JP5973136B2 - 回転弁 - Google Patents

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Description

本発明は、流路開閉時のシール性を確保しつつ弁体操作時の操作トルクを低減させた回転弁に関し、特に、手動操作する場合に好適な回転弁に関する。
従来より、流路開閉用のバルブとしては、ボールバルブ、グローブバルブ、バタフライバルブ、ゲートバルブなどが一般的に用いられている。このうち、ボールバルブは、弁体に設けられた円形の貫通穴により流路が形成されているため全開時の流れに対して障害物が無い構造であり、グローブバルブやバタフライバルブに比較して圧力損失が少なく、ゲートバルブのようにステムのストロークを必要とすることがないためコンパクト化も可能になっている。また、流路開閉用として用いられるものにコックがあるが、このコックは、一般的に、凸円錐状の金属製弁体が凹円錐状に加工した金属製ボデーに収納され、弁体の回動により相対する金属封止部で流体を封止する構造であるため、テーパ加工、弁体とボデーとのラッピング加工、グリース塗布などの処理をおこなうなどの封止面の加工精度を向上させる必要がある。
このように、ボールバルブはその他の種類のバルブやコックに対して優れた点が多いため、流路開閉用バルブとして用いられることが多くなっている。通常、ボールバルブは、球状の弁体とリング状のシート部材とを備え、バルブボデーの流路の一・二次側にシート部材が流路と直交するように装着され、弁体は、このシート部材に両側が挟まれて装着方向に移動不能の状態で回転可能になっている。ボールバルブは、弁体と連結したステムをハンドルで90度回転させることにより、弁体に設けた流路と球体面とを交互にシート部材に相対するように開閉操作され、弁閉時には、シート部材が弁体の押圧力により圧縮することで、その面圧力により封止性が確保されるようになっている。
一方、特許文献1は、半球状の中空空間を有するケース、プラグ、シール部材を備えたボールバルブであり、プラグが半球状弁体と弁軸とにより一体に形成され、ケースの中空・半球空間に嵌合されることにより弁軸を中心に回転可能になっている。プラグの半球状弁体には凹部が形成され、この凹部にシール部材が嵌着されている。
同文献2のボールバルブは、弁箱と、ステムと一体型の半球状の弁体と、この弁体の摺動面を密着被覆するようにシールするシール部材とを備え、弁箱の空洞内にシール部材が装着され、このシール部材に弁体が装着されている。このボールバルブでは、シール部材によって弁体の外周囲全体がシールされる構造になっている。
更に、上述のボールバルブは、フローティング型とトラニオン型とに分類される。前記の特許文献1や2は、フローティング型ボールバルブであり、このボールバルブは、シール部材で弁体を支持し、全閉時の差圧によって二次側のシート部材に押し付けてシールする構造になっている。一方、トラニオン型ボールバルブは、ステムと、トラニオン(ロワステム)とによりボール弁体を支持する構造になっている。
特開平9−79391号公報 ドイツ実用新案登録第9408156号公報
しかしながら、ボールバルブにおいて、操作性と封止性とを確保するためには一、二次側のシート部材と弁体との接触圧力が均等になるように組付ける必要があり、そのためにはシート部材のシール側表面、弁体の球面、これらが装着されるボデー側の装着部などの封止面を高精度に加工して組付ける必要がある。この場合、ボールバルブにおいては、シート部材と弁体との接触面積が弁体の回動過程で変化するため操作トルクにむらが生じやすく、安定した操作性を確保することが難しいことも考慮する必要がある。
更に、組込み後には、シート部材が一、二次側から対向して常に強い圧力で装着されるため摩耗しやすくなっており、特に、フローティング型ボールバルブは、流体圧力により弁体が片側(二次側)のシート部材を集中的に押圧シールする構造であるため、圧力が増すことでシート部材の偏摩耗が大きくなり、その結果、シート部材の耐久性が悪くなり、交換が必要になることもあるため経済性も悪い。一方、トラニオン型ボールバルブは、ロワステムにより弁体の移動を防止してシート部材の摩耗を低減させる構造ではあるが、内部構造が複雑化することでコストアップに繋がっていた。しかも、これらのボールバルブは、部品点数が多くなり、加工精度も向上しなければならず、組立工数も大きくなるという問題もある。
流体が流れる際においては、これらのボールバルブの微開時には流入・流出口側で流体抵抗が大きくなってキャビテーションが発生しやすくなる。このとき、流体が1次側の弁体とシート部材との微少開口部を通過した後に、大容積のボデーキャビティーと弁体の連通穴を通過し、2次側の弁体とシート部材との微少開口部を再び流れる構造であるためオリフィス部位が2段に形成されてエネルギー損失も大きくなる。更に、半開時には、キャビティー容積が大きいことで流体が流れる際の損失係数も大きくなり、流動抵抗も大きくなる。全開時には、大容積のキャビティー内に滞留した密封流体の温度上昇により異常昇圧が引き起こされ、シート部材が損傷・変形して漏れや作動不良が発生するという問題もあった。
特許文献1のボールバルブにおいては、半球状弁体を半球状の中空半球空間に嵌合させるように取付けているので、上述したボールバルブと同様にシール部材の圧接力が強くなり、シール部材の耐久性がボールバルブと同様に悪くなっていた。
同文献2のボールバルブは、弁箱の空洞内に装着された大型のシール部材で弁体の外周囲全体をシールする構造であるため、シール部材が摩耗した場合にはこのシール部材全体を交換する必要が生じて経済性が悪くなっていた。
本発明は、上記の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、弁体開閉時の高シール性と操作性とを確保した回転弁であり、簡単な構造で耐久性を向上しつつ経済性にも優れ、流体の流出入時の損失を最小限に抑えた回転弁を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、少なくとも2つの流出入口を有するボデー内に内周半球面を有する弁体収納部と弁体収納部より開口させた円筒開口部を形成し、この円筒開口部より外周面半球面状部である弁体が前記円筒開口部より前記弁体収納部内に装入された状態で、かつ前記円筒開口部蓋部材で被蓋された状態で、前記弁体を前記弁体収納部内に回転自在に設け、前記弁体には、前記流出入口と連通する貫通口と、この貫通口との交差方向に前記流出入口と対向する円形凹溝を形成し、この円形凹溝にシール部材を装着した回転弁において、このシール部材は、表面が平坦部位で円板状に形成され、このシール部材を前記円形凹溝に突出状態で装着し、前記弁体収納部と前記弁体外周面との間を保持するキャビティー容積の隙間と、前記シール部材の平坦部位と前記弁体収納部の内周面との間を保持する隙間をそれぞれ設けると共に、前記シール部材の平坦部位の環状の外縁表面のみを前記弁体収納部の内周面に接触させた状態で前記弁体を回転自在に設けた回転弁である。
請求項2に係る発明は、前記蓋部材前記円筒開口部に螺合した状態で前記弁体それぞれの隙間を介して前記円周半球面側に押圧されており、前記シール部材の環状の外縁表面前記内周半球面側に増し締めされるようにした回転弁である。
請求項に係る発明は、回転弁を竪型三方弁、横型三方弁或は横型四方弁の多方弁に用いるにあたって、弁体自体に取付けた少なくとも1つのシール部材で多方弁出入口の流路を適宜に切換可能に設けた回転弁である。
請求項1に係る発明によると、グローブバルブやバタフライバルブ等に比較して圧力損失が少なく、ゲートバルブのようにステムのストロークを必要とすること無くコンパクト化を図ることができ、ボールバルブやコックのように弁体やシール部材等の封止面を高精度に加工することなく操作性やシール性を確保することができる。シール部材の摩耗を抑えることで耐久性を向上させ、高シール性を維持できる。しかも、簡単な構造で部品点数も少ないことから経済性に優れつつ、組立やシール部材の交換等のメンテナンスも容易である。
流体を流す際においては、微開時にキャビテーションを抑えつつこの微少開口時のエネルギー損失を最小限に抑えることができ、全開時には流出入口により損失係数を小さくして流動抵抗を抑えることができる。更に、小さいキャビテーション容積により、異常昇圧値を低く抑えることができるため、漏れや作動不良の発生も回避できる。このように、流体の流出入時の損失を最小限に抑えてバルブとしての機能を高めることもでき、ボールバルブに比較してスムーズな操作で流体を流すことが可能になる。これらのことから、ボールバルブの欠点を解消しつつ、ボールバルブやコックなどの利点を取り込んだ回転弁を提供できる。
特に、弁体収納部と弁体外周面との間にキャビティー容積の隙間と、シール部材の平坦部位と弁体収納部の内周面との間に隙間をそれぞれ設け、しかも、シール部材の平坦部位の外縁表面の環状部位と弁体収納部の内周面のみを接触させた状態で弁体を回転自在に設けているから、半球面状のボデー内に半球面状の弁体を回動させる特殊構造の回転弁であっても、操作トルク性が良好で、シール性を確保できるばかりでなく、シール部材の摩耗を抑えることで耐久性を著しく向上させ、しかも、上記の隙間を利用して容易に増し締め機能を有しているので、シール性等を適宜に調整できると共に、シール部材の交換頻度を少なくすることができる。
かも、半球面状部に円形外周部を有する弁体を装入することで、高い寸法精度を必要とすることなく貫通孔・シール部材と流出入口との取付け精度を高めて一体化でき、1ピース構造のボデーにより外部漏れを抑えることができ配管接続口からシート部材を組み込む必要がなく、このシート部材の交換時にも弁本体を配管から外すことなく容易に交換できる。
請求項に係る発明によると、弁体の繰り返しの回動等によりシール部材が摩耗した際には、蓋部材の螺合によりシール部材を増し締めしてシール性を回復できる。このため、シール部材の交換を控えながら長期に亘って同一のシール部材を利用することもできる。組立時においては、蓋部材を回転させてシール部材の圧着力を強くしたり弱くすることで弁体開閉操作時のシール性と操作トルクとを調整でき、このシール性と操作性とを両立させた最適な状態でシール部材を取付けできる。
請求項に係る発明によると、1つのシール部材で複数の流路を閉止して多方弁出入口の流路を適宜に切換えることができるため、部品点数を少なくしつつ簡単な構造により竪型三方弁、横型三方弁或は横型四方弁の多方弁を構成できる。シート部材が1つでよいため組立て性にも優れ、弁全体を配管から外すことなく容易にこのシート部材を交換することもできる。
本発明における回転弁の第1実施形態を示した断面図である。 (a)は、図1のA−A断面図である。(b)は、図1における支持ステムとストッパとの関係を示した模式図である。 図1の回転弁の弁開状態を示した断面図である。 (a)は、図3のB−B断面図である。(b)は、図3における支持ステムとストッパとの関係を示した模式図である。 (a)は、シール部材の他の装着状態を示した要部断面図である。(b)は、シール部材の縦断面図である。(c)は、他例のシール部材を示した縦断面図である。 本発明における回転弁の第2実施形態を示した断面図である。 図6の回転弁の弁開状態を示した断面図である。 本発明における回転弁の第3実施形態を示した断面図である。 本発明における回転弁の第4実施形態を示した断面図である。 メタルシールユニットを示した縦断面図である。 本発明における回転弁の第5実施形態を示した断面図である。 多方弁の他例を示した概略断面図である。 本発明における回転弁の第6実施形態を示した断面図である。
以下に、本発明における回転弁の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1ないし図4においては、本発明における回転弁の第1実施形態を示している。
本発明の回転弁本体(以下、バルブ本体という)1は、ボデー2、弁体3、蓋部材4、シール部材5、回転操作部6を有している。
図1、図3に示すように、バルブ本体1のボデー2は、1ピース構造に形成されて、流出口10と流入口11とからなる少なくとも2つの流出入口を有し、このボデー2内には、内周半球面12を有する弁体収納部13と、この弁体収納部13よりも開口させた円筒開口部14とが形成されている。内周半球面12は、略半球形の座ぐり加工により略半球凹状に設けられている。更に、弁体収納部13の底部には挿着穴部15、円筒開口部14の内周面には雌ネジ16が形成されている。流出入口10、11は、弁体収納部13に連通して形成され、この流出入口10、11の内周側には雌ねじである螺合部17が形成され、この螺合部17に図示しないパイプが接続可能になっている。挿着穴部15にはピン状のストッパ18が嵌め込み固着され、このストッパ18により弁体3の回転を規制可能になっている。
弁体3は、略半球状に形成された半球面状部20を一部に有し、この半球面状部20の上方には略筒状の円形外周部21を有している。本実施形態では、弁体3の外周面を半球面状部20とし、この半球面状部20の上部に円形外周部21が形成されている。円形外周部21は、ボデー2の円筒開口部14の内方に形成されたボデー円筒部14aに対向して装着される。過度な流体圧がこの弁体3に加わった場合には、円形外周部21がボデー円筒部14aに当接して、弁体3の移動が規制される。円形外周部21の外周側にはOリングからなるシール材22が装着され、円形外周部21の内周面にはめねじ部23が形成されている。半球面状部20の外周面には、流出口10、流入口11と対応して連通する貫通口24と、この貫通口24と交差方向に流出入口と対向する装着溝25とが形成され、この装着溝25には、流出入口10、11を閉止可能な弾性を有するシール部材5が着脱可能に装着されている。本実施形態では装着溝25は円形凹溝であり、シール部材5はこの円形凹溝25に嵌合可能な円板状に形成されている。
更に、弁体3の上面側には平行二面部位を有する凹状の嵌合溝27が形成され、この嵌合溝27には回転操作部6が装着可能になっている。一方、弁体3の下部には、挿着穴部15に挿着可能な支持ステム28が一体に形成されている。この支持ステム28には、弁体3の回転軸Pと略平行な切欠面29が形成されている。支持ステム28は、後述する弁体の回転規制など、必要に応じて配置する部品である。
弁体3は、内周半球面12に装入可能な形状であって、貫通孔とシール部材とが流出入口10、11に対応して装着可能であれば、半球面状部20に相当する部位が半球面状部以外の形状であってもよい。本実施形態のように、弁体3の一部に半球面状部20を形成した場合には、この半球面状部20がボデー2内の内周半球面12にガイドされるため、弁体3のガタツキが少なくなり回動がスムーズになる。
弁体3に装着されるシール部材5は、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの高分子材料により形成され、このシール部材5は、弁体3を回転したときにこの弁体3と一体に回転軸Pを中心に回動して流出口10、流入口11をシール可能であり、一方、流出口10、流入口11からずれたときにこれらが開放される。
シール部材5の傾斜角αは、25〜35°、より好ましくは30°に設定するのがよい。傾斜角αを小さくしすぎると、シール部材5は起立した状態に近くなり、円形外周部21の十分な高さを確保できず、これを解消するため、弁体3の高さを伸ばさなければならない。一方、傾斜角αを大きくしすぎると、シール部材5は水平状態に近くなり、流出入口10、11をシールするために外形を大きく確保しなければならず、シール部材5を装着する弁体も大きいものが必要になってしまう。
蓋部材4は、ブッシュ状に形成され、環状の取付部30と、この取付部30よりも縮径した筒部31とを有している。取付部30の外周側には円筒開口部14の雌ネジ16に螺着可能な雄ネジ32が形成され、一方、筒部31の外周側にはめねじ部23に螺合可能なおねじ部33が設けられている。蓋部材4の中央には貫通穴34が形成され、この貫通穴34を介して弁体3に回転操作部6を取付け可能になっている。
回転操作部6は、ステム部35と手動操作用のハンドル36とを有し、ステム部35の下端部には弁体3の嵌合溝27に嵌合可能な平行二面部37が形成されている。回転操作部6を弁体3に取付けることにより、ハンドル36を介して弁体3を開閉操作して流体制御することが可能になっている。
上述した各部品によりバルブ本体1を組付ける場合を述べる。この実施形態では、弁体3をボデー2の流出入口10、11に対して全開した状態で組付ける場合を説明するが、弁体3を流出入口10、11に対して全閉状態で組付けるようにしてもよい。
先ず、シール材22とシール部材5とを弁体3に装着し、この弁体3を、ボデー2の流出入口10、11に対して全開状態で内周半球面12の弁体収納部13内に装入し、支持ステム28を挿着穴部15に挿入する。このとき、シール部材5とボデー2とは、押付け力が働いていない接触状態になっている。次いで、弁体3の全開状態を保持しながら、蓋部材4の雄ネジ16を円筒開口部14の雄ネジ16に螺着させ、かつ、蓋部材4のおねじ部33を弁体のめねじ部33に螺合させるようにしながら円筒開口部14を蓋部材4で被蓋する。この場合、蓋部材4により弁体3をボデー2に押付けるようにしながら装着でき、円形外周部21を円筒開口部14内にシール材22を介して装着して、回転操作部6により弁体3を回転自在に設けている。
弁体3の装着後には、弁体収納部13と半球面状部20の弁体3との間に隙間Gが設けられると共に、回転操作部6で弁体3をOリング22を介して上下動自在で、かつ回転自在に設けることができ、弁体3の閉止時には、弁体3に装着されたシール部材5で流出入口10、11を密封シールするようになっている。
図1、図3に示すように、隙間Gには隙間Gと隙間Gとがあり、隙間Gは、バルブ本体1の全閉操作時に、ボデー2に対する弁体3の位置を下げて、シール部材5を流出入口10、11の開口部位(ボデーの弁座)に圧接するための隙間となっている。この隙間Gは、弁体収納部13と半球面状部20との間に形成され、90°開閉のバルブの場合、弁体3の上下動に用いるねじの1/4ピッチ以上を確保する。本実施形態においては、隙間Gを形成する前提構成として、弁体3と蓋部材4との間に空間K、Kを設けている。
隙間Gは、バルブ本体1の組み立て時に、ボデー2に対する弁体3の位置を下げて、シール部材5を流出入口10、11の開口部位に圧接するための隙間となっている。この隙間Gは、弁体収納部13と半球面状部20との間に形成され、シール部材5の摩耗代よりも大に設定しておく。なお、本実施形態において、支持ステム28を用いる場合には、支持ステム28の底面と、挿着穴部15の上面との間に、隙間Gと同程度の空間Kを設ける。
弁体3下部の支持ステム28は挿着穴部15に挿着され、図2(b)、図4(b)に示すように、弁体3の回動時には支持ステム28に形成した切欠面29にストッパ18がそれぞれ係止することで、回転操作部6に設けたハンドル36を略90°回転操作可能としている。
回転操作部6のハンドル36を弁体3に装着し、図3、図4(a)、図4(b)の弁開状態から弁閉方向にこのハンドル36を回転させると、おねじ部33とめねじ部23が送り機構となって弁体3が弁体収納部13に対して回転しつつ蓋部材4に対して下方に移動して内周半球面12にシール部材5が圧接する。このとき、内周半球面12と半球面状部20の弁体3との間に隙間Gを設けているので、弁体3が弁体収納部13に対して無摺動の状態で回転する。弁体3を1/4回転、すなわち、90°回転させると、シール部材5が流出入口10、11を密封シールして塞ぐことで図1、図2(a)、図2(b)の弁閉状態になり、この流体閉止状態が維持される。このとき、弁体3は、おねじ部33、めねじ部23の1/4ピッチ分だけ蓋部材4に対して移動し、シール部材5は、この送り量の分だけ流出入口10、11の開口部位に圧接される。
また、図1、図2(a)、図2(b)の弁閉状態からハンドル36を開方向に回転させると、おねじ部33、めねじ部23が送り機構となって、弁体3が回転しつつ蓋部材4に対して上方に移動してシール部材5の弁体収納部13への圧接力が低下しながら弁開状態になる。この場合、弁体3を1/4回転させると、図3、図4(a)、図4(b)に示すように流出入口10、11が弁体3の貫通口24と対向するように全開状態で連通し、この連通状態が維持される。
バルブ本体1の使用とともにシール部材5が摩耗し、弁閉時における封止性を維持することが難しくなった場合には、シール部材5によるシール性を回復させることもできる。この場合、弁体3を全開状態にした状態で雄ネジ32と雌ネジ16とを緩める方向に回転させて蓋部材4を弁体3とともにボデー2から分離させ、次に、分離した蓋部材4と弁体3とをおねじ部33とめねじ部23の螺合を緩めることで分離させる。続いて、分離させた弁体3を弁体収納部13に装入し、前述した組立て手順と同様に蓋部材4を弁体3に組み込んでこれらを一体化するようにすればよい。この再組み込みにより、ボデー2に対する弁体3の位置が、シール部材5の摩耗分だけ下降し、シール部材5が流出入口10、11の開口部位に圧接される。このように、シール部材5による封止性が劣化した際には、予め隙間Gを設けていることによってこの隙間Gを利用してシール部材5を増し締めしてシール性能を回復させることができ、シール部材5の圧接可能な量がほぼゼロになるまで同一のシール部材5を使用して封止性能を回復できる。更に、このシール性能の回復によっても封止性能の回復が難しくなった場合には、新規のシール部材5に交換するようにしてもよい。
なお、本実施形態において、ボデー2の雌ネジ16と蓋部材4の雄ネジ32とによる螺合部分(便宜上、上部螺合部分という)と、蓋部材4のおねじ部33と弁体3のめねじ部23とによる螺合部分(便宜上、下部螺合部分という)は、何れも右ねじであり、且つ、同一ピッチに設定されている。上部螺合部分は、下部螺合部分よりも大径に設けられているため回転モーメントがより大きくなり、その結果、弁体3を開閉する際に蓋部材4が緩むことは無い。また、上部螺合部分を目的に応じて左ねじにしたり、上部螺合部分、或は下部螺合部分の何れかのねじピッチを他方側よりも大になるように設定してもよい。
上述したように、本発明の上記実施形態におけるバルブ本体1は、ボデー2に形成した内周半球面12を有する弁体収納部13に、円筒開口部14から半球面状部20を有する弁体3を装入し、弁体3の半球面状部20の上方の円形外周部21をシール材22を介して円筒開口部14に装着し、この上から蓋部材4を装着して被蓋するトップエントリ型の構造のバルブとしているので、蓋部材4によってボデー2に対する弁体3の位置を調整することができ、ボデー2や弁体3の寸法誤差を吸収しつつ弁体収納部13の所定位置に弁体3を簡単に装着できる。
ここで、一般的なボールバルブでは、流出入口側にそれぞれシール部材が配置され、このシール部材に封止に必要な接触面圧が加わる位置にボール弁体が配置され、このボール弁体を回動操作して流体を閉止する構造になっている。このようなボールバルブでは、各流出入口を確実に閉止するためにシール部材を流出入口よりも外周縁側に拡径した状態で配置することで、ボール弁体とシール部材とを流体の流れ方向に対して干渉させる必要がある。
さらに、2つ以上の流出入口を閉止するためにシール部材やこのシール部材を固定するための固定部材がそれぞれ必要になる。そのため、流出入口の増加に伴ってバルブ全体の複雑化、大型化、重量の増加につながることに加え、各部品の高い寸法精度も要求される。
ボール弁体とシール部材とは前記したように干渉する位置に配置されているため、ボール弁体によるシール部材の変形、破損を防ぐためにバルブ内部の構造が複雑になる。例えば、1ピース構造のフローティングバルブにおいては、ボデーと別体のインサートを設け、このインサートをボデーの配管接続部からねじ込んでシール部材とボール弁体とを流路方向に沿って伴締めする構造になる。2〜4ピース構造のフローティングバルブにおいては、ボデーと別体のキャップを設け、このキャップをボデーの上方側からねじ込んでシール部材と球体とを流路方向に沿って伴締めする構造になる。トラニオンバルブにおいては、ボデーの配管接続部から各シール部材を流路方向に沿って球体に接触するように締め付ける構造になる。
これらの場合、流出入口の増加により組立工数も増加し、摩耗や消耗等によりシール部材や消耗部品等を交換する場合には、配管からバルブ全体を取外し、このバルブを分解して部品交換等を実施する必要が生じるなどの手間もかかる。
シール部材の装着時には、このシール部材の初期封止性能・球体との摺動性能が球体とシール部材との固定位置により大きく影響されるため、シール部材を所定位置に位置決めするためにボデー等に対して高い加工精度が要求される。
前記のような一般的なボールバルブに比較して、本発明における上記実施形態の回転弁は、弁体3側にシール部材5を配設しているため、一般的なボールバルブのように複数のシール部材を必要とすることなく1つのシール部材5で弁閉状態にすることができる。このため、部品点数を少なくしつつ簡略化して小型化・軽量化でき、ボデー2、弁体3の半球面状部20、シール部材5に高い加工精度を必要とすることがない。弁体収納部13の内周半球面12、具体的には、流出入口10、11の開口部位(ボデーの弁座面)の加工精度を確保すれば、ボデー2に弁体3を装入した状態で蓋部材4で被蓋するだけでシール性を確保しつつ所定の状態に組込むことができ、安定した操作性とシール性とを確保することが可能になる。
弁体の組込み時には、予めシール部材5を装着した弁体3をボデー2の円筒開口部14から装入できるため、ボデー2を1ピース構造に設けて外部漏れを防ぐことができる。これにより、シール部材やインサート、キャップ等を外部よりボデーに組み込む必要がないため、シール部材5や消耗部品等の交換時に全体を配管から外す必要がなく、組付け作業や消耗部品等の交換時の工数を最小限に抑えている。
蓋部材4を円筒開口部14に螺着し、かつ、蓋部材4のおねじ部33を弁体3のめねじ部23に螺合させ、内周半球面12と半球面状部20の弁体3との間に隙間Gを設け、弁体3を回転操作部6により回転させたときにおねじ部33とめねじ部23とによりこの弁体3を無摺動で回転させるようにし、シール部材5に閉止時のみに圧力が加わるようにしているので、グリース等の潤滑剤を用いることなくシール部材5の摩耗を最小限に抑えることができ、しかも、流体圧によるシール部材5の変形や移動も防がれてこのシール部材5の高シール性と耐久性とを維持することができる。このようにシール部材5の摩耗も抑えられることから経済性にも優れている。更に、シール部材5が摩耗した場合には、上述したとおり同一のシール部材5を使用して封止性能を回復させることができるためシール部材5を頻繁に交換する必要がなくコストを抑えることができる。
シール部材5には流体圧力からの偏った圧力が加わり難く、常時においてこのシール部材5への圧力がほぼ均等に保たれるため、シール部材5の変形を防いで耐久性を高めることができる。上述のように、封止時のみにシール部材5を締め付ける構造であり、かつ、流体により弁体3が押圧される力(便宜上、流体押圧力という)Fは、傾斜したシール部材5により、流路方向の押圧力fと、流路直交方向の押圧力fとに分力化される。従って、弁体が流路方向に押圧される力fは、流体押圧力Fよりも小さいものとなり、弁体3がボデー2に当接しにくくなるため、弁体3の操作トルクを小さくできる。また、流路直交方向の押圧力fが流体押圧力Fよりも小さいものとなることに加え、弁体3は、蓋部材4との螺合を利用して、押圧力fに抗して閉操作可能としていることからも、弁体3の操作トルクを小さくすることができる。このとき、弁体3は蓋部材4により流路方向への移動が規制されてボデー2に当接しにくくなることによっても操作トルクが小さくなる。これらにより、操作トルクがほぼ一定となり、トルクむらの発生が抑えられる。なお、高圧流体の場合には、支持ステム28を挿着穴部15で支持することにより、弁体3が流路方向に移動するのを規制してもよい。
また、弁体3と弁体収納部13との隙間(キャビティー容積)Gを前述の隙間G、Gに基づく最小限の寸法に小さくでき、流体が流れる際に流入口11から流出口10までのオリフィス部位が略1段の構成になるため、コックや一般的な構造のボールバルブのように流出入側の流体抵抗が大きくなってキャビテーションの発生することが防がれ、かつ、エネルギー損失を抑えつつ流量制御可能となる。しかも、キャビティー容積が小さいことから異常昇圧値を低く抑えて耐圧性も高くなる。更に、弁体3が支持ステム28により支持されていることで弁体3の回転軸Pに対する位置が確保され、流体やスラスト力によってこの弁体3が二次側に可動することを防止できる。このため、一方側(二次側)のシール部材5が急激に消耗することもない。更に、シール部材5が円板形状であるため、閉止時におけるボデー2への接触部位のみが流体接触面部となって背面漏れを防ぐことができる。
図5(a)においては、シール部材の他の装着状態を示している。同図では、弁体3の円形凹溝25のシール部材5との対向面25aに環状凸部80が設けられている。図5(b)のシール部材5を円形凹溝25に装着したときには、環状凸部80がシール部材5に食い込み、このシール部材5が押圧されて円形凹溝25の対向面25a、シール部材5の対向面5b同士の圧接力が高まる。そのため、流体がシール部材5の背面側に回り込む、いわゆる裏漏れが防がれてシール部材5の変形やはみだし、破損が防止される。しかも、対向面25a、5b同士の圧接力の向上により、シール部材5のシール部位である密封シール部81とボデー2のシール面2aで密封面圧力が高まり、この密封面圧力がシール部材5に均一に加わることでシール性がより向上する。
この場合、シール部材5は短円柱形状であり、弁体3の円形凹溝25より外側(ボデー2側)に突出して装着される。そのため、弁体3をボデー2に装着したときに、シール部材5の突出部位の外縁表面及び円柱側面の一部がボデー2の内周半球面12に加圧接触され、流体を封止する。このようにシール部材5が短円柱形状であるため、弁体3の開閉動作時には、ボデー内半球面12内側に開口した流体通過穴87をシール部材5が通過するときにシール部材5表面の平坦面部位と通過穴面部位との間に隙間δが形成される。これにより、シール部材5を増し締めしたときにシール部材5の流体通過穴87内側へのはみ出しが防がれ、弁体の開閉操作時には、シール部材5が流体通過穴87に引っ掛かることがなく、円滑で軽い操作力で弁体の操作ができるとともに、シール部材5が傷付くことも防がれる。
一方、特許文献1のボールバルブでは、弁体とシール部材とが、シール部材表面がボデーの内周半球面と一致した状態で嵌め合い装着されているため、シール部材の封止力がシール部材のバネ弾性復元力による封止力、又は、シール部材背面のスプリング押出し力による封止力、或は、Oリングの弾性力による封止力により決定されている。このため、仮に増し締めを実施しようとしても、シート部材の位置を調整する機能がなく、耐久性が悪くなる。
更に、シール部材の表面形状がボデー及び弁体の球面形状に一致する構造であるため、シール部材の球面部位とボデー内周の半球面部位とが全体的に接触する。これにより、弁体の操作トルクが上昇して操作力が重くなるという欠点もある。
弁閉時においては、シール部材に加えられた圧縮力によりボデーの流体通過穴部位において応力がフリーの状態となり、シール部材の復元力によってこの流体通過穴部位の内側にシール部材がはみ出すことにより弁体の操作ができなくなったり、シール部材に流体漏れにつながる傷が発生する可能性もある。
図5(c)においては、シール部材の他例を示しており、このシール部材85では円形凹溝25への対向面85aに環状凸部86が形成されている。このシール部材85を円形凹溝25に装着したときには、環状凸部86が押圧されることで円形凹溝25の対向面25a、シール部材85の対向面85a同士の圧接力が高まり、上記したシール部材5を装着した場合と同様の機能が発揮される。
このように、円形凹溝或はこの円形凹溝に装着したシール部材の対向面のうち、何れか一方の対向面に環状凸部を設けるようにすればよい。
図6、図7においては、本発明における回転弁の第2実施形態を示している。なお、この実施形態以降において、上記実施形態と同一部分は同一符号によって表し、その説明を省略する。
この実施形態におけるバルブ本体40においては、雄ネジ41と突起状の押圧部42とを有する蓋部材43を形成し、この蓋部材43の雄ネジ41をボデー2の雌ネジ16に螺合させたものである。
そして、弁体収納部13に半球面状部20の弁体3を収納し、かつ円形外周部21を円筒開口部14にOリング22を介して回転自在に設けると共に、蓋部材43の螺合で弁体3のシール部材5を増し締めするようにしたものである。
シール部材5が摩耗した場合には、蓋部材43を螺入方向に回転させることで容易に増し締めを図ることができ、シール部材5の交換頻度を少なくできる。この実施形態におけるバルブ本体40では、蓋部材43と弁体3との間にねじ部を設けていないため構造を簡略化でき、経済性にも優れている。
図8においては、本発明における回転弁の第3実施形態を示しており、このバルブ本体50においては、シール部材5の裏面5aと円形凹溝25との間に、皿バネ等のばね部材51を装着したものであり、このばね部材51によりシール部材5による圧力を高めるようにしたものである。
このバルブ本体50では、蓋部材52がボデー2の円筒開口部14を被蓋可能な形状に形成され、この蓋部材52には、円筒開口部14内に圧入可能な突起状の押圧部53が形成されている。
弁体収納部13に弁体3を装入した状態でボデー2に蓋部材52を被蓋すると、押圧部53が円筒開口部14内に圧入して蓋部材52がボデー2に固定されると共に、押圧部53により弁体3が弁体収納部13方向に押圧されて所定位置に装着され、シール部材5による圧力を一定に確保できる。このように、蓋部材52による被蓋時に弁体3のボデー2に対する装着位置が決まる場合には、上記したばね部材51を装着することによりシール部材5による圧力を調整できる。図示しないが、この蓋部材の代わりに止め輪を用いて弁体を装着させることもでき、この場合、円筒開口部の内周面に止め輪を装着可能な装着溝を形成し、弁体収納部に弁体を装着した後に装着溝に止め輪を装着することで弁体を回転可能な状態に保持できる。
図9においては、本発明における回転弁の第4実施形態を示している。この実施形態のバルブ本体90においては、蓋部材91における弁体92の回転操作部93が貫通する部分に円筒穴部94が設けられ、この円筒穴部94にめねじ部95が設けられている。一方、弁体92の回転操作部93には円形外周部96が設けられ、この円形外周部96にはめねじ部95に螺合可能なおねじ部97が形成されている。
バルブ本体90の組込み時には、蓋部材91が雄ネジ32と雌ネジ16とを介してボデー2の円筒開口部14に螺着される。蓋部材91のめねじ部95には弁体92のおねじ部97が螺合され、弁体92が弁体収納部13に装入される。このとき、内周半球面12の弁体収納部13と弁体92との間に隙間G´が設けられると共に、回転操作部93で弁体92をOリング22を介して上下動自在で、かつ回転自在に設け、閉止時にシール部材100により流出入口10、11を密封シールする構成になっている。
このバルブ本体90では、シール部材100としてメタルシートユニットが弁体92に形成された装着溝101に固定されている。図10に示すように、メタルシートユニット100は、メタルシート102、ホルダ103、ガイド部材104、球体105、皿バネ106、割リング107を有している。
メタルシート102は、シール用の密封シール部108を有し、この密封シール部108と相対する裏側位置に環状突部109が形成されている。環状突部109の内側には収容部110が形成され、外周側には凹状溝111が形成されている。図示しないが、メタルシート102のシール部位表面は、ガス窒化により表面硬化処理されているため、メタルシート102による食いつきやかじりが防止されている。密封シール部108は、流出入口10、11の被当接面の凹状球面であるシート面112の曲率半径よりも小さい曲率半径により形成することが望ましい。
ホルダ103は、メタルシート102との間に例えば鋼球からなる球体105、ガイド部材104、皿バネ106を装着するために設けられ、外周の一部には切欠部113が形成されて円形の一部が欠けた形状に形成されている。ホルダ103のメタルシート102側には、このメタルシート102を取付けるための環状取付部114と、この環状取付部114の内周に割リング107取付け用の取付溝115、中央部位には球体105を格納するための格納穴116が形成されている。一方、弁体92への装着側には圧入部117が突設形成されている。
ガイド部材104は円板状に設けられ、メタルシートの収容部110側にこの収容部110の底部110aに当接可能な円板状の突起部118、ホルダ103側に球体105格納用の格納穴119が設けられている。この格納穴119とホルダの格納穴116の底面側にはそれぞれテーパ面120、121が設けられ、このテーパ面120、121により格納された球体105のガタが防止される。皿バネ106は、メタルシート102とガイド部材104との間に2枚設けられる。
図10において、メタルシートユニット100の組立時には、メタルシート収容部110に皿バネ106を介してガイド部材104を収容し、各格納穴116、119に球体105を格納しながらメタルシート102の環状突部109をホルダ103の環状取付部114の内側に装入する。次いで、凹状溝111と取付溝115との間に切欠部113より割リング107を取付けることで、ホルダ103にメタルシート102を一体化する。割リング107を取付けにより、ホルダ103からのメタルシート102の抜けが防止される。
メタルシートユニット100は、圧入部117を弁体92の装着溝125の中央位置に設けた円形溝126に圧入固定することで弁体92に取付けられ、メタルシート102がホルダ103によって保持されつつ装着溝125に装着される。
バルブ本体90は、メタルシートユニット100のホルダ103とガイド部材104とに装着された2つの球体105、105の球面点接触により、ホルダ103に対してメタルシート102、ガイド部材104、皿バネ106を、ホルダ103の軸心Qを中心として回動可能でかつ傾斜可能になっている。そのため、シート面112に対してメタルシート102を調芯しながら流出入口10、11を密封シールして流体を封止することが可能になる。メタルシートユニット100によるシール構造の場合、メタルシート102の高い剛性によりつぶれが防がれつつ、上記の調芯作用によりメタルシート102とシート面112との隙間を塞いだ状態でシールされるため確実に流体漏れが防止される。
弁体92が閉状態以外の自由な状態(開状態)であり、シート面112とメタルシート102とが接触していない場合には、皿バネ106が圧縮されておらず2枚の皿バネ106、106の反力によってメタルシート102がホルダ103から突出する方向に移動する。このとき、ガイド部材104は、軸心Q方向で球体105に押付けられているため、このガイド部材104とホルダ103との間にガイド部材104が軸心Q方向に移動するための隙間が生じることが防がれている。
弁体92を回転させ、メタルシート102がシート面112に接触する瞬間まで到達したときには、メタルシート102がホルダ103に対して回転可能であることから、メタルシート102に回転モーメントが発生する。
この流出入口10、11の全閉状態の場合には、メタルシート102がシート面112に接触していることで2枚の皿バネ106、106が圧縮されながらメタルシート102がこの圧縮力に抗してホルダ103側に移動する。この場合、前記したようにメタルシート102がシート面112に対して調芯されて密着状態で接触し、メタルシート収容部110の底部110aにガイド部材104の突起部118の先端面側が密接しながら皿バネ106の圧縮力が加わることでメタルシート102の面圧力が高まる。しかも、メタルシート102が前記のように回転モーメントにより回転することで、このメタルシート102への偏荷重が防がれて摩耗の発生も均一化する。このため高温流体や粉流体などの流体を流す場合にも、メタルシート102の消耗を最小限に抑えて高シール性を維持できる。
上記メタルシートユニット100は、摺動抵抗を抑えた構造の回転弁、すなわち、内周半球面と弁体との間に隙間を設け、弁体の閉止時に流出入口を密封シールする構造の回転弁に好適である。この場合、弁体の摺動抵抗を低く抑えながらシール性を高めることが可能になる。一方、メタルシートユニット100を、増し締め可能な構造の回転弁、すなわち、弁体収納部と弁体との間に隙間を設け、弁体を下降させることで弁体のシール部材を増し締めする構造の回転弁に適用してもよい。この場合、メタルシート102のシール性が弱まったときに、増し締めすることによりシール性を復帰させることができる。何れの場合にも、2組以上の多数組のメタルユニットを弁体に装着することもできる。
図11においては、本発明における回転弁の第5実施形態を示している。この実施形態におけるバルブ本体60は、略L字型の貫通口61とこの貫通口61との略直交方向に設けられた1つのシール部材5とを有する略半球形状の弁体62と、出入り口の流路である、弁体の軸心に対して垂直方向の2つの流出入口63、63、軸心の軸心と平行な1つの流出入口63を有する竪型のボデー64とを有する竪型三方弁である。この回転弁では、弁体62を回転させて三方の流出入口63を切換え可能になっている。バルブ本体60の弁体62には、ステム部65とハンドル部66とが一体に形成され、これにより部品点数の削減が図られている。
図12においては、多方弁の他例の概略断面図を示している。この例におけるバルブ本体130は、図12(b)に示すように、T字型の貫通口131とこの貫通口131と略直交する方向に設けられた1つのシール部材5とを有する略半球形状の弁体132と、弁体132の軸心Rに対して垂直方向に設けられた出入り口の流路である3つの流出入口133、134、135を有するボデー136とを有する横型三方弁である。この回転弁では、弁体132を回転させて三方の流出入口133、134、135により流路を切換え可能になっている。
これらのように、本発明の回転弁は、特に、前述した増し締め可能な構造の回転弁に好適である。しかも、回転弁は、竪型三方弁、横型三方弁、或は横型四方弁等の更に別の構造の多方弁であってもよい。この場合、これらの多方弁に回転弁を用いるにあたって、弁体自体に取付けた少なくとも1つのシール部材5で多方弁の出入口の流路を適宜に切換可能になり、その際にも増し締めによりシール性能を回復できる。
更に、図12(a)に示すように、このバルブ本体130における弁体132の円形外周部137には、略90°間隔で切欠係止部138が形成されている。一方、ボデー136の切欠係止部138が対応する高さにはメネジ139が1箇所に形成され、このメネジ139に、ボデー136の側面よりボールプランジャ140のオネジ141がねじ込まれている。ボールプランジャ140は、内部にボール体142とコイルスプリング143とが装着され、ボール体142をボデー136の内周側に突出可能に外側から位置調節しながら装着される。ボールプランジャの装着後には、ボール体142がコイルスプリング143の弾発力により切欠係止部138に90°毎に係止可能になっている。これにより、弁体132の回転操作部145に設けたハンドル146を略90°毎に回転操作できる。すなわち、ボール体142が切欠係止部138に係止したときには適度なクリック感が得られるため、簡単かつ正確に所定の状態まで弁体132を回転操作できる。
ボールプランジャ141を設ける場合、特に、増し締め可能な構造の回転弁に適しており、増し締めした後にも増し締め前と同様の弁体の回転操作が可能になる。一方、前述したメタルシートユニット100でシールする構造の回転弁と同様に、弁体の摺動抵抗を抑えた構造の回転弁にボールプランジャを設けることもでき、この場合、コイルスプリング143の弾発力を低くすることで摺動抵抗を抑えることができる。
更に、この例では、ボールプランジャ141が切欠係止部へのストッパとして用いられているが、他の構造のプランジャ等をストッパとして用いるようにしてもよい。
図13においては、本発明における回転弁の第6実施形態を示している。この実施形態におけるバルブ本体70では、半球面状ではない弁体72に、肉ヌスミ状の切欠面部73を設けたものである。この場合にも前記の回転弁と同様のシール性と操作性とを発揮できる。切欠面部73を設けた場合、弁体72の使用材料を少なくしてコストを削減できる。
なお、上述した実施形態においては、トップエントリ型の回転弁について説明したが、ボトムエントリ型のボールバルブについても同様に設けることができ、更に、本発明は、前記実施の形態記載に限定されるものではなく、例えば、ボデーの内周半球面や弁体の半球面状部について、部分的に平面部を設けるなど、完全な半球面以外の形状も用いてもよく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の変更ができるものである。
1 バルブ本体
2 ボデー
3 弁体
4 蓋部材
5 シール部材
5b 対向面
6 回転操作部
10 流出口
11 流入口
12 内周半球面
13 弁体収納部
14 円筒開口部
20 半球面状部(装入部)
21 円形外周部
22 Oリング(シール材)
23 めねじ部
24 貫通口
25 円形凹溝(装着溝)
25a 対向面
31 筒部
33 おねじ部
80 環状凸部
81 密封シール部
100 メタルシートユニット
101 装着溝
102 メタルシート
103 ホルダ
104 ガイド部材
105 球体
106 皿バネ
138 切欠部
140 ボールプランジャ(ストッパ)
146 ハンドル
G 隙間
Q 軸心

Claims (3)

  1. 少なくとも2つの流出入口を有するボデー内に内周半球面を有する弁体収納部と弁体収納部より開口させた円筒開口部を形成し、この円筒開口部より外周面半球面状部である弁体が前記円筒開口部より前記弁体収納部内に装入された状態で、かつ前記円筒開口部蓋部材で被蓋された状態で、前記弁体を前記弁体収納部内に回転自在に設け、前記弁体には、前記流出入口と連通する貫通口と、この貫通口との交差方向に前記流出入口と対向する円形凹溝を形成し、この円形凹溝にシール部材を装着した回転弁において、このシール部材は、表面が平坦部位で円板状に形成され、このシール部材を前記円形凹溝に突出状態で装着し、前記弁体収納部と前記弁体外周面との間を保持するキャビティー容積の隙間と、前記シール部材の平坦部位と前記弁体収納部の内周面との間を保持する隙間をそれぞれ設けると共に、前記シール部材の平坦部位の環状の外縁表面のみを前記弁体収納部の内周面に接触させた状態で前記弁体を回転自在に設けたことを特徴とする回転弁。
  2. 前記蓋部材前記円筒開口部に螺合した状態で前記弁体それぞれの隙間を介して前記円周半球面側に押圧されており、前記シール部材の環状の外縁表面前記内周半球面側に増し締めされるようにした請求項1に記載の回転弁。
  3. 請求項1又は2における回転弁を竪型三方弁、横型三方弁或は横型四方弁の多方弁に用いるにあたって、前記弁体自体に取付けた少なくとも1つの前記シール部材で前記多方弁の出入り口の流路を切換可能に設けた回転弁。
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