JP5972279B2 - ピーク強度検出を伴う超音波イメージングシステム及び方法 - Google Patents

ピーク強度検出を伴う超音波イメージングシステム及び方法 Download PDF

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Description

本発明は超音波画像を収集し分析するためのシステムと方法に関する。本発明は当該方法を実施するためのコンピュータプログラムにも関する。
超音波の利点は、リアルタイムイメージング能力、低コスト、応用の柔軟性、及び電離放射線が使用されないという事実を含む。しかしながら、一般的なグレースケール超音波イメージングを含む非造影超音波は、特定標的(例えば腫瘍)を所望のコントラストで視覚化することができないことがあり、場合によっては標的を全く視覚化できないかもしれない。
造影超音波(CEUS)は非造影超音波イメージングと比較して腫瘍、血管分布、及び他の関心組織の優れた視覚化を提供することができる。しかしながら、造影剤注入後の造影は過渡現象である。注入後、典型的には標的領域内の造影剤の濃度が増加する第1フェーズがある。このフェーズはwash‐in時間と呼ばれる。造影剤の濃度(造影画像における強度に対応する)はピークに達するまで増加する。注入とピークの間の時間はピーク到達時間(time‐to‐peak)と呼ばれる。その後、造影剤は洗い流され(wash out)、造影画像における強度が再び減少する。この動的挙動が特徴的な時間強度曲線をもたらす。
現在のワークフローは典型的には超音波画像が最初に収集され、そしてワークステーションへ送られ、最後にワークステーションで定量的に分析されるようになっている。従って画像の分析は画像の収集後に起こる。造影超音波収集からの典型的なファイルサイズは約数MBである。典型的な研究は多くのファイルで構成され、これは数GBの全データをもたらし得る。
US5,743,266は超音波診断中に得られるグレースケールビデオ画像のシーケンスからリアルタイムカラー造影画像を生成するための方法を開示する。特定のカラー化スキームはどの情報パラメータをリアルタイムに表示させたいかによって異なる。
本発明の目的は収集中に収集画像の定量的分析を可能にする超音波イメージングシステムと方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は画像収集と分析のための最適ワークフローを可能にすることである。
本発明の第1の態様において、以下を有する超音波イメージングシステムが提示される:
一つ以上の調節可能な収集パラメータに基づいて対象の超音波画像を収集するように構成される振動子、
平均強度値について超音波画像をリアルタイムに分析するように構成される分析器、及び
平均強度値がピークに達したときをリアルタイムに決定し、ピークが決定された後一つ以上の調節可能な収集パラメータの少なくとも一つを変更するように構成されるプロセッサ。
本発明のさらなる態様において、以下を有する超音波画像を収集し分析するための方法が提示される:
一つ以上の収集パラメータに基づいて対象の超音波画像を収集するステップ、
平均強度値について超音波画像をリアルタイムに分析するステップ、
平均強度値がピークに達したときを決定するステップ、及び
ピークが決定された後一つ以上の収集パラメータの少なくとも一つを変更するステップ。
本発明のさらなる態様によれば、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときにコンピュータに以下のステップを実行させるためのプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムが提示される:
平均強度値について超音波画像をリアルタイムに分析するステップ、前記超音波画像は一つ以上の収集パラメータに基づいて収集される対象の複数の超音波画像の一つである、
平均強度値がピークに達したときを決定するステップ、及び
ピークに決定された後一つ以上の収集パラメータの少なくとも一つを変更するステップ。
本発明の好適な実施形態は従属請求項に規定される。請求される方法は請求される装置及び従属請求項に規定されるものと同様及び/又は同一の好適な実施形態を持つことが理解されるものとする。
この技術分野の現在既知の装置と異なり、本発明によれば超音波画像の収集は収集画像から独立していないが、代わりに測定される強度において適応される。画像の基本的な定量的分析(平均強度値を決定することによって実行される)はリアルタイムになされ、これは収集手順中に収集のパラメータを適応させることを可能にする。例えば、収集超音波画像の空間的及び時間的精度がピーク強度フレームの直前に増加され、ピーク強度が決定された後に減少されることができる。
超音波画像は後続する時点において収集されるので、これらは超音波ビデオのフレームとも呼ばれることがある。以下、画像及びフレームという語は2D画像若しくは3D画像ボリュームをあらわし得る。
リアルタイムとは典型的には、ユーザがいかなる遅延にも気が付かないほど処理が速い、例えばたった数msであることを意味する。本願の文脈においてこれは画像収集がまだ続いている間に終了する処理もあらわすことができ、例えばある定量的測度の計算は1秒以上かかり得るが、それでも本発明の文脈においてはリアルタイムとみなされ得る。
好適な実施形態において、プロセッサは平均強度値がピークに達したときを決定するために一つ以上の前の画像の平均強度値と現在の画像の平均強度値を比較するように構成される。このような比較が実施されることができる異なる方法がある。例えば、移動平均が計算されることができ、ピークはこの移動平均の導関数に基づいて決定される。
別の実施形態において、超音波イメージングシステムは通知ユニット、特にLED、ディスプレイ、若しくはラウドスピーカ30をさらに有し、プロセッサは平均強度値がピークに達したことを決定したときにユーザに知らせるように通知ユニットを制御するように構成される。ピークの検出についてユーザに通知することは、ユーザ、例えば医師がそれに応じて反応することを可能にする。例えば、ピークが造影剤の投与後異常に早く若しくは遅く決定される場合、医師は追加検査を行いたいかもしれず、(ディスプレイ上にピーク時間を表示するのに加えて)ピーク検出結果を音響的に通知されると役立ち得る。
本発明は造影剤が投与される状況のみで使用されることに限定されない。本発明の超音波イメージングシステムは収集超音波画像上に明るいスポットをもたらす超音波反射体をユーザが検索しているときにも使用されることができる。例えば、乳房における微小石灰化(前がん状態の指標となり得る)は超音波画像上に増加した強度をもたらし得る。ユーザが乳房の上で振動子を動かす間、システムは関心領域内の平均ピクセル強度がピークを持つときを自動的に検出し、振動子の現在位置付近に微小石灰化を発見する可能性が特に高いことをユーザに伝えることができる。例えば、システムはその特定画像若しくは現在の画像が収集されたその特定領域に注意を集中すべきことを知らせるためにユーザに音を発するか若しくはメッセージを表示し得る。同時に、プロセッサは画像収集を適応させることができ、例えば微小石灰化と疑われる場所の付近でより高品質の画像を収集することができる。
これはさらに検査手順を簡略化し、提示される超音波イメージングシステムを医師でないユーザにとっても有用にする。例えば、女性が自己検査のために本発明にかかる超音波イメージングシステムを使用することさえできる。一旦システムが平均強度値のピークを検出したら、増加された記憶フレームレートで画像が収集されることができ、そしてこれらの記憶画像が熟練した医師によって考察されることができる。
別の好適な実施形態において、超音波イメージングシステムは超音波画像を記憶するように構成される記憶装置をさらに有し、調節可能な収集パラメータは振動子が記憶装置に超音波画像を記憶する記憶フレームレートを含む。従って、プロセッサは強度のピークが決定された後に記憶フレームレートを修正することができる。発明者らは、ファイル(典型的には総ファイルサイズが数GBである)の転送が重大な障害になり得るため、記憶フレームレートを動的に調節することによって収集超音波画像のサイズを縮小することが臨床ワークフロー改善の鍵であることに気が付いた。
別の実施形態において、プロセッサは平均強度値がピークに達したことを決定した後に記憶フレームレートを減少させるように構成される。これは例えば造影剤が振動子の視野において対象に投与されたときに有用である。造影超音波(CEUS)の場合、患者の関心体積は造影剤を含むはずである。例えば腫瘍の画像診断前に、造影剤が関心体積に、例えば患者(対象)の体内に注入されるか若しくは他の方法で、例えば経口で患者に投与される液体造影剤を用いて、もたらされる。
一般的に、造影剤を視野に入れる様々な方法が存在する。特に、体内に造影剤が導入される患者の場合、造影剤は外科的及び非外科的方法によって導入されることができ、専門家(医師など)を必要とする方法と、例えば素人若しくは当業者若しくは患者自身によって実行されることができる、専門家を必要としない方法の両方がある。外科的方法の中でも、潜在的に危険でない及び/又は安全なルーチンインターベンション、例えば血管への造影剤の注入などの侵襲的ステップ(かかる注入が仮にも外科的方法とみなされる場合)を含む、すなわち実行に相当なプロの医学的専門知識を必要としない、及び深刻な健康リスクを伴わないインターベンションがある。さらに、嚥下若しくは吸入のような非外科的方法が適用されることができる。
一般的には、造影剤はデータ収集が開始される前に事前供給若しくは事前投与される。しかしながら実施形態において、追加造影剤が視野に供給/投与されることも可能である。
特に収集が開始される前にのみ造影剤が投与される場合において、関心体積における造影剤の濃度はピークまで増加し、そしていわゆるwash‐out期間中に減少する。標的体積における造影剤の濃度がwash‐outのために過度に減少してしまったら、CEUS画像強度はそれにしたがって減少し、画像は診断にとってそれほど重要でない。ピーク強度に達した後、wash‐outフェーズが開始し画像の平均強度は減少している。ピーク強度後の時間強度曲線の詳細は診断にとってそれほど重要でない。従って、ピーク強度フレーム後に超音波画像フレームが記憶されるレートを減少させることは、wash‐out領域も含む完全な時間強度曲線をまだ収集しながら画像の所要記憶サイズを縮小することを可能にする。ピーク強度周辺領域は診断にとっても関連するので、また収集プロセスにおけるノイズのためにピーク強度に対応する画像が正確に識別されない可能性があるので、記憶フレームレートは好適には平均強度のピークが検出されてから所定時間後にのみ減少される。
別の実施形態において、プロセッサは平均強度値がピークに達したことを決定した後に記憶フレームレートを連続的に減少させるように構成される。記憶レートを連続的に減少させることは収集強度の予測される重要性を連続的に減少させることによりよく対応する。
別の実施形態において、プロセッサは平均強度がピークに達したことを決定してから所定時間後に超音波画像の収集を停止するように振動子を制御するように構成される。これもファイルサイズの縮小に寄与する。臓器からの造影剤のほぼ完全なwash‐outが、例えばピークから90s後に予測されることがわかっている場合、より長い超音波画像収集は全体ファイルサイズを増加するだけで診断の改良には寄与しない。
別の実施形態において、超音波イメージングシステムは複数の対象の一つとして対象を特定するための第1のユーザインターフェースをさらに有し、所定時間は選択される対象に依存する。これら複数の対象は例えば臓器の所定選択集合であり得る。これら臓器の特性がわかっている場合(例えば予想wash‐out時間若しくは透過焦点の好適位置、若しくは焦点域の好適数)、これらのパラメータがそれに従って自動的に設定されることができる。
さらに別の実施形態において、平均強度値は超音波画像内の関心領域の平均強度である。通常、収集超音波画像は対象若しくは関心臓器を示すのみならず、同様に強度が経時的に変化しているかもしれない他の構造も示す。従って対象若しくは関心臓器のみを含む関心領域の輪郭を描き、この関心領域について決定される平均強度値のみに基づいてピークを決定することが有益である。
好適な実施形態において、超音波イメージングシステムは第2のユーザインターフェースをさらに有し、第2のユーザインターフェースはユーザが超音波画像内の関心領域を画定することを可能にするように構成される。例えば、第2のユーザインターフェースは医師が臓器の輪郭を迅速に示すことを可能にするタッチスクリーンであり得る。
別の実施形態において、超音波イメージングシステムは超音波画像内の関心領域を自動的に画定するように構成される領域識別ユニットをさらに有する。例えば第1のユーザインターフェースを通じてユーザが示した臓器の選択に基づいて関心領域を自動的に決定することは、臨床ワークフローをさらに速めることができる。超音波画像において臓器を自動的に識別するための異なる技術が知られ、例えばUS6,385,332は自動初期輪郭識別のステップの後、幾何学的変形可能モデル(GDM)の適用を有する自動超音波セグメンテーション法を開示する。全自動セグメンテーションが理想的であろうが、これは超音波画像の品質を考えると現在必ずしも実現可能ではない。Levienaise‐Obadia and Gee("Adaptive segmentation of ultrasound images",Image and Vision Computing,Volume 17,Issue 8,June 1999,Pages 583‐588)はユーザによって認められる境界を観察することによって統計モデルがオンザフライで訓練される半自動アプローチを可能にする方法を開示した。このように、特定スライスにおけるユーザ介入が合理的に活用されて後続スライスにおける介入の必要性を低減する。
さらに別の実施形態において、分析器はピーク到達時間、通過時間、wash‐in時間、及び/又はwash‐out時間について超音波画像を分析するように構成される。
さらに別の実施形態において、超音波イメージングシステムはディスプレイをさらに有し、平均強度値、ピーク到達時間、通過時間、wash‐in時間、及び/又はwash‐out時間はディスプレイ上にリアルタイムに表示される。
画像収集中にこうした追加の定量的測度を評価し表示することは、オフライン評価のために収集画像を最初に転送する必要がないので、臨床ワークフローを速める。理想的には、時間を消費する収集後分析が必要ないように、全ての必要な定量的分析が装置上でリアルタイムに実行される。
本発明のこれらの及び他の態様は以下に記載の実施形態から明らかとなり、それらを参照して解明される。
本発明にかかる超音波イメージングシステムの一実施形態のブロック図である。 本発明にかかる方法のフローチャートである。 超音波画像と画像において画定される関心領域の例を示す。 超音波画像と画像において画定される関心領域の例を示す。 本発明にかかる超音波イメージングシステムで得られる時間強度曲線の一実施例を示す。
図1は本発明にかかる超音波イメージングシステム10の一実施形態のブロック図であり、図2は対応する方法のフローチャートである。振動子12は対象から超音波画像14を収集する(S10)。超音波画像14は第1のユーザインターフェース16へ送信され、これはこの実施形態では超音波画像14を表示するためのディスプレイ18も有する。第1のユーザインターフェース16はユーザが画像14において関心領域20を画定することを可能にするように構成される。例えば、第1のユーザインターフェース16はタッチスクリーンを有することができ、ここでユーザは標的領域を指さすことによって関心領域20を特定することができる。ユーザが関心領域20を正確に画定することを可能にするために、システム10は好適には少なくとも一つの超音波画像14を最初に収集して表示し、ユーザがこの画像14内の領域20を識別することができるようにする。代替的に、領域識別ユニット21が関心領域20を自動的に決定するために使用されることができる。例えば、領域識別ユニット21はユーザに対象の選択集合、例えば異なる臓器から対象を選択させる第1のユーザインターフェースを有することができる。そして領域識別ユニット21は超音波画像14内で臓器を識別するためにこれら臓器のテンプレート画像若しくは基準点を使用することができる。自動的に識別された関心領域20はディスプレイ18上にユーザへ示されることができる。ユーザは例えばOKボタンを押すことによって領域20が正確に置かれていることを確認することができ、領域20はその後この領域20内の平均強度値24を決定するために使用される。
振動子12は超音波画像14bを分析器22へも送信する。分析器22は平均強度値24について超音波画像14bの画定領域20を分析する(S12)。平均強度値24と、立ち上がり時間及び曲線下面積などの時間強度曲線のさらなる定量的特徴がリアルタイムにディスプレイ26上に表示されることができる。これはユーザが検査を実行しながら関心領域20の定量的値を得ることができるという利点を持つ。平均強度値24は平均強度値24がピーク38に達したときをリアルタイムに決定するためにプロセッサ28によって処理される。超音波画像14はノイズが多く従って平均強度値24もまたノイズが多いと考えられることが留意されるべきである。従って、以下に記載される通り、単なる局所外れ値ではない、平均強度値24の真のピーク38を識別するために、異なるアルゴリズムが使用されることができる。
プロセッサ28はピーク38が生じたことを決定すると、ピーク38が検出されたことを示すようにディスプレイ26を制御する。ピーク38の検出は直近に収集された画像14の平均強度値24を前に収集された画像14の平均強度値24と比較することによって実行される。例えば、最後の3収集画像の平均の平均強度I3を最後の12収集画像の平均強度I12の平均値及び最後の6収集画像の平均強度I6の平均値と比較し、I6がI12及びI3よりも著しく高い場合ピークを決定することができる(S14)。
本発明にかかる方法の別の実施形態によれば勾配変化が経時的に追跡される。関心領域の平均エコー強度の変化が、画像14ごとに、プラスの傾向(平均強度値24を増加)からマイナスの傾向(平均強度値24を減少)へ勾配の変化を追跡するために記憶され得る。これは極性/方向/符号などの変化を検出するためのかなり一般的な技術である。
本発明にかかる方法の別の実施形態によれば、業界標準の曲線フィッティングアルゴリズム(現在なされている通り、Philips QLAB超音波定量化ソフトウェアなどの定量化ソフトウェアにおいて、オフライン/非リアルタイム)が、各画像14が届くとリアルタイムにピーク強度を決定するために適用される。曲線フィッティングアルゴリズムは通常は平均強度値と時間ベクトルを必要とする。おそらく、wash‐inフェーズ中、ピーク強度フレーム38は、平均強度値24が減少し始めるwash‐outフェーズまで連続的に変化する。
収集レートは異なる振動子及びシステム設定によって異なり得るので、代替的なアプローチは画像14を経時的に比較することであり得る。そのため、局所平均(例えば3後続画像にわたる)を決定するのではなく、平均強度値は例えば20ミリ秒にわたって平均化され得る。
さらに別の方法によれば"局所"ピークが、特にサブセットにおいてピークフレームを決定するためにQLABで使用される既存のアルゴリズムへの適応として、決定される。wash‐in中、平均エコー強度の一般的な傾向は増加であるが、フレームの任意のサブセット(例えば3、5、若しくは7)において平均強度値24は画像14ごとに上昇若しくは下降し得る。局所ピークを継続的に決定し結果を記憶することによって、平均強度値24の傾向が記憶され、新たな画像14が届く度に動的に比較されることができる。傾向が減少しているとき、wash‐outフェーズ52が開始していると推測され得る。
最良の(最も正確な)アプローチは画像サイズ、関心領域20のサイズ、関心領域20の配置、及び検出アルゴリズム(上記の通り)で使用されるパラメータに依存する。方法の前述の実施形態の組み合わせがピーク強度フレーム38を決定するために利用され得ることが想定される。
ディスプレイ26はピーク到達時間を示すことができる。ピーク到達時間は超音波画像14の収集の開始とピーク38の検出の間の時間として、若しくは、好適にはユーザによって示された開始時間とピーク検出の時間の間の時間を示すことによって、計算され得る。例えば、本発明のこの実施形態において第2のユーザインターフェース32はボタン34を有する。ボタン34を押すことによってユーザはピーク到達時間がボタンを押す時間に対して決定されるべきであることを示すことができる。例えば、ユーザは造影剤を患者に投与するときにボタンを押すことができる。造影剤の投与は注入によって、又は嚥下によって若しくは吸入によって実行されることができる。これは医師、医療助手、当業者若しくは患者自身によって実行されることができる。第2のユーザインターフェース32のボタン34は患者自身によって若しくは超音波イメージングシステム10を操作している別の人によっても押されることができる。
振動子12は収集パラメータの数に基づいて超音波画像14を収集する。プロセッサ28はピーク強度を決定したときに基づいてこれらのパラメータを変更する(S16)ように構成される。例えば、ピーク38が検出されて(S14)から数秒後に記憶装置36に超音波画像14cが記憶される記憶フレームレートを減少させることができる(S16)。振動子12が超音波画像14を収集するレートは、画像14cが記憶装置36に記憶されるレート、画像14aが第1のユーザインターフェース16のディスプレイ18上に表示されるレート、若しくは画像14bが平均強度値24を計算する(S12)ために使用されるレートと必ずしも等しくない。
好適な実施形態において、画像14が収集される(S10)レートは画像14a、14bが表示するため及び平均強度値を決定するために使用されるレートと等しい。しかしながら記憶レート46、48は収集レートよりも低くなることができる。特に、ピークが決定されてから特定時間後、例えば10秒後、これらの画像は撮像対象についてあまり情報を与えないと想定されるため、記憶レートが減少され得る。
プロセッサ28はピーク38から所定時間後に一度記憶フレームレートを減少させるように振動子12を制御することができる。例えば、これはピーク38から10秒後に収集レートを半分にするように記憶フレームレートを減少させることができる。好適な実施形態において、プロセッサ28はデシメーションレートを増加することによって記憶フレームレートを減らし続ける。例えば、ピークから5秒後に記憶フレームレートはまだ収集レートと等しい(デシメーションレート=11)が、ピークから20秒後に収集レートの50%まで(デシメーションレート=2)、ピークから1分後に収集レートの20%(デシメーションレート=5)まで連続的に減少され得る。
wash‐out期間中、強度は減少し続け、しばらくすると収集画像はそれ以上さらに有用な情報を含まない。造影剤のwash‐outが完了するまでの時間は、とりわけ、撮像されている対象に依存する。本発明の一実施形態において、第2のユーザインターフェース32はいくつかの対象、例えば肝臓、心臓、胆嚢などといった異なる臓器の一つをユーザに選ばせる選択ユニット35を有する。ユーザによってどの対象が選ばれたかに依存して、プロセッサ28はピークから所定時間後に超音波画像14の収集を停止するように振動子12を制御することができる(これは図示されていない)。例えば、肝臓イメージングの場合ピーク強度に達してから90秒後、典型的には関心領域20における強度にそれ以上関連のある変化は起きていない。従って、プロセッサ28はピーク強度から90秒後に収集を停止し得る。これは収集ワークフローをさらに簡略化し(ユーザは画像キャプチャを終了するためにボタンを物理的に押す必要がない)、また最適サイズのファイルが収集後分析のためにエクスポートされることを確実にする。プロセッサ28は音響信号を生成するようにラウドスピーカ30を制御することによってユーザに画像収集の終了を示すことができる。
記憶装置36は必ずしも超音波イメージングシステムの残りの部分と同じ装置内に位置していない。例えば、記憶装置は別の部屋に位置するネットワーク接続記憶装置であり得る。
図3及び図4は本発明にかかる超音波イメージングシステムで収集される超音波画像14の例を示す。図3は矩形関心領域20を示し、図4は円形関心領域20を示す。平均強度値24が決定される領域20の任意の他の形状もまた考えられる。特に、領域20は完全な超音波画像14にも対応し得る。
図5は続いて収集された超音波画像14の平均強度値をプロットすることによって得られる時間強度曲線の一実施例を示す。強度増大の開始からピーク強度フレーム38までの領域はwash‐in領域40と呼ばれる。プロットに見られる通り、ピーク強度フレーム38は必ずしも関心領域20における最高平均強度値を持つ画像14に対応しない。最大強度フレーム42は、ピーク強度のリアルタイム検出が間違っていたためか、若しくは最大強度が局所外れ値に起因するために、ピーク強度フレーム38とは異なる位置で起こり得る。ノイズの多いデータのために、曲線の真のピークがどこに位置するか不明確になり得る。このような場合、熟練した医師は自分自身の意見を立てようとするかもしれず、仮定されるピーク強度フレーム38周辺の領域が高フレームレートで収集され記憶されることが重要である。画像収集の開始からピーク強度フレーム38の所定時間後44まで、超音波画像14は高記憶フレームレート46で収集される。その後画像はまだ同じ収集フレームレートで収集されるが、減少された記憶フレームレート48で記憶装置に記憶される。
プロセッサがピーク強度フレーム38を決定すると、プロセッサ28はピーク到達時間50とwash‐in時間40を示すようにディスプレイ26を制御することができる。本発明の一実施形態において、プロセッサ28は既に第1のピーク強度フレームを決定した後で第2のピーク強度フレーム38も決定する。このように、画像が誤ってピーク強度フレーム38と識別されている場合、プロセッサは第2のピーク強度フレーム38を決定することができ、そしてこれが真のピーク強度フレーム38であるとみなされる。この場合ディスプレイ26上のピーク到達時間50とwash‐in時間40の表示値が更新される。
ピーク強度38の後の期間はwash‐out領域52と呼ばれる。wash‐out領域中、平均強度値24は造影剤が対象からwash‐outされるにつれて減少する。プロセッサ28は平均強度値24が所定閾値を下回るとき、若しくは前述の通り、ピーク強度フレーム38の収集後、対象に依存する所定時間が経過したとき、超音波画像14の収集を停止するよう振動子12を制御することができる。
要約すると、提案される発明は超音波画像における平均強度のピークのリアルタイム検出と、ピークが決定されると収集パラメータの変更を可能にする。ピーク検出後に変更される収集パラメータは具体的な応用に依存する。造影剤が患者に投与される造影超音波イメージングの場合、収集パラメータである記憶フレームレートが平均強度のピークの検出後に減少され得る。しかしながら、例えばいかなる造影剤もなしに可能な応用もあり、人の臓器の一部が超音波装置の視野に入ったときに平均強度が増加し得る。この場合、収集及び記憶フレームレートは平均強度のピークの検出後に増加され得る。ピーク強度検出に基づいて変更され得る他の収集パラメータは、限定されないが、画像の奥行き、透過焦点の位置、焦点域の数、Bモード若しくはカラードップラモードを使用するかどうか、及び調和若しくは基本振動数がイメージングのために使用されるかどうか、を含む。
本発明は図面と前述の説明に詳細に図示され記載されているが、かかる図示と記載は説明若しくは例示であって限定ではないとみなされるものであり、本発明は開示の実施形態に限定されない。開示の実施形態への他の変更は、図面、開示、及び添付の請求項の考察から、請求される発明を実践する当業者によって理解されもたらされることができる。
請求項において、"有する"という語は他の要素若しくはステップを除外せず、不定冠詞"a"若しくは"an"は複数を除外しない。単一の要素若しくは他のユニットは請求項に列挙される複数の項目の機能を満たし得る。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら要素の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。
コンピュータプログラムは他のハードウェアと一緒に若しくはその一部として供給される光学記憶媒体若しくは固体媒体などの適切な非一時的媒体上で記憶/分散され得るが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムなどを介して他の形式で分散されてもよい。
請求項における任意の参照符号は範囲を限定するものと解釈されてはならない。

Claims (10)

  1. 超音波イメージングシステムであって、
    一つ以上の調節可能な収集パラメータに基づいて対象の超音波画像を収集する振動子であって、前記対象が造影剤を注入した被検体である、振動子と、
    前記超音波画像を記憶する記憶装置と、
    平均強度値について超音波画像をリアルタイムに分析する分析器と、
    前記平均強度値がピークに達したときをリアルタイムに決定するプロセッサと
    を有し、
    前記調節可能な収集パラメータは、収集された超音波画像が前記記憶装置に記憶される記憶フレームレートを含み、
    前記プロセッサは、前記平均強度値が前記ピークに達したことを決定した後所定時間後に、前記記憶フレームレートを非ゼロ値に減少させる、超音波イメージングシステム。
  2. 前記プロセッサが、前記平均強度値が前記ピークに達したときを決定するために現在の画像の平均強度値と一つ以上の前の画像の平均強度値を比較する、請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
  3. 通知ユニット、特にLED、ディスプレイ、若しくはラウドスピーカをさらに有し、前記プロセッサは前記平均強度値が前記ピークに達したことを決定したときにユーザに通知するように前記通知ユニットを制御する、請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
  4. 前記プロセッサは前記平均強度値が前記ピークに達したことを決定した後所定時間後から、前記記憶フレームレートを連続的に減少させる、請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
  5. 前記プロセッサは更に前記平均強度値が前記ピークに達したことを決定してから所定時間後に超音波画像の収集を停止するように前記振動子を制御する、請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
  6. 複数の対象の一つとして前記対象を特定するための第1のユーザインターフェースをさらに有し、前記所定時間は特定される対象に依存する、請求項5に記載の超音波イメージングシステム。
  7. 前記平均強度値が前記超音波画像内の関心領域の平均強度である、請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
  8. 前記分析器が更にピーク到達時間、通過時間、wash‐in時間、及び/又はwash‐out時間について前記超音波画像を分析する、請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
  9. 超音波画像を収集し分析するための方法であって、
    一つ以上の収集パラメータに基づいて対象の超音波画像を収集するステップであって、前記対象が造影剤を注入した被検体であり、前記収集パラメータは、収集された超音波画像が記憶装置に記憶される記憶フレームレートを含む、ステップと、
    平均強度値について超音波画像をリアルタイムに分析するステップと、
    前記平均強度値がピークに達したときを決定するステップと、
    前記ピークが決定された後所定時間後に、前記記憶フレームレートが非ゼロ値に減少されるように少なくとも前記記憶フレームレートを変更するステップと
    を含む、超音波画像を収集し分析するための方法。
  10. コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、当該コンピュータに、
    一つ以上の収集パラメータに基づいて収集される対象の超音波画像を、平均強度値についてリアルタイムに分析するステップであって、前記対象が造影剤を注入した被検体であり、前記収集パラメータは、収集された超音波画像が記憶装置に記憶される記憶フレームレートを含む、ステップと、
    前記平均強度値がピークに達したときを決定するステップと、
    前記ピークが決定された後所定時間後に、前記記憶フレームレートが非ゼロ値に減少されるように少なくとも前記記憶フレームレートを変更するステップと
    を実行させるプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
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