<第1実施例>
図1を参照して、携帯電話機10は、携帯端末の一種であり、コンピュータまたはCPUと呼ばれるプロセッサ24を含む。また、プロセッサ24には、無線通信回路14、A/D変換器16、D/A変換器20、キー入力装置26、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34、タッチパネル制御回路36およびカメラ制御回路40などが接続される。
無線通信回路14にはアンテナ12が接続される。A/D変換器16にはマイク18が接続され、D/A変換器20にはスピーカ22が接続される。表示ドライバ28にはディスプレイ30が接続される。タッチパネル制御回路36にはタッチパネル38が接続される。そして、カメラ制御回路40にはイメージセンサ42およびフォーカスレンズ44が接続される。
プロセッサ24は携帯電話機10の全体制御を司る。RAM34は、プロセッサ24の作業領域(描画領域を含む)ないしバッファ領域として用いられる。フラッシュメモリ32には、携帯電話機10の文字、画像、音声、音および映像のようなコンテンツのデータが記録される。
A/D変換器16は、当該A/D変換器16に接続されたマイク18を通して入力される音声ないし音についてのアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換する。D/A変換器20は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換(復号)して、図示しないアンプを介してスピーカ22に与える。したがって、アナログ音声信号に対応する音声ないし音がスピーカ22から出力される。また、プロセッサ24は、アンプの増幅率を制御することで、スピーカ22から出力される音声の音量を調整することができる。
キー入力装置26は操作部と呼ばれ、通話キー26a、メニューキー26bおよび終話キー26cなどを含む。また、使用者が操作したキーの情報(キーデータ)はプロセッサ24に入力される。さらに、キー入力装置26に含まれる各キーが操作されると、クリック音が鳴る。したがって、使用者は、クリック音を聞くことで、キー操作に対する操作感を得ることができる。
表示ドライバ28は、プロセッサ24の指示の下、当該表示ドライバ28に接続されたディスプレイ30の表示を制御する。また、表示ドライバ28は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリ(図示せず)を含む。なお、ディスプレイ30は表示部と呼ばれることもある。
タッチパネル38は、指などの物体が表面に接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する静電容量方式で、たとえば1本または複数本の指がタッチパネル38に触れたことを検出する。また、タッチパネル38は、ディスプレイ30の上に設けられ、その画面内で、任意の位置を指示するためのポインティングデバイスである。検出部として機能するタッチパネル制御回路36は、タッチパネル38のタッチ範囲内で、押したり、撫でたり、触られたりするタッチ操作を検出し、そのタッチ操作の位置を示す座標のデータをプロセッサ24に出力する。つまり、使用者は、タッチパネル38の表面を指で、押したり、撫でたり、触れたりすることによって、操作の方向や図形などを携帯電話機10に入力することができる。
ここで、使用者がタッチパネル36の上面を指で触れる操作を「タッチ」と言うことに
する。一方、タッチパネル36から指を離す操作を「リリース」と言うことにする。また、タッチパネル36の表面を撫でる操作を「スライド」と言い、タッチした後にスライドし、リリースする操作を「タッチスライド」と言うことにする。さらに、使用者がタッチパネル38をタッチして、続けてリリースする操作を「タッチアンドリリース」と言うことにする。そして、「タッチ操作」には、上記したタッチ、リリース、スライド、タッチスライドおよびタッチアンドリリースなどのタッチパネル36に対して行う操作が含まれる。
また、タッチによって示された座標を「タッチ点」(タッチ開始位置)、リリースによって示された座標を「リリース点」(タッチ終了位置)と言うことにする。
なお、タッチ操作は指だけに限らず、導電体が先端に取り付けられたタッチペンなどによって行われてもよい。また、タッチパネル38の検出方式には、表面型の静電容量方式が採用されてもよいし、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式および電磁誘導方式などであってもよい。
カメラ制御回路40は、携帯電話機10で静止画像または動画像を撮影するための回路である。たとえば、キー入力装置26に対してカメラ機能を実行する操作が行われると、プロセッサ24はカメラ機能を実行して、カメラ制御回路40を起動する。なお、カメラ制御回路40、イメージセンサ42およびフォーカスレンズ44は、まとめてカメラモジュールとして機能する。
イメージセンサ42の撮像エリアには、SXGA(1280×1024画素)に対応する受光素子が表示されている。そのため、たとえば、被写体の光学像はイメージセンサ42に照射され、撮像エリアでは光電変換によって、被写体の光学像に対応する電荷つまりSXGAの生画像信号が生成される。なお、使用者は、画像データのサイズ(画素数)を、SXGAの他に、XGA(1024×768画素)およびVGA(640×480画素)などに変更することができる。
カメラ機能が実行されると、被写体のリアルタイム動画像つまりスルー画像(プレビュー画像)をディスプレイ30に表示するべく、プロセッサ24は、カメラ制御回路40に内蔵されるイメージセンサドライバを起動させ、露光動作および指定された読み出し領域に対応する電荷読み出し動作を、イメージセンサドライバに命令する。
イメージセンサドライバは、イメージセンサ42の撮像面の露光と、当該露光によって生成された電荷の読み出しとを実行する。この結果、生画像信号が、イメージセンサ42から出力される。また、出力された生画像信号はカメラ制御回路40に入力され、カメラ制御回路40は入力された生画像信号に対して、色分離、白バランス調整、YUV変換などの処理を施し、YUV形式の画像データを生成する。そして、YUV形式の画像データはプロセッサ24に入力される。
また、プロセッサ24に入力されたYUV形式の画像データは、プロセッサ24によってRAM34に格納(一時記憶)される。さらに、格納されたYUV形式の画像データは、プロセッサ24でRGBデータに変換された後に、RAM34から表示ドライバ28に与えられる。そして、RGB形式の画像データがディスプレイ30に出力される。これによって、被写体を表す低画素(たとえば、320×240画素)のスルー画像がディスプレイ30に表示される。
さらに、カメラ制御回路40は生画像信号からフォーカス評価値を算出し、そのフォーカス評価値をプロセッサ24に出力する。プロセッサ24は、カメラ制御回路40から出
力されたフォーカス評価値に基づいて、AF(Autofocus)処理を実行する。AF処理が実行されると、カメラ制御回路40はプロセッサ24の指示の下、フォーカスレンズ44のレンズ位置を調整する。その結果、被写体にピントが合わせられたスルー画像がディスプレイ30に表示される。
ここで、キー入力装置26に対して静止画像の撮影操作が行われると、プロセッサ24は、静止画像の本撮影処理を実行する。つまり、プロセッサ24は、イメージセンサ42から出力されるSXGAの生画像信号に信号処理を施して、RAM34に一旦格納し、フラッシュメモリ32に対する記録処理を実行する。記録処理が実行されると、プロセッサ24を通してRAM34から画像データが読み出される。そして、プロセッサ24は、読み出した画像データにメタ情報を関連付けて、1つのファイルとしてフラッシュメモリ32に記録する。さらに、プロセッサ24は、図示しないスピーカから、本撮影処理が実行されていること通知する音を出力させる。
なお、メタ情報には、時刻情報、画像サイズおよび携帯電話機10の機種名(型番)などが含まれる。また、携帯電話機10にメモリカードが接続できる場合、画像データはメモリカードに保存されてもよい。また、画像データに関連付けられるメタ情報はExifフォーマットで保存される。
無線通信回路14は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、使用者がキー入力装置26を用いて電話発信(発呼)を指示すると、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話発信処理を実行し、アンテナ12を介して電話発信信号を出力する。電話発信信号は、基地局および通信網(図示せず)を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は通話処理を実行する。
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号はアンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。そして、これらの処理によって得られた受話音声信号は、D/A変換器20によってアナログ音声信号に変換された後、スピーカ22から出力される。一方、マイク18を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D変換器16によってデジタル音声信号に変換された後、プロセッサ24に与えられる。デジタル音声信号に変換された送話信号には、プロセッサ24の指示の下、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ12を介して出力される。したがって、変調音声信号は、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
また、相手の電話機からの電話発信信号がアンテナ12によって受信されると、無線通信回路14は、電話着信(着呼)をプロセッサ24に通知する。これに応じて、プロセッサ24は、表示ドライバ28を制御して、着信通知に記述された発信元情報(電話番号など)をディスプレイ30に表示する。また、これとほぼ同時に、プロセッサ24は、図示しないスピーカから着信音(着信メロディ、着信音声と言うこともある。)を出力させる。
そして、使用者が通話キーを用いて応答操作を行うと、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話着信処理を実行する。さらに、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は上述した通常の通話処理を実行する。
また、通話可能状態に移行した後に終話キーによって通話終了操作が行われると、プロセッサ24は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。そして、通話終了信号の送信後、プロセッサ24は通話処理を終了する。また、先に通話相手
から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。
図2(A)は、携帯電話機10の表面の外観を示す外観図であり、図2(B)は携帯電話機10の裏面の外観を示す外観図である。図2(A)を参照して、携帯電話機10は、ストレート型の形状をしており、平面矩形の筐体Cを有する。図示しないマイク18は、筐体Cに内蔵され、内蔵されたマイク18に通じる開口OP2は筐体Cの縦方向一方の側面に設けられる。同じく、図示しないスピーカ22は、筐体Cに内蔵され、内蔵されたスピーカ22に通じる開口OP1は、筐体Cの縦方向他方の表面に設けられる。
ディスプレイ30は、モニタ画面が筐体Cの表面側から見えるように取り付けられる。また、ディスプレイ30の上にはタッチパネル38が設けられる。さらに、図示しないカメラモジュールも筐体Cに内蔵され、カメラモジュールのフォーカスレンズ44などに通じる開口OP3は、筐体Cの縦方向他方の裏面に設けられる。そして、キー入力装置26は、通話キー26a、機能キー26bおよび終話キー26cを含む。また、これらのキーは筐体Cの表面に設けられる。
たとえば、使用者は、ディスプレイ30に表示されたダイヤルキーに対して、タッチ操作を行うことで電話番号を入力し、通話キー26aによって音声発信操作を行う。そして、使用者は、通話が終了すると、終話キー26cによって通話終了操作を行う。また、使用者は、機能キー26bを操作することで、ディスプレイ30にメニュー画面を表示する。さらに、使用者は、ディスプレイ30に表示されたソフトキーおよびメニューに対してタッチ操作を行うことで、メニューの選択や確定を行う。さらに、使用者は、筐体Cの裏面を被写体に向けて撮影操作を行うことで、被写体の画像を撮影することができる。
なお、アンテナ12、無線通信回路14、A/D16、D/A20、プロセッサ24、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34およびタッチパネル制御回路36は筐体Cに内蔵されているため、図2(A),(B)では図示されない。
図3はスルー画像を表示するディスプレイ30の一例を示す図解図である。ディスプレイ30の表示は、日時、電池残量および受信状態などを表すアイコンを含む状態表示領域60およびスルー画像が表示される機能表示領域62を含む。機能表示領域62には撮影に関する処理キーとして、撮影処理を実行するための撮影キー64およびカメラ機能の補助機能を実行するための補助機能キー66が表示される。
図3を参照して、被写界には携帯電話機10側から花壇、人の順番で並んでおり、機能表示領域62には、人の手前に置かれた花壇にピントが合ったスルー画像が表示されている。ここで、使用者は、機能表示領域62の任意の位置をタッチすることで、AF処理を実行させることができる。また、AF処理が実行された後に撮影キー64が操作されると、図3に示すスルー画像に対応する画像データがフラッシュメモリ32に保存される。
たとえば、図4(A)を参照して、スルー画像に含まれる人の位置をタッチすると、タッチ点を中心とする所定範囲のフォーカス評価値が最大となるように、フォーカスレンズ44のレンズ位置が調整される。その結果、図4(B)に示すように、花壇の奥に居る人に対してピントが合わせられたスルー画像が表示されるようになる。つまり、使用者は、任意の位置をタッチするだけで、その位置にピントが合ったスルー画像を表示させることができる。
また、図3などに示す補助キー66が操作されると、図5(A)に示すように、機能表
示領域62には、グリッドキー68および設定キー70を含む補助キー群が、補助キー66の代わりに表示される。グリッドキー68は、複数の縦線と横線とから構成されるグリッド(格子)を、機能表示領域62に表示するためのキーである。たとえば、使用者は、表示されたグリッドを利用して、撮影する画像の構図を決めることができる。
また、設定キー70は、タッチパネル38のタッチ範囲の中に、タッチ操作を無効にする無効領域を設定するためのキーである。たとえば、図5(B)を参照して、設定キー70が操作されると、機能表示領域62に表示された各キーが消去される。この状態で、位置T1および位置T2に対してタッチされると、それらの位置に対応する第1座標および第2座標に基づいて、タッチ範囲の中に無効領域が設定される。
たとえば、図5(C)を参照して、タッチ範囲の中の有効領域の2つの頂点が、第1座標および第2座標となるように、無効領域74が設定される。また、有効領域には、撮影キー64および解除キー72が表示される。また、解除キーも上述した処理キーに含まれる。
なお、使用者がタッチする位置は、図5(B)に示すものだけに限られない。つまり、使用者は、無効領域74の範囲を任意に決めることができる。
ここで、第1実施例では、理解を深めるために、無効領域74を斜線によって図示しているが、実際には無効領域74は使用者によって認識されることはない。
このように、本実施例では、有効領域内にキーが表示されるため、無効領域74が設定されても携帯電話機10の操作性を保つことができる。
また、無効領域74が設定された状態で携帯電話機10が保持される場合、使用者が筐体Cの側部を手で押さえたりしても、その手や指などによってタッチパネル38を誤操作する可能性を低減できる。
また、無効領域74が表示されないようにすることで、スルー画像のサイズを変化させずに表示できるため、ディスプレイ30に表示されるスルー画像の視認性が悪くなるのを防ぐことができる。そして、使用者は、無効領域74が設定された後に表示される撮影キー64などを見ることで、無効領域64のおよその位置や範囲を把握することができる。
また、解除キー72が操作されると無効領域74は解除され、ディスプレイ30の表示は図5(A)に示す状態に戻る。つまり、使用者は、設定キー70および解除キー72を利用することで、任意に無効領域を設定したり、解除したりすることができる。
また、本実施例では、無効領域が設定された状態でも、タッチパネル38を利用して画像を撮影することができる。
なお、本実施例では、有効領域の右下から所定の位置に撮影キー64および解除キー72が表示されるように処理される。
また、図5(B)に示す状態で、タッチ操作が行われないまま、第1所定時間(たとえば、30秒)が経過すれば、エラーメッセージが表示された後に、図5(A)の状態に戻る。つまり、設定キー70が操作され、無効領域を設定するための操作を受け付ける状態に遷移しても、タッチ操作が行われないまま第1所定時間が経過すると、ディスプレイ30の表示は元の状態に戻される。
図6は、RAM34のメモリマップを示す図である。RAM34のメモリマップには、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。また、プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ32から一度に全部または必要に応じて部分的かつ順次的に読み出され、RAM34に記憶されてからプロセッサ24によって処理される。
プログラム記憶領域302には、携帯電話機10を動作させるためのプログラムが記憶されている。たとえば、携帯電話機10を動作させるためのプログラムは、カメラ制御プログラム310、補助機能プログラム312および無効領域設定プログラム314などを含む。
カメラ制御プログラム310は、カメラ機能を実現するために実行されるプログラムであり、AF処理や撮影処理などをサブルーチンとして実行させる。補助機能プログラム312は、上記カメラ制御プログラム310のサブルーチンであり、グリッドを表示したり、無効領域の設定/解除を制御したりするためのプログラムである。無効領域設定プログラム314は、補助機能プログラム312のサブルーチンであり、無効領域を設定するためのタッチ操作に基づいて無効領域を設定するためのプログラムである。
なお、図示は省略するが、携帯電話機10を動作させるためのプログラムには、音声着信状態を通知するためのプログラム、AF制御や撮影制御に対応するプログラムも含まれる。
続いて、データ記憶領域304には、タッチバッファ330および無効領域バッファ332が設けられるとともに、タッチ座標マップデータ334およびGUIデータ336が記憶される。また、データ記憶領域304には、タッチフラグ338、設定カウンタ340およびタッチカウンタ342も設けられる。
タッチバッファ330には、タッチ操作によって得られたタッチ点、リリース点、現在のタッチ位置などのタッチ座標のデータが一時的に記憶される。無効領域バッファ332には、設定された無効領域の座標範囲や、第1座標および第2座標のデータが一時的に記憶される。
タッチ座標マップデータ334は、タッチバッファ330に格納されるタッチ座標を、ディスプレイ30の表示座標に変換するためのデータである。GUIデータ336には、ディスプレイ30に表示されるGUIの画像データが含まれている。そのため、プロセッサ24は、GUIデータ336に基づいて、図3などに示す撮影キー64および補助機能キー66を表示する。
タッチフラグ338は、タッチ操作が検出されたか否かを判断するためのフラグである。たとえば、タッチフラグ338は、1ビットのレジスタで構成される。タッチフラグ338がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、タッチフラグ338がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。なお、本実施例では、タッチパネル制御回路36がタッチ操作を検出したとしても、そのタッチ操作のタッチ位置が無効領域74に含まれていれば、タッチフラグ338のオン/オフが切り替えられないようにすることで、タッチ操作を無効にしている。
設定カウンタ340は、設定キー70が操作された後の時間を計測するためのカウンタである。つまり、プロセッサ24は、設定カウンタ340の値に基づいて、ディスプレイ30の表示を図5(B)の状態から図5(A)の状態に戻すか否かの判断を行う。
タッチカウンタ342は、タッチ操作がされている時間を計測するためのカウンタである。また、このタッチカウンタ342については、後述する第3実施例で詳細に説明するため、ここでの詳細な説明は省略する。
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、待機状態で表示される画像データや、文字列のデータなどが記憶されると共に、携帯電話機10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
プロセッサ24は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、図7に示すカメラ制御処理、図8に示す補助機能処理および図9に示す無効領域設定処理などを含む複数のタスクを並列的に処理する。
図7はカメラ制御処理のフロー図である。カメラ機能を実行する操作がされると、プロセッサ24は、ディスプレイ30にGUIを表示する。つまり、図3に示すように、プロセッサ24は、GUIデータ336に基づいて、撮影キー66および補助機能キー66などをディスプレイ30に表示する。続いて、ステップS3では、スルー画像を表示する。つまり、カメラ制御回路40から出力される画像データに基づいて、ディスプレイ30にスルー画像が表示される。続いて、ステップS5では、カメラ機能の終了操作がされたか否かを判断する。たとえば、終話キー26cが操作されたか否かを判断する。ステップS5で“YES”であれば、たとえば終話キー26cが操作されると、カメラ制御処理は終了する。
また、ステップS5で“NO”であれば、つまりカメラ機能の終了操作が行われていなければ、ステップS7でタッチされたか否かを判断する。つまり、タッチパネル制御回路36によってタッチ操作が検出され、タッチフラグ338がオンにされているか否かを判断する。ステップS7で“NO”であれば、つまり、タッチパネル38にタッチされていなければ、ステップS3に戻る。また、ステップS7で“YES”であれば、つまりタッチパネル38にタッチされていれば、ステップS9でタッチされた位置が無効領域か否かを判断する。つまり、タッチバッファ330に記録されているタッチ点や、現在のタッチ位置を示す座標が、無効領域バッファ332に記憶される座標範囲内に含まれているか否かが判断される。ステップS9で“YES”であれば、たとえばタッチ点が無効領域の座標範囲に含まれていれば、ステップS3に戻る。
また、ステップS9で“NO”であれば、たとえばタッチ点が無効領域の座標範囲に含まれていなければ、ステップS11でAF操作か否かを判断する。たとえば、タッチされた位置が、キーが表示されていない有効領域内であるかが判断される。ステップS11で“YES”であれば、たとえば図4(A)に示すように、使用者が任意の位置をタッチすれば、ステップS13でAF処理を実行する。つまり、AF処理が実行されると、タッチ点を中心とする所定範囲において、フォーカス評価値が最大となるように、フォーカスレンズ44のレンズ位置が調整される。そして、ステップS13の処理が終了すれば、ステップS3に戻る。
また、ステップS11で“NO”であれば、たとえば撮影キー64または補助機能キー66などのキーの表示範囲に対してタッチされていれば、ステップS15で撮影操作か否かを判断する。つまり、タッチ点が撮影キー64の表示範囲に含まれているか否かを判断する。ステップS15で“YES”であれば、つまり撮影キー64に対してタッチ操作がされていれば、ステップS17で撮影処理を実行する。つまり、上述したように、カメラ制御回路40から出力された画像データが、フラッシュメモリ32に保存される。そして、ステップS17の処理が終了すれば、ステップS3に戻る。なお、ステップS17の処
理を実行するプロセッサ24は実行部として機能する。
また、ステップS15で“NO”であれば、つまり撮影キー64に対してタッチ操作がされていなければ、ステップS19で補助キー群が表示されているか否かを判断する。つまり、図5(A)に示すように、補助機能キー66に代えて、グリッドキー68および設定キー70が表示されているか否かを判断する。ステップS19で“NO”であれば、つまり補助機能キー66が表示されていれば、そのキーが操作されたとして、ステップS21で補助キー群を表示して、ステップS3に戻る。つまり、補助機能キー66に代えて、グリッドキー68および設定キー70が機能表示領域62に表示される。
また、ステップS19で“YES”であれば、たとえばグリッドキー68および設定キー70が機能表示領域62に表示されていれば、それらのキーが操作されたとしてステップS23で補助機能処理を実行し、ステップS3に戻る。
図8は補助機能処理のフロー図である。上述したように、ステップS23の処理が実行されると、プロセッサ24は設定キー70か否かを判断する。つまり、タッチ点が設定キー70の表示範囲に含まれているか否かを判断する。ステップS41で“YES”であれば、つまり設定キー70にタッチ操作がされれば、ステップS43でキーの表示を消去する。つまり、図5(B)に示すように、撮影キー64、グリッドキー68および設定キー70の表示を消去する。続いて、ステップS45では、無効領域設定処理を実行する。なお、無効領域設定処理については、図9に示すフロー図を用いて詳細に説明するため、ここでの説明は省略する。
続いて、ステップS47では、設定操作が成功したか否かを判断する。つまり、無効領域バッファ332に、第1座標および第2座標が格納されているか否かを判断する。ステップS47で“YES”であれば、つまり、無効領域バッファ332に第1座標および第2座標が格納されていれば、ステップS49で無効領域を設定する。たとえば、無効領域バッファ332に図5(B)に示す位置T1,T2と対応する第1座標および第2座標が記憶されていれば、図5(C)に示す無効領域74が設定される。続いて、ステップS51では、有効領域にキーを表示する。つまり、図5(C)に示すように、有効領域の右下から所定の位置に、撮影キー64および解除キー72が表示される。そして、ステップS51の処理が終了すれば、プロセッサ24は補助機能処理を終了して、カメラ制御処理に戻る。なお、ステップS49の処理を実行するプロセッサ24は設定部として機能し、ステップS51の処理を実行するプロセッサ24はキー表示部として機能する。
一方、ステップS47で“NO”であれば、つまり設定操作が失敗した場合、ステップS53でエラー表示を行ってから、ステップS51に進む。たとえば、設定キー64が操作されてから、タッチ操作がされないまま第1所定時間が経過すると、ステップS47で設定操作は失敗したと判断され、ステップS53で「無効領域の設定に失敗しました」の文字列がディスプレイ30に表示される。そして、図5(A)の状態となるように、ステップS51で、撮影キー64、グリッドキー68および設定キー70が表示される。
また、ステップS41で“NO”であれば、つまり設定キー70にタッチ操作がされていなければ、ステップS57で無効領域が設定されているか否かを判断する。つまり、無効領域バッファ332に無効領域の座標範囲を示すデータが記録されているか否かを判断する。ステップS57で“NO”であれば、つまり無効領域が設定されていなければ、ステップS65に進む。一方、ステップS57で“YES”であれば、たとえば図5(C)に示すように、無効領域74がタッチ範囲の中に設定されていれば、ステップS59で解除キー72か否かを判断する。つまり、タッチ点が解除キー72の表示範囲に含まれているか否かを判断する。ステップS59で“NO”であれば、つまり解除キー72に対して
タッチ操作がされていなければ、ステップS65に進む。
また、ステップS59で“YES”であれば、たとえば、図5(C)に示す、解除キー72に対してタッチ操作がされていれば、ステップS61で無効領域74を解除し、ステップS63で有効領域にキーを再表示する。つまり、無効領域バッファ332が初期化される。また、撮影キー64および解除キー72の表示を消去した後に、撮影キー64、グリッドキー68および設定キー70が、図5(A)に示すように表示される。そして、ステップS63の処理が終了すると、プロセッサ24は、補助機能処理を終了した後にカメラ制御処理に戻る。なお、ステップS61の処理を実行するプロセッサ24は解除部として機能する。
また、無効領域が設定されていなかったり、設定されていても解除キー72にタッチ操作がされていなかったりすれば、ステップS65でグリッドキー68か否かを判断する。つまり、タッチ点がグリッドキー68の表示範囲に含まれているか否かを判断する。ステップS65で“YES”であれば、つまりグリッドキー68にタッチ操作がされていれば、ステップS67でグリッドを表示し、補助機能処理を終了する。また、ステップS65で“NO”であれば、つまりグリッドキー68にタッチ操作がされていなければ、プロセッサ24は補助機能処理を終了する。
図9は無効領域設定処理のフロー図である。たとえば、補助機能処理でステップS45が実行されると、プロセッサ24はステップS81で、第1座標が指定されたか否かを判断する。たとえば、タッチパネル38に対してタッチされ、タッチ点がタッチバッファ330に記憶されたか否かを判断する。ステップS81で“NO”であれば、つまりタッチされていなければ、ステップS83で設定カウンタ340をインクリメントする。つまり、設定キーにタッチ操作がされてから、タッチされるまでの時間が計測される。続いて、ステップS85では設定カウンタの値が第1所定値以上か否かを判断する。つまり、図5(A)に示す設定キー70にタッチ操作がされてから、第1所定時間(たとえば、30秒)が経過したか否かを判断する。たとえば、設定カウンタ340が約100ミリ秒毎にカウントされる場合、第1所定値の値は「30000」となる。そして、ステップS85では、設定カウンタ340の値が上記した第1所定値以上であるかが判断される。ステップS85で“YES”であれば、つまりタッチされないまま第1所定時間が経過すれば、無効領域設定処理を終了して、補助機能処理に戻る。一方、ステップS85で“NO”であればつまりタッチされないまま第1所定時間が経過していなければ、ステップS81に戻る。
また、ステップS81で“YES”であれば、たとえば、図5(B)に示す位置T1に対してタッチされれば、ステップS87で第1座標を記憶する。たとえば、無効領域バッファ332に、図5(B)に示す位置T1の座標が第1座標として記憶される。そして、ステップS99では、設定カウンタ340が初期化される。つまり、第1座標が記憶されたため、設定カウンタ340の値が初期化される。なお、ステップS87の処理を実行するプロセッサ24は第1記憶部として機能する。
続いて、ステップS101では、第2座標が入力されたか否かを判断する。つまり、二か所目の座標を入力するためにタッチされたか否かを判断する。ステップS101で“NO”であれば、つまり二か所目の座標を入力するタッチがされなければ、ステップS103で設定カウンタ340をインクリメントする。また、ステップS105で設定カウンタ340が第1所定値以上か否かを判断する。なお、ステップS103およびステップS105の処理は、ステップS83およびステップS85の処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。
ステップS105で“YES”であれば、つまり第1座標が記憶されてから、二か所目を入力するためのタッチがされないまま、第1所定時間が経過すれば、無効領域設定処理を終了して、補助機能処理に戻る。一方、ステップS105で“NO”であれば、つまり第1所定時間が経過していなければ、ステップS101に戻る。
また、ステップS101で“YES”であれば、たとえば位置T2にタッチされれば、ステップS107で第2座標を記憶して、ステップS109で設定カウンタ340を初期化する。たとえば、ステップS107では、位置T2の座標が第2座標として無効領域バッファ332に記憶される。なお、ステップS107の処理を実行するプロセッサ24は第2記憶部として機能する。
<第2実施例>
第2実施例では、タッチされている時間に基づいて無効領域を設定するとともに、その大きさが決められる。なお、第2実施例の携帯電話機10は、第1実施例と略同じであるため、携帯電話機10の電気的な構成、RAM34のメモリマップおよび重複するフロー図などの説明は省略する。
たとえば、図5に示す設定キー70にタッチ操作が行われた後、タッチされてからリリースされるまでの操作時間が短ければ、図10(A)に示すように、無効領域74が狭く設定される。一方、タッチされてからリリースされるまでの時間が長ければ、図10(B)に示すように、無効領域が広く設定される。つまり、使用者は、タッチするだけで無効領域を設定でき、その大きさも任意に決めることができる。
なお、第2実施例では、操作時間が第2所定時間(たとえば、1秒)より短ければ、無効領域は設定されない。これは、設定される無効領域が狭くなりすぎるのを防ぐためである。
第2実施例のプロセッサ24は、AndroidおよびREXなどのLinuxベースのOSや、その他のOSの制御下で、図7、図8に示す複数の処理に加えて、図11に示す無効領域設定処理を含む複数のタスクを並列的に処理する。
図11は、第2実施例の無効領域設定処理のフロー図である。補助機能処理でステップS45が実行されると、プロセッサ24はステップS41で、タッチされたか否かを判断する。つまり、タッチフラグ338がオンになったか否かを判断する。続いて、ステップS133でタッチカウンタ342をインクリメントする。つまり、上述した操作時間を計測するためにタッチカウンタ342がインクリメントされる。なお、タッチカウンタ342は、約50ミリ秒毎にインクリメントされる。
続いて、ステップS135では、リリースされたか否かを判断する。たとえば、使用者がタッチパネル38から指を離すことで、タッチフラグ338がオフに切り替わったか否かを判断する。なお、ステップS133,S135の処理を実行するプロセッサ24は計測部として機能する。
ステップS135で“NO”であれば、つまりタッチフラグ338がオンのままであれば、ステップS133に戻る。また、ステップS135で“YES”であれば、たとえば使用者がタッチパネル38から指を離すことで、タッチフラグ338がオフに切り替われば、ステップS137でタッチカウンタが第2所定値以上か否かを判断する。つまり、操作時間が第2所定時間以上であるか否かを判断する。たとえば、上述の周期(50ミリ秒)でタッチカウンタ338がインクリメントされている場合、第2所定値は「20」となる。そして、ステップS137では、タッチカウンタ338の値が、上記した第2所定値
以上であるかが判断される。
ステップS137で“NO”であれば、つまり操作時間が第2所定時間よりも短ければ、第1座標および第2座標が算出されることなく無効領域設定処理は終了し、プロセッサ24は上位ルーチンである補助機能処理に戻る。
また、ステップS137で“YES”であれば、つまり操作時間が第2所定時間以上であれば、ステップS139でタッチカウンタ338の値に基づいて第1座標および第2座標を算出する。
具体的に説明すると、第2実施例では、機能表示領域62の左下を原点として、その原点と機能表示領域62の右上とを通る一次関数が予め定義されている。そのため、ステップS139では、まず、タッチカウンタ338の値を機能表示領域の横軸(X軸)の座標に変換する。また、変換した座標を、上記一次関数の横軸(X軸)の変数に代入することで、縦軸(Y軸)の位置を算出する。そして、このようにして算出された横軸と縦軸との位置(座標)が第1座標とされる。さらに、ステップS139では、機能表示領域62の中心点に対して、第1座標を180度回転させた座標を、第2座標として算出する。そのため、ステップS139の処理を実行するプロセッサ24は算出部として機能する。なお、他の実施例では、他の手法を利用して第1座標および第2座標が算出されてもよい。
続いて、ステップS141では、算出された第1座標および第2座標を記憶する。つまり、上述した2つの座標が無効領域バッファ332に記憶される。そして、ステップS141の処理が終了すれば、プロセッサ24は無効領域設定処理を終了する。
なお、ステップS131で“NO”であれば、つまり設定キー70に対してタッチ操作がされた後にタッチがされなければ、ステップS143で設定カウンタ340をインクリメントして、ステップS145で設定カウンタ340が第1所定値以上であるか否かが判断される。つまり、第2実施例でも、設定キー70に対してタッチ操作がされた後に、タッチされないまま第1所定時間が経過すれば、無効領域設定処理は終了する。
<第3実施例>
第3実施例では、無効領域は使用者によって目視できるように表示される。また、無効領域の大きさや表示範囲は任意に変更することができる。なお、第3実施例の携帯電話機10は、第1実施例と略同じであるため、携帯電話機10の電気的な構成、RAM34のメモリマップおよび重複するフロー図などの説明は省略する。
図12を参照して、第3実施例では、使用者によって目視可能な無効領域76が設定される。これにより、使用者は無効領域の位置を明確に認識できるようになるため、タッチパネル38に対する誤操作をより減らすことができる。また、以下に説明する操作によって、使用者は、無効領域の位置や大きさを任意に変更できるようになる。
図13(A)に示すように、有効領域内の2点を同時にタッチした後に、外側にスライドすることで、図13(B)に示すように無効領域76を狭くすることができる。なお、図示は省略するが、内側にスライドした場合は、無効領域76を広くすることができる。
また、図14(A)に示すように、有効領域の右上をタッチしたまま、上方向にスライドすると、有効領域が上側に移動するように無効領域74の表示範囲が変化する。つまり、スライドの方向に応じて、有効領域の位置が移動する。また、図示は省略するが、上方向だけに限らず、使用者は任意の方向にスライドすることで、有効領域の位置を任意に変化させることができる。
このように、使用者は、無効領域76を設定した後に、無効領域を変更するためのタッチ操作を行うことで、無効領域の大きさや表示範囲を任意に変更することができる。
なお、第3実施例の無効領域76は、スルー画像が透過するように斜線が描画されているが、他の実施例では、無効領域76に、透過性が高く設定された色や、透過性を有する色が塗られていてもよい。
また、他の実施例では、無効領域と有効領域との境の部分に境界線が表示されたり、無効領域と有効領域との境の角部分に鍵カッコのような形状をした境界表示が表示されたりしてもよい。そして、境界線または境界表示は、実線または破線などであってもよいし、透過性を有した色の線であってもよい。
第3実施例のプロセッサ24は、AndroidおよびREXなどのLinuxベースのOSや、その他のOSの制御下で、図7、図9(図11)に示す複数の処理に加えて、図15に示す補助機能処理を含む複数のタスクを並列的に処理する。
図15は、第3実施例の補助機能処理のフロー図である。なお、このフロー図では、図8に示す補助機能処理と同じステップには同一のステップ番号を付与し、詳細な説明は省略する。
プロセッサ24は、ステップS41では設定キー70にタッチ操作がされたかを判断し、“YES”であればステップS43でキーの表示を消去する。続いて、ステップS45では、無効領域設定処理を実行し、ステップS47では設定操作が成功したか否かを判断する。ステップS47で“YES”であれば、ステップS49で無効領域を設定する。
続いて、ステップS161では、設定された無効領域を表示する。つまり、図12に示すように、無効領域76が機能表示領域62に表示される。そして、ステップS51で有効領域にキーを表示し、補助機能の処理を終了して、カメラ機能処理に戻る。また、ステップS161の処理を実行するプロセッサ24は無効領域表示部として機能する。
なお、ステップS47で“NO”であれば、つまり設定操作が失敗すれば、ステップS53でエラー表示をして、ステップS51に進む。
また、ステップS41で“NO”であれば、つまり設定キー70にタッチ操作がされていなければ、ステップS57で無効領域が設定されているか否かを判断する。ステップS57で“NO”であれば、ステップS65に進み、“YES”であれば、ステップS59で解除キーが操作されたか否かを判断する。ステップS59で“YES”であれば、ステップS61で無効領域を解除し、ステップS63で有効領域にキーを再表示する。そして、ステップS63の処理が終了すれば、補助機能処理を終了する。
また、ステップS59で“NO”であれば、つまり解除キーにタッチ操作がされていなければ、ステップS163で、変更操作がされたか否かを判断する。たとえば、2点に同時にタッチした後にスライドする変更操作や、有効領域の右上にタッチした後にスライドする変更操作がされたか否かを判断する。ステップS163で“NO”であれば、ステップS65に進む。
ステップS163で“YES”であれば、たとえば、図13(A)に示すように、2点にタッチした後にスライドする変更操作がされると、ステップS165で、その変更操作に基づいて無効領域74の座標を再計算する。つまり、各リリース点を第1座標および第
2座標として、無効領域76の座標範囲が再計算される。なお、図14(A)に示すように、有効領域の右上にタッチした後にスライドする変更操作がされると、リリース点の座標を第1座標として、有効領域の対角に位置する第2座標が算出される。なお、他の実施例では、手法で第2座標が算出されてもよい。
続いて、ステップS167では、無効領域76の表示を変更する。つまり、上述のようにして算出された第1座標および第2座標に基づいて、無効領域76を表示する位置が変更される。そして、ステップS167の処理が終了すれば、補助機能処理も終了する。また、ステップS167の処理を実行するプロセッサ24は変更部として機能する。
なお、ステップS57またはステップS163で“NO”であれば、ステップS65でグリッドキー68が操作されたか否かを判断し、“YES”であればグリッドを表示する。
<第4実施例>
第4実施例では、有効領域には補助機能キー66や、設定キー70を表示せずに、無効領域を設定できるようにする。なお、第4実施例の携帯電話機10は、第1実施例と略同じであるため、携帯電話機10の電気的な構成、RAM34のメモリマップおよび重複するフロー図などの説明は省略する。
たとえば、図16(A)を参照して、機能表示領域62には、補助機能キー66および設定キー70は表示されない。そして、タッチパネル38に対して2回連続してタッチアンドリリースが行われれば、図16(B)に示すように無効領域76が設定される。なお、2回連続してタッチアンドリリースすることを、ここでは「ダブルタッチ」と言うことにする。
次に、図16(B)を参照して、ダブルタッチによって無効領域76が設定された場合、有効量機には撮影キー64は表示されるが、解除キー72は表示されていない。この場合、使用者は、有効領域内で再びダブルタッチを行うことで、無効領域76を解除することができる。
なお、第4実施例では、最初に設定される無効領域76の大きさは予め決められており、その大きさや表示位置を変更する場合、使用者は第3実施例で説明した変更操作を行えばよい。また、他の実施例では、有効領域内にバツ印が描かれた解除キー72が表示されてもよい。また、第4実施例では、メニューキー26bを長押しすることで、グリッドを表示することができる。
<第5実施例>
第5実施例では、図17に示すように、無効領域76a,76bは機能表示領域62の左右に分けて設定される。また、図示は省略するが、上下に分けて設定されてもいし、各辺のいずれか1つだけに設定されてもよい。また、第5実施例の携帯電話機10は、第1実施例と略同じであるため、携帯電話機10の電気的な構成、RAM34のメモリマップおよび重複するフロー図などの説明は省略する。
なお、第1実施例−第5実施例などは、任意に組み合わせることが可能であり、具体的な組み合わせについては容易に想像できるので、詳細な説明は省略する。
また、無効領域は、使用者がタッチ操作によって描いた図形に基づいて設定されてもよい。この場合、たとえば、描かれた図形を最小の大きさで囲むことができる長方形に基づいて、無効領域が設定される。また、各実施例の有効領域は、四角形で示されていたが、
楕円形であってもよいし、その他の多角形であってもよい。
また、携帯電話機10の通信方式はCDMA方式であるが、LTE(Long Term Evolution)方式、W−CDMA方式、GSM(登録商標)方式、TDMA方式、FDMA方式およびPHS方式などが採用されてもよい。
また、本実施例で用いられた複数のプログラムは、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blu−ray Disc)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体に複数のプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、複数のプログラムが本実施例と同等の構成の携帯電話機にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られる。
さらに、本実施例は、携帯電話機10のみに限らず、スマートフォンおよびPDA(Personal Digital Assistant)に適用されてもよい。
そして、本明細書中で挙げた、第1所定時間、第2所定時間、第1所定値、第2所定値および処理が繰り返される時間などの具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。