JP5978344B1 - レーダ画像模擬装置、海面クラッタ模擬方法及び海面クラッタ模擬プログラム - Google Patents
レーダ画像模擬装置、海面クラッタ模擬方法及び海面クラッタ模擬プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 海面クラッタを忠実に模擬した海面クラッタの画像を生成することが可能なレーダ画像模擬装置を提供する。【解決手段】 レーダ画像模擬装置は、海面形状生成部、ビーム照射角計算部、後方散乱係数取得部、ビーム照射範囲計算部、有効反射面積計算部及び補正部を具備する。海面形状生成部は、複数の波を合成して海面における3次元波の形状モデルを生成する。ビーム照射角計算部は、レーダ装置から海面へ電波を照射した際のグレージング角を算出する。後方散乱係数取得部は、グレージング角に基づいて後方散乱係数を取得する。ビーム照射範囲計算部は、海面に前記電波が照射される面積を算出する。有効反射面積計算部は、後方散乱係数及び面積に基づいて有効反射面積を算出する。補正部は、有効反射面積に予め設定される分布データを重畳させる。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、レーダ画像を模擬するレーダ画像模擬装置と、この装置で用いられる海面クラッタ模擬方法と、この装置のコンピュータで実行される海面クラッタ模擬プログラムとに関する。
従来のレーダ画像模擬装置では、地球表面の地上の地形及び地物については高さのあるモデルとして模擬し、海面については波の高さ等の形状を考慮しないモデルとして模擬している。この種のレーダ画像模擬装置は、レーダ装置から送信される電波が海面で反射される海面クラッタを、以下のように模擬する。すなわち、レーダ画像模擬装置は、レーダ装置の位置、並びに、レーダ装置から電波を照射した海面までの方位及び距離R(スラントレンジ)を用い、レーダ装置が送信した電波が海面に照射した場所におけるビーム照射角φ(グレージング角)を算出する。レーダ画像模擬装置は、グレージング角φと、海面の波の状態(シーステート)とから後方散乱係数を決定する。レーダ画像模擬装置は、電波が海面に照射される面積を、レーダ装置の性能諸元(例えば、アンテナビーム幅、送信パルス幅等)及びグレージング角φ等から算出する。レーダ画像模擬装置は、後方散乱係数と、電波が照射される面積とから有効反射面積を算出する。そして、レーダ画像模擬装置は、算出した有効反射面積に1次元又は2次元のレーレー分布若しくはワイブル分布等の分布を重畳することで海面クラッタの分布を模擬する。
ところで、従来のレーダ画像模擬装置では、海面を波の高さ等の形状を考慮しないモデルで表現しているため、例えば船舶等の海面の目標を探知するレーダ装置により取得されるレーダ画像を模擬する場合、距離が同じであればどの方位でもグレージング角φが常に同じとなる。また、このとき、探知の対象となる範囲においてシーステートを同一としているため、後方散乱係数と電波の照射面積とから算出される有効反射面積は、同一距離であればどの方位でも同一となる。そのため、有効反射面積にレーレー分布又はワイブル分布等の分布を重畳しても、レーダ装置から海面にビーム照射した範囲においてレーダ装置を中心に同心円状に海面クラッタが発生するようになっていた。
一方で、近年、超短パルスを用いたレーダ装置及び広帯域パルス圧縮技術を用いたレーダ装置が提案されている。この種のレーダ装置は、海流又は風波で生じる海面のうねりによる海面クラッタの変化、並びに、波長及び波高等の海面形状の変化による海面クラッタの変化を捉えることが可能である。しかしながら、従来のレーダ画像模擬装置では、近年のレーダ装置が捕捉可能なこのような海面クラッタの変化を忠実に模擬した海面クラッタの画像を生成することについては、まだ検討段階であって未だに実現されていないのが現状である。
以上のように、従来のレーダ画像模擬装置では、海面クラッタを忠実に模擬した海面クラッタの画像を生成することができなかった。
そこで、目的は、海面クラッタを忠実に模擬した海面クラッタの画像を生成することが可能なレーダ画像模擬装置と、この装置で用いられる海面クラッタ模擬方法と、この装置のコンピュータで実行される海面クラッタ模擬プログラムとを提供することにある。
実施形態によれば、レーダ画像模擬装置は、海面形状生成部、ビーム照射角計算部、後方散乱係数取得部、ビーム照射範囲計算部、有効反射面積計算部及び補正部を具備する。海面形状生成部は、複数の波を合成して海面における3次元波の形状モデルを生成する。ビーム照射角計算部は、レーダ装置の位置、前記レーダ装置と前記海面との距離、前記海面における前記3次元波の高さ、並びに、前記海面における前記3次元波の波面に対する法線から、前記レーダ装置から前記海面へ電波を照射した際のグレージング角を算出する。後方散乱係数取得部は、前記グレージング角に基づいて後方散乱係数を取得する。ビーム照射範囲計算部は、前記レーダ装置から照射される電波のビーム幅、及び、前記距離に基づき、前記海面に前記電波が照射される面積を算出する。有効反射面積計算部は、前記後方散乱係数及び前記面積に基づいて有効反射面積を算出する。補正部は、前記有効反射面積に予め設定される分布データを重畳させる。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るレーダ画像模擬装置10及び表示部20の機能構成を示すブロック図である。図1に示されるレーダ画像模擬装置10は、レーダ装置により捉えられる海面クラッタについての画像を模擬的に作成し、表示部20に表示させる。レーダ画像模擬装置10は、模擬処理部11及び記憶部12を具備する。
模擬処理部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、並びに、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のCPUが処理を実行するためのプログラムやデータの格納領域等を含む。模擬処理部11は、CPUに海面クラッタ模擬プログラム及び所定のプログラムを実行させることで、図1に示される海面クラッタ模擬部111、受信電力計算部112、受信器模擬部113、信号処理模擬部114及び表示処理部115の機能を実現する。
記憶部12は、波の諸元データ、地球の湾曲を考慮する際に必要となる、例えば地球等価半径等のデータ、後方散乱係数と、シーステート及び後述する第2のグレージング角φ’との関係を表すデータテーブル、海面クラッタ分布テーブル及びレーダ装置の性能諸元データを予め記憶している。ここで、波の諸元データは、波長、周期、振幅及び位相等を含む。シーステートは、海面の波の状態のことであり、例えば風浪階級等により表される。海面クラッタ分布テーブルは、1次元又は2次元のレーレー分布若しくはワイブル分布等に関する分布テーブルである。レーダ装置の性能諸元データは、アンテナビーム幅θEL,θAZ、送信パルス幅τ、アンテナ利得、アンテナパターン形状、送信電力、送信周波数等を含む。
続いて、模擬処理部11について詳細に説明する。
海面クラッタ模擬部111は、海面クラッタの分布を模擬する。海面クラッタ模擬部111が海面クラッタの分布を模擬する手法については後に詳細を説明する。
受信電力計算部112は、海面クラッタ模擬部111で模擬された海面クラッタの受信電力を、記憶部12に記憶されているレーダ装置の性能諸元データ及び各種環境条件に基づいて算出する。
受信器模擬部113は、レーダ装置を構成する受信器が受信電力に対して実施する処理を、受信電力計算部112で算出された受信電力に対して模擬的に実施する。
信号処理模擬部114は、レーダ装置を構成する信号処理器が受信処理後の信号に対して実施する処理を、受信器模擬部113による処理後の信号に対して模擬的に実施する。
表示処理部115は、レーダ装置を構成する表示器に表示させる画像データを作成する処理を、信号処理模擬部114による処理後の信号に対して模擬的に実施する。これにより、表示処理部115は、海面クラッタ画像を作成する。表示処理部115は、作成した海面クラッタ画像を表示部20に表示させる。
続いて、海面クラッタ模擬部111について詳細に説明する。図2は、図1に示される海面クラッタ模擬部111の機能構成を示すブロック図である。図2に示される海面クラッタ模擬部111は、海面形状生成部1111、海面データ生成部1112、3次元波海面データメモリ1113、第1のビーム照射角計算部1114、第2のビーム照射角計算部1115、後方散乱係数取得部1116、平均化処理部1117、ビーム照射範囲計算部1118、有効反射面積計算部1119及び分布補正部11110を備える。
海面形状生成部1111は、波長、周期、振幅及び位相等を含む波の諸元データを、予め設定した波の数だけ記憶部12から読み出す。海面形状生成部1111は、読み出した波それぞれに対して波源を設定する。海面形状生成部1111は、レーダ装置のレーダ画像を模擬する模擬エリアを設定する。海面形状生成部1111は、波源から生成され、移動する複数の波を模擬エリアにおいて合成することで、海面の形状を模擬するための3次元波を生成する。図3は、図2に示される海面形状生成部1111が3次元波を生成する際の模式図を示す図である。3次元波は、実時間で変化する。
海面データ生成部1112は、模擬エリアを所定の法則に従って複数のメッシュに区切る。海面データ生成部1112は、生成した3次元波の形状を、各メッシュについての値に変換する。各メッシュの値は、(X、Y、h)と表され、X及びYはメッシュの位置座標を表し、hはメッシュにおける波高を表す。なお、X及びYの値は、メッシュ毎に固定されている。hの値は、時間の経過に従い変化する。
また、海面データ生成部1112は、メッシュ毎に波面に対する法線ベクトル(x、y、z)を算出する。海面データ生成部1112は、メッシュについてのメッシュデータと、法線ベクトルデータとを3次元海面データとして、3次元波海面データメモリ1113に記憶させる。なお、3次元波海面データメモリ1113は、記憶部12に設けられても、図示されていないその他のストレージメモリに記憶されてもよい。
第1のビーム照射角計算部1114は、レーダ装置が送信した電波が、水平であると仮定する海面に照射される際のビーム照射角φ(第1のグレージング角φ)を算出する。このとき、第1のビーム照射角計算部1114は、第1のグレージング角φを、レーダ装置が設置される所定の緯度、経度及び高度と、レーダ装置から電波が照射される海面までの方位及び距離R(スラントレンジ)とを用いて算出する。図4は、図2に示される第1のビーム照射角計算部1114により算出される第1のグレージング角φを示す模式図である。なお、レーダ装置が地球の湾曲を考慮する程度の範囲の探索を実行する場合、第1のビーム照射角計算部1114は、記憶部12に記憶されている地球等価半径を用い、第1のグレージング角φを算出する。図5は、図2に示される第1のビーム照射角計算部1114が地球の湾曲を考慮して算出する第1のグレージング角φを示す模式図である。
第2のビーム照射角計算部1115は、レーダ装置が送信した電波が、3次元波海面データメモリ1113に記憶される形状の海面に照射される際のビーム照射角φ’(第2のグレージング角φ’)を算出する。このとき、第2のビーム照射角計算部1115は、第2のグレージング角φ’を、レーダ装置が設置される所定の緯度、経度及び高度と、レーダ装置から電波を照射される海面についての3次元海面データ、すなわち、メッシュデータ及び法線ベクトルデータとを用いて算出する。図6は、図2に示される第2のビーム照射角計算部1115により算出される第2のグレージング角φ’を示す模式図である。なお、レーダ装置が地球の湾曲を考慮する程度の範囲の探索を実行する場合、第2のビーム照射角計算部1115は、記憶部12に記憶されている地球等価半径を用い、第2のグレージング角φ’を算出する。また、第2のビーム照射角計算部1115は、第2のグレージング角φ’を、第1のグレージング角φを用いて算出しても良いし、第1のグレージング角φとは独立して算出しても良い。
後方散乱係数取得部1116は、記憶部12から、後方散乱係数と、シーステート及び第2のグレージング角φ’との関係を表すデータテーブルを読み出す。また、後方散乱係数取得部1116は、模擬が希望される海の状況を表すシーステートが設定される。後方散乱係数取得部1116は、設定されたシーステート及び算出された第2のグレージング角φ’をデータテーブルに照合させ、後方散乱係数をデータテーブルから取り出す。
レーダ装置により形成されるAZビーム内には、複数の観測点が存在する。観測点の数は、CPUの性能等に依存し、予め設定される。第2のビーム照射角計算部1115は、観測点毎に第2のグレージング角φ’を算出する。後方散乱係数取得部1116は、観測点毎に後方散乱係数を取得する。平均化処理部1117は、1つのAZビームにおいて、最大の受信電力から3dB以内の受信電力が観測される観測点を選択する。後方散乱係数取得部1116は、選択した観測点において取得された後方散乱係数の平均値を求め、1つのAZビームにおける後方散乱係数とする。図7は、図2に示される平均化処理部1117が選択する観測点の例を示す図である。また、図8は、図2に示される平均化処理部1117が観測点毎に取得された後方散乱係数を平均する処理を処理回路で示した図である。図8では、平均化処理部1117がN個の観測点で取得される後方散乱係数を平均する場合を例に示している。図8によれば、平均化処理部1117は、畳み込み演算により後方散乱係数の平均値を算出する。図8において、b0〜bn−1は、各観測点に関する係数を表す。
ビーム照射範囲計算部1118は、記憶部12からアンテナビーム幅θEL,θAZ、送信パルス幅τを含むレーダ装置の性能諸元データを読み出す。ビーム照射範囲計算部1118は、レーダ装置から電波が照射される海面までの距離Rと、アンテナビーム幅θEL,θAZとに基づき、図9に示されるように電波の照射面積を算出する。また、ビーム照射範囲計算部1118は、レーダ装置から電波が照射される海面までの距離R、アンテナビーム幅θAZ、送信パルス幅τ及び第1のビーム照射角計算部1114により算出される第1のグレージング角φに基づき、図10に示されるように電波の照射面積を算出する。ビーム照射範囲計算部1118は、算出した2種類の面積を比較し、小さい方の面積を照射面積として有効反射面積計算部1119へ出力する。これにより、レーダ装置の近傍は図9に示される形状の照射面積となり、レーダ装置から遠方は図10に示される形状の照射面積となる。なお、ビーム照射範囲計算部1118は、例えば、距離に閾値を設け、距離が閾値未満である場合には図9に示される形状の照射面積を算出し、距離が閾値以上である場合には図10に示される形状の照射面積を算出するようにしても良い。
有効反射面積計算部1119は、平均化処理部1117により算出された後方散乱係数と、ビーム照射範囲計算部1118により算出された照射面積とから、有効反射面積を算出する。
分布補正部11110は、記憶部12から、1次元又は2次元のレーレー分布若しくはワイブル分布等に関する分布テーブルを読み出す。分布補正部11110は、有効反射面積計算部1119で算出された有効反射面積に分布テーブルを重畳させ、海面クラッタの分布を生成する。分布補正部11110は、模擬的に生成した海面クラッタを受信電力計算部112へ出力する。
次に、以上のように構成される海面クラッタ模擬部111による海面クラッタの生成動作を、海面クラッタ模擬部111の処理手順に従い説明する。図11は、本実施形態に係る海面クラッタ模擬部111が海面クラッタを生成する際の動作を示すフローチャートである。
まず、海面形状生成部1111は、記憶部12に記憶される波の諸元データを用い、3次元波を生成する(ステップS111)。
海面データ生成部1112は、生成した3次元波の形状を、メッシュ毎の値(X、Y、h)に変換する。また、海面データ生成部1112は、メッシュ毎に波面に対する法線ベクトル(x、y、z)を算出する(ステップS112)。
続いて、レーダ装置の位置情報が入力される(ステップS113)。第1のビーム照射角計算部1114は、レーダ装置が送信した電波が、水平な海面に照射される際のビーム照射角である第1のグレージング角φを算出する(ステップS114)。
ビーム照射範囲計算部1118は、図9に示される照射面積と、図10に示される照射面積とを計算する。ビーム照射範囲計算部1118は、算出した2種類の面積のうち、小さい方の面積を照射面積とする(ステップS115)。
第2のビーム照射角計算部1115は、レーダ装置が送信した電波が、3次元波として規定される海面に照射される際のビーム照射角である第2のグレージング角φ’を算出する(ステップS116)。
後方散乱係数取得部1116は、シーステート及び算出された第2のグレージング角φ’を、記憶部12に記憶されるデータテーブルに照合させ、後方散乱係数をデータテーブルから取り出す(ステップS117)。
平均化処理部1117は、1つのAZビームにおいて、最大の受信電力から3dB以内の受信電力が計測される観測点を選択し、選択した観測点において取得される後方散乱係数の平均値を求める(ステップS118)。
有効反射面積計算部1119は、平均化処理部1117により算出された後方散乱係数と、ビーム照射範囲計算部1118により算出された照射面積とから、有効反射面積を算出する(ステップS119)。
分布補正部11110は、有効反射面積に分布テーブルを重畳させ、海面クラッタの分布を生成する(ステップS1110)。分布補正部11110は、模擬的に生成した海面クラッタを受信電力計算部112へ出力する。
以上のように、本実施形態に係る海面クラッタ模擬部111は、海面形状生成部1111により、複数の波を合成して3次元波の形状モデルを生成するようにしている。これにより、本実施形態に係る海面クラッタ模擬部111は、海流及び風波により生じる広い範囲で異なる状態の波を生成することが可能となる。
また、本実施形態に係る海面クラッタ模擬部111は、海面データ生成部1112により、3次元波の形状を各メッシュについての値に変換し、かつ、メッシュ毎に波面に対する法線ベクトルを算出する。第2のビーム照射角計算部1115は、メッシュ及び法線ベクトルを参照し、波高を有する波に対する第2のグレージング角φ’を算出する。そして、後方散乱係数取得部1116は、シーステート及び第2のグレージング角φ’をデータテーブルに照合させることで、後方散乱係数を取得するようにしている。これにより、本実施形態に係る海面クラッタ模擬部111は、海面のうねり及び起伏の変化を海面クラッタの変化として忠実に表現することが可能となる。
従来のレーダ画像模擬装置では、船舶等の海上目標を探知する捜索レーダの模擬において、アンテナの方位に関わらず、常にレーダを中心とした同心円のドーナツ状に輝度が変化している海面クラッタしか表現できなかった。本実施形態に係るレーダ画像模擬装置10によれば、より実機レーダに近い海面クラッタの輝度の変化が表現できる。
また、従来のレーダ画像模擬装置では、近年の超短パルス又は広帯域パルス圧縮技術を用いたレーダ装置の模擬において、この種のレーダ装置により捕捉される海流又は風波で生じる海面のうねりによる海面クラッタの変化、並びに、波長及び波高等の海面形状の変化による海面クラッタの変化を忠実に表現した海面クラッタの画像を生成することができなかった。本実施形態に係るレーダ画像模擬装置10によれば、海面のうねりや起伏の変化を海面クラッタの変化として忠実に表現した海面クラッタの画像を生成できる。
したがって、本実施形態に係るレーダ画像模擬装置10によれば、海面クラッタを忠実に模擬した海面クラッタの画像を、高速に生成することができる。
また、本実施形態に係る海面クラッタ模擬部111は、平均化処理部1117により、AZビームにおける後方散乱係数を、AZビーム内の観測点で計測される後方散乱係数の平均を取ることで算出している。これにより、本実施形態に係る海面クラッタ模擬部111は、特に遠方において海面に対する電波の照射面積が広くなる場合であっても、レーダ装置の探索領域における海面クラッタを忠実に模擬することが可能となる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…レーダ画像模擬装置、11…模擬処理部、111…海面クラッタ模擬部、1111…海面形状生成部、1112…海面データ生成部、1113…次元波海面データメモリ、1114…第1のビーム照射角計算部、1115…第2のビーム照射角計算部、1116…後方散乱係数取得部、1117…平均化処理部、1118…ビーム照射範囲計算部、1119…有効反射面積計算部、11110…分布補正部、112…受信電力計算部、113…受信器模擬部、114…信号処理模擬部、115…表示処理部、12…記憶部、20…表示部
Claims (9)
- 複数の波を合成して海面における3次元波の形状モデルを生成する海面形状生成部と、
レーダ装置の位置、前記レーダ装置と前記海面との距離、前記海面における前記3次元波の高さ、並びに、前記海面における前記3次元波の波面に対する法線から、前記レーダ装置から前記海面へ電波を照射した際のグレージング角を算出するビーム照射角計算部と、
前記グレージング角、及び前記海面の波の状態に基づいて後方散乱係数を取得する後方散乱係数取得部と、
前記レーダ装置から照射される電波のビーム幅、及び、前記距離に基づき、前記海面に前記電波が照射される面積を算出するビーム照射範囲計算部と、
前記後方散乱係数及び前記面積に基づいて有効反射面積を算出する有効反射面積計算部と、
前記有効反射面積に予め設定される分布データを重畳させる補正部と
を具備するレーダ画像模擬装置。 - 前記ビーム照射角計算部は、前記ビーム幅のうちAZビーム幅に含まれる複数の観測点について前記グレージング角を算出し、
前記後方散乱係数取得部は、前記複数のグレージング角それぞれに基づいて前記後方散乱係数を取得し、
前記レーダ画像模擬装置は、
前記複数の後方散乱係数を平均した値を前記有効反射面積計算部へ出力する平均化処理部をさらに具備する請求項1記載のレーダ画像模擬装置。 - 前記レーダ装置の位置、前記レーダ装置と前記海面との距離から、前記レーダ装置から水平な海面へ電波を照射した際の水平海面グレージング角を算出する水平海面ビーム照射角計算部をさらに具備し、
前記ビーム照射範囲計算部は、前記レーダ装置から照射される電波のビーム幅、及び、前記距離に基づいて第1の面積を算出し、前記レーダ装置から照射される電波のビーム幅、前記距離、前記レーダ装置から照射される電波のパルス幅及び前記算出される水平海面グレージング角に基づき、前記海面に前記電波が照射される第2の面積を算出し、前記第1又は第2の面積を前記有効反射面積計算部へ出力する請求項1又は2に記載のレーダ画像模擬装置。 - 複数の波を合成して海面における3次元波の形状モデルを生成し、
レーダ装置の位置、前記レーダ装置と前記海面との距離、前記海面における前記3次元波の高さ、並びに、前記海面における前記3次元波の波面に対する法線から、前記レーダ装置から前記海面へ電波を照射した際のグレージング角を算出し、
前記グレージング角、及び前記海面の波の状態に基づいて後方散乱係数を取得し、
前記レーダ装置から照射される電波のビーム幅、及び、前記距離に基づき、前記海面に前記電波が照射される面積を算出し、
前記後方散乱係数及び前記面積に基づいて有効反射面積を算出し、
前記有効反射面積に予め設定される分布データを重畳させる海面クラッタ模擬方法。 - 前記ビーム幅のうちAZビーム幅に含まれる複数の観測点について前記グレージング角を算出し、
前記複数のグレージング角それぞれに基づいて前記後方散乱係数を取得し、
前記複数の後方散乱係数を平均した値と、前記面積とに基づいて前記有効反射面積を算出する請求項4記載の海面クラッタ模擬方法。 - 前記レーダ装置の位置、前記レーダ装置と前記海面との距離から、前記レーダ装置から水平な海面へ電波を照射した際の水平海面グレージング角を算出し、
前記レーダ装置から照射される電波のビーム幅、及び、前記距離に基づいて算出する前記面積を第1の面積とし、
前記レーダ装置から照射される電波のビーム幅、前記距離、前記レーダ装置から照射される電波のパルス幅及び前記算出される水平海面グレージング角に基づき、前記海面に前記電波が照射される第2の面積を算出し、
前記後方散乱係数と、前記第1又は第2の面積とに基づいて前記有効反射面積を算出する請求項4又は5に記載の海面クラッタ模擬方法。 - 複数の波を合成して海面における3次元波を生成する処理と、
レーダ装置の位置、前記レーダ装置と前記海面との距離、前記海面における前記3次元波の高さ、並びに、前記海面における前記3次元波の波面に対する法線から、前記レーダ装置から前記海面へ電波を照射した際のグレージング角を算出する処理と、
前記グレージング角、及び前記海面の波の状態に基づいて後方散乱係数を取得する処理と、
前記レーダ装置から照射される電波のビーム幅、及び、前記距離に基づき、前記海面に前記電波が照射される面積を算出する処理と、
前記後方散乱係数及び前記面積に基づいて有効反射面積を算出する処理と、
前記有効反射面積に予め設定される分布データを重畳させる処理と
をレーダ画像模擬装置のコンピュータに実行させる海面クラッタ模擬プログラム。 - 前記グレージング角は、前記ビーム幅のうちAZビーム幅に含まれる複数の観測点毎に算出され、
前記後方散乱係数は、前記複数のグレージング角それぞれに基づいて取得され、
前記海面クラッタ模擬プログラムは、
前記複数の後方散乱係数を平均した値を、前記有効反射面積を算出する際の後方散乱係数とする処理をさらに前記レーダ画像模擬装置のコンピュータに実行させる請求項7記載の海面クラッタ模擬プログラム。 - 前記レーダ装置の位置、前記レーダ装置と前記海面との距離から、前記レーダ装置から水平な海面へ電波を照射した際の水平海面グレージング角を算出する処理と、
前記レーダ装置から照射される電波のビーム幅、及び、前記距離に基づいて算出する前記面積を第1の面積とし、前記レーダ装置から照射される電波のビーム幅、前記距離、前記レーダ装置から照射される電波のパルス幅及び前記算出される水平海面グレージング角に基づき、前記海面に前記電波が照射される第2の面積を算出する処理と
をさらに前記レーダ画像模擬装置のコンピュータに実行させ、
前記第1又は第2の面積を、前記有効反射面積を算出する際の面積とする請求項7又は8に記載の海面クラッタ模擬プログラム。
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