JP5984263B2 - 近視の眼のためのコンタクトレンズおよび近視を処置する方法 - Google Patents

近視の眼のためのコンタクトレンズおよび近視を処置する方法 Download PDF

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Description

本発明の分野は、近視の眼のためのコンタクトレンズおよび近視を処置する方法である。詳細には、本発明のコンタクトレンズおよび関連する方法は、実質的に老眼ではない近視の眼に適用可能である。本発明の実施形態は、近視が進行中の近視の眼に適用可能である。
多くの人々が、近視(近視眼)を患っている。近視の有病率が増加しつつあることから、解決策の開発に注目が集まっている。さらに、多くの人々にとって、近視は、何らかの既存の方法を用いて補正しても、時間と共に進行するものである。
図1は、正常な視力の眼(つまり、遠視の眼および近視の眼のいずれでもない)を示している。図2は、遠くの対象を見ている近視の眼を示している。像の焦点が、網膜の前に位置している。このように網膜に対して焦点がずれることによって、ぼやけが生じる。
複数の技術が、近視を補正するために使用されてきた。これらの技術として、処方眼鏡レンズまたはコンタクトレンズまたは眼内レンズ、角膜の外科的整形、およびハードまたはソフトコンタクトレンズによる角膜の一時的な整形が挙げられる。
近くの対象を見ている場合に、近視を有する多くの人は、像を前方に移動させて網膜に結ばせるのに必要とされるものよりも少ない量で調節を行うことが観察されてきた。この不十分な調節は、しばしば、調節ラグと呼ばれる。図3は、調節ラグを伴う近視の眼を示している。像の焦点が、網膜の背後に位置している。子供に関する研究は、調節ラグが、通常は、短焦点(つまり、調節)要求の増加と共に、増加することを示している。主にヨーロッパ系の子供に関する研究では、自動屈折計を用いて33センチメートルの距離で測定された調節ラグは、8歳から11歳までの子供で1.26D(−0.75〜2.82Dの範囲)の中央値ラグであった。中華民族の子供では、33センチメートルの距離で測定された調節ラグは、0.74+/−0.27Dであった。
Radhakrishnanらの欧州特許出願公開第2004/005560号明細書は、収差を制御し、これにより、所定の方法で、視像の中および高空間周波数ピークの位置を操作することによって、近視の進行を遅らせるか、またはこれを制御すると述べられた方法について記載している。中および高空間周波数ピークの再配置は、調節ラグを修正することを目的としている。この方法は、所定の収差制御設計を有する接眼レンズシステムを用意することおよび負の球面収差を与える設計を必要とする。
国際公開第05/055891号パンフレットは、近視の進行を制御する目的で、相対的な像面湾曲を制御するコンタクトレンズの使用について記載している。この方法は、網膜の前に周辺像を移動させ、これと同時に、明瞭な中心視を可能にすることを含む。
米国特許第6,752,499号明細書(アラー(Aller))は、内方固視ずれによって近視の眼における近視の進行を制御する多焦点コンタクトレンズの使用について記載している。アラーは、許容可能な遠距離視力を与え、近見時の内斜位の緩和または補正を行うレンズを提供することについて記載している。アラーは、最大で2.25Dの付加屈折力(add power)を有する近距離中心二焦点レンズの使用および最大で2.5Dの付加屈折力を有する遠距離中心レンズの使用について記載している。
多焦点コンタクトレンズおよび二焦点コンタクトレンズは、老眼用としても設計されてきた。
米国特許第6,457,826号明細書(レット(Lett))は、中心近距離二焦点レンズおよび中心遠距離二焦点レンズについて記載している。記載されている中心近距離二焦点レンズの実施形態は、弦長が2.07mmにまで広がる、屈折力が一定の中心領域と、弦長2.71mmから始まる遠距離屈折力外側領域と、中心領域から外側領域にかけて連続的に屈折力が移行している勾配屈折力非球面領域とを有する。3.0mmの瞳孔に関して、レットは、近距離屈折力が、瞳孔領域の48%を占め、遠距離屈折力が、18%を占めると述べている。5.0mmの瞳孔に関して、レットは、近距離屈折力が、瞳孔の17%を占め、遠距離屈折力が、71%を占めると述べている。
米国特許第5,139,325号明細書(オクスマン(Oksman)ら)は、レンズの半径方向距離に反比例する視力補正屈折力を有するレンズについて記載している。記載されている例では、レンズが、半径0.72mmまでの中心部に2.75ディオプトリの遠視力に関する付加屈折力を有する。この付加屈折力は、0.72mm以降は、半径に反比例して減少する。別の例は、半径0.66mmの範囲に3.00ディオプトリの遠視力に関する付加屈折力を有する。この付加屈折力は、関数が切り捨てられない限り、ゼロに達することはないと記載されている。
米国特許第5,754,270号明細書(Rehseら)は、直径約2.4mmまでに2.25〜2.50Dの遠視力に関する付加屈折力を有する中心非球面領域、直径2.4mm〜2.5mmの領域における約0.5〜1.25Dの屈折力の変化、およびこれ以降の、直径約6mmにおいて遠視力補正のために必要とされる屈折力に至る、付加屈折力の漸進的減少を有するレンズについて記載している。
本明細書における任意の従来技術に対する言及は、この従来技術が、何らかの権威をもった共通の一般的知識の一部を形成していること、または、この従来技術が適切であると確認され、理解され、考えられることが当業者によって当然のように期待されていることの承認または何らかの形の示唆である、と考えられないし、また、考えられるべきではない。
本発明は、一般に、近視の眼を処置するためのコンタクトレンズおよびコンタクトレンズの使用に関する。
コンタクトレンズは、内側光学領域および外側光学領域を含む。外側光学領域は、少なくとも、遠視力を補正するために選択された第1の屈折力を有する部分を含む。内側光学領域は、相対的により正の屈折力(付加屈折力(add power))を有する。実施形態によっては、この付加屈折力は、内側光学領域の全域にわたって実質的に一定である。他の実施形態では、この付加屈折力は、内側光学領域の全域にわたって変化をつけられている。実施形態によっては、内側光学領域が、近視を有する眼における調節ラグを実質的に取り除くように設計された屈折力を有し、また、他の実施形態では、付加屈折力がより大きくてもよく、例えば、最大で約4ディオプトリであってもよい。
遠視力の補正についての言及は、ぼやけを実質的に取り除く第1の屈折力を有するレンズを用意することを含意している。
実施形態によっては、外側光学領域が、少なくとも、第1の屈折力と比べて相対的により正の屈折力である第3の屈折力を有する部分を含む。第3の屈折力を有する部分は、内側光学領域から区別される。第3の屈折力は、第1の屈折力を有する部分によって、内側光学領域から分離されている。第3の屈折力は、付加屈折力が一定の場合、付加屈折力に実質的に等しいか、または、第3の屈折力は、付加屈折力が可変である場合、内側光学領域における最大付加屈折力と実質的に等しい。あるいは、第3の屈折力は、第2の屈折力と異なっていてもよい。実施形態によっては、第3の屈折力は、付加屈折力と比べて相対的により正である。
実施形態によっては、外側光学領域は、第1の屈折力と比べて相対的により正の屈折力を有する少なくとも2つの部分を含む。これらの少なくとも2つの部分は、第1の屈折力を有する部分によって分離されている。実施形態によっては、前記少なくとも2つの部分のそれぞれが、同一の屈折力を有する。あるいは、前記少なくとも2つの部分のそれぞれが、互いに異なる屈折力を有する。屈折力が異なる場合、相対的により正の屈折力を有する部分が、相対的により小さな屈折力を有する部分よりも、コンタクトレンズの半径方向距離のより大きな位置に配置される。
実施形態によっては、内側光学領域の直径および/またはレンズの他の付加屈折力部分は、許容可能な遠視力を維持しながらも、最大となるように選択される。この選択は、近視の進行および付加屈折力を有するレンズの部分の遠視力への効果を考慮した、繰り返しプロセスであってもよい。
実施形態によっては、内側光学領域は、光学領域にわたって広がるメリディアンを備える。
実施形態によっては、内側光学領域は、コンタクトレンズの中心からずらして配置される。これらの実施形態では、コンタクトレンズは、眼に装着された場合に、内側光学領域が、中心から鼻の方向にずらして配置されるような位置をとるように構造化される。
実施形態によっては、遠距離に対する眼の屈折異常を補正するように働く任意の領域は、十分に明瞭な遠視力を与えるために屈折異常を補正することができる。
近視の眼のためのコンタクトレンズを用意する方法は、遠視力を補正する屈折力と付加屈折力とをある比率で有する上記したようなレンズを用意することを含む。この場合、比率および/または屈折力プロファイルおよび/または付加屈折力の大きさは、近視の進行率に影響を与える目的で、および/または、許容可能な遠視力を維持する目的で変更される。
個人の装着者にレンズをカスタム製造する必要をなくし、上記のような多様な特性を有するレンズの選択を可能にするために、ある程度の範囲のコンタクトレンズが用意されてもよい。
本発明のさらに一般的な態様およびこれまでの段落に記載された態様のさらなる実施形態は、以下の説明および/または添付図面から明らかとなる。
正常な視力の眼を示している。 遠くの対象を見ている近視の眼を示している。 調節ラグを伴う近視の眼を示している。 本発明のコンタクトレンズの実施形態の平面図を示している。 図4のコンタクトレンズの断面図を示している。 図4のコンタクトレンズを通して遠くの対象を見ている近視の眼を示している。 図4のコンタクトレンズを通して近くの対象を見ている近視の眼を示している。 本発明に係るレンズの複数の実施形態に関して、屈折力と半径との相関グラフを示している。 増加された相対的な像面湾曲の、近視のための処置プロファイルを示している。 本発明のコンタクトレンズの別の実施形態の平面図を示している。
1.導入
先に簡単に述べたように、近くの対象を見ている場合、近視の眼は、調節ラグを伴う可能性がある。より大きな調節ラグは、近視の進行と関連している可能性がある。ラグのせいで、近くの文章または対象を読む場合に、網膜は、ぼやけまたはピンぼけ(遠視性)の作用を受ける。このぼやけまたはピンぼけは、眼の成長に対する刺激として働く、という理論が立てられてきた。
調節エラーを減らすことのできる1つのメカニズムは、近くを見ている間は、正レンズ(レンズの遠距離屈折力と相対的な正の屈折力を有するレンズ)を使用することである。正の屈折力は、網膜のより近くに像を結ぶように働き、これにより、調節ラグが軽減されるか、または取り除かれる。二焦点眼鏡、または、累進多焦点レンズなどの多焦点眼鏡(レンズの上方領域は、遠視力を与え、下方領域は、遠距離領域と相対的に正である、近見視を与える屈折力を有する)が、近見視のための、このような累進的な正の屈折力を与えるために使用することができる。
眼鏡レンズの使用に伴う問題は、近くの対象を見ている間の適合性である。レンズを有効にするためには、近くの対象を見ている間は、正の屈折力が付け加えられた、レンズの下部を使用しなければならない。しかしながら、眼鏡の下部を通るように視線を向ける誘因がない場合、患者、特に子供は、近くの対象を見ている間、自分の頭を下に傾け、レンズの近距離部どころか、遠距離部を使用し続ける場合がある。
この状況には、コンタクトレンズがより良い適合性を有する。なぜならば、コンタクトレンズは、眼と位置調整されるため、眼と頭の動きとを一致させる必要がなくなるからである。さらに、眼鏡をかけている状況では、子供が、眼鏡の下部を通るように視線を向ける場合であっても、眼鏡の背後で生じる眼の動きおよび視線のずれによって、常に、眼に対して適切な屈折力を調整することが困難となる。コンタクトレンズが、眼の前面に配置され、完全に眼の動きと位置調整されるならば、適切な屈折力プロファイルを有するコンタクトレンズは、子供が、遠距離を見ている場合に、適切な補正屈折力を授かることを保証する。
2.屈折力が異なる複数の領域を有するコンタクトレンズ
図4は、近視を補正する際に使用されるコンタクトレンズ100の実施形態の平面図を示している。レンズ100は、3つの領域および1つの移行領域を含んでいる。3つの領域は、内側光学領域1、外側光学領域2、および周辺領域3である。移行領域4は、内側光学領域1と外側光学領域2との間に位置している。すべての領域が、レンズの外周端5の内側にある。なお、この外周端5は、図4に破線として示されている。
図5は、レンズ100の直径を通る断面を示している。図示した実施形態では、レンズ100は、回転対称である。回転対称レンズの製造は、非対称レンズよりも単純であり得る。しかしながら、以下に説明するように、レンズの一部の実施形態は、非対称である。レンズは、前面6および後面7を含んでいる。
レンズ100は、ソフトまたはハードの角膜コンタクトレンズのいずれであってもよい。例えば、レンズは、シリコーンハイドロゲルの角膜コンタクトレンズ、または、硬質ガス透過性の角膜コンタクトレンズであってもよい。あるいは、レンズ100は、角膜アンレーであってもよい。角膜アンレーは、角膜の上皮の下に配置される。上皮は、例えば削り取られるが、レンズ上に再生することができる。レンズが、硬質コンタクトレンズまたは角膜アンレーの場合、周辺領域3は、省略してもよい。
2.1内側光学領域の寸法および屈折力
内側光学領域1の直径D1は、近距離を見ている間の瞳孔径P1に近似するか、または、瞳孔径P1よりも小さくなる。P1は、通常は、2〜4mmであり、レンズの装着者に応じて決まる。近距離というのは、些細ではない調節ラグまたは実質のある調節ラグが存在する場合の距離に対応していてもよい。内側光学領域1は、P1の約10%であってもよく、最大でP1の約100%であってもよい。しかしながら、多くのレンズ装着者には、P1の50%〜100%の範囲から、内側光学領域1の適切な直径D1を選択することが期待される。
内側光学領域1の屈折力は、外側光学領域2の屈折力と比べて、相対的により正である。外側光学領域2に対する内側光学領域1の差分屈折力は、約0.5D〜4.00Dの範囲から選択することができる。例えば、外側光学領域2の屈折力が、−1.50Dの場合、内側光学領域の屈折力は、約−1.00D〜2.50Dであってもよい。
実施形態によっては、内側光学領域1の屈折力は、近距離を見ている場合の近視の眼の調節ラグを考慮して選択される。例えば、屈折力は、調節ラグを相当に軽減するか、または、調節ラグを取り除くように選択されてもよい。この場合、屈折力は、内側光学領域1の全域にわたって実質的に均一となるように選択されてもよい。このアプローチは、内側光学領域1がより大きい(つまり、P1の50%以上である)場合に、特に適切であり得る。他の実施形態では、屈折力は、内側光学領域が、P1の50%以上であろうとなかろうと、内側光学領域1の全域にわたって変化をつけられていてもよい。また、付加屈折力の少なくとも一部は、調節ラグを補正するために必要とされるものより大きくてもよい。
内側光学領域の付加屈折力が、調節ラグを補正するために必要とされるものより大きい実施形態は、内側光学領域1が、P1の50%未満である場合に、特に適切であり得る。
より小さい内側光学領域1またはより大きい内側光学領域1のどちらを選択するかは、コンタクトレンズの装着者の瞳孔径、コンタクトレンズ100の主観的受容性、および必要とされるプラスの屈折力領域の比率に関する考慮にもとづいて行われてもよい(以下参照)。
本明細書に記載した実施形態では、内側光学領域1は、レンズの中心から特定の直径の範囲に広がっているものとして示されており、このため、コンタクトレンズの正面から見た場合には、中実のディスクとして表される。しかしながら、内側光学領域1の形状は、円形以外の別の形状であってもよい。とはいうものの、これによって、製造がより複雑になる場合がある。
2.2外側光学領域の直径および屈折力
外側光学領域2は、環状であり、D1と等しい内径(移行領域4の中心点から両領域が測定される場合)および外径D2を有する。外径D2は、遠くの対象を見ている間の瞳孔径P2に近似する。P2は、通常は、3〜8mmであり、患者に応じて決まる。他の実施形態では、外側光学領域2は、P2より大きくてもよい。
外側光学領域2の屈折力は、コンタクトレンズ100が装着されるべき眼の近視の状態を考慮して選択される。例えば、多くの実施形態では、十分に明瞭な遠視力を眼に与える屈折力が選択されることが期待される。実施形態によっては、外側光学領域2の屈折力は、半径が大きくなっても、実質的に一定である。他の実施形態では、外側光学領域2は、屈折力の異なる複数のサブ領域を含んでいてもよい。これらの他の実施形態では、かなりの比率の外側光学領域2が、依然として、近視の患者の遠視力の補正に割り当てられる。
2.3コンタクトレンズの設計パラメータの選択および調節
遠距離補正領域に対して1つ以上の付加屈折力を有する領域が占めるレンズの比率は、以下の変数の任意の1つまたは任意の組み合わせを調節することによって、調節することができる。
内側光学領域のサイズ、
内側光学領域の屈折力プロファイル(例えば、内側光学領域の屈折力が、その半径の全域にわたって実質的に均一であるのか、または、この半径の全域にわたって複数の屈折力があるのか(例えば、平滑非球面関数または階段関数))、
外側光学領域の屈折力プロファイル
実施形態によっては、眼が遠くの対象を見ている場合の、通常の室内光条件下おける視野の全体の約40%〜50%が、遠視力の補正に割り当てられる。他の実施形態では、約50%〜60%が、遠視力の補正に割り当てられる。他の実施形態では、少なくとも70%が、遠視力の補正に割り当てられる。
したがって、近視を処置する方法は、第1の比率が、遠視力に割り当てられ、なおかつ、第2の比率が、相対的にプラスの屈折力を有する1つ以上の領域に割り当てられたレンズを繰り返し処方するプロセスを含む。この場合、遠視力が評価され、遠視力補正領域と相対的にプラスの屈折力領域との相対的比率が、許容可能な遠視力を維持しながらも、プラスの屈折力領域の必要な比率に到達するか、または、これにより近づくまで変更される。この必要な比率は、許容可能な遠視力が維持される限りにおいて、最大であってもよい。
例えば、上記の方法は、内側光学領域の直径D1が、通常の室内光条件で近くの対象を見ている場合の患者の瞳孔径と実質的に等しく、なおかつ、直径D2が、同一の光条件下で遠くの対象を見ている場合の患者の瞳孔径P2と実質的に等しいか、これよりも大きくなっているレンズから開始することを含むことができる。この場合、患者の遠視力が評価されてもよい。遠視力が許容可能な場合、相対的にプラスの屈折力の比率は、内側光学領域の直径を大きくすること、および/または、外側光学領域にプラスの屈折力サブ領域を設けることによって、随意に増加させてもよい。この場合、患者の遠視力が再評価され、必要ならば、比率が調節されてもよい。比率を制限するための基準としての許容可能な遠視力(患者の承諾を含めてもよい)に対してプラスの屈折力の比率を増加させるこのプロセスは、例えば、患者の近視が特定のレベルを超えて進行中である場合、および/または、調節ラグにもとづいて、および/または、周辺部網膜において測定されるようなピンぼけの量にもとづいて、採用されてもよい。例えば、このプロセスは、患者が、0.5D/年を上回って、または、0.7Dまたは0.8D/年を上回って、進行している場合に、採用されてもよい。遠視力が許容可能ではない場合、内側光学領域の直径の縮小、および/または、外側光学領域における任意の相対的にプラスの屈折力領域のサイズの縮小もしくはこれの除去が行われてもよい。
相対的にプラスの屈折力領域の比率を変更することに加えて、または、これの代わりとして、プラスの屈折力領域の相対的に正の屈折力が、上記したものと同様のアプローチを用いて、変更されてもよい(例えば、許容可能な遠視力の限界に達するまで、ひょっとしたら、より少ないバッファに達するまで、プラスの屈折力領域の屈折力を増加させる)。さらに、上記したように、屈折力プロファイルは、内側光学領域の全域にわたって一定である屈折力と、内側光学領域の全域にわたって変化をつけられた屈折力との間で、ならびに、内側光学領域における変更の様々な割合および/または大きさの間で、変更されてもよい。
患者のためのレンズの設計は、最初のコンタクトレンズ100が、一定期間装着された後、例えば、3〜6ヶ月または12ヶ月後に、近視の進行率を参照して、行われてもよい。例えば、開業医は、内側光学領域1の直径D1が、通常の室内光条件で近くの対象を見ている患者の瞳孔径と実質的に等しく、なおかつ、直径D2が、遠くの対象を見ている場合の患者の瞳孔径P2と実質的に等しいか、または、これより大きくなっているレンズから始めてもよい。外側光学領域2の全域が、遠視力補正に充てられる。評価期間が終了した後、必要ならば、近視の進行が測定され、これが、特定の閾値を越える場合、例えば、年率0.5Dを超える場合(または、他の実施形態では、0.7Dまたは0.8D/年または何らかの他の割合(コンタクトレンズ100が装着される前と比べて必要な分だけ低減された進行率として決定することのできる)を超える場合)、相対的にプラスの屈折力に充てられるレンズの比率が増加されてもよく、および/または、1つ以上のプラスの屈折力領域には、増加された相対的に正の屈折力が与えられてもよく、および/または、内側光学領域のプロファイルが変更されてもよく、例えば、レンズの一般的プロファイルL1〜L3からレンズの一般的プロファイルL4〜L6に変更されてもよい(以下の記載および図8参照)。
患者のためのレンズの設計は、レンズの屈折力の選択との関連で行われる。例えば、開業医は、例えば約0.5Dまたは約0.25Dによる近視の補正を受けさせるように、遠視力補正に充てられた外側光学領域の部分を選択することができる。少なくとも一部の患者にとって、補正を受けることが、近視の進行率を減少させる補助となる場合があることが理論化されてきた。
例えば、開業医は、
1.必要とされる近視補正を特定し、必要な場合に(例えば、近視の補正を受けさせるために)、近視補正を調節し(これにより、外側光学領域2の屈折力が設定される)、
2.網膜により近い像点、網膜上の像点、または網膜の前方の像点に、近くの対象からの光線の焦点を合わせるために必要とされる相対的に正の屈折力を特定し(これにより、内側光学領域1の屈折力が決定される)、
3.外側光学領域2における任意の相対的にプラスの屈折力サブ領域に関する屈折力を特定し(これは、ステップ2の屈折力特定に一致するように最初に選択され得る)、
4.上記したような遠距離補正領域に対するプラスの屈折力領域の相対的比率を調節してもよい。
患者が一定期間レンズを着用した後、開業医は、
5.患者の視力を再評価し、遠距離補正領域に対するプラス領域の相対的屈折力および/または相対的比率に必要とされる任意の補正を特定し、
6.調節された屈折力プロファイルを有する第2のレンズを処方する。
当然ながら、開業医は、患者を観察し続け、定期的に上記したステップを繰り返して、許容可能な視力を維持し、必要ならば、測定された近視の進行に対処してもよい。
屈折力プロファイルの例について、図8を参照して以下に説明する。これらの屈折力プロファイルのそれぞれが、遠距離補正のための領域と、相対的に正の屈折力を有する領域との任意の必要な比率を得るために、修正され得ることが理解されよう。
2.4移行領域
内側光学領域1と外側光学領域2との間の移行領域4は、内側光学領域と外側光学領域との混合である。これにより、連続的な屈折力プロファイルが得られる。内側光学領域1の周縁部の屈折力と、外側光学領域2の内縁部の屈折力との間に段階的な変化がある移行領域4が設けられてもよい。他の実施形態では、内側光学領域1および/または外側光学領域2の全域にわたる屈折力が、直径と共に変化し、双方が交差する場合、分離していないように設計された移行領域4が必要である(移行部は、設計に特有の部分となる)。実施形態によっては、移行領域は狭くてもよい。これにより、屈折力プロファイルが、効果的に不連続性を含むものとなる。
2.5周辺領域
周辺領域3の形状は、眼の強膜にもとづいており、周辺領域3は、適切な位置にコンタクトレンズ100を配置して保持するように働く。先に言及したように、コンタクトレンズ100が、角膜アンレーである場合、周辺領域3は、省略することができる。
2.6コンタクトレンズの効果
図6および図7は、図4および図5に示したタイプのコンタクトレンズ100を通して、遠くの対象および近くの対象を見ている近視の眼を示している。図7では、破線が、レンズ100を通過する光線の経路を示しており、実線が、比較の目的でレンズ100がない場合の光線を示している。この例では、レンズ100は、中央光学領域を通過する、近くの対象からの光が、網膜に焦点を結ぶように、設計されている。言い換えれば、内側光学領域1は、近くの対象の像を網膜に置くことによって、調節ラグを取り除くように設計されている。図6および図7は、それぞれの対象の距離に合わせて設計されたレンズの部分に関してのみ光線を示している。詳細には、図6は、遠視力を補正するように設計された外側光学領域2の部分を通過する光線のみを考慮しており、相対的に正の屈折力を有する内側光学領域1を考慮していない。図7は、調節ラグを完全に補正する内側光学領域1の部分を通過する光線のみを考慮している。
2.7様々な屈折力プロファイル実施形態、および、瞳孔の中心とレンズの中心との位置合わせ不良
図8は、内側光学領域1および外側光学領域2の全域にわたる可能な屈折力プロファイルの例を示すグラフを示している。この屈折力プロファイルは、レンズの半径に対してプロットされている。このグラフは、近視の患者の遠視力を補正するために必要とされる屈折力とレンズの屈折力との差を示すために描かれた。図8では、相対的な屈折力の差が、ディオプトリ(D)という屈折力の単位で縦軸にプロットされており、光軸からの半径方向距離(または、単に半径)が、ミリメートル単位で横軸にプロットされている。図8は、6つの異なる複数領域レンズのプロファイルL1〜L6を示している。
L1は、中心(半径0mm)で最大となる2Dという最大の差分屈折力を有する内側領域1を有する。外側光学領域2は、半径約0.5〜1.0mmの任意の位置から始まっていると考えてもよい。2つの領域は、連続的で相対的に平滑な屈折力プロファイルを形成するように結合されている。外側光学領域2は、2つのサブ領域、すなわち、遠視力を補正するために選択された実質的に一定の屈折力を有する内側サブ領域と、半径約2.25mmから始まる、正の屈折力差を有する外側サブ領域とを含んでいる。
L2は、外側光学領域2が、完全に、遠視力を補正するために充てられている点を除いて、レンズL1と同様の屈折力差プロファイルを有する。
L3は、内側領域1の直径がより大きく、内側領域1の全域にわたって変化率がより低いこと以外は、レンズL2と同様の屈折力差プロファイルを有する。
L4は、別の近距離および遠距離「リング」構造を有し、遠視力を補正するために必要とされる屈折力と比べてより正である屈折力2Dを有する正の屈折力内側領域1を含む。外側光学領域2は、半径約1mmから始まっている。外側光学領域2は、3つのサブ領域、すなわち、遠視力を補正する屈折力を有するリング、半径1.5mm〜約1.9mmの、遠視力を補正するために必要とされる屈折力と比べてより正である屈折力2Dを有する正の屈折力リング、および、遠視力を補正する別のリングを含む。他の実施形態では、遠距離補正のための屈折力と相対的に正の屈折力とが交互に配置されたより多くのリングが設けられてもよい。各リングの相対的に正の屈折力は、他のリングのそれぞれと同一の屈折力を有していてもよいし、リングの屈折力は、互いに異なっていてもよい。
L5は、屈折力が実質的に一定であり、かつ直径が約2.0mmである内側領域1を有している。狭い移行領域4が、外側光学領域2に向かって設けられており、領域間の差分屈折力は、3Dである。
レンズL6は、直径がより大きい内側領域1、および、概して半径1.0mm〜1.75mmに位置する移行領域4を備えている。外側光学領域2は、半径に伴い一定の屈折力を有する。
レンズL7は、遠視力補正と比べて正である約1.5Dという、相対的に一定の屈折力を有する内側領域1を備える。内側領域の直径は、約2mm(軸から半径1mmの距離)である。外側光学領域は、半径約1mm〜2mmの内側サブ領域と、半径約2mmから始まる外側サブ領域とに分かれている。内側サブ領域は、遠距離屈折異常の補正のための一定の屈折力を備え、一方、外側サブ領域は、増加された周辺屈折力(最大で+1.5D)を備えることによって、周辺像点を前方に再配置する。
構成がレンズL1と類似しているレンズは、あらゆる距離に対する適正な屈折力を依然として有することによって、瞳孔の中心とレンズの中心との可能的な位置合わせ不良を説明することができる。
例えば、瞳孔の中心が、1.0mmだけ中心から外れた場合、着用者が、近くの対象を見ている場合、内側光学領域1は、適正な正の屈折力を与えるのに有効ではない。したがって、外側光学領域の外側サブ領域は、必要な差分を与えるか、または、少なくとも不足分を減少させる。レンズL4の正の屈折力リングは、同様に、瞳孔の中心とレンズの中心との位置合わせ不良を同様の方法で扱っており、レンズの他の実施形態は、レンズと瞳孔とが揃わない場合に、近視力を補助する2つ以上の正の屈折力サブ領域を含むことができる。
2.8回転対称的な実施形態および回転非対称的な実施形態
前述の説明では、主に、回転対称レンズに焦点を当ててきたが、他のレンズ構造が用いられてもよい。例えば、一般に円形の内側光学領域1(レンズの中心軸/光軸上から見た場合)の代わりとして、内側光学領域1は、レンズを横切って広がるメリディアンであってもよい。メリディアンは、幅0.5〜3mmであってもよく、先に記載した内側光学領域1の直径と一致している。メリディアンは、周辺領域3において終端していてもよい。この実施形態では、外側光学領域2は、2つのメリディアンであり、内側光学領域1の両側に1つずつある。図10は、メリディアン内側光学領域51、第1のメリディアン外側光学領域52、第2のメリディアン外側光学領域53、および周辺領域54を有するこの構成を有するレンズ50の一般的構造を示している。図3および図4に示したレンズ構造と同様に、ハードコンタクトレンズまたは角膜アンレーの場合は、周辺領域54を省略してもよい。垂直方向半分のメリディアン(図10に示したレンズ50の向きを参照)に沿う屈折力プロファイルは、図8を参照して上記した任意のプロファイルであってもよい。
レンズが、安定化され、または、そうでなければ、眼に対して正しい方向に配置されるように形成され、眼が動いたときに適切な位置にあり続けるならば、内側光学領域1は、中心から外れて配置されてもよい。この配置は、近くの対象を見ている場合の瞳孔の内側への動き(鼻に向かう)を反映していてもよい。この動きは、約0.5mmである場合がある。
3.周辺処置プロファイル
実施形態によっては、コンタクトレンズ100は、周辺処置プロファイルを有するように設計される。
3.1近視のための周辺処置プロファイル
近視のための周辺処置プロファイルの形は、増加された相対的な像面湾曲である。レンズは、周辺部網膜において焦点が結ばれることになる像が前方にずらされ、これによって、この像が網膜上または網膜の前に焦点を結ぶことになるように、設計される。この目的のために、相対的な像面湾曲を制御するコンタクトレンズを使用することは、その内容の全体が本明細書に組み込まれる国際公開第05/055891号パンフレットに記載されている。図9は、国際公開第05/055891号パンフレットの図3aの再現であるが、網膜の前に焦点を移動させることによる周辺像の操作を示している。
3.2周辺処置プロファイルを有することのできる例示的なレンズ
図8に示したレンズL1は、近視のための周辺処置プロファイルを有することができる。先に述べたように、相対的に正の屈折力を有する内側光学領域1に加えて、レンズL1は、正の屈折力差を有し、かつ半径約2.25mmから始まる外側サブ領域を含む外側光学領域2を有する。内側光学領域1および外側サブ領域の双方は、周辺像を前方に移動させるように働く。しかしながら、外側サブ領域に利用できる、網膜上または網膜の前に周辺像を配置するための設計の自由度は増加されている。なぜならば、内側サブ領域は、近距離に対する明瞭な視力を与えるという要求によって、制約され得るからである。
図8に示した「リング」設計のレンズL4も、同様に、近視のための周辺処置プロファイルを有することができる。このレンズにおいて、半径1.5mmから始まるリングは、周辺像を前方にずらすように働く。他の実施形態では、複数のリングがあってもよく、それらのそれぞれが、周辺像を網膜上に、または、網膜の前に移動させる。リングの幅は、一定であってもよく、あるいは、変化をつけられていてもよく、例えば、外側リングの幅が、内側リングより広くてもよい。
先に述べたように、外側光学領域2内の相対的に正の屈折力のサブ領域は、コンタクトレンズ1と瞳孔との可能的な位置合わせ不良に対処する際に有用であり得る。実施形態によっては、相対的に正の屈折力のサブ領域は、明瞭に近くの像の焦点を結ぶために必要とされるものに相当するように選択された屈折力を有してもよい。開業医は、これが同様に、レンズのその部分を通過する周辺像を、網膜上に、または、網膜の前に配置するか否かについてチェックすることができる。もしそうでないならば、この目的が達成されるように、屈折力を増加させることができる。あるいは、開業医は、近くの対象を明瞭に見るために必要とされる屈折力を実質的に無視して、周辺像の制御の目的で外側光学領域2の相対的に正の屈折力のサブ領域を設計してもよい。2つ以上の相対的に正の屈折力のサブ領域がある場合、内側の正の屈折力のサブ領域は、近くの対象の視力要件を考慮した屈折力を有してもよく、また、外側サブ領域は、例えば、眼の調節ラグを補正するために必要とされるものを上回る屈折力差を有することによって、周辺像の制御を考慮して設計された屈折力を有していてもよい。
開業医は、相対的に正の屈折力の面積がより狭い屈折力プロファイルを有するレンズを処方することから始めて、その後、近視の進行がそれでも問題となる場合に、相対的に正の屈折力の面積をより広くしたレンズに進んでもよい。例えば、開業医は、近くの対象を見ている場合の瞳孔径に対して直径を小さくした内側光学領域1、および、全域が遠視力に充てられた外側光学領域を有するレンズを処方することから始めてもよい。近視が依然として進行中である場合、開業医は、瞳孔径に近似するように内側光学領域1の面積を増加させてもよい。次に、開業医は、外側光学領域に対して相対的に正の屈折力のサブ領域を付け加えてもよく、近視の進行が止まるか、または、遠視力のレベルが許容可能ではないレベルに達するまで、相対的に正の屈折力のサブ領域の面積を増加させ続けてもよい。
先に言及したように、レンズの異なる組み合わせが、周辺像の位置を制御するために、例えば、レンズL1とレンズ4〜6の1つとを組み合わせることによって、形成されてもよい。
相対的に正の屈折力のサブ領域の位置および形状は、任意の像優先領域が、外側光学領域2にあること、または、外側光学領域2に広がることを避けるように、選択されてもよい。周辺像収差を有する像優先領域の組み合わせは、その内容の全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2007/082268号パンフレットに記載されている。例えば、図8を参照して、レンズは、ほぼ半分のメリディアンに沿って、L1の一般的形状の屈折力プロファイルを有してもよいが、半分のメリディアンに沿って、L2の一般的形状の屈折力プロファイルを有してもよい。この半分のメリディアンは、幅0.5mm〜3mmである。
本明細書に開示され、規定された本発明が、本文または図面によって指摘されたか、または、これらより明らかである2つ以上の個々の特徴の、あらゆる他の組み合わせにまで及ぶことが理解されよう。これらの異なる組み合わせのすべてが、本発明の他の様々な態様を構成する。

Claims (24)

  1. 直径が1mm〜4mmのほぼ円形または幅が0.5mm〜3mmのメリディアンの形状である内側光学領域と、該内側光学領域を取り囲む移行領域と、該移行領域を取り囲む外側光学領域とを備えたコンタクトレンズであって、
    該外側光学領域の少なくとも一部が、負の屈折力を有し、前記移行領域と直接隣接しており、
    該レンズは、遠視力を補正するものであり、
    前記内側光学領域が、調節ラグを減少または除去するように選ばれた屈折力を有するものであり、前記負の屈折力に対して、0.5〜4ディオプトリの間の一定の付加屈折力を持つ付加屈折力部分を少なくとも有
    前記内側光学領域が、近くの対象を見ている場合の眼の瞳孔とほぼ同じ直径となるように選択される、
    近視のための処置と、より近い距離を見る際のディオプトリとを有するコンタクトレンズ。
  2. 前記内側光学領域がほぼ円形で、その直径が2mm〜4mmである、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  3. 前記内側光学領域がほぼ円形で、その直径が1mm以上2mm未満である、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  4. 前記外側光学領域が、少なくとも、第3の屈折力を有する部分を含み、該第3の屈折力が、前記負の屈折力と比べて相対的により正であり、前記第3の屈折力を有する部分が、前記内側光学領域と異なる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
  5. 前記第3の屈折力が、前記付加屈折力部分の屈折力とほぼ等しい、請求項4に記載のコンタクトレンズ。
  6. 前記第3の屈折力が、前記付加屈折力部分の屈折力と異なる、請求項4に記載のコンタクトレンズ。
  7. 前記第3の屈折力が、前記付加屈折力部分の屈折力より大きい、請求項6に記載のコンタクトレンズ。
  8. 前記外側光学領域が、前記付加屈折力部分の屈折力より大きな屈折力を有する少なくとも2つの部分を含み、前記負の屈折力を有する部分によって分離されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
  9. 前記少なくとも2つの部分のそれぞれが、同じ屈折力を有する、請求項8に記載のコンタクトレンズ。
  10. 前記少なくとも2つの部分のそれぞれが、異なる屈折力を有する、請求項8に記載のコンタクトレンズ。
  11. 前記より正である屈折力を有する部分が、より小さな屈折力を有する部分よりも、前記コンタクトレンズの半径方向距離のより大きな位置に配置される、請求項10に記載のコンタクトレンズ。
  12. 内側光学領域と、該内側光学領域を直接取り囲む外側光学領域とを備え、
    該外側光学領域が、少なくとも遠視力を補正する負の屈折力を有する部分を有し、
    前記内側光学領域が、調節ラグを減少または除去するように選ばれた屈折力を有するものであり、前記負の屈折力に対して、1.5〜4ディオプトリの間の付加屈折力を有する部分を含み、
    前記内側光学領域の直径が1mm〜4mmの間にあり、近くの対象を見ている場合の眼の瞳孔とほぼ同じ直径となるように選択される
    近視のための処置と、より近い距離を見る際の調節ラグのディオプトリとを有するコンタクトレンズ。
  13. 前記内側光学領域の付加屈折力が、漸進的に、直径の増加とともに減少し、前記内側光学領域の屈折力プロファイルが、前記内側光学領域と前記外側光学領域との交差部において、前記外側光学領域の屈折力と等しい、請求項12に記載のコンタクトレンズ。
  14. 前記外側光学領域が、半径に関して実質的に一定の負の屈折力を有する、請求項12または13に記載のコンタクトレンズ。
  15. 前記ディオプトリが、2.6ディオプトリ〜4ディオプトリの間にある、請求項12〜14のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
  16. 前記内側光学領域が、ほぼ円形で、該コンタクトレンズの中心からずらして配置されており、
    前記コンタクトレンズは、目に装着されたときに特定の方向をとるように構造化されており、これにより、前記内側光学領域が前記中心から鼻の方向にずらして配置される、請求項1又は12に記載のコンタクトレンズ。
  17. 前記内側光学領域が、ほぼ一定の屈折力を持つ、請求項1〜16のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
  18. 調節ラグを有する近視眼のための方法であって、
    レンズに、調節ラグを補正する内側光学領域と、遠視力を補正する外側光学領域とを有するようにし、
    前記外側光学領域が、少なくとも遠視力を補正する負の屈折力を有する部分を有し、
    前記内側光学領域が、調節ラグを減少または除去するように選ばれた屈折力を有し、前記負の屈折力に対して、0.5〜4ディオプトリの間の一定の付加屈折力を持つ付加屈折力部分を有し、近くの対象を見ている場合の眼の瞳孔とほぼ同じ直径となるように選択される、
    ようにする方法。
  19. 前記内側光学領域の直径は、該内側光学領域が適用されるべき、近くの対象を見ている場合の眼の瞳孔の直径未満になるように選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記内側光学領域の直径が、該内側光学領域が適用されるべき、近くの対象を見ている場合の眼の瞳孔の直径よりも大きくなるように選択される、請求項18に記載の方法。
  21. 前記外側光学領域が、その半径の全域にわたって実質的に一定の負の屈折力を有する、請求項18〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記外側光学領域が、複数のサブ領域を含み、第1のサブ領域が、遠視力を補正するように選択された屈折力を有し、第2のサブ領域が、前記第1のサブ領域と相対的な正の屈折力を有する、請求項18〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記第2のサブ領域は、周辺部網膜における像が、網膜のより近く、網膜上、または網膜の前方の1つで焦点を結ぶことになるように設計される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記内側光学領域が、ほぼ一定の屈折力を持つ、請求項18〜23のいずれか一項に記載の方法。
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