JP5980044B2 - セメント組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉徐冷スラグ及び/又は製鋼スラグを含むセメント組成物の製造方法に関する。
近年、セメント分野では、COの排出削減と廃棄物や産業副産物の有効利用が重要課題になっている。かかる状況から、高炉セメントは副産物である高炉水砕スラグを最大で70質量%も含み、COの発生量や石灰石等の天然資源の使用量を大幅に削減できるため、前記課題の解決手段として極めて有用である。ちなみに、高炉水砕スラグを40質量%程度含む高炉セメントB種のCO及び石灰石の削減率は、普通ポルトランドセメントと比べいずれも40%程度と高い。
一般に、鉄鋼製造工程で副生する製鋼スラグは高炉スラグと製鋼スラグに大別され、さらに、高炉スラグは高炉水砕スラグと高炉徐冷スラグに、製鋼スラグは転炉系スラグ(転炉スラグや二次精錬スラグ等を含む。)と電気炉系スラグに分けられる。これらのうち、高炉徐冷スラグと製鋼スラグ(以下合わせて「徐冷スラグ等」という。)は、高炉や鋼の精錬工程からそれぞれ副生する溶融スラグを空冷等により徐冷してなる塊状物であり、高炉水砕スラグと比べ潜在水硬性が劣り、これらを含むセメント組成物の強度発現性は低い。また、高炉徐冷スラグはそこに含まれるCaSや吸着した窒素分にそれぞれ起因する温泉臭やアンモニア臭の問題があり、製鋼スラグは遊離石灰(フリーライム)による水和膨張やFeOによる酸化膨張の問題がある。
したがって、徐冷スラグ等はそのままではセメントと混合できず、現在、これらの用途は路盤材、港湾工事用資材、及びコンクリート用粗骨材等に限定されている。
ところで、鐵鋼スラグ協会の統計によれば、平成23年度のスラグの生産量は高炉徐冷スラグで466万トン、製鋼スラグで1320万トンであり、両者を合わせると全スラグの生産量の38%をも占めている。したがって、徐冷スラグ等をセメントの混合材として有効利用できれば、COの排出削減や、副産物等の有効利用とそれによる天然資源の節約をさらに進めることができると期待される。
かかる状況を受けて、徐冷スラグ等のキャラクターや特性値に基づきセメントの混合材として適するスラグを選択する発明(特許文献1、2)や、徐冷スラグ等を加熱処理して遊離石灰を減少させる発明が提案されている(特許文献3)。
具体的には、特許文献1では、メリライトを主成分とし、炭酸ガス濃度5%、温度30℃及び相対湿度60%の空気中で7日間炭酸化させた際の二酸化炭素吸収量が3%以上であり、1000℃で30分間強熱した際の重量減少である強熱減量が3%以下であり、かつメリライトの格子定数aが7.75〜7.82であることを要件としてセメント混和材として好適に使用される高炉徐冷スラグ粉末を選択する方法が提案されている。また、特許文献2では、γ−2CaO・SiOを含む製鋼スラグ等のブレーン比表面積や非水硬性物質の含有量を規定したセメント混和材が提案されている。しかし、特許文献1に記載の選択基準は特殊でその数が多いため選択作業に手間がかかる。また、該選択基準及び特許文献2に記載の規定値を満たさないスラグは使用できないため廃棄物になるおそれがある。
また、特許文献3では、転炉滓を400〜900℃の温度で15〜180分間加熱して遊離石灰分を1%以下に減少させた混合材が提案されている。しかし、該発明では、大型の加熱設備やスラグを加熱するための熱エネルギーが別途必要になり経済的ではない。
特開2010−163360号公報 特開2004−51425号公報 特開平5−339039号公報
したがって、本発明は、徐冷スラグ等のほぼ全量を大量に有効利用することができ、加熱設備が不要で、エネルギー消費の少ないセメント組成物の製造方法を提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは、前記目的にかなうセメント組成物の製造方法を検討したところ、
(i)クリンカクーラー(以下「クーラー」という。)の特定の温度領域において、特定のセメント鉱物組成を有するクリンカに対し、特定の粒径を有する徐冷スラグ等を投入して混合すると、該混合過程においてクリンカとスラグの間で熱交換が行われ、単にクーラーを用いるよりもクリンカは急速に冷却されると同時にスラグは加熱されて、水硬性が向上したクリンカと悪臭原因物質や遊離石灰が減少したスラグとの混合物が得られること、また、
(ii)前記混合物又はこれに石膏を添加した混合物を粉砕するだけで、強度発現性に優れたセメント組成物を容易に製造できること、さらに、
(iii)この製造方法によれば徐冷スラグ等のほぼ全量を大量に使用でき、またエネルギー消費が少なくその分製造コストを低減できること
を見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の構成を有するセメント組成物の製造方法を提供する。なお、%は特に示さない限り質量%である。
[1]以下の(A)〜(C)工程を含むセメント組成物の製造方法。
(A)ボーグ式を用いて算出したセメント鉱物組成が、CSで20〜80%、CSで3〜60%、CAで1〜16%、及びCAFで6〜16%であるセメントクリンカを焼成して調製する、クリンカ調製工程
(B)前記クリンカ100質量部に対し、粒径が1mm以上の高炉徐冷スラグ及び/又は製鋼スラグ(ただし、造粒品を除く。)を2〜250質量部の割合で、クーラー内の710〜1100℃の領域に投入してクリンカと混合させクリンカを冷却すると同時に前記スラグを加熱して、クリンカとスラグ加熱処理物との混合物を得る、スラグ加熱処理工程
(C)前記混合物を粉砕するか、又は前記混合物にさらに石膏を添加した混合物を粉砕する、混合物粉砕工程
[2]前記(C)工程における石膏の添加量が、クリンカとスラグ加熱処理物との混合物100質量部に対しSO換算で0.5〜4.0質量部である、前記[1]に記載のセメント組成物の製造方法。
本発明のセメント組成物の製造方法によれば、徐冷スラグ等のほぼ全量を大量に有効利用することができ、加熱設備が不要で、エネルギー消費が少ない。
また、本発明の製造方法により製造されたセメント組成物は、クリンカの水硬性が向上し、スラグ中の悪臭原因物質や遊離石灰が減少しているため、強度発現性に優れ、悪臭の発生や硬化体の膨張が低減している。
本発明のセメント組成物の製造方法を実施するための製造装置の1例を示す模式図である。
本発明のセメント組成物の製造方法は、前記のとおり、必須の工程として(A)クリンカ調製工程、(B)スラグ加熱処理工程、及び(C)混合物粉砕工程を含み、さらに、任意の工程として(D)原料調合工程を含む。以下、本発明について各工程に分けて説明する。
(A)クリンカ調製工程
該工程は、ボーグ式を用いて算出したセメント鉱物組成が、CSで20〜80%、CSで3〜60%、CAで1〜16%、及びCAFで6〜16%であるセメントクリンカを焼成して調製する工程である。セメント鉱物組成が該範囲のクリンカとして、普通ポルトランドセメントクリンカ、及び早強ポルトランドセメントクリンカ等のポルトランドセメントクリンカやエコセメントクリンカ等が挙げられる。
該工程の焼成温度は、好ましくは1000〜1500℃、より好ましくは1200〜1400℃である。該値が1000〜1500℃の範囲であれば、水硬性の高いセメント鉱物が生成する傾向がある。また、該工程の焼成時間は好ましくは30〜120分、より好ましくは40〜60分である。該時間が30分未満では焼成が十分でなく、120分を超えると時間がかかり生産性が低下する。
また、本発明の製造方法において原料の一部に廃棄物を用いる場合、クリンカ中に重金属が混入するおそれがある。クリンカ中の重金属の含有量が規定値を超える場合は、クリンカを焼成する工程において塩化揮発法や還元焼成法を用いて、重金属の含有量を規定値の範囲内に調整することができる。
ここで、塩化揮発法とは、調合原料中に含まれる重金属を沸点の低い塩化物の形で揮発させて除去する方法である。具体的には、該方法は、重金属を含む調合原料に塩化カルシウム等の塩素源を添加して、ロータリーキルン等の焼成炉を用いて焼成し、生成した重金属の塩化物を揮発させて除去する方法である。
また、還元焼成法とは、調合原料中に含まれる重金属を還元して、沸点の低い金属の形で揮発させて除去する方法である。具体的には、該方法は、重金属を含む調合原料を還元雰囲気下で、及び/又は、還元剤を添加して、ロータリーキルン等の焼成炉を用いて焼成して重金属を還元し、この還元した重金属を揮発させて除去する方法である。
前記CS、CS、CA及びCAFの含有率(組成)は、下記のボーグ式(i)〜(iv)を用いて算出する。
S(%)=4.07×CaO(%)−7.60×SiO(%)−6.72×Al(%)−1.43×Fe(%) ・・・(i)
S(%)=2.87×SiO(%)−0.754×CS(%) ・・・(ii)
A(%)=2.65×Al(%)−1.69×Fe(%) ・・・(iii)
AF(%)=3.04×Fe(%) ・・・(iv)
ただし、式中の化学式は、調合原料中又はクリンカ中における、化学式が表す化合物の含有率を表す。
(B)スラグ加熱処理工程
該工程は、前記クリンカ100質量部に対し、粒径1mm以上の高炉徐冷スラグ及び/又は製鋼スラグを2〜250質量部の割合で、クーラー内の710〜1400℃の領域に投入してクリンカと混合させクリンカを冷却すると同時に前記スラグを加熱して、クリンカと、加熱によりスラグ中の臭気原因物質、FeO及び遊離石灰が減少してなるスラグ加熱処理物との混合物を得る工程である。
該工程において、単にクーラーでクリンカを冷却する場合よりもクリンカの冷却が速いためクリンカの水硬性が向上する。一方、加熱処理により、高炉徐冷スラグ中のCaSは酸化され、製鋼スラグ等に吸着した窒素分は脱離し、これらの臭気原因物質は減少する。また、同じく加熱処理により製鋼スラグ中のFeOは酸化され、遊離石灰は異種構成相に変態するため、FeOによる酸化膨張や遊離石灰による水和膨張は抑制される。
また、徐冷スラグ等の粒径は1mm以上である。該値が1mm未満では高炉徐冷スラグや製鋼スラグとクリンカとが反応し易くなり、クリンカの強度発現性が低下するおそれがある。該値はセメント組成物の強度発現性等から、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上である。なお、高炉徐冷スラグや製鋼スラグの粒径が150mmを超えるものは入手が困難で、クーラーへの投入に手間どり、またクリンカとの混合物の粉砕効率が低下することなどから、前記スラグの粒径は150mm以下が好ましい。
前記スラグを投入するクーラー内の領域の温度は710〜1400℃である。該値が710℃未満ではセメント組成物の強度発現性が低下するおそれがあり、1400℃を超えるとクリンカとスラグが反応し易くなり、クリンカの強度発現性が低下するおそれがある。なお、該温度は好ましくは750〜1350℃、より好ましくは800〜1300℃である。
また、徐冷スラグ等の投入量(使用量)は前記クリンカ100質量部に対し2〜250質量部である。該値が2質量部未満ではスラグの使用量が少なくクリンカを急速に冷却することが困難なためクリンカ自体の強度発現性の向上効果は低下する。また、該値が250質量部を超えるとセメント組成物の強度発現性が低下する場合がある。なお、前記クリンカ100質量部に対し、該値の下限は好ましくは5質量部、より好ましくは10質量部であり、該値の上限は好ましくは200質量部、より好ましくは150質量部である。
(C)混合物粉砕工程
該工程は、クーラーを通過した後の、クリンカとスラグ加熱処理物の混合物を粉砕するか、又は該混合物にさらに石膏を添加した混合物を粉砕してセメント組成物を得る工程である。石膏を添加した混合物の粉砕は、粉砕作業が一度で済むため好ましい。
ただし、前記混合物と石膏の被粉砕性が大きく異なる場合は、粒度分布の過度の拡大を抑制するため、前記混合物と石膏とを別々に粉砕した後に両者を混合してもよい。この場合、石膏のブレーン比表面積は、好ましくは2000〜5000cm/g、より好ましくは3000〜4000cm/gである。該値が2000〜5000cm/gの範囲を外れると、強度発現性が低下したり水和熱が高くなるおそれがある。
石膏の添加量は、クリンカとスラグ加熱処理物との混合物100質量部に対し、SO換算で、好ましくは0.5〜4.0質量部、より好ましくは1.0〜3.5質量部、さらに好ましくは1.5〜3.0質量部である。該値が0.5〜4.0質量部の範囲であれば、セメント組成物の強度発現性が高く流動性も良好である。
また、石膏の種類は特に限定されず、例えば、二水石膏、排煙脱硫石膏、リン酸石膏、チタン石膏、フッ酸石膏、精錬石膏、半水石膏、及び無水石膏等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。
前記粉砕において、クリンカとスラグ加熱処理物等との混合物はそのまま粉砕してもよいが、好ましくは粉砕効率を高めるために粉砕助剤を添加して粉砕する。該粉砕助剤として、ジエチレングリコール、トリエタノールアミン、又はトリイソプロパノールアミン等が挙げられる。これらの粉砕助剤の添加割合は、前記混合物100質量部に対し0.01〜1質量部が好ましい。なお、粉砕機はボールミルやロッドミル等を用いることができる。
本発明により製造されるセメント組成物の粉末度は、強度発現性、作業性、及び製造コストなどの点から、ブレーン比表面積で、好ましくは2000〜5000cm/g、より好ましくは2500〜4700cm/g、さらに好ましくは3000〜4000cm/gである。
また、該セメント組成物は、さらにフライアッシュ、石炭灰、シリカフューム、シリカ粉末、石灰石粉末等を、セメント組成物の物性が損なわれない範囲で含んでもよい。
以上の工程を含む本発明の製造方法によれば、徐冷スラグ等をほぼ全量を大量に使用でき、製造コストを低減することができる。また、本発明により製造されたセメント組成物は強度発現性に優れる。
(D)原料調合工程
さらに、本発明の製造方法は、任意の工程として、前記(A)工程の前に原料を調合するための原料調合工程を含むことができる。
該工程では、カルシウム原料、ケイ素原料、アルミニウム原料、及び鉄原料等の原料を、前記(i)〜(iv)式のボーグ式を用いて、前記セメント鉱物組成の範囲に含まれるように調合して調合原料を調製する。ここで、カルシウム原料として石灰石、生石灰、及び消石灰等が、ケイ素原料として珪石や粘土等が、アルミニウム原料として粘土等が、鉄原料として鉄滓や鉄ケーキ等が挙げられる。
なお、焼成前の調合原料の化学組成は、焼成後のクリンカの化学組成とほぼ同一となる場合が多いため、前記セメント鉱物組成を有するクリンカを得るには、通常、ボーグ式に基づき計算して該鉱物組成を満たす原料を調合すれば足りる。ただし、正確を期すために、該原料の一部を電気炉等で焼成して、該原料中と焼成して得たクリンカ中の鉱物組成の相関を事前に把握しておき、該相関に基づき、原料の混合割合を、目的とするクリンカ中の鉱物組成になるように修正することが好ましい。
前記原料として、天然原料のほか、産業廃棄物、一般廃棄物及び/又は建設発生土等の廃棄物を原料の一部に用いることができる。
該産業廃棄物として、例えば、石炭灰、生コンクリートスラッジ、建設汚泥、製鉄汚泥等の各種汚泥、ボーリング廃土、各種焼却灰、鋳物砂、ロックウール、高炉二次灰、建設廃材、及びコンクリート廃材等が挙げられる。
また、前記一般廃棄物として、例えば、浄水汚泥、下水汚泥、下水汚泥乾粉、都市ごみ焼却灰、貝殻、及び下水汚泥焼却灰等が挙げられる。
また、前記建設発生土として、建設現場や工事現場等から発生する土壌や残土等が挙げられる。
なお、調合原料の粉末度を調整する必要がある場合は、ボールミル等の原料粉砕機で所定の粉末度になるまで粉砕して調整する。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
1.セメント組成物の製造
ロータリーキルン1を用いて1200〜1500℃の範囲で焼成してなり、CSを56%、CSを20%、CAを10%、及びCAFを10%含む普通ポルトランドセメントクリンカを、ロータリーキルン1からクーラー3に落下させるとともに、クーラー3内の1100℃及び600℃の領域に、表1に示すキャラクターを有し、粒径が1〜195mmの範囲にある、高炉徐冷スラグ、転炉スラグ、及び二次精錬スラグを、表2に示す投入割合で圧縮空気を用いて前記クリンカに吹きつけた。
クリンカとスラグはクーラー3内を移動しつつ混合し、クーラー3の出口において冷却したクリンカとスラグ加熱処理物との混合物を得た。
次に、該混合物100質量部に対し、二水石膏をSO3換算で1.4質量部添加した後、小型ボールミルで粉砕して、実施例1〜7及び比較例4、5のセメント組成物を製造した。また、スラグによるクリンカの急冷効果を確認するため、スラグをクーラーに投入することなく非加熱のままで前記クリンカと混合して粉砕し、比較例1〜3のセメント組成物を製造した。また、参考例として高炉セメントB種を用いた。
Figure 0005980044
2.臭気の有無、遊離石灰の含有率、及びモルタルの圧縮強さの測定
スラグ加熱処理物等の臭気の有無は、該処理物を含むセメント組成物等を用いたモルタルの混練時及び供試体作成時において官能試験により評価した。また、スラグ加熱処理物等における遊離石灰の含有率は、セメント協会標準試験方法JCAS I−01「遊離酸化カルシウムの定量方法」に準拠し、また、モルタルの圧縮強さはJIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準拠して測定した。これらの結果を表2に示す。
Figure 0005980044
3.セメント組成物の臭気について
表2に示すように、非加熱の高炉徐冷スラグを用いた比較例1及びクーラー温度が600℃の領域に該スラグを投下した比較例4では、わずかにアンモニア臭があったが、クーラー温度が1100℃の領域に該スラグを投下した実施例1及び6では無臭であった。よって、本発明の製造方法は消臭効果が高いため、高炉徐冷スラグを大量に使用しても臭いが発生し難いセメント組成物を製造することができる。
4.スラグの遊離石灰について
表2に示すように、遊離石灰(f−CaO)を3.7%含む転炉スラグを投入して製造したセメント組成物中の遊離石灰の含有率は、クーラー温度が600℃の領域に該スラグを投下した比較例5では2.3%と未だ高いが、該温度が1100℃の領域に該スラグを投下した実施例7では1.3%と低下した。よって、本発明の製造方法は、転炉スラグ等の製鋼スラグ中の遊離石灰を低減できるため、製鋼スラグを大量に使用しても水和膨張が発生し難いセメント組成物を製造することができる。
5.モルタルの圧縮強さについて
表2から、圧縮強さについて以下のことが分かる。
(1)実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、及び実施例3と比較例3を比べると、いずれも実施例の圧縮強さの方が大きい。よって、スラグの投下によるクリンカの冷却によりセメント組成物の強度発現性が向上する。なお、投入量が多い実施例6、7では圧縮強さ比が高いことから、前記実施例において圧縮強さ比がやや低い理由は、スラグの投入割合が5質量部と少ないためと考えられる。
(2)実施例6と比較例4及び実施例7と比較例5を比べると、いずれも実施例の圧縮強さが112〜129.7%も向上している。
(3)特に、実施例4は参考例の高炉セメントB種と比べ、いずれの材齢においても圧縮強さ比が93%程度と高い。よって、本発明の製造方法によれば、潜在水硬性が劣りセメントの混合材として使用できなかった徐冷スラグ等を、高炉水砕スラグと同レベルのセメント混合材に改良できるため、徐冷スラグ等の用途を拡大することができる。
6.その他
本発明の製造方法は、前述のように徐冷スラグ等のほぼ全量を大量に有効利用できることに加え、新たな加熱(設備)が不要でエネルギー消費が少ないという利点がある。
1 ロータリーキルン
2 プレヒーター
3 クリンカクーラー
4 窯前
5 メインバーナー
6 セメントクリンカ

Claims (2)

  1. 以下の(A)〜(C)工程を含むセメント組成物の製造方法。
    (A)ボーグ式を用いて算出したセメント鉱物組成が、CSで20〜80%、CSで3〜60%、CAで1〜16%、及びCAFで6〜16%であるセメントクリンカを焼成して調製する、クリンカ調製工程
    (B)前記クリンカ100質量部に対し、粒径が1mm以上の高炉徐冷スラグ及び/又は製鋼スラグ(ただし、造粒品を除く。)を2〜250質量部の割合で、クーラー内の710〜1100℃の領域に投入してクリンカと混合させ、クリンカを冷却すると同時に前記スラグを加熱して、クリンカとスラグ加熱処理物との混合物を得る、スラグ加熱処理工程
    (C)前記混合物を粉砕するか、又は前記混合物にさらに石膏を添加した混合物を粉砕する、混合物粉砕工程
  2. 前記(C)工程における石膏の添加量が、クリンカとスラグ加熱処理物との混合物100質量部に対しSO換算で0.5〜4.0質量部である、請求項1に記載のセメント組成物の製造方法。
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