<遊技機の構成>
図1を用いて、まず、遊技機100の構成について説明する。図1は、本実施形態の遊技機100の正面図である。遊技機100は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すパチンコ遊技機である。
遊技機100は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠160と、その外枠160の前方側で該外枠160と回動可能に支持された内枠170、及びその内枠170の前方側で該内枠170と回動可能に支持されたガラス枠150を備えている。内枠170には、遊技機100を構成する主要な機構や部品及び後述する様々な基板等が設けられると共に、遊技球が流下する遊技領域106が形成された遊技盤102が着脱自在に設けられている。ガラス枠150には、回動操作されることにより遊技領域106に向けて遊技球を発射させる発射ハンドル装置103と、スピーカからなる音声出力装置132と、複数のランプを有する演出用照明装置134等が設けられている。
更に、ガラス枠150には、複数の遊技球を貯留する上皿140が設けられており、この上皿140には、押圧操作により演出態様を変更させるための第1演出ボタン135及び第2演出ボタン136と、押圧操作により上皿140に貯留する遊技球を下皿141に流下させる玉抜ボタン140aが設けられている。なお、下皿141は、上皿140の下方に配置され、上皿140に貯留しきれない遊技球を貯留するための皿である。この下皿141には、横へのスライド操作により下皿141に貯留する遊技球を機外に排出する玉抜レバー141aが設けられている。この玉抜レバー141aを操作することにより、遊技者は、大当りなどで下皿141が満タンになって貯留しきれなくなった遊技球を、下皿141から落下させて図示しない玉箱等に排出することが可能となる。なお、この玉抜レバー141aは、スライド式でなく、玉抜ボタン140aと同様な押圧式であってもよい。
また、上皿140は、発射ハンドル装置103の方向に遊技球が流下するように下りの傾斜を有しており、この下りの傾斜の端部には、遊技球を受け入れる図示しない受入口が設けられている。従って、この受入口に受け入れられた遊技球は、破線で示す発射レール104に送り出されてその発射レール104の下り傾斜の端部で停留する。そして、遊技者が発射ハンドル装置103の操作ハンドル107を回動させると、その回動量に伴って所定の発射強度で遊技球が遊技領域106に発射される。なお、発射ハンドル装置103には、大当り確定予告演出等を実行するための演出用ハンドル装置362(バイブレーター用モータ363、エアー送出用ファン364、フラッシュ用LED365、図3参照)が設けられている。
上記のようにして発射された遊技球は、発射レール104から外レール105a、内レール105b間を上昇して玉戻り防止片105cを超えると遊技領域106に到達し、その後遊技領域106内を落下する。このとき、遊技領域106に設けられた図示しない複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下する。
遊技領域106の中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を有する第1始動入賞装置112が設けられている。この第1始動入賞装置112は、一般入賞装置タイプの入賞装置であって、遊技球の入球を検出する第1始動入賞装置検出スイッチ312(図3参照)が設けられている。そして、第1始動入賞装置検出スイッチ312が遊技球の入球を検出すると、後述する「特別図柄の抽選」(以下、「大当りの抽選」ともいう)が行われると共に、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
また、第1始動入賞装置112の下方には、遊技球が入球可能な始動領域を有する第2始動入賞装置115が設けられている。第2始動入賞装置115は、一対の可動片115bを有したいわゆるチューリップ式電動役物であって、これら一対の可動片115bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片115bが開状態となる第2の態様とに可変制御される。なお、第2始動入賞装置115が第1の態様に制御されているときには、遊技球の受入れを不可能としている(図1では、第2始動入賞装置115が第1の態様に制御されているときを示している)。一方で、第2始動入賞装置115が第2の態様に制御されているときには、一対の可動片115bが受け皿として機能し、第2始動入賞装置115への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動入賞装置115は、第1の態様にあるときには、遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
また、第2始動入賞装置115には、遊技球の入球を検出する第2始動入賞装置検出スイッチ315(図3参照)が設けられている。そして、第2始動入賞装置検出スイッチ315が遊技球の入球を検出すると、上記第1始動入賞装置112と同様に、後述する「特別図柄の抽選」(以下、「大当りの抽選」ともいう)が行われると共に、第1始動入賞装置112と同じ賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
遊技領域106の左側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を有する普通図柄作動ゲート113aが設けられている。普通図柄作動ゲート113aには、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ330a(図3参照)が設けられており、このゲート検出スイッチ330aが遊技球の通過を検出すると、後述する「普通図柄の抽選」(以下、「当りの抽選」ともいう)が行われる。なお、普通図柄作動ゲート113aを遊技球が通過しても、その通過に基づいた賞球が払い出されることはない。
遊技領域106の右側の領域には、上から順に、遊技球が通過可能な普通領域を有する普通図柄作動ゲート113bと、遊技球が入球可能な大入賞装置117と、遊技球を第2始動入賞装置115へ誘導する誘導板116とが設けられている。普通図柄作動ゲート113bは、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ330b(図3参照)が設けられており、上記普通図柄作動ゲート113aと同一機能を有している。
大入賞装置117は、いわゆるアタッカ型電動役物であって、その下部には、遊技盤面側からガラス板側に立設可能な開閉扉117bを有しており、この開閉扉117bが遊技盤面側に立設する開放状態と、遊技盤面に埋没する閉鎖状態とに可動制御される(図1では、開閉扉117bが開放状態に制御されているときを示している)。そして、開閉扉117bが遊技盤面に立設していると、遊技球を大入賞装置117内に導く受け皿として機能し、遊技球が大入賞装置117に入球可能となる。また、大入賞装置117には大入賞装置検出スイッチ317(図3参照)が設けられており、この大入賞装置検出スイッチ317が遊技球の入球を検出すると、所定の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
誘導板116は、遊技盤面側に突設する板状部材であって、遊技領域106の右側の領域を落下して誘導板116に到達した遊技球を、第2始動入賞装置115の方向に遊技球を転動させて誘導するよう下り傾斜を有している。つまり、誘導板116は、第2始動入賞装置115が第2の態様にあるときに、当該第2始動入賞装置115への遊技球の入賞を容易にする部材である。なお、遊技領域106の最下部には、第1始動入賞装置112、第2始動入賞装置115、大入賞装置117のいずれにも入球しなかった遊技球を遊技盤102から排出するためのアウト口111が設けられている。
遊技領域106の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなるメイン表示装置131が設けられており、このメイン表示装置131は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、第1始動入賞装置112、第2始動入賞装置115の遊技球の入賞に基づいて、図柄合わせゲームとして特別図柄の抽選結果を報知するための複数の演出図柄が変動表示され、特定の演出図柄の組合せ(例えば、777等)が停止して確定表示されることにより、特別図柄の抽選結果として大当りが報知される。
つまり、演出図柄は、第1始動入賞装置112、第2始動入賞装置115に遊技球が入賞したときには、後述する第1特別図柄表示装置120、第2特別図柄表示装置122に表示される特別図柄の変動表示に合わせて変動表示すると共に、所定の変動時間経過後に特別図柄の停止表示に合わせて停止表示する。すなわち、メイン表示装置131による演出図柄の変動表示と第1特別図柄表示装置120、第2特別図柄表示装置122による特別図柄の変動表示のタイミングは、同期している。また、この演出図柄の変動表示中(図柄合わせゲーム中)に、様々な画像やキャラクタ等を表示することによって、大当りに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもなっている。
また、メイン表示装置131の略中央上部には、図1に示すように、サブ表示装置139が設けられており、このサブ表示装置139は、メイン表示装置131にて表示される画像に関連して、該メイン表示装置131の表示画像の補助的な画像を演出表示したりする。なお、サブ表示装置139は、図示した位置に限らず、メイン表示装置131の近傍であれば、どこに配置してもよいし、例えばメイン表示装置131の画面の前面に移動可能に構成してもよい。また、本実施形態においては、メイン表示装置131及びサブ表示装置139を液晶表示装置として用いているが、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイを用いてもよいし、プロジェクターや、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス、回転ドラム等の表示装置を用いてもよい。
更に、遊技盤102の背面には、各種の演出に用いられる可動役物としてのギミック109が設けられている。ギミック109は、遊技盤102に対して可動可能に構成され、遊技者によるゲームの進行に応じて所定の動作で移動させることによって各種の演出を行う。ギミック109は、初期的には遊技盤102の背面に配置され、メイン表示装置131の画面の前面に移動可能に構成されている。
遊技盤102の内レール105bの右下方には、普通図柄表示装置118、第1特別図柄表示装置120、第2特別図柄表示装置122、普通図柄保留表示器119、第1特別図柄保留表示器123、第2特別図柄保留表示器124が設けられている。第1、第2特別図柄表示装置120、122は、第1、第2始動入賞装置112、115に遊技球が入球したこと(後述する第1、第2始動入賞装置検出スイッチ312、315が遊技球の入球を検出したこと)を契機として行われた大当りの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当りの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1、第2特別図柄表示装置120、122に大当りの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当りに当選した場合には「7」が表示され、はずれであった場合には「−」が表示される。
ここで、「特別図柄の抽選」とは、第1、第2始動入賞装置112、115に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「大当り」に対応する値と比較することにより、大当りか否かを判定する処理をいう。この大当りの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1、第2特別図柄表示装置120、122において特別図柄の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当りの抽選結果に対応する特別図柄が停止後確定表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようになっている。また、メイン表示装置131では、上記したように第1、第2特別図柄表示装置120、122の特別図柄の変動表示と同期して演出図柄を変動表示する図柄合わせゲームが行われ、この図柄合わせゲームにより、より効果的に大当りの抽選結果が遊技者に報知される。
普通図柄表示装置118は、普通図柄作動ゲート113a、113bを遊技球が通過したこと(後述するゲート検出スイッチ330a、330bが遊技球の入球を検出したこと)を契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するものであり、1つのLED(図示では「◎」)で構成されている。つまり、普通図柄表示装置118は、普通図柄の抽選によって当りに当選すると普通図柄表示装置22が点灯することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。なお、普通図柄表示装置118は、1つのLEDに限らず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能なランプ)で構成されていてもよい。この普通図柄の抽選によって当りに当選すると、第2始動入賞装置115が所定時間、第2の態様(可動片115bが開状態)に制御される。
ここで、「普通図柄の抽選」とは、普通図柄作動ゲート113a、113bに遊技球が通過したときに、普通図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「当り」に対応する値と比較することにより、当りか否かを判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、普通図柄作動ゲート113a、113bを遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置122において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止後確定表示(点灯又は消灯)して、遊技者に抽選結果が報知されるようになっている。
また、第1特別図柄表示装置120又は第2特別図柄表示装置122において特別図柄の変動表示中、第1、第2始動入賞装置112、115に遊技球が入球して、即座に大当りの抽選が行えない場合には、一定の条件下で、大当りの抽選の権利が保留される。より詳細には、第1、第2始動入賞装置112、115に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用の乱数を保留して記憶する。
この保留は、上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器123と第2特別図柄保留表示器124とに表示される。ここで、第1、第2特別図柄保留表示器123、124において、保留が1つの場合には左側のLEDが、保留が2つの場合には左右2つのLEDが点灯し、保留が3つの場合には左側のLEDが点滅すると共に右側のLEDが点灯し、保留が4つの場合には、左右2つのLEDが点滅する。この第1、第2特別図柄保留表示器123、124の表示態様は、これに限らず、例えば4つのLEDを横一列に並べて、保留の発生に対して左側のLEDから順に点灯するようにしてもよい。
また、特別図柄と同様に、普通図柄の変動表示中、普通図柄作動ゲート113a、113bを遊技球が通過して、即座に当りの抽選が行えない場合には、一定の条件下で、当りの抽選の権利が保留される。より詳細には、普通図柄作動ゲート113a、113bに遊技球が入球したときに取得された普通図柄判定用の乱数を保留して記憶する。この保留は、上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、普通図柄保留表示器119に表示される。なお、普通図柄保留表示器119の表示態様は、上記した第1、第2特別図柄保留表示器123、124の表示態様に準じ、ここでの説明は省略する。
第1演出ボタン135は、主として「決定ボタン」の機能を果たし、第2演出ボタン136は、主として「選択ボタン」の機能を果たすものである。この第1演出ボタン135には、1つの押圧操作を検出する第1演出ボタン検出スイッチ335(図3参照)が設けられ、第2演出ボタン136には、複数の押圧操作を検出する第2演出ボタン検出スイッチ336a〜336e(図3参照)が設けられている。そして、これらの第1演出ボタン検出スイッチ335又は第2演出ボタン検出スイッチ336a〜336eから遊技者の押圧操作が検出されると、メイン表示装置131に表示される画像が変更されることになる。なお、本実施形態では、第1演出ボタン135、第1演出ボタン検出スイッチ335、第2演出ボタン136、第2演出ボタン検出スイッチ336a〜336eを総称して「入力装置137」ともいう。
<遊技内容の説明>
図1を参照して、次に、上記したように構成される本実施形態の遊技機100における遊技の主な流れについて説明する。まず、遊技者は、通常遊技状態(後述する大当り、時短遊技状態以外の遊技状態)で、普通図柄の当り及び特別図柄の大当りを獲得すべく、図1の矢印Aに示すように、操作ハンドル107の回動量を小さくして「左打ち」を行い、遊技領域106の左上に位置する普通図柄作動ゲート113a及び遊技領域106の略中心のいわゆる「ヘソ」に位置する第1始動入賞装置112を狙って遊技球を発射する。
この通常遊技状態で、操作ハンドル107の回動量を大きくする「右打ち」を行わないのは、遊技領域106の右上に位置する普通図柄作動ゲート113bは通過しても、釘の配列上、「ヘソ」に位置する第1始動入賞装置112には入賞し難くなっているからである。なお、この状態では、第2始動入賞装置115(以下、「電チュー115」ともいう)は遊技球の入賞できない第1の態様になっている。
そして、普通図柄作動ゲート113aを遊技球が通過すると、その通過に基づいて普通図柄表示装置118に普通図柄の変動表示が開始されて普通図柄の当りの抽選に係る図柄合わせゲームが行われ、一方、第1始動入賞装置112に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて第1特別図柄表示装置120に特別図柄の変動表示が開始され、更にこの特別図柄の変動表示と同期して、メイン表示装置131に演出図柄の変動表示が開始され、特別図柄の大当りの抽選に係る図柄合わせゲームが行われる。
図2を参照して、ここで、本実施形態の遊技機100において用いられる主な乱数について説明する。図2は、本実施形態の遊技機100における各種乱数のうち、大当り乱数、大当り図柄乱数、リーチ乱数、当り乱数及び当り図柄乱数が取得される乱数テーブルの説明図であり、(a)は大当り乱数テーブル、(b)は大当り図柄乱数テーブル、(c)はリーチ乱数テーブル、(d)は当り乱数テーブル、(e)は当り図柄乱数テーブルの一例をそれぞれ示した図である。特別図柄(演出図柄)は、図2(a)に示す大当り乱数テーブルにより取得される大当り乱数と、図2(b)に示す大当り図柄乱数テーブルにより取得される大当り図柄乱数とに基づいて生成され、また、普通図柄は、図2(d)に示す当り乱数テーブルにより取得される当り乱数と、図2(e)に示す当り図柄乱数テーブルにより取得される当り図柄乱数とに基づいて生成される。
図2(a)に示す大当り乱数テーブルでは、第1始動入賞装置112、電チュー115の入賞時、例えば「0」〜「299」までの300個の乱数の中から一つの乱数値が取得される。大当り乱数テーブルの場合、低確率遊技状態(大当り確率が低確率になっている遊技状態)では、大当りの割合が、例えば1/300に設定され、取得した大当り乱数値が「3」のときに大当りと判定される。
一方、高確率遊技状態(大当り確率が高確率になっている遊技状態)では、大当りの割合が低確率遊技状態の10倍の10/300に設定され、取得した大当り乱数値が「3」、「7」、「37」、「67」、「97」、「127」、「157」、「187」、「217」、「247」のときに大当りと判定される。
更に、大当り乱数テーブルでは、小当りの抽選も行っている。図2(a)に示す例では、小当りの割合が6/300に設定され、取得した大当り乱数値が「0」、「50」、「100」、「150」、「200」、「250」のときに小当りと判定される。
図2(b)に示す大当り図柄乱数テーブルでは、「0」〜「249」までの250個の乱数の中から一つの乱数値が取得される。そして、取得した大当り図柄乱数に基づいて、複数種類の大当りの中から何れか1つの大当りを決定する。本実施形態の遊技機100では、複数種類の大当りとして、通常4R大当り(時短無し)、確変16R大当り(時短付)及び確変4R大当り(時短無し)の3種類の大当りが用意されている。なお、この大当りの種類は、例えばラウンド数の異なるものや、大入賞装置117の開閉扉117bの開閉態様が相違する(例えば、開閉時間や規定入賞数が相違する)ものなど、4種類以上あってもよい。
通常4R大当りは、大当り遊技時におけるラウンド数が4ラウンドであって、ラウンドにおける大入賞装置117の開閉扉117bは、所定時間経過(例えば29.5秒)又は規定入賞数(max9個)の遊技球が入賞するまで開放される大当りであり、賞球としての出球の払い出しはあまり期待できない(例えば500個)大当りである。
確変16R大当りは、大当り遊技時におけるラウンド数が16ラウンドであって、ラウンドにおける大入賞装置117の開閉扉117bは、所定時間経過(例えば29.5秒)又は規定入賞数(max9個)の遊技球が入賞するまで開放される大当りであり、賞球としての出球の払い出しが期待できる(例えば2000個)と共に、大当り遊技終了後、次の大当りになるまで高確率遊技と時短遊技の両方を付与する大当りである。
確変4R大当りは、大当り遊技時におけるラウンド数が4ラウンドであって、ラウンドにおける大入賞装置117の開閉扉117bは、所定時間経過(例えば29.5秒)又は規定入賞数(max9個)の遊技球が入賞するまで開放される大当りであり、賞球としての出球の払い出しはあまり期待できない(例えば500個)ものの、大当り遊技終了後、次の大当りになるまで高確率遊技を付与する大当りである。
この確変4R大当りにおける大入賞装置117の開放態様は、通常4R大当りと同一の動作であり、しかも大当り遊技終了後に時短遊技が付与されないので、見た目上、遊技者は、確変4R大当りと通常4R大当りとの区別を付けることができない。従って、この確変4R大当りの大当り遊技終了後、遊技状態が内部的に高確率になっているか否かを遊技者は判定し難く、つまり、この確変4R大当りは、いわゆる「潜伏確変大当り」に相当する。なお、後述するが、通常4R大当り又は確変4R大当りになると、その後、メイン表示装置131等で行われる演出モードは、潜確モードに移行する。
また、本実施形態の遊技機100では、第1始動入賞装置112に遊技球が入球した場合と、電チュー115に遊技球が入球した場合では、大当りが選択される割合が異なるように構成されている。具体的には、図2(b)に示すように、遊技球が第1始動入賞装置112入賞時に取得された大当り図柄乱数が「0」〜「99」であれば、通常4R大当りが選択され、この場合の割合は100/250となり、「100」〜「174」であれば、確変16R大当りが選択され、この場合の割合は75/250となり、「175」〜「249」であれば、確変4R大当りが選択され、この場合の割合は75/250となる。
一方、遊技球が電チュー115入賞時に取得された大当り図柄乱数が「0」〜「99」であれば、通常4R大当りが選択され、この場合の割合は100/250となり、「100」〜「249」であれば、確変16R大当りが選択され、この場合の割合は150/250となる。なお、確変4R大当りは、電チュー115入賞時に選択されることはない。
第1始動入賞装置112入賞時と電チュー115入賞時において選択される大当り種類を比較すると、第1始動入賞装置112入賞時は、確変16R大当りの割合が75/250であるのに対して、電チュー115入賞時は、確変16R大当りの割合が150/250であり、電チュー115入賞時のほうが、確変16R大当りが選択される割合が高くなっている。更に、第1始動入賞装置112入賞時は、確変4R大当りの割合が75/250であるのに対して、電チュー115入賞時は、確変4R大当りの割合が0/250である(なお、第1始動入賞装置112及び電チュー115入賞時において選択される確変大当り(又は通常大当り)の振り分けは、図5(b)の円グラフに示すように、同一となっている(確変大当りの割合は150/250、通常大当りの割合は100/250))。
すなわち、電チュー115の方が第1始動入賞装置112よりも、遊技者にとって有利となるように構成されている。このよう構成すると、電チュー115への遊技球の入賞率が高くなるいわゆる電チューサポートの遊技状態(時短遊技状態)に移行したときは、確変16R大当りに連続して当選する確率が高くなるため、多量の出球の獲得が期待でき、趣向性の高い遊技を提供することができる。
図2(c)に示すリーチ乱数テーブルでは、遊技球が始動入賞装置(第1始動入賞装置112又は電チュー115)の入賞時に、「0」〜「249」までの250個の乱数の中から一つの乱数値を取得される。リーチ乱数テーブルの場合、リーチ有りの割合が、例えば22/250に設定され、取得したリーチ乱数値が「0」〜「21」のときにリーチ有りと判定される。一方、リーチ無しの割合は228/250に設定され、取得したリーチ乱数値が「22」〜「249」のときにリーチ無しと判定される。なお、リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。
図2(d)に示す普通図柄の当り乱数を抽選する当り乱数テーブルでは、遊技球が普通図柄作動ゲート113a、113bの通過時、「0」〜「9」までの10個の乱数の中から一つの乱数値が取得される。当り乱数テーブルの場合、時短以外の遊技状態(以下、「時短外遊技状態」ともいう)では、当りの割合が、例えば1/10に設定され、取得した当り乱数値が「7」のときに当りと判定される。一方、時短遊技状態では、当りの割合が時短外遊技状態の9倍の9/10に設定され、取得した当り乱数値が「0」〜「8」のときに当りと判定される。
図2(e)に示す当り図柄乱数テーブルでは、「0」〜「2」までの3個の乱数の中から一つの乱数値が取得される。そして、取得した当り図柄乱数に基づいて、複数種類の当りの中から何れか1つの当りを決定する。本実施形態の遊技機100では、複数種類の当りとして、ショート当りとロング当りの2種類の当りが用意されている。
ショート当りは、普通図柄の抽選によって当りに当選したとき電チュー115が開状態になる第2の態様に制御される時間が短い(後述の0.5秒×1回の単開放、規定入賞数max9個)当りであり、一方、ロング当りは、電チュー115が第2の態様に制御される時間が長い(後述の0.1秒×1回+5.5秒×1回の複開放、規定入賞数max9個)当りである。当り図柄乱数テーブルの場合、ショート当りは、その割合が例えば2/3に設定され、取得した当り図柄乱数値が「0」「1」のときにショート当りと判定され、一方、ロング当りは、その割合が例えば1/3に設定され、取得した当り図柄乱数値が「2」のときにロング当りと判定される。
ショート当りは、電チュー115が第2の態様に制御される時間が短い単開放なので、遊技球の電チュー115への入賞は困難で、従って、賞球としての出球の払い出しは殆ど期待できず、その入賞に基づく特別図柄の大当り抽選の実行も殆ど期待できない当りである。
一方、ロング当りは、電チュー115が第2の態様に制御される時間が長い複開放なので、複数の遊技球(上限は9個)の電チュー115への入賞が期待でき、従って、賞球としての出球の払い出しが期待できると共に、その入賞に基づく特別図柄の大当り抽選の実行も期待できる当りである。しかも、上記したように、電チュー115入賞時の方が第1始動入賞装置112入賞時よりも、確変16R大当りが選択される割合が高くなっているので、遊技者にとってロング当り時に遊技球を電チュー115に入賞させることは、遊技上、極めて重要な事項となり、これにより、遊技の趣向性が向上する。つまり、遊技者は、電チュー115入賞時に基づく特別図柄に係る図柄合わせゲームには大いなる期待を持って臨むことができる。
また、この当り図柄乱数テーブルは、時短外遊技状態のみに用いられるテーブルであって、遊技状態が時短になっているときに普通図柄の抽選で当りになった場合には、電チュー115が第2の態様に制御される時間や開放態様は、全て上記したロング当りのように遊技球が入賞し易い態様で行われるようになっている(後述の0.2秒×3回+4秒×1回の複開放、規定入賞数max9個)。
図1に戻って、通常遊技状態で遊技者が「左打ち」を行っているときに、普通図柄の当りの抽選に係る図柄合わせゲームが開始され、普通図柄表示装置118にて普通図柄の変動表示としての点滅動作開始から所定の変動時間経過後に普通図柄が停止して点灯又は消灯することにより確定表示され、この確定表示した普通図柄が点灯していれば当りとなり(図2(d)の当り乱数テーブルで取得した当り乱数値が「7」のとき、当り確率1/10)、電チュー115が、遊技球の入賞機会が増大する第2の態様(可動片115bが開状態)に制御される。
このとき、普通図柄の当りがショート当りのときは(図2(e)の当り図柄乱数テーブルで取得した当り図柄乱数値が「0」「1」のとき、割合2/3)、電チュー115の開放時間が短く(0.5秒×1回の単開放)、この電チュー115に入賞させることは容易ではないので、遊技者は、図1の矢印Aに示すように、そのまま「左打ち」にした状態を維持することになる。これにより、運がよければ稀に遊技球が電チュー115に入賞する。
一方、この普通図柄の当りがロング当りのときは(図2(e)の当り図柄乱数テーブルで取得した当り図柄乱数値が「2」のとき、割合1/3)、電チュー115の開放時間が長い(0.1秒×1回+5.5秒×1回の複開放)ので、電チュー115が開状態になると、遊技者は、操作ハンドル107の回動量を大きくして、「右打ち」を行う。
そして、「右打ち」が行われると、遊技球は、図1の矢印Bに示すように、遊技領域106においてメイン表示装置131の右側を落下し、最終的に誘導板116に到達する。そして、誘導板116に到達した遊技球は、誘導板116上を転動して、開状態の電チュー115へ入賞するように誘導される。これにより、多数の遊技球が電チュー115へ容易に入賞する。
そして、電チュー115に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて第2特別図柄表示装置122に特別図柄の変動表示及びメイン表示装置131に演出図柄の変動表示が開始され、特別図柄の大当りの抽選に係る図柄合わせゲームが行われる。なお、電チュー115がロング当りで開状態になったとき、遊技者が「右打ち」をせずに、そのまま「左打ち」を行った場合であっても、遊技球は電チュー115に入賞可能であるが、「右打ち」を行って誘導板116を利用しなかった場合に比して入賞効率が悪く、遊技者にとっては不利益となる蓋然性が高い。
第1始動入賞装置112又は電チュー115に遊技球が入賞して特別図柄の大当りの抽選に係る図柄合せゲームが行われると、メイン表示装置131では、第1演出ボタン135や第2演出ボタン136を遊技者に操作させると共に、ギミック109を該メイン表示装置131の画面の前面に所定の態様で動作させる趣向を凝らしたリーチ演出(図2(a)の大当り乱数テーブルで取得した大当り乱数値が「3」のとき、割合1/300、又は、図2(c)のリーチ乱数テーブルで取得したリーチ乱数値が「0」〜「21」のとき、割合22/250)など、様々な演出が実行されるようになっている。
また、第1始動入賞装置112又は電チュー115に遊技球が入賞して特別図柄の大当りの抽選に係る図柄合わせゲームが行われる場合、メイン表示装置131の画面には演出モードが設定されるようになっており、この演出モードは、後述するが、例えば背景、特別図柄のスクロールや抽選ライン、ステージ、ゾーン等が相違する複数種類が設けられている。そして、大当りの抽選に係る図柄合わせゲームの実行に伴ってメイン表示装置131に設定される演出モードは、これら複数種類の演出モードの中から1つが所定のタイミング(特別図柄の変動回数や遊技状態など)で選択されて、所定期間の間、継続して滞在するように構成されている。従って、遊技者は、第1、第2特別図柄表示装置120、122よりもメイン表示装置131を注視するようになる。
なお、第1特別図柄表示装置120又は第2特別図柄表示装置122において特別図柄(メイン表示装置131において演出図柄)の変動表示中、又は大当り若しくは小当り中に第1始動入賞装置112、電チュー115に遊技球が入賞したときは大当りの抽選の権利が保留記憶(最大4個)され、第1、第2特別図柄保留表示器123、124がその保留記憶数に応じて所定の態様で点灯する。加えて、メイン表示装置131には、その特別図柄の保留記憶数と1対1で対応する保留画像(保留アイコン)が所定の態様で表示される。また、同様に、普通図柄の変動表示中、又は電チュー115の開放中に普通図柄作動ゲート113a、113bを遊技球が通過したときは当りの抽選の権利が保留記憶(最大4個)され、普通図柄保留表示器119がその保留記憶数に応じて所定の態様で点灯する。
これにより、遊技者は、現状、いくつの大当り及び当りの抽選の権利が保留されているかを容易に確認することができる。なお、本実施形態の遊技機100では、後に詳述するように、特別図柄に係る保留記憶は、第1始動入賞装置112よりも電チュー(第2始動入賞装置)115の方が優先して消化されるようになっている。
そして、通常遊技状態で第1、第2特別図柄表示装置120、122にて特別図柄の変動表示の開始から所定の変動時間経過後に特別図柄が停止して確定表示され、この確定表示した特別図柄が予め定められた大当り図柄(例えば「7」)と一致したら大当りとなり(図2(a)の大当り乱数テーブルで取得した大当り乱数値が「3」のとき、大当り確率1/300)、この場合、メイン表示装置131にも特定の演出図柄の組合せ(例えば「777」等)が停止表示され、特別図柄の抽選結果として大当りが遊技者に報知される。
そして、上記したように特別図柄の抽選結果が大当りになると、メイン表示装置131において、第1演出ボタン135や第2演出ボタン136を遊技者に操作させる演出や、ギミック109を該メイン表示装置131の画面の前面に所定の態様で動作させる趣向を凝らした演出など、様々な大当り演出が実行されると共に、大入賞装置(アタッカ)117の開閉扉117bが所定の態様で開閉制御され、遊技球の入賞機会が極めて増大し、遊技者は、多量の遊技球を獲得して持ち玉を増やすことのできる大当り遊技を行うことができる。大当り遊技が開始されると、遊技者は、操作ハンドル107を大きく回動させて「右打ち」を行うべく、遊技領域106の右下に位置する開閉扉117bが開放された大入賞装置117を狙って遊技球を発射する。
しかして、遊技状態が大当りになると、遊技者に右打ち操作を行わせるための操作指示情報としてメイン表示装置131に「右打ち矢印」の表示等を行うようになっているが、本発明では、遊技状態が大当りになっている場合、この右打ち操作をはじめとする大当り中に遊技者に所定の操作を指示する操作指示情報は、本来の報知すべき所定の情報(例えば、右打ち情報)に加えて、遊技者にとって有利又は不利に係る示唆情報を暗に含んでいるように構成されている。この点については、後に詳述する。
そして、大当りが通常4R大当り(図2(b)の大当り図柄乱数テーブルで取得した大当り図柄乱数値が、第1始動入賞装置112及び電チュー115共に「0」〜「99」、割合100/250)のとき、4ラウンド大当り遊技が行われ、一方、大当りが確変4R大当り(第1始動入賞装置112の入賞に基づいて図2(b)の大当り図柄乱数テーブルで取得した大当り図柄乱数値が、「175」〜「249」、割合75/250)のとき、通常4R大当りと同様に4ラウンド大当り遊技が行われるが、この4ラウンド大当り遊技終了後、遊技状態は次の大当りになるまで高確率が潜伏する(潜確モード)。
また、大当りが確変16R大当り(図2(b)の大当り図柄乱数テーブルで取得した大当り図柄乱数値が、第1始動入賞装置112の場合「100」〜「174」、割合75/250、電チュー115の場合「100」〜「249」、割合150/250)のとき、16ラウンド大当り遊技が行われ、この16ラウンド大当り遊技終了後、遊技状態は次の大当りになるまで高確率(図2(a)の大当り乱数テーブルで取得した大当り乱数値が「3」、「7」、「37」、「67」、「97」、「127」、「157」、「187」、「217」、「247」のとき、大当り確率10/300)及び時短となる。すなわち、大当りがループする。なお、この大当りのループ回数は、無制限にしてもよいし、所定回数大当りが連続したら(例えば5回)、次回の大当りを強制的に通常大当りになるように構成してもよい(いわゆるリミッター機能)。
なお、大当り抽選の結果、小当り(図2(a)の大当り乱数テーブルで取得した大当り乱数値が「0」、「50」、「100」、「150」、「200」、「250」のとき、小当り確率6/300)のとき、メイン表示装置131には特定の演出図柄の組合せが停止表示され、大入賞装置117が所定回数開放する。
ここで、本発明においては、時短外遊技状態(大当り状態と大当り状態を除く通常状態、高確率の潜伏状態)で普通図柄の当りの抽選に係る図柄合せゲームが行われると、抽選等により所定の割合で、メイン表示装置131の一部(例えばメイン表示装置131の下部や隅)等で、普通図柄の変動表示中などに、この変動表示の抽選結果が当りになるか否かに関する煽り演出が実行されるようになっており、更に、大当り遊技状態においては、煽り演出が実行された後、普通図柄の抽選で当りとなって電チュー115がロング開放する場合、メイン表示装置131等では、電チュー115がロング開放する旨を示唆する開放示唆演出が実行されるようになっている。この点については、後に詳述する。
遊技状態が時短になっているときは、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮されると共に、主に普通図柄作動ゲート113bの通過に基づいて行われる普通図柄に係る図柄合わせゲームでは、高い確率で当りになり(図2(d)の当り乱数テーブルで取得した当り乱数値が「0」〜「8」のとき、当り確率9/10)、しかも電チュー115が第2の態様に制御される時間や開放態様は、上記したようにロング当りに準じて行われるので、遊技球の入賞機会が増え、遊技者は、ほぼ現状の持ち玉を減らさずに維持することができる。
従って、時短遊技が開始されると、上記した大当り遊技と同様に、遊技者は、操作ハンドル107を大きく回動させて「右打ち」を行うべく、遊技領域106の右上に位置する普通図柄作動ゲート113bを狙って遊技球を発射する。そして、普通図柄作動ゲート113bの通過如何に拘らず、「右打ち」した遊技球は最終的に誘導板116に到達し、誘導板116に到達した遊技球は、誘導板116上を転動して、頻繁に開放される電チュー115へ入賞するように誘導される。つまり、時短遊技では、第1始動入賞装置112よりも遊技者にとって有利な電チュー115へ頻繁に入賞することになる。そして、確変16R大当り遊技終了後での時短遊技では、更に大当り確率が高確率になっているので、遊技者にとっては、極めて有利な遊技状態となる。
特に、電チュー115入賞に基づく保留記憶は、第1始動入賞装置112よりも優先消化されるようになっているので、大当り中にロング開放した電チュー115に遊技球を入賞させることで、大当り遊技終了後の時短状態に突入したとき、第1始動入賞装置112の保留に基づく図柄合わせゲームが行われることなく、時短突入後の1回目の図柄合わせゲーム(特別図柄の変動表示)から、遊技者にとって有利な電チュー115に基づく図柄合わせゲームが実行されることになる。すなわち、これは、時短遊技中に遊技者にとって不利な第1始動入賞装置112の保留記憶に基づく図柄合わせゲームが行われる可能性が、ほとんど無いことを意味している(電チュー115の保留記憶が無くならない限り、第1始動入賞装置112の図柄合わせゲームは行われないが、時短中では頻繁に遊技球が電チュー115に入賞するため)。これにより遊技の趣向性が向上し、その結果、遊技者は、大いなる期待感を持って大当り後の時短遊技に臨むことができる。
なお、時短遊技において、遊技者が「左打ち」を行った場合であっても、遊技球は、普通図柄作動ゲート113aを通過可能で且つ電チュー115に入賞可能であるが、「右打ち」を行って誘導板116を利用しなかった場合に比して電チュー115への入賞効率が悪く、しかも電チュー115よりも遊技者にとって不利な第1始動入賞装置112に入賞し易くなるので、遊技者にとっては不利益となる。
そして、時短遊技において大当りを獲得することなく時短遊技が終了すると、遊技状態は通常状態に戻り、遊技者は、操作ハンドル107を回動させて「右打ち」から「左打ち」に戻して遊技を行う。なお、この通常状態で遊技領域106の右上に位置する普通図柄作動ゲート113bに遊技球が通過すると、音声出力装置132のスピーカから「ハンドルを左に戻して下さい」というような音声が出力されるようになっている。以上が、本実施形態の遊技機100における遊技の主な流れである。
<制御手段の構成>
図3を用いて、次に、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。図3は、遊技機100全体のブロック図である。主制御基板310は遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、メインCPU310a、メインROM310b及びメインRAM310cから構成されるワンチップマイコン310mと、主制御基板用の入力ポートと出力ポート(図示せず)とを少なくとも備え、演出制御基板340、払出制御基板380及び電源基板370と接続されている。
主制御基板310の入力側には、第1始動入賞装置112に遊技球が入球したことを検知する第1始動入賞装置検出スイッチ312、普通図柄作動ゲート113a、113bに遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ330a、330b、第2始動入賞装置115に遊技球が入球したことを検知する第2始動入賞装置検出スイッチ315、大入賞装置117に遊技球が入球したことを検知する大入賞装置検出スイッチ317、下皿141が遊技球で満タンになったことを検知する皿満タン検出スイッチ313が接続され、各種信号が主制御基板310に入力される。
主制御基板310の出力側には、第2始動入賞装置115の一対の可動片115bを開閉動作させる第2始動入賞装置開閉ソレノイド316、大入賞装置117の開閉扉117bを動作させる大入賞装置開閉ソレノイド318、特別図柄を表示する第1、第2特別図柄表示装置120、122、普通図柄を表示する普通図柄表示装置118、特別図柄の保留球数を表示する第1、第2特別図柄保留表示器123、124、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留表示器119、所定の遊技情報を外部に出力する遊技情報出力端子板319が接続され、各種信号が出力される。
主制御基板310のメインCPU310aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM310bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うと共に、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にデータやコマンドを送信したりする。
主制御基板310のメインROM310bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。例えば、大当り抽選に参照される大当り判定テーブル(図2参照)、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル等がメインROM310bに記憶されている。
主制御基板310のメインRAM310cは、メインCPU310aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。例えば、メインRAM310cには、普通・特別図柄保留記憶領域、普通・特別図柄データ記憶領域、普通・特別図柄乱数値記憶領域、ラウンド回数記憶領域、ゲート・各種入賞装置データ記憶領域、遊技状態記憶領域、遊技状態バッファ、普通・特別停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、管理装置用伝送データ格納領域、ホール設備用伝送データ格納領域、各種のタイマやカウンタ等が設けられている。
電源基板370は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機100に電源電圧を供給すると共に、遊技機100に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板310に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU310aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU310aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。なお、電源基板370は、主制御基板310の他、演出制御基板340、払出制御基板380及び発射制御基板390と接続されている。
演出制御基板340は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板340は、サブCPU340a、サブROM340b、サブRAM340cを備えており、主制御基板310に対して、当該主制御基板310から演出制御基板340への一方向に通信可能に接続されている。また、演出制御基板340には、第1演出ボタン検出スイッチ335、第2演出ボタン検出スイッチ336a〜336eが接続されている。
また、演出制御基板340には、現在時刻を出力するRTC(リアルタイムクロック)340dが搭載されている。サブCPU340aは、RTC340dから現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号を入力し、現在の日時に基づいて各種処理を実行する。RTC340dは、通常、遊技機100に電源が供給されているときには遊技機100からの電源によって動作し、遊技機100の電源が切られているときには、電源基板370に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。よって、RTC340dは、遊技機100の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTC340dは、演出制御基板340上に電池を設けて、かかる電池によって動作するようにしてもよい。
演出制御基板340のサブCPU340aは、主制御基板310から送信されたデータやコマンド、第1演出ボタン検出スイッチ335又は第2演出ボタン検出スイッチ336a〜336e、タイマからの入力信号等に基づいて、サブROM340bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うと共に、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板360又は画像制御基板350に送信する。
サブCPU340aは、主制御基板310のメインCPU310aから一方向のストローブ信号や画像制御用コマンド信号、ランプ制御用コマンド信号等の制御信号を入力回路を介して受け、ストローブ信号が入力されると、サブCPU340aはこの制御用コマンドを認識するように構成されている。例えば、特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、メイン表示装置131、サブ表示装置139、音声出力装置132、演出用駆動装置361、演出用ハンドル装置362、演出用照明装置134に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、かかるデータを画像制御基板350やランプ制御基板360へ送信する。なお、演出用駆動装置361は、ギミック109を所定の態様に駆動することによって遊技者に様々な期待感を与えるものである。
演出制御基板340のサブROM340bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。例えば、主制御基板310から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル、停止表示する演出図柄の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル等がサブROM340bに記憶されている。
演出制御基板340のサブRAM340cは、サブCPU340aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。サブRAM340cには、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域、ゲート・各種入賞装置データ記憶領域、日時情報記憶領域、ログイン状態記憶領域、演算データ記憶領域、各種フラグ記憶領域、発射操作情報記憶領域、遊技者情報記憶領域、遊技履歴情報記憶領域、コード情報記憶領域、各種のタイマやカウンタ等が設けられている。
払出制御基板380は、遊技球の払い出し制御を行う。この払出制御基板380は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備え、有線(ハーネス)を介して主制御基板310と接続されると共に、玉貸接続基板384を介してカードユニット300とも接続されている。また、払出制御基板380は、主制御基板310とカードユニット300(玉貸接続基板384)とに対して、双方向に通信可能に接続されている。
また、払出制御基板380の入力側には、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ382、扉開放スイッチ383も接続されている。更に、玉貸接続基板384には、玉貸スイッチ385、返却スイッチ386が接続されており、玉貸接続基板384を介して、玉貸スイッチ385、返却スイッチ386の各種の入力信号が払出制御基板380に入力される。また、払出制御基板380の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出装置の払出モータ381が接続されている。
払出CPUは、払出球計数スイッチ382、扉開放スイッチ383、玉貸スイッチ385、返却スイッチ386等の入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行う。具体的には、払出CPUは、主制御基板310から所定の入賞装置に遊技球が入賞したことを契機として生成された払出個数指定コマンドを受信すると、払出個数指定コマンドの内容に従った所定個数の遊技球を払い出す制御(賞球制御)を行い、払出モータ381を駆動させて所定の遊技球を払い出す。
また、払出CPUは、玉貸接続基板384を介してカードユニット300と接続確認を行った後、玉貸接続基板384を介して玉貸スイッチ385から玉貸信号を入力すると、カードユニット300との情報のやりとりを行いながら、規定個数の遊技球を払い出す制御(玉貸制御)を行い、払出モータ381を駆動させて所定の遊技球を払い出す。
ランプ制御基板360は、遊技盤102に設けられた演出用照明装置134を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。例えば演出用照明装置134は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしている。また、ランプ制御基板360は、ギミック109を所定の態様に動作させるソレノイドやモータ等、演出用駆動装置361の駆動源を通電制御して、ギミック109による演出を行うようにしている。
更に、ランプ制御基板360は、発射ハンドル装置103に設けられた演出用ハンドル装置362を構成するバイブレーター用モータ363、エアー送出用ファン364及びフラッシュ用LED365に対する駆動制御を行う。これは、第1始動入賞装置112や電チュー115の入賞に係る大当り抽選の抽選結果が大当りと判定されたときに実行される大当り確定予告演出を実行する駆動制御であって、遊技者に当該図柄合わせゲームの結果が大当りになることを事前に告知(一発告知)するため、所定のタイミングでバイブレーター用モータ363を駆動制御して発射ハンドル装置103の把持部を振動したり、エアー送出用ファン364を駆動制御して発射ハンドル装置103の把持部からエアーを送出したり、フラッシュ用LED365を駆動制御して発射ハンドル装置103の把持部を所定の態様で発光(高速回転フラッシュや、高速点滅フラッシュ)したりする演出を行うようにしている。なお、このランプ制御基板360は、演出制御基板340に接続されており、演出制御基板340から送信された各種のコマンドに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板350は、メイン表示装置131、サブ表示装置139及び音声出力装置132と接続されており、演出制御基板340から送信された各種のコマンドに基づいて、メイン表示装置131及びサブ表示装置139における画像の表示制御、音声出力装置132における音声の出力制御を行う。この画像制御基板350は、メイン表示装置131及びサブ表示装置139の画像表示制御を行うためホストCPU、ホストCPUのワークエリアとして機能する一時的な記憶領域を有するホストRAM、ホストCPUの制御処理のプログラム等が記憶されたホストROM、画像データが記憶されたCGROM、画像データを描画するフレームバッファを有するVRAM、画像プロセッサとなるVDPと、音の制御を行う音制御回路とを備えている。
ホストCPUは、演出制御基板340から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、VDPにCGROMに記憶されている画像データをメイン表示装置131及びサブ表示装置139に表示させる指示を行う。VDPは、ホストCPUからの指示に基づいて、CGROMに記憶された画像データをVRAMのフレームバッファに描画する。次に、VRAMにある表示用のフレームバッファに記憶された画像データに基づいて映像信号(RGB信号等)を生成し、生成した映像信号を液晶表示装置に出力する。
音制御回路には、音声データが多数格納されている音声ROMが備えられており、音制御回路が、演出制御基板340から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置132における音声出力制御をする。例えば、音声出力装置132は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行うようにしている。また、音声出力装置132は、上記したバイブレーター用モータ363、エアー送出用ファン364又はフラッシュ用LED365が駆動制御されるときに合わせて、すなわち大当り確定予告演出において所定の効果音(例えば、「キュイーン、キュイーン」というような大当りの確定を示す告知音)を発生させる演出も行う。
発射制御基板390は、遊技球の発射制御を行う。この発射制御基板390は、入力側にタッチセンサ391及び発射ボリューム392が接続されており、出力側に発射用ソレノイド393及び玉送りソレノイド394を接続している。発射制御基板390は、タッチセンサ391からのタッチ信号を入力すると共に、発射ボリューム392から供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド393や玉送りソレノイド394を通電させる制御を行う。
タッチセンサ391は、発射ハンドル装置103の内部に設けられ、遊技者が操作ハンドル107に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成されている。タッチセンサ391は、遊技者が操作ハンドル107に触れたことを検知すると、発射制御基板390に発射用ソレノイド393の通電を許可するタッチ信号を出力する。発射制御基板390は、大前提としてタッチセンサ391からタッチ信号の入力がなければ、遊技球を遊技領域106に発射させないように構成されている。
発射ボリューム392は、操作ハンドル107が回動する回動部に直結して設けられ、可変抵抗器から構成される。発射ボリューム392は、その発射ボリューム392に印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板390に供給する(発射制御基板390に供給する電圧を可変させる)。発射制御基板390は、発射ボリューム392により分圧された電圧に基づいて、発射用ソレノイド393を通電して、発射用ソレノイド393の打出部材を回転させることで、遊技球を遊技領域106に発射させる。
発射用ソレノイド393は、ロータリーソレノイドから構成され、発射用ソレノイド393には打出部材が直結されており、発射用ソレノイド393が回転することで、打出部材を回転させる。ここで、発射用ソレノイド393の回転速度は、発射制御基板390に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約100(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技球数は、発射用ソレノイド393が1回転する毎に1個発射されるため、約100(個/分、アウト玉)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。また、玉送りソレノイド394は、直進ソレノイドから構成され、上皿140にある遊技球を、発射用ソレノイド393の打出部材に向けて1個ずつ送り出す。
<主制御基板のタイマ割込み処理>
図4〜15を用いて、次に、遊技機100における遊技の進行に係り、本発明の特徴的な処理についてフローチャートを用いて説明する。図4は、主制御基板310のメインCPU310aによって行われるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。なお、本処理は、主制御基板310に設けられた図示しないリセット用クロックパルス発生回路によって、主制御基板310の電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、所定の周期(例えば4ms)毎に繰り返し実行される。また、図4〜15のフローチャートに基づいて説明する主制御基板310で行われる処理は、メインROM310bに記憶されているプログラムに基づいて実行される。なお、図4〜15においては、本発明に主に関係しない処理については省略されている。
図4を参照して、電源投入を契機にして、メインCPU310aは起動プログラムを実行し、これによって、メモリ(例えば、メインRAM310c)等の各ユニットの初期化等がなされる。初期化が行われた後、メインROM310bに記憶されたプログラムがメインRAM310cに読み込まれ、メインCPU310aによって当該プログラムが実行される。
このタイマ割込み処理が実行されると、まず、ステップS400(以下、ステップSは、単に「S」ともいう)において、メインCPU310aは、図2に示したような大当り乱数、大当り図柄乱数、リーチ乱数、当り乱数、当り図柄乱数、あるいは変動パターン乱数等の各種の乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。なお、変動パターン乱数は、後述するが、特別図柄変動時間(つまり、演出図柄変動の実行時間)を決定するための乱数である。
S400の乱数更新処理において、各乱数は、それぞれ、1ずつ加算(インクリメント)されて更新され、つまり、タイマ割込み処理が行われる毎にカウントアップされる。そして、後述するS410の始動入賞装置検出スイッチ(SW)処理やS420のゲート検出スイッチ(SW)処理において各抽選が行われて各乱数が取得され、この取得された乱数はS430の普通図柄処理やS440の特別図柄処理で使用される。なお、S400の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当り乱数では「299」)に達した後は、再び最小値「0」に戻る。
次に、S410において、メインCPU310aは、第1始動入賞装置112又は第2始動入賞装置(電チュー)115に遊技球が入賞したか否かを検知する第1始動入賞装置検出スイッチ312又は第2始動入賞装置検出スイッチ315に基づく始動入賞装置検出スイッチ(SW)処理を実行する。図5を用いて、以下、S410で行われる始動入賞装置検出スイッチ処理の内容について説明する。図5は、主制御基板310のメインCPU310aによって行われる始動入賞装置検出スイッチ処理(S410)を示すフローチャートである。
図5を参照して、S500において、メインCPU310aは、第1始動入賞装置検出スイッチ312からの検出信号の有無に基づいて、第1始動入賞装置112に遊技球が入賞して第1始動入賞装置検出スイッチ312がオンとなったか否かを判定する。そして、メインCPU310aは、第1始動入賞装置検出スイッチ312がオンとなった場合(S500でYES)、S502に移行する。一方、メインCPU310aは、第1始動入賞装置検出スイッチ312がオフの場合(S500でNO)、S520に移行する。
S502において、メインCPU310aは、メインRAM310cを参照して、第1特別図柄抽選における保留回数U1が上限値Umax1(初回を含め5回)未満か否かを判定する。そして、メインCPU310aは、保留回数U1が上限値Umax1未満の場合(S502でYES)、S504に移行する。一方、メインCPU310aは、保留回数U1が上限値Umax1以上の場合(S502でNO)、S520に移行する。
S504において、メインCPU310aは、第1特別図柄抽選における保留回数U1に1を加算して更新し、S506に移行する。例えば、メインCPU310aは、メインRAM310cに格納されている第1特別図柄抽選における保留回数U1に1を加算し、加算後の保留回数U1をメインRAM310cに格納する。
S506において、メインCPU310aは、今回の第1始動入賞装置112への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄抽選のための乱数を取得し、メインRAM310cに格納する。ここで、メインCPU310aは、メインRAM310cを参照して、上記S400で更新された乱数のうち、第1特別図柄抽選のための乱数(図2に示した大当り乱数、大当り図柄乱数及びリーチ乱数や、変動パターン乱数等)を取得してメインRAM310cに格納する。このS506で取得された乱数によって、第1特別図柄抽選の結果が判定される。そして、メインCPU310aは、S508に移行する。
S508において、メインCPU310aは、ここで事前判定処理を行う。具体的には、メインCPU310aは、直近のS506の処理で取得されてメインRAM310cに格納された大当り乱数、大当り図柄乱数及びリーチ乱数(つまり、直近に格納された第1特別図柄抽選による大当り乱数、大当り図柄乱数及びリーチ乱数)を読み出し、この読み出した大当り乱数、大当り図柄乱数及びリーチ乱数とメインROM310bに記憶されている大当り乱数、大当り図柄乱数及びリーチ乱数の乱数値とを比較判定することに基づいて、当該第1特別図柄抽選の結果が通常4R大当り、確変16R大当り、確変4R大当り、小当り、リーチ有りはずれ、リーチ無しはずれの何れであるかを事前判定する。すなわち、この事前判定処理は、第1特別図柄抽選の保留先読み処理である。そして、メインCPU310aは、事前判定処理を終了すると、S510に移行する。
S510において、メインCPU310aは、第1特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第1保留数増加コマンドをメインRAM310cにセットする。ここで、この第1保留数増加コマンドには、S508の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(以下、「事前判定情報」ともいう)が含められている。第1保留数増加コマンドは後述する出力処理(S480)において、演出制御基板340に送信され、演出制御基板340は、第1特別図柄抽選の保留が増加したことを認識し、それに基づく演出をメイン表示装置131及びサブ表示装置139にて実行することができる。そして、メインCPU310aは、S512に移行する。
S512において、メインCPU310aは、第1特別図柄抽選における保留回数U1の値(U1≧2)に応じて、保留が増加した旨を示すように第1特別図柄保留表示器123の特定のLEDを点灯/点滅制御する。そして、メインCPU310aは、S520に移行する。
S520において、メインCPU310aは、第2始動入賞装置検出スイッチ315からの検出信号の有無に基づいて、電チュー115に遊技球が入賞して第2始動入賞装置検出スイッチ315がオンとなったか否かを判定する。そして、メインCPU310aは、第2始動入賞装置検出スイッチ315がオンとなった場合(S520でYES)、S522に移行する。一方、メインCPU310aは、第2始動入賞装置検出スイッチ315がオフの場合(S520でNO)、この始動入賞装置検出スイッチ処理を終了する。
S522において、メインCPU310aは、メインRAM310cを参照して、第2特別図柄抽選における保留回数U2が上限値Umax2(初回を含め5回)未満か否かを判定する。そして、メインCPU310aは、保留回数U2が上限値Umax2未満の場合(S522でYES)、S524に移行する。一方、メインCPU310aは、保留回数U2が上限値Umax2以上の場合(S522でNO)、この始動入賞装置検出スイッチ処理を終了する。
S524において、メインCPU310aは、第2特別図柄抽選における保留回数U2に1を加算して更新し、S526に移行する。例えば、メインCPU310aは、メインRAM310cに格納されている第2特別図柄抽選における保留回数U2に1を加算し、加算後の保留回数U2をメインRAM310cに格納する。
S526において、メインCPU310aは、今回の電チュー115への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄抽選のための乱数を取得し、メインRAM310cに格納する。ここで、メインCPU310aは、メインRAM310cを参照して、上記S400で更新された乱数のうち、第2特別図柄抽選のための乱数(図2に示した大当り乱数、大当り図柄乱数及びリーチ乱数や、変動パターン乱数等)を取得してメインRAM310cに格納する。このS526で取得された乱数によって、第2特別図柄抽選の結果が判定される。そして、メインCPU310aは、S528に移行する。
S528において、メインCPU310aは、ここで事前判定処理を行う。具体的には、メインCPU310aは、直近のS526の処理で取得されてメインRAM310cに格納された大当り乱数、大当り図柄乱数及びリーチ乱数(つまり、直近に格納された第2特別図柄抽選による大当り乱数、大当り図柄乱数及びリーチ乱数)を読み出し、この読み出した大当り乱数、大当り図柄乱数及びリーチ乱数とメインROM310bに記憶されている大当り乱数、大当り図柄乱数及びリーチ乱数の乱数値とを比較判定することに基づいて、当該第2特別図柄抽選の結果が通常4R大当り、確変16R大当り、小当り、リーチ有りはずれ、リーチ無しはずれの何れであるかを事前判定する。すなわち、この事前判定処理は、第2特別図柄抽選の保留先読み処理である。そして、メインCPU310aは、事前判定処理を終了すると、S530に移行する。
S530において、メインCPU310aは、第2特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第2保留数増加コマンドをメインRAM310cにセットする。ここで、この第2保留数増加コマンドには、S528の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(事前判定情報)が含められている。第2保留数増加コマンドは後述する出力処理(S480)において、演出制御基板340に送信され、演出制御基板340は、第2特別図柄抽選の保留が増加したことを認識し、それに基づく演出をメイン表示装置131及びサブ表示装置139にて実行することができる。そして、メインCPU310aは、S532に移行する。
S532において、メインCPU310aは、第2特別図柄抽選における保留回数U2の値(U2≧2)に応じて、保留が増加した旨を示すように第2特別図柄保留表示器124の特定のLEDを点灯/点滅制御する。そして、メインCPU310aは、この始動入賞装置検出スイッチ処理を終了する。
図4に戻って、次に、S420において、メインCPU310aは、普通図柄作動ゲート113a、113bを遊技球が通過したか否かを検知するゲート検出スイッチ330a、330bに基づくゲート検出スイッチ(SW)処理を実行する。図6を用いて、以下、S420で行われるゲート検出スイッチ処理の内容について説明する。図6は、主制御基板310のメインCPU310aによって行われるゲート検出スイッチ処理(S420)を示すフローチャートである。
図6を参照して、S600において、メインCPU310aは、普通図柄作動ゲート113a、113bを遊技球が通過してゲート検出スイッチ330a、330bがオンとなったか否かを判定する。そして、メインCPU310aは、ゲート検出スイッチ330a、330bがオンとなった場合(S600でYES)、S640に移行する。一方、メインCPU310aは、ゲート検出スイッチ330a、330bがオフの場合(S600でNO)、このゲート検出スイッチ処理を終了する。
S640において、メインCPU310aは、メインRAM310cを参照して、普通図柄抽選における保留回数Gが上限値Gmax(初回を含め5回)未満か否かを判定する。そして、メインCPU310aは、保留回数Gが上限値Gmax未満の場合(S640でYES)、S650に移行する。一方、メインCPU310aは、保留回数Gが上限値Gmax以上の場合(S640でNO)、このゲート検出スイッチ処理を終了する。
S650において、メインCPU310aは、普通図柄抽選における保留回数Gに1を加算して更新し、S660に移行する。例えば、メインCPU310aは、メインRAM310cに格納されている普通図柄抽選における保留回数Gに1を加算し、加算後の保留回数GをメインRAM310cに格納する。
S660において、メインCPU310aは、今回の普通図柄作動ゲート113a、113bの遊技球の通過に基づいて抽選のための乱数を取得し、メインRAM310cに格納する。ここで、メインCPU310aは、メインRAM310cを参照して、上記S400で更新された乱数のうち、普通図柄抽選のための乱数(当り乱数、当り図柄乱数、図2参照)を取得してメインRAM310cに格納する。このS660で取得された乱数によって、普通図柄抽選の結果が判定される。そして、メインCPU310aは、S670に移行する。
S670において、メインCPU310aは、保留回数Gの値(G≧2)に応じて、保留が増加した旨を示すように普通図柄保留表示器119の特定のLEDを点灯/点滅制御する。メインCPU310aは、S670の処理を終えると、このゲート検出スイッチ処理を終了する。
図4に戻って、次に、S430において、メインCPU310aは、普通図柄処理を実行する。以下、図7を用いて、S430で行われる普通図柄処理の内容について説明する。図7は、主制御基板310のメインCPU310aによって行われる普通図柄処理(S430)を示すフローチャートである。
図7を参照して、S700において、メインCPU310aは、「補助遊技フラグ」がオンであるか否かを判定する。ここで、「補助遊技フラグ」は、普通電動役物である電チュー(第2始動入賞装置)115が作動状態であることを示すものであり、具体的には、変動を停止した際の普通図柄が当り図柄である場合に、オンに設定されるフラグである(S748参照)。
補助遊技フラグがオンである場合(S700でYES)、メインCPU310aは、この普通図柄処理を終了する。一方、補助遊技フラグがオフである場合(S700でNO)、メインCPU310aは、S702に移行して、普通図柄が普通図柄表示装置118にて変動中(普通図柄の抽選が実行中)であるか否かを判定する。
S702において、普通図柄が変動中である場合(S702でYES)、S740に移行する。一方、普通図柄が変動中ではない場合(S702でNO)、メインCPU310aは、S704に移行し、ここでメインRAM310cを参照して、普通図柄抽選における保留回数Gが、1以上であるか否かを判定する。この普通図柄抽選における保留回数Gは、上述したゲート検出スイッチ処理において設定されるパラメータである。
保留回数Gが1以上ではない場合(S704でNO)、メインCPU310aは、この普通図柄処理を終了する。一方、保留回数Gが1以上である場合(S704でYES)、メインCPU310aは、保留回数Gから1を減算し、保留回数Gを更新する(S706)。その際、メインCPU310aは、メインRAM310cに格納されている図6のS660によって取得された乱数のうち格納時期が最も古いものを読み出してメインRAM310cから削除する。そして、メインCPU310aは、S707に移行して、保留回数Gの値(G≧1)に応じて、保留が消化された旨を示すように普通図柄保留表示器119の特定のLEDを点灯/点滅制御する。
その後、S708において、メインCPU310aは、当り乱数判定の処理を実行する。当り乱数判定とは、メインRAM310cを参照して、遊技球が普通図柄作動ゲート113a、113bを通過した際に取得した当り乱数(S660で取得した当り乱数)が、予め定められた「当り」を示す値と比較して等しいか否かを判定することにより、普通図柄抽選の結果が当りか否かを判定する処理である。また、この場合、当り乱数が「当り」を示す値であると判定されたときには、当り図柄乱数(S660で取得した当り図柄乱数)が「ショート当り」か「ロング当り」かを判定する処理も、当り乱数判定に準じた処理で併せて実行される。
次いで、S710において、メインCPU310aは、停止図柄を設定する。停止図柄の設定とは、当り乱数判定における判定結果に応じて停止させる図柄を設定することである。具体的には、メインCPU310aは、上記当り乱数が「当り」を示す値である場合、当りを示す図柄を停止図柄として設定する(本実施形態の場合、普通図柄表示装置118を点灯)。一方、メインCPU310aは、上記当り乱数が「はずれ」を示す値である場合、はずれを示す図柄を停止図柄として設定する(本実施形態の場合、普通図柄表示装置118を消灯)。
次に、S712において、メインCPU310aは、変動時間設定の処理を実行する。「変動時間設定」とは、遊技状態と停止図柄とに応じて普通図柄の変動時間を設定する処理であり、例えば、時短遊技状態などの電チューサポート機能を有する補助遊技状態では「3秒」が設定され、通常遊技状態などの電チューサポート機能のない遊技状態では、「29秒」が設定される。
この後、S714において、メインCPU310aは、普通図柄表示装置118にて普通図柄の変動を開始し、S718に移行して、メイン表示装置131、サブ表示装置139、音声出力装置132、演出用照明装置134及び演出用駆動装置361等で、当該普通図柄の抽選に係る普通図柄演出(後述の煽り演出及び開放示唆演出)を実行するための普通図柄演出コマンドをメインRAM310cにセットする。なお、この普通図柄演出コマンドには、普通図柄抽選の結果を示す情報(ショート当り、ロング当り、はずれを示す情報)等も含まれる。また、普通図柄演出コマンドは、後述する出力処理(S480)において、演出制御基板340に送信される。
次に、S740において、メインCPU310aは、上記S712において設定された変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間が経過していない場合(S740でNO)、メインCPU310aは、この普通図柄処理を終了する。一方、変動時間が経過した場合(S740でYES)、メインCPU310aは、普通図柄の変動を停止させる(S742)。
そして、メインCPU310aは、停止した普通図柄が「当り」であるか否かを判定し(S746)、停止した普通図柄が「当り」ではない場合(S746でNO)、すなわち、はずれである場合、この普通図柄処理を終了する。一方、停止した普通図柄が「当り」である場合(S746でYES)、メインCPU310aは、補助遊技フラグをオンにした後(S748)、この普通図柄処理を終了する。
図4に戻って、次に、S440において、メインCPU310aは、特別図柄処理を実行する。以下、図8を用いて、S440で行われる特別図柄処理の内容について説明する。図8は、主制御基板310のメインCPU310aによって行われる特別図柄処理(S440)を示すフローチャートである。
図8を参照して、S800において、メインCPU310aは、後述の停止中処理でオンに設定される大当り遊技フラグがオンであるか否か、つまり大当り遊技中であるか否かの判定を行い、大当り遊技フラグがオンである場合(S800でYES)、メインCPU310aは、この特別図柄処理を終了する。
一方、大当り遊技フラグがオフである場合(S800でNO)、メインCPU310aは、S801に移行して、後述の停止中処理でオンに設定される小当り遊技フラグがオンであるか否か、つまり小当り遊技中であるか否かの判定を行い、小当り遊技フラグがオンである場合(S801でYES)、メインCPU310aは、この特別図柄処理を終了する。
一方、小当り遊技フラグがオフである場合(S801でNO)、メインCPU310aは、S802に移行して、特別図柄が第1特別図柄表示装置120又は第2特別図柄表示装置122にて変動中(特別図柄の抽選が実行中)であるか否かを判定する。
S802において、特別図柄が変動中である場合(S802でYES)、S844に移行する。一方、特別図柄が変動中ではない場合(S802でNO)、メインCPU310aは、S804に移行し、ここでメインRAM310cを参照して、優先的に消化する第2始動入賞装置検出スイッチ315の保留回数U2が、1以上であるか否かを判定する。
保留回数U2が1以上である場合(S804でYES)、メインCPU310aは、保留回数U2から1を減算し、保留回数U2を更新する(S806)。その際、メインCPU310aは、メインRAM310cに格納されている図5のS526によって取得された乱数のうち格納時期が最も古いものを読み出してメインRAM310cから削除する。そして、メインCPU310aは、S808に移行して、保留回数U2の値(U2≧1)に応じて、保留が消化された旨を示すように第2特別図柄保留表示器124の特定のLEDを点灯/点滅制御する。そして、メインCPU310aは、S820へ移行する。
一方、保留回数U2が≧1でないと判定した場合(S804でNO)、つまり保留個数U2が「0」である場合、メインCPU310aは、S810に移行して、第1始動入賞装置検出スイッチ312の保留回数U1が、1以上であるか否かを判定する。
保留回数U1が1以上でない場合(S810でNO)、メインCPU310aは、S816に移行して、デモ指定コマンドをメインRAM310cにセットする。そして、メインCPU310aは、この特別図柄処理を終了する。ここで、デモ指定コマンドは、第1及び第2特別図柄抽選における保留回数U1及びU2が「0」になったことに基づいて、演出制御基板340に対してメイン表示装置131に客待ち用のデモ画面の表示を指示するコマンドである。なお、デモ指定コマンドは、後述する出力処理(S480)において、演出制御基板340に送信される。
一方、保留回数U1が1以上である場合(S810でYES)、メインCPU310aは、保留回数U1から1を減算し、保留回数U1を更新する(S812)。その際、メインCPU310aは、メインRAM310cに格納されている図5のS506によって取得された乱数のうち格納時期が最も古いものを読み出してメインRAM310cから削除する。
そして、メインCPU310aは、S814に移行して、保留回数U1の値(U2≧1)に応じて、保留が消化された旨を示すように第1特別図柄保留表示器123の特定のLEDを点灯/点滅制御する。そして、メインCPU310aは、S820へ移行する。このS802〜S814の処理により、電チュー115入賞に基づく保留記憶が、第1始動入賞装置112入賞に基づく保留記憶よりも優先して消化される。なお、この特別図柄抽選における保留回数U1、U2は、上述した始動入賞装置検出スイッチ処理において設定されるパラメータである。
S820において、メインCPU310aは、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)の結果が大当りであるかはずれであるか等の判定をする大当り判定処理を実行する。以下、図9を用いて、S820で行われる大当り判定処理の内容について説明する。図9は、主制御基板310のメインCPU310aによって行われる大当り判定処理(S820)を示すフローチャートである。
図9を参照して、S900において、メインCPU310aは、後述の遊技状態が高確率になっていることを示す高確フラグを参照することにより、現在の遊技状態が大当り確率の高い高確率遊技状態(高確フラグオン)になっているか否かを判定する。現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合(S900でYES)、メインCPU310aは、S902に移行し、高確率時の大当り乱数判定テーブルを選択し、一方、現在の遊技状態が高確率遊技状態でない場合(S900でNO)、メインCPU310aは、S904に移行し、低確率時の大当り乱数判定テーブルを選択する(図2参照)。
S902又はS904の処理を終えると、メインCPU310aは、S906に移行して、大当り乱数判定の処理を実行する。大当り乱数判定とは、メインRAM310cを参照して、遊技球が第1始動入賞装置112又は電チュー115に入賞した際に取得した大当り乱数(S506又はS526で取得した大当り乱数)が、予め定められた「大当り」を示す値と比較して等しいか否かを判定する処理である。
そして、メインCPU310aは、S908に移行して、S906の大当り乱数判定に基づき、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)の結果が大当りか否かを判定する。ここで、大当りと判定された場合(S908でYES)、メインCPU310aは、S910に移行して、メインRAM310cに記憶された大当り図柄乱数の判定を行い、その判定結果に基づいて、第1特別図柄表示装置120又は第2特別図柄表示装置122にセットする大当り図柄(通常4R大当り(時短無し)、確変16R大当り(時短付)及び確変4R大当り(時短無し)の何れかに対応する大当り図柄)を設定し(S912)、この大当り判定処理を終了する。
一方、S908において、大当りでないと判定された場合(S908でNO)、メインCPU310aは、S914に移行して、取得した大当り乱数に基づいて小当りであるか否かの判定を行う。ここで、小当りと判定された場合(S914でYES)、第1特別図柄表示装置120又は第2特別図柄表示装置122にセットする小当り図柄を設定し(S916)、この大当り判定処理を終了する。また、S914において、小当りでないと判定した場合(S914でNO)、第1特別図柄表示装置120又は第2特別図柄表示装置122にセットするはずれ図柄を設定し(S918)、この大当り判定処理を終了する。
図8に戻って、次に、S830において、メインCPU310aは、変動パターン選択処理を実行する。以下、図10を用いて、S830で行われる変動パターン選択処理の内容について説明する。図10は、主制御基板310のメインCPU310aによって行われる変動パターン選択処理(S830)を示すフローチャートである。
図10を参照して、S1000において、メインCPU310aは、大当り判定処理で設定された特別図柄に基づいて、大当り判定処理の結果が大当りであるか否かの判定を行い、大当りであると判定した場合(S1000でYES)、S1014に移行して、大当たり用テーブルをメインRAM310cにセットする。一方、大当りでないと判定した場合(S1000でNO)、メインCPU310aは、S1002に移行して、大当り判定処理の結果が小当りであるか否かを判定する。
S1002において、小当りであると判定した場合(S1002でYES)、メインCPU310aは、S1004に移行して、小当り用テーブルをメインRAM310cにセットする。一方、小当りでないと判定した場合(S1002でNO)、メインCPU310aは、S1006に移行して、リーチ乱数判定の処理を実行する。リーチ乱数判定とは、はずれの場合にリーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチの有無を判定する処理であって、具体的には、メインRAM310cを参照して、遊技球が第1始動入賞装置112又は電チュー115に入賞した際に取得したリーチ乱数(S506又はS526で取得したリーチ乱数)が、予め定められた「リーチ有」又は「リーチ無」を示す値と比較して等しいか否かを判定する処理である。
そして、メインCPU310aは、S1008に移行して、ここでS1006のリーチ乱数判定に基づきリーチの有無を判定し、リーチ有りと判定した場合(S1008でYES)、S1010に移行して、リーチ用テーブルをメインRAM310cにセットする。一方、リーチ無しと判定した場合(S1008でNO)、メインCPU310aは、S1012に移行して、はずれ用テーブルをメインRAM310cにセットする。
次に、メインCPU310aは、S1016に移行して、先に取得した変動パターン乱数判定の処理を実行し、S1018に移行して、その変動パターン乱数に応じた変動パターンを設定して、この変動パターン選択処理を終了する。なお、変動パターン乱数判定とは、特別図柄変動時間(演出図柄変動の実行時間、通常時8〜180秒、時短時3〜180秒等)を決定するための処理であって、具体的には、メインRAM310cを参照して、遊技球が第1始動入賞装置112又は電チュー115に入賞した際に取得した変動パターン乱数(S506又はS526で取得した変動パターン乱数)が、予め定められた変動時間を示す値と比較して等しいか否かを判定する処理である。
図8に戻って、次に、S840において、メインCPU310aは、S820の大当り判定処理及びS830の変動パターン選択処理によってセットされた設定情報を含む変動演出開始コマンドを生成して、メインRAM310cにセットする。ここで、変動演出開始コマンドは、演出制御基板340に対して演出図柄の変動演出開始を指示するコマンドである。なお、S840でセットされた変動演出開始コマンドは、後述する出力処理(S480)において、演出制御基板340に送信される。そして、メインCPU310aは、S842に移行する。
S842において、メインCPU310aは、S840の処理でセットされた変動演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、第1特別図柄表示装置120又は第2特別図柄表示装置122による特別図柄の変動表示を開始する。そして、メインCPU310aは、S844に移行し、ここでS842における特別図柄の変動表示の開始時点から、S830の変動パターン選択処理で選択された特別図柄変動時間が経過したか否かを判定する。
変動時間が経過していないと判定された場合(S844でNO)、メインCPU310aは、この特別図柄処理を終了する。一方、変動時間が経過したと判定された場合(S844でYES)、メインCPU310aは、S846に移行して、メイン表示装置131等による演出図柄の変動演出終了を指示する変動演出停止コマンドをメインRAM310cにセットする。なお、S846でセットされた変動演出停止コマンドは、後述する出力処理(S480)において、演出制御基板340に送信される。そして、メインCPU310aは、S848に移行する。
S848において、メインCPU310aは、S842の処理で開始した第1特別図柄表示装置120又は第2特別図柄表示装置122による特別図柄の変動表示を停止してその停止図柄を表示する。そして、メインCPU310aは、S850に移行して、ここで停止中処理を実行する。以下、図11を用いて、S850で行われる停止中処理の内容について説明する。図11は、主制御基板310のメインCPU310aによって行われる停止中処理(S850)を示すフローチャートである。
図11を参照して、S1100において、メインCPU310aは、後述の遊技状態設定処理でオンに設定される時短フラグがオンであるか否か、つまり時短遊技中であるか否かの判定を行い、時短フラグがオンであると判定した場合(S1100でYES)、S1102に移行して、メインRAM310cに記憶されている時短ゲームの残ゲーム回数Jから「1」を減算する。
そして、メインCPU310aは、S1104に移行して、残ゲーム回数Jが「0」であるか否かを判定し、残ゲーム回数Jが「0」の場合(S1104でYES)、S1106に移行する。そして、S1106において、メインCPU310aは、残ゲーム回数Jが「0」を示すのは、時短ゲームにおいて特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行われたことを意味するので、ここで時短フラグをオフにし、S1108に移行する。なお、S1100において時短フラグがオンでないと判定した場合(S1100でNO)、あるいはS1104において、残ゲーム回数Jが「0」でないと判定した場合(S1104でNO)、メインCPU310aは、S1108に移行する。
S1108において、メインCPU310aは、後述の遊技状態設定処理でオンに設定される高確フラグがオンであるか否か、つまり高確率遊技中であるか否かの判定を行い、高確フラグがオンであると判定した場合(S1108でYES)、S1110に移行して、メインRAM310cに記憶されている高確率ゲームの残ゲーム回数Xから「1」を減算する。
そして、メインCPU310aは、S1112に移行して、残ゲーム回数Xが「0」であるか否かを判定し、残ゲーム回数Xが「0」の場合(S1112でYES)、S1114に移行する。そして、S1114において、メインCPU310aは、残ゲーム回数Jが「0」を示すのは、高確率ゲームにおいて特別図柄の変動表示が所定回数(例えば10000回)行われたことを意味するので、ここで高確フラグをオフにし、S1116に移行する。なお、S1108において高確フラグがオンでないと判定した場合(S1108でNO)、あるいはS1112において、残ゲーム回数Xが「0」でないと判定した場合(S1112でNO)、メインCPU310aは、S1116に移行する。
S1116において、メインCPU310aは、第1特別図柄表示装置120又は第2特別図柄表示装置122にセットされた特別図柄により大当りであるか否かの判定を行い、大当りでないと判定した場合(S1116でNO)、S1118に移行して、第1特別図柄表示装置120又は第2特別図柄表示装置122にセットされている特別図柄が小当りであるか否かを判定する。
S1118において、メインCPU310aは、小当りであると判定した場合(S1118でYES)、S1120に移行して、小当り遊技フラグをオンにする。そして、メインCPU310aは、S1122に移行して、ラウンド回数(R数)/作動パターンの設定を行う。なお、このS1122におけるラウンド回数/作動パターンの設定は、ラウンド数(R数)を2R、1R中の作動パターンが0.2秒開放×1回の同一態様に設定する。
そして、S1122の処理を終えると、メインCPU310aは、この停止中処理を終了する。一方、S1118において、メインCPU310aは、小当りでないと判定した場合(S1118でNO)、小当り遊技フラグをオンにすることなく、この停止中処理を終了する。
一方、S1116において、メインCPU310aは、大当りであると判定した場合(S1116でYES)、S1130に移行して、今回の大当りが確変16R大当りであるか否かを判定する。そして、確変16R大当りであると判定した場合(S1130でYES)、S1134に移行して、16R大当り遊技フラグをオンにする。
一方、S1130において、メインCPU310aは、確変16R大当りでないと判定した場合(S1130でNO)、S1136に移行して、今回の大当りは通常4R大当り又は確変4R大当りであると判定して、4R大当り遊技フラグをオンにする。そして、S1134又はS1136の処理を終えると、メインCPU310aは、S1140に移行する。
S1140において、メインCPU310aは、時短ゲームの残ゲーム回数J、及び高確率ゲームの残回数Xにそれぞれ「0」をセットして、残ゲーム回数J/Xをリセットし、S1142に移行して、時短フラグと高確フラグをオフにする。そして、S1150に移行して、大当りのオープニングを開始する。
そして、S1152に移行して、メインCPU310aは、大当りオープニングコマンドをメインRAM310cにセットする。なお、S1152でセットされた大当りオープニングコマンドは、後述する出力処理(S480)において、演出制御基板340に送信される。そして、メインCPU310aは、この停止中処理を終了し、図8に示す特別図柄処理を終了する。
図4に戻って、次に、S450において、メインCPU310aは、大入賞装置処理を実行する。以下、図12を用いて、S450で行われる大入賞装置処理の内容について説明する。図12は、主制御基板310のメインCPU310aによって行われる大入賞装置処理(S450)を示すフローチャートである。
図12を参照して、S1200において、メインCPU310aは、4R大当り遊技フラグ又は16R大当り遊技フラグがオンであるか否かを判定し、4R大当り遊技フラグ又は16R大当り遊技フラグがオンであると判定した場合(S1200でYES)、つまり大当り遊技中であると判定した場合に、S1210に移行して、大当りの開始演出を行うオープニング中であるか否かを判定する。
S1210において、メインCPU310aは、大当りのオープニング中であると判定した場合(S1210でYES)、S1212に移行して、オープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、S1212において、メインCPU310aは、オープニング時間が経過していないと判定した場合(S1212でNO)、この大入賞装置処理を終了し、一方、オープニング時間が経過したと判定した場合(S1212でYES)、S1214に移行して、ラウンド回数(R数)/作動パターンの設定を行う。
このS1214におけるラウンド回数/作動パターンの設定は、大当りが通常4R大当り又は確変4R大当りであった場合は、ラウンド数(R数)を4R、1R中の作動パターンが29.5秒開放×1回に設定する。また、大当りが確変16R大当りであった場合は、ラウンド数(R数)を16R、1R中の作動パターンが29.5秒開放×1回に設定する。
そして、S1215に移行して、メインCPU310aは、大当り遊技中に実行される大当り演出パターンを決定するための大当り演出コマンドをメインRAM310cにセットする。ここで、この大当り演出コマンドには、S850の停止中処理によってセットされた設定情報(大当りの種別などの情報)を含んでおり、このS1215でセットされた大当り演出コマンドは、後述する出力処理(S480)において、演出制御基板340に送信される。
そして、S1216に移行して、メインCPU310aは、大入賞装置117への1ラウンドあたりの入賞個数を示す個数カウンタCに「0」をセットし、S1218に移行して、ラウンド回数Rの値に「1」を加算する。そして、S1220に移行して、メインCPU310aは、大入賞装置117の作動を開始する。つまり、大入賞装置117の開閉扉117bを作動させて、大入賞装置117を閉状態から開状態にする。
次に、メインCPU310aは、S1240に移行して、大入賞装置117の作動時間が所定の作動時間を経過したか否かを判定し、この作動時間が所定時間を経過していないと判定した場合(S1240でNO)、S1242に移行して、個数カウンタCの値が規定入賞数(例えば9個)に達したか否かを判定する。
S1242において、メインCPU310aは、個数カウンタCの値が規定入賞数であると判定した場合(S1242でYES)、S1244に移行して、大入賞装置117の作動を終了する。つまり、大入賞装置117の開閉扉117bを作動させて、大入賞装置117を開状態から閉状態にする。一方、個数カウンタCの値が規定入賞数に達していないと判定した場合(S1242でNO)、この大入賞装置処理を終了する。
また、S1240において、メインCPU310aは、大入賞装置117の作動時間が所定の作動時間を経過していた場合(S1240でYES)、S1242の処理をスキップして、個数カウンタCの入賞数をチェックすることなく大入賞装置117の作動を終了する。
次に、メインCPU310aは、S1246に移行して、大当りラウンド回数Rが最大ラウンド回数であるか否かを判定する。つまり、S1246では、大当りラウンドが最終ラウンドであるか否かを判定する処理であって、大当りが確変16R大当りである場合は16ラウンド、通常4R大当り又は確変4R大当りである場合は4ラウンドであるか否かを判定する。
S1246において、メインCPU310aは、大当りラウンドが最終ラウンドでないと判定した場合(S1246でNO)、この大入賞装置処理を終了する。一方、大当りラウンドが最終ラウンドであると判定した場合(S1246でYES)、S1248に移行して、メインCPU310aは、今回の大入賞装置117の作動が4R大当り又は16R大当りに基づくものであるか否か、つまり、今回の大入賞装置117の作動が大当りに基づくものか又は小当りに基づくものかを判定する。
S1248において、メインCPU310aは、大当りである(小当りでない)と判定した場合(S1248でYES)、S1250に移行して、大当りの終了演出を行うエンディングを開始する。そして、S1252に移行して、メインCPU310aは、大当りエンディングコマンドをメインRAM310cにセットする。なお、S1252でセットされた大当りエンディングコマンドは、後述する出力処理(S480)において、演出制御基板340に送信される。
次に、メインCPU310aは、S1254に移行して、ラウンド回数Rの値を「0」にセットし、S1256に移行して、エンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、S1256において、エンディング時間が経過したと判定した場合(S1256でYES)、S1270に移行して、後述する遊技状態設定処理を実行し、一方、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S1256でNO)、この大入賞装置処理を終了する。
また、S1248において、メインCPU310aは、大当りでない(小当りである)と判定した場合(S1248でNO)、S1260に移行して、上記したS1254と同様に、ラウンド回数Rの値を「0」にセットし、その後S1270に移行して、後述する遊技状態設定処理を実行する。
また、ステップS1210において、メインCPU310aは、大当りのオープニング中でないと判定した場合(S1210でNO)、S1230に移行して、大当りのエンディング中であるか否かを判定する。そして、S1230において、メインCPU310aは、大当りのエンディング中であると判定した場合(S1230でYES)、S1256に移行する。
一方、S1230において、メインCPU310aは、大当りのエンディング中でないと判定した場合(S1230でNO)、S1232に移行して、大入賞装置117が作動中であるか否かを判定する。つまり、大入賞装置117の開閉扉117bが作動中で、大入賞装置117が開状態であるか否かを判定する。このS1232において、メインCPU310aは、大入賞装置117が作動中であると判定した場合(S1232でYES)、上記S1240に移行し、大入賞装置117が作動中でないと判定した場合(S1232でNO)、上記S1216に移行する。
また、S1200において、メインCPU310aは、4R大当り遊技フラグ及び16R大当り遊技フラグがオンでないと判定した場合(S1200でNO)、S1204に移行して、小当り遊技フラグがオンであるか否かを判定する。そして、S1204において、メインCPU310aは、小当り遊技フラグがオンでない場合(S1204でNO)、この大入賞装置処理を終了する。一方、メインCPU310aは、S1204において小当り遊技フラグがオンである場合(S1204でYES)、S1232に移行する。
図13を用いて、次にS1270で行われる遊技状態設定処理の内容について説明する。図13は、主制御基板310のメインCPU310aによって行われる遊技状態設定処理(S1270)を示すフローチャートである。まずS1300において、メインCPU310aは、小当りであるか否かを判定し、小当りであると判定した場合(S1300でYES)、この遊技状態設定処理を終了する。
一方、小当りでないと判定した場合(S1300でNO)、メインCPU310aは、S1302に移行して、今回の大当りは通常4R大当り(時短無し)であるか否かを判定する。そして、S1302において、メインCPU310aは、通常4R大当りであると判定した場合(S1302でYES)、この遊技状態設定処理を終了する。
一方、S1302において、通常4R大当り(時短無し)でないと判定した場合(S1302でNO)、つまり、今回の大当りは確変4R大当り(時短無し)又は確変16R大当り(時短付き)であると判定した場合、これらの大当りは高確率遊技を付与する大当りであるので、メインCPU310aは、S1320に移行して、高確フラグをオンにし、S1322に移行して、高確ゲームの残ゲーム回数Xに例えば「10000」をセットする。
次に、メインCPU310aは、S1324に移行して、大当りが時短付きの確変16R大当りであるか否かを判定し、時短付きの確変16R大当りであると判定した場合(S1324でYES)、S1326に移行して、時短フラグをオンにする。そして、メインCPU310aは、S1328に移行して、時短ゲームの残ゲーム回数Jに例えば「100」をセットして、この遊技状態設定処理を終了する。これにより、確変16R大当り遊技の終了後、最大で10000回(実質的には次の大当りになるまで)の高確ゲーム及び100回の時短ゲームが付与される。
一方、S1324において、時短付きの確変16R大当りでないと判定した場合(S1324でNO)、つまり今回の大当りは時短付きでない確変4R大当りであると判定した場合は、この遊技状態設定処理を終了する。これにより、確変4R大当り遊技の終了後、最大で10000回(実質的には次の大当りになるまで)の高確ゲームが潜伏状態(潜確状態)で付与される。
つまり、遊技者は、共に大当り遊技終了後に時短が付与されない通常4R大当りと確変4R大当りとの区別がつき難く、その結果、両者の大当り遊技終了後に後述する潜確モードにモード移行がなされたとき、この潜確モードは大当り確率が上昇している高確率遊技状態になっているか否かが見分け難くなる。これにより、確変4R大当り遊技終了後は、内部的に高確率になっていることが潜伏し、遊技の趣向性が向上する。
図12に戻って、S1270の遊技状態設定処理を終了すると、メインCPU310aは、S1280に移行して、ここで小当り遊技フラグ又は大当り遊技フラグ(16R大当り遊技フラグ又は4R大当り遊技フラグ)をオフにして、この大入賞装置処理を終了する。
図4に戻って、次に、S460において、メインCPU310aは、普通電動役物の一例である電チュー(第2始動入賞装置)115の作動処理(電動チューリップ処理)を実行する。以下、図14を用いて、S460で行われる電動チューリップ処理の内容について説明する。図14は、主制御基板310のメインCPU310aによって行われる電動チューリップ処理(S460)を示すフローチャートである。
図14を参照して、S1400において、メインCPU310aは、上記した普通図柄処理のS700と同様に、「補助遊技フラグ」がオンであるか否かを判定する。補助遊技フラグがオフである場合(S1400でNO)、メインCPU310aは、この電動チューリップ処理を終了する。
一方、補助遊技フラグがオンである場合(S1400でYES)、メインCPU310aは、電チュー(第2始動入賞装置)115が作動中であるか否かを判定する(S1402)。そして、電チュー115が作動中であると判定した場合(S1402でYES)、メインCPU310aは、S1422に処理を進める。一方、電チュー115が作動中でないと判定した場合(S1402でNO)、メインCPU310aは、S1404に移行し、上記した時短フラグを参照することにより、現在の遊技状態が当り確率の高い時短遊技状態になっているか否か(上記した遊技状態設定処理のS1326で時短フラグがオンに設定されているか否か)を判定する。
ここで、現在の遊技状態が時短遊技状態であると判定した場合(S1404でYES)、メインCPU310aは、S1412に移行し、電チュー115の時短遊技状態における当りの開放パターンとして、可動片115bを0.2秒×3回+4秒×1回開放する動作を行う開放パターンをメインRAM310cにセットする。
一方、現在の遊技状態が時短遊技状態でないと判定した場合(S1404でNO)、メインCPU310aは、S1406に移行して、上記した図7の普通図柄処理のS746で「当り」と判定された当りがロング当りか否かを判定する。そして、ロング当りである場合(S1406でYES)、メインCPU310aは、S1408に移行し、電チュー115のロング当りの開放パターンとして、可動片115bを0.1秒×1回+5.5秒×1回開放する動作を行う開放パターンをメインRAM310cにセットする。
一方、ロング当りでない場合(S1406でYES)、つまりショート当りである場合、メインCPU310aは、S1410に移行し、電チュー115のショート当りの開放パターンとして、可動片115bを0.5秒×1回開放する動作を行う開放パターンをメインRAM310cにセットする。メインCPU310aは、S1408、S1410及びS1412で開放パターンをセットした後、S1414に移行し、セットした開放パターンで電チュー115の可動片115bの作動を開始させる。
そして、メインCPU310aは、S1422に移行して、上記S1414の処理で開始された電チュー115の作動が完了したか否かを判定する。つまり、可動片115bを所定期間開放する開放パターンの動作が終了したか、又は、この開放パターンが終了する前に規定入賞数(max9個)の遊技球が電チュー115に入賞したか否かを判定する。
ここで、電チュー115の作動が完了したと判定した場合(S1422でYES)、S1424に移行し、メインCPU310aは、補助遊技フラグをオフに設定して補助遊技を終了させ、この電動チューリップ処理を終了する。一方、電チュー115の作動が完了していないと判定した場合(S1422でNO)、メインCPU310aは、S1424の処理を行うことなく、そのまま電動チューリップ処理を終了する。
図4に戻って、次に、S465において、メインCPU310aは、下皿141が遊技球で満タンになったことを検知する皿満タン検出スイッチ313に基づく皿満タン検出スイッチ(SW)処理を実行する。図15を用いて、以下、S465で行われる皿満タン検出スイッチ処理の内容について説明する。図15は、主制御基板310のメインCPU310aによって行われる皿満タン検出スイッチ処理(S465)を示すフローチャートである。
図15を参照して、S1500において、メインCPU310aは、下皿141が遊技球で満タンになって皿満タン検出スイッチ313がオンとなったか否かを判定する。そして、メインCPU310aは、皿満タン検出スイッチ313がオンとなった場合(S1500でYES)、S1510に移行して、下皿141が遊技球で満タンになったことを通知する皿満タンエラー開始コマンドをメインRAM310cにセットする。皿満タンエラー開始コマンドは、後述する出力処理(S480)において、演出制御基板340に送信され、演出制御基板340は、下皿141が遊技球で満タンになったことを認識し、それに基づくエラー報知をメイン表示装置131や音声出力装置132にて実行することができる。なお、この皿満タンエラー開始コマンドに基づくエラー報知は、後述の大当り中における操作指示演出としても機能する。
S1510の処理を終えると、又はS1500でNOの場合、メインCPU310aは、S1520に移行して、下皿141の満タン状態が解消されて皿満タン検出スイッチ313がオフとなったか否かを判定する。そして、メインCPU310aは、皿満タン検出スイッチ313がオフとなった場合(S1520でYES)、S1530に移行して、上記S1510の皿満タンエラー開始コマンドに基づいて実行されているエラー報知を終了させるための皿満タンエラー終了コマンドをメインRAM310cにセットする。なお、この皿満タンエラー終了コマンドは、後述する出力処理(S480)において、演出制御基板340に送信される。そして、メインCPU310aは、S1530の処理を終えると、又はS1520でNOの場合、この皿満タン検出スイッチ処理を終了する。
図4に戻って、S465の皿満タン検出スイッチ処理を終えると、次に、S470において、メインCPU310aは、賞球処理を行う。例えば、賞球処理においては、メインCPU310aは、第1始動入賞装置112、電チュー115及び大入賞装置117にそれぞれ入賞した遊技球数に応じた賞球の払出数を設定する。
次に、S480において、メインCPU310aは、出力処理を行う。具体的には、メインCPU310aは、演出制御基板340、払出制御基板380及び発射制御基板390に対して、それぞれ制御用コマンドを出力する。例えば、メインCPU310aは、払出数を示す制御用コマンドを払出制御基板380に出力することによって、当該払出数を払出制御基板380に対して指示する。
また、メインCPU310aは、上記した第1保留数増加コマンド(S510)、第2保留数増加コマンド(S530)、普通図柄演出コマンド(S718)、デモ指定コマンド(S816)、変動演出開始コマンド(S840)、変動演出停止コマンド(S846)、オープニングコマンド(S1152)、大当り演出コマンド(S1215)、エンディングコマンド(S1252)、皿満タンエラー開始コマンド(S1510)、皿満タンエラー終了コマンド(S1530)等を演出制御基板340に出力することによって、遊技機100における演出内容等を決定させる。以上で、主制御基板310のメインCPU310aによって行われるタイマ割込み処理の説明を終了する。
<演出制御基板のタイマ割込み処理>
図16〜36を用いて、次に、演出制御基板340のタイマ割込み処理の内容について説明する。まず、図16は、演出制御基板340のサブCPU340aによって行われるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。なお、本処理は、演出制御基板340に設けられた図示しないリセット用クロックパルス発生回路によって、演出制御基板340の電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、所定の周期(例えば2ms)毎に繰り返し実行される。また、図16〜36のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板340で行われる処理は、サブROM340bに記憶されているプログラムに基づいて実行される。なお、図16〜36においては、本発明に主に関係しない処理については省略されている。
電源投入を契機にして、サブCPU340aは起動プログラムを実行し、これによって、メモリ(例えば、サブRAM340c)等の各ユニットの初期化等がなされる。初期化が行われた後、サブROM340bに記憶されたプログラムがサブRAM340cに読み込まれ、サブCPU340aによって当該プログラムが実行される。
このタイマ割込み処理が実行されると、まず、S1600において、サブCPU340aは、主制御基板310から送信されたコマンドを受信し、受信したコマンドに基づいた演出等の実行を決定して、それを指示するコマンドをサブRAM340cにセットするコマンド受信処理を行う。
図17を用いて、ここで、コマンド受信処理の内容について説明する。図17は、演出制御基板340のサブCPU340aによって行われるコマンド受信処理(S1600)を示すフローチャートである。まず、S1700において、サブCPU340aは、主制御基板310からデモ指定コマンドを受信したか否かを判定する(図8のS816参照)。
デモ指定コマンドを受信し受信していると判定された場合(S1700でYES)、サブCPU340aは、S1702に移行して、デモ指定コマンド受信処理を実行する。以下、図18を用いて、S1702で行われるデモ指定コマンド受信処理の内容について説明する。図18は、演出制御基板340のサブCPU340aによって行われるデモ指定コマンド受信処理(S1702)を示すフローチャートである。
図18を参照して、サブCPU340aは、まずS1800において、デモ待機時間Tdに所定の時間(例えば30〜60秒)を設定し、次に、S1810に移行して、この設定したデモ待機時間Tdの計測を開始する。デモ指定コマンドは、上記したように第1始動入賞装置112及び第2始動入賞装置(電チュー)115の始動記憶が無くなってメイン表示装置131に大当り抽選に係る演出図柄の変動表示が実行されなくなったときに受信するコマンドであり、従って、デモ待機時間Tdの計測時間は、メイン表示装置131に演出図柄の変動表示が実行されなくなってからの経過時間を表している。
次に、サブCPU340aは、S1820に移行し、ここで設定したデモ待機時間Tdが経過するまでに変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(図8のS840参照)。変動演出開始コマンドは、上記したように第1始動入賞装置112又は第2始動入賞装置(電チュー)115への遊技球の入賞に基づいてメイン表示装置131に大当り抽選に係る演出図柄の変動表示を開始するときに受信するコマンドであり、従って、デモ待機時間Tdが経過するまでに変動演出開始コマンドを受信したと判定された場合(S1820でYES)、サブCPU340aは、遊技機100は待機状態でないと判断してこのデモ指定コマンド受信処理を終了する。これにより、メイン表示装置131では、停止していた大当り抽選に係る演出図柄の変動表示が再開される。
一方、S1820において、変動演出開始コマンドを受信していないと判定された場合(S1820でNO)、サブCPU340aは、遊技機100は待機状態であると判断し、S1830に移行して、客待ち用のデモ演出を実行するため、デモフラグをオンに設定する。そして、サブCPU340aは、S1840に移行して、画像制御基板350やランプ制御基板360に指示するためのデモ演出開始コマンドをサブRAM340cにセットして、メイン表示装置131や音声出力装置132等にデモ演出の実行を開始させる。これにより、メイン表示装置131では、停止していた大当り抽選に係る演出図柄の画面がデモ演出画面に切り替わる。そして、S1840の処理を終えると、サブCPU340aは、このデモ指定コマンド受信処理を終了する。
図17に戻って、S1700でNO又はS1702の処理を終えると、サブCPU340aは、S1704に移行して、主制御基板310から保留数増加コマンド(第1保留数増加コマンド又は第2保留数増加コマンド)を受信したか否かを判定する(図5のS510及びS530参照)。
保留数増加コマンドを受信していると判定された場合(S1704でYES)、サブCPU340aは、S1706に移行して、保留数加算処理を実行する。具体的にS1706の処理では、サブCPU340aは、第1保留数増加コマンドを受信した場合、メイン表示装置131に第1特別図柄抽選の保留数を示す保留画像(保留アイコン)を1つ追加させるために、サブRAM340cに格納されている第1特別図柄抽選の保留数を1加算する。同様に、サブCPU340aは、第2保留数増加コマンドを受信した場合、メイン表示装置131に第2特別図柄抽選の保留数を示す保留画像(保留アイコン)を1つ追加させるために、サブRAM340cに格納されている第2特別図柄抽選の保留数を1加算する。
そして、サブCPU340aは、S1710に移行して、保留先読み処理を実行する。以下、図19を用いて、S1710で行われる保留先読み処理の内容について説明する。図19は、演出制御基板340のサブCPU340aによって行われる保留先読み処理(S1710)を示すフローチャートである。
図19を参照して、サブCPU340aは、まずS1900において、上記S1704で受信した第1保留数増加コマンド又は第2保留数増加コマンドを解析し、今回の第1始動入賞装置112又は第2始動入賞装置(電チュー)115への入賞に基づいて発生した保留球、すなわち、上記した図17のS1706でサブRAM340cに1加算した保留記憶に対する大当り抽選の事前判定(第1事前判定又は第2事前判定、図5のS508又はS528)結果が、大当り、小当り又はリーチ有りはずれであるか否かを判定する。
S1900において、事前判定(第1事前判定又は第2事前判定)結果が大当り、小当り又はリーチ有りはずれでないと判定された場合(S1900でNO)、つまり、事前判定結果がリーチ無しはずれの場合には、サブCPU340aは、S1904に移行して、上記S1706でサブRAM340cに1加算した保留記憶を契機に、メイン表示装置131やサブ表示装置139で保留先読み演出を実行するか否かの決定を、乱数等を用いた所定の抽選方法により行う保留先読み演出抽選処理を実行する。
そして、サブCPU340aは、S1906に移行して、このS1906において保留先読み演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、S1906において、保留先読み演出の実行が決定されたと判定された場合(S1906でYES)、あるいは、上記S1706でサブRAM340cに1加算した保留記憶に対する大当り抽選の事前判定(第1事前判定又は第2事前判定)結果が、大当り、小当り又はリーチ有りはずれであると判定された場合(S1900でYES)、サブCPU340aは、S1910に移行し、今回の第1始動入賞装置112又は第2始動入賞装置(電チュー)115への入賞に基づいて発生した保留球に対する保留表示の追加を含む保留先読み演出を実行するため、画像制御基板550に指示するための保留先読み演出コマンドをサブRAM540cにセットする。
これにより、メイン表示装置131及びサブ表示装置139には、特別図柄に係る保留記憶と1対1で対応する保留画像をベースとした大当り抽選に係る保留先読み演出が、所定の先読み予告態様にて実行される。なお、保留数増加コマンドに含まれている事前判定情報がリーチ無しハズレを示しているときに抽選で当選して保留先読み演出を実行する場合、この保留先読み演出は、ガセ(フェイク)表示となる。
一方、S1906において、保留先読み演出の実行が決定されなかったと判定された場合(S1906でNO)、サブCPU340aは、S1908に移行し、保留先読み演出が実行されない通常の特別図柄の保留画像に表示すべく(上記図17のS1706でサブRAM340cに1加算した保留記憶に対する保留表示を追加すべく)、画像制御基板350に指示するための保留表示コマンドをサブRAM340cにセットして、メイン表示装置131に通常の特別図柄の保留画像を表示させる。そして、サブCPU340aは、S1908又はS1910の処理を終えると、この保留先読み処理を終了する。
図17に戻って、保留先読み処理を終了すると、又は、S1704において保留増加コマンドを受信していないと判定された場合(S1704でNO)、サブCPU340aは、S1712に移行して、図7の普通図柄処理のS718でセットされた普通図柄演出コマンドを受信したか否かを判定する。そして、普通図柄演出コマンドを受信した場合(S1712でYES)、サブCPU340aは、S1714に移行して、普通図柄演出コマンド受信処理を実行する。以下、図20を用いて、S1714で行われる普通図柄演出コマンド受信処理の内容について説明する。図20は、演出制御基板340のサブCPU340aによって行われる普通図柄演出コマンド受信処理(S1714)を示すフローチャートである。
図20を参照して、サブCPU340aは、まずS2000において、デモフラグがオンに設定されているか否かを判定する(図18のS1830参照)。そして、デモフラグがオンに設定されていると判定された場合(S2000でYES)、つまり遊技機100は待機状態であって客待ち用のデモ演出を実行している場合、サブCPU340aは、S2010に移行して、デモフラグをオフに設定し、次にS2020に移行して、画像制御基板350やランプ制御基板360に指示するためのデモ演出終了コマンドをサブRAM340cにセットして、メイン表示装置131や音声出力装置132等にデモ演出の実行を終了させる。
つまり普通図柄演出コマンド受信処理では、普通図柄演出コマンドを受信すると、遊技機100が待機状態であって客待ち用のデモ演出を実行している場合、この実行していたデモ演出を終了させる。そして、S2020の処理を終えると、又は、S2000においてデモフラグがオンに設定されていないと判定された場合(S2000でNO)、サブCPU340aは、S2030に移行して、普通図柄演出実行処理を行う。図21を用いて、以下、S2030で行われる普通図柄演出実行処理の内容について説明する。図21は、演出制御基板340のサブCPU340aによって行われる普通図柄演出実行処理(S2030)を示すフローチャートである。
図21を参照して、サブCPU340aは、まずS2100において、上記した時短フラグを参照することにより、現在の遊技状態が当り確率の高い時短状態になっているか否かを判定する。そして、現在の遊技状態が時短状態であると判定した場合(S2100でYES)、サブCPU340aは、この普通図柄演出実行処理を終了する。つまり、普通図柄演出は、遊技状態が時短の場合、行われることはない。この理由としては、時短状態では、普通図柄が当りになる抽選確率が上昇しており(図2参照)、頻繁に電チュー115が開放するので、そもそも普通図柄が当りになって電チュー115の開放を示唆するような普通図柄演出は、意味をなさないからである。
一方、現在の遊技状態が時短状態でないと判定した場合(S2100でNO)、サブCPU340aは、S2102に移行して、上記した大当りフラグを参照することにより、現在の遊技状態が大当り状態(4R又は16R大当り)になっているか否かを判定する。そして、現在の遊技状態が大当り状態でないと判定した場合(S2102でNO)、サブCPU340aは、S2140に移行して、煽り演出通常抽選処理を実行する。
このS2140で行われる煽り演出通常抽選処理は、普通図柄の変動表示に係わってメイン表示装置131や音声出力装置132、演出用照明装置134等で、当該普通図柄の変動表示中に、この変動表示の抽選結果が当りになるか否かに関する煽り演出の実行を、抽選により決定する処理である。図22を用いて、以下、S2040で行われる煽り演出通常抽選処理について説明する。図22は、煽り演出実行用の煽り演出実行乱数が取得される煽り演出実行乱数テーブルの一例を示した説明図である。
図22を参照して、煽り演出通常抽選処理は、上記したように遊技状態が時短でなく(S2100でNO)、大当り状態でもない(S2102でNO)通常の遊技状態のときに実行される処理であって、この場合、煽り演出実行乱数は、図22上段に示す通常状態の判定基準によって判定される。すなわち、この場合の煽り演出実行乱数は、普通図柄抽選ではずれと判定された当該普通図柄の変動表示中に煽り演出を実行するか否かを決定するための乱数となり、図22に示す煽り演出の実行を抽選する通常状態の煽り演出実行乱数テーブルでは、サブCPU340aは、例えば普通図柄演出コマンドを受信したタイミングで、「0」〜「9」までの10個の乱数の中から一つの乱数値を取得する。
この通常状態における煽り演出実行乱数テーブルは、受信した普通図柄演出コマンドの解析結果に基づき、普通図柄の抽選結果がはずれの場合、図に示すように、煽り演出実行の割合(抽選確率)が、1/10に設定され、取得した煽り演出実行乱数値が「0」のときに煽り演出を実行すると判定される一方、煽り演出非実行の割合(抽選確率)は、9/10に設定され、取得した煽り演出実行乱数値が「1」〜「9」のときに煽り演出を実行しないと判定される。一方、受信した普通図柄演出コマンドの解析結果に基づき、普通図柄の抽選結果が当りの場合、ショート当りかロング当りかは問わず、煽り演出実行乱数に関係なく100パーセント煽り演出を実行すると判定される。
すなわち、図21のS2140で行われる煽り演出通常抽選処理では、普通図柄の抽選結果が当り(ショート当りかロング当りかは問わず)のときは、全て煽り演出を実行すると判定し、普通図柄の抽選結果がはずれのときは、所定の割合(抽選確率、例えば1/10)で煽り演出を実行すると判定されるようになっている。
図21に戻って、S2140の処理を終えると、サブCPU340aは、S2142に移行して、上記S2140の処理に基づいて煽り演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、S2142において、煽り演出の実行が決定されたと判定されたとき(S2142でYES)、サブCPU340aは、S2146に移行し、煽り演出通常演出用コマンドを生成して、サブRAM340cにセットする。この煽り演出通常演出用コマンドにより、メイン表示装置131や音声出力装置132、演出用照明装置134等に普通図柄演出として、普通図柄の抽選結果が当りになるか否かに係る煽り演出を実行させる。そして、S2146の処理を終えると又はS2142でNOの場合、サブCPU340aは、この普通図柄演出実行処理を終了する。
図23を用いて、ここで遊技状態が通常状態のときに実行される普通図柄演出としての煽り演出の具体的な内容について説明する。図23は、遊技状態が通常状態(時短、大当りを除く遊技状態)のときに実行される煽り演出の一例を示す説明図である。この通常状態における煽り演出(以下、「通常煽り演出」ともいう)は、上記したように、受信した普通図柄演出コマンドの解析結果に基づき、普通図柄の抽選結果が当り(ショート当りかロング当りかは問わず)のとき、あるいは、普通図柄の抽選結果がはずれのときに所定の割合で、普通図柄表示装置118にて普通図柄の変動表示中に、この変動表示の抽選結果が当りになるか否かの演出を行うようになっている。
図23を参照して、通常煽り演出は、メイン表示装置131の下部や隅に表示され、メイン表示装置131の画面のその他の領域には、矢印で示すように、演出図柄に係る変動表示等が並行して表示されるようになっている。通常煽り演出の表示態様は、メイン表示装置131の画面の右隅領域にルーレット演出と、このルーレット演出に隣接するように画面の下部領域にキャラクタ等を用いた演出が行われるようになっている。なお、このキャラクタは、図23上段に示すように、玉を持った人間の女の子をデフォルメした「玉ちゃん」が一例として用いられている。
通常煽り演出におけるルーレット演出は、図23下段に示すように、円形の回転表示体2302と、指針2304とから略ルーレット状に構成され、回転表示体2302の内部は、「ロング当り」「ショート当り」「はずれ」に対応する3種類の表示領域が形成されている。また、この3種類の表示領域は、回転表示体2302の内部が、中心から円周に延びる複数の線で8つの略三角形状に区画されて形成されている。指針2304は、三角状に形成され、その下側の先端が回転表示体2302内部の表示領域に臨んでおり、回転表示体2302の回転が停止したとき、指針2304の先端が示す区画が普通図柄の抽選結果を表すようになっている。
このルーレット演出は、普通図柄の変動表示中は回転表示体2302が矢印Kの方向に時計回りに回転し、普通図柄の変動表示が停止するのに合わせて、回転表示体2302の回転が停止するようになっている。そして、回転表示体2302の回転が停止した時点で、指針2304の先端が「ロング当り」「ショート当り」「はずれ」の何れかの区画を示すようになっている。なお、回転表示体2302の回転は、回転始動時は高速回転とし、停止が近づくにつれて徐々に低速回転にするとよい。
つまり、ルーレット演出において、指針2304は、回転表示体2302が停止したとき、普通図柄表示装置118における普通図柄の抽選結果と一致する回転表示体2302内の区画を示すように構成されている。すなわち、サブCPU340aが受信した普通図柄演出コマンドを解析した結果に基づき、ルーレット演出の結果は、普通図柄演出コマンドの設定情報の中に、はずれを示す情報があれば「はずれ」を示し、ロング当りを示す情報があれば「ロング当り」を示し、ショート当りを示す情報があれば「ショート当り」を示すようになっている。
また、回転表示体2302は、図23に示すように、その表示領域のうち各3区画は「はずれ」と「ショート当り」、2区画は「ロング当り」になっている。そして、表示領域を構成する8区画において、1つの区画の面積はそれぞれ相違するように設けられており、トータルの面積として「はずれ」が一番大きく、「ロング当り」が一番小さくなっている。これは、上述した図2の当り乱数と当り図柄乱数を考慮し、それらの抽選確率(当り確率1/10、はずれの確率9/10、当りのうちロング当りの確率1/3、当りのうちショート当りの確率2/3)に略見合うように構成されている。
また、キャラクタとしての玉ちゃんは、ルーレット演出が行われている間、所定の動作を行ったり、その動作と共に所定の言葉を発生する演出を行い、通常煽り演出による遊技者への普通図柄の抽選が当りになるか否かに係る煽り度を、その動作や言葉によって一層高め、通常煽り演出(ルーレット演出)をより興趣深いものにする効果を有している。例えば、動作として、自転車に乗ってゴールを目指す場面で、途中で転けてリタイアする玉ちゃんや、完走してゴールインする玉ちゃんを演出表示したり、言葉として、青い文字で「熱いよ」と喋るたぬ玉ちゃんや、赤い文字で「激熱」と喋る玉ちゃんを演出表示したりする。この場合、遊技者にとっては、玉ちゃんの動作や言葉によって、今回の普通図柄(ルーレット演出)の抽選における信頼度を推し量ることができる。従って、この場合、遊技者には、ゴールインする玉ちゃんや赤い文字で「激熱」と喋る玉ちゃんの出現により、ルーレット演出の結果がロング当りになる蓋然性が一番高い(はずれになる蓋然性が一番低い)と思わせることができる。なお、信頼度とは、遊技者にとって有利な遊技結果となる確率のバロメータである。
なお、通常煽り演出において、ルーレット演出で行われる回転表示体2302の表示領域の比率は、上記に限らず、例えば、当り乱数及び当り図柄乱数の抽選確率に影響されることなく、通常煽り演出(ルーレット演出)が行われる毎に、ガセも含め(例えば、「ロング当り」が一番大きく、「はずれ」が一番小さい)、毎回変化させるようにしてもよい。そして、ルーレット演出に付随する玉ちゃんの演出は、この回転表示体2302の表示領域の比率の内容に合わせて変化させるようにすればよい。例えば、この表示領域の比率が「ロング当り」が一番大きく、「はずれ」が一番小さい場合には、信頼度の高い玉ちゃんの演出として、上記したゴールインする玉ちゃんや赤い文字で「激熱」と喋る玉ちゃんを出現させるようにすればよい。
更に、通常煽り演出では、上記したようにメイン表示装置131にて演出表示が行われている間、音声出力装置132からの音響等による演出や、演出用照明装置134による光の点灯/点滅等による演出、あるいは演出用駆動装置361によるギミック109による演出が融合して一体的に行われ、これにより通常煽り演出による遊技者への普通図柄の抽選が当りになるか否かに係る煽り度を更に高めるようになっている。例えば、演出用照明装置134による演出では、回転表示体2302の始動時は低速点滅とし、停止が近づくにつれて徐々に高速点滅にする演出等が挙げられる。また、ルーレット演出は、上記した態様に変えて、指針2304を省略し、回転表示体2302の8つの区画が順次点灯(例えば時計回り)していくように構成し、最後に点灯が停止した区画が普通図柄の抽選結果を示すように構成してもよい。
図21に戻って、一方、現在の遊技状態が大当り状態であると判定した場合(S2102でYES)、サブCPU340aは、S2104に移行して、この普通図柄演出コマンド受信時の大当りが時短遊技を経由して大当りなったのか否か、換言すれば、現在実行されている大当りが時短遊技を経由しないいわゆる「初当り」か否かを判定する。そして、現在の大当りが時短遊技を経由して大当りになった(初当りでなかった)と判定した場合(S2104でYES)、サブCPU340aは、この普通図柄演出実行処理を終了する。つまり、普通図柄演出は、初当りでない大当りの場合、行われることはない。
一方、現在実行されている大当りが時短遊技を経由しない初当りであったと判定した場合(S2104でNO)、サブCPU340aは、S2106に移行して、現在実行されている大当りが、上記図11の停止中処理のS1152でセットされたオープニングコマンドの受信(後述のS1770)により、オープニング演出の実行中か否かを判定する。そして、オープニング演出の実行中でないと判定した場合(S2106でNO)、サブCPU340aは、S2110に移行して、現在実行されている大当りが、上記図12の大入賞装置処理のS1252でセットされたエンディングコマンドの受信(後述のS1778)により、エンディング演出の実行中か否かを判定する。
そして、エンディング演出の実行中でないと判定した場合(S2110でNO)、サブCPU340aは、S2112に移行して、現在の第2始動入賞装置(電チュー)115の保留記憶が満タン(max)になって、これ以上記憶できない状態になっているか否かを判定する。そして、第2始動入賞装置(電チュー)115の保留記憶が満タンになっていると判定した場合(S2112でYES)、サブCPU340aは、この普通図柄演出実行処理を終了する。つまり、普通図柄演出は、初当りの大当り中であっても、オープニング演出及びエンディング演出の実行中でない場合、つまりラウンド遊技中の場合で且つ第2始動入賞装置(電チュー)115の保留記憶が満タンになっているときは、行われることはない。一方、S2106でYES、S2110でYES又はS2112でNOの場合、サブCPU340aは、S2114に移行して、煽り演出大当り抽選処理を実行する。
このS2114で行われる煽り演出大当り抽選処理は、普通図柄の変動表示に係わってメイン表示装置131や音声出力装置132、演出用照明装置134等で、大当り遊技状態における当該普通図柄の変動表示中に、この変動表示の抽選結果が当りになるか否かに関する煽り演出の実行を、抽選により決定する処理である。ここで、上記図22を用いて、以下、S2114で行われる煽り演出大当り抽選処理について説明する。
図22を参照して、煽り演出大当り抽選処理は、上記したように遊技状態が大当り(初当り)でオープニング演出中(S2106でYES)又はエンディング演出中(S2110でYES)のときは無条件で実行されると共に、オープニング及びエンディング演出中でないラウンド遊技中であっても第2始動入賞装置(電チュー)115の保留記憶が満タンになっていないとき(S2112でNO)は実行される処理であって、この場合、煽り演出実行乱数は、図22下段に示す大当り状態の判定基準によって判定される。
すなわち、大当り状態の場合の煽り演出実行乱数は、大当り中において、普通図柄抽選ではずれと判定された当該普通図柄の変動表示中に煽り演出を実行するか否かを決定するため、及び、普通図柄抽選でショート当りと判定された当該普通図柄の変動表示中に煽り演出を実行するか否かを決定するための乱数となり、図22に示す煽り演出の実行を抽選する大当り状態の煽り演出実行乱数テーブルでは、上記の通常状態の煽り演出実行乱数テーブルと同様、サブCPU340aは、普通図柄演出コマンドを受信したタイミングで、「0」〜「9」までの10個の乱数の中から一つの乱数値を取得するようになっている。
この大当り状態における煽り演出実行乱数テーブルは、受信した普通図柄演出コマンドの解析結果に基づき、普通図柄の抽選結果がはずれの場合、図に示すように、煽り演出実行の割合(抽選確率)が、1/20に設定され、取得した煽り演出実行乱数値が「0」のときに煽り演出を実行すると判定される一方、煽り演出非実行の割合(抽選確率)は、19/20に設定され、取得した煽り演出実行乱数値が「1」〜「19」のときに煽り演出を実行しないと判定される。
また、受信した普通図柄演出コマンドの解析結果に基づき、普通図柄の抽選結果がショート当りの場合、図に示すように、煽り演出実行の割合(抽選確率)が、5/20に設定され、取得した煽り演出実行乱数値が「0」〜「4」のときに煽り演出を実行すると判定される一方、煽り演出非実行の割合(抽選確率)は、15/20に設定され、取得した煽り演出実行乱数値が「5」〜「19」のときに煽り演出を実行しないと判定される。一方、受信した普通図柄演出コマンドの解析結果に基づき、普通図柄の抽選結果がロング当りの場合、煽り演出実行乱数に関係なく100パーセント煽り演出を実行すると判定される。
すなわち、図21のS2114で行われる煽り演出大当り抽選処理では、普通図柄の抽選結果がロング当りのときは、全て煽り演出を実行すると判定し、普通図柄の抽選結果がはずれ及びショート当りのときは、所定の割合(抽選確率、例えばはずれのとき1/20及びショート当りのとき5/20)で煽り演出を実行すると判定されるようになっている。
図21に戻って、S2114の処理を終えると、サブCPU340aは、S2120に移行して、上記S2114の処理に基づいて煽り演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、S2120において、煽り演出の実行が決定されたと判定されたとき(S2120でYES)、サブCPU340aは、S2122に移行し、煽り演出大当り演出用コマンドを生成して、サブRAM340cにセットする。この煽り演出大当り演出用コマンドにより、メイン表示装置131や音声出力装置132、演出用照明装置134等に大当り遊技状態における普通図柄演出として、大当り中に普通図柄の抽選結果が当りになるか否かに係る煽り演出を実行させる。
図24を用いて、ここで遊技状態が大当り状態のときに実行される普通図柄演出としての煽り演出の具体的な内容について説明する。図24は、遊技状態が大当り状態のときに実行される煽り演出の一例を示す説明図である。この大当り状態における煽り演出(以下、「大当り煽り演出」ともいう)は、上記したように、受信した普通図柄演出コマンドの解析結果に基づき、普通図柄の抽選結果がロング当りのとき、あるいは、普通図柄の抽選結果がはずれ又は当りのときに所定の割合で、普通図柄表示装置118にて普通図柄の変動表示中に、この変動表示の抽選結果が当りになるか否かの演出を行うようになっている。なお、ここでは、上記図23に示した通常煽り演出の説明と重複する点については、その説明を省略する。
図24を参照して、大当り煽り演出は、メイン表示装置131の画面の下部領域にカーリング演出と、このカーリング演出に係わってキャラクタとして動物の狸をデフォルメした「たぬ吉」を用いた演出が行われるようになっている。図に示すように、大当り煽り演出におけるカーリング演出は、水平状の棒状表示体2402と、底面が水平な略半球状のストーン表示体2404とを有し、棒状表示体2402の内部は、「ロング当り」「ショート当り」「はずれ」に対応する3種類の表示領域が形成され、この3種類の表示領域は、棒状表示体2402の内部が8つの略矩形状に区画されて形成されている(特に、図24の棒状表示体2402の拡大図参照)。ストーン表示体2404は、この内部の表示領域が8つに区画された棒状表示体2402の下側を、該棒状表示体2402に沿って水平移動するようになっており、ストーン表示体2404の移動が停止したとき、この停止したストーン表示体2404の上側に位置する棒状表示体2402の区画の内容が、普通図柄の抽選結果を表すようになっている。
具体的に、このカーリング演出は、キャラクタとしてのたぬ吉が、図24において左から右方向に恰も氷上を滑らすようにストーン表示体2404を移動させ、普通図柄の変動表示が停止するのに合わせて、この移動しているストーン表示体2404が停止するようになっている。そして、ストーン表示体2404の移動が停止した時点で、この停止したストーン表示体2404が「ロング当り」「ショート当り」「はずれ」の何れかの区画を示すようになっている。また、棒状表示体2402は、ストーン表示体2404の移動に合わせて区画が順次点灯するようになっており、すなわち、ストーン表示体2404が停止した時点で、該停止したストーン表示体2404の上側に位置する点灯している区画の内容が、普通図柄の抽選結果を表すようになっている(図24では、実線矢印で示すようにストーン表示体2404がショート当りの下に停止して、棒状表示体2402の「ショート当り」の区画が点灯した様子を表している)。
なお、キャラクタとしてのたぬ吉は、このストーン表示体2404を移動させる演出以外にも、上記した玉ちゃんと同様に、その動作や言葉に関連して様々な演出を行うようになっている。また、上記と同様に、棒状表示体2402の表示領域を構成する8区画において、各3区画は「はずれ」と「ショート当り」、2区画は「ロング当り」に形成され、更に1つの区画の面積はそれぞれ相違するように設けられており、トータルの面積としては、当り乱数と当り図柄乱数の抽選確率を考慮して「はずれ」が一番大きく、「ロング当り」が一番小さくなっている(特に、図24の棒状表示体2402の拡大図参照)。
キャラクタとしてのたぬ吉は、例えば、普通図柄の抽選結果がロング当りになる場合、上記した玉ちゃんと同様に、動作として、自転車に乗ってゴールを目指す場面で、完走してゴールインする演出表示をしたり、言葉として、赤い文字で「激熱」と喋る演出表示をしたりする。更に、この場合、カーリング演出における棒状表示体2402は、その区画された8つの表示領域を全て「ロング当り」に変更するようにしてもよい。
図21に戻って、S2122の処理を終えると、サブCPU340aは、S2130の処理へ移行する。一方、S2120において煽り演出の実行が決定されなかったと判定されたとき(S2120でNO)、サブCPU340aは、この普通図柄演出実行処理を終了する。
S2130において、サブCPU340aは、受信した普通図柄演出コマンドの解析結果に基づいて、上記S2120でYESとなり、大当り煽り演出を実行させることとなった普通図柄の抽選結果がロング当りか否かを判定する。そして、この普通図柄の抽選結果はロング当りであると判定した場合(S2130でYES)、サブCPU340aは、S2132に移行し、開放示唆演出大当り演出用コマンドを生成して、サブRAM340cにセットする。この開放示唆演出大当り演出用コマンドにより、メイン表示装置131や音声出力装置132、演出用照明装置134等に大当り遊技状態における普通図柄演出として、大当り中の電チュー(第2始動入賞装置)115のロング開放に係る開放示唆演出を実行させる。
図25、26を用いて、ここで遊技状態が大当り状態のときに実行される普通図柄演出としての開放示唆演出の具体的な内容及び開放示唆演出の具体的な実行タイミングについて説明する。図25は、遊技状態が大当り状態のときに実行される開放示唆演出の一例を示す説明図であり、図26は、電チュー115のロング開放パターンに関連して行われる開放示唆演出を説明するための普通図柄演出のタイムチャートである。
遊技状態が大当り(初当り)のときに行われるこの開放示唆演出は、上記したように、大当り中のオープニング中、エンディング中又はラウンド遊技中で第2始動入賞装置(電チュー)115の保留記憶が満タンになっていないときにおいて、受信した普通図柄演出コマンドの解析結果に基づき普通図柄の抽選結果がロング当りのとき、煽り演出が実行された後、引き続いて電チュー115がロング開放する旨を示唆する演出を行うようになっている。まず、図26を用いて、大当り中に普通図柄の抽選結果がロング当りになって開放示唆演出が実行される普通図柄演出の具体的な実行タイミングについて説明する。
図26を参照して、普通図柄作動ゲート113a、113bへの遊技球の通過に基づいて、大当り中に普通図柄の当りの抽選に係る図柄合せゲーム(普通図柄の変動表示)が行われ、その抽選結果が普通図柄表示装置118に確定表示される。そして、この普通図柄の抽選結果がロング当り(普通図柄表示装置118が点灯)である場合には、当該図柄合せゲーム(普通図柄の変動表示)と並行して、上記したキャラクタとしての「たぬ吉」を用いたカーリング演出、すなわち大当り煽り演出が実行される。この大当り煽り演出としての「たぬ吉」を用いたカーリング演出は、通常煽り演出としての「玉ちゃん」を用いたルーレット演出とは相違する演出内容なので、遊技者は、この大当り煽り演出が発生すると大当り状態であることが即座に認識できる(逆に、通常煽り演出が発生すると大当り状態でないことが即座に認識できる)。
大当り煽り演出は、普通図柄表示装置118にロング当りが確定表示されると略同時に終了されるようになっており、その後、電チュー(第2始動入賞装置)115がロング開放する。ここで、電チュー115のロング開放パターンについて説明する。電チュー115のロング開放パターンは、普通図柄の抽選結果がロング当りになった場合、上述した図14のS1408に示したように、可動片115bを0.1秒間開放する動作と5.5秒間開放する動作を、所定のインターバル時間(例えば5〜10秒)を挟んでそれぞれ1回(0.1秒開放×1回+5.5秒開放×1回)行うようになっている。
つまり、この電チュー115のロング開放パターンは、図26に示すように、普通図柄の変動表示が終了して大当り煽り演出が終了した後、その普通図柄の抽選結果がロング当りになると、まず0.1秒間の短開放を行う。この場合、電チュー115が開放制御される時間は極めて短いので、遊技球の電チュー115への入賞は極めて困難となる。そして、この短開放が実行された後所定のインターバル時間経過後に、電チュー115は5.5秒間の長開放を行い、この長開放中に、実質、複数の遊技球が電チュー115へ入賞(短開放での入賞も含めて上限は9個)することになる。すなわち、電チュー115のロング開放パターンは、最初の短開放と中間のインターバルと最後の長開放とから構成されている。
しかして、大当り煽り演出後に実行される開放示唆演出は、電チュー115が短開放を開始するとほぼ同時に開始され、その後電チュー115が長開放を開始するまでの期間、すなわち略インターバル時間の間で実行されるようになっている。つまり、この開放示唆演出は、普通図柄の抽選結果がロング当りになって電チュー115がロング開放するとき、電チュー115のロング開放において実質的に遊技球が入賞可能な長開放の開放タイミングに合わせて実行される、電チュー115のロング開放における長開放を示唆する演出となっている。
図25を参照して、ここで一例として、大当り状態で大当り煽り演出後に引き続いて実行される開放示唆演出の具体的な内容について説明する。普通図柄の抽選結果として普通図柄表示装置118に当り図柄が確定表示(普通図柄表示装置118が点灯)されてロング当りになると、それとほぼ同時に大当り演出を行っているメイン表示装置131の画面略右側に、キャラクタとしてのたぬ吉が所定の態様で出現して、以下のような開放示唆演出を行う。
すなわち、開放示唆演出は、図25(a)に示すように、メイン表示装置131の画面にキャラクタとしてのたぬ吉と、このたぬ吉が喋っているように吹き出し内に「下の電チューが開放するよ!「3」「2」「1」電チューを狙え!」という文字が表示される。なお、この場合、音声出力装置132のスピーカから同じ「下の電チューが開放するよ「3」「2」「1」電チューを狙え」という音声が出力される。また、このたぬ吉の演出と略同時に、メイン表示装置131の画面には、遊技者に右打ち操作を行わせるときは「右打ちして下さい→」、遊技者に左打ち操作を行わせるときは「←左打ちして下さい」という矢印表示と文字による操作指示情報が表示される。なお、この場合、音声出力装置132のスピーカから同じ「右打ちして下さい」「左打ちして下さい」という音声が出力される。
ここで、たぬ吉が「電チューを狙え!」と喋るタイミングは、電チュー115がロング開放における長開放を実行する所定時間前となっている。すなわち、この所定時間は、遊技者が操作ハンドル107を回動操作して遊技球を発射してから電チュー115に到達するまでの時間を考慮して設定されている。従って、遊技者は、たぬ吉が「電チューを狙え!」と喋ったタイミングに合わせて、メイン表示装置131の画面に表示されている右打ち又は左打ちを指示する操作指示情報の方向に、操作ハンドル107を回動操作して遊技球を発射すればよい。これにより、遊技者は、長開放している電チュー115にタイミングよく遊技球を多数入賞させることができる。なお、この操作指示情報には、本来の右打ち又は左打ちを指示する情報に加え、遊技者にとって有利又は不利に係る示唆情報を含んで構成されているが、この点については、後に詳述する。
ところで、上記したような操作指示情報を報知する操作指示演出において、遊技者に右打ち又は左打ちの何れを指示する情報を報知するかは、電チュー115のロング開放における長開放を実行するタイミングによって決定される。すなわち、図25(b)に示すように、この開放示唆演出(操作指示演出)における右打ち又は左打ちを指示する操作指示情報は、電チュー115が長開放を実行する時期が、オープニング又はエンディング演出実行中のときは「右打ちして下さい→」、ラウンド遊技中(電チュー115の保留記憶が満タンの場合)のときは「←左打ちして下さい」、オープニング演出とラウンド遊技を跨ぐ場合には「右打ちして下さい→」後「←左打ちして下さい」という報知態様となる。これは、以下の理由による。
すなわち、本実施形態の遊技機100においては、大入賞装置117は図1に示したように右側に配置されており、従って、遊技状態が大当り状態になると、遊技者は、この大入賞装置117に遊技球を入賞させるため、右打ちを行うことになる。しかしながら、大入賞装置117は、大当り状態になっても即座に開放することはなく、上記したように、大当り状態の最初には所定時間の間オープニング演出が実行され、最後には所定時間の間エンディング演出が実行されるようになっており、実際に大入賞装置117が開放するのはオープニング演出とエンディング演出との間のラウンド遊技のときである。
従って、電チュー115が長開放を実行する時期が、オープニング又はエンディング演出実行中のときは、大入賞装置117が開放していないので、操作指示情報に基づいて遊技者が遊技球を右打ちしても、この右打ちした遊技球が大入賞装置117に入賞することはなく、上記の誘導板116(図1参照)まで到達して効率よく電チュー115に入賞するからである。
また、電チュー115が長開放を実行する時期が、ラウンド遊技中(電チュー115の保留記憶が満タンの場合)のときは、大入賞装置117が開放しているので、この場合、右打ちをすると、遊技球が電チュー115に到達する前に大入賞装置117に入賞してしまうことになる。従って、この場合には、遊技者に左打ちを指示する操作指示情報を報知するのである。なお、大入賞装置117の1ラウンドの開放時間は、上記したように電チュー115のロング開放時間に比して十分長く設定されるので(大入賞装置117は29.5秒、電チュー115は5.6秒)、遊技者は、左打ちして電チュー115に遊技球を入賞させた後で、再び右打ちを行って大入賞装置117に遊技球を入賞させればよく、これにより不利益を被ることはない。
また、電チュー115が長開放を実行する時期が、オープニング演出とラウンド遊技を跨ぐ場合には、上記理由からオープニング演出実行中のとき遊技者に右打ちを指示する操作指示情報を報知し、ラウンド遊技(電チュー115の保留記憶が満タンの場合)が開始されたら遊技者に左打ちを指示する操作指示情報を報知するのである。なお、この操作指示情報の報知を切り替えるタイミングは、オープニング演出が終了する所定時間前、つまりラウンド遊技が開始される所定時間前となっている。すなわち、この所定時間は、上記したように、遊技者が操作ハンドル107を回動操作して遊技球を発射してから電チュー115に到達するまでの時間を考慮して設定されている。また、この操作指示情報の報知を切り替えるときは、その切り替えタイミングに合わせ、上述した開放示唆演出に準じてたぬ吉が喋っているように吹き出し内に所定の文字(例えば、「左打ちに切り替え!「3」「2」「1」電チューを狙え!」)を表示するようにすればよい。また更に、この場合、音声出力装置132のスピーカから同じ「左打ちに切り替え「3」「2」「1」電チューを狙え」という音声が出力される。
なお、電チュー115が長開放を実行する時期が、ラウンド遊技とエンディング演出を跨ぐことは通常想定されないので(つまり、最終ラウンドの遊技中に電チュー115が長開放すると、上記した開放示唆演出により遊技者は左打ちを行うので、その間大入賞装置117に遊技球は入賞することなく、従って電チュー115の長開放が終了する前に最終ラウンドが終了してエンディング演出に移行することはないので)、このような場合の操作指示情報に係る設定は、特に設けられていない。
また、開放示唆演出は、電チュー115の長開放の開始後も引き続き行うようにしてもよい。例えば、電チュー115への遊技球の入賞状況等に合わせて、たぬ吉が「ヤッター!電チュー入賞!!」などと喋るような演出を行うようにしてもよい。
図21に戻って、S2132の開放示唆演出大当り演出用コマンドを生成して、サブRAM340cにセットする処理を終了すると、又は、S2130において、受信した普通図柄演出コマンドの解析結果に基づいて、上記S2120でYESとなり、大当り煽り演出を実行させることとなった普通図柄の抽選結果がロング当りでないと判定した場合、すなわち、普通図柄の抽選結果がはずれ又はショート当りにも拘わらず大当り煽り演出を実行させることとなった場合(S2130でNO、図22参照)、サブCPU340aは、S2132をスキップしてこの普通図柄演出実行処理を終了する。つまり、普通図柄演出としての開放示唆演出は、普通図柄の抽選結果がロング当りの場合のみ行われ、はずれ又はショート当り場合、行われることはない(はずれ又はショート当り場合は、大当り煽り演出のみが行われる)。
上述した普通図柄演出実行処理(図21)の説明から明らかなように、本発明においては、普通図柄の抽選で当りとなって電チュー115が開放する前に当該電チュー115が開放することを示唆する、普通図柄に係る演出として、通常状態(時短外遊技状態)では煽り演出(通常煽り演出(玉ちゃんによるルーレット演出))が、大当り(初当り)状態では煽り演出(大当り煽り演出(たぬ吉によるカーリング演出))及び開放示唆演出が実行可能となっている。すなわち、普通図柄に係る演出は、通常状態だけに止まらず、大当り状態においても実行可能となっており、その演出内容は、通常状態と大当り状態とで相違するように構成されている。
特に、電チュー115は、上記したように、第1始動入賞装置112よりも遊技者にとって有利となるように構成されており、且つ第1始動入賞装置112よりも優先消化されるようになっているので、大当り中に折角ロング開放した電チュー115に遊技球を入賞させることができないと、つまり、大当り中に電チュー(第2始動入賞装置)115の保留記憶を発生させることができないと、遊技者にとって極めて不利となるが、本発明においては、大当り状態のときであっても普通図柄の抽選結果が当りになって電チュー115が開放するか否かに係る演出が行われ、更に、この大当り中に行われる普通図柄に係る演出は、その演出内容が通常状態とは相違する内容で実行されるようになっている。加えて、大当り中に行われる普通図柄に係る演出としての開放示唆演出は、まもなく電チュー115がロング開放状態になって実際に可動片115bを長く開放することとなる長開放を、遊技者にタイミングよく示唆することが可能となっている。
つまり、遊技者は、通常、大当り抽選に係る様々な演出を行うメイン表示装置131の画面に目線がいっているので、遊技領域106の下方に位置する電チュー115がロング開放しても気付かない場合がある。その点、本発明では、上記したように電チュー115のロング開放において、短開放と長開放とのインターバル期間中にメイン表示装置131にて行われるこの開放示唆演出により、まもなく電チュー115が長開放することを遊技者に理解させ、これにより遊技者に最適な遊技球の発射準備をさせることができる。その結果、電チュー115が長開放したことに気付かなかったり、遅れて気付いたりして、長開放中の電チュー115に遊技球を入賞させられなかったり、僅かな遊技球しか入賞させられなかったりする遊技者への不利益事項を、効果的に抑制することができる。なお、少なくとも電チュー115が短開放するときは、その短開放に伴って、電チュー115自体をLED等の発光源で点灯したり、音声出力装置132のスピーカから効果音を発生させるように構成したりしてもよい。このように構成すれば、更に上記の遊技者への不利益事項を抑制して遊技性が向上する。
つまり、通常状態における普通図柄演出(通常煽り演出)も、電チュー115がロング開放する前に、当該電チュー115がロング開放することを示唆する演出であるが、大当り状態における普通図柄演出(大当り煽り演出及び開放示唆演出)は、電チュー115がロング開放状態になって実際に可動片115bを長く開放する長開放することをタイミングよく示唆する点で、通常煽り演出とは相違する。この構成により、遊技者は、大当り遊技に夢中になっていても、適正にロング開放する電チュー115に遊技球を入賞させることが可能となる。その結果、大当り遊技終了後の時短状態に突入したとき、最初から優先消化の遊技者にとって有利な電チュー115に基づく図柄合わせゲームが実行され、すなわち、時短状態に突入したときに電チュー115に係る保留記憶が「0」になっていることを極力回避でき、これにより遊技の趣向性が向上し、遊技者は、この、大当り状態における普通図柄演出(大当り煽り演出及び開放示唆演出)を十分に楽しみながら大いなる期待感を持って遊技に臨むことができる。
また、大当り状態における普通図柄演出(大当り煽り演出及び開放示唆演出)は、大当りが時短遊技を経由した「初当り」でないときや、初当りの大当り中であっても、ラウンド遊技中の場合で且つ電チュー115の保留記憶が満タンになっているときは、実行されないようになっており、一方、オープニング又はエンディングが行われているときは、大当りが初当りか否かに拘わらず、強制的に実行されるようになっている。これは、以下の理由による。
すなわち、時短遊技を経由した「初当り」でない大当りは、時短中に遊技球が電チュー115に多量に入賞して第2始動入賞装置(電チュー)115の保留記憶が満タンになっている蓋然性が高いので、この状態では、ラウンド遊技中に電チュー115の保留記憶が満タンになっている状態と同様、これ以上電チュー115に遊技球が入賞しても電チュー115の保留記憶は増えず、遊技者にとってはあまり恩恵が無いので、従って、このような場合は、遊技者の発射操作を煩わせることとなる普通図柄演出を行わないのである。
一方、大当り遊技におけるオープニングやエンディングでは、大入賞装置117が開放されないので、遊技者は、その間、遊技球の発射を停止する場合が多く、遊技球の発射が停止されると、当該遊技機100の稼働が低下してしまので、従って、このような不都合を解消するため、初当りか否かに拘わらず、オープニングやエンディング中でも遊技者に遊技球を発射させるべく普通図柄演出を行うのである。
図20に戻って、S2030の普通図柄演出実行処理を終了すると、サブCPU340aは、S1714の普通図柄演出コマンド受信処理を終了する。そして、図17に戻って、S1714の処理を終えると、又は、S1712において普通図柄演出コマンドを受信していない場合(S1712でNO)、サブCPU340aは、S1724に移行して、図8の特別図柄処理のS840でセットされた変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。そして、変動演出開始コマンドを受信していると判定された場合(S1724でYES)、サブCPU340aは、S1730に移行して、遊技状態演出選択処理を実行する。以下、図27を用いて、S1730で行われる遊技状態演出選択処理の内容について説明する。図27は、演出制御基板340のサブCPU340aによって行われる遊技状態演出選択処理(S1730)を示すフローチャートである。
図27を参照して、サブCPU340aは、まずS2700において、S1724で受信した変動演出開始コマンドを解析する。そして、サブCPU340aは、S2710に移行し、変動演出開始コマンドの解析結果に基づいて、遊技状態が時短であるか否かを判定する。なお、変動演出開始コマンドには、遊技状態に関する情報(遊技状態が時短/高確率になっているか否かに関する情報)が含まれている。
S2710において、遊技状態が時短であると判定された場合(S2710でYES)、サブCPU340aは、S2720に移行し、S2710と同様に変動演出開始コマンドの解析結果に基づいて、遊技状態が高確率であるか否かを判定する。そして、S2720において、遊技状態が高確率であると判定された場合(S2720でYES)、つまり遊技状態が時短及び高確率であると判定された場合には、サブCPU340aは、S2730に移行し、画像制御基板350やランプ制御基板360に指示するための時短/高確遊技演出コマンドをサブRAM340cにセットして、メイン表示装置131、サブ表示装置139、音声出力装置132、演出用照明装置134及び演出用駆動装置361を、遊技状態が時短及び高確率になっているときの所定の演出態様に制御させる。
一方、S2720において、遊技状態が高確率でないと判定された場合(S2720でNO)、つまり遊技状態が時短のみであると判定された場合には、サブCPU340aは、S2740に移行し、画像制御基板350やランプ制御基板360に指示するための時短遊技演出コマンドをサブRAM340cにセットして、メイン表示装置131、サブ表示装置139、音声出力装置132、演出用照明装置134及び演出用駆動装置361を、遊技状態が時短になっているときの所定の演出態様に制御させる。なお、このS2740の処理は、遊技状態が高確率ではなく時短のみになる大当りが設定されていないので(図2参照)、遊技機100では実質行われない。
また、S2710において、遊技状態が時短でないと判定された場合(S2710でNO)、つまり遊技状態が時短及び高確率ではない、通常の遊技状態や高確率のみの遊技状態であると判定された場合には、サブCPU340aは、S2750に移行し、画像制御基板350やランプ制御基板360に指示するための通常遊技演出コマンドをサブRAM340cにセットして、メイン表示装置131、サブ表示装置139、音声出力装置132、演出用照明装置134及び演出用駆動装置361を、遊技状態が通常(又は潜確)になっているときの所定の演出態様に制御させる。
上記の説明から明らかなように、この遊技状態演出選択処理では、遊技状態が高確率のみになっている場合には、メイン表示装置131、サブ表示装置139、音声出力装置132、演出用照明装置134及び演出用駆動装置361では、遊技状態が通常になっているときと同様な演出が行われる。これにより、確変4R大当り遊技終了後の高確率を潜伏させることができる。そして、S2730、S2740又はS2750の処理を終えると、サブCPU340aは、この遊技状態演出選択処理を終了する。
図17に戻って、S1730の遊技状態演出選択処理を終了すると、サブCPU340aは、S1740に移行し、変動演出選択処理を実行する。以下、図28を用いて、S1740で行われる変動演出選択処理の内容について説明する。図28は、演出制御基板340のサブCPU340aによって行われる変動演出選択処理(S1740)を示すフローチャートである。
図28を参照して、サブCPU340aは、まずS2800において、デモフラグがオンに設定されているか否かを判定する(図18のS1830参照)。そして、デモフラグがオンに設定されていると判定された場合(S2800でYES)、つまり遊技機100は待機状態であって客待ち用のデモ演出を実行している場合、サブCPU340aは、S2802に移行して、デモフラグをオフに設定し、次にS2804に移行して、画像制御基板350やランプ制御基板360に指示するためのデモ演出終了コマンドをサブRAM340cにセットして、メイン表示装置131、サブ表示装置139、音声出力装置132等にデモ演出の実行を終了させる。
つまり変動演出選択処理では、変動演出開始コマンドを受信すると、これから大当り抽選に係る演出図柄の変動演出を実行するため、遊技機100が待機状態であって客待ち用のデモ演出を実行している場合、この実行していたデモ演出を終了させる。そして、S2804の処理を終えると、又は、S2800においてデモフラグがオンに設定されていないと判定された場合(S2800でNO)、サブCPU340aは、S2810に移行して変動演出開始コマンドを解析し、次に、S2820に移行して演出モード変更処理を実行する。以下、図29を用いて、S2820で行われる演出モード変更処理の内容について説明する。図29は、演出制御基板340のサブCPU340aによって行われる演出モード変更処理(S2820)を示すフローチャートである。
図29を参照して、サブCPU340aは、まずS2900において、S2810における変動演出開始コマンドの解析結果に基づいて、遊技状態が時短であるか否かを判定する。そして、S2900において、遊技状態が時短であると判定された場合(S2900でYES)、サブCPU340aは、S2902に移行し、ここで演出モードの種別を示すモードフラグに「1」をセットし、次にS2904に移行し、モード継続回数値Mに「0」を代入する。
図30、31を用いて、ここで、第1始動入賞装置112又は電チュー115に遊技球が入賞して大当りの抽選に係る特別図柄の変動表示が行われる場合に、メイン表示装置131の画面に設定される演出モードについて説明する。図30は、演出モードの種別やその内容の一例を示した説明図であり、図31は、メイン表示装置131の画面に設定された各種演出モードの具体的な表示の一例を示した説明図である。
図30を参照して、本実施形態における遊技機100の演出モードは、図の「演出モード名」に示すように15種類が設けられており、この15種類の演出モードは、「通常A」「通常B」「横スクロールA」「横スクロールB」「5ラインA」「5ラインB」「潜確」「たぬ吉ステージ」「玉ちゃんステージ」「ミッションステージ」「テニスゾーン」「野球ゾーン」「サッカーゾーン」「水泳ゾーン」「陸上ゾーン」で構成されている。
「通常A」は、モードフラグに「1」がセットされているときに設定される演出モードであって、特別図柄と同期して変動表示する演出図柄の背景(特徴)として「山」の風景がメイン表示装置131の画面に設定されるようになっている(図31(a)参照)。「通常A」は、図30の「演出モード継続」に示すように、設定されてからモード継続回数値Mが「50」になるまで、又は、大当りになるまで、あるいは、遊技状態が時短中は滞在するようになっている。ここで、モード継続回数値Mは、特別図柄(演出図柄)の変動回数を示す数値であって、つまり、演出モードとしての「通常A」は、メイン表示装置131の画面に設定されてから、特別図柄(演出図柄)の変動回数が最大で50(モード継続回数値M)になるまでの期間、又は、大当りになるまでの期間、あるいは、遊技状態が時短の期間は継続して滞在するように構成されている。なお、「通常A」が設定されるときの契機は、図30に示すように、モード抽選で当選(抽選確率20%)したとき(後述する演出モード変更処理のS2942)、強制設定(デフォルト)として遊技機100の電源投入後(初期化後)若しくは大当り(確変16R大当り)図柄停止後(後述する変動演出終了処理のS3252)、又は、演出モードが「通常B」のときのデモ演出画面中に演出ボタン135、136にて選択されたとき(後述する演出ボタン処理のS3610)である。
「通常B」は、モードフラグに「2」がセットされているときに設定される演出モードであって、演出図柄の背景(特徴)として「海」の風景が設定されるようになっている(図31(b)参照)。演出モードとしての「通常B」は、メイン表示装置131の画面に設定されてから、モード継続回数値Mが「50」になるまで、又は、大当りになるまでの期間は継続して滞在するように構成されている。なお、「通常B」が設定されるときの契機は、モード抽選で当選(抽選確率15%)したとき(S2942)、強制設定(デフォルト)として通常4R大当りに基づく後述の潜確モードの終了後(後述する演出モード変更処理のS2916)、又は、演出モードが「通常A」のときのデモ演出画面中に演出ボタン135、136にて選択されたとき(後述する演出ボタン処理のS3620)である。
「横スクロールA」は、モードフラグに「3」がセットされているときに設定される演出モードであって、演出図柄の背景(特徴)として「山」の風景が設定されると共に、演出図柄が通常の縦スクロールに代わって横スクロールで変動表示されるようになっている(図31(c)参照)。「横スクロールA」における演出モードの継続態様は、上記「通常B」と同様である。なお、「横スクロールA」が設定されるときの契機は、モード抽選で当選(抽選確率8%)したとき(S2942)である。
「横スクロールB」は、モードフラグに「4」がセットされているときに設定される演出モードであって、演出図柄の背景(特徴)として「海」の風景が設定されると共に、演出図柄が通常の縦スクロールに代わって横スクロールで変動表示されるようになっている(図31(d)参照)。「横スクロールB」における演出モードの継続態様は、上記「通常B」と同様である。なお、「横スクロールB」が設定されるときの契機は、モード抽選で当選(抽選確率7%)したとき(S2942)である。
「5ラインA」は、モードフラグに「5」がセットされているときに設定される演出モードであって、演出図柄の背景(特徴)として「山」の風景が設定されると共に、演出図柄の大当りラインが通常の1ラインに代わって5ライン(横3ラインと斜2ライン)に増加して表示されるようになっている(図31(e)参照)。「5ラインA」における演出モードの継続態様は、上記「通常B」と同様である。なお、「5ラインA」が設定されるときの契機は、モード抽選で当選(抽選確率5%)したとき(S2942)である。
「5ラインB」は、モードフラグに「6」がセットされているときに設定される演出モードであって、演出図柄の背景(特徴)として「海」の風景が設定されると共に、演出図柄の大当りラインが通常の1ラインに代わって5ライン(縦3ラインと斜2ライン)に増加して表示されるようになっている(図31(f)参照)。「5ラインB」における演出モードの継続態様は、上記「通常B」と同様である。なお、「5ラインB」が設定されるときの契機は、モード抽選で当選(抽選確率5%)したとき(S2942)である。
「潜確」は、モードフラグに「7」がセットされているときに設定される演出モードであって、演出図柄の背景(特徴)として「専用背景(図示省略)」が設定されるようになっている(図31(g)参照)。そして、「潜確」が設定されているときは、遊技状態が時短になっていないにも拘わらず大当り確率が高確率になっている、いわゆる「潜伏確変」を示唆するようになっている。「潜確」が設定されるときの契機は、通常4R大当り又は確変4R大当り図柄停止後(後述する変動演出終了処理のS3242)であり、通常4R大当りに基づいて設定されたときは、当該設定からモード継続回数値Mが「30」になるまで、すなわち特別図柄(演出図柄)の変動回数が最大で30になるまでの期間、継続して滞在するようになっている。一方確変4R大当りに基づいて設定されたときは、当該設定から次の大当りまで、すなわち特別図柄(演出図柄)の変動回数に関係なく滞在するようになっている。つまり、演出モードとしての「潜確」は、設定されるときの契機が通常4R大当りと確変4R大当りとで、滞在期間が相違するようになっている。
「たぬ吉モード」は、モードフラグに「8」がセットされているときに設定される演出モードであって、演出図柄の背景(特徴)として「専用背景(図示省略)」が設定されると共に、演出中に上記したキャラクタとしての「たぬ吉」が頻繁に出現して当該演出を盛り上げるようになっている(図31(h)参照)。「たぬ吉モード」における演出モードの継続態様は、上記「通常B」と同様である。なお、「たぬ吉モード」が設定されるときの契機は、モード抽選で当選(抽選確率5%)したとき(S2942)である。
「玉ちゃんモード」は、モードフラグに「9」がセットされているときに設定される演出モードであって、演出図柄の背景(特徴)として「専用背景(図示省略)」が設定されると共に、演出中にキャラクタとして玉を持った人間の女の子をデフォルメした「玉ちゃん」が頻繁に出現して当該演出を盛り上げるようになっている(図31(i)参照)。「玉ちゃんモード」における演出モードの継続態様は、上記「通常B」と同様である。なお、「玉ちゃんモード」が設定されるときの契機は、モード抽選で当選(抽選確率5%)したとき(S2942)である。また、キャラクタとしての玉ちゃんは、上記たぬ吉と同様に、その動作や言葉に関連して様々な演出を行うようになっている。
「ミッションステージ」は、モードフラグに「10」がセットされているときに設定される演出モードであって、演出図柄の背景(特徴)として「専用背景(図示省略)」が設定されると共に、遊技者に所定の指令(ミッション)が発せられるようになっている(図31(j)参照、図示では、一例として「緊急指令!今から5分以内に「7」でリーチをかけよ!」というミッショが、残余時間(3:25)と共にメイン表示装置131の画面に表示された状態を示しており、このミッションをクリアすると遊技者に有利な遊技状態(例えば大当り)となる)。そして、演出モードとしての「ミッションステージ」は、設定されてから最大で5分が経過するまでの期間は継続して滞在するように構成されている。なお、「ミッションステージ」が設定されるときの契機は、モード抽選で当選(抽選確率5%)したとき(S2942)である。
「テニスゾーン」は、モードフラグに「11」がセットされているときに設定される演出モードであって、演出図柄の背景(特徴)として「テニス」をモチーフにした場面、演出が設定されるようになっている(図31(k)参照)。「テニスゾーン」における演出モードの継続態様は、上記「通常B」と同様である。なお、「テニスゾーン」が設定されるときの契機は、モード抽選で当選(抽選確率5%)したとき(S2942)である。
「野球ゾーン」は、モードフラグに「12」がセットされているときに設定される演出モードであって、演出図柄の背景(特徴)として「野球」をモチーフにした場面、演出が設定されるようになっている(図31(l)参照)。「野球ゾーン」における演出モードの継続態様は、上記「通常B」と同様である。なお、「野球ゾーン」が設定されるときの契機は、モード抽選で当選(抽選確率5%)したとき(S2942)である。
「サッカーゾーン」は、モードフラグに「13」がセットされているときに設定される演出モードであって、演出図柄の背景(特徴)として「サッカー」をモチーフにした場面、演出が設定されるようになっている(図31(m)参照)。「サッカーゾーン」における演出モードの継続態様は、上記「通常B」と同様である。なお、「サッカーゾーン」が設定されるときの契機は、モード抽選で当選(抽選確率5%)したとき(S2942)である。
「水泳ゾーン」は、モードフラグに「14」がセットされているときに設定される演出モードであって、演出図柄の背景(特徴)として「水泳」をモチーフにした場面、演出が設定されるようになっている(図31(n)参照)。「水泳ゾーン」における演出モードの継続態様は、上記「通常B」と同様である。なお、「水泳ゾーン」が設定されるときの契機は、モード抽選で当選(抽選確率5%)したとき(S2942)である。
「陸上ゾーン」は、モードフラグに「15」がセットされているときに設定される演出モードであって、演出図柄の背景(特徴)として「陸上」をモチーフにした場面、演出が設定されるようになっている(図31(o)参照)。「陸上ゾーン」における演出モードの継続態様は、上記「通常B」と同様である。なお、「陸上ゾーン」が設定されるときの契機は、モード抽選で当選(抽選確率5%)したとき(S2942)である。
なお、図31(a)〜(i)、(k)〜(o)において、メイン表示装置131の画面に記載されている3本の平行状の矢印(縦又は横矢印)は、演出図柄の変動表示(スクロール)を表している。また、演出モードの種類(演出モード名)、背景(特徴)、演出モード継続(モード継続回数値M)、契機(抽選確率)等は、上記に限定されるものではなく、適宜変更や追加が可能である。
図29に戻って、つまり変動演出開始コマンドを解析した結果、S2900において、遊技状態が時短であると判定された場合(S2900でYES)、サブCPU340aは、モードフラグに「1」をセットし演出モードとして「通常A」を設定し(S2902)、その設定に伴ってモード継続回数値Mを「0」にリセットする(S2904)。このS2900〜S2904の処理により、遊技状態が時短中の場合、特別図柄(演出図柄)の変動回数に拘わらず、メイン表示装置131の画面には、演出モードとして強制的に「通常A」が設定される。
そして、サブCPU340aは、S2960に移行して、時短中の演出モードとして「通常A」を実行するための演出モードコマンドをサブRAM340cにセットし、この演出モード変更処理を終了する。なお、S2902、S2904の処理、及び、S2902、S2904に係わって行われるS2960の処理(「通常A」を実行するための演出モードコマンドセット)は、遊技状態が時短に変更された最初のときに実行され、その後、引き続いて時短が継続するときは、これらの処理はスキップされて、サブCPU340aは、即座にこの演出モード変更処理を終了する。
一方、S2900において、遊技状態が時短でないと判定された場合(S2900でNO)、サブCPU340aは、S2910に移行して、モードフラグに「7」がセットされているか否か、すなわち現在設定されている演出モードが「潜確」か否かを判定する。そして、モードフラグに「7」がセットされていると判定された場合(S2910でYES)、サブCPU340aは、S2912に移行して、モード継続回数値Mが「30」になっているか否か、つまり演出モードが「潜確」に設定されてから特別図柄(演出図柄)の変動回数が30回あったか否かを判定する。
S2912において、モード継続回数値Mが「30」になっていると判定された場合(S2912でYES)、サブCPU340aは、S2914に移行し、遊技状態が確変になっているか否かを判定する。そして、遊技状態が確変になっていないと判定された場合(S2914でNO)、サブCPU340aは、S2916に移行して、モードフラグに「2」をセットし演出モードとして「通常B」を設定する。これにより、演出モードの設定が「潜確」から「通常B」に切り替わる。そして、サブCPU340aは、S2918に移行して、「通常B」の設定に伴ってモード継続回数値Mに「0」を代入してモード継続回数値Mをリセットする。そして、サブCPU340aは、S2960に移行して、画像制御基板350に、演出モードとして「通常B」を実行するための演出モードコマンドをサブRAM340cにセットし、その後、この演出モード変更処理を終了する。
一方、S2912において、モード継続回数値Mが「30」になっていないと判定された場合(S2912でNO)、つまり演出モードが「潜確」に設定されてから特別図柄(演出図柄)の変動回数が30回未満の場合、及び、S2914において、遊技状態が確変になっていると判定された場合(S2914でYES)、サブCPU340aは、この演出モード変更処理を終了する。
従って遊技者は、これらS2910〜S2918の処理により、メイン表示装置131の画面に演出モードとして「潜確」が表示されてから特別図柄(演出図柄)の変動回数が30になった時点で、演出モードが「潜確」のままであれば遊技状態は確変、演出モードが「潜確」から「通常B」に切り替われば遊技状態は通常(確変ではない)ということが判断可能となり、これにより遊技の趣向が向上する。
一方、S2910において、モードフラグに「7」がセットされていないと判定された場合(S2910でNO)、すなわち現在設定されている演出モードが「潜確」でないと判定された場合、サブCPU340aは、S2930に移行して、モードフラグに「10」がセットされているか否か、すなわち現在設定されている演出モードが「ミッションステージ」か否かを判定する。
そして、モードフラグに「10」がセットされていると判定された場合(S2930でYES)、サブCPU340aは、S2932に移行して、後述するS2946、S2948で、モードフラグに「10」がセットされた時点で5分に設定されて計測が開始されたミッションステージの残余時間Tmが「0」より大きいか否か、つまり、演出モードとしての「ミッションステージ」の実行時間である5分が経過したか否かを判定する。
そして、ミッションステージの残余時間Tmが「0」より小さい場合(S2932でNO)、つまり「ミッションステージ」の実行時間である5分が経過した場合、サブCPU340aは、S2934に移行して、ミッションステージの残余時間Tmの計測を停止し、次にS2942に移行する。一方、S2932において、ミッションステージの残余時間Tmが「0」より大きい場合(S2932でYES)、サブCPU340aは、この演出モード変更処理を終了する。
一方、S2930において、モードフラグに「10」がセットされていないと判定された場合(S2930でNO)、すなわち現在設定されている演出モードが「ミッションステージ」でないと判定された場合、サブCPU340aは、S2940に移行する。そして、この処理で、モード継続回数値Mが「50」になっているか否か、つまり演出モードが、「潜確」及び「ミッションステージ」を除く「通常A」「通常B」「横スクロールA」「横スクロールB」「5ラインA」「5ラインB」「たぬ吉ステージ」「玉ちゃんステージ」「テニスゾーン」「野球ゾーン」「サッカーゾーン」「水泳ゾーン」又は「陸上ゾーン」の何れかに設定されてから特別図柄(演出図柄)の変動回数が50回あったか否かを判定する(図30参照)。
S2940において、モード継続回数値Mが「50」になっていないと判定された場合(S2940でNO)、サブCPU340aは、この演出モード変更処理を終了する。一方、S2940において、モード継続回数値Mが「50」になっていると判定された場合(S2940でYES)、サブCPU340aは、S2942に移行する。
S2942において、サブCPU340aは、ここで乱数等を用いた所定の抽選方法により抽選にて選択した演出モードフラグ(「潜確」を除く「通常A」「通常B」「横スクロールA」「横スクロールB」「5ラインA」「5ラインB」「たぬ吉モード」「玉ちゃんモード」「ミッションステージ」「テニスゾーン」「野球ゾーン」「サッカーゾーン」「水泳ゾーン」又は「陸上ゾーン」の何れか)のモードフラグ(「1」〜「6」、「8」〜「15」の何れか)をセットして演出モードを設定する。
そして、サブCPU340aは、S2944に移行して、上記S2942にてモードフラグに「10」がセットされたか否か、すなわち上記S2942にて設定された演出モードが「ミッションステージ」か否かを判定する。そして、モードフラグに「10」がセットされていると判定された場合(S2944でYES)、サブCPU340aは、S2946に移行して、残余時間Tmにミッションステージの実行時間である5分をセットし、次にS2948に移行して、5分にセットされたミッションステージの残余時間Tmの計測を開始する。
そして、サブCPU340aは、S2950に移行して、上記S2942にて選択された演出モードの設定に伴ってモード継続回数値Mに「0」を代入してモード継続回数値Mをリセットする。一方、S2944において、上記S2942にてモードフラグに「10」がセットされていないと判定された場合(S2944でNO)、すなわち上記S2942にて設定された演出モードが「ミッションステージ」でないと判定された場合、サブCPU340aは、S2946及びS2948の処理をスキップしてS2950に移行する。
次に、サブCPU340aは、S2960に移行して、演出モードとして上記S2942にて選択された演出モード(「潜確」を除く「通常A」「通常B」「横スクロールA」「横スクロールB」「5ラインA」「5ラインB」「たぬ吉モード」「玉ちゃんモード」「ミッションステージ」「テニスゾーン」「野球ゾーン」「サッカーゾーン」「水泳ゾーン」又は「陸上ゾーン」の何れか)を実行するための演出モードコマンドをサブRAM340cにセットし、その後、この演出モード変更処理を終了する。なお、S2944でNOの場合、S2950の処理をスキップして直接S2960の処理に移行してもよい。
なお、演出モード変更処理において、上記S2960の処理にてサブRAM340cにセットされる各種の演出モードコマンドは、画像制御基板350及びランプ制御基板360に送信され、画像制御基板350及びランプ制御基板360は、この受信した演出モードコマンドに基づき、メイン表示装置131、サブ表示装置139、音声出力装置132、演出用照明装置134及び演出用駆動装置361等を、所定の演出モードに合わせた演出態様に制御する。
上記の説明から明らかなように、この演出モード変更処理においては、モード継続回数値Mが所定数になると、現在の演出モードが、モードフラグに「7」がセットされている潜確モード、又は、モードフラグに「10」がセットされているミッションステージ(ただし、ミッションステージの残余時間Tmが「0」より大きいとき)の場合を除き、抽選により変更されるようになっている(S2942)。
図28に戻って、S2820の演出モード変更処理を終えると、サブCPU340aは、S2826に移行して、変動演出開始コマンドに含まれている特別図柄変動時間(変動パターン)を示す情報に基づいて、演出図柄の変動演出パターンを選択する。例えば、変動演出開始コマンドにおいて、遊技状態が時短を示す情報を含んでいる場合、短い時間(例えば3秒)が、遊技状態が時短外遊技状態で停止図柄がリーチを示す情報を含んでいる場合、長い時間(例えば30〜90秒)が選択されるように、特別図柄変動時間(変動パターン)の情報が示される。
次に、サブCPU340aは、S2840に移行して、S2826で選択された演出図柄の変動演出パターンに基づいて演出図柄変動演出開始コマンドをセットする。この演出図柄変動演出開始コマンドにより、メイン表示装置131に選択した変動演出パターンによる演出図柄の変動表示を表示させると共に、その演出図柄の変動表示に合わせて音声出力装置132のスピーカや演出用照明装置134のランプやLED、演出用駆動装置361のギミック109による音響出力や発光表示及びギミック演出等を実行させる。また、大当り確定予告演出を実行する場合には、遊技者の設定に基づいて「ハンドルフラッシュ」「ハンドルバイブ」又は「ハンドルエアー」の何れかを実行させる。
S2840の処理を終えると、サブCPU340aは、S2842に移行して、保留数減算処理を実行する。具体的には、サブCPU340aは、変動演出開始コマンドの設定情報に含まれている情報が第1特別図柄抽選結果の判定が実行されたことを示す場合、サブRAM340cに格納されている第1特別図柄抽選の保留数を1減算する。同様に、サブCPU340aは、変動演出開始コマンドの設定情報に含まれている情報が第2特別図柄抽選結果の判定が実行されたことを示す場合、サブRAM340cに格納されている第2特別図柄抽選の保留数を1減算する。
そして、S2844に移行し、サブCPU340aは、上記S2842でサブRAM340cに1減算した保留に対する第1特別図柄又は第2特別図柄の保留表示を消去すべく、画像制御基板550に指示するための保留消去表示コマンドをサブRAM340cにセットして、メイン表示装置131から最も早く表示されていた第1特別図柄又は第2特別図柄の保留表示(保留アイコン)を消去させる。そして、S2844の処理を終えると、サブCPU340aは、この変動演出選択処理を終了する。
図17に戻って、S1740の処理を終えると、又は、S1724において変動演出開始コマンドを受信していないと判定された場合(S1724でNO)、サブCPU340aは、S1750に移行して、図8の特別図柄処理のS846でセットされた変動演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。そして、変動演出停止コマンドを受信していると判定された場合(S1750でYES)、サブCPU340aは、S1760に移行して、変動演出終了処理を実行する。以下、図32を用いて、S1760で行われる変動演出終了処理の内容について説明する。図32は、演出制御基板340のサブCPU340aによって行われる変動演出終了処理(S1760)を示すフローチャートである。
図32を参照して、サブCPU340aは、まずS3200において、画像制御基板350やランプ制御基板360に指示するための演出図柄変動演出停止コマンドをサブRAM340cにセットして、メイン表示装置131における変動演出パターン及び設定された演出モードによる演出図柄の変動表示を終了させると共に、その演出図柄の変動表示に合わせて音声出力装置132のスピーカやサブ表示装置139、演出用照明装置134のランプやLED、演出用駆動装置361のギミック109による音響出力や発光表示及びギミック演出等を終了させる。
そして、S3220に移行して、サブCPU340aは、上記S3200で演出図柄変動演出停止コマンドをセットして演出図柄の変動表示を終了させることに基づいて、モード継続回数値M(図30参照)の値を1加算(インクリメント)する。そして、サブCPU340aは、S3240に移行して、S1724で受信した変動演出開始コマンドの解析結果(S2810)に基づいて今回の演出図柄の変動表示停止に係る特別図柄抽選の判定結果が、通常4R大当り又は確変4R大当りであるか否かを判定する。
S3240において、今回の特別図柄抽選の判定結果が通常4R大当り又は確変4R大当りである場合(S3240でYES)、サブCPU340aは、S3242に移行し、この通常4R大当り又は確変4R大当りの大当り遊技終了後、モードフラグに「7」をセットし演出モードとして「潜確」を設定する。そして、サブCPU340aは、S3246に移行して、「潜確」の設定に伴ってモード継続回数値Mに「0」を代入してモード継続回数値Mをリセットする。そして、S3246の処理を終えると、サブCPU340aは、この変動演出終了処理を終了する。
一方、S3240において、今回の特別図柄抽選の判定結果が通常4R大当り及び確変4R大当りでない場合(S3240でNO)、サブCPU340aは、S3250に移行して、S1724で受信した変動演出開始コマンドの解析結果(S2810)に基づいて今回の演出図柄の変動表示停止に係る特別図柄抽選の判定結果が、確変16R大当りであるか否かを判定する。
S3250において、今回の特別図柄抽選の判定結果が確変16R大当りである場合(S3250でYES)、サブCPU340aは、S3252に移行し、この確変16R大当りの大当り遊技終了後、モードフラグに「1」をセットし演出モードとして「通常A」を設定する。そして、サブCPU340aは、S3254に移行して、「通常A」の設定に伴ってモード継続回数値Mに「0」を代入してモード継続回数値Mをリセットする。そして、S3254の処理を終えると、サブCPU340aは、この変動演出終了処理を終了する。
図17に戻って、S1760の変動演出終了処理を終了すると、又は、変動演出停止コマンドを受信していないと判定された場合(S1750でNO)、サブCPU340aは、S1770に移行して、図11の停止中処理のS1152でセットされたオープニングコマンドを受信したか否かを判定する。そして、オープニングコマンドを受信していると判定された場合(S1770でYES)、サブCPU340aは、S1772に移行して、画像制御基板350やランプ制御基板360に指示するためのオープニング演出コマンドをサブRAM340cにセットして、メイン表示装置131、サブ表示装置139、音声出力装置132、演出用照明装置134及び演出用駆動装置361を介して大当り遊技のオープニング演出を実行させる。
具体的に、この大当り遊技のオープニング演出は、メイン表示装置131に大当り遊技のオープニング画像が演出表示されると共に、その演出表示に合わせてサブ表示装置139の演出や、スピーカやランプ、LED及びギミック109による音響出力や発光表示及びギミック演出等が実行される。また、このオープニング演出においては、上述した普通図柄演出(大当り煽り演出、開放示唆演出)も実行可能となっている。
S1772の処理を終えると、又は、S1770においてオープニングコマンドを受信していないと判定された場合(S1770でNO)、サブCPU340aは、S1774に移行して、図12の大入賞装置処理のS1215でセットされた大当り演出コマンドを受信したか否かを判定する。そして、大当り演出コマンドを受信していると判定された場合(S1774でYES)、サブCPU340aは、S1776に移行して、大当り演出処理を実行する。以下、図33を用いて、S1776で行われる大当り演出処理の内容について説明する。図33は、演出制御基板340のサブCPU340aによって行われる大当り演出処理(S1776)を示すフローチャートである。
図33を参照して、サブCPU340aは、まずS3300において、S1774で受信した大当り演出コマンドを解析して、今回の大当りが、大当り遊技終了後に高確率が潜伏する潜確モードに移行される確変4R大当りであるか否かを判定する。そして、今回の大当りが確変4R大当りであると判定された場合(S3300でYES)、サブCPU340aは、S3310に移行して、潜確示唆操作指示演出を示す設定情報をサブRAM340c上に設定する。なお、この潜確示唆操作指示演出については後に詳述する。
S3310の処理を終えると、又は、S3300において今回の大当りが確変4R大当りでないと判定された場合(S3300でNO)、サブCPU340aは、S3320に移行して、大当り遊技中に表示されている保留に対する大当り抽選の事前判定(第1事前判定又は第2事前判定、図5のS508又はS528)結果に大当りがあり、当該大当り遊技の終了後にこの大当りの保留に基づく図柄合わせゲームにより再び大当りになるいわゆる「保留内連チャン」があるか否かを判定する。なお、この大当りの保留は、上記した図17のS1710の保留先読み処理により、その保留画像については所定の保留先読み演出が実行されている。
そして、S3320において、保留内連チャンがあると判定された場合(S3320でYES)、サブCPU340aは、S3330に移行して、連チャン示唆操作指示演出を示す設定情報をサブRAM340c上に設定する。なお、この連チャン示唆操作指示演出については後に詳述する。
S3330の処理を終えると、又は、S3320において保留内連チャンがないと判定された場合(S3320でNO)、サブCPU340aは、S3340に移行して、確変16R大当りへの昇格演出があるか否かを判定する。この確変16R大当りへの昇格演出とは、内部的に確変16R大当りで大当りしているにも拘わらず、遊技者には、一旦、確変16R大当りよりも利益度の低い確変4R大当り又は通常4R大当りで大当りしたように見せかけ(例えば、確変4R大当り又は通常4R大当りに対応する「777」以外の大当り図柄で大当りに移行)、その後、大当り遊技中の所定の時期になったときに(例えば、所定ラウンド数になったときや、大当り遊技の最後など)、この利益度の低い確変4R大当り又は通常4R大当りから、恰も利益度の高い確変16R大当りに昇格したように見せる(例えば、大当り図柄を確変16R大当りに対応する「777」に変更する)演出である。
そして、S3340において、確変16R大当りへの昇格演出があると判定された場合(S3340でYES)、サブCPU340aは、S3350に移行して、昇格示唆操作指示演出を示す設定情報をサブRAM340c上に設定する。なお、この昇格示唆操作指示演出については後に詳述する。
S3350の処理を終えると、又は、S3340において確変16R大当りへの昇格演出がないと判定された場合(S3340でNO)、サブCPU340aは、S3360に移行して、画像制御基板350やランプ制御基板360に指示するための大当り演出パターンコマンドをサブRAM340cにセットして、大当り演出コマンドに含まれている情報に基づいて判別した大当り遊技中の演出(オープニング演出後からエンディング演出開始までの間に行われる通常4R、確変4R又は確変16R大当り遊技における各ラウンド毎の演出)等を、メイン表示装置131、サブ表示装置139、音声出力装置132、演出用照明装置134及び演出用駆動装置361を介して実行させる。
具体的に、これらの大当り遊技に係る演出は、メイン表示装置131に大当りの種類(通常4R、確変4R又は確変16R大当り)に応じた大当り演出パターンの演出画像や、その他、遊技者に右打ち操作又は左打ち操作を指示するための右打ち操作指示演出又は左打ち操作指示演出、演出図柄の変動表示中(例えばリーチ演出)などにおいて遊技者に演出ボタン135、136の操作を促すための演出ボタン操作指示演出等が表示されると共に、それらの演出表示に合わせてサブ表示装置139の演出、スピーカやランプ、LED及びギミック109による音響出力や発光表示及びギミック演出等が実行される。
ここで、上記S3310、S3330又はS3350でサブRAM340c上に潜確示唆操作指示演出、連チャン示唆操作指示演出又は昇格示唆操作指示演出の設定がなされている場合には、大当り遊技中に遊技者に所定の操作をさせる上記の右打ち操作指示演出、左打ち操作指示演出及び演出ボタン操作指示演出は、他の大当り以外の遊技状態とは異なる態様で行われるようになっており、これについては後に詳述する。また、この大当り遊技中の演出においては、上述した普通図柄演出(大当り煽り演出、開放示唆演出)も実行可能となっている(第2始動入賞装置(電チュー)115の保留記憶が満タンになっていないとき)。そして、S3360の処理を終えると、サブCPU340aは、この大当り演出処理を終了する。
図17に戻って、S1776の大当り演出処理を終えると、又は、S1774において大当り演出コマンドを受信していないと判定された場合(S1774でNO)、サブCPU340aは、S1778に移行して、図12の大入賞装置処理のS1252でセットされたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。そして、エンディングコマンドを受信していると判定された場合(S1778でYES)、サブCPU340aは、S1780に移行して、画像制御基板350やランプ制御基板360に指示するためのエンディング演出コマンドをサブRAM340cにセットして、メイン表示装置131、サブ表示装置139、音声出力装置132、演出用照明装置134及び演出用駆動装置361を介して大当り遊技のエンディング演出を実行させる。
具体的に、この大当り遊技のエンディング演出は、メイン表示装置131に大当り遊技のエンディング画像が演出表示されると共に、その演出表示に合わせてサブ表示装置139の演出、スピーカやランプ、LED及びギミック109による音響出力や発光表示及びギミック演出等が実行される。また、このエンディング演出においては、上述した普通図柄演出(大当り煽り演出、開放示唆演出)も実行可能となっている。
S1780の処理を終えると、又は、S1778においてエンディングコマンドを受信していないと判定された場合(S1780でNO)、サブCPU340aは、S1790に移行して、図15の皿満タン検出スイッチ処理のS1510でセットされた皿満タンエラー開始コマンドを受信したか否かを判定する。そして、皿満タンエラー開始コマンドを受信していると判定された場合(S1790でYES)、サブCPU340aは、S1792に移行して、画像制御基板350やランプ制御基板360に指示するための皿満タンエラー開始演出用コマンドをサブRAM340cにセットして、メイン表示装置131、音声出力装置132、演出用照明装置134等を介して遊技者に下皿141から玉を抜かせるめの(皿満タン検出スイッチ313をオフさせるための)玉抜レバー141aの操作を指示する玉抜レバー操作指示演出を実行させる。
ここで、上記S3310、S3330又はS3350でサブRAM340c上に潜確示唆操作指示演出、連チャン示唆操作指示演出又は昇格示唆操作指示演出の設定がなされている場合に、大当り遊技中に皿満タンエラー開始コマンドを受信したときは、つまり大当り遊技中に玉抜レバー操作指示演出が行われるときは、上記の操作指示演出、すなわち右打ち操作指示演出、左打ち操作指示演出及び演出ボタン操作指示演出と同様、他の大当り以外の遊技状態とは異なる態様で行われるようになっており、これについては後に詳述する。
S1792の処理を終えると、又は、S1790において皿満タンエラー開始コマンドを受信していないと判定された場合(S1790でNO)、サブCPU340aは、S1794に移行して、図15の皿満タン検出スイッチ処理のS1530でセットされた皿満タンエラー終了コマンドを受信したか否かを判定する。そして、皿満タンエラー終了コマンドを受信していると判定された場合(S1794でYES)、サブCPU340aは、S1796に移行して、画像制御基板350やランプ制御基板360に指示するための皿満タンエラー終了演出用コマンドをサブRAM340cにセットして、メイン表示装置131、音声出力装置132、演出用照明装置134等を介して上記S1792の処理で開始させた玉抜レバー操作指示演出の実行を終了させる。そして、S1796の処理を終えると、又は、S1794において皿満タンエラー終了コマンドを受信していないと判定された場合(S1794でNO)、サブCPU340aは、このコマンド受信処理を終了する。
図16に戻って、S1600のコマンド受信処理を終えると、次に演出制御基板340のタイマ割込み処理では、S1610において、サブCPU340aは、遊技者による第1演出ボタン135又は第2演出ボタン136の操作による第1演出ボタン検出スイッチ335又は第2演出ボタン検出スイッチ336a〜336eからの入力に基づき、演出上の効果や遊技者の遊技履歴情報取得等を実現するための演出ボタン処理を行う。
図36を用いて、ここで、演出ボタン処理の内容について説明する。図36は、演出制御基板340のサブCPU340aによって行われる演出ボタン処理(S1610)を示すフローチャートである。図36を参照して、サブCPU340aは、まずS3600において、デモフラグがオンに設定されているか否かを判定する(図18のS1830参照)。そして、デモフラグがオンに設定されていると判定された場合(S3600でYES)、つまり遊技機100は待機状態であって客待ち用のデモ演出を実行している場合、サブCPU340aは、S3605に移行して、遊技状態が時短か否かを判定する。
S3605において、遊技状態が時短でないと判定された場合(S3605でNO)、サブCPU340aは、S3610に移行し、ここで演出ボタン135、136の操作に基づいてデモ演出画面中に演出モードとして「通常A」選択の信号が入力されたか否かを判定する。そして、演出モードとして「通常A」選択の信号が入力された場合(S3610でYES)、サブCPU340aは、S3625に移行し、モードフラグに「2」がセットされているか否か、すなわち現在設定されている演出モードが「通常B」か否かを判定する。
S3625において、現在設定されている演出モードが「通常B」であると判定された場合(S3625でYES)、サブCPU340aは、S3630に移行して、モードフラグに「1」をセットし演出モードとして「通常A」を設定する。これにより、演出モードの設定が「通常B」から「通常A」に切り替わる。そして、サブCPU340aは、S3645に移行する。
一方、S3610において、演出モードとして「通常A」選択の信号が入力されなかった場合(S3610でNO)、サブCPU340aは、S3620に移行し、ここで演出ボタン135、136の操作に基づいてデモ演出画面中に演出モードとして「通常B」選択の信号が入力されたか否かを判定する。そして、演出モードとして「通常B」選択の信号が入力された場合(S3620でYES)、サブCPU340aは、S3630に移行し、モードフラグに「1」がセットされているか否か、すなわち現在設定されている演出モードが「通常A」か否かを判定する。
S3630において、現在設定されている演出モードが「通常A」であると判定された場合(S3530でYES)、サブCPU340aは、S3640に移行して、モードフラグに「2」をセットし演出モードとして「通常B」を設定する。これにより、演出モードの設定が「通常A」から「通常B」に切り替わる。そして、サブCPU340aは、S3645に移行する。
S3645に移行すると、サブCPU340aは、「通常A」又は「通常B」の設定に伴ってモード継続回数値Mに「0」を代入してモード継続回数値Mをリセットする。そして、サブCPU340aは、S3650に移行して、画像制御基板350に、演出モードとして「通常A」又は「通常B」を実行するための演出モードコマンドをサブRAM340cにセットし、この演出ボタン処理を終了する。
一方、S3605において、遊技状態が時短であると判定された場合(S3605でYES)、S3620において、演出モードとして「通常B」選択の信号が入力されなかった場合(S3620でNO)、S3625において、現在設定されている演出モードが「通常B」であると判定されなかった場合(S3625でNO)、又は、S3630において、現在設定されている演出モードが「通常A」であると判定されなかった場合(S3630でNO)にも、サブCPU340aは、この演出ボタン処理を終了する。
つまり、この演出ボタン処理のS3600〜S3650の処理により、遊技状態が時短でないときのデモ演出画面であって、現在設定されている演出モードが「通常A」又は「通常B」のときは、遊技者の演出ボタン135、136の操作により該演出モードを「通常B」又は「通常A」に切り替えることが可能になる。なお、現在設定されている演出モードが「通常A」又は「通常B」以外のとき、あるいは、遊技状態が時短のときは(遊技状態が時短のときは演出モードとして「通常A」が強制設定)、遊技者の演出モード選択に係る演出ボタン135、136の操作は無効となる(図30参照)。
一方、S3600において、デモフラグがオンに設定されていないと判定された場合(S3600でNO)、つまり遊技機100は待機状態でなく客待ち用のデモ演出を実行していない場合、サブCPU340aは、S3660に移行して、後述するメイン表示装置131等で演出図柄の変動表示中、例えばリーチ演出などにおいて遊技者に演出ボタン135、136を操作させる演出ボタン操作指示演出の実行中か否かを判定する。
そして、遊技者に演出ボタン135、136を操作させる演出ボタン操作指示演出の実行中と判定された場合(S3660でYES)、サブCPU340aは、S3665に移行して、演出ボタン操作指示演出の実行中に遊技者が演出ボタン135、136を操作し、つまり遊技者が演出ボタン操作指示演出に応答して演出ボタン135、136を操作し、第1演出ボタン検出スイッチ335又は第2演出ボタン検出スイッチ336a〜336eからいずれかの信号を入力したか否かを判定する。
そして、第1演出ボタン検出スイッチ335又は第2演出ボタン検出スイッチ336a〜336eからいずれかの信号が入力されていると判定した場合(S3665でYES)、サブCPU340aは、S3670に移行して、画像制御基板350やランプ制御基板360に、遊技者が演出ボタン操作指示演出に応答して演出ボタン135、136を操作したことに基づくボタン操作演出を実行させるためのボタン操作演出用コマンドをサブRAM340cにセットする。
一方、第1演出ボタン検出スイッチ335又は第2演出ボタン検出スイッチ336a〜336eからいずれの信号も入力されていないと判定された場合(S3665でNO)、サブCPU340aは、S3675に移行して、画像制御基板350やランプ制御基板360に、遊技者が演出ボタン操作指示演出に応答せずに演出ボタン135、136を操作しなかったことに基づくボタン未操作演出を実行させるためのボタン未操作演出用コマンドをサブRAM340cにセットする。
ここで、ボタン未操作演出は、ボタン操作演出に比して、遊技者にとって演出効果や信頼度の低い演出が行われるようになっている。これにより、遊技者のアクションによって演出が変化することを体感させたりすることができ、その結果、遊技性を高めることができる。なお、演出効果とは、遊技者にとって有利な遊技結果(例えば当りや大当り)となる確率を示唆する演出の有効性の程度であり、また、信頼度とは、遊技者にとって有利な遊技結果となる確率のバロメータである。
一方、遊技者に演出ボタン135、136を操作させる演出ボタン操作指示演出の実行中ではないと判定された場合(S3660でNO)、第1演出ボタン検出スイッチ335又は第2演出ボタン検出スイッチ336a〜336eからいずれの信号も入力されていないと判定した場合(S3665でYES)、又は、S3670若しくはS3675の処理を終了すると、サブCPU340aは、この演出ボタン処理を終了する。
図16に戻って、S1610の演出ボタン処理を終えると、S1620に移行して、サブCPU340aは、S1600のコマンド受信処理でサブRAM340cにセットされたコマンド、すなわち、オープニング演出コマンド(S1772)、エンディング演出コマンド(S1780)、皿満タンエラー開始演出用コマンド(S1792)、皿満タンエラー終了演出用コマンド(S1796)、デモ演出開始コマンド(S1840)、保留表示コマンド(S1908)、保留先読み演出コマンド(S1910)、デモ演出終了コマンド(S2020、S2804)、煽り演出大当り演出用コマンド(S2122)、開放示唆演出大当り演出用コマンド(S2132)、煽り演出通常演出用コマンド(S2146)、時短/高確遊技演出コマンド(S2730)、時短遊技演出コマンド(S2740)、通常遊技演出コマンド(S2750)、演出図柄変動演出開始コマンド(S2840)、保留消去表示コマンド(S2844)、演出モードコマンド(S2960、S3650)、演出図柄変動演出停止コマンド(S3200)、大当り演出パターンコマンド(S3360)、ボタン操作演出用コマンド(S3670)、ボタン未操作演出用コマンド(S3675)等のコマンドを画像制御基板350及びランプ制御基板360へ送信するコマンド送信処理を行う。
このコマンド送信処理が行われることによって、メイン表示装置131やサブ表示装置139における画像表示や音声出力装置132からの音声出力等による演出の実行が画像制御基板350に指示され、また、演出用照明装置134によるランプやLEDの点灯制御や、演出用駆動装置361によるギミック109の作動等による演出の実行がランプ制御基板360に指示され、これにより様々な趣向を凝らした演出が遊技機100にて行われる。そして、S1620のコマンド送信処理を終えると、サブCPU340aは、この演出制御基板340のタイマ割込み処理を終了する。
図34、35を参照して、次に、大当り演出処理のS3310、S3330又はS3350において潜確示唆操作指示演出、連チャン示唆操作指示演出又は昇格示唆操作指示演出が設定されている場合の、大当り遊技中に行われる操作指示演出について説明する。図34は、大当り遊技中における操作指示演出の内容の一例を示した説明図であり、図35は、大当り遊技中における操作指示演出の具体的な表示の一例を示した説明図である。
本実施形態の遊技機100においては、遊技者に所定の操作を促す操作指示演出として、図34、35に示すように「右打ち」「左打ち」「演出ボタン」「玉抜レバー」の4種類の操作指示演出が用意されている。「右打ち」操作指示演出は、大当り遊技中に開放する大入賞装置117に遊技球を入賞させるための操作指示情報(本来情報)を報知する演出であって、大入賞装置117が開放するオープニング演出とエンディング演出との間のラウンド遊技の期間継続して行われるようになっている。そして、その基本構成は、右矢印及び文字の表示と音声からなっている。
「左打ち」操作指示演出は、大当り遊技が終了して通常の遊技状態(時短外遊技状態)に移行するときに、右打ちから通常の左打ちに戻すための操作指示情報(本来情報)を報知する演出であって、エンディング演出の所定期間に行われるようになっている。そして、その基本構成は、左矢印及び文字の表示と音声からなっている。
「演出ボタン」操作指示演出は、大当り遊技中における大当り演出において演出ボタン135、136を遊技者に操作させるための操作指示情報(本来情報)を報知する演出であって、大当り演出で所定の演出が行われるのに伴って適宜実行されるようになっている。そして、その基本構成は、演出ボタン及び文字の表示と音声からなっている。
「玉抜レバー」操作指示演出は、大当り遊技中に下皿141が遊技球で満タンになって皿満タン検出スイッチ313がオンとなったときに、玉抜レバー141aを操作させて下皿141から玉を抜かせるための(皿満タン検出スイッチ313をオフさせるための)操作指示情報(本来情報)を報知する演出であって、皿満タン検出スイッチ313がオンからオフになるまでの期間継続して行われるようになっている。そして、その基本構成は、文字の表示と音声からなっている。なお、これら「右打ち」、「左打ち」、「演出ボタン」、「玉抜レバー」の操作指示演出においては、矢印、演出ボタン及び文字の表示や音声に合わせて演出用照明装置134や演出用駆動装置361を適宜駆動して所定の演出を行うようにしてもよい。
図34、35の上段を参照して、まず、大当り遊技中に潜確示唆操作指示演出、連チャン示唆操作指示演出及び昇格示唆操作指示演出の設定がなされていないときに実行される、通常の操作指示演出について説明する。この大当り遊技中における通常の操作指示演出は、本来の報知すべき情報(「右打ち」、「左打ち」、「演出ボタン」、「玉抜レバー」の操作指示)のみを報知する演出であって、つまり、遊技者にとって有利又は不利に係るその他の示唆情報は含んでいない操作指示演出となっている。従って、この通常の操作指示演出は、遊技状態が大当り以外であっても行われるようになっており、つまり、通常の操作指示演出は、遊技状態が大当りか否かに関係なく、全ての遊技状態で共通の態様で実行される演出となる。
通常(示唆情報なし)の「右打ち」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面右上に「右打ちして下さい→」という文字と右矢印が表示され(図35a−1参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「右打ちして下さい」という音声が出力される。通常(示唆情報なし)の「左打ち」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面左上に「←右打ちして下さい」という文字と左矢印が表示され(図35a−2参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「左打ちして下さい」という音声が出力される。
通常(示唆情報なし)の「演出ボタン」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面略中央に「演出ボタン」の画像と「ボタンを押して下さい」又は「連打して下さい」という文字が表示され(図35a−3参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「ボタンを押して下さい」又は「連打して下さい」という音声が出力される。通常(示唆情報なし)の「玉抜レバー」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面略中央に「玉を抜いて下さい」という文字が表示され(図35a−4参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「玉を抜いて下さい」という音声が出力される。
ここで、この通常の操作指示演出における表示態様は、矢印(「右打ち」操作指示演出の右矢印、「左打ち」操作指示演出の左矢印)や演出ボタン(「演出ボタン」操作指示演出)の画像又は文字が白色で点灯すると共に、それらの表示の大きさが他の操作指示演出に相対して小さく表示されるようになっており、更に、文字表示や音声はていねい口調で、且つ音声は、大人の女性の声色で行われるという特徴を有している。すなわち、示唆情報のない通常の操作指示演出は、全ての遊技状態でこのような特徴を有した演出態様にて行われる。
図34、35の二段目を参照して、次に、大当り遊技中に潜確示唆操作指示演出の設定がなされているときに実行される、潜確の操作指示演出について説明する。この大当り遊技中における潜確の操作指示演出は、本来の報知すべき情報(「右打ち」、「左打ち」、「演出ボタン」、「玉抜レバー」の操作指示)に加えて、遊技者にとって有利又は不利に係る示唆情報を暗に報知する演出であって、つまり、この潜確の操作指示演出は、本来情報を報知すると共に、大当り遊技後に高確率が潜伏する潜確モードになることを示唆情報として暗示する操作指示演出となっている。
潜確(示唆情報)の「右打ち」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面右上に「右打ち!→」という文字と右矢印が表示され(図35b−1参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「右打ち」という音声が出力される。潜確(示唆情報)の「左打ち」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面左上に「←左打ち!」という文字と左矢印が表示され(図35b−2参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「左打ち」という音声が出力される。
潜確(示唆情報)の「演出ボタン」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面略中央に「演出ボタン」の画像と「ボタンを押せ!」又は「連打!」という文字が表示され(図35b−3参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「ボタンを押せ」又は「連打」という音声が出力される。潜確(示唆情報)の「玉抜レバー」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面略中央上に「玉を抜け!」という文字が表示され(図35b−4参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「玉を抜け」という音声が出力される。
ここで、この潜確の操作指示演出における表示態様は、矢印(「右打ち」操作指示演出の右矢印、「左打ち」操作指示演出の左矢印)や演出ボタン(「演出ボタン」操作指示演出)の画像又は文字がレインボー(虹色)で点滅すると共に、それらの表示の大きさが他の操作指示演出に相対して大きく表示されるようになっており、更に、文字表示や音声は命令口調で、且つ音声は、大人の男性の声色で行われるという特徴を有している。すなわち、遊技状態が大当りのときに行われる示唆情報が潜確の操作指示演出は、このような特徴を有した演出態様にて行われる。
図34、35の三段目を参照して、次に、大当り遊技中に連チャン示唆操作指示演出の設定がなされているときに実行される、連チャンの操作指示演出について説明する。この大当り遊技中における連チャンの操作指示演出は、本来の報知すべき情報(「右打ち」、「左打ち」、「演出ボタン」、「玉抜レバー」の操作指示)に加えて、遊技者にとって有利又は不利に係る示唆情報を暗に報知する演出であって、つまり、この連チャンの操作指示演出は、本来情報を報知すると共に、大当り遊技後に当該大当り遊技中に表示されていた保留に基づく図柄合わせゲームにより再び大当りになることを示唆情報として暗示する操作指示演出となっている。
連チャン(示唆情報)の「右打ち」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面右上に「右打ちだよ!→」という文字と右矢印が表示され(図35c−1参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「右打ちだよ」という音声が出力される。連チャン(示唆情報)の「左打ち」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面左上に「←左打ちだよ!」という文字と左矢印が表示され(図35c−2参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「左打ちだよ」という音声が出力される。
連チャン(示唆情報)の「演出ボタン」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面略中央に「演出ボタン」の画像と「ボタンを押すんだよ!」又は「連打だよ!」という文字が表示され(図35c−3参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「ボタンを押すんだよ」又は「連打だよ」という音声が出力される。連チャン(示唆情報)の「玉抜レバー」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面左下に「玉を抜くんだよ!」という文字が表示され(図35c−4参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「玉を抜くんだよ」という音声が出力される。
ここで、この連チャンの操作指示演出における表示態様は、矢印(「右打ち」操作指示演出の右矢印、「左打ち」操作指示演出の左矢印)や演出ボタン(「演出ボタン」操作指示演出)の画像又は文字が金色で点灯すると共に、それらの表示の大きさが他の操作指示演出に相対して中くらいの大きさで表示されるようになっており、更に、文字表示や音声は友達口調で、且つ音声は、子供の男の子の声色で行われるという特徴を有している。すなわち、遊技状態が大当りのときに行われる示唆情報が連チャンの操作指示演出は、このような特徴を有した演出態様にて行われる。
図34、35の下段を参照して、次に、大当り遊技中に昇格示唆操作指示演出の設定がなされているときに実行される、昇格の操作指示演出について説明する。この大当り遊技中における昇格の操作指示演出は、本来の報知すべき情報(「右打ち」、「左打ち」、「演出ボタン」、「玉抜レバー」の操作指示)に加えて、遊技者にとって有利又は不利に係る示唆情報を暗に報知する演出であって、つまり、この昇格の操作指示演出は、本来情報を報知すると共に、現在遊技中の利益度の低い大当り(確変4R大当り又は通常4R大当り)から利益度の高い大当り(確変16R大当り)に昇格することを示唆情報として暗示する操作指示演出となっている。
昇格(示唆情報)の「右打ち」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面右上に「右打ちしてネ!→」という文字と右矢印が表示され(図35d−1参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「右打ちしてネ」という音声が出力される。昇格(示唆情報)の「左打ち」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面左上に「←左打ちしてネ!」という文字と左矢印が表示され(図35d−2参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「左打ちしてネ」という音声が出力される。
昇格(示唆情報)の「演出ボタン」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面略中央に「演出ボタン」の画像と「ボタンを押してネ!」又は「連打してネ!」という文字が表示され(図35d−3参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「ボタンを押してネ」又は「連打してネ」という音声が出力される。昇格(示唆情報)の「玉抜レバー」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面右下に「玉を抜いてネ!」という文字が表示され(図35d−4参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「玉を抜いてネ」という音声が出力される。
ここで、この昇格の操作指示演出における表示態様は、矢印(「右打ち」操作指示演出の右矢印、「左打ち」操作指示演出の左矢印)や演出ボタン(「演出ボタン」操作指示演出)の画像又は文字がゼブラ柄で点灯すると共に、それらの表示の大きさが、上記の連チャンの操作指示演出と同様、他の操作指示演出に相対して中くらいの大きさで表示されるようになっており、更に、文字表示や音声はお願い口調で、且つ音声は、子供の女の子の声色で行われるという特徴を有している。すなわち、遊技状態が大当りのときに行われる示唆情報が昇格の操作指示演出は、このような特徴を有した演出態様にて行われる。
上述した操作指示演出(図34、35)の説明から明らかなように、本発明においては、大当り遊技中に行われる遊技者に所定の操作を指示する情報を報知する操作指示演出は、大当り演出処理(図33)で潜確示唆操作指示演出、連チャン示唆操作指示演出又は昇格示唆操作指示演出が設定された場合、本来の報知すべき情報(「右打ち」、「左打ち」、「演出ボタン」、「玉抜レバー」の操作指示)に加えて、遊技者にとって有利又は不利に係る示唆情報(潜確、連チャン又は昇格)を暗に報知するように構成されている。
すなわち、操作指示演出は、潜確示唆操作指示演出、連チャン示唆操作指示演出及び昇格示唆操作指示演出の設定がなされていない場合には、示唆情報のない本来情報のみを報知する通常操作指示演出が行われ、潜確示唆操作指示演出の設定がなされている場合には、本来情報に加えて潜確を示唆情報として暗示する潜確操作指示演出が行われ、連チャン示唆操作指示演出の設定がなされている場合には、本来情報に加えて連チャンを示唆情報として暗示する連チャン操作指示演出が行われ、昇格示唆操作指示演出の設定がなされている場合には、本来情報に加えて昇格を示唆情報として暗示する昇格操作指示演出が行われるようになっている。
そして、通常、潜確、連チャン及び昇格操作指示演出は、それぞれ演出態様に特徴を有してそれぞれ相違するように構成されており、すなわち、通常操作指示演出では、矢印や演出ボタンの画像又は文字が小さい表示で白色に点灯すると共に、文字表示や音声がていねい口調で大人の女性の声色で行われ、潜確操作指示演出では、矢印や演出ボタンの画像又は文字が大きい表示でレインボー(虹色)に点滅すると共に、文字表示や音声が命令口調で大人の男性の声色で行われ、連チャン操作指示演出では、矢印や演出ボタンの画像又は文字が中くらいの表示で金色に点灯すると共に、文字表示や音声が友達口調で子供の男の子の声色で行われ、昇格操作指示演出では、矢印や演出ボタンの画像又は文字が中くらいの表示でゼブラ柄に点灯すると共に、文字表示や音声がお願い口調で子供の女の子の声色で行われるようになっている。
従って、遊技者は、この大当り遊技の遊技進行に係わって行われる操作指示演出における操作指示情報の演出態様の特徴(相違)を見分けることにより、報知された操作指示情報の中に本来情報に加えて遊技者にとって有利又は不利に係る示唆情報が暗に含まれていたか否かを判別することが可能になる。これにより、特に熟練者や当該遊技機100の遊技に慣れている遊技者等が、ありふれた情報で特に関心を示さないことが多い本来情報のみを報知する操作指示演出に付加価値を与えて変化を持たせることができ、その結果、この操作指示演出に対する遊技者(特に熟練者等)の興趣を著しく高めて遊技の趣向性を極めて向上することが可能になる。
更に、示唆情報のない本来情報のみを報知する通常操作指示演出は、遊技状態が大当りか否かに関係なく、全ての遊技状態で行われるようになっているので、遊技者は、この通常操作指示演出の演出態様を見慣れることができ、これにより、本来情報に加えて示唆情報を暗示する潜確、連チャン又は昇格操作指示演出が行われたとき、遊技者は、これらの演出態様が通常操作指示演出とは相違する(通常操作指示演出とは何かが違う)ことを直感的に認識し易くなる。その結果、初心者や当該遊技機100の遊技に慣れていない遊技者等であっても、この操作指示演出に対する興趣を高めることが可能となる。
なお、大当り演出処理のS3310、S3330又はS3350において潜確示唆操作指示演出、連チャン示唆操作指示演出又は昇格示唆操作指示演出が同時に複数設定された場合には、所定の優先順位(例えば、潜確、連チャン、昇格の順に優先)に基づいて何れかの操作指示演出を行うようにしてもよいし、あるいは、所定時間毎に区切って設定された操作指示演出に対応する演出態様を順次切り替えて行うようにしてもよいし、更には、重複して設定されている操作指示演出に対応する上記の演出態様とは異なる新たな演出態様(潜確と連チャン、潜確と昇格、連チャンと昇格、潜確と連チャンと昇格に対応する演出態様)を行うようにしてもよい。
また、大当り演出処理のS3310、S3330又はS3350において潜確示唆操作指示演出、連チャン示唆操作指示演出又は昇格示唆操作指示演出が設定された場合、上述した遊技状態が大当り状態のときに実行される普通図柄演出としての電チュー115のロング開放パターンに関連して行われる開放示唆演出において、図25に示す「右打ちして下さい→」又は「←左打ちして下さい」という表示態様は、図34、35に示した「右打ち」「左打ち」の操作指示演出の表示態様に準じて行うとよい。このようにすれば、更に遊技者は、本来情報に付加されている示唆情報をより判別し易くなる。但し、この場合、口調や声色は、上述したキャラクタとしてのたぬ吉をそのまま用いてもよいし、操作指示演出に対応した上記の口調や声色で行うようにしてもよい。
また、潜確の操作指示演出、連チャンの操作指示演出又は昇格の操作指示演出は、所定の割合でガセ(フェイク)を入れるようにしてもよい。このようにすると、本来情報は真で示唆情報が場合によっては偽となり、更に遊技の趣向性が向上する。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態に係る遊技機100を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成は実施形態に示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加などがあっても本発明に含まれる。
例えば、上述した実施形態においては、遊技状態が大当り状態のときに実行される普通図柄演出としての大当り煽り演出(図24参照)及び開放示唆演出(図25参照)は、図21のS2104に示したように、現在の大当りが時短遊技を経由して大当りになった(初当りでなかった)ときは、実行されないようにしたが、この大当り煽り演出及び開放示唆演出は、時短遊技から当該大当り遊技に移行した時点で第2始動入賞装置(電チュー)115の保留記憶が満タンになっていなかった場合、あるいは、所定個数(1〜3個)以下になっていた場合には、当該大当り遊技(初当りでない大当り遊技)中にも実行するようにしてもよい。
このように構成すれば、当該大当り遊技中に第2始動入賞装置(電チュー)115の保留記憶が満タンになっていない状態で電チュー115がロング開放する場合、普通図柄演出(大当り煽り演出及び開放示唆演出)が実行されて、遊技者は確実に遊技球を電チュー115に入賞させて第2始動入賞装置(電チュー)115の保留記憶を満タンにすることができる。なお、上述した普通図柄演出実行処理(図21)のS2112の処理で、第2始動入賞装置(電チュー)115の保留記憶が満タンになっているか否かを判定するようにしたが、この処理においても、上記したように、所定個数(1〜3個)以下になっているか否かを判定するようにしてもよい。
そして、上記のように大当り煽り演出及び開放示唆演出を、電チュー115の保留記憶数に応じて初当りでない大当り遊技中にも実行する場合、例えば、当該保留記憶が1以上あれば、この大当り煽り演出及び開放示唆演出をあまり目立たないように行ってもよい。この目立たない演出態様としては、例えば、当該大当り煽り演出及び開放示唆演出のメイン表示装置131に表示される画像(図24、25参照)を小さくしたり、その画像に伴って行われる音声出力装置132からの音声も小さくすればよい。このようにすれば、遊技者にとってそれほど恩恵がない、大当り遊技中に行われる普通図柄演出としての大当り煽り演出及び開放示唆演出を目立たなくして、大当り演出の邪魔になることが抑制される。従って、この目立たない演出は、同様に遊技者にとってそれほど恩恵がない、上述した実施形態の普通図柄演出実行処理(図21)におけるS2112の処理で、電チュー115の保留記憶が1以上のときに行われる大当り煽り演出及び開放示唆演出にも適用するようにしてもよい。
つまり、遊技者にとってそれほど恩恵がない理由とは、電チュー115の保留記憶が1以上あれば、時短に突入しても、当該保留記憶により、まず遊技者にとって有利な電チュー(第2始動入賞装置)115に基づく図柄合わせゲームが実行され、その図柄合わせゲームの実行中に電チュー115に容易に電チュー115に遊技球を入賞させられるので、電チュー115に基づく図柄合わせゲームが途切れる可能性が低いからである。
一般に、大当り演出は、遊技者にとって、折角獲得した大当りの余韻に浸るための、あるいは、遊技利益に大きく係る演出(例えば、確変大当りへの昇格演出等)が行われたりする重要な演出であり、従って、この遊技者にとって重要な大当り演出中に行われる普通図柄演出としての大当り煽り演出及び開放示唆演出は、上記した大当りが初当りであるか否かに係わらず、すなわち、遊技の状態に係わらず、大当り演出の邪魔にならないよう本発明の要旨を逸脱しない範囲内で目立たなくして実行するようにしてもよい。
また、上述した普通図柄演出実行処理(図21)では、大当り遊技におけるオープニングやエンディングでは、遊技者による遊技球の発射停止を解消すべく、無条件で、つまり第2始動入賞装置(電チュー)115の保留記憶に関係なく、大当り煽り演出及び開放示唆演出を実行し得るようにしたが、これは、オープニング及びエンディング中における遊技球の発射が停止されているか否かを所定の手段で検出し、この検出結果により遊技球の発射停止を検出した場合、無条件で大当り煽り演出及び開放示唆演出を実行し得るようにしてもよい。このようにすれば、オープニングやエンディングであっても遊技球の発射停止を行っていない遊技者に対して、あまり恩恵が無い普通図柄演出の実行を回避することができ、効率的である。
また、大当り遊技中に、普通図柄が当りとなった場合の電チュー115の開放パターンは、図14に示したように、遊技状態が通常状態と同様のショート当り(0.5秒×1回の単開放、規定入賞数max9個)とロング当り(0.1秒×1回+5.5秒×1回の複開放、規定入賞数max9個)の2種類の当りを設けるようにしたが、これは、時短遊技状態と同様に、大当り遊技中に普通図柄が当りとなったとき専用の電チュー115の開放パターン(例えば0.1秒×3回+5.5秒×1回の複開放、規定入賞数max9個)を設けるようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、遊技機100は、図1に示したように大入賞装置117が1つの遊技機を用いて説明したが、これは、図37に示すように、第2大入賞装置3700を更に備えた遊技機3700を用いるようにしてもよい。図37は、他の実施形態に係る第2大入賞装置3701を備えた遊技機3700の正面図である。なお、以下に説明する他の実施形態の説明においては、上述した実施形態と同様な構成については同じ符号を付し、それら構成の詳細な説明については省略するものとする。この他の実施形態が上述した実施形態と異なる点は、端的に言えば、遊技機3700は確変決定用の第2大入賞装置3701を有し、大当り遊技中における操作指示演出は、本来情報の報知すべき情報(「右打ち」、「左打ち」、「演出ボタン」、「玉抜レバー」の操作指示)に加えて、更に、この第2大入賞装置3701が開放することを示唆情報として暗示する操作指示演出となっている点にある。
図37を参照して、遊技領域106の右側の領域には、大入賞装置117の下方に遊技球が入球可能な第2大入賞装置3701が設けられている。第2大入賞装置3701は、大入賞装置117と同様のいわゆるアタッカ型電動役物であって、その下部には、遊技盤面側からガラス板側に立設可能な開閉扉3701bを有しており、この開閉扉3701bが遊技盤面側に立設する開放状態と、遊技盤面に埋没する閉鎖状態とに可動制御される(図37では、開閉扉3701bが開放状態に制御されているときを示している)。そして、開閉扉3701bが遊技盤面に立設していると、遊技球を第2大入賞装置3701内に導く受け皿として機能し、遊技球が第2大入賞装置3701に入球可能となる。また、第2大入賞装置3701には、図示していないが、第2大入賞装置検出スイッチが設けられており、この第2大入賞装置検出スイッチが遊技球の入球を検出すると、所定の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
更に、第2大入賞装置3701は、図示していないが、入賞した遊技球が通過可能な特定領域(以下、「V領域」ともいう)を内部に備えており、このV領域を遊技球が通過することを条件に大当り遊技後の遊技状態が遊技者にとって有利な高確率遊技状態(大当り確率が高確率になっている遊技状態、いわゆる確変)に移行するようになっている。
第2大入賞装置3701は、特別図柄が予め定められた大当り図柄を確定表示することに基づいて所定の大当り遊技が開始されると、その大当り遊技中の特定のタイミングで開放されるようになっている。例えば、大当りが8R大当りだとすると、1〜7Rまでは大入賞装置117の開放によるラウンド遊技が行われ、最終の8Rに第2大入賞装置3701の開放によるラウンド遊技が行われる(第2大入賞装置3701のラウンド遊技は、その他の1〜7Rの何れかのラウンドであってもよい)。そして、この第2大入賞装置3701のラウンド遊技において、遊技球を開放している第2大入賞装置3701に入賞させ、この入賞した遊技球が更にV領域を通過すると大当り遊技後の確変が確定する。すなわち、第2大入賞装置3701は、確変決定用のアタッカとなっている。
ここで、大当りには、第2大入賞装置3701のラウンド遊技は、開閉扉3701bが僅かな時間しか開放しない(例えば0.1秒開放、実質的に遊技球が入賞不能で、例え遊技球が入賞したとしても、V領域が開閉装置により閉ざされて通過不能となっている)場合と、大入賞装置117のラウンド遊技と同様に、開閉扉3701bが十分な時間開放する(例えば29.5秒又は規定入賞数(max9個)の遊技球が入賞するまで開放する)場合とが設けられている。
そして、開閉扉3701bが十分な時間開放する第2大入賞装置3701のラウンド遊技が実行されたときは、第2大入賞装置3701に入賞した遊技球は、例えば上記の開閉装置の誘導等により、確実にV領域を通過するようになっている。従って、遊技者は、大当りになった場合、第2大入賞装置3701のラウンド遊技における開閉扉3701bの開放が僅かな時間しか開放しないのか、十分な時間開放するのかが、換言すれば、確変決定用アタッカとしての第2大入賞装置3701が実質的に開放して確変になるか否かが、極めて大きな関心事項となる。
そこで、この他の実施形態における遊技機3700では、上述した潜確、連チャン、昇格の操作指示演出(図34、35参照)と同様な、図38に示す確変決定用アタッカ(第2大入賞装置3701)開放の操作指示演出が設けられている。なお、図38は、他の実施形態に係る大当り遊技中における確変決定用アタッカ(第2大入賞装置3701)開放の操作指示演出の内容及び具体的な表示の一例を示した説明図である。
図38を参照して、この大当り遊技中における確変決定用アタッカ(第2大入賞装置3701)開放の操作指示演出は、大当り遊技中に確変決定用アタッカ(以下、単に「確変アタッカ」ともいう)開放示唆操作指示演出の設定がなされているときに実行される演出である。なお、この確変アタッカ開放示唆操作指示演出の設定は、図示していないが、上述した大当り演出処理(図33参照)におけるS3310の潜確示唆操作指示演出の設定、S3330の連チャン示唆操作指示演出の設定、S3350の昇格示唆操作指示演出の設定に準じて、サブRAM340c上に設定されるようになっている。
この大当り遊技中における確変アタッカ開放の操作指示演出は、本来の報知すべき情報(「右打ち」、「左打ち」、「演出ボタン」、「玉抜レバー」の操作指示)に加えて、遊技者にとって有利又は不利に係る示唆情報を暗に報知する演出であって、つまり、この確変アタッカ開放の操作指示演出は、本来情報を報知すると共に、大当り遊技中の所定ラウンドにおいて確変アタッカ(第2大入賞装置3701)が実質的に開放(十分な時間開放)することを示唆情報として暗示する操作指示演出となっている。
確変アタッカ開放(示唆情報)の「右打ち」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面右上に「右打ちやねん!→→」という文字と2本の右矢印が表示され(図38(B)e−1参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「右打ちやねん」という音声が出力される。確変アタッカ開放(示唆情報)の「左打ち」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面左上に「←←左打ちやねん!」という文字と2本の左矢印が表示され(図38(B)e−2参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「左打ちやねん」という音声が出力される。
確変アタッカ開放(示唆情報)の「演出ボタン」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面略中央に「演出ボタン」の画像と「ボタンを押すんやねん!」又は「連打やねん!」という文字が表示され(図38(B)e−3参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「ボタンを押すんやねん」又は「連打やねん」という音声が出力される。確変アタッカ開放(示唆情報)の「玉抜レバー」操作指示演出は、メイン表示装置131の画面略中央左に「玉を抜くんやねん!」という文字が表示され(図38(B)e−4参照)、それに伴って音声出力装置132のスピーカから文字表示と同じ「玉を抜け」という音声が出力される。
ここで、この確変アタッカ開放の操作指示演出における表示態様は、矢印(「右打ち」操作指示演出の右矢印、「左打ち」操作指示演出の左矢印)や演出ボタン(「演出ボタン」操作指示演出)の画像又は文字が赤色で点滅すると共に、それらの表示の大きさが他の操作指示演出に相対して小さく表示されるようになっており、更に、文字表示や音声は関西弁口調で、且つ音声は、大人のだみ声男性の声色で行われるという特徴を有している。すなわち、遊技状態が大当りのときに行われる示唆情報が確変アタッカ開放の操作指示演出は、このような特徴を有した演出態様にて行われる。
従って、このように構成される他の実施形態に係る確変アタッカ開放の操作指示演出によれば、遊技者は、この大当り遊技の遊技進行に係わって行われる確変アタッカ開放の操作指示演出における操作指示情報の演出態様の特徴(相違)を見分けることにより、報知された操作指示情報の中に本来情報に加えて、極めて大きな関心事項である大当り遊技後に遊技状態が確変に移行するための大当り時の確変アタッカの開放が行われるか否かを判別することが可能になる。その結果、この操作指示演出に対する遊技者の興趣を著しく高めて遊技の趣向性を極めて向上することが可能になる。
また、上述した潜確、連チャン、昇格の操作指示演出(図34、35参照)のような、本来の報知すべき情報(「右打ち」、「左打ち」、「演出ボタン」、「玉抜レバー」の操作指示)に加えて、遊技者にとって有利又は不利に係る示唆情報を暗に報知する操作指示演出は、上述した実施形態では大当り遊技中に行う例を示したが、これは、他の遊技状態でも行うようにしてもよい。例えば、時短遊技状態や通常遊技状態において、メイン表示装置131等に表示されている保留に対する大当り抽選の事前判定(第1事前判定又は第2事前判定、図5のS508又はS528)結果に大当りがある場合には、その旨を示唆情報とする操作指示演出を行うようにしてもよい。
また、図34、35に示したように、操作指示演出の演出態様は、その一部が重複する態様(連チャン、昇格の操作指示演出の表示態様において、表示の大きさが両者共に中くらいの大きさで表示)を示しが、各操作指示演出の演出態様のそれぞれは、全て相違するようにしてもよい。操作指示演出の演出態様において、一部が重複する場合には、遊技者の観察力や洞察力が問われるので、特に熟練者にとっては遊技の趣向性が向上し、一方、全て相違する場合には、特に初心者にとって優しい遊技性となる。
また、図19に示した保留先読み演出は、遊技状態が何れの遊技状態になっているか否かに関係なく実行されるように構成したが、これは、遊技状態が大当り又は時短になっているときや、リーチ(大当り及びリーチ有りはずれ)に係る特別図柄(演出図柄)の変動演出中になっているときは、実行されないようにしてもよい。この理由としては、遊技状態が大当りや時短、リーチになっていると、遊技者の関心がそちらに向かうので、このような遊技状態で保留先読み演出を実行しても有効性が低下する蓋然性が高いからである。
また、上述した煽り演出は、普通図柄の抽選結果が当りになるか否かに関する普通図柄演出(普通図柄の抽選で当りとなって電チュー115が開放する前に当該電チュー115が開放することを示唆する普通図柄演出)として説明したが、これは限定することなく、その他の当りになるかはずれになるかの図柄抽選に係る演出においても、上記に準じて適用することができる。例えば、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の抽選結果が大当りになるか否かに関する演出として、上述した煽り演出を適用してもよい。
更に、図21のS2140で行われる煽り演出通常抽選処理では、通常煽り演出は、図22に示した煽り演出実行乱数に基づき普通図柄の抽選結果が当り(ショート当りかロング当りかは問わず)のときは、全て実行するようにしたが、これは、普通図柄の抽選結果がショート当りのときは、所定の割合(例えば抽選確率3/10)で実行するようにしてもよい。また、図21のS2114で行われる煽り演出大当り抽選処理では、大当り煽り演出は、図22に示した煽り演出実行乱数に基づき普通図柄の抽選結果がショート当りのときは、所定の割合(抽選確率5/20)で実行するようにしたが、これは、全て実行しないようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、メイン表示装置131におけるデモ画面の表示は、図8(S816)、図18(S1820)で示したように、第1始動入賞装置112及び第2始動入賞装置(電チュー)115の始動記憶が無くなって、メイン表示装置131に大当り抽選に係る演出図柄(第1、第2特別図柄表示装置120、122に大当り抽選に係る特別図柄)の変動表示が実行されなくなってから所定時間経過したときに表示されるようにしたが、更に、これに加えて、普通図柄作動ゲート113a、113bの始動記憶が無くなって、普通図柄表示装置118に当り抽選に係る普通図柄の変動表示が実行されなくなってから所定時間経過したときに表示されるようにしてもよい。つまり、デモ画面の表示は、演出図柄(特別図柄)及び普通図柄の両者の変動停止を条件とするようにしてもよい。
また、演出モードが「潜確」に設定されてから特別図柄(演出図柄)の変動回数が30回(モード継続回数値Mが「30」)になった時点で遊技状態が確変になっているか否かを判定するようにしたが(図29のS2912、S2914)、このモード継続回数値Mは限定することなく、例えば50回や20回に設定するようにしてもよい。また、ミッションステージに移行した場合の当該ミッションステージの設定時間を5分(残余時間Tm、図29のS2946)にしたが、この設定時間は限定することなく、例えば7分や3分に設定するようにしてもよい。
なお、本発明においては、遊技機をパチンコ遊技機に限定されることなく、回胴式遊技機(いわゆるスロットマシン)、雀球遊技機、アレンジボール遊技機等、本発明の要旨を逸脱しない範囲においてその他の遊技機に適用することもできる。
<効果>
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る遊技機100は、普通図柄の抽選で当りとなって電チュー115が開放する前に当該電チュー115が開放することを示唆する普通図柄演出として、通常状態(時短外遊技状態)では通常煽り演出が、大当り状態では大当り煽り演出及び開放示唆演出が実行可能となっている。すなわち、普通図柄演出は、通常状態だけに止まらず、大当り状態においても実行可能となっており、その演出内容は、通常状態と大当り状態とで相違するように構成されている。しかも、電チュー115は、第1始動入賞装置112よりも遊技者にとって有利となるよう、且つ第1始動入賞装置112よりも優先消化されるように構成されている。一方で、時短中は普通図柄演出が実行されないと共に、大当り煽り演出及び開放示唆演出は、時短遊技を経由した「初当り」でない大当り中には実行されないように構成されている。すなわち、本実施形態に係る遊技機100は、発明Aとして、次のような構成を有している。
◆発明A
(1)遊技球が入賞し難い第1状態から入賞し易い第2状態に変化可能であって、遊技球が入賞したことを検出する入賞球検出手段(第2始動入賞装置検出スイッチ315)を備えた可変入賞装置(第2始動入賞装置(電チュー)115)と、前記入賞球検出手段が遊技球を検出したことを契機に大当りになるかはずれになるかの大当り抽選を行い、その抽選結果が大当りになると、遊技者にとって有利な特別遊技を発生させる特別遊技発生手段(ステップS450の大入賞装置処理)と、所定条件が成立すると当りになるかはずれになるかの当り抽選を行い、その抽選結果が当りになると、前記可変入賞装置を前記第1状態から前記第2状態に変化させる制御手段(ステップS460の電動チューリップ処理)と、前記可変入賞装置が前記第2状態に変化する前に、当該可変入賞装置が前記第2状態に変化することを示唆する演出を実行する演出実行手段(ステップS2030の普通図柄演出実行処理)とを備えた遊技機(遊技機100、3700)であって、前記演出実行手段が実行する演出は、少なくとも前記特別遊技発生手段により前記特別遊技が発生している場合に実行され得ることを特徴とする遊技機。
(2)遊技球が入球したことを検出する入球検出手段(第1始動入賞装置検出スイッチ312)を有し、該入球検出手段が遊技球を検出したことを契機に前記大当り抽選を実行させる始動装置(第1始動入賞装置112)を備え、前記特別遊技発生手段は、前記特別遊技を遊技者にとって利益度の異なる複数種類の中から何れかを選択して発生させると共に、前記可変入賞装置を経由して発生する前記特別遊技の方が、前記始動装置を経由して発生する前記特別遊技よりも遊技者にとって有利となる確率が高くなるように構成され、前記特別遊技の実行中における前記入賞球検出手段及び前記入球検出手段の遊技球の検出に基づく大当り抽選は、それぞれ所定数保留されて該特別遊技の終了後に実行されると共に、この所定数保留された大当り抽選は、前記入賞球検出手段の方が前記入球検出手段よりも優先消化されることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記特別遊技の終了後に、遊技状態を前記当り抽選における抽選結果が当りなる確率が上昇する第1遊技状態に変更する遊技状態変更手段(遊技状態設定処理のステップS1326)を備え、前記演出実行手段が実行する演出は、前記遊技状態変更手段により遊技状態が前記第1遊技状態に変更されている場合、及び該第1遊技状態中における前記大当り抽選で発生した特別遊技が行われている場合には、実行されないことを特徴とする(1)又は(2)に記載の遊技機。
(4)前記演出実行手段が実行する演出は、前記特別遊技が発生していない遊技状態にも実行され得ると共に、前記特別遊技の発生時に行われる場合には、該特別遊技が発生していない遊技状態時に行われる場合と相違する演出内容で実行されることを特徴とする(1)乃至(3)の何れかに記載の遊技機。
従来、普通図柄の抽選(普通電動役物の開放)に係る演出は、遊技状態が特別遊技(大当り遊技)になっている場合など、所定の遊技状態になっているときには、当該遊技状態の演出が際立つように行われないようになっている。そのため、例えば特別遊技中に普通図柄の抽選結果が当りになって普通電動役物が開放したとき、特別遊技に夢中になって普通電動役物が開放したことを見落としてしまったり、気付くのが遅れて僅かな遊技球しか入賞させられなかったりする遊技者も少なからずいる。そして、このような事態は、遊技者にとって、せっかくの有利な始動装置(普通電動役物)へ多くの遊技球を入賞させるチャンスをみすみす逃すことになり、その結果、遊技者は多大な不利益を被ると共に、遊技の趣向性が低下してしまうという問題点があった。
これに対し、上記した発明A記載の遊技機によれば、特別遊技が発生している場合であっても、可変入賞装置(普通電動役物)が遊技球が入賞し易い第2状態に変化する前に、当該可変入賞装置が第2状態に変化することを示唆する演出を実行し得るので、すなわち、遊技状態に関連して可変入賞装置が開放するか否かに係る演出を適宜実行することが可能になるので、これにより、特別遊技中に可変入賞装置に遊技球を入賞させられなかったり、僅かな遊技球しか入賞させられなかったりする遊技者への不利益事項を、効果的に抑制することができる。その結果、遊技の趣向性が向上する。加えて、可変入賞装置の方が始動装置よりも遊技者にとって有利に構成され、且つ、特別遊技終了後の大当り抽選では、可変入賞装置の方が始動装置よりも優先消化されるので、なおさらである。
また、当り抽選における抽選結果が当りなる確率が上昇する第1遊技状態(時短遊技状態)や、第1遊技状態を経由して発生した特別遊技(「初当り」でない大当り)中には、可変入賞装置が第2状態に変化することを示唆する演出は行わないので、その結果、遊技者にとってあまり恩恵が無い特定の遊技状態における当該示唆演出の実行を回避することができ、極めて効率的である。
更に、この示唆演出は、特別遊技の発生時に行われる場合には、特別遊技が発生していない遊技状態時に行われる場合と相違する演出内容で実行される(特別遊技の発生時は大当り煽り演出及び開放示唆演出、特別遊技が発生していない通常遊技状態時は通常煽り演出)ので、特別遊技時の示唆演出が際立ち、その結果、遊技者は、特別遊技に夢中になっていても、適正に可変入賞装置に遊技球を入賞させることが可能となる。
また、本実施形態に係る遊技機100は、大当り遊技中に行われる遊技者に所定の操作を指示する情報を報知する操作指示演出は、大当り演出処理(図33)で潜確示唆操作指示演出、連チャン示唆操作指示演出又は昇格示唆操作指示演出が設定された場合、本来の報知すべき情報(「右打ち」、「左打ち」、「演出ボタン」、「玉抜レバー」の操作指示)に加えて、遊技者にとって有利又は不利に係る示唆情報(潜確、連チャン又は昇格)を暗に報知するように構成されている。すなわち、本実施形態に係る遊技機100は、発明Bとして、次のような構成を有している。
◇発明B
(4)始動条件の成立に基づいて大当りか否かを判定する大当り判定手段(ステップS820の大当り判定処理)と、前記大当り判定手段の判定結果に基づいて所定の図柄表示装置(第1特別図柄表示装置120、第2特別図柄表示装置122、メイン表示装置131)に図柄を変動表示させた後、大当り図柄又ははずれ図柄を確定表示する図柄表示制御手段(ステップS440の特別図柄処理)と、前記図柄表示制御手段により大当り図柄が確定表示されたときに所定の特別遊技を実行する特別遊技実行手段(ステップS450の大入賞装置処理)と、少なくとも前記特別遊技の遊技進行に係わって遊技者へ所定の情報を報知する情報報知手段(ステップS1776の大当り演出処理)とを備えた遊技機(遊技機100、3700)において、前記情報報知手段が報知する情報は、遊技者に所定の操作を指示する操作指示情報であって、該操作指示情報は、本来の報知すべき本来情報に加えて、遊技者にとって有利又は不利に係る示唆情報を含んでいることを特徴とする遊技機。
(5)遊技者の操作により所定範囲内で変位可能な操作ハンドル(操作ハンドル107)を有し、該操作ハンドルの変位量に応じた発射強度で遊技球を遊技領域(遊技領域106)に向けて発射する発射装置(発射ハンドル装置103)を備え、前記操作指示情報は、前記本来情報を、遊技者に前記操作ハンドルの変位量を調節させて遊技球の発射強度を指示する情報としたことを特徴とする(4)に記載の遊技機。
なお、(4)又は(5)記載の遊技機において、前記特別遊技の終了後に、前記図柄表示制御手段による前記大当り図柄が確定表示される確率を上昇して遊技状態を確率変動状態にすると共に、遊技状態が確率変動状態になっていることを遊技者に判別し難くして前記大当り図柄が確定表示される確率が上昇していることを潜伏させる潜伏確率変動手段(ステップS2820の演出モード変更処理)を備え、前記操作指示情報は、前記示唆情報を、前記潜伏確率変動手段が実行されるか否かを示唆する情報としてもよい。
従って、このような発明B記載の遊技機によれば、遊技者、特に熟練者や当該遊技機の遊技に慣れている遊技者等がありふれた情報で特に関心を示さないことが多い本来情報のみを報知する操作指示情報に、付加価値を与えて変化を持たせることができ、その結果、この操作指示情報に対する遊技者(特に熟練者等)の興趣を著しく高めて遊技の趣向性を極めて向上することが可能になる。
ここで、操作指示情報は、本来情報として、特別遊技中によく用いられる、遊技者に操作ハンドルの変位量を調節させて遊技球の発射強度(「右打ち」又は「左打ち」)を指示する情報とすることが好ましい。あるいは、操作指示情報は、示唆情報として、遊技者の利益に大きく係るもののその判別が難しい、大当り図柄が確定表示される確率が上昇していることが潜伏する遊技状態(潜確)を示唆情報とすることが好ましい。このように構成すれば、更に操作指示情報に対する遊技者の興趣を高めることができる。
なお、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。従って、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語及び技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。