JP5945043B1 - 高温炉及びこれを用いたエネルギー生成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】バイオマス燃料等を千度以上の高温で燃焼することを可能にする。【解決手段】高温炉100は、粒子状又は小片状の燃料αを定量供給するとともに燃料αを燃焼用空気βと共に燃焼部20の前室21に送り出す燃料供給部10と、燃料αを燃焼させて高温ガスγを生成する燃焼部20とを備える。燃焼部20は、燃料αの燃焼ガスの流通/循環の過程で同ガスに乱流を発生させるとともに当該乱流を安定化又は促進化させる構成になっている。【選択図】図1

Description

本発明はバイオマス燃料等を千度以上の高温で燃焼させることが可能な高温炉及びこれを用いたエネルギー生成システムに関する。
現在、地球温暖化問題と廃棄物問題との両面からバイオマス利用推進の取り組みが広く行われている。その中核であるバイオマス発電については、農林産物や食物の生産現場で出る各種の廃棄物等をバイオマス燃料として活用し、これを燃焼するとともにその燃焼エネルギーにより発電している。バイオマス燃料が籾殻等である場合に適した燃焼装置の一例として特許文献1に開示されたものがある。
このような燃焼装置1は、図11に示されているように粒状体の植物性可燃物4を燃焼させる燃焼部3と、植物性可燃物4を燃焼部3に供給する供給部2とを備えている。
燃焼部3については、植物性可燃物4が供給部2によりエアーとともに送り込まれる前室31と、前室31の上部に配設された燃焼室34と、燃焼室34の上部に連通された排出路36とを備える。前室31と燃焼室34とは着火材が載置可能な火格子33により仕切られている。火格子33には多数の長孔が形成されている。前室31及び燃焼室34の両側部には、双方に連通して循環流を形成する連通路35が設けられている。このように燃焼部3は、前室31、連通路35及び燃焼室34に循環する循環流の中で植物性可燃物4を燃焼する構成になっている。
特開2010−14354号公報
しかしながら、上記従来例による場合、炉内の燃焼温度が700℃〜900℃程度と低く燃焼効率を高くすることが困難という技術上の問題が指摘されている。この点、大量の燃料を燃焼させたり又は燃料を前処理して水分を蒸発させたりすると、炉内の燃焼温度を幾分高くすることが可能とはいえ、燃料代が高くなり経済上の問題を招来する結果になる。
本発明は上記した背景の下で想作されたものであって、その主たる目的とするところは、バイオマス燃料等を千度以上の高温で燃焼することが可能な高温炉及びこれを用いたエネルギー生成システムを提供することにある。
本発明に係る高温炉は、粒子状又は小片状の燃料が供給されており且つ当該燃料を燃焼させて高温ガスを生成する燃焼部と、前記燃料を定量供給するとともに当該燃料を燃焼用空気と共に前記燃焼部に送り出す燃料供給部とを備え、前記燃焼部は、前記燃料の燃焼ガスの流通及び/又は循環の過程で同ガスに乱流を発生させるとともに当該乱流を安定化又は促進化させる構成になっており、前記燃焼部を構成する一次燃焼部は、前記燃料及び燃焼用空気を導入するための前室と、前記前室の上方位置に配設された一次燃焼室と、前記前室及び前記一次燃焼室の隣りに配設されており且つ上下方向の流路とされた連通路と、前記前室の上面に形成されており且つ前記一次燃焼室に連通する第1開口と、前記連通路の下方寄りの側面に形成されており且つ前記前室に連通する第2開口と、前記連通路の上方寄りの側面に形成されており且つ前記一次燃焼室に連通する第3開口と、前記第1開口を塞ぐように設けられた第1網部と、前記第1網部に間隔を開けて対向配置されており且つ前記一次燃焼室の途中部位を塞ぐように設けられた第2網部、鋼板部又は三角錐部と、前記一次燃焼室の上側位置に形成された一次高温ガス排出口と、前記前室及び一次燃焼室の外側に配設された断熱部材とを備え、前記前室に燃焼用空気と共に送り込まれた前記燃料を前記一次燃焼室にて燃焼させる一方、当該燃焼により発生した燃焼ガスが前記前室、前記連通路、前記一次燃焼室へと順次的に流通して循環する過程で主として前記第1網部により前記乱流を発生させるとともに、前記燃焼ガスが前記一次燃焼室内を上昇して流通する過程で主として前記第2網部等により前記乱流を安定化又は促進化させることが可能な構成になっている。なお、乱流の安定化とは、乱流を維持させることをいう。乱流の促進化とは、乱流を更に乱流にすることをいう。
このような構成の高温炉による場合、燃料の燃焼に伴って発生する燃焼エネルギーに乱流エネルギーが付加される構成になっていることから、炉内燃焼温度を千度以上の高温にすることが可能になる。加えて炉内燃焼温度が高温になるため、燃料が完全燃焼に近くなり、燃焼効率を高くすることが容易に実現可能になる。その結果、従来の技術上の問題が解消される。しかも従来とは異なり燃料代を低く抑えることが可能になり、経済上の問題が解消される。ひいては、地球温暖化問題及び廃棄物問題の解消に寄与をすることが可能になる。
ここでいう乱流エネルギーとは、燃焼ガス等の乱流により生じた摩擦熱のエネルギー、乱流自体の風量エネルギー、燃料に含まれる水分の過熱水蒸気等により格段に増大した分に相当するエネルギー等をいうものとする。
上記高温炉による場合、燃料が燃焼用空気と共に燃焼部に供給される構成になっていることから、上記効果に加えて、燃料と燃焼用空気との混合比を一定に保つことができ、これに伴って、燃焼部内における燃料の燃焼状態及び燃焼温度を安定化させることが可能になる。
上記高温炉による場合、燃料が燃焼用空気と共に一次燃焼部に供給されると、一次燃焼部の前室、連通路および一次燃焼室へと循環する循環流の中で燃焼される。このときに発生する燃焼ガスについても前室、連通路および一次燃焼室へと同時に循環し、この過程で主として第1網部により一次乱流が発生する。このような乱流を含む燃焼ガスが一次燃焼室内を上昇して流通すると、その過程で主として第2網部等により燃焼ガスの乱流が二次乱流として安定化又は促進化される。このような乱流を含む燃焼ガスが一次燃焼室内を更に上昇すると、その一連の過程で上記乱流エネルギーにより高温化され、断熱部材によりその高温状態が一定に維持される。このような燃焼ガスが最終的に高温ガスとなる。一次燃焼部については、要するに、上記のような過程を経て高温ガスを生成する構成になっている。高温炉として高性能であるにも関わらず、燃焼部の構成自体がシンプルであることから、上記効果に加えて、装置全体の価格を抑えることが可能になる。
上記形態の高温炉において、前記燃焼部を構成する二次燃焼部については、前記一次燃焼室の隣りに配設された二次燃焼室と、前記二次燃焼室内の上方位置に配設された上下方向の流路であって前記一次高温ガス排出口に連通した高温ガス導入路と、前記二次燃焼室に形成された二次高温ガス排出口と、前記二次燃焼室内に互いの間隔を開けて複数配設されており且つ前記高温ガス導入路を通じて導入された高温ガスを循環させるとともに前記二次高温ガス排出口に向けて案内するためのガス案内部材とを備え、前記ガス案内部材は、前記乱流を更に安定化又は促進化させるために前記高温ガスが前記二次燃焼室内を循環する過程において複数個所でその流れがランダムになるように各々配置された構成にすることが好ましい。
このような構成の高温炉による場合、一次燃焼部にて生成された高温ガスが二次燃焼部の二次燃焼室に導入されると、高温ガス導入路及び複数のガス案内部材に各々案内されて二次燃焼室内を全体として循環する。ただ、高温ガスの一部の方向がガス案内部材により変更され、それが高温ガスの元の循環流に重ね合わされる等する結果、高温ガスの流れが複数個所でランダムになる。これに伴って、高温ガスに乱流が更に発生し、その乱流が更に安定化又は促進化される。よって、高温ガスが上記乱流エネルギーにより更に高温化される。二次燃焼部については、要するに、上記のような過程を経て高温ガスを更に高温化する構成になっている。高温炉として非常に高性能であるにも関わらず、燃焼部等の構成自体がシンプルであることから、上記効果に加えて、装置全体の価格を依然として抑えることが可能になる。
上記形態の高温炉については、エアーを送り出すエアー供給部を更に備えることが好ましい。この場合の燃焼部については、前記エアーを導入するためのエアー導入口と、燃焼室の内側及び/又は外側に配設された当該エアーの流通経路であって前記燃焼室の熱により高温エアーを生成するエアー流通路と、当該高温エアーを排出するための高温エアー排出口とを更に有した構成にすると良い。
このような構成の高温炉による場合、燃焼部からの熱により高温エアーが生成される構成になっていることから、炉全体の効率が高くなるだけでなく、燃料が燃焼する際に生じる不純物が高温エアーに含まれない。即ち、高温エアー自体がクリーンであることからエネルギー使用対象側の設備に不具合が生じることがなく、この点でメリットがある。
上記形態の高温炉において、前記燃料を燃焼前に加熱させるために、前記燃焼部にて生成された高温ガス又は高温エアーの一部を抜き出して前記燃料供給部に導入する構成にすることが好ましい。
このような構成の高温炉による場合、燃焼前の燃料が高温ガス等により加熱される構成になっていることから、炉内の燃焼温度を一層高くすることに加えて燃焼効率を一層高くすることが可能になる。また、水分を多く含むものも燃料として使用可能であることから特に廃棄物系バイオマスの活用上大きなメリットがある。
本発明に係るエネルギー生成システムは、汽力発電、ゴミ焼却及び/又はハウス暖房等を行うのに必要なエネルギーを生成するシステムであって、上記高温炉と、前記高温炉にて生成された燃焼ガス等のエネルギーをエネルギー使用対象に伝えるためのエネルギー流通路とを備え、前記燃料として収穫廃棄物、農林産廃棄物又は産業廃棄物が用いられている。高温エアーを生成可能な上記高温炉が備えられた場合のエネルギー流通路については、前記高温炉により生成された前記高温ガスをゴミ焼却炉等のエネルギー使用対象に導く高温ガス排気管と、前記高温炉により生成された前記高温エアーを汽力発電用ボイラ等の他のエネルギー使用対象に導く高温エアー排気管となる。
このような構成のエネルギー生成システムによる場合、汽力発電等を行なうのに必要なエネルギーが収穫廃棄物等を燃料とした上記高温炉により生成される構成になっているので、地球温暖化問題及び廃棄物問題の解消に大きく寄与をすることが可能になる。特に燃焼温度が千度以上の高温になることから、ダイオキシン発生の問題が解消され、環境保護の点でも大きなメリットが期待される。
本発明の高温炉の実施形態を説明するための図であって、燃焼部の内部構造が併せて示された概略構成図である。 同高温炉の図1中A―A線に基づく矢視図である。 同高温炉の図1中B―B線に基づく矢視図である。 同高温炉の燃焼部の内部構造を説明するための概略的斜視図である。 同高温炉の燃料供給部を説明するための部分断面図である。 同高温炉の集塵機を説明するための部分断面図である。 本発明のエネルギー生成システムの実施形態を説明するための側面視概略構成図である。 同システムのエネルギー生成システムの実施形態を説明するための平面視概略構成図である。 同システムの図7中C―C線に基づく矢視図である。 同システムの高温炉の二次燃焼部の内部構造を説明するための概略的部分斜視図である。 特許文献1に係る従来技術を説明するための図であって、(a)は燃焼装置の内部構造が併せて示された概略構成図、(b)は燃焼部の内部構造が併せて示された概略斜視図である。
以下、本発明の高温炉の実施形態を図1乃至図6を参照して説明する。
ここに例を挙げて説明する高温炉100は、図1に示されているように粒子状又は小片状の燃料αを定量供給する燃料供給部10と、燃料αを燃焼させて高温ガスγを生成する燃焼部20とを具備する。燃焼部20は、燃料αの燃焼ガスの流通及び部分的な循環の過程で同ガスに乱流を発生させるとともに当該乱流を安定化又は促進化させる構成になっている。このような高温炉100は、具体的には、植物性シリカ∂を製造するのに使用される炉である。植物性シリカ∂については、燃焼部20内を高温ガスγが流通する過程でその下の方に溜まるようになっている。植物性シリカ∂の原料が燃料αであり、ここではシリカを含有した籾殻、竹チップ等の植物性/木質系バイオマスを用いている。
燃料供給部10については、燃料供給部10の前室21の前段に配設されており、燃料αを連続的に定量供給するとともに燃焼用空気βと共に前室21に送り出す構成になっている。具体的には、図5に示されているように燃料αを貯めるための逆三角錐状の縦型タンクであって下端位置に排出口111を有したホッパー部11と、ホッパー部11内の下斜面に沿って配設されており且つ図外のモーターによる一定回転によりホッパー部11内の燃料αを排出口111から時間当たり所定量送り出す螺旋状のスクリュー部12と、ホッパー部11の下方に配設されており且つホッパー部11から排出された燃料αを燃焼用空気βと共に燃料供給部10の前室21に導くための燃料供給パイプ13と、燃料供給パイプ13の一端部に接続されており且つ外気を吸い込んで燃焼用空気βとして燃料供給パイプ13に送り込むブロワー部14とを備えている。なお、図中112は燃料投入口、113は空気排出口、114はステンレス網である。
スクリュー部12については、その回転数を可変にすることにより燃料αの定量供給量が調節可能にされている。ブロワー部14については、その送風量を可変にすることにより燃焼用空気βの風量/風圧が調節可能にされている。よって、燃料αと燃焼用空気βとの混合比が調節可能になっている。かかる混合比については、高温炉100の設置場所の諸条件(気圧、温度又は湿度等)、燃料αに関する諸条件(比重、大きさ、質又は燃焼速度等)に応じて、炉内燃焼温度の安定を見ながら適宜設定すると良い。
燃焼部20については、図1に示されているように大きく分けて一次燃焼部22と二次燃焼部23から構成され、燃料供給パイプ13を通じて燃料α及び燃焼用空気βが供給されている。
なお、図中24は二次燃焼部23の上面に設けられたガス排気口、25は一次燃焼部22の上面に設けられた燃焼室圧力弁、26は直方体状の2重壁ホッパーの外枠である。
一次燃焼部22については、図1から図4に示されているように燃料供給パイプ13を通じて送り込まれた燃料α及び燃焼用空気βを一次燃焼室221に導入するための前室21と、前室21の上方位置に配設された一次燃焼室221と、前室21及び一次燃焼室221の隣りに配設されており且つ上下方向の流路とされた連通路222と、前室21の上面に形成されており且つ一次燃焼室221に連通する第1開口223と、連通路222の下方寄りの側面に形成されており且つ前室21に連通する第2開口224と、連通路222の上方寄りの側面に形成されており且つ一次燃焼室221に連通する第3開口225と、第1開口223の開口部分を塞ぐように設けられた網状部材である第1網部226と、第1網部226に間隔を開けて対向配置されており且つ一次燃焼室221内の中間付近を塞ぐように設けられた網状部材である第2網部227と、一次燃焼室221の上側位置に形成された一次高温ガス排出口228と、前室21及び一次燃焼室221を外から覆うための断面凹状の断熱部材27とを備える。
前室21については、図4に示されているように平面視矩形状に枠組みされた部材であって、外側面に燃料供給パイプ13の他端部が挿入される穴211が形成されている。図4は外枠26を取り外した状態の燃焼部20の概略構成が示されている。
なお、連通路222の上端側開口は図1に示されているように斜め上向きに取り付けられた二次燃焼部23のガス案内部材234aの裏面により塞がれている。燃料α及び燃焼用空気βが通る第2開口224及び第3開口225の開口形状については図2に示されている通り長方形にされている。これは、燃焼用空気β等の流量を含めて、乱流発生に大きく影響するため、燃料αに関する諸条件(比重、大きさ、質又は燃焼速度等)に応じて、適宜設計変更すると良い。
このように一次燃焼部22は、図1に示されているように前室21に燃焼用空気βと共に送り込まれた燃料αを一次燃焼室221にて燃焼させる一方、その燃焼により発生した燃焼ガスが前室21、連通路222、一次燃焼室221へと順次的に流通して循環する過程で同ガスに主として第1網部226により乱流を複数個所にわたって発生させるとともに(その乱流に伴って燃焼用空気βに含まれる燃料αが一次燃焼室221内に安定して供給される)、その燃焼ガスが一次燃焼室221内を上昇して流通する過程で主として第2網部227等によりその乱流を安定化又は促進化させる。このような一連の過程を経て燃焼ガスが高温ガスγとなり、その高温状態が断熱部材27等により一定に保持され、その後、一次高温ガス排出口228を介して排出されるようになっている。なお、燃焼用空気β、燃焼ガス及び高温ガスγの流通方向は図中の矢印で示す通りである。
第1網部226及び第2網部227はその開口が円形又は正方形の形状であり且つ等間隔に格子状に配置されたステンレス製の網である。これは乱流発生手段に相当するもので、燃焼ガス及び高温ガスγ等の流通方向に沿って配置されている。なお、第2網部227については、必要に応じて鋼板を所定形状に加工した鋼板部又は三角錐部に置き替えても良い。
上記した燃焼ガスに現実に乱流を発生させるとともに当該乱流を安定化又は促進化させるには、第1網部226及び第2網部227の穴形状、穴寸法及び配置位置等に加えて、燃焼ガス及び高温ガスγ等の流通経路等を最適化することが必要になる。ここでは、安定化された乱流を促進化し、ランダム化する二次燃焼部23との関係において、ガス案内部材234a等を利用して燃焼ガスが螺旋状に上昇する流通経路にしている。なお、燃料αに関する諸条件(比重、大きさ、質又は燃焼速度等)に応じて、上記した第2開口224及び第3開口225の開口形状の変更に加えて、燃焼用空気βの流量、エアー導入方向の変更、安定板の付加等を適宜行うと良い。また、必要に応じて図1中破線で併せて示されているように一次燃焼室221内に所定長さの板状部材の鋼板228を挿入しても良い。
二次燃焼部23については、図1から図4に示されているように一次燃焼室221の隣りに配設された二次燃焼室231と、二次燃焼室231内の上方位置に配設された上下方向の流路であって一次高温ガス排出口228に連通した高温ガス導入路232と、二次燃焼室231の上部に形成されており且つガス排出口24に連通した二次高温ガス排出口233と、二次燃焼室231内に互いの間隔を開けて複数(本案例では合計4つ)配設されており且つ高温ガス導入路232を通じて導入された高温ガスγを図示の通りに循環させるとともに二次高温ガス排出口233に向けて案内するためのガス案内部材234a,234b,234c及び234dとを備える。ガス案内部材234a〜234dは、高温ガスγの乱流を更に安定化又は促進化させるために高温ガスγが二次燃焼室231内を循環する過程において複数個所でその流れがランダムになるように各々配置されている。
ガス案内部材234a〜234dは耐熱ステンレス鋼材である。これは乱流発生手段に相当するもので、高温ガスγの流通方向に沿って配置されている。
上記した高温ガスγの乱流を現実に安定化又は促進化させるには、ガス案内部材234a〜234dの形状、長さ及び配置位置に加えて、その向きを変えて高温ガスγの流通経路を最適化することが必要になる。この結果、一次燃焼室221に比べて広い空間の二次燃焼室231において高温ガスγにランダムな乱流が更に発生することになり、最大限の熱量が発生することになる。
なお、二次高温ガス排出口233には高温ガス排気管24が接続されている。高温ガス排気管24の途中部位には図6に示された集塵機30が配設されている。集塵機30は、二次燃焼部23から排出された高温ガスγに含まれるカーボンを除去する装置であって、高温ガスγに水管33から出た水を接触させて、同カーボンをタンク32に集めるようになっている。
上記した構成の高温炉100を運転開始する際には、その燃焼効率を高める目的で一次燃焼部22及び二次燃焼部23の炉内温度を石油バーナー等を用いて400℃から500℃に予め高めておく。この状態で燃料供給部10を作動させると、図1に示されているように、燃料αが燃焼用空気βと共に燃料供給パイプ13を通じて燃焼部20の前室21に送り込まれる。このときの燃料αと燃焼用空気βとの混合比は燃料供給部10の構成上、常に一定となっている。この点で、燃焼部20における燃料αの燃焼状態及び燃焼温度を安定化させることが可能になった。
このようにして燃料α及び燃焼用空気βが燃焼部20に連続的に供給されると、その後、燃料αが一次燃焼室221にて自燃する。このとき発生した燃焼ガス等が上記した通りに一次燃焼部22及び二次燃焼部23内を順次的に流通及び循環し、その過程で同ガスに乱流が発生するとともに、その乱流が安定化又は促進化される。その結果、一次燃焼部22にて作成された高温ガスγが二次燃焼部23にて更に高温化される。高温炉100の実機を用いて炉内燃焼温度を測定したところ1200度を超える高温になることが実証されるに至った。また、燃焼効率については燃焼残渣(カーボンのみ)から推測すると98%に及んでいる。この場合の実験条件は以下の通りである。
まず、燃料αとして籾殻を用いて高温炉100により燃焼するにあたり、炉内中の燃焼残渣並びに排気中にある燃焼残差を測定した。排気中にある燃焼残差は水を細孔ノズルによりシャワー化し、高温排気中に存在する細粒カーボン・不純物を下部タンクに落下するようにした。炉内中には植物性シリカ層とその周囲に灰白色の植物性シリカ・カーボンの混合物が燃焼処理物質として存在し、排気中残留物は、カーボンが残った。その際、炉内最高温度は1300℃を超えた。ただし、高温温度計(熱電対)の高温部最高測定可能温度1300℃を超えるため、それ以上の測定は不可能であった。この際の燃焼残渣の平均重量は、籾殻1000kgに対して、植物性シリカ約100kg、植物性シリカ・カーボンの混合体が約32kg、カーボンが約8kgとなった。籾殻中には約20重量%の植物性シリカが含有しており、その中の半分が植物性シリカのみの層状になり、その周りに植物性シリカ・カーボンの混合体(植物性シリカの混合比率は約二分の一)として層状になっている。従って、籾殻の主な成分であるセルロースの大部分がCOとなり、排気として、大気中に拡散される。
土壌由来のK,N、P等についても、上記植物性シリカ中に微量含まれているが、大部分は気相となり、大気中に拡散される。その結果、燃焼効率は約98%となる。また、廃棄石膏ボードの化粧紙を燃焼した場合、化粧紙自体が難燃性であり、若干の石膏が付着しているにも関わらず、炉内最高温度も1200℃を超える。この場合の燃焼残渣は化粧紙に付着している石膏、ならびに石膏中にふくまれる岩石となり、化粧紙は完全燃焼される。この場合、燃焼効率は不燃物を含むため、重量%では評価が困難であるが、化粧紙のみの燃焼効率は、上記籾殻の燃焼効率を上回るものと推測される。
かかる温度は燃料αと同一の素材を燃焼した場合に得られる燃焼温度(700℃〜900℃)に比べて非常に高い。この驚くべき物理的現象が如何なる原理により生じたのかについては現在研究中である。ただ、高温炉100の開発段階において簡易シミュレーション解析を行ったところ、燃焼室内に高速度の乱流が発生しており、局所的に推定秒速80m/秒以上に達していることを確認している。この点に着目すると、燃料αの燃焼に伴って発生する燃焼エネルギーに上記乱流エネルギーが付加され、その結果、炉内燃焼温度を1200℃を超える高温にすることが可能になったと考えられる。
高温炉100は、具体的には図11で示された燃焼装置1を全面的に改良して完成するに至った植物性シリカを専ら製造するための炉である。燃料αとして上記した通り、シリカを含有する籾殻等を用いていることから、これを高温炉100により千度以上の高温で燃焼させると、燃料αが完全燃焼し、燃料αに含まれるシリカについてはアモルファス形状又は多結晶となる。この結果、植物性シリカ∂が連続的に生成され、図1に示されているように二次燃焼室231内の下部に次々と溜まる。燃料αに含まれる残りの炭素については空気と反応してCO2になる他、上記の通り集塵機30にて回収される。高温炉100の運転を止めて、二次燃焼室231に残留した植物性シリカ∂を取り出すと、最終的に植物性シリカ∂が得られる。燃料αと燃焼用空気βとの混合比は燃料供給部10の構成上、常に一定となっている。しかも燃料αの燃焼状態及び燃焼温度を安定化させることが可能になったことから、高品質な植物性シリカ∂を大量に効率的に製造することが可能になり、この点で商品価値が高く、大きなメリットがある。なお、籾殻に含まれるシリカは理論上重量の20%と推測されるが、植物性シリカ∂については籾殻重量から7%以上の重量のシリカが含まれている。
高温炉100は上記した通り植物性シリカの製造炉であるが、燃焼温度及び燃焼効率を高いことから、燃料調達コストを低くすることが可能となった。この点でバイオマスボイラーの用途に適することになる。また、高温炉100の開発過程で得られた上記実証結果等を検討すると、燃料αについては、少なくとも、大きさが数ミリから数センチ程度の粒子状又は小片状の非金属性の素材であれば如何なるものも適用可能である。可燃物でなくても難燃物であっても燃焼可能である。更に、産業廃棄物にあっては小片化すれば燃焼可能であり、液体状物質にあっても可燃性物質を混入して小片化すれば燃焼可能であると考えられる。よって、高温炉100はゴミ焼却炉としての利用も有力である。特に、燃焼温度が1200℃以上の高温であることからダイオキシン発生の問題がなく、この点で大きなメリットが期待される。
もっとも、高温炉100は専ら植物性シリカの製造を目的に開発した炉である以上、燃料αの素材等によっては、燃焼部20を中心として適宜設計変更することが必要不可欠になる。この場合、高温炉100の開発過程で得られた上記実証結果等を総合的に参酌すると、燃料供給部10により燃料αを燃焼用空気βと共に燃焼部20に供給させる一方、燃焼部20により燃料αを燃焼させ、このとき発生した燃焼ガスが炉内を流通及び/又は循環する過程で同ガスに乱流が安定して発生するに適した構成にするという方針で燃焼部20を中心として設計変更すると良いと考えられる。もし必要とされる燃焼温度又は完全燃焼が得られないときは、二次燃焼部23に準じた構成の三次燃焼部その他の高次燃焼部を二次燃焼部23の後段に追加的に配設すれば良い。この限りにおいて燃料αについては、粒子状又は小片状のものであれば、その大きさや素材等が問われることがないと考えられる。
以下、本発明のエネルギー生成システムの実施形態を図7乃至図10を参照して説明する。
ここに例を挙げて説明するエネルギー生成システム200は、高温炉100により生成されるエネルギーが非常に大きいことに着目し、このエネルギーを有効利用するための高温炉100の適用例の一つである。本案例では汽力発電及びゴミ焼却を行うのに必要なエネルギーを生成するシステムになっている。具体的には、図7及び図8に示されているように、高温炉100を同システム用に一部変更した構成の高温炉210と、高温炉210の燃焼により生成されたエネルギーをエネルギー使用対象(ここでは汽力発電用のボイラ240及びゴミ焼却用のロータリーキルン炉230に相当)に伝えるためのエネルギー流通路(ここでは高温エアー排気管280及び高温ガス排気管220に相当)とを備えている。高温炉210の燃料αとして、必要に応じて小片状又は粒子状に加工等がされた収穫廃棄物、農林産廃棄物又は産業廃棄物等が用いられている。
高温炉210については、上記した通り高温炉100に準じた構成となっており、燃料αを燃焼用空気λと共に送り出す燃焼供給部2110と、エアーμを各々送り出すエアー供給部2112,2112と、燃料αを燃焼するとともに燃料αの燃焼により高温ガスθ及び高温エアーεを生成する燃焼部2120とを具備している。
燃料供給部2110ついては、高温炉100の燃料供給部10と同一構成となっている。ブロワー部2115及び燃料供給パイプ2111についても同様である。ただ、燃料αを貯めるホッパー部についてはその側方に高温エアー排気枝管281の端部が接続されている。即ち、燃料αを燃焼前に加熱させるために、高温エアー排気枝管281を通じて燃焼部2120にて生成された高温エアーεの一部を抜き出し前記ホッパー部内に導入する構成になっている。
エアー供給部2112については、外気を吸い込んでエアーμを燃焼部2120に送り込むためのブロワー部2114と、ブロワー部2114に接続されたエアー供給パイプ2113とを具備している。このようなエアー供給部2112が燃料供給部2110の両側寄りに一対配設されている。
燃焼部2120については、図9及び図10に示されているように、内部に一次燃焼部2129,二次燃焼部2121、三次燃焼部2122及び四次燃焼部2123が配設されており且つ直方体状の二重壁ホッパーの外枠2828と、外枠2828の内底面に形成されており且つエアー供給パイプ2113,2113を通じてエアーμを各々導入するためのエアー導入口2126,2126と、二次燃焼部2121,三次燃焼部2122及び四次燃焼部2123等と外枠2828との隙間に配設されたエアー流通経路であって二次燃焼部2121等の熱によりエアーμを加熱して高温エアーεを生成するエアー流通路2127,2127と、外枠2828の奥側面に接続されており且つエアー流通路2127,2127を通じて導かれた高温エアーεを纏めて排出するための高温エアー排気管280と、外枠2828の上面に接続されており且つ四次燃焼部2123の高温ガスθを排出するための高温ガス排気管220とを有した構成になっている。
一次燃焼部2129については、高温炉100の一次燃焼部22と同一構成となっており、燃焼用空気λと共に送り込まれた燃料αを高温で燃焼させて高温ガスθを生成する構成になっている。
二次燃焼部2121、三次燃焼部2122及び四次燃焼部2123については、一次燃焼部2129の後段に順次的に配設された燃焼部であって、高温炉100の二次燃焼部23とは大きく異なり、板状部材2124,2125と横壁用共通板材とで合計3つの空間に仕切られた構成になっている。ただ、高温炉100の二次燃焼部23と同様に、一次燃焼部2129から排出された高温ガスθが二次燃焼部2121、三次燃焼部2122、四次燃焼部2123へと流通する過程で、主として板状部材2124,2125により、高温ガスθの乱流を更に安定化又は促進化させるようになっている。
板状部材2124,2125はセラミック製又は耐熱ステンレス等の板材である。これは乱流発生手段に相当するもので、図9に示されているように、高温ガスθの流通方向に沿って配置されている。
上記した高温ガスθの乱流を現実に安定化又は促進化させるには、板状部材2124,2125の配置位置に加えて、図10に示されているように、その上側寄りの部位に高温ガスθを通すための孔21241,21251を各々多数形成し、その孔の開口の大きさ及び隣り同士の間隔等を最適化することが必要になる。その結果、一次燃焼部2129に比べて広い二次燃焼部2121等の空間において、高温ガスθにランダムな乱流が更に発生するようになっている。ここでは、孔21241、21251の開口の大きさについてはφ5mm〜100mm程度であり、その開口の形状については、真円形、楕円形又はスリット形等とされている。燃料αの比重、大きさ、質又は燃焼速度に応じて適宜設計変更すると良い。但し、孔21241等の形状や大きさについては図面上正確に描かれていない。
なお、孔21241,21251が板状部材2124,2125の上側寄りの位置に形成されているのは、一次燃焼部2129の一次高温ガス排出口の高さ位置に対応しており、一次燃焼部2129から排出された高温ガスθが二次燃焼部2121,三次燃焼部2122及び四次燃焼部2123へと順次的にスムーズに流通するようにするためである。また、孔21241に比べて孔21251のサイズが小さくなっているのは、乱流エネルギーの維持効果を図るためであり、一次燃焼部2129で完全燃焼しなかった燃料αを完全燃焼させるようにしている。
高温エアー排気管280については、燃焼部2120にて生成された高温エアーεを汽力発電用のボイラ240に導くための配管であって、燃焼部2120の高温エアーεの熱エネルギーをボイラ240に伝えるエネルギー流通路である。高温エアー排気管280途中部位には、図8に示されているように、高温エアー排気枝管281が接続されている。
高温ガス排気管220については、燃焼部2120にて生成された高温ガスθをゴミ焼却用のロータリーキルン炉230に導くための配管であって、燃焼部2120の高温ガスθの熱エネルギーをロータリーキルン炉230に伝えるエネルギー流通路である。
ボイラ240については、高温炉210の燃焼により生成されたエネルギーの使用対象の一に相当する汽力発電用ボイラであって、高温炉210にて生成された高温エアーεにより図外のタービンを回転させるようになっている。高温炉210に使用される燃料αに関係なく、高温エアーεには不純物が一切含まれないことから、不純物の付着等を原因として同タービン等に故障が生じる虞れがない。
なお、図中250は同タービンに連結された発電機、260は発電機250に設けられた復水器、270は制御装置等である。
ロータリーキルン炉230については、高温炉210の燃焼により生成されたエネルギーの使用対象の一に相当するゴミ焼却炉の設備であって、投入したゴミを粉砕するとともに、粉砕されたゴミを高温炉210にて生成された高温ガスθにより焼却する炉である。
上記のように構成されたエネルギー生成システム200による場合、収穫廃棄物等を燃料αとした高温炉210により汽力発電及びゴミ焼却を行なうのに必要なエネルギーが生成される構成になっているので、地球温暖化問題及び廃棄物問題の解消に大きく寄与をすることが可能になる。しかもゴミの焼却温度が千度以上の高温になることから、含水量が多い生ゴミの焼却の他、廃棄物系バイオマスの利用が十分に可能になる。特にダイオキシン発生の問題も解消され、環境保護の点でも大きなメリットが期待される。更に、高温炉210にて生成されるエネルギーが大きいだけでなく燃料調達コストを低くすることが可能である。燃料αとして、シリカを含有した籾殻、竹チップ等の植物性/木質系バイオマスを用いたときには、高温炉210により高温炉100と全く同様に植物性シリカという商品を製造することが可能になる。また、高温炉210の二次燃焼部2121及び三次燃焼部2122等に、図外の容器等(加熱対象に相当)を入れ、高温ガスθの熱により同容器等を加熱処理すれば、同時に加熱処理に係るサービスを行うことが可能となる。加えて、高温炉210が非常にシンプルな構成となっていることから、その価格を低く抑えることが可能である(高温炉100についても同様)。それ故、システム全体として採算が十分にとれることになり、大都市や先進国だけでなく環境保護と振興との調和が特に求められる地方又は開発途上国を中心として有意義なシステムとなり得ると考えられる。
なお、本発明に係る高温炉は上記実施形態に限定されず、燃焼部については、燃料として粒子状又は小片状のものを用いることを前提とし、その燃焼ガスの流通及び/又は循環の過程で同ガスに乱流を発生させるとともに当該乱流を安定化又は促進化させる構成であれば、如何なる構成のものを用いても良い。例えば、一次燃焼室にて通常の燃焼を行って高温ガスを作成する構成とし、その後段の二次燃焼室等にてその高温ガスに乱流を発生させるとともに当該乱流を安定化又は促進化させる構成とする形態でも構わない。この場合、既存の燃焼炉に設計変更を加えて、燃焼ガスの高温化を図っても良い。具体的には、燃料として粒子状又は小片状のものを用いることを前提とし、燃焼炉内又はその後段の燃焼部内に乱流発生手段を配設し、これにより燃焼ガスの流通及び/又は循環の過程で同ガスに乱流を発生させるとともに当該乱流を安定化又は促進化させる方法(燃焼ガスの高温化方法)をとると良い。また、燃焼部の段数、燃焼方式、着火方式、燃料・燃焼ガス等の流通経路、同経路中の循環の有無等についても上記実施形態に特に限定されることはない。
燃料の供給方法については、燃料を燃焼用空気とを別々に燃焼部に供給する形態であっても良い。その関係で燃料供給部の構成を適宜設計変更すると良い。また、高温ガスの一部を抽出してこれを導いて燃料を燃焼前に加熱する形態でもかまわない。高温炉の用途については、植物性シリカの製造だけに限定されず、例えば、未利用木材、廃棄物燃料、産業廃棄物等を燃料α等として焼却したり、他の炭素系製品を製造する用途にも適用可能である。その場合、燃料の種類についてはその用途に応じて適宜選択すると良い。
本発明に係るエネルギー生成システムは上記実施形態に限定されず、例えば、高温炉の内外に水を流通させて燃焼室の熱により蒸気、温水等を作成したり、高温炉の熱を電気に変換し、その熱又は電力等のエネルギーをエネルギー使用対象に伝える形態であっても良い。この場合のエネルギー流通路については、高温炉にて生成されるエネルギーの種類に応じた伝送手段を採用すると良い。エネルギー使用対象については、上記実施形態以外に例えばハウス暖房、空調設備又は工場等が考えられる。また、エネルギー使用対象の焼却炉についてはロータリーキルン炉のみではなく、用途に応じて、その他の形式の焼却炉の化石燃料バーナー、ガスバーナーの代替機としても、使用可能である。
100 高温炉
10 燃料供給部
20 燃焼部
22 一次燃焼部
21 前室
221 一次燃焼室
223 第1開口
224 第2開口
225 第3開口
226 第1網部(乱流発生手段)
227 第2網部(乱流発生手段)
228 一次高温ガス排出口
23 二次燃焼部
231 二次燃焼室
232 高温ガス導入路
233 二次高温ガス排出口
234 ガス案内部材(乱流発生手段)
200 エネルギー生成システム
210 高温炉
280 高温エアー排気管(エネルギー流通路)
220 高温ガス排気管(エネルギー流通路)
240 汽力発電用のボイラ(エネルギー使用対象)
230 ゴミ焼却用のロータリーキルン炉(エネルギー使用対象)

Claims (6)

  1. 粒子状又は小片状の燃料が供給されており且つ当該燃料を燃焼させて高温ガスを生成する燃焼部と、前記燃料を定量供給するとともに当該燃料を燃焼用空気と共に前記燃焼部に送り出す燃料供給部とを備え、前記燃焼部は、前記燃料の燃焼ガスの流通及び/又は循環の過程で同ガスに乱流を発生させるとともに当該乱流を安定化又は促進化させる構成になっており、
    前記燃焼部を構成する一次燃焼部は、前記燃料及び燃焼用空気を導入するための前室と、前記前室の上方位置に配設された一次燃焼室と、前記前室及び前記一次燃焼室の隣りに配設されており且つ上下方向の流路とされた連通路と、前記前室の上面に形成されており且つ前記一次燃焼室に連通する第1開口と、前記連通路の下方寄りの側面に形成されており且つ前記前室に連通する第2開口と、前記連通路の上方寄りの側面に形成されており且つ前記一次燃焼室に連通する第3開口と、前記第1開口を塞ぐように設けられた第1網部と、前記第1網部に間隔を開けて対向配置されており且つ前記一次燃焼室の途中部位を塞ぐように設けられた第2網部、鋼板部又は三角錐部と、前記一次燃焼室の上側位置に形成された一次高温ガス排出口と、前記前室及び一次燃焼室の外側に配設された断熱部材とを備え、前記前室に燃焼用空気と共に送り込まれた前記燃料を前記一次燃焼室にて燃焼させる一方、当該燃焼により発生した燃焼ガスが前記前室、前記連通路、前記一次燃焼室へと順次的に流通して循環する過程で主として前記第1網部により前記乱流を発生させるとともに、前記燃焼ガスが前記一次燃焼室内を上昇して流通する過程で主として前記第2網部等により前記乱流を安定化又は促進化させることが可能な構成になっていることを特徴とする高温炉。
  2. 請求項記載の高温炉において、
    前記燃焼部を構成する二次燃焼部は、前記一次燃焼室の隣りに配設された二次燃焼室と、前記二次燃焼室内の上方位置に配設された上下方向の流路であって前記一次高温ガス排出口に連通した高温ガス導入路と、前記二次燃焼室に形成された二次高温ガス排出口と、前記二次燃焼室内に互いの間隔を開けて複数配設されており且つ前記高温ガス導入路を通じて導入された高温ガスを循環させるとともに前記二次高温ガス排出口に向けて案内するためのガス案内部材とを備え、前記ガス案内部材は、前記乱流を更に安定化又は促進化させるために前記高温ガスが前記二次燃焼室内を循環する過程において複数個所でその流れがランダムになるように各々配置された構成になっていることを特徴とする高温炉。
  3. 請求項1又は2記載の高温炉において、エアーを送り出すエアー供給部を更に備えており、前記燃焼部は、前記エアーを導入するためのエアー導入口と、燃焼室の内側及び/又は外側に配設された当該エアーの流通経路であって前記燃焼室の熱により高温エアーを生成するエアー流通路と、当該高温エアーを排出するための高温エアー排出口とを更に有した構成になっていることを特徴とする高温炉。
  4. 請求項1乃至記載の高温炉において、前記燃料を燃焼前に加熱するために、前記燃焼部にて生成された高温ガス又は高温エアーの一部を抜き出して前記燃料供給部に導入する構成になっていることを特徴とする高温炉。
  5. 汽力発電、ゴミ焼却及び/又はハウス暖房等を行うのに必要なエネルギーを生成するエネルギー生成システムにおいて、請求項1乃至4の高温炉と、前記高温炉にて生成された燃焼ガス等のエネルギーをエネルギー使用対象に導くためのエネルギー流通路とを備え、前記燃料として収穫廃棄物、農林産廃棄物又は産業廃棄物等が用いられたことを特徴とするエネルギー生成システム。
  6. 請求項の高温炉が備えられた請求項記載のエネルギー生成システムにおいて、前記エネルギー流通路は、前記高温炉により生成された前記高温ガスをゴミ焼却炉等のエネルギー使用対象に導く高温ガス排気管と、前記高温炉により生成された前記高温エアーを汽力発電用ボイラ等の他のエネルギー使用対象に導く高温エアー排気管であることを特徴とするエネルギー生成システム。
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