以下、添付図面を参照して、医用画像診断装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下では、医用画像診断装置として超音波診断装置を一例に挙げて説明する。
(第1の実施形態)
まず、本実施形態に係る超音波診断装置の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置100の構成を説明するための図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置100は、超音波プローブ1と、モニタ2と、入力装置3と、装置本体10とを有する。
超音波プローブ1は、複数の圧電振動子を有し、これら複数の圧電振動子は、後述する装置本体10が有する送受信部11から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ1は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。また、超音波プローブ1は、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材などを有する。なお、超音波プローブ1は、装置本体10と着脱自在に接続される。
超音波プローブ1から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ1が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁などの表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
ここで、本実施形態に係る超音波プローブ1は、超音波により被検体Pを2次元で走査するとともに、被検体Pを3次元で走査することが可能な超音波プローブである。具体的には、本実施形態に係る超音波プローブ1は、被検体Pを2次元で走査する複数の圧電振動子を所定の角度(揺動角度)で揺動させることで、被検体Pを3次元で走査するメカニカルスキャンプローブである。或いは、本実施形態に係る超音波プローブ1は、複数の圧電振動子がマトリックス状に配置されることで、被検体Pを3次元で超音波走査することが可能な2次元超音波プローブである。なお、2次元超音波プローブは、超音波を集束して送信することで、被検体Pを2次元で走査することが可能である。
入力装置3は、図1に示すように、トラックボール3a、スイッチ3b、ダイヤル3c、タッチコマンドスクリーン3dなどを有し、後述するインターフェース部18を介して装置本体10と接続される。入力装置3は、超音波診断装置の操作者からの各種設定要求を受け付け、装置本体10に対して受け付けた各種設定要求を転送する。例えば、ダイヤル3cは、ロータリーエンコーダを有し、管腔画像を生成する際の、視点位置の設定を受付ける。また、例えば、タッチコマンドスクリーン3dは、管腔画像を表示するとともに、当該管腔画像の各種設定の変更を受付ける。なお、管腔画像については、後に詳述する。
例えば、本実施形態に係る入力装置3は、観察者が観察を所望する管腔を設定するための管腔内の始点や終点の設定や、視点及び視線方向の設定などに関する指示を操作者から受け付ける。
モニタ2は、超音波診断装置100の操作者が入力装置3を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体10において生成された超音波画像などを表示したりする。例えば、モニタ2は、後述する画像生成部14の処理によって生成されたMAP画像を表示する。なお、MAP画像については、後に詳述する。
装置本体10は、超音波プローブ1が受信した反射波に基づいて超音波画像を生成する装置である。具体的には、本実施形態に係る装置本体10は、超音波プローブ1が受信した3次元の反射波データに基づいて3次元超音波画像(ボリュームデータ)を生成可能な装置である。装置本体10は、図1に示すように、送受信部11と、Bモード処理部12と、ドプラ処理部13と、画像生成部14と、画像メモリ15と、内部記憶部16と、制御部17と、インターフェース部18とを有する。
送受信部11は、トリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路などを有し、超音波プローブ1に駆動信号を供給する。パルサ回路は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、遅延回路は、超音波プローブ1から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルサ回路が発生する各レートパルスに対し与える。また、トリガ発生回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ1に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、遅延回路は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面からの送信方向を任意に調整する。
なお、送受信部11は、後述する制御部17の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧などを瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、または、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
また、送受信部11は、アンプ回路、A/D変換器、加算器などを有し、超音波プローブ1が受信した反射波信号に対して各種処理を行なって反射波データを生成する。アンプ回路は、反射波信号をチャンネルごとに増幅してゲイン補正処理を行なう。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をA/D変換し、デジタルデータに受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与える。加算器は、A/D変換器によって処理された反射波信号の加算処理を行なって反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。
このように、送受信部11は、超音波の送受信における送信指向性と受信指向性とを制御する。ここで、本実施形態に係る送受信部11は、超音波プローブ1から被検体Pに対して3次元の超音波ビームを送信させ、超音波プローブ1が受信した3次元の反射波信号から3次元の反射波データを生成する。
Bモード処理部12は、送受信部11から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理などを行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。 ここで、Bモード処理部12は、検波周波数を変化させることで、映像化する周波数帯域を変えることができる。また、Bモード処理部12は、一つの反射波データに対して、二つの検波周波数による検波処理を並列して行うことができる。
ドプラ処理部13は、送受信部11から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワーなどの移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。
なお、本実施形態に係るBモード処理部12およびドプラ処理部13は、2次元の反射波データおよび3次元の反射波データの両方について処理可能である。すなわち、本実施形態に係るBモード処理部12は、3次元の反射波データから3次元のBモードデータを生成することができる。また、本実施形態に係るドプラ処理部13は、3次元の反射波データから3次元のドプラデータを生成することができる。
画像生成部14は、Bモード処理部12及びドプラ処理部13が生成したデータから超音波画像を生成する。すなわち、画像生成部14は、Bモード処理部12が生成したBモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像を生成する。具体的には、画像生成部14は、Bモード処理部12が生成した3次元のBモードデータから、3次元のBモード画像を生成する。
また、画像生成部14は、ドプラ処理部13が生成したドプラデータから移動体情報を表す平均速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらの組み合わせ画像としてのカラードプラ画像を生成する。具体的には、画像生成部14は、ドプラ処理部13が生成した3次元のドプラデータから、3次元のカラードプラ画像を生成する。なお、以下では、画像生成部14が生成した3次元のBモード画像及び3次元のカラードプラ画像をまとめて「ボリュームデータ」と記載する。
また、画像生成部14は、生成したボリュームデータをモニタ2にて表示するための各種画像を生成することができる。具体的には、画像生成部14は、ボリュームデータからMPR画像やレンダリング画像を生成することができる。
すなわち、超音波プローブ1により被検体Pの撮影部位に対して超音波の3次元走査が行なわれることで、送受信部11は、3次元のデータを生成する。そして、画像生成部14は、ボリュームデータをモニタ2に表示するための画像として、例えば、操作者からの指示により、直交3断面におけるMPR画像や、超音波プローブ1の被検体Pに対する接触面を視点とした場合のレンダリング画像や、任意の場所を視点とした場合のレンダリング画像を生成する。
また、画像生成部14は、ボリュームデータに含まれる管腔を描出したフライスルー画像やMAP画像などを生成する。画像生成部14によるフライスルー画像やMAP画像の生成については、後に詳述する。なお、画像生成部14は、超音波画像に、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマークなどを合成した合成画像を生成することもできる。
画像メモリ15は、画像生成部14が生成した超音波画像を記憶するメモリである。また、画像メモリ15は、Bモード処理部12やドプラ処理部13が生成したデータを記憶することも可能である。
内部記憶部16は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見など)や、診断プロトコルや各種ボディーマークなどの各種データを記憶する。また、内部記憶部16は、必要に応じて、画像メモリ15が記憶する画像の保管などにも使用される。
制御部17は、情報処理装置(計算機)としての機能を実現する制御プロセッサ(CPU:Central Processing Unit)であり、超音波診断装置の処理全体を制御する。具体的には、制御部17は、入力装置3を介して操作者から入力された各種設定要求や、内部記憶部16から読込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信部11、Bモード処理部12、ドプラ処理部13及び画像生成部14の処理を制御する。また、制御部17は、画像メモリ15が記憶する超音波画像や、内部記憶部16が記憶する各種画像、又は、画像生成部14による処理を行なうためのGUI、画像生成部14の処理結果などをモニタ2にて表示するように制御する。
インターフェース部18は、入力装置3に対するインターフェースである。入力装置3が受け付けた操作者からの各種設定情報及び各種指示は、インターフェース部18により、制御部17に転送される。
以上、第1の実施形態に係る超音波診断装置の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係る超音波診断装置は、以下、詳細に説明する画像生成部14の処理により、視点位置を移動させながら表示されたフライスルー画像が管腔全体のどの位置に相当するのかを容易に把握することができるように構成されている。
ここで、まず、従来技術におけるフライスルー画像について説明する。図2は、従来技術における課題を説明するための図である。図2においては、モニタ2にて、フライスルー画像と、フライスルー画像の視点位置における直交3断面のMPR画像とを表示させた状態を示す。ここで、図2においては、右下の画像がフライススルー画像を示し、左側の上下及び右側の上の画像が直交3断面のMPR画像を示す。
例えば、従来技術においては、図2に示すフライスルー画像及び直交3断面のMPR画像は、視点位置が移動されながら生成され、生成された画像に更新されて表示される。すなわち、観察者は、管腔内のある位置における画像のみを観察しているため、現時点で観察しているフライスルー画像が管腔全体のどの位置であるのかを把握することが困難である。
そこで、本実施形態では、以下に詳細に記載する画像生成部14の処理により、管腔の全体を描出したMAP画像を生成して、観察者に対して表示することにより、現時点で表示されているフライスルー画像が管腔全体のどの位置であるのかを容易に把握することを可能にする。
図3は、第1の実施形態に係る画像生成部14の構成の一例を示す図である。図3に示すように、画像生成部14は、芯線設定部141と、仮想内視鏡画像生成部142と、管腔画像生成部143とを有する。
芯線設定部141は、超音波プローブ1から送信される送信信号を被検体に3次元的に走査することで収集された3次元画像データに含まれる管腔に芯線を設定する。具体的には、芯線設定部141は、画像メモリ15或いは内部記憶部16によって記憶されたボリュームデータを読み出し、ボリュームデータに含まれる管腔を抽出し、抽出した管腔に芯線を設定する。
ここで、まず、芯線設定部141の処理を行なうために、観察者は、入力装置3を介して、処理対象となるボリュームデータを指定し、更に、直交3断面(A面、B面、C面)のMPR画像の表示要求を行なう。表示要求を入力装置3から通知された制御部17は、画像生成部14に対して、操作者が指定したボリュームデータから直交3断面のMPR画像を生成するように制御する。そして、モニタ2は、制御部17の制御により、画像生成部14が生成した直交3断面のMPR画像を表示する。
観察者は、モニタ2に表示されたMPR画像に描出された管腔に、芯線設定部141が芯線を設定するための始点を入力装置3が有する描画機能を用いて設定する。制御部17は、入力装置3が受け付けた始点のボリュームデータにおける位置情報を取得し、取得した始点の位置情報を芯線設定部141に通知する。
芯線設定部141は、始点におけるボリュームデータの輝度を取得し、取得した輝度に対して所定の閾値の範囲内となる輝度を有するボクセル(voxel)を順次特定する。これにより、芯線設定部141は、ボリュームデータに含まれる管腔領域を抽出する。すなわち、芯線設定部141は、モルフォロジー演算(Dilation, Erosion, Opening, Closing)を行なうことで、管腔領域を抽出する。そして、芯線設定部141は、管腔領域に芯線を設定する。例えば、芯線設定部141は、管腔領域を細線化処理することで芯線を設定する。換言すると、芯線設定部141は、ボリュームデータにおける芯線の位置情報を、管腔領域の芯線情報として設定する。
なお、芯線設定部141は、管腔領域が分岐している場合、予め設定された選択条件に基づいて、芯線の設定方向を選択することができる。例えば、分岐する管腔領域において、分岐点を操作者が設定したとする。かかる場合には、芯線設定部141は、2方向に分岐する管腔領域を抽出する。そして、芯線設定部141は、芯線として、分岐点で2つに別れる2本の芯線を設定することができる。
ここで、選択条件として、「芯線の設定方向:長さ優先」が設定されている場合には、芯線設定部141は、2本の芯線の長さを比較して、より長い芯線を設定できる方向の芯線を設定する。或いは、選択条件として、「芯線の設定方向:管腔の太さ優先」が設定されている場合には、芯線設定部141は、2方向に分岐する2つの管腔のうち、管腔の太い方向の芯線を設定する。
なお、上述した芯線設定部141の処理は、操作者により手動で実行される場合であっても良い。また、本実施形態は、管腔領域が分岐している場合に、操作者が芯線の設定方向を指定する場合であっても良い。例えば、観察者は、モニタ2にて表示させた分岐点付近の断面画像上で、所望する方向にカーソルを移動させることで芯線の設定方向を指定する。
仮想内視鏡画像生成部142は、芯線設定部141によって設定された芯線に沿って、任意の視点及び視線方向からの仮想内視鏡画像を生成する。具体的には、仮想内視鏡画像生成部142は、芯線の軌道に沿って、任意の方向に、一定の距離間隔及び一定の時間間隔で視点を移動させ、各視線方向から管腔内を投影した仮想内視鏡画像を、ボリュームデータを用いてそれぞれ生成する。
ここで、まず、仮想内視鏡画像生成部142が処理を行うために、観察者によって視点及び視線方向が設定される。そして、仮想内視鏡画像生成部142は、設定された芯線上の視点から設定された視線方向に、管腔内を投影した仮想内視鏡画像を生成する。このとき、仮想内視鏡画像生成部142は、視線方向を中心とする視野角であるFOV(Field Of View)角にて定まる近平面及び遠平面の範囲に向けて視点から放射状に透視投影する。そして、仮想内視鏡画像生成部142は、一定の距離間隔及び一定の時間間隔で視点を移動させながら、各視線方向から管腔内を投影した仮想内視鏡画像をそれぞれ生成し、生成した仮想内視鏡画像を画像メモリ15に格納する。
そして、制御部17が、仮想内視鏡画像生成部142によって生成された各視線方向から管腔内を投影した仮想内視鏡画像と、当該仮想内視鏡画像が生成された視点位置における直交3断面のMPR画像をモニタ2に表示させる。ここで、制御部17は、仮想内視鏡画像生成部142が仮想内視鏡画像を生成する際に視点を移動した時間間隔で仮想内視鏡画像を更新することで、管腔内を視線方向に移動しながら観察できる動画像(フライスルー画像:flythrough画像)を表示させることが可能である。なお、フライスルー画像が表示される場合には、視点の移動に伴って、直交3断面のMPR画像も更新される。
管腔画像生成部143は、仮想内視鏡画像が生成された管腔全体について、当該管腔の内部及び外部の輝度を反転することで当該管腔全体を抽出し、抽出した管腔全体の外部の所定の位置を視点位置とし、当該視点位置からの管腔の外観が描出された管腔画像を生成する。具体的には、管腔画像生成部143は、仮想内視鏡画像が生成された際の視線方向に対して垂直方向で、かつ、同一円周上にある所定の位置を視点位置とし、当該視点位置から管腔全体を投射した画像を前記管腔画像として生成する。図4は、第1の実施形態に係る管腔画像生成部143による処理の一例を説明するための図である。なお、図4においては、芯線設定部141によってボリュームデータに含まれる管腔が抽出された後の処理について示す。また、図4においては、仮想内視鏡画像生成部142によって仮想内視鏡画像が生成された管腔に対する処理について示す。
例えば、管腔画像生成部143は、図4の(A)に示す管腔を含むボリュームデータ200に対して輝度の反転処理を実行して、図4の(B)に示すように、管腔300のみを抽出する。一例を挙げると、管腔画像生成部143は、芯線設定部141によって管腔300が抽出された際に、管腔300の内部として判定された輝度を最大輝度に変換し、管腔300の外部として判定された輝度を最低輝度に変換する。これにより、管腔300のみが抽出されることとなり、管腔300の外観を描出することが可能になる。
そして、管腔画像生成部143は、図4の(C)に示すように、抽出した管腔300に対して、仮想内視鏡画像が生成された際の視線方向301に対して垂直な面において、視線方向301と面との交点302を中心とする円400上にある所定の位置を視点位置とし、当該視点位置から管腔全体を投射した管腔画像(以下、MAP画像と記す)を生成する。一例を挙げると、管腔画像生成部143は、図4の(C)に示す点401や、点402を視点位置としたMAP画像を生成する。なお、面の位置は任意に設定することができ、例えば、仮想内視鏡画像を生成する際の視点位置を設定する場合であってもよい。
以下、MAP画像の一例を図5A及び図5Bを用いて説明する。図5A及び、図5Bは、第1の実施形態に係るMAP画像の一例を示す図である。図5Aにおいては、図4の(C)の点401を視点位置とした場合のMAP画像を示す。また、図5Bにおいては、図4の(C)の点402を視点位置とした場合のMAP画像を示す。
例えば、図5Aに示すように、管腔画像生成部143は、図4の(C)の点401(管腔の上側)から管腔全体を投射したMAP画像を生成することで、管腔の分岐が描出されたMAP画像を生成する。ここで、管腔画像生成部143は、図5Aに示すように、フライスルー画像として現時点で表示されている仮想内視鏡画像の視点位置と視線方向とを示す矢印を、MAP画像に重畳した画像を生成する。例えば、管腔画像生成部143は、仮想内視鏡画像の視点位置と視線方向とを示す矢印の画像をMAP画像とは異なるレイヤーで生成し、生成した矢印をMAP画像に重畳した画像を生成する。そして、管腔画像生成部143は、フライスルー画像において、仮想内視鏡画像が更新されるごとに矢印の画像を生成することで、現時点のフライスルー画像が管腔全体のどの位置を描出しているのかを明示することが可能となる。
また、例えば、管腔画像生成部143は、図5Bに示すように、図4の(C)の点402(管腔の側方)から管腔全体を投射したMAP画像を生成する。図5BのMAP画像においても、図5AのMAP画像と同様に、フライスルー画像として現時点で表示されている仮想内視鏡画像の視点位置と視線方向とを示す矢印を重畳した画像を生成することが可能である。
図5A及び図5Bに示すMAP画像は、あくまでも一例であり、例えば、図4の(C)の円400上の任意の点を視点位置としてMAP画像を生成することが可能である。そして、円上における視点位置は、操作者によって自由に変更することが可能である。例えば、ダイヤル3cが有するロータリーエンコーダの動きと、円400上における視点位置の移動とをリンクさせて、操作者がダイヤル3cを回転させることで、視点位置を自由に変更させることも可能である。
また、円400の半径も任意に設定することができる。例えば、円400の半径の縮小及び拡大をダイヤル3cのロータリーエンコーダとリンクさせて、操作者がダイヤル3cを回転させることで、円400の半径を自由に変更させることも可能である。これにより、例えば、MAP画像の拡大や縮小を自由に行うことが可能となる。なお、上述したダイヤル3cを用いた視点位置及び円の半径の変更はあくまでも一例である。すなわち、トラックボール3aを用いる場合であってもよいし、タッチコマンドスクリーン3dを用いる場合であってもよい。
本実施形態に係る超音波診断装置100は、上述したフライスルー画像と、MAP画像とを同時に表示することで、視点位置を移動させながら表示されたフライスルー画像が管腔全体のどの位置に相当するのかを容易に把握することができる。図6は、第1の実施形態に係るMAP画像の表示の一例を示す図である。例えば、制御部17は、図6に示すように、仮想内視鏡画像生成部142によって生成された仮想内視鏡画像の動画像であるフライスルー画像21と、管腔画像生成部143によって生成されたMAP画像22とをモニタ2にて表示させる。
これにより、観察者は、管腔全体の形状を把握しながら、フライスルー画像を観察することができ、視点位置を移動させながら表示されたフライスルー画像が管腔全体のどの位置に相当するのかを容易に把握することができる。
さらに、制御部17は、フライスルー画像21において、仮想内視鏡画像が更新されるごとに、MAP画像上の矢印の位置を更新する。すなわち、MAP画像上の矢印は、フライスルー画像と連動して表示される。従って、観察者は、視点位置を移動させながら表示されたフライスルー画像が管腔全体のどの位置に相当するのかをより容易に把握することができる。
上述した例では、仮想内視鏡画像が更新されるごとに、MAP画像上の矢印の位置が更新される場合について説明したが、本実施形態に係る超音波診断装置100は、仮想内視鏡画像の更新に連動して、MAP画像を更新させることも可能である。例えば、フライスルー画像の表示に連動して、視点位置が変更されたMAP画像に更新させることも可能である。
かかる場合には、管腔画像生成部143は、仮想内視鏡画像における視点の位置が変更された場合に、視点の位置の変更に連動して視点位置を変更したMAP画像を生成する。すなわち、管腔画像生成部143は、仮想内視鏡画像が生成された視点位置に合わせて、視点位置を移動させた後、移動後の視点位置からのMAP画像を生成する。
制御部17は、仮想内視鏡画像とMAP画像とを同調させて更新させながらモニタ2に表示させる。これにより、制御部17は、フライスルー画像に連動して視点位置が移動するMAP画像をモニタ2に表示させることができる。
ここで、第1の実施形態に係る超音波診断装置100は、タッチコマンドスクリーン3dによりMAP画像を表示させることも可能である。図7は、第1の実施形態に係るタッチコマンドスクリーン3dによるMAP画像の表示の一例を示す図である。例えば、図7に示すように、制御部17は、フライスルー画像21をモニタ2にて表示し、MAP画像22をタッチコマンドスクリーン3dにて表示させる。
ここで、第1の実施形態に係る超音波診断装置100においては、タッチコマンドスクリーン3dを用いて、フライスルー画像21の画像を任意の位置に移動させることが可能である。例えば、図7に示すように、タッチコマンドスクリーン3dに表示されているMAP画像上の矢印を、操作者が指で移動させることにより、モニタ2にて表示されているフライスルー画像を任意の位置に移動させることが可能である。
かかる場合には、タッチコマンドスクリーン3dが受付けた矢印の移動操作に基づいて、仮想内視鏡画像生成部142が、仮想内視鏡画像を生成する。そして、制御部17が生成された仮想内視鏡画像をモニタ2にて表示させる。例えば、操作者が矢印の向きを逆方向に向けた場合には、仮想内視鏡画像生成部142は、現時点の視点位置から視線方向を逆にして管腔内部を投影した仮想内視鏡画像を生成して、画像メモリ15に格納する。制御部17は、画像メモリ15から生成された仮想内視鏡画像を読み出して、モニタ2にて表示させる。同様に、例えば、操作者が矢印の位置を移動させた場合には、仮想内視鏡画像生成部142は、現時点の視点位置から矢印の移動先に視点位置を移動させて、矢印の向きを視線方向として管腔内部を投影した仮想内視鏡画像を生成して、画像メモリ15に格納する。制御部17は、画像メモリ15から生成された仮想内視鏡画像を読み出して、モニタ2にて表示させる。
また、第1の実施形態に係る超音波診断装置100は、矢印に加えて、現時点のフライスルー画像に描出された管腔内部の範囲を示す情報をMAP画像に重畳させて表示させることも可能である。図8は、第1の実施形態に係る管腔内部の範囲が重畳されたMAP画像の表示の一例を示す図である。なお、図8においては、フライスルー画像及びMAP画像をモニタ2にて表示させた場合について示す。
例えば、図8に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置100は、フライスルー画像21と、現時点のフライスルー画像に描出された管腔内部の範囲22aが重畳されたMAP画像22とをモニタ2にて表示させる。かかる場合には、管腔画像生成部143は、フライスルー画像において現時点で表示されている仮想内視鏡画像が生成された際の視点位置、視線方向及びFOVに基づいて、範囲22aの画像を、MAP画像とは異なるレイヤーで生成する。そして、管腔画像生成部143は、範囲22aの画像をMAP画像に重畳させた画像を生成して画像メモリ15に格納する。制御部17は、画像メモリ15から範囲22aが重畳されたMAP画像を読み出し、モニタ2にて表示する。
次に、図9を用いて、第1の実施形態に係る超音波診断装置100の処理について説明する。図9は、第1の実施形態に係る超音波診断装置100による処理の手順を示すフローチャートである。図9に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置100においては、MAP画像表示モードがONであると(ステップS101肯定)、芯線設定部141は、ボリュームデータに含まれる管腔に芯線を設定して(ステップS102)、管腔を抽出する。
そして、仮想内視鏡画像生成部142は、芯線設定部141によって設定された芯線に沿って、視点位置を移動させながら仮想内視鏡画像を生成することで、フライスルー画像を生成する(ステップS103)。続いて、管腔画像生成部143は、フライスルー画像が生成された管腔の輝度を反転して(ステップS104)、管腔のみを抽出する。
そして、管腔画像生成部143は、抽出した管腔を所定の視点位置から投射したMAP画像を生成する(ステップS105)。その後、制御部17は、仮想内視鏡画像生成部142によって生成されたフライスルー画像と、管腔画像生成部143によって生成されたMAP画像とをモニタ2にて並列表示させて(ステップS106)、処理を終了する。なお、MAP画像表示モードがOFFの場合には(ステップS101否定)、フライスルー画像のみが表示させることとなる。
上述したように、第1の実施形態によれば、仮想内視鏡画像生成部142は、3次元画像データに含まれる管腔の内部を所定の視線方向から投影した仮想内視鏡画像を生成する。そして、管腔画像生成部143は、仮想内視鏡画像が生成された管腔全体について、当該管腔の内部及び外部の輝度を反転することで当該管腔全体を抽出し、抽出した管腔全体の外部の所定の位置を視点位置とし、当該視点位置からの管腔の外観が描出されたMAP画像を生成する。そして、制御部17は、仮想内視鏡画像とMAP画像とをモニタ2にて表示させる。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置100は、管腔全体の形状を把握しながら、フライスルー画像を観察させることができ、視点位置を移動させながら表示されたフライスルー画像が管腔全体のどの位置に相当するのかを容易に把握することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、管腔画像生成部143は、仮想内視鏡画像が生成された際の視線方向に対して垂直方向で、かつ、同一円周上にある所定の位置を視点位置とし、当該視点位置から管腔全体を投射した画像をMAP画像として生成する。そして、制御部17は、仮想内視鏡画像とMAP画像とをモニタ2にて表示させる。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置100は、フライスルー画像の視線方向を考慮した上で、管腔全体を描出したMAP画像を容易に生成することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、表示制御手段は、仮想内視鏡画像が生成された際の視点位置及び視線方向を示す矢印をMAP画像上に重畳して表示する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置100は、視点位置を移動させながら表示されたフライスルー画像が管腔全体のどの位置に相当するのかをより容易に把握することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、ダイヤル3cは、MAP画像を生成する際の視点位置を定める円の半径を変更する操作、及び、当該円上における視点位置を変更する操作を受付ける。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置100は、操作者が所望するMAP画像を表示させることができ、視点位置を移動させながら表示されたフライスルー画像が管腔全体のどの位置に相当するのかをより把握しやすくさせることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御部17は、仮想内視鏡画像が生成された際の視点位置及び視線方向を示す矢印を重畳したMAP画像をタッチコマンドスクリーン3dにて表示させる。そして。タッチコマンドスクリーン3dは、仮想内視鏡画像の視点位置及び視線方向を変更する操作を受付ける。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置100は、管腔全体において操作者が所望する位置の仮想内視鏡画像を表示させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御部17は、仮想内視鏡画像に描出された管腔内部の範囲を示す情報をMAP画像上に重畳して表示する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置100は、現時点で描出された管腔内部の画像が、管腔全体のどの範囲を描出しているのかを容易に把握させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、管腔画像生成部143は、仮想内視鏡画像における視点の位置が変更された場合に、視点の位置の変更に連動して視点位置を変更したMAP画像を生成する。そして、制御部17は、仮想内視鏡画像とMAP画像とを連動させてモニタ2にて表示させる。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置100は、フライスルー画像に合わせてMAP画像を更新させて表示することができ、現時点で描出された管腔内部の画像が、管腔全体のどの位置を描出しているのかをより容易に把握させることを可能にする。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、フライスルー画像を生成した管腔の輝度を反転することで、MAP画像を生成する場合について説明した。第2の実施形態では、フライスルー画像の表示に際して、輝度反転を応用する場合について説明する。なお、第2の実施形態に係る超音波診断装置は、第1の実施形態に係る超音波診断装置100と比較して、図3に示す仮想内視鏡画像生成部142の処理内容のみが異なる。以下では、第2の実施形態に係る超音波診断装置を超音波診断装置100a、仮想内視鏡画像生成部を仮想内視鏡画像生成部142aとして説明する。
仮想内視鏡画像生成部142aは、仮想内視鏡画像を生成する際の視点位置が管腔の外部に配置された場合に、輝度及び視線方向を反転した仮想内視鏡画像を生成する。具体的には、仮想内視鏡画像生成部142aは、仮想内視鏡画像を生成する際の視点位置が操作者によって管腔の外部に設定された場合に、仮想内視鏡画像の輝度を反転させ、視線方向を180°転回させて投影した画像を生成する。図10は、第2の実施形態に係る仮想内視鏡画像生成部142aによる処理の一例を説明するための図である。
例えば、操作者によって視点位置が管腔の外部に設定された場合には、図10の(A)に示すように、表示が一面媒体となり、管腔内部のみならず、方向及び位置がわからなくなる。そこで、第2の実施形態に係る仮想内視鏡画像生成部142aは、まず、操作者によって設定された視点位置が管腔内部にあるか否かを判定する。例えば、仮想内視鏡画像生成部142aは、操作者によって設定された視点位置の座標が、芯線設定部141によって抽出された管腔の内部に相当する座標であるか否かを判定する。
ここで、操作者によって設定された視点位置の座標が、管腔の内部に相当する座標ではない場合に、仮想内視鏡画像生成部142aは、仮想内視鏡画像の生成に用いる3次元画像データの輝度を反転させる。そして、仮想内視鏡画像生成部142aは、さらに視線方向を180°転回させ、設定された視点位置から投影した画像を生成する。これにより、仮想内視鏡画像生成部142aは、例えば、図10の(B)に示すように、外部から管腔を観察することが可能な画像を生成することができる。
次に、図11を用いて、第2の実施形態に係る超音波診断装置100aの処理について説明する。図11は、第2の実施形態に係る超音波診断装置100aによる処理の手順を示すフローチャートである。図11に示すように、第2の実施形態に係る超音波診断装置100aにおいては、視点位置が管腔の外部に設定されると(ステップS201肯定)、仮想内視鏡画像生成部142aは、フライスルー画像における仮想内視鏡画像の輝度を反転させる(ステップS202)。
そして、仮想内視鏡画像生成部142aは、視線方向を180°転回させ(ステップS203)、設定された視点位置から投影した画像を生成する。その後、制御部17は、仮想内視鏡画像生成部142aによって生成された画像をモニタ2にて表示させて(ステップS204)、処理を終了する。なお、視点位置が管腔の内部にある場合には(ステップS201否定)、上記した処理を行わずに仮想内視鏡画像を生成する。
上述したように、第2の実施形態によれば、仮想内視鏡画像生成部142aは、仮想内視鏡画像を生成する際の視点位置が管腔の外部に配置された場合に、輝度及び視線方向を反転した仮想内視鏡画像を生成する。従って、第2の実施形態に係る超音波診断装置100aは、視点位置が管腔の外部に設定された場合でも、管腔の位置を容易に把握させることができ、検査効率を向上させることを可能にする。
(第3の実施形態)
上述した第1の実施形態では、仮想内視鏡画像を生成した際の視点位置及び視線方向を示す矢印や、フライスルー画像に描出された管腔内部の範囲をMAP画像に重畳する場合について説明した。第3の実施形態では、医療デバイスの位置をMAP画像に重畳させる場合について説明する。なお、第3の実施形態に係る超音波診断装置は、第1の実施形態に係る超音波診断装置100と比較して、図1に示す制御部17の処理内容のみが異なる。以下では、第3の実施形態に係る超音波診断装置を超音波診断装置100b、制御部を制御部17aとして説明する。
制御部17aは、管腔内部の医療デバイスの位置を示す情報をMAP画像上に重畳して表示する。具体的には、制御部17aは、画像生成部14に対して、ボリュームデータに含まれる医療デバイスを示す画像をMAP画像とは異なるレイヤーに生成させる。さらに、制御部17aは、画像生成部14に対して、医療デバイスを示す画像をMAP画像に重畳させた画像を生成させる。そして、制御部17aは、医療デバイスを示す画像が重畳されたMAP画像を所定の表示部にて表示させる。
図12は、第3の実施形態に係る制御部17による制御の一例を説明するための図である。なお、図12においては、医療デバイスとしてカテーテルが用いられた場合について示す。例えば、図12に示すように、制御部17aは、ボリュームデータに含まれるカテーテル303を輝度に基づいて抽出する。すなわち、超音波診断装置100bを用いた診断において、カテーテル303は、高輝度で描出されることから、制御部17aは、カテーテル303を輝度に基づいて抽出する。
そして、制御部17aは、画像生成部14に対して、抽出したカテーテル303を描出した医療デバイス画像を生成させるように制御する。例えば、制御部17aは、管腔画像生成部143に対して、MAP画像を生成した際の視点位置及び視線方向で、抽出したカテーテル303を投射した医療デバイス画像を生成させる。このとき、図12に示すように、カテーテルの先端304のみが描出された医療デバイス画像を生成することも可能である。
そして、制御部17aは、図12に示すように、MAP画像22にカテーテル303の先端304の画像を重畳させた画像を生成させる。その後、制御部17aは、カテーテル303の先端304が重畳されたMAP画像22をモニタ2にて表示させる。ここで、制御部17aは、カテーテル303の移動と連動して、MAP画像22上のカテーテル303の先端304を移動させた画像をモニタ2にて表示させる。
上述した第3の実施形態では、MAP画像にカテーテルを重畳させて表示させる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、フライスルー画像にカテーテルを重畳させる場合であってもよい。図13A及び図13Bは、第3の実施形態に係るフライスルー画像の表示の一例を示す図である。
例えば、制御部17aは、図13Aに示すように、フライスルー画像21の輝度を反転させ、管腔の外部を描出した画像にカテーテル303の先端304を重畳させた画像をモニタ2にて表示させることが可能である。また、制御部17aは、例えば、図13Bに示すように、フライスルー画像21にカテーテル303の先端304を重畳させた画像をモニタ2にて表示させることも可能である。かかる場合には、制御部17aは、仮想内視鏡画像生成部142に対して、医療デバイス画像を生成するように制御する。
次に、図14を用いて、第3の実施形態に係る超音波診断装置100bの処理について説明する。図14は、第3の実施形態に係る超音波診断装置による処理の手順を示すフローチャートである。図14に示すように、第3の実施形態に係る超音波診断装置100bにおいては、医療デバイス表示モードがONであると(ステップS301肯定)、制御部17aは、ボリュームデータに含まれる医療デバイスを描出した医療デバイス画像を生成させる(ステップS302)。
そして、制御部17aは、医療デバイス画像をMAP画像に重畳させた画像を生成させる(ステップS303)。その後、制御部17aは、医療デバイスが重畳されたMAP画像をモニタ2にて表示させて(ステップS304)、処理を終了する。なお、医療デバイス表示モードがOFFの場合には、医療デバイスを重畳させる処理は実行されない(ステップS301否定)。
上述したように、第3の実施形態によれば、制御部17aは、管腔内部のカテーテルの位置を示す情報をMAP画像上に重畳して表示する。従って、第3の実施形態に係る超音波診断装置100bは、管腔内の医療デバイスの位置をわかりやすく表示させることを可能にする。
(第4の実施形態)
さて、これまで第1、2及び3の実施形態について説明したが、上述した第1、2及び3の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述した第1〜第3の実施形態では、医用画像診断装置として超音波診断装置を用いる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、医用画像診断装置としてX線CT装置、MRI装置及びX線診断装置などが用いられる場合であってもよい。
上述した第1〜第3の実施形態では、MAP画像として、管腔全体を2次元の平面上に投射した画像を用いる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、管腔全体を透視投影した3次元の画像をMAP画像として用いる場合であってもよい。
以上説明したとおり、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態及び第4の実施形態によれば、本実施形態の医用画像診断装置、画像処理装置及びプログラムは、視点位置を移動させながら表示されたフライスルー画像が管腔全体のどの位置に相当するのかを容易に把握することを可能にする。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。