JP5983951B2 - 高炉ステーブの設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉ステーブの設計方法に関し、特に、伝熱解析をもとに、高炉内におけるステーブ設置位置(高さ)に応じた最適冷却能を示すステーブの設計を行うことができる高炉ステーブの設計方法を提案する。
従来、高炉に配置されるステーブは、ステーブ設置高さに応じて炉内壁熱伝達率や炉内ガス温度に基づく伝熱解析によって最適冷却能が得られるよう設計している。しかしながら、高炉の冷却環境は、プロフィールや操業条件等により変動しており、また、伝熱解析するためのゾンデ等の測定装置は高炉の一部の高さにしか設置されていないため、高炉内における全てのステーブに対して、各ステーブ設置高さに応じた炉内壁熱伝達率や炉内ガス温度を適切に推定することは困難であった。
このように、従来は、高炉内においてステーブ設置高さに応じた炉内壁熱伝達率や炉内ガス温度の適切な推定ができないために、炉内ガスからステーブへ伝わる熱負荷を正確に推定することができなかった。このことは、設計段階でステーブの冷却能を正確に評価することができないことを意味しており、ステーブ設置高さに応じた熱負荷に適合する冷却能を有するステーブ設計を行うことを困難にしていた。
また、高炉ステーブの設計に関し、ステーブの冷却能を、相当パイプ径および補正リブを考慮して二次元化したステーブに基づき推定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、特許文献1で開示している設計方法は、ステーブの冷却能の推定にあたり、ステーブが用いられている高炉内の位置に対応した炉内側の境界条件の妥当性を考慮しておらず、適切な炉内側の境界条件に基づいたステーブの設計方法は知られていなかった。
特開平10−195512号公報
そこで、本発明は、高炉内におけるステーブ設置位置(高さ)の熱負荷に応じた冷却能のステーブ設計を行う際、例えば、材質、冷却配管構造等を設計する際に、ステーブ設置高さに応じた炉内壁熱伝達率と炉内ガス温度とをステーブの伝熱解析の境界条件に適用する方法を提案することを目的とする。
従来技術が抱えている前述の課題を解決し、前記の目的を実現するために鋭意研究した結果、発明者らは、伝熱解析をもとに、高炉内におけるステーブ設置位置(高さ)に応じた最適冷却能を示すステーブの設計を行うに当たり、設置位置の異なる各ステーブの圧力損失を測定し、ステーブおよび炉体の一部に設置された温度計および流量計による実測データを用いて実測炉内壁熱伝達率を求め、求めた実測炉内壁熱伝達率に基づき、ステーブ毎の炉内壁熱伝達率と炉内ガスの圧力損失との関係式から、ステーブ毎に測定した圧力損失に基づき全てのステーブ毎の炉内壁熱伝達率を算出すると共に、その算出した炉内壁熱伝達率から炉内ガス温度を算出し、算出した炉内壁熱伝達率および炉内ガス温度をステーブ伝熱解析に適用することで、設置位置に応じてステーブの冷却能を適正化することを特徴とする高炉ステーブの設計方法を採用することが有効であることを知見し、本発明を開発するに到った。
なお、前記のように構成される本発明に係る高炉ステーブの設計方法においては、
(1)前記圧力損失に基づき全てのステーブ毎に算出した炉内壁熱伝達率αが、
Figure 0005983951
ここで、eは係数、
Lは圧力計間の距離、
ΔP/Lは炉内ガスの圧力損失、
Aはステーブ前面面積、
として示されること、
(2)前記炉内壁熱伝達率αから算出した炉内ガス温度Tが、
Figure 0005983951
ここで、Tはゾンデを設けたステーブのステーブ前面(炉内面)の温度
は炉内から伝わる熱量、
として示されること、がより好ましい解決手段となるものと考えられる。
本発明の高炉ステーブの設計方法によれば、高炉の高さ方向、周方向に設置されている圧力計の圧力データから算出した炉内壁熱伝達率と炉内ガス温度とを、ステーブの伝熱解析に適用することで、高炉内の全てのステーブに対してステーブ毎の熱負荷に応じた冷却能のステーブ設計を行うことができる。これにより、ステーブの冷却能が低すぎることに起因したステーブの破損やステーブの冷却能が高すぎることで起こる炉況の悪化を防止することができるようになる。
本発明の対象となる高炉ステーブの一例を説明する略線図である。 ゾンデ(温度計、流量計を含む)が設置されている高さと同じ高さに設置されたステーブのモデル化の一例を説明する略線図である。 圧力計が設置されたステーブのモデル化の一例を説明する略線図である。 炉内ガス温度(実測値)に基づき算出した実測炉内壁熱伝達率と圧力損失から算出した炉内壁熱伝達率とを比較して示すグラフである。 炉内ガス温度(実測値)と圧力損出から算出した炉内ガス温度(計算値)とを比較して示すグラフである。
図1は本発明の対象となる高炉ステーブの一例を説明する略線図である。本例では、高炉1の最外周面の全体に鉄皮2が形成され、鉄皮2の内部に高炉冷却用のステーブ3が設けられている。ステーブ3は、例えば高炉1の高さ方向に11段に亘って積み重ねられており、また、各段のステーブ3は、鉄皮2の周面全体に亘って30個〜50個程度並べることで構成されている。図1中拡大図に示すように、ステーブ3内には複数の冷却通路5が設けられており、炉外から炉内へと冷却通路5を介して冷却水を通水することで、ステーブ3を冷却できるよう構成されている。また、ステーブ3は、キャスタブル6を介して、複数の取付ボルト7により鉄皮2に取り付けられている。
実際の操業時、高炉1の内部ガス温度は、炉頂近辺では約100℃前後の温度であり、炉底近辺では約1000℃前後の温度であり、高さ方向に対して分布している。通常、内部ガス温度が比較的低温の、例えば上から1〜6段目のステーブ3は鋳鉄製のステーブ3とし、内部ガス温度が比較的高温の、例えば上から7〜11段目のステーブ3は銅製のステーブ3としている。しかし、鋳鉄製のステーブ3と銅製のステーブ3とを高さ方向の何段目までどのように配置するのかは、長年の経験により決定されているのが実情であった。
また、図1に示す例では、高炉1の高さ方向の一部に、鉄皮2、ステーブ3を貫通してゾンデ4が形成されている。ゾンデ4内には、温度計、流量計などの炉内の現象を実測するためのセンサが設けられている。そのため、ゾンデ4を設けた高さのステーブ3については、内部温度等の実測値を得ることができ、得られた実測値を用いてステーブ3の伝熱解析をすることで、そのステーブ3の正確な冷却能を知ることができる。そして、得られたそのステーブ3に必要な冷却能に応じてステーブ3の材質、形状、冷却水の状態などを適正化することで、高炉ステーブの好適な設計を行うことが可能である。
しかしながら、ゾンデ4を全ての高さのステーブ3に設けると、高炉1内の熱がゾンデ4を介して外部へ逃げてしまうなどの理由から、安定した操業ができないため、ゾンデ4を全ての高さのステーブ3に設けることは不可能であった。ゾンデ4の数はできるだけ少ない方が好ましい。これに対し、各ステーブ3の外側には、各ステーブ3の圧力損失を常時測定して保守するための圧力計(図1において図示せず)が設けられており、その圧力計により各段のステーブ3の全てについてそれぞれの高さにおける炉内ガス圧力損失を実測することができる構成となっていた。
本発明は、この圧力計で実測できる圧力損失に着目して、ゾンデ4が設けられていない高さのステーブ3においても、各段のステーブ3毎に実測できる圧力損失により正確な内壁熱伝達率および内部ガス温度を求めることができないかを検討し、以下のような知見を得ることにより、本発明を開発した。
以下、本発明の高炉ステーブの設計方法において、伝熱解析の境界条件に用いる炉内壁熱伝達率と炉内ガス温度の算出方法について、(A)〜(C)の工程順に説明する。まず、以下の算出過程を通して用いる各記号を表1に示す。
Figure 0005983951
<(A)ゾンデが設定されている高さのステーブにおける炉内壁熱伝達率の算出>
まず、ゾンデが設置されている高さと同高さに設置されているステーブを図2に示すようにモデル化し、炉内ガス温度とステーブ前面(炉内側の面)温度から炉内壁熱伝達率を算出する。ここで、ステーブ上下面は断熱とする。図2において、11はステーブ、12は背面キャスタブル、13は鉄皮、14は冷却水である。
炉内からステーブへ伝わる熱量(以下、入熱量と記す)Q1は、冷却水に奪われる熱量(以下、抜熱量と記す)をQ2、ステーブから鉄皮へと伝わる熱量(以下、出熱量と記す)をQ3とすると式(1)のように示される。
Figure 0005983951
出熱量Q3は、背面キャスタブル厚みをd2、鉄皮厚みをd3、背面キャスタブルの熱伝導率をλ2、鉄皮の熱伝導率をλ3、ステーブ背面(鉄皮側の面)温度をT2、鉄皮温度をT4、ステーブ前面面積をAとすると式(2)で示される。但し、Aはステーブ1枚の面積とした。
Figure 0005983951
式(2)で求められる出熱量Q3および冷却水の入側温度と出側温度と流量から求められる抜熱量Q2を式(1)に代入し、入熱量Q1を求める。
ステーブ前面温度T1は、ステーブ前面近傍温度をT´、ステーブ前面とステーブ前面近傍の距離をδ、ステーブ熱伝導率をλ1とすると式(3)で示される。
Figure 0005983951
式(3)に入熱量Q1を代入し、ステーブ前面温度T1を算出する。
炉内壁熱伝達率αは、炉内ガス温度をT0とすると、式(4)で示される。
Figure 0005983951
式(4)にステーブ前面温度T1を代入し、炉内熱伝達率αを算出することができる。ここまでは、一般的な伝熱式と実測温度より炉内壁熱伝達率と炉内ガス温度を求める方法の一例である。以上のようにして、実測の炉内ガス温度とそれに基づいて計算した炉内壁熱伝達率を求めることができる。
なお、上述した炉内壁熱伝達率の計算方法は一例であり、本発明では、実測の炉内ガス温度に基づくその他の計算方法で求めた炉内壁熱伝達率を用いることもできる。例えば、上述した例では、図2に示したモデルとしてステーブが平板の例をシミュレートしたが、実際のステーブは円筒形の高度内部に設置されており平板ではなく若干アーク形状にたわんでいるため、より正確にシミュレートするためには、モデルとしてアーク形状のステーブを用いることも考えられる。また、Q1の測定も本発明の方法に限定されるものではない。
<(B)本発明の特徴となる炉内壁熱伝達率と炉内ガスの圧力損失との関係式の算出>
次に、これまで発案されていない、炉内壁熱伝達率と炉内ガスの圧力損失の関係式を導く。このときのモデルを図3に示す。図3において、11はステーブ、12は背面キャスタブル、13は鉄皮、14は冷却水、15は圧力計、16は粒子、17はガス流れである。
レイノルズ数Reは、ガス密度をρ、ガス空塔速度をU0、平均粒子直径をdp、ガス粘度をμ、炉内空隙率をεとすると、式(5)で示される。
Figure 0005983951
ヌセルト数Nuは、プラントル数をPrとすると、式(6)で示される。
Figure 0005983951
ここで、Wakao and Kaguei:Heat and mass Transfer in packed beds, Gordon and Breach Science Publishers,(1982)である。
炉内壁熱伝達率h1は、ガス熱伝導率をλ0とすると、式(7)で示される。
Figure 0005983951
炉内ガスの圧力損失ΔP/Lは、粒子の形状係数をφとすると、式(8)で示される。
尚、圧力の測定位置は、例えば3段目のステーブの場合には2段目のステーブと4段目のステーブの中間位置間の圧力差(ΔP)より求めたがこれに限られるものではない。
Figure 0005983951
上記式(5)〜式(8)より、炉内壁熱伝達率と炉内ガスの圧力損失の関係式を導くことができ、炉内壁熱伝達率h1は式(9)に示すように近似できる。
Figure 0005983951
ここで、ガス密度ρ、ガス粘度μ、ガス熱伝導率λ0、プラントル数Pr、平均粒子直径dp、粒子の形状係数φ、炉内空隙率εは、高炉のプロフィールや原料の性状、操業条件等により異なり、推定するのは困難であるため、上記パラメータをひとくくりとし係数で表すと、炉内壁熱伝達率h1は式(10)のように示すことができる。
Figure 0005983951
<(C)本発明に従う炉内壁熱伝達率および炉内ガス温度の算出>
最後に、式(4)にて求めた炉内壁熱伝達率αと式(10)にて求められる炉内壁熱伝達率h1について回帰分析をすることにより、係数e1を決定することができる。上記で述べたように、係数e1は高炉のプロフィールや原料の性状、操業条件等に依存するため、高炉ごとに異なった値となると考えられる。ここで、炉内壁熱伝達率を、式(11)のように書き直す。
Figure 0005983951
炉内ガス温度T0は、式(12)で示され、これに式(11)で求めた炉内壁熱伝達率αを代入することで、炉内ガスの圧力損失から炉内ガス温度T0を算出できる。
Figure 0005983951
上述したように、本発明によれば、各ステーブ3の圧力損失から、式(11)に示すように炉内壁熱伝達率を算出することができると共に式(12)に示すように炉内ガス温度を算出することができる。そのため、高炉内の設置高さに応じたステーブ3の炉内壁熱伝達率および炉内ガス温度を求めることができ、それらの値をステーブの伝熱解析における境界値として用いることで、高炉各高さの熱負荷に見合った冷却能のステーブ設計を行うことができる。
<実施例1:本発明に従って算出したデータの妥当性評価について>
実際に、高炉S8(シャフト8段)のステーブから式(11)の係数e1を求めたところ、e1=38となり、炉内壁熱伝達率は式(13)で表される。ただし、この係数e1は上記で述べたように高炉ごとに異なる値となる。
Figure 0005983951
式(13)の妥当性を評価するため、式(4)で算出した炉内壁熱伝達率と式(13)で算出した炉内壁熱伝達率との比較を時間との関係で調べた。結果を図4に示す。また、式(13)で算出した炉内壁熱伝達率を式(12)に代入して算出した炉内ガス温度(計算値)とゾンデから得られた炉内ガス温度(実測値)との比較を時間との関係で調べた。結果を図5に示す。
図4の結果から、式(4)で算出した炉内壁熱伝達率と式(13)で算出した炉内壁熱伝達率には相関がみられることがわかった。また、図5の結果から、炉内ガス温度(計算値)と炉内ガス温度(実測値)はよく一致していることがわかった。以上より、本発明に従って炉内ガスの圧力損失から算出した炉内壁熱伝達率と炉内ガス温度はデータとして妥当であり、ステーブの伝熱解析の際の境界条件として適用できることがわかった。
<実施例2:本発明に従って算出したデータを実際にステーブの伝熱解析に適用した例について>
続いて、高炉S7(シャフト7段)のステーブから、式(11)の係数e1を求め、得られた炉内壁熱伝達率と炉内ガスの圧力損失の関係式と式(12)から、S3(シャフト3段)のステーブにおける炉内壁熱伝達率と炉内ガス温度を算出した。そして、算出した炉内壁熱伝達率と炉内ガス温度を境界条件として、S3(シャフト3段)の鋳鉄製ステーブをモデルに定常伝熱解析を行い、さらに伝熱解析の温度分布をもとに熱応力解析に適用した。各境界条件を表2に、用いた各物性を表3に示す。
Figure 0005983951
Figure 0005983951
伝熱解析にて得られた温度分布は、実測温度とよく一致しており、用いた境界条件は妥当であったと考えられる。定常伝熱解析の結果より、炉内熱伝達率:420W/mK、炉内ガス温度:873℃の熱負荷最大時で、鋳鉄製ステーブの前面温度:約700℃、背面温度:約200℃となることがわかった。また、熱応力解析の結果より、鋳鉄製ステーブは炉内側へ凸となるように変形し、ステーブ前面側の中央部分で最大183MPaの圧縮応力がかかることがわかった。温度に対応した降伏応力と比較すると、ステーブ前面で降伏応力は140MPa程度であることから、ステーブ前面の中央部分で圧縮降伏すると考えられる。さらに熱負荷の変動により中央部分で亀裂が入ると考えられる。
事実、S3 (シャフト3段)の鋳鉄製ステーブの破損した実機を調査したところ、炉内側へ凸となるような変形と、中央部分の亀裂が見られ、解析結果と一致していた。S3(シャフト3段)では鋳鉄製ステーブでは冷却能が低く、温度勾配が高くなるため、S3(シャフト3段)の鋳鉄製ステーブは破損したと考えられる。
一般に高炉の熱負荷の高い位置には、冷却能の高い銅製ステーブが用いられる。そこで、同じS3 (シャフト3段)において銅製ステーブにした場合、冷却能は適正かどうかを評価した。上記と同じ炉内壁熱伝達率と炉内ガス温度を境界条件とし、S3(シャフト3段)の銅製ステーブをモデルに定常伝熱解析を行い、さらに伝熱解析の温度分布をもとに熱応力解析に適用した。各境界条件を表4に、用いた各物性を表5に示す。
Figure 0005983951
Figure 0005983951
伝熱解析にて得られた温度分布と温度勾配は、鋳鉄製ステーブよりも低く抑えられている。定常伝熱解析の結果より、炉内熱伝達率:420W/mK、炉内ガス温度:873℃の熱負荷最大時で、銅製ステーブの前面温度:約240℃、背面温度:約110℃となることがわかった。また、熱応力解析の結果より、銅製ステーブも炉内側へ凸となるように変形するものの、変形量は鋳鉄製の1/2以下となることがわかった。ステーブ前面側の中央部分の圧縮応力は最大47MPaであり、鋳鉄製よりも低く抑えられ、温度に対応した降伏応力は60MPa程度であるため、圧縮降伏はしないと考えられる。よって、S3(シャフト3段)では、冷却能の高い銅製ステーブにすることでステーブの温度勾配は低くなり、ステーブの内部応力を弾性限度内に抑えられることが可能であるという結論が得られた。
以上のように、本発明によれば、高炉各高さに応じた炉内壁熱伝達率と炉内ガス温度を算出しステーブ伝熱解析に適用することで、高炉各高さの熱負荷に見合った冷却能のステーブを設計することが可能となる。
本発明の高炉ステーブの設計方法が適用可能な具体例としては、ステーブとして鋳鉄製ステーブと銅製ステーブとを用いる場合に、高炉の高さに応じたステーブ材質の設定、すなわち、高炉の高さ方向のどの位置まで鋳鉄製ステーブを配置しそれ以外の位置に銅製ステーブを配置するかの決定をすることに、本発明を適用することができる。また、ステーブの寸法やステーブ内の冷却水の冷却能力を最適に設定することに、本発明を適用することができる。
本発明に係る高炉ステーブの設計方法によれば、高炉各高さに設置されている圧力計の圧力データから算出した炉内壁熱伝達率と炉内ガス温度をステーブの伝熱解析に適用することで、高炉各高さの熱負荷に見合った冷却能のステーブ設計を行うことができ、これにより、ステーブの冷却能が低いことに起因したステーブの破損およびステーブの冷却能が高いことで起こる炉況の悪化を防止することができる。
1 高炉
2 鉄皮
3 ステーブ
4 ゾンデ
5 冷却通路
6 キャスタブル
7 取付ボルト
11 ステーブ
12 背面キャスタブル
13 鉄皮
14 冷却水
15 圧力計
16 粒子
17 ガス流れ

Claims (3)

  1. 伝熱解析をもとに、高炉内におけるステーブ設置位置(高さ)に応じた最適冷却能を示すステーブの設計を行うに当たり、設置位置の異なる各ステーブの圧力損失を測定し、ステーブおよび炉体の一部に設置された温度計および流量計による実測データを用いて実測炉内壁熱伝達率を求め、求めた実測炉内壁熱伝達率に基づき、ステーブ毎の炉内壁熱伝達率と炉内ガスの圧力損失との関係式から、ステーブ毎に測定した圧力損失に基づき全てのステーブ毎の炉内壁熱伝達率を算出すると共に、その算出した炉内壁熱伝達率から炉内ガス温度を算出し、算出した炉内壁熱伝達率および炉内ガス温度をステーブ伝熱解析に適用することで、設置位置に応じてステーブの冷却能を適正化することを特徴とする高炉ステーブの設計方法。
  2. 前記圧力損失に基づき全てのステーブ毎に算出した炉内壁熱伝達率αが、
    Figure 0005983951
    ここで、eは係数、
    Lは圧力計間の距離、
    ΔP/Lは炉内ガスの圧力損失、
    として示されることを特徴とする、請求項に記載の高炉ステーブの設計方法。
  3. 前記炉内壁熱伝達率αから算出した炉内ガス温度Tが、
    Figure 0005983951
    ここで、Tはゾンデを設けたステーブのステーブ前面(炉内面)の温度
    は炉内から伝わる熱量、
    Aはステーブ前面面積、
    として示されることを特徴とする、請求項に記載の高炉ステーブの設計方法。
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