体燃料を前記分級部へ供給するための一次酸化性ガスを送風する一次送風部とを備える固体燃料粉砕装置の制御方法であって、
前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を開始させる供給開始工程と、
前記供給開始工程による前記固体燃料の供給が開始されてから所定時間が経過するまでに前記ローラが前記燃料供給部により供給された前記固体燃料の粉砕を開始したか否かを検出する第1検出工程と、
前記第1検出工程が、前記固体燃料の粉砕の開始を検出しない場合に、前記一次送風部による前記ローラへの前記一次酸化性ガスの送風を停止させることなく前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を停止させる供給停止工程と、
前記供給停止工程により前記固体燃料の供給が停止された後に前記ローラが前記燃料供給部により供給された前記固体燃料の粉砕を開始したか否かを検出する第2検出工程と、
前記第2検出工程が前記固体燃料の粉砕の開始を検出したことに応じて前記燃料供給部による前記固体燃料の供給を再開させるよう制御する供給再開工程と、
を備えることを特徴とする固体燃料粉砕装置の制御方法。
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