JP5974493B2 - 圧電ポンプ、圧電ポンプの製造方法 - Google Patents

圧電ポンプ、圧電ポンプの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧電素子を駆動源とした圧電ポンプ及び圧電ポンプの製造方法に関するものである。
近時、小型で高精度のポンプの駆動源として圧電素子が用いられている。ポンプ駆動源用の圧電素子としては、比較的低い電圧で駆動でき、圧電素子の中央部で大きな変位量を得ることができ、さらに経時的に特性が劣化しないものが求められている。
これらの要求を満たすものとして例えば特許文献1には、ポンプ駆動源用の圧電素子が開示されている。
図14は、特許文献1の圧電素子910の外観斜視図である。図15は、図14に示す圧電体90の分解斜視図である。図16は、図14に示す圧電素子910の各層の分極状態を示す圧電素子910の概略断面図である。図17(A)は、図14に示す圧電素子910の駆動電圧印加時の各層の伸縮状態を示す圧電素子910の概略断面図である。図17(B)は、図14に示す圧電素子910の駆動電圧印加時の側面図である。
圧電素子910は、図14に示すように、圧電体90と、圧電体90の一方の側面に順番に形成された第1電極端子911、第2電極端子912、及び第3電極端子913とを備える。圧電体90は、図15に示すように、複数の圧電体層90A〜90Hと電極とが積層されてなる。
最上層の圧電体層90Aの表面には、矩形のグランド電極921が形成されている。グランド電極921は、第2電極端子912に引き出されている。
その次の圧電体層90Bの表面には、中央部に円形の中心電極924が形成され、その周囲に環状の周辺電極925が形成されている。中心電極924は、第3電極端子913に引き出され、周辺電極925は、第1電極端子911に引き出されている。
その次の圧電体層90Cの表面には、矩形のグランド電極921が形成されている。グランド電極921は、第2電極端子912に引き出されている。
その次の圧電体層90Dの表面には、中央部に円形の中心電極924が形成され、その周囲に環状の周辺電極925が形成されている。中心電極924は、第3電極端子913に引き出され、周辺電極925は、第1電極端子911に引き出されている。
その次の圧電体層90Eの表面には、矩形のグランド電極921が形成されている。グランド電極921は、第2電極端子912に引き出されている。
その次の圧電体層90Fの表面には、中央部に円形の中心電極924が形成され、その周囲に環状の周辺電極925が形成されている。中心電極924は、第1電極端子911に引き出され、周辺電極925は、第3電極端子913に引き出されている。
その次の圧電体層90Gの表面には、矩形のグランド電極921が形成されている。グランド電極921は、第2電極端子912に引き出されている。
その次の圧電体層90Hの表面には、中央部に円形の中心電極924が形成され、その周囲に環状の周辺電極925が形成されている。中心電極924は、第1電極端子911に引き出され、周辺電極925は、第3電極端子913に引き出されている。また、圧電体層90Hの裏面には、矩形のグランド電極921が形成されている。そして、そのグランド電極921は、第2電極端子912に引き出されている。
そして、複数の圧電体層90A〜90Hの中央部と中央部の周囲の周辺部とは、第1電極端子911、第2電極端子912、第3電極端子913に直流電圧を印加することにより、図16に示すように互いに逆方向に分極される。また、圧電体層90A〜90Dと、圧電体層90E〜90Hとにおいて、分極の繰り返し順序が逆になっている。
このように構成されているため、圧電素子910は、第1〜第3電極端子911〜913に対して交流の駆動電圧が印加されると、図17(A)に示すように、ある時点において、圧電体層90A〜90Dの中央部は収縮し、圧電体層90A〜90Dの周辺部は伸張する。一方、圧電体層90E〜90Hの中央部は伸張し、圧電体層90E〜90Hの周辺部は収縮する。
この結果、圧電素子910は駆動時、図17(B)に示すように、中央部が下方向に屈曲変位し、周辺部が中央部と逆の上方向に屈曲変位する。
そして、交流の駆動電圧の極性が変わると、圧電素子910は、図17(A)(B)に示したのとは反対の挙動を示す。すなわち、圧電体層90A〜90Dの中央部は伸張し、圧電体層90A〜90Dの周辺部は収縮する。一方、圧電体層90E〜90Hの中央部は収縮し、圧電体層90E〜90Hの周辺部は伸張する。
この結果、圧電素子910は駆動時、中央部が上方向に屈曲変位し、周辺部が下方向に屈曲変位する。
国際公開第2008/007634号パンフレット
前記の構造からなる圧電素子910は例えば、図18(A)に示すような圧電ポンプ900の駆動源として用いられる。
図18(A)は、図14に示す圧電素子910をポンプ筐体930上に実装した圧電ポンプ900の外観斜視図である。図18(B)は、図18(A)のV−V線における断面図である。
圧電ポンプ900は、図18(B)に示すように、圧電素子910と、ダイヤフラム920と、ポンプ筐体930と、金属板941〜943とを備える。
ポンプ筐体930は、当該ポンプ室945へ流体が流入する流入孔931と、当該ポンプ室945から流体が流出する流出孔932と、が形成されている。また、ポンプ筐体930は、一方主面が開口しており、その開口部分を覆うようにダイヤフラム920の一方の主面が接合されている。これにより、ポンプ筐体930は、ダイヤフラム920とともにポンプ室945を構成している。
また、ダイヤフラム920の他方の主面には圧電素子910が取り付けられている。ここで、圧電素子910がダイヤフラム920に取り付けられた後、圧電素子910の厚み方向主面から、圧電素子910の第1〜第3端子911〜913に被さるように、圧電素子910と交流電源とを導通させる金属板941〜943が取り付けられる。
駆動電源である交流電源の一方の端子が金属板942を経由して第2電極端子912に接続され、交流電源の他方の端子が金属板941、943を経由して第1電極端子911及び第3電極端子913に接続される。そして、第1〜第3電極端子911〜913に駆動電圧が印加されると、圧電素子910が屈曲することに伴ってダイヤフラム920が変位し、圧電ポンプ900が駆動される。
しかしながら、図18(B)に示すように、圧電素子910の厚み方向主面から金属板941〜943が第1〜第3電極端子911〜913を被さるように取り付けられるため、圧電ポンプ900が金属板941〜943の厚み分厚くなるという問題がある。
また、圧電ポンプ900では、圧電素子910をポンプ筐体930上に実装した後に、さらに金属板941〜943を圧電素子910の第1〜第3電極端子911〜913に取り付けるという製造工程を組む必要があった。このため、製造工程が複雑化するという問題がある。
そこで本発明は、低背化と製造工程のスリム化を図った圧電ポンプ及び圧電ポンプの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の圧電ポンプは、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
(1)導体パターンが形成された圧電体層を積層した圧電体で構成されている圧電素子であって、
前記導体パターンに導通する電極端子への電圧印加に応じて伸縮する中央部と、前記中央部より外側に位置し、前記電極端子への電圧印加に応じて前記中央部と逆位相で伸縮する周辺部と、前記周辺部より外側に位置する非駆動の外周部とを有し、前記電極端子が前記圧電体の一方の主面における前記外周部に設けられ、前記中央部および前記周辺部の伸縮により屈曲する圧電素子と、
前記圧電素子の前記電極端子側の主面に接合されているダイヤフラムと、
前記ダイヤフラムの前記圧電素子とは逆側の主面に接合されポンプ筐体と、を備え、
前記ポンプ筐体には、配線が埋設されており、
前記ダイヤフラムには、前記電極端子に対応する領域が除去領域として除去されており、
前記圧電素子の前記電極端子は、前記ダイヤフラムの前記除去領域を介して前記ポンプ筐体の前記配線に接続されている。
この構成では、ダイヤフラムが圧電素子の電極端子側の主面に接合され、圧電素子の電極端子がポンプ筐体の配線に接続されている。すなわち、この構成の圧電ポンプは、圧電素子の上方から金属板を第1〜第3電極端子におのおの被せて取り付ける構造の圧電ポンプと異なり、圧電素子の下方から配線が電極端子に接続する構造となっている。そのため、この構成の圧電ポンプでは、配線全体のうち電極端子と外部回路(例えば交流電源など)に接続する部分以外がポンプ筐体に埋設するよう配線をポンプ筐体に形成する。このように形成することで、配線の厚み分圧電ポンプの厚みを低背化できる。
また、この構成では、配線がポンプ筐体に埋め込み一体成型されている。そして、圧電素子をポンプ筐体上に実装すると同時に、圧電素子の電極端子がポンプ筐体の配線に接続する。そのため、この構成の圧電ポンプでは、先行文献の圧電ポンプのように、金属板を圧電素子の第1〜第3電極端子におのおの取り付けるための専用の製造工程を組む必要が無くなる。よって、この構成の圧電ポンプでは、製造工程をスリム化できる。
したがって、この構成の圧電ポンプによれば、低背化と製造工程のスリム化を図ることができる。
また、この構成では、電極端子が非駆動の外周部に形成されているため、圧電素子の電極端子とポンプ筐体の配線との接続信頼性が良好となり、圧電ポンプの長寿命化を図ることができる。また、圧電素子の特性が継時的に劣化することも防止できる。
この構成において、ダイヤフラムには、前記電極端子に対応する領域に孔または切り欠きが除去領域として形成されている。
この構成では、ダイヤフラムが圧電素子の電極端子側の主面に接合され、圧電素子の電極端子がダイヤフラムの除去領域を介してポンプ筐体の配線に接続されている。すなわち、この構成の圧電ポンプは、圧電素子の上方から金属板を第1〜第3電極端子におのおの被せて取り付ける構造の圧電ポンプと異なり、圧電素子の下方から配線がダイヤフラムの除去領域を介して電極端子に接続する構造となっている。そのため、この構成の圧電ポンプにおいても、配線全体のうち電極端子と外部回路(例えば交流電源など)に接続する部分以外がポンプ筐体に埋設するよう配線をポンプ筐体に形成する。このように形成することで、配線の厚み分圧電ポンプの厚みを低背化できる。
また、この構成においても、配線がポンプ筐体に埋め込み一体成型されているため、圧電素子をポンプ筐体上に実装すると同時に、圧電素子の電極端子がダイヤフラムの除去領域を介してポンプ筐体の配線に接続する。そのため、この構成の圧電ポンプにおいても、先行文献の圧電ポンプのように、金属板を圧電素子の第1〜第3電極端子におのおの取り付けるための専用の製造工程を組む必要が無くなる。よって、この構成の圧電ポンプにおいても、製造工程をスリム化できる。
(3)前記圧電素子の前記電極端子は、前記ポンプ筐体の前記配線に導電性接着剤によって接続されていることが好ましい。
この構成では、圧電素子とポンプ筐体との接続信頼性がより良好となる。
(4)前記ポンプ筐体の配線のうち前記圧電素子の前記電極端子および外部回路に接続する部分は前記ポンプ筐体の表面に露出しており、前記配線の残りの部分は、前記ポンプ筐体の内部に形成されていることが好ましい。
この構成では、圧電素子の電極端子および外部回路(例えば交流電源など)に接続しない配線部分がポンプ筐体の内部に埋設されている。そのため、この構成によれば、圧電ポンプの耐環境性が向上する。
(5)前記中央部および前記周辺部は、互いに逆方向に分極されていることが好ましい。
この構成では、圧電素子の中央部において低電圧で大きな変位量を得ることができる。したがって、圧電素子を駆動源に用いた、この構成の圧電ポンプは、小さな消費電力で、効率よく機能する。
(6)前記ポンプ筐体は、前記ダイヤフラムとともにポンプ室を構成し、
前記ポンプ筐体には、前記ポンプ室へ流体が流入する流入孔と、前記ポンプ室から前記流体が流出する流出孔と、が形成されており、
前記流入孔に設けられ、前記ポンプ室から前記流入孔への前記流体の逆流を遮断する第1逆止弁と、
前記流出孔に設けられ、前記流出孔から前記ポンプ室への前記流体の逆流を遮断する第2逆止弁と、を備えることが好ましい。
この構成では、圧電素子の駆動時、流体がポンプ筐体外部から流入孔を介してポンプ室へ流入し、ポンプ室から流出孔を介してポンプ筐体外部へ流出する。そして、流体の逆流を第1、第2逆止弁によって阻止できる。
(7)前記ポンプ筐体は、前記配線をモールド金型にインサートして射出成形することにより埋め込み一体成型されることが好ましい。
この構成では、射出成形により複数のポンプ筐体を一括製造できる。従って、圧電ポンプの製造コストを大幅に削減できる。
(8)前記圧電素子における各圧電体層の層間は、ビアホールを介して接続されていることが好ましい。
また、本発明の圧電ポンプの製造方法は、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
(9)導体パターンが形成された圧電体層を積層した圧電体で構成されている圧電素子であって、
前記導体パターンに導通する電極端子への電圧印加に応じて伸縮する中央部と、前記中央部より外側に位置し、前記電極端子への電圧印加に応じて前記中央部と逆位相で伸縮する周辺部と、前記周辺部より外側に位置する非駆動の外周部とを有し、前記電極端子が前記圧電体の一方の主面における前記外周部に設けられ、前記中央部および前記周辺部の伸縮により屈曲する圧電素子を用意する工程と、
前記電極端子に対応する領域が除去領域として除去されたダイヤフラムを用意する工程と、
前記圧電素子の前記電極端子側の主面に、前記ダイヤフラムを接合する工程と、
配線をモールド金型にインサートして射出成形し、前記配線が埋め込み一体成型されたポンプ筐体を得る工程と、
前記ダイヤフラムの前記圧電素子とは逆側の主面に、前記ポンプ筐体を接合し、前記圧電素子の前記電極端子を、前記ダイヤフラムの前記除去領域を介して前記ポンプ筐体の前記配線に接続する工程と、を備える。
この発明によれば、低背化と製造工程のスリム化を図ることができる。また、圧電素子の特性が継時的に劣化することも防止できる。
本発明の実施形態に係る圧電ポンプ100の外観斜視図である。 図1に示す圧電ポンプ100に備えられる圧電素子110の外観斜視図である。 図1に示す圧電素子110の分解斜視図である。 図1に示す圧電素子110の各層の分極状態を示す圧電素子110の概略断面図である。 図5(A)は、図1に示す圧電素子110の駆動電圧印加時の各層の伸縮状態を示す圧電素子110の概略断面図である。図5(B)は、図1に示す圧電素子110の駆動電圧印加時の側面図である。 図1に示す圧電ポンプ100の分解斜視図である。 図6に示す筐体130の正面図である。 図8(A)は、図7のS−S線における断面図である。図8(B)は、図7のT−T線における断面図である。図8(C)は、図7のU−U線における断面図である。 図9(A)は、図1のP−P線における分解断面図である。図9(B)は、図1のP−P線における断面図である。 図10(A)は、図1のQ−Q線における分解断面図である。図10(B)は、図1のQ−Q線における断面図である。 図11(A)は、図1のR−R線における分解断面図である。図11(B)は、図1のR−R線における断面図である。 本発明の実施形態の第1変形例に係る圧電ポンプ200に備えられる筐体130の正面図である。 本発明の実施形態の第2変形例に係る圧電ポンプ300に備えられる筐体130の正面図である。 特許文献1の圧電素子910の外観斜視図である。 図14に示す圧電体90の分解斜視図である。 図14に示す圧電素子910の各層の分極状態を示す圧電素子910の概略断面図である。 図17(A)は、図14に示す圧電素子910の駆動電圧印加時の各層の伸縮状態を示す圧電素子910の概略断面図である。図17(B)は、図14に示す圧電素子910の駆動電圧印加時の側面図である。 図18(A)は、図14に示す圧電素子910をポンプ筐体930上に実装した圧電ポンプ900の外観斜視図である。図18(B)は、図18(A)のV−V線における断面図である。
《本発明の実施形態》
以下、本発明の実施形態に係る圧電ポンプ100について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る圧電ポンプ100の外観斜視図である。図2は、図1に示す圧電ポンプ100に備えられる圧電素子110の外観斜視図である。図3は、図1に示す圧電素子110の分解斜視図である。図4は、図1に示す圧電素子110の各層の分極状態を示す圧電素子110の概略断面図である。図5(A)は、図1に示す圧電素子110の駆動時の各層の伸縮状態を示す圧電素子110の概略断面図である。図5(B)は、図1に示す圧電素子110の駆動時の側面図である。図6は、図1に示す圧電ポンプ100の分解斜視図である。
圧電ポンプ100は、図1、図6に示すように、圧電素子110と、ダイヤフラム120と、筐体130と、カバー板150と、を備え、それらを順に積層した構造を有している。ここで、筐体130とカバー板150との接合体がポンプ筐体140を構成している。
圧電素子110は、図2、図3に示すように板状であり、複数の圧電体層10A〜10Jが積層されてなる圧電体10で構成される。圧電体10は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスから構成されている。
図2に示すように、圧電体10のダイヤフラム120に接合される側の主面、即ち圧電体層10Aのダイヤフラム120に接合される側の主面には、第1電極端子111、第2電極端子112、及び第3電極端子113が並んで形成されている。第1電極端子111、第2電極端子112、及び第3電極端子113は、それぞれ、圧電体層10Aを貫通して形成された孔に導電性物質を充填して形成されたビアホールを経由して、圧電体10の内部と接続されている。
なお、図3においては、見易さのために、ビアホール(図2、図3において黒い点で示されているもの)に符号を付していないが、以下の記述において、接続関係を適宜説明する。また、本実施形態においては、各接続部分において接続の信頼性を上げるために、それぞれ2つのビアホールを用いて接続を図っている。しかしながら、各接続部分の接続は、1つのビアホールを用いて行ってもよい。
次の圧電体層10Bの表面には、中央部にやや大きい円形のグランド電極21が形成され、その周囲に環状のダミー電極22が形成されている。グランド電極21には、圧電体層10Bの一辺に沿って、引き出し電極21aが形成されている。また、その圧電体層10Bの一辺に沿って、引き出し電極21aの一方側に隣接して中継電極23a、23bが、引き出し電極21aの他方側に隣接して中継電極23c、23dが、それぞれ形成されている。
そして、圧電体層10Aに形成されたビアホールを介して、中継電極23aは第1電極端子111に、中継電極23bは第2電極端子112に、引き出し電極21aは第3電極端子113に、それぞれ、接続されている。
次の圧電体層10Cの表面には、中央部に円形の中心電極24が形成され、その周囲に環状の周辺電極25が形成されている。中心電極24には、圧電体層10Cの一辺に沿って、引き出し電極24aが形成されている。また、周辺電極25は、圧電体層10Cの引き出し電極24aが形成されたのと同じ辺に沿って、引き出し電極24aを間に挟んで、引き出し電極25aと引き出し電極25bが形成されている。さらに、引き出し電極24aと引き出し電極25aとの間には、グランド中継電極26が形成されている。さらに、引き出し電極25aの、グランド中継電極26とは反対側に隣接して、中継電極23eが形成されている。
この結果、圧電体層10Cの一辺には、中継電極23e、引き出し電極25a、グランド中継電極26、引き出し電極24a、引き出し電極25bが、順に形成されていることになる。さらに、圧電体層10Cの表面の、中継電極23eが形成されている部分と対角線上の部分に、ダミー電極23fが形成されている。
そして、圧電体層10Bに形成されたビアホールを介して、中継電極23eは中継電極23aに、引き出し電極25aは中継電極23bに、グランド中継電極26は引き出し電極21aに、引き出し電極24aは中継電極23cに、引き出し電極25bは中継電極23dに、それぞれ、接続されている。
次の圧電体層10Dは、上述した圧電体層10Bと同じ電極パターンを備えており、圧電体層10Dの表面には、グランド電極21、引き出し電極21a、ダミー電極22、中継電極23a、23b、中継電極23c、23dが、それぞれ形成されている。
そして、圧電体層10Cに形成されたビアホールを介して、中継電極23aは中継電極23eに、中継電極23bは引き出し電極25aに、引き出し電極21aはグランド中継電極26に、中継電極23cは引き出し電極24aに、中継電極23dは引き出し電極25bに、それぞれ、接続されている。
次の圧電体層10Eは、上述した圧電体層10Cと同じ電極パターンを備えており、圧電体層10Eの表面には、中心電極24、引き出し電極24a、周辺電極25、引き出し電極25a、25b、グランド中継電極26、中継電極23e、ダミー電極23fが、それぞれ形成されている。
そして、圧電体層10Dに形成されたビアホールを介して、引き出し電極23eは中継電極23aに、引き出し電極25aは中継電極23bに、グランド中継電極26は引き出し電極21aに、引き出し電極24aは中継電極23cに、引き出し電極25bは中継電極23dに、それぞれ、接続されている。
次の圧電体層10Fは、上述した圧電体層10B、10Dと同じ電極パターンを備えており、圧電体層10Fの表面には、グランド電極21、引き出し電極21a、ダミー電極22、中継電極23a、23b、中継電極23c、23dが、それぞれ形成されている。
そして、圧電体層10Eに形成されたビアホールを介して、中継電極23aは中継電極23eに、中継電極23bは引き出し電極25aに、引き出し電極21aはグランド中継電極26に、中継電極23cは引き出し電極24aに、中継電極23dは引き出し電極25bに、それぞれ、接続されている。
次の圧電体層10Gの表面には、上述した圧電体層10C、10Eと同様に、中心電極24、引き出し電極24a、周辺電極25、引き出し電極25a、25b、グランド中継電極26、中継電極23e、ダミー電極23fが、それぞれ形成されているが、圧電体層10C、10Eとは、一部の電極において配置が異なっている(形成されている順番が異なっている)。すなわち、圧電体層10Gの一辺においては、引き出し電極25a、引き出し電極24a、グランド中継電極26、引き出し電極25b、中継電極23eが、この順に形成されている。
そして、圧電体層10Fに形成されたビアホールを介して、引き出し電極25aは中継電極23aに、引き出し電極24aは中継電極23bに、グランド中継電極26は引き出し電極21aに、引き出し電極25bは中継電極23cに、中継電極23eは中継電極23dに、それぞれ、接続されている。
次の圧電体層10Hは、上述した圧電体層10B、10D、10Fと同じ電極パターンを備えており、圧電体層10Hの表面には、グランド電極21、引き出し電極21a、ダミー電極22、中継電極23a、23b、中継電極23c、23dが、それぞれ形成されている。
そして、圧電体層10Gに形成されたビアホールを介して、中継電極23aは引き出し電極25aに、中継電極23bは引き出し電極24aに、引き出し電極21aはグランド中継電極26に、中継電極23cは引き出し電極25bに、中継電極23dは中継電極23eに、それぞれ、接続されている。
次の圧電体層10Iは、上述した圧電体層10Gと同じ電極パターンを備えており、圧電体層10Iの表面には、中心電極24、引き出し電極24a、周辺電極25、引き出し電極25a、25b、グランド中継電極26、中継電極23e、ダミー電極23fが、それぞれ形成されている。
そして、圧電体層10Hに形成されたビアホールを介して、引き出し電極25aは中継電極23aに、引き出し電極24aは中継電極23bに、グランド中継電極26は引き出し電極21aに、引き出し電極25bは中継電極23cに、中継電極23eは中継電極23dに、それぞれ、接続されている。
次の圧電体層10Jは、上述した圧電体層10B、10D、10F、10Hと同じ電極パターンを備えており、圧電体層10Jの表面には、グランド電極21、引き出し電極21a、ダミー電極22、中継電極23a、23b、中継電極23c、23dが、それぞれ形成されている。
そして、圧電体層10Iに形成されたビアホールを介して、中継電極23aは引き出し電極25aに、中継電極23bは引き出し電極24aに、引き出し電極21aはグランド中継電極26に、中継電極23cは引き出し電極25bに、中継電極23dは中継電極23eに、それぞれ、接続されている。
この結果、圧電体10の上側半分の第1部分1A(圧電体層10A〜10E)に形成された中心電極24と、圧電体10の下側半分の第2部分1B(圧電体層10F〜10J)に形成された周辺電極25とが、第2電極端子112とに接続される。また、第1部分1Aに形成された周辺電極25と、第2部分1Bに形成された中心電極24とが、第1電極端子111に接続される。また、圧電体10に形成された全てのグランド電極21が、第3電極端子113に接続される。
前記の構造からなる圧電体10は、たとえば、複数の圧電体層10A〜10Jを形成するための圧電性グリーンシートを積層し、加圧し、焼成するなどの方法により形成される。
そして、複数の圧電体層10A〜10Jの中央部および周辺部は、第1電極端子111、第2電極端子112、第3電極端子113に直流電圧を印加することにより、図4に示すように互いに逆方向に分極される。また、圧電体層10B〜10Eと、圧電体層10F〜10Iとにおいて、分極の繰り返し順序が逆になっている。
そのため、第1〜第3電極端子111〜113に対して交流の駆動電圧が印加されると、図5(A)に示すように、ある時点において、圧電体層10B〜10Eの中央部は収縮し、圧電体層10B〜10Eの周辺部は伸張する。一方、圧電体層10F〜10Iの中央部は伸張し、圧電体層10F〜10Iの周辺部は収縮する。
この結果、圧電素子110は駆動時、図5(B)に示すように、中央部が下方向に屈曲変位し、周辺部が中央部と逆の上方向に屈曲変位する。
そして、交流の駆動電圧の極性が変わると、圧電素子110は、図5(A)(B)に示したのとは反対の挙動を示す。すなわち、圧電体層10B〜10Eの中央部は伸張し、圧電体層10B〜10Eの周辺部は収縮する。一方、圧電体層10F〜10Iの中央部は収縮し、圧電体層10F〜10Iの周辺部は伸張する。
この結果、圧電素子110は駆動時、中央部が上方向に屈曲変位し、周辺部が下方向に屈曲変位する。
ここで、圧電体10の中央部および周辺部は後述のポンプ室145に面し、圧電体10の周辺部より外側に位置する非駆動の外周部は筐体130上面におけるポンプ室145の周囲領域に接合される。そして、前記第1〜第3電極端子111〜113は、圧電体10の外周部に形成されている。
次に、ダイヤフラム120は、図6に示すように平板状であり、第1電極端子111に対応する位置に孔121が形成され、第2電極端子112に対応する位置に孔122が形成され、第3電極端子113に対応する位置に孔123が形成されている。ダイヤフラム120は、例えばエチレンプロピレンゴムやシリコーンゴムから構成されている。
なお、孔121、122、133は、本発明の「除去領域」に相当する。
ダイヤフラム120は、圧電素子110の第1〜第3電極端子111〜113側の主面に、接着剤20によって接合されている。当該接着剤20は、孔121、122、123に面する領域20A、20B、20Cを除くダイヤフラム120の領域に塗布される。
次に、筐体130について説明する。
図7は、図6に示す筐体130の正面図である。図8(A)は、図7のS−S線における断面図であり、図8(B)は、図7のT−T線における断面図であり、図8(C)は、図7のU−U線における断面図である。図9(A)は、図1のP−P線における分解断面図であり、図9(B)は、図1のP−P線における断面図である。図10(A)は、図1のQ−Q線における分解断面図であり、図10(B)は、図1のQ−Q線における断面図である。図11(A)は、図1のR−R線における分解断面図であり、図11(B)は、図1のR−R線における断面図である。
筐体130は、略直方体状であり、金属板131、133が形成された筐体である。筐体130は、図6、図7、及び図8(B)に示すように、ダイヤフラム120の圧電素子110と逆側の主面に接合され、ダイヤフラム120とともにポンプ室145を構成する。ポンプ室145は例えば略円柱形に形成されている。
金属板131、133は、例えば導電性の高い銅合金から構成される。筐体130は、例えばPPS(Polyphenylenesulfide)樹脂からなり、金属板131、133をモールド金型にインサートして射出成形するインサートモールドにより埋め込み一体成型される。
2股形状の金属板131は、おのおの接続点となる箇所を3点樹脂から露出させている。ポンプ室145側にある2対の接続点は、筐体130のポンプ室145側の主面に露出しており、露出形状は例えば正方形状である。残り1つの接続点は、筐体130のポンプ室145側の主面の端部から筐体130の側面に至るように露出しており、露出形状は例えば長方形状である。
同様に、金属板133は、おのおの接続点となる箇所を2点樹脂から露出させている。ポンプ室145側にある一方の接続点は、筐体130のポンプ室145側の主面に露出しており、露出形状は例えば長方形状である。他方の接続点は、筐体130のポンプ室145側の主面の端部から筐体130の側面に至るように露出しており、露出形状は例えば長方形状である。
なお、金属板131、133は、本発明の「配線」に相当する。ここで、筐体130のポンプ室145側の主面に露出している、筐体130の金属板131の2対の接続点および金属板133の一方の接続点と筐体130の圧電素子110側の面(上面)とは、図8〜図10に示すように面一となっていることが好ましい。
筐体130の金属板131の2対の接続点は、図6、図9に示すように、ダイヤフラム120の孔121、122を介して圧電素子110の第1、第2電極端子111、112に導電性接着剤31、32によって接続される。また、筐体130の金属板133の一方の接続点は、図6、図10、図11に示すように、ダイヤフラム120の孔123を介して圧電素子110の第3電極端子113に導電性接着剤33によって接続される。
ここで、ダイヤフラム120の孔121、122、123は、対応する金属板131、133の露出形状に合わせて形成されている。また、導電性接着剤31、32、33は、例えば銀のフィラーを含有したエポキシ系樹脂から構成される。
さらに、筐体130の金属板131、133の他方の接続点は、図1、図5(A)に示すように、外部回路である交流電源ACに接続される。当該交流電源ACは、正弦波を発生させるものであるが、これに限るものではなく、矩形波などを発生させるものであってもよい。
また、筐体130には、ポンプ室145へ流体が流入するバルブ流入孔141と、ポンプ室145から流体が流出するバルブ流出孔142と、が形成されている。
さらに、筐体130には、図8(B)及び図10(A)(B)に示すように、逆止弁161、162を筐体130の実装面側から嵌めこむことにより逆止弁161、162を収納する開口部146、147が形成されている。ここで、開口部146はバルブ流入孔141に連通し、開口部147はバルブ流出孔142に連通する。
カバー板150には、バルブ流入孔141及び開口部146に連通し、外部から流体が流入する流入孔151と、バルブ流出孔142及び開口部147に連通し、外部へ流体が流出する流出孔152と、が形成されている。開口部146、147に嵌めこまれた逆止弁161、162は、このカバー板150で蓋をされる。
逆止弁161、162のそれぞれは、図6に示すように、略円板状であり、例えばシリコーンゴムからなる。逆止弁161は、ポンプ室145から流入孔151への流体の逆流を遮断する。逆止弁162は、流出孔152からポンプ室145への流体の逆流を遮断する。
なお、バルブ流入孔141、開口部146、及び流入孔151が、本発明の「流入孔」に相当し、逆止弁161が、本発明の「第1逆止弁」相当する。また、バルブ流出孔142、開口部147及び流出孔152が、本発明の「流出孔」に相当し、逆止弁162が、本発明の「第2逆止弁」相当する。
以上の構成において圧電ポンプ100では、駆動電源である交流電源ACの一方の端子が筐体130の金属板131に接続され、交流電源ACの他方の端子が筐体130の金属板133に接続される(図1参照)。
そして、当該金属板131は、図2、図6、図9に示すように、ダイヤフラム120の孔121,122を介して圧電素子110の第1、第2電極端子111、112に導電性接着剤31、32によって接続されている。
同様に、当該金属板133も、図2、図6、図10に示すように、ダイヤフラム120の孔123を介して圧電素子110の第3電極端子113に導電性接着剤33によって接続されている。
そのため、交流電源ACの一方の端子が金属板131を経由して第1、第2電極端子111、112と導通し、交流電源ACの他方の端子が金属板133を経由して第3電極端子113と導通する。
そして、第1、第2電極端子111、112と第3電極端子113とに駆動電圧が印加されたとき、圧電素子110が屈曲することでダイヤフラム120も屈曲し、圧電ポンプ100が駆動される。これにより、圧電ポンプ100では、流体が流入孔151からポンプ室145へ流入し、ポンプ室145から流出孔152へ流出する。
ここで、圧電ポンプ100では、ダイヤフラム120が、圧電素子110の第1〜第3電極端子111〜113側の主面に接合されている。そして、筐体130の金属板131は、ダイヤフラム120の孔121、122を介して圧電素子110の第1、第2電極端子111、112に導電性接着剤31、32によって接続されている。また、筐体130の金属板133も、ダイヤフラム120の孔123を介して圧電素子110の第3電極端子113に導電性接着剤33によって接続されている。
すなわち、圧電ポンプ100は、圧電素子910の上方から金属板941〜943を第1〜第3電極端子911〜913に被せて取り付ける構造の圧電ポンプ900(図18(A)(B)参照)と異なり、圧電素子110の下方から金属板131、133がダイヤフラム120の孔121、122、123を介して第1、第2、第3電極端子111、112、113に接続する構造となっている。
そのため、圧電ポンプ100では、金属板131、133全体のうち第1〜第3電極端子111〜113と外部回路に接続する部分以外が筐体130に埋設するよう金属板131、133を筐体130に形成する。このように形成することで、金属板131、133の厚み分高背化せず、低背化できる。
また、この構成では、ダイヤフラム120に孔121、122を設け、その孔121、122内に接着剤として導電性接着剤33を設けているので、接着剤20の非塗布部分への流れ込みを抑制でき、接着剤20の厚みを均一にすることができる。接着剤20の厚みにばらつきがあると、接着強度の違いにより接着剤20の厚みの厚い部分から剥離が起きえるが、本構成によれば、前述の問題が生じず接合信頼性が増す。
また、本実施形態の圧電ポンプ100では、筐体130は、金属板131、133をモールド金型にインサートして射出成形するインサートモールドにより埋め込み一体成型されている。そして、圧電ポンプ100では、圧電素子110を筐体130上に実装すると同時に、圧電素子110の第1、第2電極端子111、112がダイヤフラム120の孔121、122を介して筐体130の金属板131に接続し、圧電素子110の第3電極端子113がダイヤフラム120の孔123を介して筐体130の金属板133に接続する。
そのため、圧電ポンプ100では、図14及び図18に示す圧電ポンプ900のように、金属板941〜943を圧電素子910の第1〜第3電極端子911〜913に取り付けるための専用の製造工程を組む必要が無くなる。よって、圧電ポンプ100では、製造工程をスリム化できる。
したがって、本実施形態の圧電ポンプ100によれば、低背化と製造工程のスリム化を実現することができる。
また、圧電ポンプ100では、筐体130の金属板131のうち圧電素子110の第1、第2電極端子111、112および交流電源ACに接続する部分は筐体130の表面に露出しており、金属板131の残りの部分は、筐体130の内部に形成されている。同様に、筐体130の金属板133のうち圧電素子110の第3電極端子113および交流電源ACに接続する部分は筐体130の表面に露出しており、金属板133の残りの部分は、筐体130の内部に形成されている。
すなわち、圧電ポンプ100では、圧電素子110の第1〜第3電極端子111〜113および交流電源ACに接続しない金属板131、133の部分が筐体130の内部に埋設されている。
そのため、圧電ポンプ100の耐環境性が向上する。また、この埋設構造により金属板131と金属板133との間でマイグレーションが起こり難いため、本実施形態の圧電ポンプ100によれば、両者間が短絡することを抑制できる。
また、圧電ポンプ100において圧電素子110は、前記したように、第1、第2電極端子111、112と第3電極端子113とに駆動電圧が印加されたとき、圧電体10の中央部および周辺部の伸縮により屈曲する。この際、第1〜第3電極端子111〜113は、前記したように、圧電体10の非駆動の外周部に形成されている。
そのため、本実施形態の圧電ポンプ100によれば、第1、第2電極端子111、112と金属板131との接続信頼性、及び第3電極端子113と金属板133との接続信頼性が良好となり、圧電ポンプ100の長寿命化を図ることができる。また、圧電素子110の特性が継時的に劣化することも防止できる。
また、複数の圧電体層10A〜10Jの中央部および周辺部は、図4に示すように互いに逆方向に分極されているため、比較的低い電圧で駆動することができ、かつ圧電素子110の中央部で大きな変位量を得ることができる。
したがって、圧電素子110を駆動源に用いた、この構成の圧電ポンプ100は、小さな消費電力で、効率よく機能する。また、同一の層に形成された中心電極と周辺電極とには、常に同電位が印加されるため、両者間でエレクトロマイグレーションが発生することはなく、両者間が短絡することがない。
また、前記構造の圧電ポンプ100では、筐体130を射出成形により形成できるため、複数の筐体130を一括製造できる。従って、圧電ポンプ100の製造コストを大幅に削減できる。
《変形例》
本発明の実施形態は、以下の変形例を採用することができる。
図12は、本発明の実施形態の第1変形例に係る圧電ポンプ200に備えられる筐体130の正面図である。図13は、本発明の実施形態の第2変形例に係る圧電ポンプ300に備えられる筐体130の正面図である。
前述の実施形態では、図7に示す2股形状の金属板131を用いたが、実施の際は金属板131の代わりに、図12に示す形状の金属板231や、図13に示す形状の金属板331、332を用いても構わない。
まず、第1変形例について詳述する。第1変形例の金属板231は、図7に示す金属板131と異なり、おのおの接続点となる箇所を2点、筐体130から露出させている。金属板231のポンプ室145側にある一方の接続点は、図12に示すように、筐体130のポンプ室145側の主面に露出しており、露出形状は例えば長方形状である。金属板231の一方の接続点は、ダイヤフラム120の孔121、122を介して圧電素子110の第1、第2電極端子111、112に導電性接着剤31、32によって接続される。
即ち、金属板231は、圧電素子110の第1、第2電極端子111、112の形状に合わせて接続点を2箇所に露出するのではなく、1箇所の接続点で、第1、第2電極端子111、112の両方と接続されうるように形成されている。そして、金属板231の他方の接続点は、前述の実施形態と同様に、外部回路である交流電源ACに接続される。
そのため、圧電ポンプ200では、交流電源ACの一方の端子が金属板231を経由して第1、第2電極端子111、112と導通し、交流電源ACの他方の端子が金属板133を経由して第3電極端子113と導通する。従って、この第1変形例によれば、前記実施形態と同様の効果を奏し、さらに金属板の形状をより簡略化することができる。
次に、第2変形例について詳述する。第2変形例の前述の実施形態と異なる箇所は、図7に示す金属板131を2つの金属板331、332を用いて実現した点である。金属板331、332は、おのおの接続点となる箇所を2点ずつ、筐体130から露出させている。
金属板331のポンプ室145側にある一方の接続点は、図13に示すように、ダイヤフラム120の孔121を介して圧電素子110の第1電極端子111に導電性接着剤31によって接続される。そして、金属板331の他方の接続点は、外部回路である交流電源ACの一方の端子に接続される。
また、金属板332のポンプ室145側にある一方の接続点は、図13に示すように、ダイヤフラム120の孔122を介して圧電素子110の第2電極端子112に導電性接着剤32によって接続される。そして、金属板332の他方の接続点は、金属板331と同様に交流電源ACの一方の端子に接続される。
また、金属板333のポンプ室145側にある一方の接続点は、図13に示すように、ダイヤフラム120の孔123を介して圧電素子110の第3電極端子113に導電性接着剤33によって接続される。そして、金属板333の他方の接続点は、交流電源ACの他方の端子に接続される。
そのため、圧電ポンプ300では、交流電源ACの一方の端子が金属板331、332を経由して第1、第2電極端子111、112と導通し、交流電源ACの他方の端子が金属板133を経由して第3電極端子113と導通する。従って、この第2変形例によれば、前記実施形態と同様の効果を奏する。
《その他の実施形態》
なお、前記実施形態では、流体が、気体や、液体、気液混合流、固液混合流、固気混合流などのいずれであっても適用できる。
前記実施形態では、圧電素子110はチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスから構成されているが、これに限るものではない。例えば、ニオブ酸カリウムナトリウム系及びアルカリニオブ酸系セラミックス等の非鉛系圧電体セラミックスの圧電材料などから構成してもよい。
また、前記実施形態では、ダイヤフラム120の孔は対応する金属板の露出形状に合わせて形成していたが、これに限るものではない。接着に十分な面積があれば金属板の露出面積より小さくてもよいし、金属板の露出面積より大きくてもかまわない。また、形状も多角形でもよいし、円形や楕円形であってもよい。また、そもそもダイヤフラム120には孔が設けられていなくてもよく、切り欠きが設けられていてもよい。
また、前記実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10…圧電体
10A〜10J…圧電体層
20…接着剤
21…グランド電極
21a…引き出し電極
22…ダミー電極
23a〜23d…中継電極
23e…中継電極
23f…ダミー電極
24…中心電極
24a…引き出し電極
25…周辺電極
25a、25b…引き出し電極
26…グランド中継電極
31、32、33…導電性接着剤
100…圧電ポンプ
110…圧電素子
111…第1電極端子
112…第2電極端子
113…第3電極端子
120…ダイヤフラム
121、122、123…孔
130…筐体
131、133…金属板
140…ポンプ筐体
141…バルブ流入孔
142…バルブ流出孔
145…ポンプ室
146、147…開口部
150…カバー板
151…流入孔
152…流出孔
161、162…逆止弁
200…圧電ポンプ
231…金属板
300…圧電ポンプ
331、332、333…金属板
90…圧電体
90A〜H…圧電体層
900…圧電ポンプ
910…圧電素子
911…第1電極端子
912…第2電極端子
913…第3電極端子
920…ダイヤフラム
921…グランド電極
924…中心電極
925…周辺電極
930…ポンプ筐体
931…流入孔
932…流出孔
941、942、943…金属板
945…ポンプ室

Claims (7)

  1. 導体パターンが形成された圧電体層を積層した圧電体で構成されている圧電素子であって、
    前記導体パターンに導通する電極端子への電圧印加に応じて伸縮する中央部と、前記中央部より外側に位置し、前記電極端子への電圧印加に応じて前記中央部と逆位相で伸縮する周辺部と、前記周辺部より外側に位置する非駆動の外周部とを有し、前記電極端子が前記圧電体の一方の主面における前記外周部に設けられ、前記中央部および前記周辺部の伸縮により屈曲する圧電素子と、
    前記圧電素子の前記電極端子側の主面に接合されているダイヤフラムと、
    前記ダイヤフラムの前記圧電素子とは逆側の主面に接合されポンプ筐体と、を備え、
    前記ポンプ筐体には、配線が埋設されており、
    前記ダイヤフラムには、前記電極端子に対応する領域が除去領域として除去されており、
    前記圧電素子の前記電極端子は、前記ダイヤフラムの前記除去領域を介して前記ポンプ筐体の前記配線に接続されている、圧電ポンプ。
  2. 前記圧電素子の前記電極端子は、前記ポンプ筐体の前記配線に導電性接着剤によって接続されている、請求項1に記載の圧電ポンプ。
  3. 前記ポンプ筐体の配線のうち前記圧電素子の前記電極端子および外部回路に接続する部分は前記ポンプ筐体の表面に露出しており、前記配線の残りの部分は、前記ポンプ筐体の内部に形成されている、請求項1又は2に記載の圧電ポンプ。
  4. 前記中央部および前記周辺部は、互いに逆方向に分極されている、請求項1からのいずれかに記載の圧電ポンプ。
  5. 前記ポンプ筐体は、前記ダイヤフラムとともにポンプ室を構成し、
    前記ポンプ筐体には、前記ポンプ室へ流体が流入する流入孔と、前記ポンプ室から前記流体が流出する流出孔と、が形成されており、
    前記流入孔に設けられ、前記ポンプ室から前記流入孔への前記流体の逆流を遮断する第1逆止弁と、
    前記流出孔に設けられ、前記流出孔から前記ポンプ室への前記流体の逆流を遮断する第2逆止弁と、を備える、請求項1からのいずれかに記載の圧電ポンプ。
  6. 前記圧電素子における各圧電体層の層間は、ビアホールを介して接続されている、請求項1からのいずれかに記載の圧電ポンプ。
  7. 導体パターンが形成された圧電体層を積層した圧電体で構成されている圧電素子であって、
    前記導体パターンに導通する電極端子への電圧印加に応じて伸縮する中央部と、前記中央部より外側に位置し、前記電極端子への電圧印加に応じて前記中央部と逆位相で伸縮する周辺部と、前記周辺部より外側に位置する非駆動の外周部とを有し、前記電極端子が前記圧電体の一方の主面における前記外周部に設けられ、前記中央部および前記周辺部の伸縮により屈曲する圧電素子を用意する工程と、
    前記電極端子に対応する領域が除去領域として除去されたダイヤフラムを用意する工程と、
    前記圧電素子の前記電極端子側の主面に、前記ダイヤフラムを接合する工程と、
    配線をモールド金型にインサートして射出成形し、前記配線が埋め込み一体成型されたポンプ筐体を得る工程と、
    前記ダイヤフラムの前記圧電素子とは逆側の主面に、前記ポンプ筐体を接合し、前記圧電素子の前記電極端子を、前記ダイヤフラムの前記除去領域を介して前記ポンプ筐体の前記配線に接続する工程と、を備える、圧電ポンプの製造方法。
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