JP5973724B2 - 真空環境用のリニアモータシステムおよびその設計方法 - Google Patents

真空環境用のリニアモータシステムおよびその設計方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5973724B2
JP5973724B2 JP2011287539A JP2011287539A JP5973724B2 JP 5973724 B2 JP5973724 B2 JP 5973724B2 JP 2011287539 A JP2011287539 A JP 2011287539A JP 2011287539 A JP2011287539 A JP 2011287539A JP 5973724 B2 JP5973724 B2 JP 5973724B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
coil
housing
motor
cooling plates
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011287539A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012143143A (ja
Inventor
ゾルダン エンリコ
ゾルダン エンリコ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ASML Holding NV
Original Assignee
ASML Holding NV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ASML Holding NV filed Critical ASML Holding NV
Publication of JP2012143143A publication Critical patent/JP2012143143A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5973724B2 publication Critical patent/JP5973724B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K41/00Propulsion systems in which a rigid body is moved along a path due to dynamo-electric interaction between the body and a magnetic field travelling along the path
    • H02K41/02Linear motors; Sectional motors
    • H02K41/03Synchronous motors; Motors moving step by step; Reluctance motors
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces
    • G03F7/70758Drive means, e.g. actuators, motors for long- or short-stroke modules or fine or coarse driving
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/708Construction of apparatus, e.g. environment aspects, hygiene aspects or materials
    • G03F7/70808Construction details, e.g. housing, load-lock, seals or windows for passing light in or out of apparatus
    • G03F7/70841Constructional issues related to vacuum environment, e.g. load-lock chamber
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K9/00Arrangements for cooling or ventilating
    • H02K9/22Arrangements for cooling or ventilating by solid heat conducting material embedded in, or arranged in contact with, the stator or rotor, e.g. heat bridges
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K9/00Arrangements for cooling or ventilating
    • H02K9/22Arrangements for cooling or ventilating by solid heat conducting material embedded in, or arranged in contact with, the stator or rotor, e.g. heat bridges
    • H02K9/223Heat bridges
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K9/00Arrangements for cooling or ventilating
    • H02K9/22Arrangements for cooling or ventilating by solid heat conducting material embedded in, or arranged in contact with, the stator or rotor, e.g. heat bridges
    • H02K9/227Heat sinks
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49002Electrical device making
    • Y10T29/49004Electrical device making including measuring or testing of device or component part

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Linear Motors (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

本発明の実施形態は一般にリソグラフィに関し、より詳細には真空環境用のリニアモータに関する。
リソグラフィは、集積回路(IC)並びに他のデバイスおよび/または構造を製造する主要なプロセスとして広く認められている。リソグラフィ装置は、基板のターゲット部分などの基板上に所望のパターンを転写する、リソグラフィ中に使用される機械である。リソグラフィ装置を用いたICの製造中に、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを通常使用して、ICの個々のレイヤ上に形成される回路パターンが作成される。このパターンは、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つまたは複数のダイの一部を含む)に転写される。パターンの転写は、典型的に基板上に設けられた放射感応性材料(例えばレジスト)の層への結像によって行われる。一般に、単一の基板は、連続してパターニングされる隣接するターゲット部分のネットワークを含む。
パターニングデバイス(例えばマスクまたはレチクル)、ウェーハなどを保持するために使用されるデバイスとともに、パターニングデバイスおよび/またはウェーハをX、YまたはZ方向に移動するためにリニアモータが使用される。リニアXYモータは、X磁石回路およびY磁石回路によって発生する高磁束領域内に配置される平坦な電気コイルを含むことができる。平坦な電気コイルは、ステンレス鋼の水冷ジャケットで挟まれている。外側の冷却ジャケットがコイルハウジング全体にろう付けされ溶接されて、封止コイル容器を形成する。リニアモータの組立時の重要な層は、(1)コイルを冷却板とハウジングに機械的に接続し、(2)コイルから冷却板に熱を運び、(3)コイルの熱膨張に適合する層である、埋め込み樹脂層である。これらの機能はモータの動作にとって重要である。特に、埋め込み樹脂層が厚いほど適合性に優れるが熱伝導性は劣り、埋め込み樹脂の層が薄いと、熱伝導にとって都合がよいが適合性は劣る。
コイルと冷却板の間の埋め込み樹脂層の厚さは、モータの他の全ての部品の寸法変動によって影響を受ける。この層は、機械的な観点および熱的な観点の両方で重要であり、変動の範囲は、組み立てられたモータのかなりの部分が熱要件を満足しないかまたは信頼性の問題が生じるような範囲である。
モータハウジングの溶接は、別の問題を引き起こす。下部冷却板のハウジングへの溶接は、(モータが組み立てられる方法のために)最後の製造ステップのうちの1つである。最後の製造ステップの1つとして下部冷却板をハウジングに溶接すると、電気絶縁が焼かれ、したがってモータが真空気密でなくなってしまう。何らかの理由で溶接が失敗すると、任意の部品を回収する可能性なしに、完全に組み立てられたモータが失われてしまう。
従来のモータ設計の別の欠点は、従属部品のテスタビリティが非常に限られることである。熱抵抗および機械的接着強度などの重要な特性の一部を、モータ製造過程の最後に測定し試験することができるに過ぎない。
本願発明者は、厳密に制御される必要がある熱挙動および機械的挙動の両方にとって最適な埋め込み樹脂層の厚さの範囲が狭いことを見つけ出した。上述の場合、電気コイルと冷却板との間の距離が確定的に最適化され、モータの様々な部品を独立して組み立てて試験することができるような、真空環境用の改良されたリニアモータを提供する方法およびシステムが必要とされている。
本発明の一実施形態では、真空環境用のリニアモータは、コアおよびハウジングを備える。コアは、複数の冷却板と、複数の冷却板の間に挟まれた複数の電気コイルとを含む。コアは、複数の電気コイルと複数の冷却板との間に位置する複数の熱伝導性エポキシ層と、複数の電気コイルと複数の冷却板との間に設置され、複数の電気コイルと複数の冷却板との間の距離を定める複数のシムと、をさらに含む。コアは、ハウジング内に組み付けられる前に試験されるように構成される。ハウジングはコアを包囲し、本体と複数の供給口と蓋とを備える。
本発明の別の実施形態では、モータの製造方法が提供される。この方法は、コアを組み立てコアをハウジング内に挿入することを含む。コアの組み立て方法は、複数の冷却板の間に複数の電気コイルを配置し、複数の電気コイルと複数の冷却板との間に複数の熱伝導性エポキシ層を配置することを含む。さらに、コアの組み立て方法は、複数の電気コイルと複数の冷却板との間に複数のシムを配置してそれらの間の距離を決定し、複数の熱伝導性エポキシ層を硬化することを含む。コアは、ハウジングに挿入される前に試験されるように構成される。
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明の様々な実施の形態の構造および作用とともに、添付の図面を参照して以下で詳細に説明される。本発明は、本書で説明される特定の実施形態に限定されないことに注意する。このような実施形態は、例証目的で本書に提示されているに過ぎない。本書に含まれる教示に基づけば、さらなる実施形態は関連分野の当業者にとって明らかであろう。
本書に包含され明細書の一部をなす添付の図面は本発明を例証し、詳細な説明とともに本発明の原理を説明し、関連分野の当業者が本発明を実施し使用できるようにする役割を有する。
本発明の一実施形態に係る反射型リソグラフィ装置の模式図である。 本発明の一実施形態に係る透過型リソグラフィ装置の模式図である。 本発明の一実施形態係るレチクル支持システムの模式図である。 従来のXYモータアセンブリを示す図である。 従来のXYモータアセンブリを示す図である。 従来のXYモータアセンブリを示す図である。 従来のXYモータアセンブリを示す図である。 本発明の一実施形態に係るXYモータの改良された組立の模式図である。 本発明の一実施形態に係るXYモータの改良された組立の模式図である。 本発明の一実施形態に係るXYモータの改良された組立の模式図である。 本発明の一実施形態に係るXYモータアセンブリのコアの製造を示す図である。 本発明の一実施形態に係るXYモータアセンブリのコアの製造を示す図である。 本発明の一実施形態に係るXYモータアセンブリのコアの製造を示す図である。 本発明の一実施形態に係るXYモータアセンブリのコアの全体構造を示す図である。 本発明の一実施形態に係るXYモータアセンブリのコアの全体構造を示す図である。 本発明の一実施形態に係るXYモータアセンブリのコアの全体構造を示す図である。 本発明の一実施形態に係るXYモータアセンブリのハウジングの背面図である。 本発明の一実施形態に係るXYモータアセンブリのハウジングの正面図である。 本発明の一実施形態に係るXYモータアセンブリのハウジング内のコアアセンブリを示す図である。 本発明の一実施形態に係る、XYモータアセンブリのハウジング内のコアの組立過程と組み立てられたXYモータとを示す図である。 本発明の一実施形態に係る、XYモータアセンブリのハウジング内のコアの組立過程と組み立てられたXYモータとを示す図である。 本発明の一実施形態に係る、XYモータアセンブリのハウジング内のコアの組立過程と組み立てられたXYモータとを示す図である。 本発明の一実施形態に係る、XYモータアセンブリのハウジング内のコアの組立過程と組み立てられたXYモータとを示す図である。 本発明の一実施形態に係る、XYモータアセンブリのハウジング内のコアの組立過程と組み立てられたXYモータとを示す図である。 本発明の一実施形態に係る、XYモータアセンブリの製造および組立の例示的な過程のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る、XYモータアセンブリの製造および組立の例示的な過程のフローチャートである。 従来の設計と本発明の実施形態の設計とで、X、YおよびZコイルの運転温度を比較したグラフである。 従来の設計と本発明の実施形態の設計とで、X、YおよびZコイルの熱抵抗を比較したグラフである。 Y加速度および/または熱抵抗が変化するときのX、YおよびZモータの温度の平均を示す図である。 Y加速度および/または熱抵抗が変化するときのX、YおよびZモータの温度の平均を示す図である。 Y加速度および/または熱抵抗が変化するときのX、YおよびZモータの温度の平均を示す図である。 本発明の一実施形態に係るYおよびX平坦ワイヤコイル設計の例示的な実施形態を示す図である。 本発明の一実施形態に係るYおよびX平坦ワイヤコイル設計の例示的な実施形態を示す図である。 本発明の一実施形態に係るYおよびX平坦ワイヤコイル設計の例示的な実施形態を示す図である。 本発明の一実施形態に係るYおよびX平坦ワイヤコイル設計の例示的な実施形態を示す図である。 X、YおよびZコイルの様々な層に沿った温度分布を示す図である。 X、YおよびZコイルの様々な層に沿った温度分布を示す図である。 本発明の実施形態に係るZモータの設計の改良を示す図である。 本発明の実施形態に係るZモータの設計の改良を示す図である。 本発明の実施形態に係るZモータの設計の改良を示す図である。
上記の図面は原寸に比例して描かれてはいない。本発明の特徴および利点は、同様の参照符号が全文書を通して対応する要素を特定する図面とともに以下で述べられる詳細な説明からより明らかになるだろう。一般に、図面において同様の参照符号は、同一の、機能的に類似の、および/または構造が類似の要素を表している。要素が最初に現れる図面は、対応する参照番号の左端の数字で表される。
I.概説
本発明は、真空環境用のリニアモータを対象とする。本明細書は本発明の特徴を組み入れた1つまたは複数の実施形態を開示する。開示された実施形態は本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲は開示された実施形態には限定されない。本発明は添付の請求項により定義される。
説明される実施形態、および「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」等への明細書内での言及は、説明する実施形態が特定の特徴、構造または特性を備えてもよいが、必ずしもあらゆる実施形態がその特定の特徴、構造または特性を備える必要はないことを示している。また、このような表現は同一の実施形態を必ずしも指し示すものではない。さらに、実施形態とともに特定の特徴、構造または特性が記載される場合、明示的に記載されているか否かに関わらず、そのような特徴、構造または特性を他の実施形態とともに実現することは当業者の知識内であると理解されたい。
真空環境用のリニアモータの設計の改良が開示される。この新たな設計は、コアとハウジングを備える。全ての機能部品を備えるコアは、複数の冷却板と、この複数の冷却板の間に挟まれる複数の電気コイルとを備える。コアは、複数の電気コイルと複数の冷却板との間に位置する複数の熱伝導性エポキシ層と、複数の電気コイルと複数の冷却板との間に設置される複数のシムとをさらに備え、複数の電気コイルと複数の冷却板との間の距離を決定する。複数のシムを使用すると、複数の電気コイルと複数の冷却板との間の隙間を確定的に定めることができ、したがって複数の熱伝導性エポキシ層の厚さを定めることができる。コアは、ハウジング内に組み付けられる前に独立して組み立てて試験することができる。ハウジングはコアを取り囲み、本体と複数の供給口と蓋とを含む。
しかしながら、この種の実施形態をより詳細に説明する前に、本発明の実施形態を実装可能である例示的な環境を提示することが有益である。
II.例示的なリソグラフィ環境
A.例示的な反射型および透過型リソグラフィシステム
図1Aおよび図1Bは、リソグラフィ装置100およびリソグラフィ装置100’をそれぞれ模式的に示す図である。リソグラフィ装置100およびリソグラフィ装置100’はそれぞれ、放射ビームB(例えばDUV放射またはEUV放射)を調整する照明系(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク、レチクル、または動的パターニングデバイス)MAを支持するよう構成されるとともに、パターニングデバイスを正確に位置決めするよう構成された第1ポジショナPMに接続されている支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストでコーティングされたウェーハ)Wを保持するよう構成されるとともに、基板を正確に位置決めするよう構成された第2ポジショナPWに接続されている基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、を備える。リソグラフィ装置100およびリソグラフィ装置100’は、パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つまたは複数のダイを含む)目標部分Cに投影するように構成された投影系PSも備える。リソグラフィ装置100では、パターニングデバイスMAおよび投影系PSが反射型であり、リソグラフィ装置100’では、パターニングデバイスMAおよび投影系PSが透過型である。
照明系ILは、放射ビームBの向きや形状を変え、または放射ビームBを統制するために、屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子、あるいは他の種類の光学素子などの各種の光学素子、またはこれらの組合せを含んでもよい。
支持構造MTは、パターニングデバイスMAの向き、リソグラフィ装置100および100’の構成、及びパターニングデバイスMAが真空環境で保持されるか否か等のその他の条件に応じた方式でパターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、機械的固定、真空固定、静電固定、またはパターニングデバイスMAを保持するその他の固定技術を用いてもよい。支持構造MTは、例えばフレームまたはテーブルであってもよく、これらは固定されていてもよいし必要に応じて移動可能であってもよい。支持構造MTは、例えば投影系PSに対して所望の位置にパターニングデバイスを位置決めすることを保証してもよい。
「パターニングデバイス」MAなる用語は、基板Wの目標部分Cにパターンを生成するために放射ビームBの断面にパターンを与えるのに使用される何らかのデバイスを指すものと広義に解釈される。放射ビームBに付与されたパターンは、目標部分Cに生成される集積回路等のデバイスにおける特定の機能層に対応する。
パターニングデバイスMAは、(図1Bのリソグラフィ装置100’のような)透過型であってもよいし、(図1Aのリソグラフィ装置100のような)反射型であってもよい。パターニングデバイスMAには例えばマスク、プログラム可能ミラーアレイ、及びプログラム可能LCDパネルが含まれる。マスクはリソグラフィにおいて周知であり、バイナリマスク、レベンソン型位相シフトマスク、減衰型位相シフトマスク、さらには多様なハイブリッド型マスクなどのマスク種類が含まれる。プログラム可能ミラーアレイは例えば、微小ミラーのマトリックス配列で構成される。各微小ミラーは、入射する放射ビームを異なる複数の方向に反射するよう個別的に傾斜可能である。ミラーマトリックスにより反射された放射ビームには、傾斜されたミラーによってパターンが付与されている。
「投影系」なる用語は、屈折光学素子、反射光学素子、反射屈折光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子、またはこれらの組合せを含む何らかの投影系を包含することができる。過剰な放射または過剰の電子を他の気体が吸収するので、EUVまたは電子ビーム放射のために真空環境を使用してもよい。したがって、真空壁および真空ポンプの助けを借りて、ビーム経路の全体に真空環境が与えられてもよい。
リソグラフィ装置100および/またはリソグラフィ装置100’は2つ以上(2つの場合にはデュアルステージと呼ばれる)の基板テーブル(及び/または2つ以上のマスクテーブル)WTを備えてもよい。このような多重ステージ型の装置においては、追加の基板テーブルWTが並行して使用されるか、あるいは1以上のテーブルで露光が行われている間に1以上の他の基板テーブルWTで準備工程が実行されるようにしてもよい。
図1Aおよび図1Bを参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受け取る。例えば光源SOがエキシマレーザである場合には、光源SOとリソグラフィ装置100、100’とは別体であってもよい。この場合、光源SOはリソグラフィ装置100、100’の一部を構成しているとはみなされなく、放射ビームBは光源SOからビーム搬送系BD(図1B)を介してイルミネータILへと到達する。ビーム搬送系BDは例えば適当な方向変更用ミラー及び/またはビームエキスパンダを含む。あるいは例えば光源SOが水銀ランプである場合には、光源SOはリソグラフィ装置100、100’に一体に構成されていてもよい。光源SOとイルミネータILとは、またビーム搬送系BDが必要とされる場合にはこれも合わせて、放射系と総称されることがある。
イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するアジャスタAD(図1B)を備えてもよい。一般には、イルミネータの瞳面における照度分布の少なくとも外径及び/または内径の値(通常それぞれ「σouter」、「σinner」と呼ばれる)が調整される。加えてイルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の要素(図1B)を備えてもよい。イルミネータILはビーム断面における所望の均一性及び照度分布を得るべく放射ビームBを調整するために用いられる。
図1Aを参照すると、放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTに保持されているパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射して、当該パターニングデバイスによりパターンが付与される。リソグラフィ装置100、100’では、放射ビームBはパターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後に、放射ビームBは投影系PSを通過する。投影系PSはビームBを基板Wの目標部分Cに合焦させる。第2ポジショナPWと位置センサIF2(例えば、干渉計、リニアエンコーダ、静電容量センサなど)により基板テーブルWTは正確に移動され、放射ビームBの経路に異なる複数の目標部分Cをそれぞれ位置決めする。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサIF1を使用して、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めすることができる。マスクアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を使用して、パターニングデバイス(例えばマスク)MAおよび基板Wを位置合わせすることができる。
図1Bを参照すると、支持構造(例えばマスクテーブルMT)に保持されるパターニングデバイス(例えばマスクMA)に放射ビームBが入射し、パターニングデバイスによってパターンが付与される。マスクMAの通過後、放射ビームBは投影系PSを通過し、投影系PSが基板Wの目標部分Cにビームを合焦させる。第2ポジショナPWと位置センサIF(例えば、干渉計、リニアエンコーダ、静電容量センサなど)の助けにより、基板テーブルWTを正確に移動させて、例えば放射ビームBの経路に異なる目標部分Cを位置決めすることができる。同様に、例えば走査中またはマスクライブラリからのマスク交換後に、第1ポジショナPMと別の位置センサ(図1Bには明示されていない)により放射ビームBの経路に対してマスクMAは正確に位置決めされてもよい。
一般に、マスクテーブルMTの移動は、ロングストロークモジュール(粗い位置決め用)及びショートストロークモジュール(精細な位置決め用)により実現される。これらモジュールは、第1ポジショナPMの一部を構成する。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2ポジショナPWの一部を構成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールにより実現される。ステッパの場合には(スキャナとは異なり)、マスクテーブルMTはショートストロークモジュールにのみ接続されていてもよいし、マスクテーブルMTは固定されていてもよい。マスクMAと基板Wとは、マスクアライメントマークM1、M2、及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせされる。図示される基板アライメントマークは専用の目標部分を占有しているが、基板アライメントマークは目標部分間の領域に配置されていてもよい(スクライブラインアライメントマークとして公知である)。同様に、マスクMAに複数のダイがある場合には、マスクアライメントマークがダイ間に配置されてもよい。
リソグラフィ装置100、100’は以下のモードのうち少なくとも1つで使用することができる。
1.ステップモードにおいては、放射ビームBに付与されたパターンの全体が1回の照射で1つの目標部分Cに投影される間、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは実質的に静止状態とされる(すなわち1回の静的な露光)。そして基板テーブルWTがX方向及び/またはY方向に移動されて、異なる目標部分Cが露光される。
2.スキャンモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影される間、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期して走査される(すなわち1回の動的な露光)。支持構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影系PSの拡大(縮小)特性及び像反転特性により定められる。
3.別のモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影される間、支持構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラム可能パターニングデバイスを保持して実質的に静止状態とされ、基板テーブルWTは移動または走査される。パルス放射源SOが用いられ、プログラム可能パターニングデバイスは走査中に基板テーブルWTが移動するたびに、または連続するパルスとパルスの間に必要に応じて更新される。この動作モードは、本明細書のプログラム可能ミラーアレイなどのプログラム可能パターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに適用可能である。
上記のモードを組み合わせて動作させてもよいし、モードに変更を加えて動作させてもよく、さらに全く別のモードを用いてもよい。
本明細書ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用を例として説明しているが、リソグラフィ装置は他の用途にも適用することが可能であるものと理解されたい。他の用途としては、集積光学システム、磁区メモリ用案内パターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどがある。当業者であればこれらの他の適用に際して、本明細書における「ウェーハ」あるいは「ダイ」という用語がそれぞれ「基板」あるいは「目標部分」という、より一般的な用語と同義であるとみなされると理解することができるであろう。基板は露光前または露光後においてトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光後のレジストを現像する装置)、メトロロジツール、及び/またはインスペクションツールにより処理されてもよい。適用可能であれば、本明細書の開示はこれらのまたは他の基板処理装置にも適用され得る。また、基板は例えば多層ICを製造するために複数回処理されてもよく、その場合には本明細書における基板という用語は既に処理されている多数の処理層を含む基板をも意味する。
さらなる実施形態では、リソグラフィ装置100は、EUVリソグラフィのためのEUV放射ビームを生成する極紫外(EUV)光源を含む。一般に、EUV源は放射系(後述)に設けられ、対応する照明系はEUV源のEUV放射ビームを調整する。
B.例示的なEUVリソグラフィ装置
図2は、本発明の一実施形態に係るEUVリソグラフィ装置200を模式的に示す図である。図2において、EUVリソグラフィ装置100は、放射系42、照明光学ユニット44、及び投影系PSを含む。放射系42は、放電プラズマにより放射ビームが形成される放射源SOを含む。一実施形態においては、EUV放射は例えばXeガス、Li蒸気、またはSn蒸気等の気体または蒸気により生成される。この気体または蒸気中に高温プラズマが形成されてEUV領域の電磁放射スペクトルの放射が発せられる。この高温プラズマは、例えば放電により少なくとも部分的にイオン化されたプラズマを生成することにより形成される。効率的に放射を生成するためには、Xe、Li、Sn蒸気またはその他の適する気体または蒸気の例えば10Paの分圧が必要である。放射源SOが発する放射はソースチャンバ47からガスバリアまたは汚染物質トラップ49を通じてコレクタチャンバ48へと向かう。ガスバリアまたは汚染物質トラップ49は、ソースチャンバ47の開口またはその後方に配置されている。一実施例においてはガスバリア49はチャネル構造を含んでもよい。
コレクタチャンバ48は、斜入射型コレクタから形成される放射コレクタ50(コレクタミラーまたはコレクタとも呼ばれる)を含む。放射コレクタ50は、放射コレクタ上流側部50a及び放射コレクタ下流側部50bを有する。コレクタ50を通過した放射は格子スペクトルフィルタ51で反射され、コレクタチャンバ48の開口に位置する仮想的点源52に集束する。放射コレクタ50は当業者にとって公知である。
コレクタチャンバ48を出た放射ビーム56は、照明光学ユニット44において垂直入射リフレクタ53、54で反射され、レチクルテーブルまたはマスクテーブルMTに位置決めされたレチクルまたはマスク(図示せず)に入射する。パターンが付与されたビーム57が形成され、投影系PSにおいて反射素子58、59を介して基板(図示せず)に結像される。基板はウェーハステージまたは基板テーブルWTに支持されている。いくつかの実施例においては、照明光学ユニット44及び投影系PSは図2に示すよりも多い(または少ない)素子を含んでもよい。例えば、リソグラフィ装置の形式に応じて、格子スペクトルフィルタ51を設けてもよいし設けなくてもよい。一実施例においては、照明光学ユニット44及び投影系PSは図2に示すよりも多くのミラーを含んでもよい。例えば、投影系PSは、反射素子58、59に加えて1つ乃至4つの反射素子が組み込まれていてもよい。図2においては、参照番号180は2つのリフレクタ(例えばリフレクタ142、143)の間の空間を示している。
一実施例においては、コレクタミラー50は、斜入射ミラーに代えてまたは斜入射ミラーとともに、垂直入射コレクタを含んでもよい。また、コレクタミラー50としてリフレクタ142、143、146を有する入れ子状のコレクタを説明しているが、これはコレクタの一例に過ぎない。
また、図2に模式的に示される格子51に代えて、透過型の光学フィルタを用いてもよい。EUV透過型の光学フィルタは、UV放射の低透過光学フィルタまたはUV放射の実質的吸収光学フィルタと同様に、当業者に公知である。よって、本明細書における「格子スペクトルフィルタ」は、格子フィルタまたは透過フィルタを含む「分光フィルタ」をも指し示す。図2には示されていないが、EUV透過光学フィルタが追加されてもよい。EUV透過光学フィルタは例えば、コレクタミラー50の上流に設けられてもよいし、照明ユニット44及び/または投影系PSに設けられてもよい。
光学素子に関して「上流」「下流」という場合には、ある光学素子が別の1つまたは複数の光学素子に対し「光学的に上流」「光学的に下流」に位置することを示す。リソグラフィ装置200を通過する放射ビームの光路において、第2の光学素子よりもソースSOに近い第1の光学素子は第2の光学素子の上流に設けられていると言えるし、第2の光学素子は第1の光学素子の下流に設けられていると言える。例えば、コレクタミラー50は分光フィルタ51の上流に設けられており、光学素子53は分光フィルタ51の下流に設けられている。
図2に示される全ての光学素子(及び本実施例で模式的に図示されていないが追加可能である光学素子)は、ソースSOにより生成される汚染物質(例えばSn)の堆積に弱いおそれがある。特に放射コレクタ(及び分光フィルタ51がある場合にはそれも同様)において問題となり得る。このため、光学素子を清浄化するクリーニングデバイスが設けられ、光学素子に清浄化方法が適用されてもよい。垂直入射ミラー53、54及び反射素子58、59またはその他の光学素子(例えば追加されたミラー、格子等)にも清浄化方法が適用されてもよい。
放射コレクタ50が斜入射型コレクタである実施例においてコレクタ50は光軸Oに沿って配置されている。ソースSOまたはその像もまた光軸Oに沿って配置されていてもよい。放射コレクタ50は、リフレクタ142、143、146(「シェル」、または複数のWolter型リフレクタを含むWolter型リフレクタとしても知られる)を備えてもよい。リフレクタ142、143、146は入れ子状であり、光軸Oに関し回転対称である。図2において、内側のリフレクタを参照番号142で示し、中間のリフレクタを参照番号143で示し、外側のリフレクタを参照番号146で示す。放射コレクタ50は、ある体積(すなわち外側リフレクタ146の内部容積)を包囲する。通常は外側リフレクタ146の内部容積は円筒状に閉じられているが、小さい開口が複数あってもよい。
リフレクタ142、143、146それぞれの表面の少なくとも一部は、1つまたは複数の反射層である。このため、リフレクタ142、143、146(放射コレクタが4以上のリフレクタまたはシェルを有する実施例においては追加されたリフレクタも)の少なくとも一部は、ソースSOからのEUV放射を反射して集光するよう設計されている。また、リフレクタ142、143、146の少なくとも一部はEUV放射を反射及び集光しないように設計されている。これら反射層の表面にさらに保護用のキャップ層が設けられてもよい。キャップ層は反射層表面の少なくとも一部に光学フィルタとして設けられてもよい。
放射コレクタ50は、ソースSOまたはその像の近傍に配置されていてもよい。各リフレクタ142、143、146は、少なくとも2つの隣接する反射面を備えてもよい。ソースSOから遠い反射面は、ソースSOに近接する反射面に比べて光軸Oと小角度を有して配置されている。この構成により、斜入射型コレクタ50は、光軸Oに沿って伝播する(E)UV放射ビームを生成する。少なくとも2つのリフレクタが実質的に同軸に配置され、光軸Oに実質的に回転対称に延びている。なお、放射コレクタ50は、外側リフレクタ146の外表面または外側リフレクタ146の周囲に、例えば保護ホルダやヒータ等の更なる構成を備えてもよい。
本明細書に記載の実施例において、「レンズ」「レンズ素子」なる用語は文脈が許す限り、屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁的光学素子、及び静電的光学素子のいずれかまたは任意の組合せを示してもよい。
また、本明細書における「放射」及び「ビーム」なる用語は、(例えば365nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長λを有する)紫外(UV)放射、(例えば5乃至20nmの範囲に含まれる波長(例えば13.5nm)を有するか、5nm未満で作動する硬X線)極紫外(EUVまたは軟X線)放射を含むあらゆる電磁放射、及びイオンビームまたは電子ビーム等の粒子ビームを含む。一般に、780乃至3000nm(またはそれ以上)の間の波長を有する放射は赤外放射とみなされる。UVとはおよそ100乃至400nmの波長を有する放射をいう。リソグラフィにおいては水銀放電ランプにより生成される波長がしばしば用いられる。436nmのG線、405nmのH線、365nmのI線である。真空UV(VUV、つまり空気に吸収されるUV)とはおよそ100乃至200nmの波長を有する放射をいう。深紫外(DUV)とは一般に126から428nmの波長を有する放射をいう。一実施例においては、エキシマレーザが、リソグラフィ装置で使用されるDUV放射を生成可能である。なお、例えば約5乃至20nmの波長を有する放射とは約5乃至20nmの範囲の少なくとも一部のある波長域を有する放射を言うものと理解されたい。
III.真空環境用の改良されたリニアモータ
図3Aないし3Dは、従来のXYモータアセンブリを示す。図3AのXYモータアセンブリ300は、X磁気回路およびY磁気回路によって発生する高磁束領域内に配置された、2つのレーストラック形状の平坦なコイルを備える。XYモータコイルアセンブリ300は、封止されたコイルハウジングおよび冷却ジャケット301、冷却水マニホールド303、流出入接続部305、Oリング真空シール307、およびカバープレート309を備える。
XYモータコイルアセンブリ300のXコイルおよびYコイルはそれぞれ、2つの別個の区画を有する。上部Xモータコイル311と上部Yモータコイル315が図3Bに示されている。XコイルおよびYコイルのそれぞれの2つの別個の区画の間に、ステンレス鋼の水冷ジャケットが設けられている(図3Dにより詳細に示す)。さらに、XコイルおよびYコイルのそれぞれの2つの区画の外壁に、外側冷却ジャケットが使用される。中央冷却ジャケットと外側冷却ジャケットの組み合わせが、各コイル区画の両面を冷却する。図3Bは、上部Xコイルセンサ313も示している。XYモータアセンブリ300は複数のセンサを備えることができる。例えば、XYモータアセンブリ300は、XおよびYモータコイルの温度測定に使用される温度センサを備えることができる。これに加えてまたはこの代わりに、XYモータコイルアセンブリ300は、モータ温度を測定し、測定温度が予め定められた値を越えるとモータの動作を停止する安全センサを備えることができる。
外側冷却ジャケットは、封止されたコイルハウジング301を形成するコイルハウジング全体にろう付けおよび/または溶接される。コイルハウジング301のコイルハウジング表面は、電線および(流出入接続部305などの)冷却ホースが真空環境に出て行けるようにするOリングシール307を備える。
図3Dは、XYモータコイルアセンブリ300の断面図である。層309Aおよび309Bは、モータコイルアセンブリ300を封止するカバープレートである。一実施例によると、カバープレート309は炭化ケイ素(SiC)プレートで作られている。ハウジング321は、コイル323A、323Bと、グラスファイバー枠325A、325Bを備える。XYモータアセンブリ300の冷却板は、コイル323Aと323Bの間に位置する冷却板(上部シートおよび下部シート)と、コイル323A、323Bのそれぞれの外側部分に配置された冷却シートとを含む。例えば、銅で形成されてもよいコイル323Aは、冷却板(下部シート)327Aおよび冷却板(上部シート)329Bに機械的に接続される。コイル323Aは、埋め込み樹脂(potting compound)層331を用いて冷却板327Aと329Bに機械的に接続される。埋め込み樹脂層331は、XYモータの組み立て時に利用され、(1)コイルを冷却板とハウジングに機械的に接続し、(2)コイルから冷却板に熱を運び、(3)コイルの熱膨張に適合する層である。これらの機能は、XYモータ300の動作にとって重要である。特に、埋め込み樹脂層331の層が厚くなるほど適合性に優れるが熱伝導は劣り、埋め込み樹脂層331の層が薄いと、熱伝導にとって都合がよいが適合性は劣る。したがって、厳密に制御される必要がある熱挙動および機械的挙動の両方にとって最適である厚さの範囲は狭い。
コイル323Aと冷却板327A、329Bとの間の埋め込み樹脂層331の厚さは、XYモータアセンブリ300の全ての他の部品の寸法変動によって影響を受ける。この層は、機械的な観点および熱的な観点の両方で重要であり、変動の範囲は、製造されたモータのかなりの部分が熱要件を満足しないかまたは信頼性の問題が生じるような範囲である。従来の設計のモータは、埋め込み樹脂層が、用途に基づき最適化可能である決定論的な厚さを有することを許さなかった。その結果、XYモータアセンブリ300の名目熱抵抗はその限界に近づき過ぎであり、モータの概念設計によってその値が広く散らばっている。
さらに、XYモータアセンブリ300の内側と外側の間に存在する圧力差のために(内側の圧力は大気圧であるが、XYモータ300の外側は真空である)、埋め込み樹脂層331は一定の応力下にあり、これはXYモータアセンブリ300により多くの損傷と突発故障とを引き起こし得る。また、XYモータアセンブリ300の従来の設計では、(コイル323Aなどの)コイルを(冷却板327A、329Bなどの)冷却板に接続することが非常に困難であった。これは、コイルと冷却板の間の隙間の厚さが変動し予測不可能であることが原因である。埋め込み樹脂層331が少量であると、高い熱抵抗とホットスポットを生み出す空洞が生じる。埋め込み樹脂層331の層が薄いと、熱膨張に起因する応力が非常に高い点が生じ、XYモータアセンブリ300の信頼性を低下させる。他方、埋め込み樹脂層331が多過ぎると、溶接部位を汚染し漏れやすい溶接となる。
従来のモータ組み立てプロセスによると、冷却板327Aが例えばレーザ溶接を用いてハウジング321に溶接されていた。冷却板327Aの溶接は、最後の製造ステップのうちの1つであった。最後の製造ステップの1つとして冷却板327Aをハウジング321に溶接すると、電気絶縁が焼かれることが多く、したがってXYモータアセンブリ300が真空気密でなくなってしまっていた。何らかの理由で溶接が失敗すると、任意の部品を回収する可能性なしに、完全に組み立てられたモータが失われてしまっていた。
また、上述したように、従来の設計の別の制約は、従属部品のテスタビリティが非常に限られることであった。熱抵抗および機械的接着強度などの重要な特性の一部を、XYモータ300の製造過程の最後に測定し試験することができるに過ぎなかった。さらに、XYモータ300の従来の設計では、マニホールド303における水漏れがあり、突発的な故障が生じることがあった。
図4Aないし4Cは、例示的な実施形態によるXYモータの改良された組み立てを模式的に示す。この実施形態によると、XYモータの組み立ては、コア401およびハウジング403の製造、組み立ておよび試験を、別々に互いに独立して行うことからなる。コア401とハウジング403は、互いに別々に組み立てられ、コア401がハウジング403に包囲される前に、コア401とハウジング403が完全に試験される。
図5Aないし5Cにより詳細に示すように、コア401は、XYモータの機能部品の全てを含む。機能部品は例えばコイル、冷却板、センサなどであるが、これらに限定されない。コア401は真空に晒されることはなく、それ自体で完全に機能し、ハウジング403内に挿入される前に製造され試験される。
図4Bのハウジング403は外側が真空に晒され、コア401の挿入後にその内容積が封止される。ハウジング403は、コア401の電線および水の接続のための複数の供給口(図4Bには示さず)を備える。これらの供給口は、コア401の電線と水の接続後に封止される。ハウジング403は、例えば冷却流路などの能動部品を一切備えない。コア401とハウジング403の両方が製造され試験された後、図4Cに示すように、コア401がハウジング403内に挿入される。蓋407がハウジングに溶接および/またはろう付けされる。供給口が封止された後、ハウジング403を接着剤で充填することができる(図8により詳細に示す)。
図5Aないし5Cは、例示的な実施形態によるコア401の製造を示す。
図5Aは、様々な層が組み立てられるときのコア401の製造を示す。図5Aの例示的な実施形態では、コア401は、Xコイル上部構造519、Xコイル下部構造523、Yコイル上部構造517、およびYコイル下部構造525を備える。一実施例では、XコイルとYコイルは、平坦な銅線コイルを備えてもよい(図12Aないし12Dにより詳細に示す)。XコイルとYコイルは、冷却板501A、501Bおよび501C(まとめて冷却板501)の間に挟まれる。さらに、XおよびYコイルと冷却板との間に、熱伝導性エポキシ層513Aないし513D(まとめて熱伝導性エポキシ層513)が設置される。XおよびYコイルと冷却板との間にシム515が設置され(または別の方法で配置され)、コイルと冷却板の間の距離を定めるように構成される。
一実施形態によると、冷却板501Aは、ろう付け材料505を用いて互いにろう付けされる2つのステンレス鋼板503を備える。冷却板501Aは、冷却のために使用可能である、水接続部などの冷却流路507を備えてもよい。一実施例では、冷却板503は厚さ約0.6mmの310Sステンレス鋼板であってよく、ろう付け層505は厚さ約50−100μmであってもよい。しかしながら、本発明の実施形態はこれらの厚さに限定されず、他の材料および/または厚さを使用することができる。冷却板501Bと501Cは、冷却板501Aと同様の構造であっても異なる構造であってもよい。
熱伝導性エポキシ層513A−513Dは、XおよびYコイル519、523、517、525と冷却板501A−501Cとの間に設置される。熱伝導性エポキシ層513A−513Dは、XおよびYコイルを冷却板に機械的に接続する接着層であり、XおよびYコイルから出る熱を冷却板に放散するように構成される。一実施例では、熱伝導性エポキシ層513A−513Dは、厚さが約80μmであるエポテック(Epotek)7109−19熱伝導性エポキシ層であってもよい。しかしながら、本発明の実施形態はこれらの厚さおよび材料に限定されず、他の材料および/または厚さを使用することができる。
従来の設計のXYモータの欠点を克服するために、コア401は、XおよびYコイルと冷却板との間に位置づけされる(例えば、設置または別の方法で配置または挿入される)シム515を備え、コイルと冷却板との間の距離を定める。シム515は、コイルと冷却板との間の隙間を確定的に定め、そのため熱エポキシ層513の厚さを定める。各熱伝導性エポキシ層内に2つのシムのみが描かれているが、各エポキシ層内で任意の数のシムを使用することができると考えられる。シム515は、スペーサとして機能するが、任意の電気絶縁体材料で作成することができる。一実施例では、シム515をカプトン(Kapton)(登録商標)で作成することができる。
一実施例では、XおよびYコイルと冷却板との間の(シム515によって定まる)隙間の厚さは、各層でほぼ均等であってよい。代替的に、XおよびYコイルと冷却板との間の(シム515によって定まる)隙間の厚さが異なる厚さであってもよい。
図5Aに示すように、コア401は、XおよびYコイルを支持するように構成された複数のグラスファイバー枠521(まとめてグラスファイバー枠521)を備えてもよい。さらに、熱伝導性エポキシ層513と冷却板501との間のコア401内に、追加の層を備えることができる。例えば、熱伝導性エポキシ層513と冷却板501との間に、熱硬化性エポキシ接着層509およびカプトン層511を製造することができる。カプトン層511は電気絶縁体であり、一実施例では、それぞれが約25μmである2つの層で構成することができる。別の実施例では、熱硬化性エポキシ接着層509は約12μmの厚さであってもよい。しかしながら、本発明の実施形態はこれらの厚さに限定されず、他の材料および/または厚さを使用することができる。別の実施例によると、熱硬化性エポキシ接着層509およびカプトン層511を、それらがコア内に挿入される前に、カプトンのシートとして互いに接続することができる。カプトンシートは電気絶縁性であり、熱硬化性エポキシ接着層が接着材として機能し、カプトンシートが冷却板に接続される。
結果として、シム515を使用すると、有利なことにコイルと冷却板との間の距離を確定的に定めることができる。したがって、熱伝導性エポキシ層513の厚さが増加する(約0−150μmの間で変化する従来の設計と比較して、一実施例によると例えば約80μm)。厚さの増加は、特にコイルの熱膨張に起因する、例えばカプトン層511上の応力を制御することができ、したがってカプトンの剥離を回避することができる。さらに、シム515を使用すると、反復可能で確定的な熱伝導性エポキシ層513が得られる。したがって、コア401の熱抵抗とカプトン層511上の応力が反復可能かつ予測可能になり、XYモータの全体の性能がより一貫性のあるものになる。さらに、XYモータの熱挙動と機械的挙動とが分離される。熱伝導性エポキシ層513は、コアの熱挙動の原因であり、コア401とハウジング403との間の接着層(より詳細に後述する)は、他の全ての部品の機械公差の原因である。また、有利なことにXYモータの平均熱抵抗が低下する。
一実施例によると、冷却板501はそれぞれ約1.2mmの厚さであってもよく、熱硬化性エポキシ層509およびカプトン層511は(ともに)約0.07mmの厚さであってもよく、コイルとカプトン層511との間の隙間は例えば約0.08mmの厚さであってもよい。この実施例では、コイルの厚さはそれぞれ約4.1mmであってもよい。
図5Bは、一実施形態に係るコアの様々な層を個別に示す図である。図5Aの層に類似する層には同一の符号が付されている。加えて、図5Bには、冷却板501に水を出し入れするマニホールドとして使用される水接続部531が示されている。水接続部531は、ボルト533を用いて冷却板501および/または冷却流路535に締結される。この例示的実施形態によると、XYモータの従来の設計では少なくとも6つの水接続部があったのに対し、僅かに2つの水接続部が使用されている。これは、マニホールドの水漏れに対する設計を有利に改良する。従来設計によるXYモータは三つの冷却板を備え、それぞれの冷却板を水接続部の入口および出口に接続する必要がある。従来の設計は、水を出入りさせる別々の接続部が必要であり、したがって、全部で6つの接続部が存在する。このため、従来設計のモータでは、これら6つの接続のずれに適応するように特殊なマニホールドを設計する必要がある。これは非常に困難であり、一部のケースでは水漏れを生じることがある。しかしながら、本発明の実施形態によると、全ての冷却板が同一の水接続部531に接続される。また、水接続部531が冷却板に機械的にボルト留めされるので、従来設計のモータでの水漏れ問題が改善される。
加えて、図5Bには、コア401内に製造可能であるセンサ537が示されている。センサ537は、温度センサ、安全センサなどの幅広いセンサを含むことができる。
図5Cは、電気安全規則に準拠する、コア401の製造の別の例示的な実施形態を示す。図5Aに関して述べた層に加えて、図5Cのコアは、追加の熱硬化性エポキシ接着層541とカプトン層543とを備える。したがって、冷却板501の外側の層の上に、追加の熱硬化性エポキシ接着層541が追加され、追加のカプトン層543が熱硬化性エポキシ接着層541を覆う。有利なことに、図5Cの実施形態は、電気安全規則に準拠する。
エポキシ層の熱的性能と機械的性能の間にはトレードオフが存在することに注意するのが重要である。例えば、熱伝導エポキシは高い粘性を有することができ、したがって小さな隙間を通って流動しにくい。このトレードオフのために、熱の放散が重要である場所に、熱伝導性エポキシ層が設置されることが重要な設計検討である。モータ内のどこでも機械的強度が高いエポキシ層が使用される。本発明の実施形態に基づくXYモータの設計では、ハウジングからコアを分離することで、コア内で、コイルと冷却板との間に熱伝導エポキシを用いることが可能になる。ここは、熱の放散が非常に重要な場所である。さらに、コアを製造し、試験し、ハウジング内に挿入するとき、高い機械的特性を有する別のエポキシ接着剤を用いてハウジングを充填することができる。
さらに、コア内の熱伝導性エポキシ層とハウジング内の機械的強度が高いエポキシ層とが分離されるので、ハウジング内の機械的強度の高いエポキシ層を用いて、コア内の様々な層におけるあらゆる公差を補償することができる。コイルと冷却板との間に配置されるシムは、コイルと冷却板との間の距離を確定的に定めるので、熱伝導性エポキシ層の厚さを規定する。こうして、コイルと冷却板とがこのエポキシ層を用いて機械的に接続されるのみならず、エポキシ層の厚さが熱伝達に対して最適化される。コイルと冷却板との間の隙間をシムが設定するので、コアの他の層におけるあらゆる公差を、ハウジング内の機械的強度の高いエポキシ層を用いて補償することができる。
図6Aないし6Cは、一例示的実施形態に係るコア401の全体構造を示す。
一実施例では、コア401の冷却板601は、(例えばピン、ねじなどの)(上部冷却板と下部冷却板とを接続するための)機械的接続603と、モータ動作中の渦電流を制御するための切れ目611とを備える。従来設計によるXYモータでは、冷却板は、モータの他の部品と同様に、接着層のみに機械的に接続される。モータの内側と外側の間の圧力差のために、接着層における圧力は非常に大きい。しかしながら、この例示的実施形態の追加機械接続603は、有利なことに、圧力差に対するコア401の抵抗力を高めることができる。図6Aは、水接続部605、流出入接続部607、電線609をさらに示す。水接続部605は、流出入接続部607を使用して流出入管(図示せず)に接続されるように構成される。また、水接続部605は、(例えばボルトを使用して)冷却流路に機械的に接続される。図6Bにも示されている層621は、コイルの位置決めに使用されるグラスファイバー枠である。
図6Bは、冷却板601を取り除いた場合の例示的なコア401を示す。グラスファイバー枠621を用いてYコイル623とXコイル625を保持する。さらに、Yコイル623とXコイル626の上に設置されるシム627が図6Bに示されており、コイルと冷却板との間の隙間を定めるように構成されている。加えて、グラスファイバー枠621を用いてセンサ629を支持することができる。
図6Bは、グラスファイバー枠621上に組み立て可能なスペーサ631を示す。スペーサ631はグラスファイバー枠621の表面に立ち上がり、グラスファイバー枠621と冷却板(例えば冷却板601)との間に隙間を作り、熱伝導性エポキシ層がグラスファイバー枠621と冷却板との間で浮揚できるようにする。
図6Cは、この例示的実施形態に係るコア401の別の図を示す。ハウジング403とは別にコア401を組み立てることで、部分組み立てレベルでの試験性能を改善し、モータが完全に組み立てられる前に欠陥および故障が検出される。したがって、コアの従属部品のテスト容易性が向上する。一実施形態によると、部分組み立てプロセスを用いて、コアの重要部品、例えばコイル、カプトン、冷却板、センサ、接着層などを製造し組み立て、最後の統合の前にこれらを完全に試験することができる。試験は、コイルの容量、モータ定数、絶縁、熱抵抗、Hi−pot(高電位)、接着強度の引張試験、流量/圧力低下などを含むことができるが、これらに限定されない。
図7Aおよび7Bは、例示的実施形態に係るハウジング403の背面図および正面図である。この実施例では、ハウジング403は、コア401を包囲する本体701を備える。本体701は、複数の供給口703、705を備える。供給口703を用いてコア401の流出入接続部を通すことができる。加えて、供給口705を用いてコア401の電線を通すことができる。コア401の電線と流出入接続部とを配置した後に、複数の供給口703、705は封止される。
図8は、一例示的実施形態に係るハウジング403内のコア401の組み立てを示す。この実施例では、コア401の様々な層の組立は図5Aと類似している。加えて、図8は、コア401とハウジング403との間に設置される接着層801を示す。接着層801は、積み上げられた公差によって決まる機械的な強度の高い接着層であり、構造的機能のみを有する。したがって、図5Aにおけるシム515と熱伝導性エポキシ層513の使用により、接着層801は、XYモータの熱的特性と機械的特性とを効果的かつ有利に分離することができる。熱伝導性エポキシ層513は、コアの熱的特性の原因であり、接着層801は、他の全ての部品の機械公差の原因である。
一実施例によると、接着層801はそれぞれ約0.25mmの厚さであり、ハウジング403は約1mmの厚さであってもよい。この実施例では、組み立てられたコア401とハウジング403の厚さ(接着層801を含む)は、約15mmであってもよい。
開示された寸法は例として提供されており、限定として提供されていないことに注意する。他の寸法および範囲も、本発明の範囲内にあると考えられている。
図9Aないし9Eは、一例示的実施形態に係る、ハウジング403内へのコア401の組み付け過程と、組み立てられたXYモータの背面図、正面図および断面図を示す。
一実施例によると、コア401が(例えば図5Aないし5Cに示したように)組み立てられ試験された後、図9Aに示すようにコア401がハウジング403に挿入される。ハウジング403は、コア401が挿入される前に既に組み立てられ完全に試験されている。モータを接着剤で充填する前にハウジング403の本体に蓋407が溶接される。蓋407の溶接は、あらゆる精密/精巧な部品から離れた領域で実行される。したがって、コア401の精密部品を溶接で損傷してしまう可能性は、従来設計のXYモータと比べると非常に低い。さらに、接着剤を用いたモータの充填は、ハウジング403の本体への蓋407の溶接後に実行されるので、絶縁燃焼のリスクと同様に接着剤汚染問題も解決される。図9Bは、蓋407がハウジングの本体に溶接されたときの、ハウジング403内の組み立てられたコア401の模式図である。図9Cないし9Eは、ハウジング403内の組み立てられたコア401の背面図、正面図および断面図をそれぞれ示す。
図10Aおよび10Bは、一実施形態に係るXYモータの製造および組み立ての例示的なプロセス1000のフローチャートである。
ステップ1001で、複数の冷却板の間に複数の電気コイルが位置決めされる(例えば、設置または他の方法で配置または挿入される)。ステップ1001の一例が図5Bに示されており、ここでは複数のコイル(Xコイル519、523とYコイル517、525)が冷却板501の間に位置づけられる。この実施例では、従属部品(電気コイルおよび冷却板)が前もって製造されている。一実施形態によると、冷却板は、互いにろう付けおよび/または溶接されたステンレス鋼板、水路および/または冷却流路、および/または水接続部(冷却板および/または冷却流路とボルト留めされる)を備えることができる。別の実施形態では、ステップ1001において、複数のグラスファイバー枠(例えば図5Aの枠521)を電気コイルの間に配置してコイルを支持することができる。
ステップ1003で、複数の電気コイルと複数の冷却板との間に複数の熱伝導性エポキシ層(例えば図5Bの層513)が配置される。
ステップ1005で、熱伝導性エポキシ層と冷却板との間に複数のカプトン層(例えば図5Bのカプトン層511)が配置される。さらに、ステップ1007で、カプトン層と冷却板との間に複数の熱硬化性エポキシ層(例えば図5Aの層509)が配置される。
ステップ1009で、複数の電気コイルと複数の冷却板との間に複数のシム(例えば図5Bのシム515)が配置され、コイルと冷却板の間の確定的な距離(および/または複数の確定的な距離)を定める。ステップ1011および1013で、熱伝導性エポキシ層と熱硬化性エポキシ接着層が硬化される。
当業者にとって周知のように、上述したコアの製造プロセスのステップはこの順序に限られず、異なる順序で実行することができることに注意する。
また、図10Aおよび10Bには示されていないが、XYモータの動作に不可欠な他の部品を製造しコアに組み付けることができる。例えば、1つ以上のセンサ、水マニホールド、電気配線などを、プロセス100の一部としてコアに組み付けることができる。
コアが完全に組み立てられた後、ステップ1015でコアが試験される。試験には、Hi−pot試験、漏れ試験、熱抵抗試験などを含むことができるが、これらに限定されない。したがって、コアをハウジング内に挿入する前に、コアを組み立てて試験することができる。
ステップ1017で、組み立てられ試験されたコアがハウジング内に位置づけられる。プロセス1000には示されていないが、コアがハウジング内に挿入される前に、ハウジングは既に組み立てられ、溶接され、試験されている。一実施例では、ハウジングはチタン製である。高速硬化型エポキシの液滴を用いてハウジング内のコアの位置を保持することができる。ステップ1017の一部として、コイルの電線とコアのセンサ、および/または流出入水接続部がハウジングの供給口に通され、全ての接続が試験される。また、一実施例によると、グラスファイバー枠をコアの背後の空の空間に挿入してワイヤを適所に保持するとともに、空間を充填するのに必要な接着剤の量を削減することができる。
ステップ1019で、ハウジング内にコアを挿入した場所であるハウジング本体の背面にハウジングの蓋が取り付けられる(例えば、溶接および/またはろう付けされる)。ステップ1021で、(例えば電線および/または流出入水接続部のために使用された)ハウジングの供給口が接着剤で封止され、この結果ハウジングが外界から隔絶される
ステップ1023で、ハウジング内に1つ以上の接着層が塗布(例えば注入)され硬化される。一実施例では、1つ以上の接着層は任意の接着剤であってよい(接着層は熱伝導性である必要はないが、隙間を充填するように低粘度であることが好ましい)。
図11Aは、従来設計と本発明の実施形態の設計とで、Xコイル、YコイルおよびZコイルの運転温度を比較したグラフである。
例えば、グラフ1101および1105は、従来設計と本発明の設計でのXコイルの運転温度の範囲をそれぞれ表している。これらは、様々な層の公差に基づき運転温度の範囲が異なることを示している。さらに、1103および1107は、従来設計と本発明の設計でのXコイルの名目運転温度をそれぞれ表している。本発明の実施形態による改良によって、Xコイルの名目運転温度が低下していることに注意する。
同様に、グラフ1109および1113は、従来設計と本発明の設計でのYコイルの運転温度の範囲をそれぞれ表している。さらに、1111および1115は、従来設計と本発明の設計でのYコイルの名目運転温度をそれぞれ表している。したがって、本発明の実施形態による改良によって、Yコイルの名目運転温度が低下している。
同様に、グラフ1117および1121は、従来設計と本発明の設計でのZコイルの運転温度の範囲をそれぞれ表している(Zコイルコアの設計の改良についてはより詳細に後述する)。さらに、1119および1123は、従来設計と本発明の設計でのZコイルの名目運転温度をそれぞれ表している。したがって、本発明の実施形態による改良によって、Zコイルの名目運転温度が低下している。また、1125および1127は最大運転温度を表す。
図11Bは、従来設計と本発明の実施形態の設計とで、Xコイル、YコイルおよびZコイルの熱抵抗を比較したグラフである。
例えば、グラフ1131および1135は、従来設計と本発明の設計でのXコイルの熱抵抗の範囲をそれぞれ表している。さらに、1133および1137は、従来設計と本発明の設計でのXコイルの名目熱抵抗をそれぞれ表している。本発明の実施形態による改良によって、Xコイルの熱抵抗が低下していることに注意する。
同様に、グラフ1139および1143は、従来設計と本発明の設計でのYコイルの熱抵抗の範囲をそれぞれ表している。さらに、1141および1145は、従来設計と本発明の設計でのYコイルの名目熱抵抗をそれぞれ表している。したがって、本発明の実施形態による改良によって、Yコイルの名目熱抵抗が低下している。
同様に、グラフ1147および1151は、従来設計と本発明の設計でのZコイルの熱抵抗の範囲をそれぞれ表している。さらに、1149および1153は、従来設計と本発明の設計でのZコイルの名目熱抵抗をそれぞれ表している。したがって、本発明の実施形態による改良によって、Zコイルの名目熱抵抗が低下している。また、1155および1157は熱抵抗の限度を表す。
図11Cないし11Eは、Y加速度および/または熱抵抗が変化するときの、平均X、Y、Zモータ温度をそれぞれ表す。
図12Aないし12Dは、一例示的実施形態に係る、YおよびX平坦ワイヤコイル設計の例示的実施形態を示す。
図12Aおよび12Bは、Y平坦ワイヤコイルのワイヤ断面および平坦ワイヤコイル設計を示す。Y平坦ワイヤコイルの一例示的実施形態によると、ワイヤ幅が約100μmであり、ワイヤ高さが約2−2.005mmであり、ワイヤの断面積が約2−2.005mmであり、ワイヤの絶縁体の厚さが約10μmであってよい。この例示的実施形態によると、巻数が約466回であり、サブコイルの数が2つであり、サブコイル当たりの巻数が約233回である。この実施例では、サブコイル厚さが約2.025mmであり、サブコイル間の隙間が約0.1mmであり、コイル幅が約27.96mmであり、コイルの全高が約4.15mmであり、コイルの抵抗が約11.6Ωであってよい。
図12Cおよび12Dは、X平坦ワイヤコイルのワイヤ断面および平坦ワイヤコイル設計を示す。X平坦ワイヤコイルの一例示的実施形態によると、ワイヤ幅が約140μmであり、ワイヤ高さが約0.9−0.93mmであり、ワイヤの断面積が約0.126−0.1302mmであり、ワイヤの絶縁体の厚さが約10μmであってよい。この例示的実施形態によると、巻数が約180回であり、サブコイルの数が4つであり、サブコイル当たりの巻数が約45回である。この実施例では、サブコイル厚さが約0.95mmであり、サブコイル間の隙間が約0.1mmであり、コイル幅が約7.2mmであり、コイルの全高が約4.1mmであり、コイルの抵抗が約3.2Ωであってよい。
図13Aおよび13Bは、従来設計と本発明の実施形態による設計とで、X、Y、Zコイルの様々な層に沿った温度分布をそれぞれ示す。
より詳細には、図13Aは、従来設計のX、Y、Zコイルに対する、水、冷却板(316L)、空気、熱硬化性エポキシ接着層、カプトン層、熱伝導性エポキシ層およびコイルなどの層の温度を表す。また、図13Bは、本発明の実施形態による設計のX、Y、Zコイルに対する、水、冷却板(316L)、空気、熱硬化性エポキシ接着層、カプトン層、熱伝導性エポキシ層およびコイルなどの層の温度を表す。本発明の実施形態による設計は、X、Y、Zコイルのコイル運転温度を低下させることができる点に注意すべきである。
図14Aないし14Cは、本発明の例示的実施形態に係るZモータの設計の改良をさらに示す。
図14Aの実施例によると、Zモータ1400の設計は、従来設計のZモータで現行使用されている丸いコイルの代わりに平坦なワイヤコイル1401を備える。図14Aに示すように、Zコイル1401は、2つの冷却板1403Aと1403B(まとめて冷却板1403と呼ぶ)の間に配置される。一実施例では、冷却板1403は、ろう付け材料を用いて互いにろう付けされた2つ以上のステンレス鋼板を備えてもよい。また、冷却板1403は冷却流路1411を備えてもよい。冷却板1403は、Zモータ1400のハウジング構造の一部である。図14Aに示すように、Zモータ1400のハウジング構造は2つの区画を備えてもよい。すなわち、冷却板1403Aを含む第1区画と、冷却板1403Bを含む第2区画である。ハウジング構造のこれら2つの区画は、1413で互いにろう付けされている。
一実施例では、冷却板1403とZコイル1401との間に、二層の熱伝導性エポキシ1405Aと1405B(まとめて熱伝導性エポキシ層1405と呼ぶ)が挿入される。グラスファイバー枠1415をZモータ1400内に配置して、Zコイル1401を支持することができる。一実施形態によると、熱伝導性エポキシ層1405と冷却板1403との間に、熱硬化性エポキシ接着層1409A、1409Bと、カプトン層1407A、1407Bとがさらに挿入される。一実施例では、カプトン層1407A、1407Bがそれぞれ二層のカプトンを備えてもよい。
図14Aに示された改良により、熱伝導性エポキシ層1405の厚さを増加することができる。一実施例では、厚さを80−200μmに増加することができる。さらに、図14Aの実施形態により、平均熱抵抗を低減することができる。加えて、コイルの抵抗が低下し、それゆえ発生する熱も場合によっては約25%低下する。また、図14Aの設計は、(図5Cに示したように)電気安全規則に準拠させることができる。一実施例では、図14Aの設計の熱抵抗が、1つのカプトン層を有する従来設計の0.54K/W、2つのカプトン層を有する従来設計の0.65K/Wと比較して、約0.55K/Wであってもよい。この実施例では、コイルの抵抗が、従来設計の10Ωと比較して約8.3Ωであってもよい。また、動作温度は、従来設計の64Cと比較して約56Cであってもよい。
一実施例によると、Zコイル1401の厚さが約4.55mmであり、カプトン層1407と熱硬化性エポキシ層1409は共に約0.07mmの厚さであり、Zコイル1401と冷却カプトン層1407(熱硬化性エポキシ層1405によって充填される)との間の隙間が約0.15mmである。この実施例では、冷却板1403の厚さが約1.5mmである。したがって、この実施例によると、Zモータ1400の厚さは約8mmである。しかしながら、Zモータ1400の設計に対して他の大きさを使用することができると考えられる。
図14Bは、さらに改良されたZモータ1420を有する本発明の別の例示的実施形態を示す。図14BのZモータ1420および図14AのZモータ1400における同様の層には同じ符号が付されている。平坦ワイヤZコイル1401を使用することに加えて、図14Bの実施形態は確定的でない接着層1421を備えており、したがって冷却板1403Bが浮動(floating)冷却板として機能する。
また、図14Bの熱伝導性エポキシ層1405は、確定的な熱伝導性エポキシ層であることに注意する。そのため、冷却板1403とZコイル1401との間にシム(図示せず)が配置され、熱伝導性エポキシ層1405の厚さを確定的に決定する。したがって、Zコイル1401と上部冷却板1403Aとの間の距離、およびZコイル1401と浮動冷却板1403Bとの間の距離を制御することができる。図14Bの実施形態では、冷却板1403Aがハウジング構造の一部である。しかしながら、浮動冷却板1403Bはハウジング構造の一部ではない。代わりに、ハウジングを閉じるのに蓋1425が使用される。Zモータ1420の下部にのみ非確定的な接着層1421が挿入され、様々な層における公差を補償するのにこの層を使用することができる。
図14Aの実施形態と同様の改良が、図14Bの設計によって達成される。また、図14Bの実施形態は、部分組み立てレベルでのモータ試験性能を改善して、モータが完全に組み立てられる前に欠陥および故障を検出することができるので、従属部品のテスト容易性が向上する。さらに、図14Bの設計は、溶接領域の溶接汚染とカプトン層への熱損傷とを軽減する。一実施例では、図14Bの設計の熱抵抗は、1つのカプトン層を有する従来設計の0.54K/W、2つのカプトン層を有する従来設計の0.65K/Wと比較して、約0.46K/Wであってもよい。この実施例では、コイルの抵抗が、従来設計の10Ωと比較して約8.3Ωであってもよい。また、動作温度は、従来設計の64Cと比較して約51Cであってもよい。
一実施例によると、図14BのZコイル1401の厚さが約4.55mmであり、カプトン層1407と熱硬化性エポキシ層1409は共に約0.07mmの厚さであり、Zコイル1401と冷却カプトン層1407(熱硬化性エポキシ層1405によって充填される)との間の隙間が約0.08mmである。この実施例では、冷却板1403の厚さが約1.2mmであり、蓋1425の厚さが約0.5mmであり、非確定的な層1421の厚さが約0.2mmである。したがって、この実施例によると、Zモータ1420の厚さは約8mmである。しかしながら、Zモータ1420の設計に対して他の大きさを使用することができると考えられる。
図14Cは、さらに改良されたZモータ1440を有する本発明の別の例示的実施形態を示す。Zモータ1440の設計では、Zコイル1401の厚さが増加しており、その結果、Zモータ1440により発生する熱が減少する。Zコイル1401が大きくなるほど銅の量が多くなり、抵抗が減少する。
一実施例によると、図14CのZコイル1401の厚さが約5mmであり、カプトン層1407と熱硬化性エポキシ層1409は共に約0.07mmの厚さであり、Zコイル1401と冷却カプトン層1407(熱硬化性エポキシ層1405によって充填される)との間の隙間が約0.2mmである。この実施例では、冷却板1403の厚さが約1.2mmである。したがって、この実施例によると、Zモータ1420の厚さは約8mmである。しかしながら、Zモータ1440の設計に対して他の大きさを使用することができると考えられる。
この実施例では、Zモータ1440の熱抵抗が、1つのカプトン層を有する従来設計の0.54K/W、2つのカプトン層を有する従来設計の0.65K/Wと比較して、約0.61K/Wであってもよい。この実施例では、コイルの抵抗が、従来設計の10Ωと比較して約7.5Ωであってもよい。また、動作温度は、従来設計の64Cと比較して約57Cであってもよい。
IV.結語
「発明の概要」および「要約」の部分ではなく、「発明を実施するための形態」が特許請求の範囲の解釈に使用されるよう意図されていることが認められるべきである。「発明の概要」および「要約」の部分は、発明者によって考案された本発明の実施形態のうち1つまたは複数について述べているが、全ての例示的な実施形態について述べている訳ではない。したがって、本発明および添付の特許請求の範囲をいかなる方法によっても限定する意図はない。
特定の機能および関係の実現を例証する機能的な構成要素の助けを用いて本発明を説明してきた。これらの機能的な構成要素の境界は、説明の便宜上、適宜定義されている。それらの特別な機能および関係が適切に実行される限り、別の境界も定義することができる。
特定の実施形態についての上記説明は本発明の一般的性質を完全に公開しており、したがって、当分野の能力に含まれる知識を適用することによって、過度の実験をすることなく、および本発明の一般概念から逸脱することなく、種々の応用に対してそのような特定の実施形態を直ちに修正しおよび/または適応させることができる。したがって、そのような修正および適応は、本書に提示された教示および助言に基づき、開示された実施形態の意義および等価物の範囲内であると意図されている。本書の言葉遣いおよび専門用語は説明を目的としており限定のためではなく、本明細書の言葉遣いおよび専門用語は教示および助言を考慮して当業者によって解釈されるべきものであることが理解されるべきである。
本発明の広がりおよび範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物にしたがってのみ規定されるべきである。

Claims (15)

  1. 複数の冷却板と、
    前記複数の冷却板の間に挟まれた複数の電気コイルと、
    前記複数の電気コイルと前記複数の冷却板との間に位置する複数の熱伝導性エポキシ層と、
    前記複数の電気コイルと前記複数の冷却板との間に設置されそれらの間の距離を定める複数のシムと、
    を備えるコアと、
    前記コアと組み付けられるハウジングであって、前記コアを包囲するように構成され、本体と複数の供給口と蓋とを備えるハウジングと、
    を備えることを特徴とするシステム。
  2. 前記複数の熱伝導性エポキシ層と前記複数の冷却板との間に設置される複数のカプトン(登録商標)層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  3. 前記複数のカプトン層が、複数の熱硬化性エポキシ接着層を用いて前記複数の冷却板に機械的に接続されることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  4. 前記コアが複数のセンサをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  5. 前記複数のセンサが、
    前記コアの温度を測定するように構成された複数の温度センサと、
    前記コアの温度がしきい値を越えるときに前記システムの動作を停止するように構成された複数の安全センサと、
    をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
  6. 前記複数の電気コイルが、少なくとも1つのXコイルと少なくとも1つのYコイルとを備え、XコイルとYコイルのそれぞれが上部構造と下部構造とを有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  7. 前記ハウジングと前記コアとの間に設置される複数の接着層と、
    前記ハウジング内で前記コアと前記蓋との間に設置される充填片と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  8. 前記ハウジングと前記コアとの間に設置される複数の接着層が、機械的強度の高いエポキシ層であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  9. 前記ハウジングの前記複数の供給口が、コアの電線と水接続部のための供給口を含み、前記複数の供給口が封止されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  10. 前記複数の冷却板が、
    互いにろう付けされた複数のステンレス鋼板と、
    複数の冷却流路と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  11. 前記複数の電気コイルと前記複数の冷却板との間の距離が、前記複数の電気コイルと前記複数の冷却板との間の様々な場所で異なる距離であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  12. 複数の冷却板の間に複数の電気コイルを配置し、
    前記複数の電気コイルと前記複数の冷却板との間に複数の熱伝導性エポキシ層を配置し、
    前記複数の電気コイルと前記複数の冷却板との間に複数のシムを配置してそれらの間の距離を決定し、
    前記複数の熱伝導性エポキシ層を硬化すること
    を含む、コアの組み立てと、
    前記コアをハウジング内に挿入することを含む、モータの製造方法であって、
    前記ハウジング内に挿入する前に前記コア試験することを特徴とするモータの製造方法。
  13. 前記コアの組み立てが、前記複数の熱伝導性エポキシ層と前記複数の冷却板との間に複数のカプトン層を配置することをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記複数のカプトン層が、複数の熱硬化性エポキシ接着層を用いて前記複数の冷却板に機械的に接続されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 放射ビームを供給する照明システムと、
    前記放射ビームの断面にパターンを付与するパターニングデバイスを支持する支持構造と、
    基板を保持する基板テーブルと、
    前記基板の目標部分上にパターン付与された放射ビームを投影する投影システムと、
    複数の冷却板と、
    前記複数の冷却板の間に挟まれた複数の電気コイルと、
    前記複数の電気コイルと前記複数の冷却板との間に位置する複数の熱伝導性エポキシ層と、
    前記複数の電気コイルと前記複数の冷却板との間に設置されそれらの間の距離を定める複数のシムと、
    を有するコアと、前記コアと組み付けられるハウジングであって、前記コアを包囲するように構成され、本体と複数の供給口と蓋とを備えるハウジングと、を備えるモータと、
    を備えることを特徴とするリソグラフィ装置。
JP2011287539A 2011-01-04 2011-12-28 真空環境用のリニアモータシステムおよびその設計方法 Active JP5973724B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201161429672P 2011-01-04 2011-01-04
US61/429,672 2011-01-04

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012143143A JP2012143143A (ja) 2012-07-26
JP5973724B2 true JP5973724B2 (ja) 2016-08-23

Family

ID=46380502

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011287539A Active JP5973724B2 (ja) 2011-01-04 2011-12-28 真空環境用のリニアモータシステムおよびその設計方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8885148B2 (ja)
JP (1) JP5973724B2 (ja)
CN (1) CN102594084B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4312351A1 (en) * 2022-07-28 2024-01-31 Airbus Operations, S.L.U. Improved internal cooling systems for e-machines

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102012213070A1 (de) * 2012-07-25 2014-01-30 Siemens Aktiengesellschaft Kühlmantel mit einem Dichtmittel
JP6166926B2 (ja) * 2013-03-26 2017-07-19 山洋電気株式会社 リニアモータ
JP6082646B2 (ja) * 2013-04-25 2017-02-15 山洋電気株式会社 軸回転型リニアモータ、および軸回転型リニアモータユニット
EP3324521B1 (de) * 2016-11-16 2020-04-15 Etel S. A.. Kühlplatte für einen linearmotor
DE102016122612A1 (de) * 2016-11-23 2018-05-24 Kessler energy GmbH Motorkomponente, Primärteil und Linearmotor
KR102243882B1 (ko) * 2017-05-26 2021-04-23 에이에스엠엘 네델란즈 비.브이. 액츄에이터, 선형 모터 및 리소그래피 장치

Family Cites Families (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5302836A (en) 1992-07-16 1994-04-12 Bernard Siu High speed image acquisition for microelectronics inspection
US6084319A (en) * 1996-10-16 2000-07-04 Canon Kabushiki Kaisha Linear motor, and stage device and exposure apparatus provided with the same
JP3278380B2 (ja) * 1997-03-06 2002-04-30 キヤノン株式会社 リニアモータ
US6264439B1 (en) * 1998-06-18 2001-07-24 Wilson Greatbatch Ltd. Low power electromagnetic pump
US6555828B1 (en) 1998-11-17 2003-04-29 The Regents Of The University Of California Method and apparatus for inspecting reflection masks for defects
US6271606B1 (en) 1999-12-23 2001-08-07 Nikon Corporation Driving motors attached to a stage that are magnetically coupled through a chamber
JP3459979B2 (ja) * 2000-03-29 2003-10-27 住友重機械工業株式会社 コイル冷却ジャケットのシール構造
US6603542B1 (en) 2000-06-14 2003-08-05 Qc Optics, Inc. High sensitivity optical inspection system and method for detecting flaws on a diffractive surface
US6583597B2 (en) 2000-07-07 2003-06-24 Nikon Corporation Stage apparatus including non-containing gas bearings and microlithography apparatus comprising same
JP2002176761A (ja) * 2000-12-08 2002-06-21 Canon Inc リニアモータ及び該リニアモータを用いた露光装置
JP4689058B2 (ja) * 2001-02-16 2011-05-25 キヤノン株式会社 リニアモータ、ステージ装置および露光装置ならびにデバイス製造方法
JP2003172709A (ja) 2001-12-06 2003-06-20 Asia Electronics Inc 検査装置
JP3809381B2 (ja) 2002-01-28 2006-08-16 キヤノン株式会社 リニアモータ、ステージ装置、露光装置及びデバイス製造方法
JP2004023960A (ja) * 2002-06-19 2004-01-22 Nikon Corp リニアモータ装置、ステージ装置及び露光装置
JP2004180361A (ja) * 2002-11-25 2004-06-24 Nikon Corp リニアモータ及びリニアモータ製造方法及びステージ装置並びに露光装置
DE10330005B4 (de) 2003-07-03 2006-12-21 Leica Microsystems Semiconductor Gmbh Vorrichtung zur Inspektion eines Wafers
JP4266740B2 (ja) * 2003-07-28 2009-05-20 株式会社ソディック コアレス交流リニアモータ
JP4474151B2 (ja) * 2003-11-28 2010-06-02 キヤノン株式会社 モータおよびそれを用いた露光装置ならびにデバイス製造方法
JP4386807B2 (ja) * 2004-07-29 2009-12-16 富士通コンポーネント株式会社 触覚パネル
DE102006030611A1 (de) 2006-07-03 2008-01-10 Siemens Ag Primärteil für einen elektrischen Linearmotor
DE102006061360A1 (de) * 2006-12-22 2008-06-26 Futech Gmbh Wärmedämmendes Verglasungselement, dessen Herstellung und Verwendung
CN201051707Y (zh) * 2007-04-19 2008-04-23 深圳市大族精密机电有限公司 直线电机
JP2010178560A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Yokogawa Electric Corp 平面モータ
DE102009015903A1 (de) 2009-04-01 2010-10-07 Robert Bosch Gmbh Primärteil für einen Linearmotor sowie Verfahren zu dessen Herstellung
US9176072B2 (en) 2009-07-22 2015-11-03 Kla-Tencor Corporation Dark field inspection system with ring illumination
US20130164687A1 (en) * 2011-06-30 2013-06-27 Michael B. Binnard Hybrid cooling and thermal shield for electromagnetic actuators
US8922068B2 (en) * 2011-07-11 2014-12-30 Baldor Electric Company Linear drive motor with improved bearing system
US8791608B2 (en) * 2011-07-11 2014-07-29 Baldor Electric Company Primary for linear drive motor with solid steel stacks
US20130069449A1 (en) * 2011-09-15 2013-03-21 Nikon Corporation Modular coil arrays for planar and linear motors

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4312351A1 (en) * 2022-07-28 2024-01-31 Airbus Operations, S.L.U. Improved internal cooling systems for e-machines

Also Published As

Publication number Publication date
CN102594084A (zh) 2012-07-18
US20120170016A1 (en) 2012-07-05
CN102594084B (zh) 2016-03-16
JP2012143143A (ja) 2012-07-26
US8885148B2 (en) 2014-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5973724B2 (ja) 真空環境用のリニアモータシステムおよびその設計方法
USRE49066E1 (en) Chucks and clamps for holding objects of a lithographic apparatus and methods for controlling a temperature of an object held by a clamp of a lithographic apparatus
US7247866B2 (en) Contamination barrier with expandable lamellas
US8817229B2 (en) Method of cooling an optical element, lithographic apparatus and method for manufacturing a device
US7332731B2 (en) Radiation system and lithographic apparatus
US6630984B2 (en) Lithographic apparatus, device manufacturing method, and device manufactured thereby
JP2005203754A (ja) リソグラフィ装置及びデバイス製造方法
US7233009B2 (en) Lithographic projection apparatus and reflector assembly for use therein
KR20150143802A (ko) 방사선 수집기, 냉각 시스템 및 리소그래피 장치
US8982317B2 (en) Cooling of actuator coils
EP1522892B1 (en) Lithographic apparatus and device manufacturing method
EP1548503B1 (en) Lithographic apparatus
EP1178357A1 (en) Lithographic apparatus
WO2015144370A1 (en) Housing for an array of densely spaced components and associated manufacturing method
KR20100121677A (ko) 자석을 포함하는 리소그래피 장치, 리소그래피 장치에서 자석의 보호를 위한 방법, 및 디바이스 제조 방법
US9778574B2 (en) Apparatus, a device and a device manufacturing method
EP3137944B1 (en) Lithographic apparatus and device manufacturing method
NL2006623A (en) System and method for design of linear motor for vacuum environment.

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160715

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5973724

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250