JP5978044B2 - エンジン - Google Patents
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Description
また、特許文献3、特許文献4及び特許文献5には、クランク室の正圧及び負圧をダイアフラム式燃料ポンプのダイアフラム室の動力源とする技術が開示されている。
以下、本発明のエンジンの好ましい第1の実施形態を図1に基づいて説明する。
図1は、本発明における第1の実施形態の概要説明図である。
なお、図1において、ピストンが上死点TDC(Top Dead Center)付近に位置した状態にあるときの4ストロークエンジン1を示している。
シリンダ部3は、このピストン9を図1中の上下方向に摺動移動させるための円柱状の空間を有している。そして、この空間内に、ピストン9が図1中において上下方向に摺動自在に間隙を有して嵌入されている。
シリンダ部3とクランクケース5及びピストン9によってクランク室7が形成されている。つまり、シリンダ部3の側面とピストン9で形成されるクランクケース5側の略円柱状空間と、クランクケース5との空間がクランク室7である。このクランク室7は、ピストン9が摺動移動するに従いその内部空間の容積が変化する。
また、シリンダヘッド26、シリンダ部3及びピストン9によって燃焼室8が形成されている。
オイルタンク15は、クランクケース5と別個に設けられ、オイルを貯留する。
ところで、ピストン9が下死点BDC(Bottom Dead Center)から上死点TDCまで移動するに従い、クランク室7内の圧力は負圧になる。逆に、ピストン9が上死点TDCから下死点BDCまで移動するに従い、クランク室7内の圧力は正圧になる。
しかし、クランク室逆止弁17が設けられていることから、クランク室7内の圧力は、容易に負圧にはなるものの、正圧はクランク室逆止弁17に用いられているバネ等の弾性力に打ち勝つだけの圧力までしか上がらない。そして、クランク室逆止弁17に用いられているバネ等の弾性力は比較的弱いことから、クランク室7は正圧側にはわずかにしか昇圧しない。
なおクランク室7は、ピストン9が下死点BDC(Bottom Dead Center)から上死点TDCまで移動するに従い、クランク室7内の圧力は負圧になることから、負圧部である。
なお、このクランク室7内の圧力は、クランク軸13aが1回転に付き1回の割合で変動する。この点が、クランク軸13aが2回転に付き1回の割合でしか変動しない吸気又は排気の圧力と異なる。
このクランク13は、回転中心となるクランク軸13a、カウンタウェイト等から構成されている。
そして、ピストン9とクランク13は、コネクティングロッド11によって接続されている。
コネクティングロッド11とピストン9及びコネクティングロッド11とクランク13は、回転自在に接続されている。
このような構成によって、ピストン9は、シリンダ部3内を往復摺動移動する。
そして、シリンダヘッド26には、キャブレタ25に連通する吸気ポート27、及び、排気マフラ(図示せず)に連通する排気ポート33が設けられている。
シリンダヘッド26には、吸気ポート27を開閉する吸気バルブ29が設けられている。
シリンダヘッド26には、排気ポート33を開閉する排気バルブ31が設けられている。
吸気ポート27は、吸気バルブ29が開閉する毎に負圧となる。そのため吸気ポート27は負圧部である。なお、クランク室7等も負圧部である。
また、排気バルブ31が開閉する毎に正圧となる排気ポート33等の正圧部も4ストロークエンジン1は有している。
そして、この負圧部と正圧部と、更に、正圧と負圧の両方に変化する部分とを合わせて圧力変化部という。
そのエアクリーナ21内に、フィルタ23が配置されている。このフィルタ23を空気が通過することによって、空気中のごみ等が除去される。
また、キャブレタ25において、空気中に燃料を混合するためにダイアフラム式燃料ポンプ109を有する。このダイアフラム式燃料ポンプ109は圧力変動を動力にして駆動されている。
圧力供給部115は、シリンダ部3において、クランク室側開口部103から、クランク室7側に開口している。
なお、ダイアフラム式燃料ポンプ109は、圧力変動に応じて変位するダイアフラム108が設けられている。
この第1の実施形態では、連通路104は圧力供給部115を介して、シリンダ部3の部分で開口しているが、その他の負圧部であっても良い。
連通路104が圧力供給部115を介して、シリンダ部3部分に開口した場合には、ダイアフラム式燃料ポンプ109にパルス的に負圧を供給することができる利点がある。なお、この点は、後述する。
なお、図2において、実線で示されたピストン9が上死点TDCにおけるピストン9の位置であり、2点鎖線で示されたピストン9が下死点BDCにおけるピストン9の位置である。
第1室131は、クランク室側開口部103を介して、シリンダ部3の内部側に開口している。
第2室129は、連通路104と直接接続されている。したがって、第2室129は、ダイアフラム室110(図1参照のこと)と連通している。そのため、第2室129内の圧力はダイアフラム室110にそのまま伝達される。
弾性膜127は、ダイアフラム式燃料ポンプ109のダイアフラム108(図4参照のこと)と同様に、流体を通過せず比較的大きく振動移動可能に形成されている。例えば、ゴムとの弾性部材によって形成して良い。さらに、蛇腹(Bellows)構造を有した金属膜、プラスチック膜であっても良い。
さらに、連通路104のクランク室7側のクランク室側開口部103は、ピストン9が上死点TDCにある場合に終端部9cが位置する位置よりもクランク軸13a側に開口するように形成されている。
このような位置にクランク室側開口部103を形成したことによって、正圧時に連通路104を閉じることができ、連通路104に実質的に負圧のみを供給することが可能となる。
そして、負圧も負圧が最大(最低)となる瞬間に、クランク室側開口部103に開口することができ、パルス状の負圧をダイアフラム室110に提供することができる。
そのことによって、より確実にダイアフラム式燃料ポンプ109を駆動することが可能となる。
コンプレッションリング53は、燃焼室8とクランク室7とを仕切るためのものであるから、シリンダ部3と常に密着している必要がある。しかし、他方でコンプレッションリング53は摺動移動することから摩耗を防ぐためにオイルによる潤滑が必要である。
そのためコンプレッションリング53とオイルリング51の間のオイルリング51よりも燃焼室8側のシリンダ部3とピストン9との間隙部にはオイルを多く存在させている。
ところで、本発明のエンジン(4ストロークエンジン1)を、刈払機、チェンソーなどのように姿勢の変動が大きな作業機に搭載した場合には、連通路104が下側になる姿勢で作業が行われる場合がある。また、作業者が連通路104を下側にして作業機を放置する場合もありうる。
これによれば、連通路104を介しキャブレタ25内にオイルが侵入することでキャブレタ25のダイアフラム108が正常に動作しないという不具合が起こる場合がある。
本発明は、このような不具合を後述の弾性膜によって防止するものである。
そこで、本実施形態では、クランク室側開口部103が、ピストン9が下死点BDCにある場合にピストン9のオイルリング51が位置する場所の近傍となる位置に形成して、ピストン9の小型化を図りつつ、オイルがクランク室側開口部103に集中することを防いでいる。
しかし、この位置(図2における位置)に設けたことによって、連通路104を介してダイアフラム室110に加わる負圧がパルス的になる。
なぜなら、このような位置に、クランク室側開口部103を設けると、クランク室7内が負圧となっても、ピストン9が上死点TDCの近傍に来るまで、クランク室側開口部103はピストン9のスカート部9bによって蓋がされた状態が維持される。
そして、ピストン9が上死点TDCの近傍に来るとクランク室7の負圧はほぼ最大(最低)の状態となる。その状態で、クランク室側開口部103の蓋として機能していたスカート部9bが移動して、その蓋として機能していたスカート部9bが除去されることとなる。その結果、連通路104を介してダイアフラム室110に加わる負圧がパルス的になるからである。
このような理由から、第1の実施形態では、ダイアフラム式燃料ポンプ109をより強力に駆動することが可能となる。もっとも、この位置ではなくても負圧がある場所であればダイアフラム式燃料ポンプ109は駆動可能であることはいうまでもない。
通常は、連通路104は空気によって満たされるが、これに限定されない。例えば、窒素ガス等であってよい。
さらに、液体(オイル等)が、連通路104に満たされていてもよい。
また、サイド部材55は、たとえば、各種のオイルの通過経路、燃料の通過経路、空気の通過経路、ブローバイガスの通過経路が形成されていても良い。
さらに、サイド部材55は、キャブレタ25、エアクリーナ21等を保持するための部材として機能しても良い。また、このサイド部材55と、キャブレタ25、エアクリーナ21等が一体に形成されていても良い。
この第1室131は、複数の空洞部分116から構成される。具体的には、シリンダ部3の外部側から順に、第1円柱状空間部116a、第2円柱状空間部116b、第3円柱状空間部116c、第4円柱状空間部116dを有している。
第1円柱状空間部116aの直径は、第2円柱状空間部116bの直径よりも大きく形成されている。
第2円柱状空間部116bの直径は、第3円柱状空間部116cよりも大きく形成されている。
第3円柱状空間部116cの直径は、第4円柱状空間部116dよりも大きく形成されている。
また、第1円柱状空間部116aの中心軸、第2円柱状空間部116bの中心軸、第3円柱状空間部116c及び第4円柱状空間部116dの中心軸は、同一の軸上に形成されている。
なおこの円柱形状の第2室129の断面形状は、第1円柱状空間部116aの断面形状と同一に形成される。
この弾性膜127は、サイド部材55のシリンダ部3側の側面と、シリンダ部3の外側方向側面とによって、挟み込まれて保持されている。
なお、図3では、弾性膜127の保持用に、円柱状の凹み部等は設けられていないが、円柱状の凹み部があれば、その中に弾性膜127の円周端部がはめ込まれていてもよい。
この付勢手段143は、弾性部材133(つる巻バネ)と弾性部材保持部141を有している。
弾性部材保持部141は、第1保持部135及び第2保持部137を有している。
第1保持部135は、高さの低い円柱状の形状を有している。第2保持部137は、内部に円柱状の内部空間139を有する円筒状の形状を有している。
第1保持部135は弾性膜127と接着等で接続されている。内部空間139内に、外周面がこの内部空間139の内周面と同一の弾性部材133が挿入される。
これによって、弾性部材133が保持される。
弾性部材133の、前記内部空間139に挿入されるのとは反対側端部は、第3円柱状空間部116cに挿入される。
そして、第3円柱状空間部116cの第4円柱状空間部116d側の端部に、弾性部材133の前記内部空間139に挿入されるのとは反対側端部が当接する。
この状態において、弾性部材133は圧縮された状態となるように形成される。
特に、弾性膜127は、弾性を有する必要性からゴム等で形成する必要があり、通常の物質から形成してしまうと、耐オイル性、特に耐熱性が劣る場合がある。
そのため、弾性膜127は、耐オイル性、特に耐熱性を有する物質で形成する。
このように、ボルト部材125によってサイド部材55が取り付けられることから、容易にサイド部材55をシリンダ部3の所定の位置に位置決め固定することができる。
また、サイド部材55が容易に取り付けられることから、結果的に、圧力供給部115(特に、弾性膜127)を容易に位置決め・固定することができる。
その結果、4ストロークエンジン1の組み立て性が向上する。また、部品点数を削減することができる。
なお、ボルト部材125は、ボルトに限定されず、サイド部材55をシリンダ部3の所定の位置に位置決め・固定することができるものであればどのようなものであっても良い。
キャブレタ本体1102には、クランク室7に連通する連通路104が形成されている。
この連通路104をダイアフラム式燃料ポンプ109の一方の側(図中上面)であるダイアフラム室110に臨ませている。
このダイアフラム式燃料ポンプ109の他方の側(図中下面)には、ポンプ室1108が形成されている。
ポンプ室1108には、インレットバルブ1110を介してフューエルインレット1112が連通し、アウトレットバルブ1114およびニードルバルブ1116を介してメタリングダイアフラム1120のメタリングチャンバ1118が連通している。
なお、フューエルインレット1112は、フューエルタンク(図示せず)に接続されている。
また、連通路104のクランク室7側のクランク室側開口部103は、クランク室7のシリンダ部3に形成されている。
前述したように、この圧力変化のうち負圧のみが、連通路104を介してダイアフラム室110に作用する。
そして、ダイアフラム室110に作用する負圧によってダイアフラム式燃料ポンプ109は駆動される。
より具体的には、ダイアフラム式燃料ポンプ109のダイアフラム室110に負圧が作用して、ダイアフラム108がダイアフラム室110側に撓む時に、ポンプ室1108側に負圧が作用する。このポンプ室1108の負圧によって、アウトレットバルブ1114が閉じられたままインレットバルブ1110が開弁し、フューエルインレット1112からポンプ室1108に燃料が吸入される。
次に、この状態でダイアフラム式燃料ポンプ109のダイアフラム室110に作用していた負圧が正圧に転じると、ダイアフラム108の弾性作用によってダイアフラム108が元の状態に戻ろうとする。
そうすると、ポンプ室1108側に正圧が作用することになる。
そして、ダイアフラム108の運動によってポンプ室1108側に正圧が作用すると、インレットバルブ1110が閉じられたままアウトレットバルブ1114が開弁し、ポンプ室1108から燃料が吐出される。
この吐出された燃料は、ニードルバルブ1116を介してメタリングダイアフラム1120のメタリングチャンバ1118に供給される。
背圧室1122には4ストロークエンジン1の圧力が作用しており、メタリングダイアフラム1120は、4ストロークエンジン1の圧力とメタリングチャンバ1118との圧力差によって駆動されることとなる
なお、この背圧室1122とエンジンの負圧とを連通する通路は図示していない。
このメタリングダイアフラム1120は、コントロールレバー1124を介して上記のニードルバルブ1116に接続されており、このメタリングダイアフラム1120の作動によってニードルバルブ1116が開閉するようにしている。
具体的には、メタリングチャンバ1118が燃料で満たされると、メタリングチャンバ1118が昇圧し、メタリングダイアフラム1120が背圧室1122側に撓む。
このとき、コントロールレバースプリング1126の弾性力により、コントロールレバー1124は、その一端(図中左側)が押し下げられるとともに、他端(図中右側)が押し上げられるように回動する。
こうしたコントロールレバー1124の回動動作によって、ニードルバルブ1116が押し上げられ、ポンプ室1108とメタリングチャンバ1118の連通が遮断されることとなる。
この通路1128は、上流側(エアクリーナ21側)を大径部1128aとし、下流側(吸気ポート27側)を大径部1128aよりも小径のベンチュリ部1128bとしており、このベンチュリ部1128bに、その開度を変位させるスロットルバルブ1130が設けられている。
このスロットルバルブ1130は、その回転軸を通路1128に直交させており、回転レバー1130aを操作することによって図中上下方向にスライドしながら回転し、その回転量によってベンチュリ部1128bの開度が変位するようにしている。
この第1アジャスタスクリュ1131には、その回転軸と同軸状に、第2アジャスタスクリュ1132が設けられている。第2アジャスタスクリュ1132は、図中の上下方向に延びるように設けられ、上方から下方に向かって、後述するノズル1134の内径寸法と略同一の外径寸法から二段階に外形寸法が小さくなる。
第2アジャスタスクリュ1132の先端には、後述するメインジェット1136を切り換えるための切り換え部1132aが設けられている。この第1アジャスタスクリュ1131は、スロットルバルブ1130に対して一方(ねじ締めつけ方向)に回転すると図中下方に移動し、これとは逆に、スロットルバルブ1130に対して他方(ねじ戻し方向)に回転すると図中上方に移動する。
第2アジャスタスクリュ1132は、第1アジャスタスクリュ1131と同様に、第1アジャスタスクリュ1131に対して一方(ねじ締めつけ方向)に回転すると図中下方に移動し、これとは逆に、第1アジャスタスクリュ1131に対して他方(ねじ戻し方向)に回転すると図中上方に移動する。
さらに、ノズル1134には、通路1128に開口する孔1134bが形成されており、この孔1134bに連通する基端1134cを、メタリングチャンバ1118に臨ませている。
なお、孔1134bとメタリングチャンバ1118との間には、混合比調整手段且つ燃料調整機構としてのメインジェット1136およびメインチェックバルブ1138が設けられている。
メインジェット1136は、第2アジャスタスクリュ1132の切り換え部1132aによって第1メインジェット部1136a及び第2メインジェット部1136bの一方が閉鎖され、他方がノズル1134の孔1134bとメタリングチャンバ1118とを連通する。メインジェット1136は、第2アジャスタスクリュ1132を第1アジャスタスクリュ1131に対して回転させることにより、第1メインジェット部1136a及び第2メインジェット部1136bの閉鎖と開放が切り換えられる。
つまり、メインジェット1136は、使用する燃料に応じて第1アジャスタスクリュ1131に対して第2アジャスタスクリュ1132を回転させることにより、第1メインジェット部1136a及び第2メインジェット部1136bの一方に燃料を流通させる。
図7は、第2の実施形態の説明図である。
ダイアフラム式燃料ポンプ109側の第2断面積S2では、ダイアフラム108が延在する方向である。換言すると、ダイアフラム式燃料ポンプ109側では、ダイアフラム108の法線方向に対して直交する平面での断面積である。
圧力供給部115側では、弾性膜127が延在する方向である。換言すると、圧力供給部115側では、弾性膜127の法線方向に対して直交する平面での断面積である。
このように、第2断面積S2と、第1断面積をS1とを、別々に設定することが可能となることから、ダイアフラム式燃料ポンプ109を駆動させるのに必要とされる圧力(振幅)を、適切に供給することが可能となる。
具体的には、ダイアフラム式燃料ポンプ109を駆動するのに大きな振幅が必要とされる場合には、第1断面積S1を大きくすることが可能となる。
逆に、ダイアフラム式燃料ポンプ109を駆動するのに小さな振幅で足りる場合には、第1断面積S1を小さく設計することが可能となる。
特に、本発明のように、圧力供給部115(弾性膜127)を用いたことから、連通路104にオイル等が侵入しない構成、かつ、負圧と正圧の両方を用いることができることから、弾性膜127の連通する対象部分が特定の部分(例えばクランク室7)に限定されることがなくなる。その結果、圧力変動のある圧力変動部であれば、任意の位置に配置することができる。
そして、圧力変動幅が少ない部分を弾性膜127の連通する対象部としたとしても、第1断面積S1を大きく設計すれば、ダイアフラム式燃料ポンプ109を駆動させることが可能となる。
つまり、第1断面積S1と第2断面積S2とを異ならせることによって、弾性膜127の連通する対象部を自由に位置させることができるという、設計の自由度を得ることが可能となる(図8も参照のこと)。
図8は、第3の実施形態の説明図である。
なぜなら、本発明では、負圧と正圧の両方を用いることができることから、弾性膜127の連通する対象部分が特定の部分(例えば、シリンダ部3)に限定されることがなくなるからである。
また、連通路104にオイル等が侵入しない構成であることから、正圧ともなるクランクケース5に設けることもできるからである。
図9は、第4の実施形態の説明図である。
この場合には、より確実に圧力供給部115の圧力をダイアフラム室110に供給することが可能となる。
図9では、負圧を利用する構成であるが、正圧を利用するダイアフラム式燃料ポンプ109に用いる構造等ではより効果が高い。なお、負圧の場合でも大気圧の範囲では有効に利用できる。
なお、負圧を利用する。
図10は、第5の実施形態の説明図である。
また、高温の地域で4ストロークエンジン1を使用すれば、燃焼室8内部での燃焼による熱とは無関係に連通路104内が高温となる。
そのように連通路104内が高温となると、図3での弾性膜127は、第1室131側に常に当接してしまうことになる。そうすると、圧力供給部115は、ダイアフラム式燃料ポンプ109に圧力変動を供給することができなくなる。
また、高地などで、気圧の低い場所でも同様の事態が生じるおそれがある。
そこで、図10のように、大気圧連通路107を有している。
この大気圧連通路107は、エアクリーナ21内に大気圧開口部111を有している。
この大気圧連通路は、ダイアフラム108の変動によっては、ほとんど連通路104内部の気体が入出しない程度の開口面積で大気圧側と連通している。これによって、大気圧開口部111が存在することによって、ダイアフラム室110へ供給される圧力変動割合が低下して、ダイアフラム式燃料ポンプ109の性能低下を防ぎつつ、熱及び大気圧による影響を低減することが可能となる。
なお、大気圧連通路107からの空気の流失及び流入はゆっくりであっても足りるので、ほとんど連通路104内部の気体が入出しない程度の開口面積で大気圧側と連通していても問題が無い。
図11は、第6の実施形態の説明図である。
本発明の4ストロークエンジン1は、ピストン9と、キャブレタ25と、弾性膜127と、弾性膜127の一方の側に形成される第1室131と、弾性膜127の他方の側に形成される第2室129と、を有し、キャブレタ25は、ダイアフラム式燃料ポンプ109を有し、ダイアフラム式燃料ポンプ109は、ポンプ室1108を駆動する圧力が供給されるダイアフラム室110と、燃料を吸入及び吐出するポンプ室1108と、を有し、第1室131は、ピストン9の移動によって圧力が変動する圧力変動部(例えば、シリンダ部3)と連通し、第2室129は、ダイアフラム室110と連通する。
このような構成を有することから、ダイアフラム式燃料ポンプのダイアフラム室へ圧力変動部の圧力変動による駆動力を提供しつつ、その圧力変動をダイアフラム室に提供する連通路内へのオイルの流入を防止することが可能なエンジンを提供することが可能となる。
このような構成を有することから、負圧を有効に利用して、ダイアフラム式燃料ポンプ109を駆動することが可能となる。
このような構成を有することから、ダイアフラム室110へパルス的な負圧を供給することができ、ダイアフラム式燃料ポンプ109の性能を向上させることができる。
このような構成を有することから、クランク室側開口部103にオイルが付着することを低減することができる。
このような構成を有することから、ピストン9の小型化を図りつつ、オイルがクランク室側開口部103に集中すること防いでいる。
このような構成を有することから、弾性膜127を有する4ストロークエンジン1を容易に組み立てることが可能となる。また、部品点数を削減することができる。
このような構成を有することから、弾性膜127の連通する対象部を自由に位置させることができるという、設計の自由度を得ることが可能となる。
このような構成を有することから、圧力変動の小さな部分に対して連通する圧力供給部115を設けることが可能となる。
このような構成を有することから、高温での使用、低圧での使用等の環境下でも確実にダイアフラム式燃料ポンプ109を駆動することが可能となる。
このような構成を有することから、圧力供給部115の圧力をより確実に、ダイアフラム室110に供給することが可能となる。
本発明における負圧部は、一定圧から定期的に負圧になる部分であれば、どのような部分であっても良い。例えば、クランク室7のシリンダ部3部分であっても良いし、クランク室7のクランクケース5部分であってよいし、吸気ポート27部分等であってよい。
また、上記の実施形態においては、シリンダヘッド26、シリンダ部3とが分離しているエンジンについて説明したが、シリンダヘッドとシリンダ部とが一体に形成されており、ピストンとで燃焼室が形成されるものであっても、本発明は上述の効果を同様に発揮することができる。
Claims (9)
- ピストンと、キャブレタと、弾性膜と、前記弾性膜の一方の側に形成される第1室と、前記弾性膜の他方の側に形成される第2室と、を有し、
前記キャブレタは、ダイアフラム式燃料ポンプを有し、
前記ダイアフラム式燃料ポンプは、燃料を吸入及び吐出するポンプ室と、前記ポンプ室を駆動する圧力が供給されるダイアフラム室と、を有し、
前記第1室は、前記ピストンの移動によって圧力が変動する圧力変動部と連通し、
前記第2室は、前記ダイアフラム室と連通し、
シリンダ部の側面に配置されるサイド部材を有し、
前記サイド部材内に、前記第2室と前記ダイアフラム室と連通する連通路が形成され、
前記サイド部材と前記シリンダ部とによって前記弾性膜を挟みこむことによって、前記弾性膜を所定の位置に位置決め固定する
エンジン。 - 前記弾性膜を前記第2室側へ付勢する付勢手段を有する
請求項1に記載のエンジン。 - 前記第2室は、クランク室の前記ピストンが往復移動するシリンダ部の前記ピストンが上死点にある場合に前記ピストンのスカート部の終端部が位置する位置の近傍位置で、シリンダ部内に連通するように形成されている
請求項2に記載のエンジン。 - 前記第2室は、クランク室の前記ピストンが往復移動するシリンダ部の前記ピストンが下死点にある場合にピストンリングが位置する位置よりもクランク軸側で、シリンダ部内に連通するように形成されている
請求項2に記載のエンジン。 - 前記第2室は、前記ピストンが下死点にある場合に前記ピストンのピストンリングが位置する場所の近傍となる位置に形成されている
請求項4に記載のエンジン。 - 前記ポンプ室と前記ダイアフラム室において、ダイアフラムが形成される方向での第1断面積と、
前記第1室及び前記第2室において、前記弾性膜が形成される方向での第2断面積と、
が異なるように形成される
請求項1に記載のエンジン。 - 前記第1断面積よりも前記第2断面積を大きく形成している
請求項6に記載のエンジン。 - 前記第2室と前記ダイアフラム室とを連通する連通路を有し、
前記連通路は、前記ダイアフラムの変動によっては、ほとんど前記連通路内部の気体が入出しない程度の開口面積で大気圧側と連通している
請求項1に記載のエンジン。 - 前記連通路には、液体が充填されている
請求項1に記載のエンジン。
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