JP5979357B2 - 瓦礫選別システム及び瓦礫選別方法 - Google Patents
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ところで、瓦礫の放射能汚染の測定に際し、従来は、瓦礫の一部をサンプルとして抜出し、このサンプルを放射能測定装置に投入して(例えば、特許文献1参照。)、瓦礫全体の放射能汚染を把握する、抜き取りサンプル検査を実施している。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、瓦礫の放射能汚染の有無に基づく選別を効率的に行ない、瓦礫の選別の信頼性をより高めることにある。そして、広域処理に供される瓦礫の量を増大させることで、被災地復興に貢献する技術を提供することにある。
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項分けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
そして、本項に記載の瓦礫選別システムでは、上述のごとく選別された破砕片を供給手段によって運搬手段に連続供給し、運搬手段によって、間欠的にではなく連続的に破砕片を運搬する。そして、運搬手段上を流れる破砕片の層厚を層厚調整手段によって連続的に調整した後、放射能測定手段によって、運搬手段上を一方向に流れる破砕片の放射能を連続的に測定することで、放射能の測定精度を高精度かつ安定化させ、瓦礫の全量検査を可能とするものである。その後、運搬手段の端部に配置された分別手段により、放射能測定手段で所定値以上の放射能が検出された破砕片以外の破砕片を、広域処理用の瓦礫として分別するものである。
前述のごとく、瓦礫には、様々な大きさ、材質の物が混在している。そこで、本項に記載の瓦礫選別システムは、瓦礫を採取して破砕手段に投入することで、これらを以後の処理工程に適した大きさへと破砕する。そして、瓦礫選別手段において、破砕片のサイズや、必要に応じて材質毎に選別を行ない、供給手段へと投入するものである。
本項に記載の瓦礫選別システムは、層厚調整手段において、運搬手段であるベルトコンベヤ上を流れる破砕片の層厚を連続的に調整するために、運搬手段上に配置された押さえローラを昇降手段によって昇降させて、破砕片の層厚を調整するものである。押さえローラは運搬手段の幅と同等又はそれよりも長い円筒状をなし、その回転軸が昇降手段に軸支されて、運搬手段に対して任意の高さに調整される。そして、運搬手段上を流れる破砕片の流れを受け、適宜回転しながら押さえローラよりも上方の部分を堰き止めつつ運搬手段に押し付けることで、破砕片を均すものである。なお、ここで調整される破砕片の層厚は、放射能測定手段にて放射能測定を行なうに適したものである。又、破砕片の層厚を、運搬手段の押さえローラよりも下流側に位置する破砕片の層厚センサによって適宜検知し、常に最適の層厚が得られるように、昇降手段によって押さえローラの高さ調整にフィードバックすることで、運搬手段上を流れる破砕片の層厚を連続的に調整するものである。
本項に記載の瓦礫選別システムは、層厚調整手段において、運搬手段であるベルトコンベヤ上を流れる破砕片の層厚を連続的に調整するために、運搬手段上に配置されたスクレーパを昇降手段によって昇降させて、破砕片の層厚を調整するものである。スクレーパは運搬手段の幅と同等又はそれよりも幅広の板状をなし、昇降手段によって昇降自在に支持されて、運搬手段に対して任意の高さに調整される。そして、運搬手段上を流れる破砕片のうち、スクレーパの下端辺よりも上方の部分を堰き止めて、上流方向へと削り落とすことで、スクレーパを通過する破砕片を均すものである。なお、ここで調整される破砕片の層厚は、放射能測定手段にて放射能測定を行なうに適したものである。又、破砕片の層厚を、運搬手段のスクレーパよりも下流側に位置する破砕片の層厚センサによって適宜検知し、常に最適の層厚が得られるように、昇降手段によってスクレーパの高さ調整にフィードバックすることで、運搬手段上を流れる破砕片の層厚を連続的に調整するものである。
本項に記載の瓦礫選別システムは、運搬手段の端部に配置された分別手段に、破砕片をトラック等の搬出手段へと積み込む、積み込み手段を備えることで、広域処理対象となる瓦礫の搬送作業を、分別後直ちに行なうことを可能とするものである。しかも、この積み込み手段に設けられたダンパーで、放射能測定手段により所定値以上の放射能が検出された破砕片を分別するものである。そして、放射能測定手段で所定値以上の放射能が検出された破砕片以外の破砕片を、広域処理用の瓦礫として分別して、搬出手段へと積み込むものである。
なお、搬出手段がトラックである場合には、積載量の上限に達した時点でトラックの交換が必要となることから、積み込み手段から搬出手段への破砕片の積み込み作業が間欠的となる。このため、運搬手段および運搬手段に選別された破砕片を連続供給する供給手段の動作も、搬出手段による破砕片の積み込み作業と同期するように、間欠動作させるものとする。
本項に記載の瓦礫選別システムは、上記(1)から(5)項記載の各手段が移動可能に構成されることで、瓦礫発生地にて各手段を稼動させて、所定値以上の放射能が検出された破砕片と、それ以外の破砕片とを分別するものである。又、上記(1)から(5)項記載の各手段が移動可能となるように、例えば、各手段をトレーラの荷台に搭載し、あるいは、各手段を搭載する特殊車両を構成するものである。これらのトレーラや特殊車両には、各手段の大きさに応じて、各々別々に載置され、又は、一台の車両に複数種類(或いは全て)が載置され、瓦礫の発生地にて、上記所定の作業工程が円滑に実施されるように配置されるものである。しかも、本システムを瓦礫発生地にて展開する際に、外部電源を確保することなく、各手段の運転を可能とするものである。
本項に記載の瓦礫選別方法は、採取した瓦礫を、破砕工程にて以後の処理工程に適した大きさへと破砕する。そして、瓦礫選別工程において、破砕片のサイズや、必要に応じて材質毎に選別を行なう。ここで、以後の処理工程に適さない所望の大きさを超える瓦礫については、再度、破砕工程に投入する。又、必要に応じ、以後の処理工程に適さない材質の瓦礫については、以後の工程に回すことなく保管する。なお、ここで用いられる破砕手段としては、ジョー・クラッシャ等が用いられる。
その後、分別工程において、放射能測定工程にて所定値以上の放射能が検出された破砕片以外の破砕片を、広域処理用の瓦礫として分別するものである。
本項に記載の瓦礫選別方法は、層厚調整工程において、運搬手段としてのベルトコンベヤ上を流れる破砕片の層厚を連続的に調整するために、運搬手段上に配置された押さえローラを昇降させて、破砕片の層厚を調整するものである。押さえローラは運搬手段の幅と同等又はそれよりも長い円筒状をなし、その回転軸が昇降手段に軸支されて、運搬手段に対して任意の高さに調整される。そして、運搬手段上を流れる破砕片の流れを受け、適宜回転しながら破砕片を均すものである。なお、ここで調整される破砕片の層厚は、放射能測定手段にて放射能測定を行なうに適したものである。又、破砕片の層厚を、押さえローラの下流位置にて適宜検知し、常に最適の層厚が得られるように、押さえローラの高さ調整にフィードバックすることで、運搬手段上を流れる破砕片の層厚を連続的に調整するものである。
本項に記載の瓦礫選別方法は、層厚調整工程において、運搬手段としてのベルトコンベヤ上を流れる破砕片の層厚を連続的に調整するために、運搬手段上に配置されたスクレーパを昇降させて、破砕片の層厚を調整するものである。スクレーパは運搬手段の幅と同等又はそれよりも幅広の板状をなし、昇降手段によって昇降自在に支持されて、運搬手段に対して任意の高さに調整される。そして、運搬手段上を流れる破砕片のうち、スクレーパの下端辺よりも上方の部分を堰き止めて、上流方向へと削り落とすことで、スクレーパを通過する破砕片を均すものである。なお、ここで調整される破砕片の層厚は、放射能測定手段にて放射能測定を行なうに適したものである。又、破砕片の層厚を、スクレーパの下流に位置する層厚センサによって適宜検知し、常に最適の層厚が得られるように、昇降手段によってスクレーパの高さ調整にフィードバックすることで、運搬手段上を流れる破砕片の層厚を連続的に調整するものである。
図1、図2に例示される、本発明の実施の形態に係る瓦礫選別システム10は、予め瓦礫を破砕する破砕手段(図示省略)と、破砕手段によって破砕された瓦礫を、破砕片100のサイズに応じて選別する瓦礫選別手段(図示省略)と、選別された破砕片100を連続的に運搬する運搬手段12と、運搬手段12に、選別された破砕片100を連続供給する供給手段14と、運搬手段12上を流れる破砕片100の層厚を調整する層厚調整手段16と、運搬手段12上を一方向に流れる破砕片100の放射能を連続的に測定する放射能測定手段18と、運搬手段12の端部に配置され、放射能測定手段18によって所定値以上の放射能が検出された破砕片100Rを分別する分別手段20とを含むものである。
なお、図示は省略するが、層厚調整手段16において、押さえローラ26に換えて、運搬手段12の幅と同等又はそれよりも幅広の板状をなした、スクレーパを用いることとしても良い。スクレーパの具体例としては、例えば、実開昭57−106631号公報記載のものが上げられる。又、層厚調整手段16は、適宜、運搬手段12の水平部分に配置しても、傾斜部分に配置しても良い。
そして、コントローラ32(図3(b))において、放射能測定手段18によって測定された破砕片100の放射能、測定時刻、運搬手段12の運搬速度に基づき、後述する分別手段20のダンパー38の、切り替えのタイミングを決定する。なお、放射能測定手段18についても、適宜、運搬手段12の水平部分に配置しても、傾斜部分に配置しても良い。
S100(瓦礫採取工程):被災地にて発生した瓦礫を採取するものであり、バックホウ等適切な土木機械を用いて、瓦礫を採取する工程である。上述の移動式クラッシャを用いる場合には、バケットとブームとを用いて瓦礫を採取する。
S110(瓦礫破砕工程):汚染瓦礫採取工程(S100)で採取された瓦礫を、破砕手段を用いて、後述の放射能測定に適したサイズの破砕片へと破砕する工程である。上述の移動式クラッシャを用いる場合には、バケットによって瓦礫をホッパへと供給し、搭載するクラッシャによって、瓦礫を破砕する。
S130(層厚調整工程):運搬手段12上を流れる破砕片100の層厚を調整する工程である。破砕片100は、供給手段14によって運搬手段12に定量供給され(S132)、更に、放射能測定手段18にて放射能測定を行なうに適した層厚へと、運搬手段12上の破砕片100の厚みが調整される。又、破砕片100の層厚を、層厚調整手段16の押さえローラ26よりも下流側に位置する層厚センサ28によって適宜検知し、常に最適の層厚が得られるように、昇降手段30によって押さえローラ26の高さ調整にフィードバックすることで、運搬手段12上を流れる破砕片の層厚を、連続的に調整するものである。
S150(分別工程):所定値以上の放射能が測定された破砕片を、広域処理対象となるものと、管理地域での保管対象となるものとに分別する工程であり、以下の各工程を含むものである。
そして、ダンパー制御工程(S153)において、コントローラ32から出力されたダンパー制御指令Aに基づき、ダンパー38により破砕片100の落下経路がA側へと切り替えられることで、破砕片100は保管場所Aに保管され、若しくは、図1のごとく保管場所Aに横付けされた搬出手段34に、直接的に積み込まれる(S155)。
そして、ダンパー制御工程(S154)において、コントローラ32から出力されたダンパー制御指令Bに基づき、ダンパー38により、所定値以上の放射能が検出された破砕片100Rの落下経路をB側へと切り替えられることで、所定値以上の放射能が検出された破砕片100Rは保管場所Bに保管され、若しくは、保管場所Bに横付けされた搬出手段34に、直接的に積み込まれて、管理地域へと搬送される(S156)。
すなわち、本発明の実施の形態に係る瓦礫選別システム10では、様々な大きさ、材質の物が混在している瓦礫を、移動式クラッシャ等の破砕手段を用いて、以後の処理工程に適した大きさへと破砕する。そして、破砕片100のサイズや、必要に応じて材質毎に、破砕片の選別を行なったものを、全量検査の対象とするものである。又、以後の処理工程に適さない所望の大きさを超える瓦礫については、再度、破砕手段に投入すると共に、必要に応じ、以後の処理工程に適さない材質の瓦礫については、以後の工程に回すことなく保管するものである。
なお、図1に示されるように、搬出手段34としてトラックを用いる場合には、積載量の上限に達した時点でトラックの交換が必要となることから、シューター36から搬出手段34への破砕片の積み込み作業が間欠的となる。このため、瓦礫選別システム10のコントローラ32(図3(b)参照)は、運搬手段12および運搬手段12に選別された破砕片100を連続供給する供給手段14の動作も、搬出手段34による破砕片の積み込み作業と同期するように、適宜、間欠動作させるものである。
以上のごとく、本発明の実施の形態によれば、広域処理に供される瓦礫の量を増大させ、被災地復興に貢献することが可能となる。
Claims (6)
- 瓦礫を連続的に運搬する運搬手段と、瓦礫を破砕して生じる破砕片から選別された所定サイズ以下の破砕片を、前記運搬手段に対し連続供給する供給手段と、前記運搬手段上を流れる破砕片の層厚を調整する層厚調整手段と、前記運搬手段上を一方向に流れる破砕片の放射能を連続的に測定する放射能測定手段と、前記運搬手段の端部に配置され、前記放射能測定手段によって所定値以上の放射能が検出された破砕片を分別する分別手段とを含むことを特徴とする瓦礫選別システム。
- 前記運搬手段としてベルトコンベヤを備え、前記層厚調整手段は、前記運搬手段上に配置された押さえローラと、前記運搬手段の前記押さえローラよりも下流側に位置する破砕片の層厚センサと、前記押さえローラの昇降手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の瓦礫選別システム。
- 前記分別手段は、破砕片を搬出手段へと積み込む積み込み手段を備え、該積み込み手段に、前記放射能測定手段により所定値以上の放射能が検出された破砕片を分別するダンパーを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の瓦礫選別システム。
- 前記各手段が移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の瓦礫選別システム。
- 瓦礫の破砕工程と、該破砕工程にて破砕された瓦礫を、少なくとも破砕片のサイズに応じて選別する瓦礫選別工程と、該選別した破砕片を運搬手段に連続供給し、運搬手段上を流れる破砕片の層厚を調整する層厚調整工程と、該層厚調整工程の後に、破砕片の放射能を連続的に測定する放射能測定工程と、所定値以上の放射能が測定された破砕片を分別する分別工程とを含むことを特徴とする瓦礫選別方法。
- 前記層厚調整工程において、前記運搬手段としてのベルトコンベヤ上に配置された押さえローラにより、運搬手段上を流れる破砕片の層厚を所定の厚みに押さえつけ、該押さえローラの下流位置にて破砕片の層厚を検知して、前記押さえローラの高さを調整することを特徴とする請求項5記載の瓦礫選別方法。
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