JP5977022B2 - 酸素濃縮装置 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素より窒素を優先的に吸着する吸着剤を用い、圧力変動吸着方式により高濃度の酸素を患者等に供給する酸素濃縮装置に関する。
従来より、酸素濃縮ガスを患者に供給することができる装置として、医療用酸素濃縮装置が、在宅酸素療法などに使用されている。
この種の酸素濃縮装置として、図6に例示する様に、酸素より窒素を優先的に吸着する吸着剤を2個或いは複数の窒素吸着容器(吸着筒P1)に充填した吸着型酸素濃縮装置が知られており、中でも、空気供給手段としてコンプレッサ(P2)を用いた圧力変動吸着型の酸素濃縮装置(P3)が、在宅酸素療法の装置として用いられている。
この圧力変動吸着型の酸素濃縮装置においては、一般には、窒素吸着容器に空気を供給して容器内を加圧状態にすることにより、空気中の窒素を吸着剤に吸着させて酸素濃縮ガスを取り出す吸着工程と、窒素吸着容器を大気開放して減圧し、吸着窒素を脱着させて吸着剤を再生する再生工程とを、交互または順次くり返し、連続的に酸素濃縮ガスを生成している。
更に、より高濃度の酸素を効率よく得るために、窒素吸着容器を大気開放して減圧し吸着窒素を脱着させるとともに、製品ガスの一部を用いて窒素吸着容器をパージし吸着剤を再生したり、空気供給手段を逆に用いて、窒素吸着容器内が負圧になるまで排気を行い、吸着窒素を脱着させて吸着剤を再生する方法が行われてきた。
この種の圧力変動吸着型の酸素濃縮装置では、合成ゼオライトと呼ばれる吸着剤が用いられるが、酸素よりも窒素を優先的に吸着すると同時に水分も吸着されるため、得られた酸素濃縮ガスは乾燥状態になる。
そのため、このままでは患者の鼻腔が乾き不快感を与えることになるため、一般的には酸素濃縮装置に加湿器(P4)を装備しており、この加湿器に通すことで加湿された酸素濃縮ガスを、酸素供給口(P5)からカニューラ(P6)を介して患者に供給している。
しかしながら、この加湿された酸素濃縮ガスが、酸素供給口に接続されたカニューラのチューブもしくはカニューラに接続された延長チューブ(P7)を通過する段階で、酸素濃縮装置とチューブの間に温度差を生じるような環境に設置されると(例えば患者の居る部屋と酸素濃縮装置が設置された部屋が異なり、酸素濃縮装置から患者の居る部屋に延長チューブを引いている場合がある)、図7に示す様に、チューブ内に結露が生じる場合がある。
その結果、酸素濃縮装置の稼働中は、その結露水が患者の方へ送り込まれてしまうため、チューブの途中に結露水を捕集するためのウォータートラップなる備品を設置して対処したり、加湿器で加湿される酸素濃縮ガスの湿度を制御するような対策を施した装置が開発されている(例えば下記特許文献1〜4参照)。
特開平06−233821号 特開平11−137692号 特開2000−135287号 特開2006−087684号
ところが、前述した酸素濃縮装置が稼働している最中の問題点とは別に、酸素濃縮装置の停止時においては、チューブ内に結露水が残留していると、次のような不具合が生じる場合がある。
酸素濃縮装置の稼働中は、コンプレッサにより圧縮された空気が窒素吸着容器内に送り込まれるため、窒素吸着容器内部の温度が上昇するが、酸素濃縮装置を停止したときには、窒素吸着容器内部の温度は低下する。また、窒素吸着容器内の合成ゼオライトは、低温ほど窒素の吸着量が増加する特性を持っているため、窒素吸着容器内部の温度が下がるとともに内部が負圧になる。
そのため、結露した水滴がチューブ内において凝集して閉塞状態となった場合には、負圧になった窒素吸着容器からの吸引により、チューブ内の結露水が装置内部へと逆流する。その結果、逆流によって装置内(詳しくは、酸素供給口と加湿器との間)に滞留した水は、雑菌の温床となることがある。また、酸素供給口と加湿器との間に流量計等の機器が配置されている場合には、逆流した結露水によって機器の故障を引き起こす原因となる。
この結露水の逆流を防止する手段として、酸素濃縮装置の酸素供給口付近に遮断弁を設置する方法が考えられるが、酸素濃縮装置の稼働中は遮断弁を常時開とするために、通電する電力が必要となる。
また、この遮断弁を配置する場合には、加湿器で加湿された酸素濃縮ガスが遮断弁を通過するため、遮断弁内部が加湿用の水に含まれるスケール成分(炭酸カルシウムやシリカなど)の影響で金属部品が腐食したり、スケール成分が析出することで弁がつまり、弁の動作不良を引き起こす可能性がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、電力を使用することなく、結露水の装置内部への逆流を防止し、酸素濃縮装置の安全性を好適に維持することができる酸素濃縮装置を提供することにある。
(1)本発明は、第1態様として、酸素より窒素を優先的に吸着する吸着剤を充填した窒素吸着容器と、前記窒素吸着容器に空気を供給する空気供給手段と、前記窒素吸着容器の加圧減圧を制御する加減圧切換手段と、前記窒素吸着容器にて生成された酸素濃縮ガスを装置外に供給する酸素供給口と、前記窒素吸着容器から前記酸素供給口に到る酸素濃縮ガスのガス流路に配置されて、該酸素濃縮ガスを加湿する加湿器と、を備えた圧力変動吸着型の酸素濃縮装置において、前記窒素吸着容器から前記酸素供給口に到る酸素濃縮ガスのガス流路に、大気側から前記窒素吸着容器の下流側にある前記ガス流路側への大気の流入が可能な逆止弁を配置したことを特徴とする。
本第1態様では、窒素吸着容器から酸素供給口に到る酸素濃縮ガスのガス流路に、大気側から窒素吸着容器の下流側にあるガス流路側への大気の流入が可能な逆止弁(即ち大気の流入は許可し酸素濃縮ガスの流出は禁止する逆止弁)を備えている。
従って、酸素濃縮装置の運転停止時に、窒素吸着容器内部が負圧となった場合でも、逆止弁を通してガス流路内に大気が導入されるため、ガス流路内は大気圧となり、よって、結露水の装置内部への逆流を防止できる。
詳しくは、酸素濃縮装置の運転停止時に、酸素供給口に接続されたチューブ内に発生した結露水によってチューブが閉塞された場合に、窒素吸着容器内部(従ってガス流路内)が負圧となっても、チューブ内に発生した結露水を装置内部(詳しくは、酸素供給口と加湿器との間)に吸引するだけの吸引力は発生しないので、結露水が装置内部へ逆流することを防ぐことができる。
その結果、逆流した結露水によって、装置内部のガス流路が雑菌の温床となることがなく、また、酸素供給口と加湿器との間に流量計等の機器が配置されている場合には、その機器の故障を防止できる。
更に、本第1態様では、上述した様に逆止弁を配置する構成によって、加湿器の下流側に遮断弁を設ける必要がないので、当然ながら、その遮断弁の不具合による問題はない。また、電磁弁ではなく通常の差圧を利用して作動する逆止弁を用いるので、装置の消費電力を節約できるという利点がある。
ここで、前記「逆止弁」とは、逆止弁によって区分される両側のガス流路の圧力差により機械的に作動する開閉弁であり、一方向のガスの流れのみを許可しその逆方向のガスの流れを禁止するように(ここでは大気側からガス流路側への大気の流入のみ許可するように)構成されている。
また、前記「窒素吸着容器から酸素供給口に到る酸素濃縮ガスのガス流路」としては、前記ガス流路に接続されて流路内が同圧となるようなガス流路(分岐したガス流路等)を含む。
(2)本発明は、第2態様として、前記窒素吸着容器と前記酸素供給口との間に、大気側から前記ガス流路側に大気の流入が可能な流路を有するとともに、該流路に前記大気の流入が可能な逆止弁を配置したことを特徴とする。
)本発明は、第態様として、前記ガス流路のうち、前記窒素吸着容器から流量設定器までの間に、前記逆止弁を配置したことを特徴とする。
本第態様では、窒素吸着容器から流量設定器までの間に、逆止弁を配置したので、装置の稼働中における酸素濃縮ガスのリークを防止できる。
ガス流路に大気と連通する逆止弁を配置したので、稼働中には逆止弁からのガス漏れのリスクが発生する。逆止弁では、リシール圧(弁体が閉じ始めて、弁体のリーク量がある規定の量まで減少した時の圧力)が存在するが、稼働中はリシール圧以上の圧力がガス流路内にかかっていないと弁体が完全に閉じることができず、ガス漏れが発生する。従って、ガス流路の中でも圧力が高い側の窒素吸着容器から流量設定器までの間に逆止弁を配置することで、酸素濃縮ガスのリークを防止できる。
)本発明では、第態様として、前記逆止弁の大気側に、10μm以上の異物を捕集する外側フィルタを設けたことを特徴とする。
本第態様では、逆止弁の大気側に、10μm以上の異物を捕集する外側フィルタを設けたので、大気側から塵埃等の異物が逆止弁内部に侵入することを防止できる。これにより、逆止弁に異物が噛み込むこと等による逆止弁の動作不良を防止できる。
)本発明では、第態様として、更に、前記逆止弁の前記ガス流路側に、10μm以上の異物を捕集する内側フィルタを設けたことを特徴とする。
ガス流路には、通常、製品タンクや減圧レギュレータ等が取り付けられているので、その接続部分等から何らかの異物(シール材や金属の切粉等)が生じる可能性がある。この異物が逆止弁に侵入すると逆止弁の動作不良を生じる恐れがある。
それに対して、本第態様では、逆止弁のガス流路側に、10μm以上の異物を捕集する内側フィルタを設けたので、ガス流路側から逆止弁側に異物が流入することを防止できる。よって、逆止弁の動作不良を防止できる。
なお、上述した10μm以上の異物を捕集する外側フィルタ及び内側フィルタとは、10μmのろ過精度(絶対ろ過精度)を有するフィルタを示している。
実施例1の酸素濃縮装置の概略構成を示す説明図である。 (a)は実施例1の酸素濃縮装置に用いられる加湿器を示す説明図、(b)は他の加湿器を示す説明図、(c)は更に他の加湿装置を示す説明図である。 異物を捕集する外側フィルタを備えた実施例2の酸素濃縮装置の概略構成を示す説明図である。 逆止弁が配置された分岐ガス流路に外側フィルタ及び内側フィルタを備えた他の例を示す説明図である。 実験結果を示し、(a)は従来の酸素濃縮装置のガス流路の圧力の変化を示すグラフ、(b)は実施例1の酸素濃縮装置のガス流路の圧力の変化を示すグラフである。 従来の酸素濃縮装置の概略構成を示す説明図である。 従来の酸素濃縮装置に接続されたチューブに発生する結露水の状態を示す説明図である。
以下に、本発明の実施例を図面と共に説明する。
本実施例では、空気中から窒素吸着剤(以下吸着剤と記す)を用いて窒素を吸着して除去することにより酸素を濃縮し、この高濃度の酸素を含む酸素濃縮ガスを患者に対して供給する圧力変動吸着型の医療用酸素濃縮装置(以下酸素濃縮装置と記す)を例に挙げる。
a)まず、本実施例の酸素濃縮装置の構成について説明する。
図1に示す様に、本実施例の酸素濃縮装置1においては、その空気の導入路3に、上流側より、原料空気を圧縮するコンプレッサ5と、空気中の窒素を優先的に吸着して酸素を分離するゼオライト系の吸着剤(例えばLi系ゼオライト)を充填した一対の窒素吸着容器(吸着筒)7a、7bとが設けられ、コンプレッサ5と窒素吸着容器7a、7bとの間には、窒素吸着容器7a、7b内の圧力の加減圧を繰り返すことで窒素の吸着と離脱とを切り換える電磁開閉弁である切換弁9a、9b、9c、9dが設けられている。なお、窒素吸着容器7a、7bには、切換弁9c、9dを介して窒素を排気する排気路11が設けられている。
更に、一対の窒素吸着容器7a、7bより下流側のガス流路13には、両窒素吸着容器7a、7b間を連通する連通路15と、連通路15に設けられて両窒素吸着容器7a、7bにパージガスを供給する電磁弁であるパージ弁17と、パージ弁17の両側に設けられたオリフィス19a、19bと、酸素濃縮ガスの逆流を防止する一対の逆止弁21a、21bと、酸素濃縮ガスを溜める製品タンク(サージタンク)23と、酸素濃縮ガスの圧力を調節する圧力調節器(減圧レギュレータ)25と、酸素濃縮ガスの流量をマニュアルで設定する流量設定器27と、バクテリアフィルタ29と、酸素濃縮ガスを加湿する加湿器31と、酸素濃縮ガスの流量を計測する流量計33と、酸素濃縮ガスを装置外に供給する酸素供給口35とを備えている。また、この酸素供給口35には、カニューラ37のチューブ39が接続されている。
このうち、流量計33は、加湿器31と酸素供給口35との間のガス流路13に配置されており、この流量計33としては、例えば熱式流量センサや超音波式流量センサを用いることができる。
また、加湿器31は、吸着剤である合成ゼオライトを通過した酸素濃縮ガスは、乾燥しているため、加湿器31内の水蒸気によって、酸素濃縮ガスにうるおいを与えるものである。
この加湿器31は、図2(a)に示す様に、水を入れた容器41とその容器41を密閉する蓋体43とを備えたものであり、蓋体43には、酸素濃縮ガスを上流側より容器41内に供給する上流側配管47と、加湿した酸素濃縮ガスを下流側に供給する下流側配管49とが接続されている。なお、この加湿器31では、上流側配管47の開口端47aと下流側配管49の開口端49aとは、水面に接触しないように構成されている。
図1に戻り、特に、本実施例では、後に詳述する様に、逆止弁21a、21bと製品タンク23との間のガス流路13から分岐する分岐ガス流路51が設けられており、この分岐ガス流路51には、大気側からガス流路13側への大気の流入のみを許可する周知の逆止弁53が配置されている。
b)次に、上述した構成を備えた本実施例の酸素濃縮装置1の基本的な動作について、簡単に説明する。
図1に示す様に、本実施例の酸素濃縮装置1では、基本的に、窒素吸着容器7a、7bにおける加圧・減圧を交互に繰り返すことにより、酸素の濃縮及び吸着剤の再生を行う。
例えば切換弁9a、9dを開、切換弁9b、9cを閉とした状態で、コンプレッサ5により一方の窒素吸着容器7aに圧縮空気を送りこみ、吸着剤に窒素を吸着させて酸素を濃縮する。そして、所定時間が経過したら、切換弁9b、9cを開、切換弁9a、9dを閉に切り換えて、圧縮空気を他方の窒素吸着容器7bに供給するとともに、一方の窒素吸着容器7aを大気側に接続して、吸着した窒素が減圧とともに排気路11より排出されるようにする。
また、加圧と減圧とを切り換える場合には、僅かの期間だけパージ弁17を開いて、加圧されていた一方の窒素吸着容器7aから減圧されていた他方の窒素吸着容器7bに対して、通常の流れとは逆方向に酸素濃縮ガスを供給する。この酸素濃縮ガスにより、他方の窒素吸着容器7b内の吸着剤に吸着された窒素及び水分が洗い流され、切換弁9d及び排気路11を介して外界に排出される。
この様にして、両窒素吸着容器7a、7bにより、加圧時には酸素だけを抽出し、その酸素濃縮ガスを、外部(従って患者)に供給する。これを、両窒素吸着容器7a、7bに対して交互に繰り返すことにより、高い酸素濃度の酸素濃縮ガスを連続的に得ることができる。
c)次に、本実施例の要部である逆止弁53について説明する。
上述した様に、本実施例では、逆止弁21a、21bと製品タンク23との間のガス流路13には、そのガス流路13から分岐するように分岐ガス流路51が設けられており、この分岐ガス流路51には、大気側からガス流路13側への大気の流入のみを許可する逆止弁53が配置されている。
この逆止弁53は、流路の差圧によって機械的に作動する弁であり、(大気圧よりガス流路13内の圧力が低い場合に)大気側からガス流路13側へと空気が流入する方向に弁が開き、(ガス流路13内の圧力が大気圧より高い場合に)ガス流路13側から大気側へガスが流出する方向には弁が閉じるように働くものである。
従って、酸素濃縮装置1の運転を停止した際に、窒素吸着容器7a、7bの一方が負圧になることによりガス流路13内が負圧になった場合には、逆止弁53が開弁して大気がガス流路13内に導入されるので、その負圧が解消される。
詳しくは、酸素濃縮装置1の運転を停止した際に、酸素供給口35に接続されたカニューラ37のチューブ(もしくはカニューラ37が接続された延長チューブ)39に結露が発生し、前記図7に示す様に、結露した水滴がチューブ39の断面を覆ってしまうほど凝集した場合(即ちチューブ39を閉塞した場合)に、窒素吸着容器7a、7b内部(従ってガス流路13内)が負圧となって、窒素吸着容器7a、7b内への吸引作用が起こるようなときには、逆止弁53が開弁し、大気側からガス流路13側に空気が流入することで、窒素吸着容器7a、7b内が負圧になるのを防ぐことができる。なお、図1ではガスが吸引される方向を点線の矢印で示してある。
これにより、酸素供給口35と接続されたチューブ39に溜まった結露水が装置内部(詳しくは、酸素供給口35から加湿器31との間のガス流路13)へ吸引されるのを防ぐことができる。その結果、逆流した結露水によって、装置内部のガス流路13が雑菌の温床となることを防止でき、また、酸素供給口35と加湿器31との間に配置された流量計33の故障を防止できる。
なお、ガス流路13には、分岐ガス流路51より上流側に逆止弁21a、21bが設けられているが、逆止弁21a、21bの特性上、若干のガスのリークがあるので(特に窒素吸着装置7a、7b側が負圧の場合)、酸素濃縮装置1が停止した場合には、ガス流路13内が負圧になって、上述の様に結露水が装置内部に吸引され易くなる。そのため、本実施例の様に逆止弁53を配置する構成が有効である。
特に、酸素濃縮ガスの流量が少なく設定されている場合(例えば最大流量の10%以下)には、酸素濃縮ガスの湿度が高くなって、チューブ39内で結露が発生し易くなるので、本実施例の逆止弁53によって、結露水の逆流を防止する構成は極めて有効である。
また、本実施例では、窒素吸着容器7a、7bから流量設定器27までの間に、逆止弁53を配置したので、酸素濃縮装置1の稼働中における酸素濃縮ガスのリークを防止できる。
ガス流路13に接続された分岐ガス流路51に大気と連通する逆止弁53を配置したので、稼働中には逆止弁53からのガス漏れのリスクが発生する。逆止弁53では、リシール圧(弁体が閉じ始めて、弁体のリーク量がある規定の量まで減少した時の圧力)が存在するが、稼働中はリシール圧以上の圧力がガス流路13内にかかっていないと弁体が完全に閉じることができず、ガス漏れが発生する。従って、ガス流路13の中でも圧力が高い側の窒素吸着容器7a、7bから流量設定器27までの間に逆止弁53を配置することで、酸素濃縮ガスのリークを防止できる。
更に、本実施例では、上述した様に逆止弁53を配置する構成によって、加湿器31の下流側に遮断弁を設ける必要がないので、当然ながら、遮断弁の不具合は発生しない。また、電磁弁ではなく差圧によって機械的に作動する逆止弁53を用いるで、装置の消費電力を節約できるという利点がある。
(他の変形例)
なお、他の変形例として、図2(b)に示す構造の加湿器61を用いてもよい。この加湿器61は、上流側配管63の開口端63aが、水中に配置してあり、上流側配管63の水面より高い位置に、水の吸引防止用の開口65が形成してある。
更に、他の変形例として、図2(c)に示す構造の加湿装置71を用いてもよい。この加湿装置71は、実施例1と同様な加湿器73を備えるとともに、加湿器73の上流側配管75に、(空気中の水分を用いて加湿を行う)周知の中空糸加湿器77を配置したものである。
このような加湿装置71を用いる場合には、酸素濃縮ガスの湿度が高くなり、チューブ39内で結露が発生し易くなるので、上述した本実施例の逆止弁53を配置して、水分の逆流を防止する構成は極めて有効である。
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
図3に示す様に、本実施例の酸素濃縮装置81は、前記実施例1と同様に、コンプレッサ83、各切換弁85a〜85d、窒素吸着容器87a、87b、逆止弁89a、89b、ガス流路91、製品タンク93、圧力調整器95、流量設定器97、バクテリアフィルタ99、加湿器101、流量計103、酸素供給口105等を備えるとともに、酸素供給口105には、カニューラ107のチューブ(もしくはカニューラ107が接続された延長チューブ)109が接続されている。
本実施例においても、ガス流路91から分岐する分岐ガス流路111に、前記実施例1と同様に逆止弁113が接続されているとともに、特に、逆止弁113の大気側に、外側フィルタ115が配置されている。
この外側フィルタ115は、多孔質の(ポーラスな)エアフィルタであり、10μm以上の塵埃等の異物が通過できないような性能(ろ過精度)を有している。
従って、本実施例では、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、逆止弁113の大気側の分岐ガス流路111に外側フィルタ115を備えているので、大気側から塵埃等の異物が逆止弁113の内部に侵入することを防止できる。これにより、逆止弁113に異物が噛み込むこと等による逆止弁113の動作不良(開閉不良など)を防止できる。
(他の変形例)
なお、他の変形例として、図4に示す様に、ガス流路121の分岐ガス流路123に、前記実施例1と同様な逆止弁125を設け、更に、逆止弁125の大気側に前記実施例2と同様な外側フィルタ127を配置するとともに、逆止弁125のガス流路121側に外側フィルタ127と同様な性能を有する内側フィルタ129を配置してもよい。
この場合には、ガス流路121側に異物が発生した場合でも、その異物が逆止弁125に侵入することを防止でき、よって、逆止弁125の動作不良を防止できる。
<実験例>
次に、酸素濃縮装置の停止時に、装置内のガス流路に負圧が発生することを確認した実験例について説明する。
実験には、前記図6に示す従来の酸素濃縮装置と(本発明例として)前記実施例1の酸素濃縮装置を用いた。なお、酸素濃縮装置としては、5L器(最大供給流量5L/分)を用い、加湿する構成としては、図2(c)に示す加湿装置を用いた。
そして、設定流量を0.5L/分として、各酸素濃縮装置を、室温35℃、湿度90%RHの部屋に配置して一晩(12時間)稼働した。その後、各酸素濃縮装置の運転を停止して、室温5℃の部屋(湿度は成り行き)に移動し、酸素濃縮装置の停止後における、加湿器と酸素供給口との間のガス流路内の圧力の変化を測定した。その結果を図5に示す。
図5(a)から明らかなように、従来の酸素濃縮装置の場合には、酸素濃縮装置の停止後からガス流路内の圧力が大きく低下していることが分かる。
それに対して、本発明例の場合には、図5(b)に示す様に、酸素濃縮装置の停止後も、ガス流路内の圧力が殆ど低下していないことが分かる。
よって、本発明例の場合には、チューブ内の結露水を吸引する恐れがなく、装置の安全性上極めて好ましいことは明らかである。
[特許請求の範囲と実施例との関係]
本発明における空気供給手段は、実施例1等のコンプレッサに該当し、加減圧切換手段は、実施例1等の切換弁に該当する。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
(1)例えば、窒素吸着容器の数は、2個にかぎらず、1個又は3個以上の窒素吸着容器であってもよい。
(2)また、逆止弁を設ける位置は、窒素吸着容器と流量設定器の間に限らず、流量設定器の下流側(流量設定器と酸素供給口の間:例えば加湿器と酸素供給口の間)でもよい。
更に、逆止弁を設ける位置は、分岐ガス流路に限らず、ガス流路(例えばそのチューブ状の配管)に直接に配置してよく、或いは、例えば製品タンクなどに逆止弁を接続してもよい。
すなわち、(窒素吸着容器から酸素供給口の間の)ガス流路側に大気を導入できれば、その配置に特に制限はない。
(3)外側フィルタや内側フィルタの性能としては、5〜10μmの範囲内の所定値以上の異物を捕集する性能(ろ過精度)を有するフィルタを採用できる。
1、81…酸素濃縮装置
5、83…コンプレッサ
7a、7b、87a、87b…窒素吸着容器
9a、9b、9c、9d、85a、85b、85c、85d…切換弁
13、91、121…ガス流路
27、97…流量設定器
31、61、73、101…加湿器
33、103…流量計
35、105…酸素供給口
37、107…カニューラ
39、109…チューブ
51、111、123…分岐ガス流路
53、113、125…(大気を導入する)逆止弁
115、127…外側フィルタ
129…内側フィルタ

Claims (5)

  1. 酸素より窒素を優先的に吸着する吸着剤を充填した窒素吸着容器と、
    前記窒素吸着容器に空気を供給する空気供給手段と、
    前記窒素吸着容器の加圧減圧を制御する加減圧切換手段と、
    前記窒素吸着容器にて生成された酸素濃縮ガスを装置外に供給する酸素供給口と、
    前記窒素吸着容器から前記酸素供給口に到る酸素濃縮ガスのガス流路に配置されて、該酸素濃縮ガスを加湿する加湿器と、
    を備えた圧力変動吸着型の酸素濃縮装置において、
    前記窒素吸着容器から前記酸素供給口に到る酸素濃縮ガスのガス流路に、大気側から前記窒素吸着容器の下流側にある前記ガス流路側への大気の流入が可能な逆止弁を配置したことを特徴とする酸素濃縮装置。
  2. 前記窒素吸着容器と前記酸素供給口との間に、大気側から前記ガス流路側に大気の流入が可能な流路を有するとともに、該流路に前記大気の流入が可能な逆止弁を配置したことを特徴とする請求項1に記載の酸素濃縮装置。
  3. 前記ガス流路のうち、前記窒素吸着容器から流量設定器までの間に、前記逆止弁を配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の酸素濃縮装置。
  4. 前記逆止弁の大気側に、10μm以上の異物を捕集する外側フィルタを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸素濃縮装置。
  5. 更に、前記逆止弁の前記ガス流路側に、10μm以上の異物を捕集する内側フィルタを設けたことを特徴とする請求項に記載の酸素濃縮装置。
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