JP5974977B2 - 耐熱性シリコーンゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、シロキサンポリマーの末端部位あるいはペンダント部位にエチニルフェニル基を有するオルガノポリシロキサンを原料として用い、該エチニルフェニル基を架橋点として付加反応により硬化し得る耐熱性シリコーンゴム組成物に関するものである。
シリコーンゴムは、他の有機系ゴムと比較し、耐熱性に優れることから電気・電子部品のシール材やポッティング材として、あるいは、自動車や航空機部品のガスケットやパッキン材などに広く使用されているが、市場からは更なる長期間の高温耐久性や、今まで以上の高温での耐熱性が望まれている。また、一方では、シリコーンゴムの持つ高透明性を活かし、光デバイスのポッティング材や貼合材としても使用され、透明性を維持し、かつより耐熱性に優れたシリコーンゴムも要望されている。
従来、シリコーンゴムの耐熱性を向上させる方法としては数多くの方法が知られており、代表的な方法として、酸化による劣化を抑えるために無機充填剤を配合し、耐熱性を向上させる方法が挙げられる。具体的には、酸化鉄を添加する方法(米国特許第3352781号明細書:特許文献1)、希土類金属の酸化物及び水酸化物を添加する方法(特公昭36−6189号公報:特許文献2)、酸化鉄及び溶融石英、粉砕石英を併用する方法(特公昭63−52060号公報:特許文献3)、及び表面処理がされたカーボンブラックを添加する方法(特開平2−80461号公報:特許文献4)が提案されている。しかしながら、これら無機充填剤を添加すると、透明性が損なわれ、付加硬化型シリコーンゴム組成物の特徴である高透明性を活かすことができなかった。
また、耐熱性を向上する手法として、シロキサン結合の一部をシルエチレン結合としたポリマー(国際公開第2001/030887号:特許文献5)や、シルフェニレン結合としたポリマー(特開平5−320350号公報:特許文献6)、シルメチレン結合としたポリマー(特開2012−193342号公報:特許文献7)が知られているが、いずれも合成しにくく、量産に適さないという問題を有していた。
米国特許第3352781号明細書 特公昭36−6189号公報 特公昭63−52060号公報 特開平2−80461号公報 国際公開第2001/030887号 特開平5−320350号公報 特開2012−193342号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、透明性を有し、かつ300℃以上の環境下でもゴム弾性が損なわれない耐熱性の改善されたシリコーンゴムを与える耐熱性シリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、シロキサンポリマーの末端部位あるいはペンダント部位にエチニルフェニル基を有するオルガノポリシロキサンをベースポリマーとして用い、該エチニルフェニル基を架橋点として付加反応により硬化し得る耐熱性シリコーンゴム組成物が、透明性を有し、かつ300℃以上の環境下でもゴム弾性が損なわれない耐熱性の改善されたシリコーンゴムを与えることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記の耐熱性シリコーンゴム組成物を提供する。
〔1〕
(A)下記一般式(1)で示される直鎖状オルガノポリシロキサン、
Figure 0005974977
〔式中、Rは独立に非置換もしくは置換の、アルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基であり、m,nは、m≧0、n≧0を満たす数である。また、Aは独立に下記式
Figure 0005974977
(式中、R1,R2及びR3はそれぞれ水素原子又は非置換もしくは置換の1価炭化水素基である。)
で示される骨格を有する有機官能基である。〕
(B)下記平均組成式(2):
4 abSiO(4-a-b)/2 (2)
(式中、R4は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは0.7≦a≦2.1、bは0.001≦b≦1.0を満たす数であり、但し、a+bは0.8≦a+b≦3.0である。)
で表され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: (A)成分中の架橋に関与する脂肪族不飽和基に対して(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5.0倍モルとなる量、及び
(C)白金族金属系触媒: (A)、(B)成分の合計に対して、白金族金属元素の質量換算で3〜100ppm
を含有することを特徴とする耐熱性シリコーンゴム組成物。
〔2〕
更に、(D)反応制御剤を(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して0.01〜5.0質量部含有することを特徴とする〔1〕記載の耐熱性シリコーンゴム組成物。
本発明の耐熱性シリコーンゴム組成物は、エチニルフェニル基を有するオルガノポリシロキサンを原料として用い、該エチニルフェニル基を架橋点として付加反応により硬化し得るもので、透明性を有し、かつ300℃以上の環境下でもゴム弾性が損なわれないシリコーンゴムを提供することが可能である。
本発明の耐熱性シリコーンゴム組成物は、
(A)下記一般式(1)で示される直鎖状オルガノポリシロキサン、
Figure 0005974977
〔式中、Rは独立に非置換又は置換の1価炭化水素基であり、m,nは、m≧0、n≧0を満たす数である。また、Aは独立に下記式
Figure 0005974977
(式中、R1,R2及びR3はそれぞれ水素原子又は非置換もしくは置換の1価炭化水素基である。)
で示される骨格を有する有機官能基である。〕
(B)下記平均組成式(2)で表され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
4 abSiO(4-a-b)/2 (2)
(式中、R4は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは0.7≦a≦2.1、bは0.001≦b≦1.0を満たす数であり、但し、a+bは0.8≦a+b≦3.0である。)
(C)白金族金属系触媒、
及び、好ましくは
(D)反応制御剤
を含有してなるものである。
以下、上記組成物の各成分について詳細に説明する。なお、本明細書においてMeはメチル基を示し、Phはフェニル基を示す。
<(A)成分>
(A)成分は、下記一般式(1)で示される直鎖状オルガノポリシロキサンである。
Figure 0005974977
〔式中、Rは独立に非置換又は置換の1価炭化水素基であり、m,nは、m≧0、n≧0を満たす数である。また、Aは独立に下記式
Figure 0005974977
(式中、R1,R2及びR3はそれぞれ水素原子又は非置換もしくは置換の1価炭化水素基を表す。)
で示される骨格を有する有機官能基である。
上記一般式(1)中、Rは、独立に非置換又は置換の、炭素原子数が、通常、1〜12、好ましくは1〜10の1価炭化水素基である。この非置換又は置換の1価炭化水素基としては、脂肪族不飽和結合を含まないものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部が塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子などで置換された、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
mは、m≧0を満たす数であり、好ましくは0〜10,000、より好ましくは0〜1,000である。nは、n≧0を満たす数であり、好ましくは0〜10,000、より好ましくは0〜1,000である。
有機官能基(A)中に含まれるR1,R2及びR3は、それぞれ水素原子又は非置換もしくは置換の、炭素原子数が、通常、1〜20、好ましくは1〜10の1価炭化水素基である。この非置換もしくは置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基;これらの基の水素原子の一部又は全部が塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基やシアノエチル基等が挙げられる。R1,R2及びR3として、好ましくは水素原子、フェニル基、メチル基、ビニル基である。
(A)成分は、有機官能基Aで示されるエチニルフェニル基を少なくとも2個、好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜5個有し、通常、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がエチニルフェニル基を有する有機官能基で封鎖された、基本的に直鎖状の分子構造を有するオルガノポリシロキサンである。
また、(A)成分の25℃における粘度は、100,000mPa・s以下(通常、1〜100,000mPa・s)であることが好ましく、より好ましくは10,000mPa・s以下(例えば、5〜10,000mPa・s)である。25℃における粘度が100,000mPa・sを超えると、流動性が低く、取り扱うのが困難となる場合がある。なお、粘度は、回転粘度計により測定した値である(以下、同じ)。
(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、下記に示すものが例示できる。
Figure 0005974977
(式中、mは上記と同じである。)
(A)成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
<(B)成分>
(B)成分は、(A)成分中の架橋に関与する脂肪族不飽和基とヒドロシリル化反応により架橋する架橋剤として働く成分である。(B)成分は、下記平均組成式(2)で表され、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を1分子中に少なくとも2個(通常、2〜200個)、好ましくは3個以上(例えば、3〜100個程度)有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
4 abSiO(4-a-b)/2 (2)
(式中、R4は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは0.7≦a≦2.1、bは0.001≦b≦1.0を満たす数であり、但し、a+bは0.8≦a+b≦3.0である。)
上記平均組成式(2)中、R4は、独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の、炭素原子数が、通常、1〜20、好ましくは1〜10の1価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部が塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子などで置換された、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、フェニル基、トリフロロプロピル基であり、より好ましくはメチル基である。
また、aは0.7〜2.1、好ましくは1.0〜2.0を満たす数であり、bは0.001〜1.0、好ましくは0.01〜1.0を満たす数であり、但し、a+bは0.8〜3.0、好ましくは1.1〜2.6を満たす数である。
(B)成分中、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上、好ましくは3個以上含有するケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)は、分子鎖末端、分子鎖途中のいずれに位置していてもよく、またこの両方に位置するものであってもよい。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は、通常、2〜400個、好ましくは3〜200個、より好ましくは4〜100個程度のものが望ましい。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、23℃における粘度が、好ましくは1,000mPa・s以下(通常、1〜1,000mPa・s)、より好ましくは5〜200mPa・sである。23℃における粘度が1,000mPa・sを超えると硬化により得られるシリコーンゴムの硬度が極端に柔らかくなるなど、得られるシリコーンゴムの特性が損なわれる場合がある。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、具体的には、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C653SiO1/2単位とからなる共重合体等が挙げられる。
具体的には、下記式で表わされる化合物が例示できる。
Figure 0005974977
(式中、R4は前記の通りであり、tは2〜30、好ましくは2〜25の整数であり、uは4〜8の整数である。)
Figure 0005974977
(式中、R4は前記の通りであり、hは5〜40の整数、iは5〜20の整数、jは2〜30の整数である。)
(B)成分としては、下記式で表されるものが好ましい。
Figure 0005974977
(式中、tは前記の通りである。)
Figure 0005974977
(B)成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(B)成分の配合量は、(A)成分中の架橋に関与する脂肪族不飽和基に対して(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5.0倍モルとなる量であり、好ましくは0.7〜3.0倍モルとなる量である。かかる配合量が0.5〜5.0倍モルとなる量を満たさない場合には、架橋のバランスが不適切なものとなる。
<(C)成分>
(C)成分である白金族金属系触媒は、前記(A)成分及び(B)成分のヒドロシリル化反応を進行及び促進させるための成分である。
白金族金属系触媒としては特に限定されず、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属;塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物等の白金化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属化合物等が挙げられる。(A)成分及び(B)成分との相溶性が良好であり、クロル不純物をほとんど含有しないことから、塩化白金酸をシリコーン変性したものを用いることが好ましい。
(C)成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(C)成分の配合量は、(A)、(B)成分の合計に対して、白金族金属元素の質量換算で3〜100ppm、好ましくは5〜40ppmである。この配合量を適切なものとすると、ヒドロシリル化反応をより効果的に促進させることができる。
<(D)成分>
(D)成分は反応制御剤であり、シリコーンゴム組成物を調合ないし基材に塗工する際に、加熱硬化前に増粘やゲル化を起こさないようにするために必要に応じて任意に添加するものであり、具体例としては、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニルシクロヘキサノール、3−メチル−3−トリメチルシロキシ−1−ブチン、3−メチル−3−トリメチルシロキシ−1−ペンチン、3,5−ジメチル−3−トリメチルシロキシ−1−ヘキシン、1−エチニル−1−トリメチルシロキシシクロヘキサン、ビス(2,2−ジメチル−3−ブチノキシ)ジメチルシラン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサンなどが挙げられ、好ましくは1−エチニルシクロヘキサノール、3−メチル−1−ブチン−3−オールである。
(D)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して0〜5.0質量部であり、好ましくは0.01〜5.0質量部、より好ましくは0.01〜2.0質量部、特に好ましくは0.05〜2.0質量部である。5.0質量部を超えるとシリコーンゴム組成物の硬化性が低下する。0.01質量部以上であると反応制御の効果が十分発揮される。
<その他の成分>
本発明のシリコーンゴム組成物は、上記(A)〜(D)成分以外にも、本発明の目的を損なわない限り、以下に例示するその他の成分を配合してもよい。
その他の成分としては、例えば、ヒュームドシリカ等のチクソ性制御剤;ヒュームドシリカ、結晶性シリカ等の補強剤;金属酸化物、金属水酸化物等の耐熱向上剤;酸化チタン等の着色剤;アルミナ、結晶性シリカ等の熱伝導性付与充填剤;反応性官能基を有しない非反応性シリコーンオイル等の粘度調整剤;カーボンファンクショナルシラン、エポキシ基、アルコキシ基、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)及びケイ素原子に結合したビニル基等のアルケニル基の少なくとも1種を有する(A)、(B)成分以外のシリコーン化合物等の接着性向上剤;銀、金等の金属粉等の導電性付与剤;着色のための顔料及び染料等が挙げられる。
<組成物の調製・硬化>
・調製方法
本発明のシリコーンゴム組成物は、上記(A)〜(C)成分、場合によっては(D)成分及びその他の成分を混合して調製することができる。
・硬化条件
本発明のシリコーンゴム組成物の硬化は、公知の条件で行えばよく、例えば、60〜180℃で10分〜5時間加熱することにより行うことができる。
本発明のシリコーンゴム組成物は、(A)成分のエチニルフェニル基に由来する特徴から、耐熱性、透明性などに優れた硬化物を与える。特に、それらの特性を必要とする、光学部材の封止材や貼合材に最適な材料である。
以下、合成例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例において、「部」は質量部を意味する。
〔合成例1〕4−ビニルフェニル基末端含有ジメチルポリシロキサンポリマー(A−1)
下記式
Figure 0005974977
で示されるシラノール基末端含有ジメチルポリシロキサンポリマー(Si−OH基:0.013モル/100g)500gと、トリエチルアミン10gと、トルエン100gを混合した溶液に、4−ビニルフェニルジメチルクロロシラン25g(0.13モル)を滴下し、60〜70℃で6時間攪拌した後に、3gのメタノールを加え、更に50〜60℃で6時間攪拌混合した。ろ過後、120℃でストリップを行い、下記式
Figure 0005974977
で示される4−ビニルフェニル基末端含有ジメチルポリシロキサンポリマー(A−1)を合成した。
〔合成例2〕ビニル基末端含有ジメチルポリシロキサンポリマー(A’−2)
下記式
Figure 0005974977
で示されるシラノール基末端含有ジメチルポリシロキサンポリマー(Si−OH基:0.013モル/100g)500gと、トリエチルアミン10gと、トルエン100gを混合した溶液に、ビニルジメチルクロロシラン16g(0.13モル)を滴下し、60〜70℃で6時間攪拌した後に、3gのメタノールを加え、更に50〜60℃で6時間攪拌混合した。ろ過後、120℃でストリップを行い、下記式
Figure 0005974977
で示されるビニル基末端含有ジメチルポリシロキサンポリマー(A’−2)を合成した。
〔実施例1,2及び比較例1,2〕
下記成分を用意し、表1に示す組成のシリコーンゴム組成物を調製した。組成物はそれぞれ120℃で1時間硬化させた。得られた2mm厚の、それぞれの組成物の硬化物を300℃に設定したオーブン内に放置し、一定時間経過後にクラックの有無を目視にて判断した。更に、得られた2mm厚の、それぞれの組成物の硬化物の初期(加熱前)及び250℃で100時間加熱後の外観変化(目視)と硬度変化(JIS硬度計タイプA使用)を測定し、これらの結果を表1に示した。
(A)成分
(A−1):
合成例1で得られた4−ビニルフェニル基末端含有ジメチルポリシロキサンポリマー
(A’−2):(比較成分)
合成例2で得られたビニル基末端含有ジメチルポリシロキサンポリマー
(B)成分
(B−1):23℃における粘度が6.3mPa・sである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子の含有量=1.28質量%)
(D)成分
(D−1):1−エチニルシクロヘキサン−1−オール
(C)成分
(C−1):白金含有量が1.0質量%の、白金1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のジメチルシロキサンポリマー溶液
Figure 0005974977

Claims (2)

  1. (A)下記一般式(1)で示される直鎖状オルガノポリシロキサン、
    Figure 0005974977
    〔式中、Rは独立に非置換もしくは置換の、アルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基であり、m,nは、m≧0、n≧0を満たす数である。また、Aは独立に下記式
    Figure 0005974977
    (式中、R1,R2及びR3はそれぞれ水素原子又は非置換もしくは置換の1価炭化水素基である。)
    で示される骨格を有する有機官能基である。〕
    (B)下記平均組成式(2):
    4 abSiO(4-a-b)/2 (2)
    (式中、R4は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは0.7≦a≦2.1、bは0.001≦b≦1.0を満たす数であり、但し、a+bは0.8≦a+b≦3.0である。)
    で表され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: (A)成分中の架橋に関与する脂肪族不飽和基に対して(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5.0倍モルとなる量、及び
    (C)白金族金属系触媒: (A)、(B)成分の合計に対して、白金族金属元素の質量換算で3〜100ppm
    を含有することを特徴とする耐熱性シリコーンゴム組成物。
  2. 更に、(D)反応制御剤を(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して0.01〜5.0質量部含有することを特徴とする請求項1記載の耐熱性シリコーンゴム組成物。
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