JP5982955B2 - タッチパネルセンサ、タッチパネルモジュールおよびタッチパネルセンサの製造方法 - Google Patents

タッチパネルセンサ、タッチパネルモジュールおよびタッチパネルセンサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、低抵抗であり、品質安定性に優れ、さらに形成が容易な配線層を有するタッチパネセンサに関するものである。
今日、入力手段として、タッチパネルが広く用いられている。タッチパネルは、多くの場合、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の表示装置が組み込まれた種々の装置等、例えば、券売機、ATM装置、携帯電話、ゲーム機に対する入力手段として、表示装置とともに用いられている。このような装置において、タッチパネルは表示装置の表示面上に配置され、これにより、タッチパネルは表示装置に対する極めて直接的な入力を可能にする。
このようなタッチパネルとしては、様々な方式のものが実用化されている。このなかで、静電容量方式と呼ばれるものは、第1電極/電極間絶縁層/第2電極の層構造を有するタッチパネルセンサと、電極への電力供給や検知信号の出力のためにタッチパネルセンサの外部接続端子に接続されるフレキシブルプリント配線板(以下、FPCと称する場合がある。)とを有するものが用いられる(例えば、特許文献1〜5)。そして、タッチパネルの表面のタッチパネル面に微弱な電流を流して電界を形成し、指等の導電体が軽く触れた場合の静電容量値の変化を電圧の低下等に変換して検知することにより得られた接触位置を信号として出力する。
タッチパネルセンサに用いられるセンサ電極や取出し配線層等の配線層を構成する材料としては、パネルサイズの大型化や高感度化の要請から、電気抵抗の低い銅材料が注目を集めている。
また、タッチパネルにおける配線層は、これを覆うようにオーバーコート層が形成されるのが一般的である。しかしながら、タッチパネル表面を触れた際の静電容量変化の検出性や、表示装置に表示される情報視認性等のタッチパネル特有の機能を満たすため、オーバーコート層の材料の選択性や厚みの調整の自由度が低いといった問題があった。また、その結果、上述のような銅系材料からなる銅系配線層を覆うようにオーバーコート層を形成した場合であっても、銅系配線層が外部からの酸素や水分等による酸化を十分に防ぐことが困難な場合があり、品質安定性が低いといった問題があった。
特開2009−64343号公報 特開平9−146680号公報 特許第2587975号 特開2011−124332号公報 特開2011−76514号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、低抵抗であり、品質安定性に優れ、さらに形成が容易な配線層を有するタッチパネルセンサを提供することを主目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、センサ電極を所望の感度のシート抵抗とする透明電極材料の厚みが、上記銅系配線層を被覆する保護層に要求される酸素や水分に対するバリア性を達成する透明電極材料の厚みとほぼ一致することを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、絶縁基材と、上記絶縁基材上に形成され、第1電極および上記第1電極と絶縁された第2電極を含むセンサ電極と、を有し、上記第1電極および上記第2電極の少なくとも一方が透明電極材料からなる透明電極であり、上記絶縁基材の上記透明電極が形成された面と同一の面上に配線層が形成され、上記配線層の少なくとも一部が銅または銅を主成分とする銅合金である銅系材料からなる銅系配線層であり、上記銅系配線層の露出表面を覆うように、上記透明電極を構成する上記透明電極材料と同一の上記透明電極材料からなる保護層が形成されていることを特徴とするタッチパネルセンサを提供する。
本発明によれば、上記配線層の一部が上記銅系配線層であることにより、低抵抗なものとすることができる。また、上記保護層を有することにより、上記銅系配線層の酸化が少なく品質安定性に優れたものとすることができる。また、上記保護層が、上記透明電極と同一の透明電極材料からなることにより、上記透明電極および上記保護層を同一工程で形成でき、上記保護層でその露出表面が覆われた銅系配線層を形成容易なものとすることができる。
本発明においては、上記透明電極のシート抵抗が、10Ω/□〜100Ω/□の範囲内であることが好ましい。上記センサ電極を高感度なものとすることができるからである。
本発明は、絶縁基材と、上記絶縁基材上に形成され、第1電極および上記第1電極と絶縁された第2電極を含むセンサ電極と、を有し、上記第1電極および上記第2電極の少なくとも一方が透明電極材料からなる透明電極であり、上記絶縁基材の上記透明電極が形成された面と同一の面上に配線層が形成され、上記配線層の少なくとも一部が銅または銅を主成分とする銅合金である銅系材料からなる銅系配線層であり、上記銅系配線層の露出表面を覆うように、上記透明電極を構成する上記透明電極材料と同一の上記透明電極材料からなる保護層が形成されているタッチパネルセンサと、上記タッチパネルセンサに接続されたフレキシブルプリント配線板と、上記タッチパネルセンサ上に形成されたオーバーコート層と、上記オーバーコート層上に形成されたカバーレンズと、を有することを特徴とするタッチパネルモジュールを提供する。
本発明によれば、上記配線層の一部が上記銅系配線層であることにより、低抵抗なものとすることができる。また、上記保護層を有することにより、上記銅系配線層の酸化が少なく品質安定性に優れたものとすることができる。また、上記保護層が、上記透明電極と同一の透明電極材料からなることにより、上記透明電極および上記保護層を同一工程で形成でき、上記保護層でその露出表面が覆われた銅系配線層を形成容易なものとすることができる。
本発明においては、上記透明電極のシート抵抗が、10Ω/□〜100Ω/□の範囲内であることが好ましい。上記センサ電極を高感度なものとすることができるからである。
本発明は、絶縁基材と、上記絶縁基材上に形成され、第1電極および上記第1電極と絶縁された第2電極を含むセンサ電極と、を有し、上記第1電極および上記第2電極の少なくとも一方が透明電極材料からなる透明電極であり、上記絶縁基材の上記透明電極が形成された面と同一の面上に配線層が形成され、上記配線層の少なくとも一部が銅または銅を主成分とする銅合金である銅系材料からなる銅系配線層であり、上記銅系配線層の露出表面を覆うように、上記透明電極を構成する上記透明電極材料と同一の上記透明電極材料からなる保護層が形成されているタッチパネルセンサの製造方法であって、上記銅系配線層を形成する銅系配線層形成工程と、上記銅系配線層を覆うように上記透明電極材料からなる透明電極材料層を形成し、次いで、上記透明電極材料層をエッチングすることにより上記透明電極および上記保護層を同時に形成する同時形成工程と、を有することを特徴とするタッチパネルセンサの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記同時形成工程を有することにより、上記透明電極および上記保護層を同一工程で形成でき、上記保護層でその露出表面が覆われた銅系配線層を容易に形成することができる。
本発明は、低抵抗であり、品質安定性に優れ、さらに形成が容易な配線層を有するタッチパネセンサを提供できるといった効果を奏する。
本発明のタッチパネルセンサの一例を示す概略平面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である。 図1のC−C線断面図である。 本発明におけるセンサ電極を説明する説明図である。 本発明におけるセンサ電極を説明する説明図である。 本発明におけるセンサ電極を説明する説明図である。 本発明におけるセンサ電極を説明する説明図である。 本発明におけるセンサ電極を説明する説明図である。 本発明のタッチパネルモジュールの一例を示す概略断面図である。 本発明のタッチパネルセンサの製造方法の一例を示す工程図である。
本発明は、タッチパネルセンサ、それを用いたタッチパネルセンサモジュール、およびその製造方法に関するものである。
以下、本発明のタッチパネルセンサ、タッチパネルモジュールおよびタッチパネルセンサの製造方法について説明する。
A.タッチパネルセンサ
まず、タッチパネルセンサについて説明する。
本発明のタッチパネルセンサは、絶縁基材と、上記絶縁基材上に形成され、第1電極および上記第1電極と絶縁された第2電極を含むセンサ電極と、を有し、上記第1電極および上記第2電極の少なくとも一方が透明電極材料からなる透明電極であり、上記絶縁基材の上記透明電極が形成された面と同一の面上に配線層が形成され、上記配線層の少なくとも一部が銅または銅を主成分とする銅合金である銅系材料からなる銅系配線層であり、上記銅系配線層の露出表面を覆うように、上記透明電極を構成する上記透明電極材料と同一の上記透明電極材料からなる保護層が形成されていることを特徴とするものである。
このような本発明のタッチパネルセンサについて図を参照して説明する。図1は、本発明のタッチパネルセンサの一例を示す概略平面図である。また、図2は、図1のA−A線断面図であり、図3は図1のB−B線断面図であり、図4は図1のC−C線断面図である。図1〜図4に例示するように、本発明のタッチパネルセンサ10は、絶縁基材1と、上記絶縁基材1上に形成され、第1電極4aおよび上記第1電極4aと絶縁された第2電極4bからなるセンサ電極と、を有し、上記第1電極4aおよび第2電極4bの両者が透明電極材料からなる透明電極であり、上記絶縁基材1の上記透明電極が形成された表面と同一の面上に配線層が形成され、上記配線層の少なくとも一部が銅または銅を主成分とする銅合金である銅系材料からなる銅系配線層2であり、上記銅系配線層2の露出表面を覆うように、上記透明電極を構成する上記透明電極材料と同一の上記透明電極材料からなる保護層3が形成されているものである。
なお、この例においては、上記保護層3は、上記第1電極4aと同時に形成された保護層3aおよび上記第2電極4bと同時に形成された保護層3bからなるものである。また、上記保護層3の上記銅系配線層2の上部の厚みは、上記第1電極4aおよび上記第2電極4bの合計の厚みとほぼ同様である。
また、上記配線層として、取出し配線層5および外部接続端子6が形成され、両者は上記銅系配線層2である。また、これら全ての銅系配線層2の露出表面を覆うように上記透明電極を構成する上記透明電極材料と同一の上記透明電極材料からなる保護層3が形成されている。
さらに、上記センサ電極を構成する第1電極4aおよび第2電極4bは、その交差部分が絶縁層7を介して形成されるものである。また、第1電極4aおよび第2電極4bは、タッチパネル使用者が視認可能な領域であるアクティブエリア11内に形成されるものである。
図1においては、説明の容易のため絶縁層について省略するものである。
本発明によれば、上記配線層の一部が上記銅系配線層であることにより、低抵抗なものとすることができる。したがって、接触位置を高感度で検出可能なものとすることができる。
また、このような銅系配線層上に保護層が形成されていることにより、上記銅系配線層が空気中の酸素や水分との接触の少ないものとすることができ、上記銅系配線層の酸化の少ないものとすることができる。このため、品質安定性に優れたものとすることができる。
さらに、上記保護層が上記透明電極を構成する上記透明電極材料と同一の上記透明電極材料からなるものであることにより、上記保護層および上記透明電極を同時に形成することが可能となる。このため、上記保護層および銅系配線層の両者をパターンニングするに際して工程の追加がなく、上記保護層でその露出表面が覆われた銅系配線層を形成容易なものとすることができる。
本発明のタッチパネルセンサは、絶縁基材、センサ電極、配線層、および保護層を少なくとも有するものである。
以下、本発明のタッチパネルセンサの各構成について詳細に説明する。
1.保護層
本発明における保護層は、上記銅系配線層の露出表面を覆うように形成されるものである。また、上記透明電極を構成する上記透明電極材料と同一の上記透明電極材料からなるものである。
なお、透明電極材料からなるとは、透明電極材料のみからなるものに限定されるものではなく、必要に応じて不純物等の他の成分を含有するものも含むものである。
ここで、上記銅系配線層の露出表面とは、上記銅系配線層の上記絶縁基材側表面以外の表面のうち、他の部材により被覆されていない表面をいうものである。より具体的には、上記透明電極を形成する際に、上記銅系配線層の上記絶縁基材側表面以外の表面のうち、他の部材により被覆されていない表面をいうものである。
したがって、既に説明した図1に示すように、取出し配線層および外部接続端子のように連続して形成されているものである場合、両者の境界面は互いの部材によりそれぞれ被覆されるものであるため、この境界面は上記表面に含まれないものである。
また、上記銅系配線層の露出表面を覆うように形成されるとは、上記露出表面の少なくとも一部を覆うように形成されることをいうものであるが、なかでも、上記露出表面の面積の95%以上を覆うように形成されることが好ましく、特に、上記露出表面の面積の98%以上を覆うように形成されることが好ましく、なかでも特に、上記露出表面の全表面を覆うように形成されることが好ましい。上記銅系配線層を効率的に保護できるからである。
また、上記透明電極を構成する上記透明電極材料と同一の上記透明電極材料からなるとは、上記透明電極を構成する上記透明電極材料と同一材料からなるものであれば特に限定されるものではないが、上記透明電極と同一タイミングで形成されたものであることが好ましい。上記保護層でその露出表面が覆われた銅系配線層を形成容易なものとすることができるとの効果をより効果的に発揮できるからである。
上記透明電極材料としては、タッチパネルセンサのセンサ電極に一般的に用いられるものを使用することができ、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛や、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの金属酸化物や、これらの金属酸化物が2種以上複合された材料が挙げられる。
上記保護層の形成箇所としては、上記銅系配線層の露出表面を覆うように形成されるものであれば特に限定されるものではないが、上記配線層に含まれる全ての上記銅系配線層の上部および側面の露出表面全てを覆うように形成されることが好ましく、なかでも、上記配線層に含まれる全ての上記銅系配線層の上部のみを覆うように形成されることが好ましい。上記銅系配線層の酸化の少ないものとすることができ、品質劣化の少ないものとすることができるからである。
また、上記保護層は透明電極材料からなり、通常、導電性を有するものであるため、上記保護層は、異なる配線層間やセンサ電極および配線層間が短絡しないように形成される必要がある。これに対して、上記銅系配線層の露出表面のみを覆うように形成されることにより、短絡の恐れの少ないものとすることが容易だからである。
上記保護層の上記銅系配線層に対する形成位置としては、上記銅系配線層の酸化を抑制できるものであれば良く、例えば、上記銅系配線層との間に他の層を有するものであっても良いが、上記銅系配線層上に直接形成されることが好ましい。上記銅系配線層の酸化が少なく、品質劣化の少ないものとすることができるからである。
上記保護層の上記銅系配線層の上部での厚みとしては、上記銅系配線層の酸化を少ないものとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、100nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、なかでも120nm〜180nmの範囲内であることが好ましく、特に130nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記銅系配線層の酸化が少なく、品質劣化の少ないものとすることができるからである。
また、本発明においては、上記保護層により覆われる銅系配線層が形成される絶縁基材の表面と同一表面上に、透明電極として第1電極および第2電極のいずれか一方が形成される場合には、上記透明電極の厚みであることが好ましい。上記透明電極および上記保護層を同一工程で形成でき、上記保護層でその露出表面が覆われた銅系配線層を形成容易なものとすることができる。
また、上記保護層により覆われる銅系配線層が形成される絶縁基材の表面と同一表面上に、透明電極として第1電極および第2電極の両者が形成される場合、一方の透明電極の厚みであっても良いが、両者の上記透明電極の合計の厚みであることが好ましい。上記銅系配線層をより安定的に保護できるからである。
なお、上記保護層の上記銅系配線層の上部での厚みは、具体的には、図3中のh1で示される距離をいうものである。
また、上記透明電極の厚みであるとは、上記透明電極と同一タイミングで上記銅系配線層上に形成されたものであることをいうものであり、必ずしも上記透明電極の厚みと完全に同一であることを要するものではない。これは、上記保護層は上記銅系配線層上に形成されるものであるため、上記透明電極が上記銅系配線層が形成される絶縁基材上に直接形成される場合、両者の厚みが必ずしも同一にならない場合があるからである。また、両者の上記透明電極の合計の厚みであることは、それぞれの透明電極と同一タイミングで上記銅系配線層上に保護層が積層されたものであることをいうものである。
上記保護層の上記銅系配線層の側面での厚みとしては、上記銅系配線層の酸化を少ないものとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、0.01nm〜10000nmの範囲内であることが好ましく、なかでも100nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、特に130nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記銅系配線層の酸化が少なく、品質劣化の少ないものとすることができるからである。
なお、上記保護層の上記銅系配線層の側面での厚みは、具体的には、図3中のh2で示される距離をいうものである。
上記保護層の形成方法としては、上記保護層を精度良く形成できるものであれば特に限定されるものではないが、上記透明電極と同時にパターニングして形成される方法であることが好ましい。
具体的には、上記絶縁基材上に、上記透明電極材料からなる透明電極材料層を形成した後に、上記透明電極材料層の上記透明電極および保護層を形成する領域上にパターン状にレジストを形成し、上記レジストをマスクとしてエッチングすることにより、上記透明電極および保護層を同時に形成する方法を挙げることができる。
ここで、透明電極材料層の形成方法としては、タッチパネルセンサの製造方法として一般的な方法を用いることができ、例えば、真空蒸着、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等のドライプロセスを用いる方法を挙げることができる。
また、エッチングに用いられるエッチング液としては、上記透明電極材料層を構成する透明電極材料等に応じて適宜設定されるものである。具体的には、上記透明電極材料層がITOからなる場合には、塩化第二鉄と塩酸の混合水溶液を用いることができる。
2.センサ電極
本発明におけるセンサ電極は、第1電極および上記第1電極と絶縁された第2電極を含むものである。また、上記第1電極および第2電極の少なくとも一方が上記透明電極である。
本発明においては、上記センサ電極を構成する第1電極および第2電極の少なくとも一方が上記透明電極であるものであるが、例えば、上記第1電極および第2電極の一方が透明電極であり、他方が遮光性材料からなる遮光性電極であっても良く、上記第1電極および第2電極の両者が透明電極であっても良い。
本発明においては、なかでも、上記第1電極および第2電極の両者が透明電極であることが好ましい。本発明の効果を効果的に発揮することができるからである。
なお、遮光性材料からなるとは、遮光性材料のみからなるものに限定されるものではなく、必要に応じて不純物等の他の成分を含有するものも含むものである。
(1)透明電極
本発明における透明電極は、透明電極材料からなるものである。
このような透明電極材料については、上記保護層と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本発明における透明電極のシート抵抗としては、タッチセンサに要求される感度を得られるものであれば特に限定されるものではないが、10Ω/□〜100Ω/□の範囲内であることが好ましく、なかでも10Ω/□〜30Ω/□の範囲内であることが好ましく、特に、14Ω/□〜22Ω/□の範囲内であることが好ましい。上記シート抵抗であることにより、上記センサ電極を高感度なものとすることができるからである。
上記透明電極の厚みとしては、シート抵抗を10Ω/□〜100Ω/□の範囲内とする厚み等、上記透明電極を上述のシート抵抗とするものであれば、特に限定されるものではなく、材料等に応じて適宜設定されるものであるが、具体的には、100nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、なかでも120nm〜180nmの範囲内であることが好ましく、特に130nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記シート抵抗を有するものとすることが容易だからである。
なお、上記透明電極の厚みは、上記絶縁基材上の具体的には、図4中のh3で示される距離をいうものである。
上記透明電極の平面視形状および平面視外形形状としては、特開2011−210176号公報や特開2010−238052号公報や、特許第4610416号、特開2010-286886号公報、特開2004-192093号公報、特開2010-277392号公報や特開2011−129501号公報等に示されるような一般的なタッチパネルセンサにおけるセンサ電極と同様とすることができる。
具体的には、上記透明電極の平面視形状としては、既に説明した図1に示すような開口部を含まない面状等とすることができる。
また、透明電極の平面視外周形状としては、具体的には、既に説明した図1に示すように、平面視略正方形形状等の多角形状の膨出部と、上記膨出部間を接続するライン部とを有するもの等とすることができる。
上記透明電極の形成方法としては、上記透明電極を安定的に形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、上記保護層の形成方法と同様とすることができる。
(2)遮光性電極
上記遮光性電極を構成する材料としては、上記遮光性電極を所望の導電性を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、特開2010−238052号公報等に記載の遮光性の金属材料を用いることができる。このような金属材料としては、具体的には、アルミニウム、モリブデン、銀、クロム、銅等の金属およびその合金等を用いることができる。また、上記銅系材料を用いるものであっても良い。
また、上記遮光性電極の平面視形状、平面視外形形状および厚みとしては、接触位置の検出を精度良く行えるものであれば特に限定されるものではなく、特許第4610416号、特開2010-286886号公報、特開2004-192093号公報、特開2010-277392号公報や特開2011−129501号公報等に示されるような、金属材料からなるセンサ電極を用いる一般的なタッチパネルセンサと同様とすることができる。
具体的には、上記遮光性電極の平面視形状としては、メッシュ状に形成され、開口部を有するものであることが好ましい。本発明のタッチパネルセンサをタッチパネル付表示装置に用いた場合に、視認性に優れたものとすることができるからである。また、上記メッシュを構成する配線の幅としては、接触位置を精度良く検出できるものであれば特に限定されるものではないが、1μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、なかでも、2μm〜7μmの範囲内であることが好ましく、特に3μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。上記幅が上記範囲内であることにより、本発明のタッチパネルセンサをタッチパネル付表示装置に用いた際に、表示装置に表示される情報の視認性に優れたものとすることができるからである。
上記遮光性電極の厚みとしては、具体的には1000Å〜5000Åの範囲内とすることができる。
上記遮光性電極のシート抵抗および平面視外形形状としては、上記透明電極と同様とすることができる。
本発明における遮光性電極の形成方法としては、高精細に形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、上記遮光性電極が上記金属材料からなるものである場合には、上記金属材料からなる金属材料層を形成した後に、上記金属材料層上にパターン状のレジストを形成し、次いで、上記レジストをマスクとしてエッチングすることによりメッシュ状に形成された金属層からなる遮光性電極を得る方法を挙げることができる。
なお、エッチングに用いられるエッチング液としては、上記金属材料層を構成する金属材料等に応じて適宜設定されるものである。具体的には、上記金属材料が銀や、APC等からなる場合には、燐硝酢酸等を用いることができる。
なお、上記金属材料層を形成する方法としては、上記「1.保護層」の項に記載の透明電極材料層の形成方法と同様とすることができる。
(3)センサ電極
本発明におけるセンサ電極は、上記第1電極および第2電極を含むものである。
このような、本発明における第1電極および第2電極の絶縁基材に対する形成個所としては、通常、絶縁基材のアクティブエリア内であり、両者が絶縁されているものであれば特に限定されるものではない。具体的には、既に説明した図2および図3、図5および図6、または図7に例示するように、両者が同一の絶縁基材の一方の表面上に形成されるものであっても良い。なお、図7においては、上記第1電極に対して第2電極の全てが絶縁基材を介して形成されるものである。また、図8に例示するように、異なる絶縁基材上に形成されるもの、図9に例示するように、同一の絶縁基材の一方の表面と他方の表面とにそれぞれ形成されるものとすることができる。
なお、図5および図6は、既に説明した図2および図3と同様に第1電極および第2電極の両者が同一の絶縁基材の一方の表面上に形成される場合の一例を示す概略断面図であり、それぞれ図1のA−A線断面図およびB−B線断面図である。また、第2電極との交差部分において、第1電極が絶縁層に設けられた導電用ホールを介して第2電極上を通過するものである。
また、図5〜図9中の符合については、図1〜図4と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
3.配線層
本発明における配線層は、上記絶縁基材の上記透明電極が形成された面と同一の面上に形成されるものである。また、少なくとも一部が上記銅系配線層である。
なお、上記絶縁基材の上記透明電極が形成された面と同一の面上とは、上記配線層および透明電極をこの順で形成した際に、上記配線層上にも上記透明電極と同一の上記透明電極材料の層を形成し得る位置関係であることをいうものである。
したがって、上記同一の面上とは、既に説明した図7に示すように、第1電極および第2電極の両者が絶縁層を介して形成されている場合において、第1電極のみが透明電極である場合には絶縁基材の表面上のみが該当するが、第2電極のみまたは第1電極および第2電極が透明電極である場合には絶縁基材1および絶縁層7の表面のいずれか、または、両者の表面上を含むことができる。
また、既に説明した図8に示すように、第1電極および第2電極の両者が透明電極であり、それぞれ異なる絶縁基材上に形成されるものである場合には、いずれか一方の絶縁基材、または両方の絶縁基材の表面上を含むことができる。
また、図9に例示するように、第1電極および第2電極の両者が透明電極であり、上記第1電極および第2電極の両者が同一の絶縁基材の一方の表面と他方の表面とにそれぞれ形成されるものである場合には、上記絶縁基材の少なくとも一方の表面上、または両表面上を含むことができる。
また、本発明において、配線層の少なくとも一部が上記銅系配線層であるとは、上記配線層に含まれる部材の一部が少なくとも銅系配線層であれば良い。具体的には、上記配線層として含まれる取出し配線層の一部のみが上記銅系配線層で形成される場合も含むものである。
(1)銅系配線層
本発明における銅系配線層は、銅系材料からなるものである。
なお、銅系材料からなるとは、銅系材料のみからなるものに限定されるものではなく、必要に応じて不純物等の他の成分を含有するものも含むものである。
本発明における銅系材料は、銅または銅を主成分とする銅合金である。
ここで、銅を主成分とするとは、上記銅系材料中の含有量が、90at%以上100at%未満であることをいうものであり、なかでも、95at%以上の範囲内であることが好ましく、特に、99at%以上であることが好ましい。上記含有量であることにより、導電性に優れたものとすることができるからである。また、99.9at%以上であることにより、後述する金属濃度勾配領域の厚みを0.5とした場合に、銅高濃度領域の厚みを99を上回る比率とすることが可能となるからである。
なお、上記銅材料に含まれる銅および銅以外の添加金属の配合比率は、タッチパネルセンサから銅系配線層を採取し、一般的な金属合金の分析方法に採取された銅系配線層を供することにより測定することができる。より具体的な例としては、X線光電子分光法(XPS)のデプスプロファイルを行うことにより、銅系配線層に含まれる銅および銅以外の添加金属の配合比率を測定する方法が挙げられる。
このような銅系材料としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、なかでも、銅合金であること、すなわち、上記銅系材料が銅および銅以外の添加金属を含むものが好ましい。上記添加金属を含むことにより、上記絶縁基材への密着性等の調整や、耐酸化性に優れたものとすること等が容易だからである。
本発明に用いられる添加金属としては、上記銅系配線層に要求される機能等に応じて適宜選択することができるが、例えば、マンガン、クロム、バナジウム、チタン、モリブデン、インジウム、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム等を挙げることができ、なかでも、マンガンを好ましく用いることができる。上記添加金属を含むことにより、上記銅系配線層を耐酸化性に優れたものとすることができるからである。
なお、上記銅系材料に含まれる添加金属の種類としては、1種類であっても良く、2種類以上含むものであっても良い。
また、本発明においては、上記添加金属は、添加金属単体で含まれるものであっても良いが、酸化物として含まれるものであることが好ましく、なかでも特に、上記添加金属の全てが酸化物として含まれるものであることが好ましい。耐酸化性により優れたものとすることができるからである。
上記銅系材料が銅合金である場合、上記銅合金に含まれる銅および添加金属の銅系配線層内の分布としては、これらが均一に分布するものであっても良いが、銅系配線層の外周面から内部方向に向けて、銅の濃度が増大し、且つ、添加金属の濃度が減少する金属濃度勾配領域と、金属濃度勾配領域に連続し、添加金属の濃度が極小となり、銅の濃度が金属濃度勾配領域中の銅より濃度の高い銅高濃度領域とを備えるように分布するものであることが好ましい。このような分布を有することにより、例えば、銅高濃度領域において、添加金属の濃度が極小となる領域であるため、銅配線に近い抵抗値が示され得る。このため、銅高濃度領域における抵抗値が低く良好な導電性を有するものとすることができるからである。また、添加金属の濃度の高い金属濃度勾配領域を有することにより、銅単体からなる銅系配線層と比較して、絶縁基材等に対する密着性に優れたものとすることができる。このため、銅系配線層の形成中あるいは形成後において銅系配線層の剥離が少なく、製造歩留まりの高いものとすることができるからである。また、耐酸化性に優れたものとすることができるからである。
なお、金属濃度勾配領域に連続するとは、金属濃度勾配領域と銅高濃度領域とが、界面を有する二層から構成されるのではなく、実質的に一層として認識され、当該一層の内部にて金属濃度の勾配が観察されるものであることを意味する。あるいは、金属濃度勾配領域と銅高濃度領域とは、隣り合う二つの独立の構成部分ではなく、実質的に一つの構成部分であって、当該一つの構成部分の内部にて金属濃度の勾配が観察されるものであることを意味する。
また、銅高濃度領域とは、金属濃度勾配領域において示される外周面から内部方向に向けての銅濃度の増大傾向が実質的に終了し、高い銅濃度が示される領域であってよく、ここにおいていう添加金属の濃度の「極小」とは、限定的な数値範囲に特定されるものではないが、金属濃度勾配領域における添加金属の濃度よりも小さい濃度が示され、上述する高い銅濃度中において0at%を超えて僅かに添加金属が含有されることを示す。
銅高濃度領域における添加金属の濃度は、銅高濃度領域における導電性を良好にするという観点からは、例えば銅濃度に対し、1at%以下、さらには、0.1at%以下であることが望ましいが、これに限定されるものではなく、銅系材料における添加金属の含有量などにより異なってよい。
また、上記金属濃度勾配領域および銅高濃度領域の、厚み方向での比率としては、所望の導電性および密着性を得られるものであれば特に限定されない。
本発明においては、なかでも、金属濃度勾配領域の存在により酸化防止効果および密着性向上効果が良好に得られる範囲内において、銅高濃度領域の厚みが大きいことが好ましく、例えば、一方の表面側の金属濃度勾配領域の厚みを0.5としたときに、銅高濃度領域の厚みが、90以上の比率であることが好ましく、なかでも99以上の比率であることが好ましい。
本発明における銅系配線層の厚みとしては、所望の導電性を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、10nm〜500nmの範囲内とすることができる。
本発明における銅系配線層の形成方法としては、上記銅系配線層を精度良く形成できる方法であれば特に限定されるものではないが、上記遮光性電極の形成方法と同様とすることができる。
なお、エッチングに用いられるエッチング液としては、上記銅系材料層を構成する銅系材料等に応じて適宜設定されるものである。具体的には、燐酸、硝酸および酢酸を含む燐硝酢酸水溶液や、過酸化水素水および硫酸に代表される酸化剤を混合した系、臭化水素酸やハロゲン化水素酸等を挙げることができる。
また、上記銅系材料層をパターン状にエッチングした後、焼成するものであっても良い。上記銅系材料が銅合金である場合、このような焼成を行うことにより、添加金属が銅系配線層の外周面側に移行させることができるからである。
ここで、焼成温度としては、100℃〜300℃の範囲内とすることが好ましく、中でも、150℃〜250℃の範囲内であることが好ましい。上記焼成温度とすることで銅系材料層の表面に十分に添加金属を析出させることができ、これにより下地基板との密着性を確保できるからである。また、焼成時の雰囲気としては、大気圧下、減圧下のいずれの雰囲気であっても良い。
(2)配線層
本発明における配線層は、上記絶縁基材上に形成され、センサ電極以外の電源や電気信号としての電気が伝わる導電性を有する部材である。
このような配線層の種類としては、タッチパネルセンサに一般的に用いられるものを含むことができる。
具体的には、上記センサ電極に接続される取出し配線層、上記取出し配線層の末端に形成され、フレキシブルプリント配線基板等他の部材との接続に用いられる外部接続端子等を挙げることができる。
本発明においては、上記配線層の少なくとも一部が銅系配線層であれば良く、配線層の全てが銅系配線層であっても良い。なかでも本発明においては、上記配線層のうち非アクティブエリア内に形成されるもの、特に、取り出し配線層、外部接続端子を含む配線層が銅系配線層であることが好ましい。銅系配線層を用いることで、低抵抗に抑えられ、電力消費も少なくてすむからである。
(a)取出し配線層
本発明における取出し配線層は、上記センサ電極に接続されるものである。
上記取出し配線層の形成箇所としては、本発明のタッチパネルセンサの種類や用途等に応じて適宜設定されるものであるが、本発明のタッチパネルセンサがタッチパネル付表示装置に用いられる場合には、通常、非アクティブエリアに形成されるものである。
上記取出し配線層が上記銅系配線層ではない場合、取出し配線層の形成に用いられる導電性材料としては、具体的には、銀、金、クロム、プラチナ、アルミニウムの単体、あるいはこれらのいずれかを主体とする合金などを例示することができる。金属合金としては、APC、すなわち銀・パラジウム合金が汎用される。また、金属の複合体としては、MAM(Mo−Al−Mo、すなわちモリブデン・アルミニウム・モリブデンの3層構造体)なども適用可能である。
上記取出し配線層の線幅としては、例えば、0.03mm〜0.2mm程度とすることができる。
(b)外部接続端子
本発明における外部接続端子は、上記取出し配線層に接続され、フレキシブルプリント配線基板等との接続に用いられるものである。
このような外部接続端子の形成箇所および外部接続端子が上記銅系配線層ではない場合に取出し配線層の形成に用いられる導電性材料としては、タッチパネルセンサに一般的に用いられるものとすることができ、具体的には、上記取出し配線層と同様とすることができる。
上記外部接続端子の端子幅、厚みおよび平面視形状や、外部接続端子部内における外部接続端子間の間隔については、一般的なタッチパネルセンサと同様とすることができる。
具体的には、特開2011−210176号公報に記載されるものと同様とすることができる。
4.絶縁基材
本発明における絶縁基材は、上記銅系配線層が形成されるものである。
本発明における絶縁基材を構成する材料としては、所望の絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではなく、透明性を有する材料であっても良く、非透明性の材料であっても良い。
本発明においては、なかでも、タッチパネル付表示装置に用いられる場合には透明性を有する材料からなることが好ましい。視認性に優れたものとすることができるからである。
このような透明性を有する材料としては、ガラス等の無機材料であっても良く、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート等の樹脂材料を挙げることができる。
ここで、ガラス等の無機材料を選択することにより、タッチパネルセンサの強度が高くなり、また加熱温度などの製造条件の設定範囲を広くすることが可能である。一方、樹脂材料を選択することにより、タッチパネル用部材の軽量化が図られ、またタッチパネル用部材にフレキシブル性も付加可能である。
なお、本発明において、「透明」「透明性」という場合には、特段の断りがない限り、本発明のタッチパネルセンサが用いられたタッチパネル付表示装置の操作者が、操作面からの視認を妨げない程度の透明性をいう。したがって、無色透明および、視認性を妨げない程度の有色透明を含み、また厳密な透過率で適宜されず、タッチパネルセンサの用途等に応じて、透過性の度合いを決定することができる。
本発明における絶縁基材の厚みとしては、上記銅系配線層等を安定的に支持できるものであれば特に限定されるものではなく、可撓性を有するフィルム状となるものであっても良く、板状となるものであっても良く、タッチパネルセンサに一般的な厚みとすることができる。
例えば、上記絶縁基材が樹脂材料からなる場合、可撓性を有するフィルム状であることが好ましく、具体的には、50μm〜300μmの範囲内とすることが好ましい。
本発明における絶縁基材は、単層からなるものであっても良く、複数層からなるものであっても良い。
なお、複数層からなる場合に積層される層としては、上記材料からなる層以外に、ハードコート層、密着調整層、低屈折率層および高屈折率層等を挙げることができる。
5.タッチパネルセンサ
本発明のタッチパネルセンサは、絶縁基材、センサ電極、配線層および保護層を少なくとも有するものであるが、必要に応じて他の部材を有するものであっても良い。
このような他の部材としては、上記センサ電極を構成する第1電極および第2電極間の短絡を防止するために形成される絶縁層や、上記配線層を覆うように形成される被覆層を挙げることができる。また、上記絶縁基材の上記透明電極が形成された表面とは異なる表面上に形成された第2配線層を有するものとすることができる。
(1)絶縁層
上記絶縁層は、上記センサ電極を構成する第1電極および第2電極間の短絡を防止するために形成されるものである。
このような絶縁層の形成箇所としては、タッチパネルセンサに一般的なものとすることができ、例えば、上記センサ電極を構成する第1電極および第2電極の両者が同一の絶縁基材の一方の表面上に形成される場合、既に説明した図2〜図3に示すように、第1電極と第2電極との間に形成され、上記第2電極が導電用ホールを有するように形成されるもの(ホールタイプ)や、既に説明した図5〜図6に示すように、上記第1電極および第2電極の交差部上にのみアイランド状に形成されるもの(アイランドタイプ)とすることができる。また、既に説明した図7に示すように、上記第1電極および第2電極の一方の電極の全てを被覆するように形成されるものとすることができる。また、既に説明した図8に示すように、上記第1電極および第2電極が、それぞれ異なる絶縁基材上に形成される場合において、上記絶縁基材間に形成されるもの等とすることができる。
上記絶縁層の厚みとしては、第1電極および第2電極間の短絡を防止することができるものであれば特に限定されるものではなく、タッチパネルセンサに一般的なものとすることができる。具体的には、0.5μm〜3.0μmの範囲内とすることができる。
上記絶縁層を形成する絶縁層形成材料としては、所望の絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではなく、タッチパネルセンサに一般的に用いられるものを使用することができる。
具体的には、光透過性のアクリル樹脂、シロキサン樹脂等を挙げることができ、なかでも感光性シロキサン樹脂を好ましく用いることができる。
上記絶縁層の形成方法としては、絶縁層を精度良く形成できるものであれば特に限定されるものではなく、上記絶縁層形成材料を基材面に塗布し、その後、フォトリソグラフィ手法によりパターニング形成する方法、あるいは、スクリーン印刷などの印刷方法等により形成する方法を挙げることができる。また、絶縁性を示し、適当な光透過性、且つ、光学等方性を示すフィルムやシートなどを所望の形状に加工し、絶縁性膜として所定の基材面に積層させることも可能である。
(2)被覆層
上記被覆層としては、絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではないが、上記配線層を覆うように形成されるものである場合には、透明性を有するものであることが好ましい。
このような絶縁性および透明性を有する被覆層としては、例えば、アクリル樹脂やSiO等の無機材料等からなるものを挙げることができる。
(3)第2配線層
上記第2配線層は、上記絶縁基材の上記透明電極が形成された表面とは異なる表面上に形成されるものである。
このような第2配線層の種類としては、上記「3.配線層」の項に記載の配線層の種類と同様とすることができる。
また、上記第2配線層を構成する材料としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、上記「3.配線層」の項に記載の導電性材料であることが好ましい。上記銅系配線層のような耐酸化性の低い部材でないことにより、上記保護層等の上記銅系配線層を覆う部材を形成するための工程を不要なものとすることができるからである。
B.タッチパネルモジュール
次に、本発明のタッチパネルモジュールについて説明する。
本発明のタッチパネルモジュールは、絶縁基材と、上記絶縁基材上に形成され、第1電極および上記第1電極と絶縁された第2電極を含むセンサ電極と、を有し、上記第1電極および上記第2電極の少なくとも一方が透明電極材料からなる透明電極であり、上記絶縁基材の上記透明電極が形成された面と同一の面上に配線層が形成され、上記配線層の少なくとも一部が銅または銅を主成分とする銅合金である銅系材料からなる銅系配線層であり、上記銅系配線層の露出表面を覆うように、上記透明電極を構成する上記透明電極材料と同一の上記透明電極材料からなる保護層が形成されているタッチパネルセンサと、上記タッチパネルセンサに接続されたフレキシブルプリント配線板と、上記タッチパネルセンサ上に形成されたオーバーコート層と、上記オーバーコート層上に形成されたカバーレンズと、を有することを特徴とするものである。
このようなタッチパネルモジュールについて、図を参照して説明する。図10は、本発明のタッチパネルモジュールの一例を示す概略断面図である。図10に示すように、本発明のタッチパネルモジュール50は、上記タッチパネルセンサ10と、上記タッチパネルセンサ10に接続されたFPC20と、上記タッチパネルセンサ10上に形成されたオーバーコート層30と、上記オーバーコート層30上に形成されたカバーレンズ40と、を有するものである。
本発明によれば、上記配線層の一部が上記銅系配線層であることにより、低抵抗なものとすることができる。また、上記保護層を有することにより、上記銅系配線層の酸化が少なく品質安定性に優れたものとすることができる。また、上記保護層が、上記透明電極と同一の透明電極材料からなることにより、上記透明電極および上記保護層を同一工程で形成でき、上記保護層でその露出表面が覆われた銅系配線層を形成容易なものとすることができる。
本発明のタッチパネルモジュールは、タッチパネルセンサ、FPC、オーバーコート層およびカバーレンズを少なくとも有するものである。
以下、本発明のタッチパネルモジュールの各構成について詳細に説明する。
なお、本発明におけるタッチパネルセンサについては、上記「A.タッチパネルセンサ」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
1.FPC
本発明に用いられるFPCは、上記タッチパネルセンサに接続されるものである。
このようなFPCとしては、電極への電力供給や検知信号の出力等を行うことができるものであれば特に限定されるものではなく、特開2009−64343号公報、特開平9−146680号公報、特許第2587975号、特開2011−124332号公報、特開2011−76514号公報等に記載されるようなタッチパネルに一般的に用いられるものとすることができる。
具体的には、接続端子として、上記フレキシブル基板の一方の表面上に形成された表側接続端子および他方の表面上に形成された裏側接続端子を有するものを挙げることができる。
本発明におけるフレキシブル基板としては、所望の絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、厚さ25μm程度の可撓性のポリイミドフィルム等を挙げることができる。
また、上記接続端子としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、上記タッチパネルセンサにおける外部接続端子と同様とすることができる。
本発明におけるFPCとしては、上記フレキシブル基板および接続端子を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
このようなその他の構成としては、例えば、上記接続端子に接続された配線や、上記配線を覆うように形成された保護層等を挙げることができる。また、入力情報処理部や、本発明のタッチパネルモジュールがタッチパネル付表示装置に用いられた場合には、映像情報処理部等の制御部を有するものであっても良い。
上記配線としては、上記取出し配線層と同様とすることができる。また、保護層としては、絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリイミド樹脂からなるものを挙げることができる。
また、FPCの上記タッチパネルセンサとの接続方法としては、両者を電気的に接続することができる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、タッチパネルセンサに形成された外部接続端子と、FPCに形成された接続端子との間に、特開2010−278025号公報に開示されるような異方導電性フィルムを配置し、加熱圧着する方法等を挙げることができる。
2.オーバーコート層
本発明におけるオーバーコート層は、上記タッチパネルセンサの一方の表面上に形成されるものであり、上記タッチパネルセンサおよびカバーレンズを接着するものである。
このようなオーバーコート層としては、上記タッチパネルセンサおよびカバーレンズを所望の接着力で接着できるものであれば特に限定されるものではなく、特開2009−37312号公報等に開示されるタッチパネルに一般的に用いられるものを使用することができる。具体的には、アクリレート系、メタクリレート系等の反応性ビニル基を有する光硬化性樹脂等の硬化性樹脂からなるものや、アクリル系粘着剤、光学透明両面テープ(OCA(Optical Clear Adhesive)テープ)を用いることができる。
また、このようなオーバーコート層としては、上記タッチパネルセンサおよびカバーレンズを所望の接着力で接着できるものであれば特に限定されるものではないが、透明性を有するものであることが好ましい。本発明のタッチパネルモジュールをタッチパネル付表示装置に用いた場合に視認性に優れたものとすることができるからである。
本発明においては、なかでも、アクリル系材料を用いたものを好ましく用いることができる。アクリル系材料を用いたアクリル系粘着剤やOCAであることにより、密着性および透明性に優れたものとすることができるからである。また、アクリル系材料は、ポリイミド等の電子回路の金属配線を覆う樹脂材料等と比較して酸素透過性や水分透過性が低い傾向にある。これに対して、本発明においては上述のように保護層が形成されるものであるため、上記銅系配線層の酸化を効果的に防止することができる。このため、本発明の効果をより効果的に発揮できるからである。
上記オーバーコート層の厚みとしては、上記タッチパネルセンサおよびカバーレンズを所望の接着力で接着できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、1μm〜500μmの範囲内とすることができる。
本発明においては、なかでも、50μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。上記厚みであることにより、透明性に優れたものとすることができるからである。また、厚みが薄いことにより、上記銅系配線層に対する酸素や水分のバリア性は低下するものの、上述のように保護層が形成されるものであるため、上記銅系配線層の酸化を効果的に防止することができる。このため、本発明の効果をより効果的に発揮できるからである。
なお、オーバーコート層の形成箇所としては、上記タッチパネルセンサおよびカバーレンズの両者を所望の接着力で接着できるものであれば特に限定されるものではなく、両者の接触する面の全面であっても良く、アクティブエリアの外側である非アクティブエリア内のみにパターン状に形成されるものであっても良い。
3.カバーレンズ
本発明におけるカバーレンズは、上記オーバーコート層上に形成されるものである。
また、上記タッチパネルセンサを傷等から保護するために形成されるものである。
このようなカバーレンズを構成する材料としては、所望の保護性を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではなく、化学強化ガラス、ソーダガラス、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス類、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどの樹脂類、および他の無機材料類等を挙げることができる。
本発明におけるカバーレンズとしては、非透明性であっても良いが、本発明のタッチパネルモジュールがタッチパネル付表示装置に用いられる場合には、透明性を有するものであることが好ましい。
上記カバーレンズの厚みについては、所望の保護性を発揮できるものであれば特に限定されるものではなく、カバーレンズを構成する材料等に応じて適宜設定されるものである。
なお、上記カバーレンズは、上記材料からなる単一の層からなるものであっても良いが、複数層が積層してなるものであっても良い。
複数層からなるものとしては、例えば、上述の材料のうち異なる材料からなる層を積層したものや、上記材料からなる層以外に、反射防止層や、防汚層等の機能層を有するものを挙げることができる。また、カバーレンズがガラス類からなるものである場合には、機能層として表面側に飛散防止フィルムを有するものであっても良い。
4.タッチパネルモジュール
本発明のタッチパネルモジュールは、上記タッチパネルセンサ、フレキシブルプリント配線板、オーバーコート層およびカバーレンズを少なくとも有するものであるが、必要に応じて他の構成を有するものであっても良い。
このような他の構成としては、例えば、タッチパネルセンサの上記カバーレンズが形成される表面の反対側の表面上に形成され、タッチパネルセンサの信頼性向上のための保護フィルムを接着層を介して貼り合せた裏面保護フィルムを挙げることができる。フィルムと接着層に関しては、タッチパネルの信頼性向上できるものなら特に限定されない。
C.タッチパネルセンサの製造方法
次に、本発明のタッチパネルセンサの製造方法について説明する。
本発明のタッチパネルセンサの製造方法は、絶縁基材と、上記絶縁基材上に形成され、第1電極および上記第1電極と絶縁された第2電極を含むセンサ電極と、を有し、上記第1電極および上記第2電極の少なくとも一方が透明電極材料からなる透明電極であり、上記絶縁基材の上記透明電極が形成された面と同一の面上に配線層が形成され、上記配線層の少なくとも一部が銅または銅を主成分とする銅合金である銅系材料からなる銅系配線層であり、上記銅系配線層の露出表面を覆うように、上記透明電極を構成する上記透明電極材料と同一の上記透明電極材料からなる保護層が形成されているタッチパネルセンサの製造方法であって、上記銅系配線層を形成する銅系配線層形成工程と、上記銅系配線層を覆うように上記透明電極材料からなる透明電極材料層を形成し、次いで、上記透明電極材料層をエッチングすることにより上記透明電極および上記保護層を同時に形成する同時形成工程と、を有することを特徴とするものである。
このような本発明のタッチパネルセンサの製造方法について図を参照して説明する。図11は、本発明のタッチパネルセンサの製造方法の一例を示す工程図である。図11(a)に例示するように、絶縁基材1を準備し、上記絶縁基材1の一方の表面にスパッタリングにより、銅系材料からなる銅系材料層を全面に形成した後、パターン状のレジストを形成し、レジストをマスクとして、上記銅系材料層を燐硝酢酸等でエッチングし、銅系配線層2により形成された取出し配線層5および外部接続端子(図示せず)を形成する。
その後、図11(b)に示すように、上記絶縁基材1の一方の表面にスパッタリングによりITO等の透明電極材料からなる透明電極材料層3´を形成し、パターン状のレジストを第2電極および保護層が形成される領域上に形成した後、レジストをマスクとして塩化鉄等を用いて透明電極材料層3´をエッチングし、レジストを剥離することで第2電極4bおよび上記銅系配線層2上に形成された第2電極4bと同一の透明電極材料からなる保護層3bを形成する(図11(c))。次いで、図11(d)に示すように、絶縁層形成用層を形成し、次いでパターン状にレジストを形成した後、レジストをマスクとして絶縁層形成用層をエッチングし、上記第2電極4bを覆う絶縁層7を形成する。その後、図11(e)に示すように、透明電極材料からなる透明電極材料層を形成し、次いでパターン状のレジストを形成し、エッチングすることにより、第1電極4aおよび上記銅系配線層2上に形成された上記第1電極4aと同一の透明電極材料からなる保護層3aを形成する(図11(f))。
このようにして、銅系配線層により形成された取出し配線層および外部接続端子、ならびに、これらの銅系配線層2上に形成された保護層3を有するタッチパネルセンサ10を得るものである。
なお、図11(a)が銅系配線層形成工程であり、(b)〜(c)および(e)〜(f)が同時形成工程である。
本発明によれば、上記同時形成工程を有することにより、上記透明電極および上記保護層を同一工程で形成でき、上記保護層でその露出表面が覆われた銅系配線層を容易に形成することができる。
本発明のタッチパネルセンサの製造方法は、上記銅系配線層形成工程および同時形成工程を有するものである。
以下、本発明のタッチパネルセンサの各工程について詳細に説明する。
1.銅系配線層形成工程
本発明における銅系配線層形成工程は、上記銅系配線層を形成する工程である。
本工程において、上記銅系配線層を形成する方法としては、上記銅系配線層を所望のパターンで形成できる方法であれば良く、上記「A.タッチパネルセンサ」の項に記載の方法と同様とすることができる。
本工程により形成される銅系配線層としては、上記「A.タッチパネルセンサ」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.同時形成工程
本発明における同時形成工程は、上記銅系配線層を覆うように上記透明電極材料からなる透明電極材料層を形成し、次いで、上記透明電極材料層をエッチングすることにより上記透明電極および上記保護層を同時に形成する工程である。
本工程における上記透明電極材料層の形成方法としては、上記銅系配線層を覆うように形成する方法であれば特に限定されるものではなく、上記「A.タッチパネルセンサ」の項に記載の方法と同様とすることができる。
本工程により形成される透明電極材料層の厚みとしては、上記センサ電極として用いられる透明電極を形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、上記透明電極の厚みと同様とすることができる。
本工程により形成される透明電極材料の形成箇所としては、上記銅系配線層を覆うように形成されるものであれば特に限定されるものではないが、上記銅系配線層の全てを覆うように形成されることが好ましく、なかでも、上記絶縁基材の上記銅系配線層が形成された表面側の全面を覆うように形成されることが好ましい。透明電極材料層の形成が容易だからである。
本工程に用いられる透明電極材料については、上記「A.タッチパネルセンサ」の項に記載の内容と同様であるのでここでの説明は省略する。
本工程において、上記透明電極材料層をエッチングする方法としては、上記透明電極および上記保護層を同時に形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、上記「A.タッチパネルセンサ」の項に記載の方法と同様とすることができる。
本工程により形成される透明電極および保護層としては、上記「A.タッチパネルセンサ」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本工程の実施回数としては、少なくとも1回行われるものであれば良く、2以上であっても良い。
3.タッチパネルセンサの製造方法
本発明のタッチパネルセンサの製造方法は、上記銅系配線層形成工程および同時形成工程を有するものであるが、必要に応じて他の工程を有するものであっても良い。
このような他の工程としては、通常、上記絶縁層を形成する絶縁層形成工程等を有するものである。
また、上記銅系配線層や上記透明電極を焼成する焼成工程や、上記センサ電極に含まれる第1電極および第2電極の一方が遮光性電極である場合に、遮光性材料からなる遮光性電極を形成する遮光性電極形成工程、被覆層形成工程、第2配線層形成工程等を有するものであっても良い。
これらの各工程における部材の処理方法および形成方法等については、タッチパネルセンサの製造に一般的に用いられる方法を使用できる。具体的には、上記「A.タッチパネルセンサ」の項に記載の方法を用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
透明基材として、ガラス基板を用いた。その表面上に銅系材料(金属組成:銅99at%、Mn 1at%)からなり、厚み300nmの銅系材料層をスパッタリング法にて形成した。
その後、銅系材料層上にポジ型感光樹脂(レジスト)を塗布し、フォトリソグラフィー法によってパターニングした。ここで、レジストのパターンは、0.02mm〜0.05mm幅の取出し配線層、接続端子に対応するパターンを有するものとした。
その後、エッチング液(関東科学 混酸SEA-517)を用いてエッチングすることにより、銅系配線層からなる取出し配線層および接続端子を形成した。
次いで、銅系配線層上に、ITOからなり、厚み10nmの透明電極材料層を形成し、レジストをセンサ電極(第1電極および第2電極)を形成する箇所および上記銅系配線層としての取出し配線層および接続端子を覆う箇所に形成した。
次いで、エッチング液(関東科学 ITO−07N)を用いてエッチングすることにより、透明電極からなる第1電極、第2電極のおよび保護層を形成した。
このようにして、取出し配線層、接続端子が銅系配線層であり、銅系配線層の露出表面を覆うように形成され、上記第1電極および第2電極としての透明電極と同一の透明電極材料からなる保護層を有するタッチパネルセンサを得た。
[実施例2〜8]
透明電極材料層の厚みを50nm〜300nmとした以外は、実施例1と同様にしてタッチパネルセンサを得た。
[比較例1]
上記銅系配線層上に保護層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にしてタッチパネルセンサを得た。
[評価]
以下の方法により、シート抵抗、耐熱性、動作性、および環境試験耐性の評価を行った。
(1)得られたセンサ電極のシート抵抗を、高抵抗 抵抗率計 ロレスタGP MCP-T610型(三菱化学製)を用いて測定した。
結果を、下記表1に示す。
(2)耐熱性
実施例1〜8および比較例1で得られたタッチパネルセンサを、230℃のオーブンに30min間投入し、銅系配線層の外観(変色の有無を目視で観察)およびシート抵抗の変化を確認することにより、後工程(OC積層)における耐熱性を検証した。結果を下記表1に示す。
なお、評価は、以下の基準で行った。
5:変色なし、シート抵抗の変化なし
4:若干の変色あり、シート抵抗の変化なし
3:若干変色あり、若干シート抵抗が上昇
2:変色あり、シート抵抗が上昇
1:大きな変色あり、シート抵抗が大きく上昇
(3)動作性
FPCで駆動ICと接続しカバーガラスと貼り合わせて、タッチ操作した際に、感度良くタッチ位置を検出できるか否かを確認することにより、動作性を検証した。
なお、評価は、以下の基準で行った。結果を下記表1に示す。
5:10回のタッチ操作のうち、10回とも検出できた。
4:10回のタッチ操作のうち、6〜9回検出できた。
3:10回のタッチ操作のうち、3〜5回検出できた。
2:10回のタッチ操作のうち、1〜2回検出できた。
1:10回のタッチ操作のうち、0回検出できた。
(4)環境試験耐性
60℃、95%Rhの環境試験槽に配線にAC3Vの電流を印加した状態で500h投入し、銅系配線層の外観(変色の有無を目視で観察)およびシート抵抗の変化を確認することにより、配線部(銅系配線層)の環境試験耐性を検証した。
なお、評価は、以下の基準で行った。結果を下記表1に示す。
5:変色なし、シート抵抗の変化なし
4:若干の変色あり、シート抵抗の変化なし
3:若干変色あり、若干シート抵抗が上昇
2:変色あり、シート抵抗が上昇
1:大きな変色あり、シート抵抗が大きく上昇
Figure 0005982955
表1より、実施例1〜8では、耐熱性、動作性および環境試験耐性に優れたものとすることが確認できた。
また、ITOの厚みが100nm以上でシート抵抗が十分に低く、230℃×30minの焼成工程における耐熱性を有すること、タッチパネルとして問題なく動作すること、環境試験耐性が良好であることが分かった。
1 … 絶縁基材
2 … 銅系配線層
2´ … 銅系金属層
3 … 保護層
4a、4b … 第1電極、第2電極
5 … 取出し配線層
6 … 外部接続端子
7 … 絶縁層
10 … タッチパネルセンサ
11 … アクティブエリア
12 … 導電用ホール
13 … レジスト
20 … フレキシブルプリント配線基板
30 … オーバーコート層
40 … カバーレンズ
50 … タッチパネルモジュール

Claims (5)

  1. 絶縁基材と、
    前記絶縁基材上に形成され、第1電極および前記第1電極と絶縁された第2電極を含むセンサ電極と、
    を有し、
    前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方が透明電極材料からなる透明電極であり、
    前記絶縁基材の前記透明電極が形成された面と同一の面上に配線層が形成され、
    前記配線層の少なくとも一部が銅または銅を主成分とする銅合金である銅系材料からなる銅系配線層であり、
    前記銅系配線層の露出表面を覆うように、前記透明電極を構成する前記透明電極材料と同一の前記透明電極材料からなる保護層が形成され、
    前記保護層は、前記配線層に含まれる全ての前記銅系配線層の上部および側面の露出表面全てを覆うように形成されるものであることを特徴とするタッチパネルセンサ。
  2. 前記透明電極のシート抵抗が10Ω/□〜100Ω/□の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネルセンサ。
  3. 絶縁基材と、
    前記絶縁基材上に形成され、第1電極および前記第1電極と絶縁された第2電極を含むセンサ電極と、
    を有し、
    前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方が透明電極材料からなる透明電極であり、
    前記絶縁基材の前記透明電極が形成された面と同一の面上に配線層が形成され、
    前記配線層の少なくとも一部が銅または銅を主成分とする銅合金である銅系材料からなる銅系配線層であり、
    前記銅系配線層の露出表面を覆うように、前記透明電極を構成する前記透明電極材料と同一の前記透明電極材料からなる保護層が形成され、
    前記保護層は、前記配線層に含まれる全ての前記銅系配線層の上部および側面の露出表面全てを覆うように形成されるものであるタッチパネルセンサと、
    前記タッチパネルセンサに接続されたフレキシブルプリント配線板と、
    前記タッチパネルセンサ上に形成されたオーバーコート層と、
    前記オーバーコート層上に形成されたカバーレンズと、
    を有することを特徴とするタッチパネルモジュール。
  4. 前記透明電極のシート抵抗が、10Ω/□〜100Ω/□の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載のタッチパネルモジュール。
  5. 絶縁基材と、
    前記絶縁基材上に形成され、第1電極および前記第1電極と絶縁された第2電極を含むセンサ電極と、
    を有し、
    前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方が透明電極材料からなる透明電極であり、
    前記絶縁基材の前記透明電極が形成された面と同一の面上に配線層が形成され、
    前記配線層の少なくとも一部が銅または銅を主成分とする銅合金である銅系材料からなる銅系配線層であり、
    前記銅系配線層の露出表面を覆うように、前記透明電極を構成する前記透明電極材料と同一の前記透明電極材料からなる保護層が形成され、
    前記保護層は、前記配線層に含まれる全ての前記銅系配線層の上部および側面の露出表面全てを覆うように形成されるものであるタッチパネルセンサの製造方法であって、
    前記銅系配線層を形成する銅系配線層形成工程と、
    前記銅系配線層を覆うように前記透明電極材料からなる透明電極材料層を形成し、次いで、前記透明電極材料層をエッチングすることにより前記透明電極および前記保護層を同時に形成する同時形成工程と、
    を有することを特徴とするタッチパネルセンサの製造方法。
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