JP5978479B1 - 植物性シリカの製造炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の問題を解消する。【解決手段】高温炉100は、粒子状又は小片状の燃料αとして、シリカを含有する籾殻、竹チップその他の植物性/木質系バイオマスを用いている。燃料αを定量供給するとともに燃料αを燃焼用空気βと共に燃焼部20の前室21に送り出す燃料供給部10と、燃料αを燃焼させて植物性シリカ∂を生成する燃焼部20とを備える。燃焼部20は、燃料αの燃焼ガスの流通/循環の過程で同ガスに乱流を発生させるとともに当該乱流を安定化又は促進化させる構成になっており、燃料αの完全燃焼により植物性シリカ∂を連続的に生成して二次燃焼室231内の下部に溜めるようになっている。【選択図】 図1

Description

本発明は植物性シリカを製造するのに使用される植物性シリカの製造炉に関する。
現在、地球温暖化問題と廃棄物問題との両面からバイオマス利用推進の取り組みが広く行われている。その中核であるバイオマス発電については、農林産物や食物の生産現場で出る各種の廃棄物等をバイオマス燃料として活用し、これを燃焼するとともにその燃焼エネルギーにより発電している。バイオマス燃料が籾殻等である場合に適した燃焼装置の一例として特許文献1に開示されたものがある。
このような燃焼装置1は、図7に示されているように粒状体の植物性可燃物4を燃焼させる燃焼部3と、植物性可燃物4を燃焼部3に供給する供給部2とを備えている。
燃焼部3については、植物性可燃物4が供給部2によりエアーとともに送り込まれる前室31と、前室31の上部に配設された燃焼室34と、燃焼室34の上部に連通された排出路36とを備える。前室31と燃焼室34とは着火材が載置可能な火格子33により仕切られている。火格子33には多数の長孔が形成されている。前室31及び燃焼室34の両側部には、双方に連通して循環流を形成する連通路35が設けられている。このように燃焼部3は、前室31、連通路35及び燃焼室34に循環する循環流の中で植物性可燃物4を燃焼する構成になっている。
特開2010−14354号公報
しかしながら、上記従来例による場合、炉内の燃焼温度が700℃〜900℃程度と低く燃焼効率を高くすることが困難という技術上の問題が指摘されている。この点、大量の燃料を燃焼させたり又は燃料を前処理して水分を蒸発させたりすると、炉内の燃焼温度を幾分高くすることが可能とはいえ、燃料代が高くなり経済上の問題を招来する結果になる。
なお、燃焼装置1を利用して籾殻等を燃焼させると、植物性シリカを製造することは可能である。ところが、炉内の燃焼温度が上記の通り低いことから、炭素との混合体となり、シリカの純度が低くなる。しかも供給部2の構成上、植物性可燃物4の供給量にムラが生じ易く、炉内温度が大きく変動するに伴って、シリカの品質が一層悪くなり、利用価値が殆どなくなる。
本発明は上記した背景の下で想作されたものであって、従来の問題を解消した植物性シリカの製造炉を提供することにある。
本発明に係る植物性シリカの製造炉は、粒子状又は小片状の燃料として、シリカを含有する籾殻、竹チップその他の植物性/木質系バイオマスが用いられた炉であって、前記燃料が供給されており且つ当該燃料を燃焼させて高温ガスを生成する燃焼部と、前記燃料を定量供給するとともに当該燃料を燃焼用空気と共に前記燃焼部に送り出す燃料供給部とを備え、前記燃焼部は、前記燃料の燃焼ガスの流通及び/又は循環の過程で同ガスに乱流を発生させるとともに当該乱流を安定化又は促進化させる構成になっており、前記燃焼部を構成する一次燃焼部は、前記燃料及び燃焼用空気を導入するための前室と、前記前室の上方位置に配設された一次燃焼室と、前記前室及び前記一次燃焼室の隣りに配設されており且つ上下方向の流路とされた連通路と、前記前室の上面に形成されており且つ前記一次燃焼室に連通する第1開口と、前記連通路の下方寄りの側面に形成されており且つ前記前室に連通する第2開口と、前記連通路の上方寄りの側面に形成されており且つ前記一次燃焼室に連通する第3開口と、前記第1開口を塞ぐように設けられた第1網部と、前記第1網部に間隔を開けて対向配置されており且つ前記一次燃焼室の途中部位を塞ぐように設けられた第2網部、鋼板部又は三角錐部と、前記一次燃焼室の上側位置に形成された一次高温ガス排出口と、前記前室及び一次燃焼室の外側に配設された断熱部材とを備え、前記前室に燃焼用空気と共に送り込まれた前記燃料を前記一次燃焼室にて燃焼させる一方、当該燃焼により発生した燃焼ガスが前記前室、前記連通路、前記一次燃焼室へと順次的に流通して循環する過程で主として前記第1網部により前記乱流を発生させるとともに、前記燃焼ガスが前記一次燃焼室内を上昇して流通する過程で主として前記第2網部等により前記乱流を安定化又は促進化させることが可能な構成になっており、前記燃焼部を構成する二次燃焼部は、前記一次燃焼室の隣りに配設された二次燃焼室と、前記二次燃焼室内の上方位置に配設された上下方向の流路であって前記一次高温ガス排出口に連通した高温ガス導入路と、前記二次燃焼室に形成された二次高温ガス排出口と、前記二次燃焼室内に互いの間隔を開けて複数配設されており且つ前記高温ガス導入路を通じて導入された高温ガスを循環させるとともに前記二次高温ガス排出口に向けて案内するためのガス案内部材とを備え、前記ガス案内部材は、前記乱流を更に安定化又は促進化させるために前記高温ガスが前記二次燃焼室内を循環する過程において複数個所でその流れがランダムになるように各々配置された構成になっており、前記燃料の完全燃焼により植物性シリカを連続的に生成して前記二次燃焼室内の下部に溜める構成になっている。なお、乱流の安定化とは、乱流を維持させることをいう。乱流の促進化とは、乱流を更に乱流にすることをいう。
このような構成の植物性シリカの製造炉による場合、燃料の燃焼に伴って発生する燃焼エネルギーに乱流エネルギーが付加される構成になっていることから、炉内燃焼温度を千度以上の高温にすることが可能になる。加えて炉内燃焼温度が高温になるため、燃料が完全燃焼に近くなり、燃焼効率を高くすることが容易に実現可能になる。また、シリカを含有する籾殻等が千度以上の高温で燃焼されることから、高品質な植物性シリカを大量に効率的に製造することが可能になり、この点で大きなメリットがある。
ここでいう乱流エネルギーとは、燃焼ガス等の乱流により生じた摩擦熱のエネルギー、乱流自体の風量エネルギー、燃料に含まれる水分の過熱水蒸気等により格段に増大した分に相当するエネルギー等をいうものとする。
上記植物性シリカの製造炉による場合、燃料が燃焼用空気と共に燃焼部に供給される構成になっていることから、上記効果に加えて、燃料と燃焼用空気との混合比を一定に保つことができ、これに伴って、燃焼部内における燃料の燃焼状態及び燃焼温度を安定化させることが可能になる。
上記植物性シリカの製造炉による場合、燃料が燃焼用空気と共に一次燃焼部に供給されると、一次燃焼部の前室、連通路および一次燃焼室へと循環する循環流の中で燃焼される。このときに発生する燃焼ガスについても前室、連通路および一次燃焼室へと同時に循環し、この過程で主として第1網部により一次乱流が発生する。このような乱流を含む燃焼ガスが一次燃焼室内を上昇して流通すると、その過程で主として第2網部等により燃焼ガスの乱流が二次乱流として安定化又は促進化される。このような乱流を含む燃焼ガスが一次燃焼室内を更に上昇すると、その一連の過程で上記乱流エネルギーにより高温化され、断熱部材によりその高温状態が一定に維持される。このような燃焼ガスが最終的に高温ガスとなる。一次燃焼部については、要するに、上記のような過程を経て高温ガスを生成する構成になっている。炉として高性能であるにも関わらず、燃焼部の構成自体がシンプルであることから、上記効果に加えて、装置全体の価格を抑えることが可能になる。
このような構成の植物性シリカの製造炉による場合、一次燃焼部にて生成された高温ガスが二次燃焼部の二次燃焼室に導入されると、高温ガス導入路及び複数のガス案内部材に各々案内されて二次燃焼室内を全体として循環する。ただ、高温ガスの一部の方向がガス案内部材により変更され、それが高温ガスの元の循環流に重ね合わされる等する結果、高温ガスの流れが複数個所でランダムになる。これに伴って、高温ガスに乱流が更に発生し、その乱流が更に安定化又は促進化される。よって、高温ガスが上記乱流エネルギーにより更に高温化される。二次燃焼部については、要するに、上記のような過程を経て高温ガスを更に高温化する構成になっている。非常に高性能であるにも関わらず、燃焼部等の構成自体がシンプルであることから、上記効果に加えて、炉全体の価格を依然として抑えることが可能になる。
本発明の植物性シリカの製造炉の実施形態を説明するための図であって、燃焼部の内部構造が併せて示された概略構成図である。 同炉の図1中A―A線に基づく矢視図である。 同炉の図1中B―B線に基づく矢視図である。 同炉の燃焼部の内部構造を説明するための概略的斜視図である。 同炉の燃料供給部を説明するための部分断面図である。 同炉の集塵機を説明するための部分断面図である。 特許文献1に係る従来技術を説明するための図であって、(a)は燃焼装置の内部構造が併せて示された概略構成図、(b)は燃焼部の内部構造が併せて示された概略斜視図である。
以下、本発明の植物性シリカの製造炉の実施形態を図1乃至図6を参照して説明する。
ここに例を挙げて説明する高温炉100は、図1に示されているように粒子状又は小片状の燃料αを定量供給する燃料供給部10と、燃料αを燃焼させて高温ガスγを生成する燃焼部20とを具備する。燃焼部20は、燃料αの燃焼ガスの流通及び部分的な循環の過程で同ガスに乱流を発生させるとともに当該乱流を安定化又は促進化させる構成になっている。このような高温炉100は、具体的には、植物性シリカ∂を製造するのに使用される炉である。植物性シリカ∂については、燃焼部20内を高温ガスγが流通する過程でその下の方に溜まるようになっている。植物性シリカ∂の原料が燃料αであり、シリカを含有した籾殻、竹チップ等の植物性/木質系バイオマスを用いている。
燃料供給部10については、燃料供給部10の前室21の前段に配設されており、燃料αを連続的に定量供給するとともに燃焼用空気βと共に前室21に送り出す構成になっている。具体的には、図5に示されているように燃料αを貯めるための逆三角錐状の縦型タンクであって下端位置に排出口111を有したホッパー部11と、ホッパー部11内の下斜面に沿って配設されており且つ図外のモーターによる一定回転によりホッパー部11内の燃料αを排出口111から時間当たり所定量送り出す螺旋状のスクリュー部12と、ホッパー部11の下方に配設されており且つホッパー部11から排出された燃料αを燃焼用空気βと共に燃料供給部10の前室21に導くための燃料供給パイプ13と、燃料供給パイプ13の一端部に接続されており且つ外気を吸い込んで燃焼用空気βとして燃料供給パイプ13に送り込むブロワー部14とを備えている。なお、図中112は燃料投入口、113は空気排出口、114はステンレス網である。
スクリュー部12については、その回転数を可変にすることにより燃料αの定量供給量が調節可能にされている。ブロワー部14については、その送風量を可変にすることにより燃焼用空気βの風量/風圧が調節可能にされている。よって、燃料αと燃焼用空気βとの混合比が調節可能になっている。かかる混合比については、高温炉100の設置場所の諸条件(気圧、温度又は湿度等)、燃料αに関する諸条件(比重、大きさ、質又は燃焼速度等)に応じて、炉内燃焼温度の安定を見ながら適宜設定すると良い。
燃焼部20については、図1に示されているように大きく分けて一次燃焼部22と二次燃焼部23から構成され、燃料供給パイプ13を通じて燃料α及び燃焼用空気βが供給されている。
なお、図中24は二次燃焼部23の上面に設けられたガス排気口、25は一次燃焼部22の上面に設けられた燃焼室圧力弁、26は直方体状の2重壁ホッパーの外枠である。
一次燃焼部22については、図1から図4に示されているように燃料供給パイプ13を通じて送り込まれた燃料α及び燃焼用空気βを一次燃焼室221に導入するための前室21と、前室21の上方位置に配設された一次燃焼室221と、前室21及び一次燃焼室221の隣りに配設されており且つ上下方向の流路とされた連通路222と、前室21の上面に形成されており且つ一次燃焼室221に連通する第1開口223と、連通路222の下方寄りの側面に形成されており且つ前室21に連通する第2開口224と、連通路222の上方寄りの側面に形成されており且つ一次燃焼室221に連通する第3開口225と、第1開口223の開口部分を塞ぐように設けられた網状部材である第1網部226と、第1網部226に間隔を開けて対向配置されており且つ一次燃焼室221内の中間付近を塞ぐように設けられた網状部材である第2網部227と、一次燃焼室221の上側位置に形成された一次高温ガス排出口228と、前室21及び一次燃焼室221を外から覆うための断面凹状の断熱部材27とを備える。
前室21については、図4に示されているように平面視矩形状に枠組みされた部材であって、外側面に燃料供給パイプ13の他端部が挿入される穴211が形成されている。図4は外枠26を取り外した状態の燃焼部20の概略構成が示されている。
なお、連通路222の上端側開口は図1に示されているように斜め上向きに取り付けられた二次燃焼部23のガス案内部材234aの裏面により塞がれている。燃料α及び燃焼用空気βが通る第2開口224及び第3開口225の開口形状については図2に示されている通り長方形にされている。これは、燃焼用空気β等の流量を含めて、乱流発生に大きく影響するため、燃料αに関する諸条件(比重、大きさ、質又は燃焼速度等)に応じて、適宜設計変更すると良い。
このように一次燃焼部22は、図1に示されているように前室21に燃焼用空気βと共に送り込まれた燃料αを一次燃焼室221にて燃焼させる一方、その燃焼により発生した燃焼ガスが前室21、連通路222、一次燃焼室221へと順次的に流通して循環する過程で同ガスに主として第1網部226により乱流を複数個所にわたって発生させるとともに(その乱流に伴って燃焼用空気βに含まれる燃料αが一次燃焼室221内に安定して供給される)、その燃焼ガスが一次燃焼室221内を上昇して流通する過程で主として第2網部227等によりその乱流を安定化又は促進化させる。このような一連の過程を経て燃焼ガスが高温ガスγとなり、その高温状態が断熱部材27等により一定に保持され、その後、一次高温ガス排出口228を介して排出されるようになっている。なお、燃焼用空気β、燃焼ガス及び高温ガスγの流通方向は図中の矢印で示す通りである。
第1網部226及び第2網部227はその開口が円形又は正方形の形状であり且つ等間隔に格子状に配置されたステンレス製の網である。これは乱流発生手段に相当するもので、燃焼ガス及び高温ガスγ等の流通方向に沿って配置されている。なお、第2網部227については、必要に応じて鋼板を所定形状に加工した鋼板部又は三角錐部に置き替えても良い。
上記した燃焼ガスに現実に乱流を発生させるとともに当該乱流を安定化又は促進化させるには、第1網部226及び第2網部227の穴形状、穴寸法及び配置位置等に加えて、燃焼ガス及び高温ガスγ等の流通経路等を最適化することが必要になる。ここでは、安定化された乱流を促進化し、ランダム化する二次燃焼部23との関係において、ガス案内部材234a等を利用して燃焼ガスが螺旋状に上昇する流通経路にしている。なお、燃料αに関する諸条件(比重、大きさ、質又は燃焼速度等)に応じて、上記した第2開口224及び第3開口225の開口形状の変更に加えて、燃焼用空気βの流量、エアー導入方向の変更、安定板の付加等を適宜行うと良い。また、必要に応じて図1中破線で併せて示されているように一次燃焼室221内に所定長さの板状部材の鋼板228を挿入しても良い。
二次燃焼部23については、図1から図4に示されているように一次燃焼室221の隣りに配設された二次燃焼室231と、二次燃焼室231内の上方位置に配設された上下方向の流路であって一次高温ガス排出口228に連通した高温ガス導入路232と、二次燃焼室231の上部に形成されており且つガス排出口24に連通した二次高温ガス排出口233と、二次燃焼室231内に互いの間隔を開けて複数(本案例では合計4つ)配設されており且つ高温ガス導入路232を通じて導入された高温ガスγを図示の通りに循環させるとともに二次高温ガス排出口233に向けて案内するためのガス案内部材234a,234b,234c及び,234dとを備える。ガス案内部材234a,234b,234c及び,234dは、高温ガスγの乱流を更に安定化又は促進化させるために高温ガスγが二次燃焼室231内を循環する過程において複数個所でその流れがランダムになるように各々配置されている。
ガス案内部材234a〜234dは耐熱ステンレス鋼材である。これは乱流発生手段に相当するもので、高温ガスγの流通方向に沿って配置されている。
上記した高温ガスγの乱流を現実に安定化又は促進化させるには、ガス案内部材234a〜234dの形状、長さ及び配置位置に加えて、その向きを変えて高温ガスγの流通経路を最適化することが必要になる。この結果、一次燃焼室221に比べて広い空間の二次燃焼室231において高温ガスγにランダムな乱流が更に発生することになり、最大限の熱量が発生することになる。
なお、二次高温ガス排出口233には高温ガス排気管24が接続されている。高温ガス排気管24の途中部位には図6に示された集塵機30が配設されている。集塵機30は、二次燃焼部23から排出された高温ガスγに含まれるカーボンを除去する装置であって、高温ガスγに水管33から出た水を接触させて、同カーボンをタンク32に集めるようになっている。
上記した構成の高温炉100を運転開始する際には、その燃焼効率を高める目的で一次燃焼部22及び二次燃焼部23の炉内温度を石油バーナー等を用いて400℃から500℃に予め高めておく。この状態で燃料供給部10を作動させると、図1に示されているように、燃料αが燃焼用空気βと共に燃料供給パイプ13を通じて燃焼部20の前室21に送り込まれる。このときの燃料αと燃焼用空気βとの混合比は燃料供給部10の構成上、常に一定となっている。この点で、燃焼部20における燃料αの燃焼状態及び燃焼温度を安定化させることが可能になった。
このようにして燃料α及び燃焼用空気βが燃焼部20に連続的に供給されると、その後、燃料αが一次燃焼室221にて自燃する。このとき発生した燃焼ガス等が上記した通りに一次燃焼部22及び二次燃焼部23内を順次的に流通及び循環し、その過程で同ガスに乱流が発生するとともに、その乱流が安定化又は促進化される。その結果、一次燃焼部22にて作成された高温ガスγが二次燃焼部23にて更に高温化される。高温炉100の実機を用いて炉内燃焼温度を測定したところ1200度を超える高温になることが実証されるに至った。また、燃焼効率については燃焼残渣(カーボンのみ)から推測すると98%に及んでいる。この場合の実験条件は以下の通りである。
まず、燃料αとして籾殻を用いて高温炉100により燃焼するにあたり、炉内中の燃焼残渣並びに排気中にある燃焼残差を測定した。排気中にある燃焼残差は水を細孔ノズルによりシャワー化し、高温排気中に存在する細粒カーボン・不純物を下部タンクに落下するようにした。炉内中には植物性シリカ層とその周囲に灰白色の植物性シリカ・カーボンの混合物が燃焼処理物質として存在し、排気中残留物は、カーボンが残った。その際、炉内最高温度は1300℃を超えた。ただし、高温温度計(熱電対)の高温部最高測定可能温度1300℃を超えるため、それ以上の測定は不可能であった。この際の燃焼残渣の平均重量は、籾殻1000kgに対して、植物性シリカ約100kg、植物性シリカ・カーボンの混合体が約32kg、カーボンが約8kgとなった。籾殻中には約20重量%の植物性シリカが含有しており、その中の半分が植物性シリカのみの層状になり、その周りに植物性シリカ・カーボンの混合体(植物性シリカの混合比率は約二分の一)として層状になっている。従って、籾殻の主な成分であるセルロースの大部分がCOとなり、排気として、大気中に拡散される。土壌由来のK,N、P等についても、上記植物性シリカ中に微量含まれているが、大部分は気相となり、大気中に拡散される。その結果、燃焼効率は約98%となる。また、廃棄石膏ボードの化粧紙を燃焼した場合、化粧紙自体が難燃性であり、若干の石膏が付着しているにも関わらず、炉内最高温度も1200℃を超える。この場合の燃焼残渣は化粧紙に付着している石膏、ならびに石膏中にふくまれる岩石となり、化粧紙は完全燃焼される。この場合、燃焼効率は不燃物を含むため、重量%では評価が困難であるが、化粧紙のみの燃焼効率は、上記籾殻の燃焼効率を上回るものと推測される。
かかる温度は燃料αと同一の素材を燃焼した場合に得られる燃焼温度(700℃〜900℃)に比べて非常に高い。この驚くべき物理的現象が如何なる原理により生じたのかについては現在研究中である。ただ、高温炉100の開発段階において簡易シミュレーション解析を行ったところ、燃焼室内に高速度の乱流が発生しており、局所的に推定秒速80m/秒以上に達していることを確認している。この点に着目すると、燃料αの燃焼に伴って発生する燃焼エネルギーに上記乱流エネルギーが付加され、その結果、炉内燃焼温度を1200℃を超える高温にすることが可能になったと考えられる。
高温炉100は、具体的には図7で示された燃焼装置1を全面的に改良して完成するに至った植物性シリカを専ら製造するための炉である。燃料αとして上記した通り、シリカを含有する籾殻等を用いていることから、これを高温炉100により千度以上の高温で燃焼させると、燃料αが完全燃焼し、燃料αに含まれるシリカについてはアモルファス形状又は多結晶となる。この結果、植物性シリカ∂が連続的に生成され、図1に示されているように二次燃焼室231内の下部に次々と溜まる。燃料αに含まれる残りの炭素については空気と反応してCO2になる他、上記の通り集塵機30にて回収される。高温炉100の運転を止めて、二次燃焼室231に残留した植物性シリカ∂を取り出すと、最終的に植物性シリカ∂が得られる。燃料αと燃焼用空気βとの混合比は燃料供給部10の構成上、常に一定となっている。しかも燃料αの燃焼状態及び燃焼温度を安定化させることが可能になったことから、高品質な植物性シリカ∂を大量に効率的に製造することが可能になり、この点で商品価値が高く、大きなメリットがある。なお、籾殻に含まれるシリカは理論上重量の20%と推測されるが、植物性シリカ∂については籾殻重量から7%以上の重量のシリカが含まれている。
100 高温炉
10 燃料供給部
20 燃焼部
22 一次燃焼部
21 前室
221 一次燃焼室
223 第1開口
224 第2開口
225 第3開口
226 第1網部(乱流発生手段)
227 第2網部(乱流発生手段)
228 一次高温ガス排出口
23 二次燃焼部
231 二次燃焼室
232 高温ガス導入路
233 二次高温ガス排出口
234 ガス案内部材(乱流発生手段)

Claims (1)

  1. 粒子状又は小片状の燃料として、シリカを含有する籾殻、竹チップその他の植物性/木質性バイオマスが用いられた炉であって、
    前記燃料が供給されており且つ当該燃料を燃焼させて高温ガスを生成する燃焼部と、前記燃料を定量供給するとともに当該燃料を燃焼用空気と共に前記燃焼部に送り出す燃料供給部とを備え、前記燃焼部は、前記燃料の燃焼ガスの流通及び/又は循環の過程で同ガスに乱流を発生させるとともに当該乱流を安定化又は促進化させる構成になっており、
    前記燃焼部を構成する一次燃焼部は、前記燃料及び燃焼用空気を導入するための前室と、前記前室の上方位置に配設された一次燃焼室と、前記前室及び前記一次燃焼室の隣りに配設されており且つ上下方向の流路とされた連通路と、前記前室の上面に形成されており且つ前記一次燃焼室に連通する第1開口と、前記連通路の下方寄りの側面に形成されており且つ前記前室に連通する第2開口と、前記連通路の上方寄りの側面に形成されており且つ前記一次燃焼室に連通する第3開口と、前記第1開口を塞ぐように設けられた第1網部と、前記第1網部に間隔を開けて対向配置されており且つ前記一次燃焼室の途中部位を塞ぐように設けられた第2網部、鋼板部又は三角錐部と、前記一次燃焼室の上側位置に形成された一次高温ガス排出口と、前記前室及び一次燃焼室の外側に配設された断熱部材とを備え、前記前室に燃焼用空気と共に送り込まれた前記燃料を前記一次燃焼室にて燃焼させる一方、当該燃焼により発生した燃焼ガスが前記前室、前記連通路、前記一次燃焼室へと順次的に流通して循環する過程で主として前記第1網部により前記乱流を発生させるとともに、前記燃焼ガスが前記一次燃焼室内を上昇して流通する過程で主として前記第2網部等により前記乱流を安定化又は促進化させることが可能な構成になっており、
    前記燃焼部を構成する二次燃焼部は、前記一次燃焼室の隣りに配設された二次燃焼室と、前記二次燃焼室内の上方位置に配設された上下方向の流路であって前記一次高温ガス排出口に連通した高温ガス導入路と、前記二次燃焼室に形成された二次高温ガス排出口と、前記二次燃焼室内に互いの間隔を開けて複数配設されており且つ前記高温ガス導入路を通じて導入された高温ガスを循環させるとともに前記二次高温ガス排出口に向けて案内するためのガス案内部材とを備え、前記ガス案内部材は、前記乱流を更に安定化又は促進化させるために前記高温ガスが前記二次燃焼室内を循環する過程において複数個所でその流れがランダムになるように各々配置された構成になっており、
    前記燃料の完全燃焼により植物性シリカを連続的に生成して前記二次燃焼室内の下部に溜める構成になっていることを特徴とする植物性シリカの製造炉。
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