JP5971828B1 - Od交通量の実数推定方法、od交通量の実数推定装置、od交通量の実数推定プログラム、並びに情報記録媒体 - Google Patents

Od交通量の実数推定方法、od交通量の実数推定装置、od交通量の実数推定プログラム、並びに情報記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 容易な計算で少なくともゾーン別の発生交通量を安価に実数推定する。【解決手段】 OD交通量推定装置50は、ICTデータから得られる域内及び域外に設定された複数のゾーン間のODトリップのサンプルデータの入力に応じて、発生ゾーン別の各目的ゾーンへの目的地選択確率、OD交通の内内比率及びOD交通の外内比率をそれぞれ決定する決定部12と、域内のすくなとも2つの目的ゾーンの集中交通量の実数観測により得られた観測値のデータの入力に応答して、発生ゾーン別の複数の目的ゾーンへの目的地選択確率、内内比率及び前記外内比率と、入力された観測値のデータとに基づいて、観測が行われた少なくとも2つの目的ゾーンの集中交通量の推定値と観測値との残差の平方和を最小にする演算を行い、発生ゾーン別の発生交通量を推定する推定部14と、を備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、OD交通量の実数推定方法、OD交通量の実数推定装置、OD交通量の実数推定プログラム、並びに情報記録媒体に係り、特に、パーソントリップOD交通量の実数推定又はバス交通あるいは鉄道交通における実数流動推定に好適なOD交通量の実数推定方法、OD交通量の実数推定装置、OD交通量の実数推定プログラム、並びにOD交通量の実数推定プログラムが記録された情報記録媒体に関する。
従来、OD(origin-destination:起終点)交通量を推定するための調査として、国土交通省所管の全国道路交通情勢調査(道路交通センサス調査)及びパーソントリップ調査などが行われている。
これらの調査では、OD交通量は、サンプル抽出によるアンケート調査に基づいて推定されており、調査作業が膨大であるにもかかわらず、収集データの質が低く、また多額の費用を要するという不都合がある。
そこで、かかる不都合を改善すべく、本願発明者(飯田)は、先にゾーン別の発生・集中交通量を高精度に推定する方法に想到し、これを「ゾーン別発生・集中交通量とOD交通量の高精度推定方法」として提案した(特許文献1参照)。
また、本願発明者(飯田)は、広大対象地域(大規模道路網)への適用を目的として、大ゾーンの発生・集中交通量をその大ゾーンを代表するセントロイドで集約して扱う、より実用的で、高精度の大ゾーン間OD交通量の逆推定方法に想到し、これを「セントロイドを用いた大ゾーン間OD交通量逆推定方法及びプログラム」として、提案している(特許文献2参照)。この特許文献2では、道路ネットワークにおける自動車交通のOD交通量および経路交通量をプローブカーデータ(車両走行軌跡データ)を用いて推定することを提案している。
しかしながら、プローブカーデータ(車両走行軌跡データ)を利用して精度の高い推定を行うためには、一定量以上の数のプローブカーデータによる各経路の選択回数データを取得する必要があるが、この取得のための費用が高額となってしまう。
特開2007−128121号公報 特開2010−191890号公報
本発明の第1の態様によれば、決定手段が、ICTデータから得られる対象域内及び対象域外に設定された複数のゾーン間のOD交通のサンプルデータに基づき、前記対象域内及び前記対象域外の発生ゾーン別の複数の目的ゾーンそれぞれへの目的地選択確率、前記対象域内の前記発生ゾーンからの発生交通量が前記対象域内のゾーンに目的地を持つ確率であるOD交通の内内比率及び前記対象域外の前記発生ゾーンからの発生交通量が前記対象域内のゾーンに目的地をもつ確率であるOD交通の外内比率をそれぞれ得ることと、前記対象域内の少なくとも2つの目的ゾーンの集中交通量を実数観測することと、推定手段が、前記発生ゾーン別の前記目的ゾーンへの目的地選択確率、前記内内比率及び前記外内比率と、前記少なくとも2つの目的ゾーンの前記集中交通量の観測値のデータとに基づいて、前記観測が行われた前記少なくとも2つの目的ゾーンの前記集中交通量の推定値と観測値との残差の平方和を最小にする演算を行い、前記発生ゾーン別の発生交通量を推定することと、を含むOD交通量の実数推定方法が、提供される。
これによれば、ICTデータから得られるゾーン間のOD交通のサンプルデータが用いられるため、このサンプルデータは、精度が高く、必要に応じて随時入手が可能で、その費用も経済的である。また、対象域内の最低2つのゾーン、例えば一部の主要ゾーンのみの集中交通量を実数観測することにより、ICTデータを用いて、各ゾーンの発生交通量(実数)を推定することが可能になる。さらに、経路を考慮する必要がなく、計算も容易に実行できる。
本発明の第2の態様によれば、決定手段が、ICTデータから得られる対象域内及び対象域外に設定された複数のゾーン間のOD交通のサンプルデータに基づき、前記対象域内及び前記対象域外の発生ゾーン別の複数の目的ゾーンそれぞれへの目的地選択確率、前記対象域内の前記発生ゾーンからの発生交通量が前記対象域内のゾーンに目的地を持つ確率であるOD交通の内内比率及び前記対象域外の前記発生ゾーンからの発生交通量が前記対象域内のゾーンに目的地をもつ確率であるOD交通の外内比率をそれぞれ得ることと、前記対象域内の少なくとも1つの目的ゾーンの集中交通量を実数観測することと、推定手段が、前記発生ゾーン別の前記目的ゾーンへの目的地選択確率、前記内内比率及び前記外内比率と、前記少なくとも1つの目的ゾーンの前記集中交通量の観測値と、前記対象域内及び前記対象域外の発生ゾーンによる発生交通量のサンプル値の相対比率とに基づいて、前記観測が行われた前記少なくとも1つの目的ゾーンの前記集中交通量の推定値と観測値とを近似させる残差項と、前記ゾーン別の発生交通量の推定値を、前記発生ゾーン別の発生交通量の推定値総和に対する前記サンプル値相対比率のゾーン別の発生交通量の推定値に近似させる残差項と、の重み付け平均値を、最小にする演算を行い、前記発生ゾーン別の発生交通量を推定することと、を含むOD交通量の実数推定方法が、提供される。
これによれば、ICTデータから得られるゾーン間のOD交通のサンプルデータが用いられるため、このサンプルデータは、精度が高く、必要に応じて随時入手が可能で、その費用も経済的である。また、対象域内の最低1つのゾーン、例えば1つの主要ゾーンのみの集中交通量を実数観測することにより、ICTデータを用いて、各ゾーンの発生交通量(実数)を推定することが可能になる。さらに、経路を考慮する必要がないとともに、1つの主要ゾーンのみの集中交通量を実数観測すれば足りるので、第1の態様に係るOD交通量の実数推定方法に比べて集中交通量の実数観測のための労力の負担等が軽減される。
本発明の第3の態様によれば、ICTデータから得られる対象域内及び対象域外に設定された複数のゾーン間のOD交通のサンプルデータの入力に応じて、前記対象域内及び前記対象域外の発生ゾーン別の複数の目的ゾーンそれぞれへの目的地選択確率、前記対象域内の前記発生ゾーンの発生交通量が前記対象域内のゾーンに目的地を持つ確率であるOD交通の内内比率及び前記対象域外の前記発生ゾーンからの発生交通量が前記対象域内のゾーンに目的地をもつ確率であるOD交通の外内比率をそれぞれ決定する決定手段と、前記対象域内の少なくとも2つの目的ゾーンの集中交通量の実数観測により得られた観測値のデータの入力に応答して、前記発生ゾーン別の前記目的ゾーンへの目的地選択確率、前記内内比率及び前記外内比率と、入力された前記観測値のデータとに基づいて、前記観測が行われた前記少なくとも2つの目的ゾーンの前記集中交通量の推定値と観測値との残差の平方和を最小にする演算を行い、前記発生ゾーン別の発生交通量を推定する推定手段と、を備えるOD交通量の実数推定装置が、提供される。
本発明の第4の態様によれば、ICTデータから得られる対象域内及び対象域外に設定された複数のゾーン間のOD交通のサンプルデータの入力に応じて、前記対象域内及び前記対象域外の発生ゾーン別の複数の目的ゾーンそれぞれへの目的地選択確率、前記対象域内の前記発生ゾーンの発生交通量が前記対象域内のゾーンに目的地を持つ確率であるOD交通の内内比率及び前記対象域外の前記発生ゾーンからの発生交通量が前記対象域内のゾーンに目的地をもつ確率であるOD交通の外内比率をそれぞれ決定する決定手段と、前記対象域内の少なくとも1つの目的ゾーンの集中交通量の実数観測により得られた観測値のデータの入力に応答して、前記発生ゾーン別の前記目的ゾーンへの目的地選択確率、前記内内比率及び前記外内比率と、前記少なくとも1つの目的ゾーンの前記集中交通量の観測値と、前記対象域内及び前記対象域外の発生ゾーンによる発生交通量のサンプル値の相対比率とに基づいて、前記観測が行われた前記少なくとも1つの目的ゾーンの前記集中交通量の推定値と観測値とを近似させる残差項と、前記発生ゾーン別の発生交通量の推定値を、前記発生ゾーン別の発生交通量の推定値総和に対する前記サンプル値の相対比率のゾーン別の発生交通量の推定値に近似させる残差項と、の重み付け平均値を、最小にする演算を行い、前記発生ゾーン別の発生交通量を推定する推定手段と、を備えるOD交通量の実数推定装置が、提供される。
本発明の第5の態様によれば、第1及び第2の態様のいずれかに係る方法を、コンピュータに実行させるためのOD交通量の実数推定プログラムが、提供される。
本発明の第6の態様によれば、第5の態様に係る実数推定プログラムが記録されたコンピュータによる読み取りが可能な情報記録媒体が、提供される。
一実施形態に係るOD交通量推定装置のハードウェア構成を概略的に示す図である。 一実施形態に係るOD交通量推定装置の機能構成を示す図である。 図3(A)は、対象域とゾーン位置及びトリップ移動のイメージの一例を簡略化して示す図、図3(B)は、一般的な対象域と対象域外のゾーン位置の配置の一例を示す図である。 CPUによって実行される処理アルゴリズムに対応するフローチャートである
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図4に基づいて説明する。
図1には、一実施形態に係るOD交通量推定装置50のハードウェア構成が概略的に示されている。OD交通量推定装置50は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:以下「CPU」と称する)51、メインメモリ52、ROM(Read Only Memory)53、RAM(Random Access Memory)54、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)などのストレージデバイス56、入力装置57及び表示装置58などを備えている。そして、それぞれは共通のバスBUSを介して接続されている。
CPU51は、OD交通量推定装置50の全体の動作を制御する。メインメモリ52は、プログラムやデータを一時的に蓄えておくための装置で、CPU51から直接アクセスできる装置である。
ROM53は、CPU51の駆動(起動)に用いられるIPL(Initial Program Loader)等のプログラムを記憶している。RAM54は、CPU51のワークエリアとして使用される。
ストレージデバイス56には、CPU51で解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。なお、ストレージデバイス56に格納されているプログラムは、必要に応じてメインメモリ52にロードされ、CPU51により実行される。
入力装置57は、例えばキーボード、マウスなどの入力媒体(図示省略)を備え、ユーザから入力された各種情報(データを含む)をCPU51に通知する。なお、入力媒体からの情報はワイヤレス方式で入力されても良い。
表示装置58は、例えばCRT、液晶ディスプレイ(LCD)及びプラズマディスプレイパネル(PDP)などを用いた表示部(図示省略)を備え、各種情報を表示する。
次にOD交通量推定装置50の機能構成について説明する。図2には、OD交通量推定装置50の機能構成が示されている。各機能部は、前述のハードウェア構成における構成各部と後述するフローチャートで示される処理アルゴリズムに対応するプログラムとによって実現される。
OD交通量推定装置50は、目的地選択確率決定部12a、内内比率決定部12b、及び外内比率決定部12cを含む決定部12と、推定部14と、第1の演算部16と、第2の演算部18と、を、備えている。
目的地選択確率決定部12aは、入力装置57を介して入力された対象域内及び対象域外に設定された複数のゾーン間のODトリップ(OD交通)のサンプルデータの入力に応じて、対象域内及び対象域外の発生ゾーン別の対象域内及び対象域外の複数の目的ゾーンそれぞれへの目的地選択確率を決定する。本実施形態では、上記のサンプルデータは、一例としてICT(Information and Communication Technology)データの一種である携帯電話移動データ(モバイル移動データ)から得られるものとする。すなわち、予め対象域内及び対象域外に設定された複数のゾーン間におけるモバイル移動データを収集することで、サンプルデータが得られている。
図3(A)には、対象域とゾーン位置及びトリップ移動のイメージが示されている。実際には図3(B)に示されるように、対象域内および対象域外とも多数ゾーンが面的(二次元的)に分布しているが、図3(A)では、単純化のために、直線状にゾーンが並んでいるものとしている。図3(A)において、対象域は中央部に位置しており、その対象域内に多数ゾーンが分布している。対象域の両端外部は対象域外となっている。なお、以下では、適宜、「対象域内」を「域内」と略記し、「対象域外」を「域外」と略記する。
トリップ移動は、域内から域内への内内OD交通、域内から域外への内外OD交通、域外から域内への外内OD交通、域外から域外への外外OD交通(通過交通)の4種類である。ここで、域内のゾーンcからの発生交通量をO、域内のゾーンdへの集中交通量をQ、域外のゾーンkからの発生交通量をS、域外のゾーンl(エル)への流出交通量(集中交通量)をD、としている。なお、域外のゾーンkからの発生交通量は、域内を中心に考えた場合、域内へ流入する交通量となるので、流入交通量とも呼ぶ。また、Dは本実施形態では用いられることがなく、推定の対象にならない。
目的地選択確率決定部12aは、ゾーンcからのゾーンdへの内内OD交通量のサンプル値X’cd、及びゾーンcから域外のゾーンlへの内外OD交通量のサンプル値Y'clに基づいて、ゾーンcからゾーンdに対する目的地選択確率mcd、及びゾーンcから域外のゾーンlに対する目的地選択確率nclを、次のように決定する。
Figure 0005971828
例えば、域内の目的ゾーンdが、例えばゾーン1とゾーン2との2つ設定され、域外の目的ゾーンlが、ゾーン1とゾーン2との2つ設定されている場合、目的地選択確率mcd、nclは、次のように求められる。
Figure 0005971828
目的地選択確率決定部12aは、さらに、ゾーンkからのゾーンdへの外内OD交通量のサンプル値U’kd、及びゾーンkから域外のゾーンlへの外外OD交通量のサンプル値W’klに基づいて、ゾーンkからゾーンdに対する目的地選択確率qkd、及びゾーンkから域外のゾーンlに対する目的地選択確率rklを、次のように決定する。
Figure 0005971828
例えば、域内の目的ゾーンdが、例えばゾーン1とゾーン2との2つ設定され、域外の目的ゾーンlが、ゾーン1とゾーン2との2つ設定されている場合、目的地選択確率qkd、rklは、次のように求められる。
Figure 0005971828
内内比率決定部12bは、域内のゾーンcからの発生交通量が域内のゾーンに目的地を持つ確率、すなわちOD交通の内内比率τcを、次式(3)により決定する。
Figure 0005971828
例えば、上述したように、域内の目的ゾーンdが、例えばゾーン1とゾーン2との2つ設定され、域外の目的ゾーンlが、ゾーン1とゾーン2との2つ設定されている場合、内内比率τcは、次のようになる。
Figure 0005971828
外内比率決定部12cは、域外のゾーンkからの発生交通量が域内のゾーンに目的地をもつ確率、すなわちOD交通の外内比率λを、次式(4)により決定する。
Figure 0005971828
例えば、上述したように、域内の目的ゾーンdが、例えばゾーン1とゾーン2との2つ設定され、域外の目的ゾーンlが、例えばゾーン1とゾーン2との2つ設定されている場合、外内比率λは、次のようになる。
Figure 0005971828
推定部14は、入力装置57を介して、域内の少なくとも2つの目的ゾーンd(例えば目的ゾーン1と目的ゾーン2)における集中交通量の実数観測により得られた観測値のデータ(モバイルデータ等から得られるサンプルデータではなく、実際に観測された集中交通量の実測値)Q* dのデータが入力されるのを待ち、このデータが入力されると、次式(5)で表される、観測が行われた少なくとも2つの目的ゾーン(例えば目的ゾーン1と目的ゾーン2)の集中交通量の推定値と観測値との残差の平方和Ψを最小にする演算を行い、発生ゾーン別の発生交通量、ここでは、域内のゾーンcの発生交通量Ocと、域外のゾーンkの発生交通量(ゾーンkからの域内への流入交通量に一致)Skを推定する。
Figure 0005971828
ここで、推定値である域内ゾーンcの発生交通量Ocと域外ゾーンkの発生交通量Skが非負であれば、式(5)を最小化する問題は、下記の式(6)と式(7)の連立方程式を解く問題と等価となる。そこで、推定部14は、最初に、式(6)と式(7)の連立方程式を解くことで、発生交通量O、Sの推定値を求める。
Figure 0005971828
ここで、域内に目的ゾーンdが1つのみ設定されている場合、式(6)と式(7)とが、実質的に同じになる。これでは連立方程式が成立せず、発生交通量O、Sの推定値を求めることができなくなる。かかる理由により、本実施形態では、集中交通量の実数観測の対象となる域内の目的ゾーンdは、少なくとも2つ設定されている。
なお、集中(目的)ゾーンの観測値及び目的地選択確率の誤差が小さく、推定される各ゾーンの発生交通量が多量であると、発生交通量の推定値は非負となることが多い。したがって、推定部14が、上述の連立方程式を解くこととしても、このような場合は大きな問題はない。しかし、集中(目的)ゾーンの観測値あるいは目的地選択確率に大きな誤差がある場合、及び発生交通が少量である場合、発生交通量の推定値が負になることがある。
そこで、本実施形態では、推定部14は、上述の連立方程式を解いて求めた発生交通量O、Sの推定値の中に負の値が含まれているか否かを判断する。この判断が肯定された場合、すなわち発生交通量O、Sの推定値の中に負の値が含まれていた場合には、推定部14は、式(5)を最小化する計算として、下記の式(8)から式(11)の制約条件の下で、非線形数理最適化手法を適用した計算を行う。具体的には、式(5)に式(8)と式(9)を結合させたラグランジュ関数を作成し、式(10)と式(11)の非負制約を満たすようクーン・タッカーの最適条件を適用して繰り返し演算を行う。これにより、発生交通量O、Sの推定値(非負値)が得られる。
Figure 0005971828
上式(8)中のOは、域内のゾーンの発生交通量の総計であり、上式(9)中のSは域外のゾーンからの発生交通量の総計(域外のゾーンからの域内への流入交通量の総計に一致)である。
第1の演算部16は、推定部14によって推定された域内のゾーンの発生交通量Oc(非負値)を用いて、次式(12)、(13)の演算を行って、内内OD交通量Xcd、及び内外OD交通量Yclを求める。
Figure 0005971828
第2の演算部18は、推定部14によって推定された域外ゾーンからの発生交通量Sk(非負値)を用いて、次式(14)、(15)の演算を行って、外内OD交通量Ukd、及び外外OD交通量Wklを求める。
Figure 0005971828
これまでは、ハードウェアに模した図2の各機能部について説明したが、これらは、実際には、OD交通量推定装置50のCPU51が所定のソフトウェアプログラムを実行することによって実現される。以下では、これについて、図4に基づいて説明する。
図4には、CPU51によって実行される処理アルゴリズムに対応するフローチャートが示されている。以下では、特に必要な場合を除き、CPU51に関する記載は省略する。
まず、ステップS102において、ユーザによるサンプルデータの入力を促すため、表示装置58の表示部(表示画面)に、サンプルデータの入力画面を表示した後、ステップS104に進み、ユーザにより、対象域外と対象域内に設定されたゾーン間のOD交通の前述のサンプルデータが入力されるのを待つ。そして、ユーザにより入力装置57を介してサンプルデータ、すなわち内内OD交通量のサンプル値X’cd、内外OD交通量のサンプル値Y’cl、外内OD交通量のサンプル値U’kd、並びに外外OD交通量のサンプル値W’klが入力されると、ステップS106に進む。
ステップS106では、サンプル値X’cd及びサンプル値Y’clを用いて、前述の式(1a)及び式(1b)の演算を行って、域内のゾーンcから域内のゾーンdへ、及び域外のゾーンlへの目的地選択確率mcd、nclを、決定する。
次のステップS108では、サンプル値U’kd及びサンプル値W’klを用いて、前述の式(2a)及び式(2b)の演算を行って、域外のゾーンkから域内のゾーンdへ、及び域外のゾーンlへの目的地選択確率qkd、rklを、決定する。
次のステップS110では、前述の式(3)の演算を行って、域内のゾーンcからの域内の全ての目的ゾーンdに対するOD交通量の内内比率τcを決定する。
次のステップS112では、前述の式(4)の演算を行って、域外のゾーンkからの域内の全ての目的ゾーンdに対するOD交通量の外内比率λを決定する。
次のステップS114では、域内の少なくとも2つの目的ゾーンdにおける集中交通量の実数観測により得られた観測値のデータの入力画面を表示装置58の表示部(表示画面)に表示した後、ステップS116に進んで、観測値のデータが入力されるのを待つ。そして、観測値のデータが入力されると、ステップS118に進む。
ステップS118では、式(5)で表される、集中交通量の実数観測が行われた少なくとも2つの目的ゾーンdの集中交通量の推定値と観測値との残差の平方和を最小にする演算として、前述の式(6)と式(7)の連立方程式の解を求めることで、発生ゾーン別の発生交通量Oc、Skを推定する。
本実施形態では、発生ゾーン別の発生交通量の推定値がすべて非負であれば、これらを推定結果とする。しかし、いずれかのゾーン発生交通量の推定値OcとSkが負になる場合は、非線形数理最適化手法を適用して推定演算する。
そこで、次のステップS119において、ステップS118で求めた、発生ゾーン別の発生交通量Oc、Skの中に負の値が含まれているか否かを判断する。そして、このステップS119における判断が否定された場合には、ステップS121に移行し、肯定された場合には、ステップS120に進む。
ステップS120では、前述の式(5)を最小化する計算として、式(8)から式(11)の制約条件の下で、非線形数理最適化手法を適用した計算を行う。具体的には、式(5)に式(8)と式(9)を結合させたラグランジュ関数を作成し、式(10)と式(11)の非負制約を満たすようクーン・タッカーの最適条件を適用して繰り返し演算を行う。これにより、発生交通量O、Sの推定値(非負値)が得られる。
次のステップS121では、域内ゾーンの発生交通量Oc(非負値)を用いて、前述の式(12)、(13)の演算を行って、内内OD交通量Xcd、及び内外OD交通量Yclを求める。
次のステップS122では、域外ゾーンからの発生交通量Sk(非負値)を用いて、前述の式(14)、(15)の演算を行って、外内OD交通量Ukd、及び外外OD交通量Wklを求める。しかる後、本ルーチンの一連の処理を終了する。
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、CPU51がステップS104〜S108の処理を実行することで目的地選択確率決定部12aが実現され、CPU51がステップS110の処理を実行することで内内比率決定部12bが実現され、CPU51がステップS112の処理を実行することで外内比率決定部12cが実現され、CPU51がステップS116〜S120の処理を実行することで推定部14が実現され、CPU51がステップS121の処理を実行することで第1の演算部16が実現され、CPU51がステップS122の処理を実行することで第2の演算部18が実現されている。しかし、これに限らず、上記各部を、マイクロプロセッサ等をそれぞれ含むハードウェアにより構成しても良い。
また、本実施形態では、目的地選択確率決定部12a、内内比率決定部12b及び外内比率決定部12cを含む決定部12により決定手段が構成されている。また、推定部14により推定手段が構成され、第1の演算部16により第1の演算手段が構成され、第2の演算部18により第2の演算手段が構成されている。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るOD交通量推定装置50及びOD交通量の実数推定方法によると、ICTデータの一種である携帯電話移動データ(モバイル移動データ)がサンプルデータとして用いられ、これに基づいて決定部12によって、域内及び域外のゾーン別の発生交通量の推定に用いられる目的地選択確率、内内比率及び外内比率が決定されている。携帯電話移動データ(モバイル移動データ)は精度が高く、必要に応じて随時データ入手が可能で、その費用も経済的である。
本実施形態に係るOD交通量推定装置50及びOD交通量の実数推定方法は、モバイル移動データを用いる先進的手法であり、アンケート調査にもとづく従来手法を抜本的に変革することができる。
また、本実施形態に係るOD交通量推定装置50及びOD交通量の実数推定方法によると、対象域内の最低2つのゾーン、例えば一部の主要ゾーンのみの集中交通量を実数観測することにより、モバイル移動データを用いて、各ゾーンの発生交通量(実数)を推定することができる。また、推定された発生交通量に基づいて、未観測ゾーンの集中交通量を推定することもできる。具体的には、同一の未観測の目的ゾーンdに対して、内内OD交通量Xcd、外内OD交通量Ukdを求めることで、両者の和からその目的ゾーンdの集中交通量の実数推定が結果的に可能になっている。したがって、きわめて効率的で実用性の高いOD交通量の実数推定法であると、言える。
また、特許文献2などに開示される従来技術が、道路ネットワークにおける自動車交通のOD交通量および経路交通量をプローブカーデータ(車両走行軌跡データ)で推定するモデルであったのとは対照的に、本実施形態に係るOD交通量推定装置50及びOD交通量の実数推定方法は、経路を考慮せずOD交通量のみを推定することを目的としているため、モデル構造がきわめて単純になっており、計算も容易に実行できる。
なお、ICTデータであれば、携帯電話移動データ(モバイル移動データ)以外のデータもサンプルデータとして用いることができるので、例えばICTデータとして、ICカードデータを利用することで、バス交通や鉄道交通の駅間OD交通量の推定などにも好適に適用することができる。この場合、上述したゾーンはバス停あるいは鉄道駅に置き換えられる。この場合も、一部の主要駅(又は主なバス停)のみの降客数を実数観測することで、バス交通や鉄道交通の実数流動推定が可能になる。
本実施形態に係るOD交通量推定装置50及びOD交通量の実数推定方法は、プローブカーによるODデータと走行経路データを使用する従来技術と比べて、サンプルデータが少なくて済むとともに、安価である。経路交通量を考慮しない先願モデルの代替的手法として適用することも可能である。このように、本実施形態に係るOD交通量の実数推定方法は、経済的で汎用性があり、実用的な手法といえる。
ところで、具体的な数値を与えて計算をすればすぐにわかるが、各発生ゾーンからの目的地選択確率が、集中交通量の実数観測が行われる目的ゾーンに対して同じである場合(例えば、前述のmc1=qk1、mc2=qk2)、式(6)と式(7)は同一となり、連立方程式の解は唯一に定まらず不定となる。したがって、集中交通量の実数観測が行われる目的ゾーンに対する各発生ゾーンの目的地選択確率がすべて異なっていることが、上記実施形態の推定部14による各ゾーンからの発生交通量の推定のための要件となる。現実のOD交通現象においては、発生ゾーン別目的地選択確率が部分的にでも厳密に同一値になる確率はきわめて小さいので、上記実施形態に係るOD交通量の実数推定方法の実務適用には支障は少ないと思われる。
《変形例》
次に、変形例について説明する。ここで、前述した実施形態に係るOD交通量推定装置50と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用いるとともに、詳細説明を省略する。
上述したように、上記実施形態で用いられる式(5)で表されるOD交通量実数推定モデルは、現実における発生ゾーン別目的地選択確率の値によって、推定解が不定になることがある。この弱点を解決するために、モデル構造を次のように改良する。
ICTデータ、例えばモバイル移動データからは、発生ゾーン別目的地選択確率に加えて、ゾーン発生交通量の相対比率が得られる。モバイル移動データによる域内のゾーンからの発生交通量のサンプル値をO’c、域外のゾーンからの発生交通量(流入交通量)のサンプル値をS’kとする。また、これら2種類のゾーン発生交通量の総和をT’とする(次式(16)参照)。
Figure 0005971828
上記実施形態に係るOD交通量の実数推定モデル(式(5))は、一部ゾーンにおける集中交通量の推定値と実数値を近似させる残差項だけであるので、この式(5)のモデルに代えて、式(5)の右辺に推定値Ocと推定値Skのそれぞれの相対比率をモバイル移動データから得られるサンプル値の相対比率に近似させる残差項を付け加えた次式(18)で表されるモデルを用いることを考える。
Figure 0005971828
しかるに、実際には、集中交通量の実数観測が行われる目的ゾーン(観測ゾーン)の数に比べて、域内および域外の発生ゾーンの総数が圧倒的に多いので、式(18)では、右辺第2項及び第3項(付け加えられた残差項)、すなわちゾーン別の発生交通量の推定値と、ゾーン別の発生交通量の推定値総和に対するサンプル値相対比率の当該値(ゾーン別の発生交通量の推定値)との残差平方和の影響が支配的となる。したがって、式(18)を各発生ゾーンからの発生交通量の推定に用いることは適切でない。そこで、式(18)の右辺の第1項の第1の残差平方和と第2項及び第3項の第2の残差平方和の重みを均衡化するために、次式(19)のように改良する。
Figure 0005971828
式(19)において、NQ*は実数観測が行われる目的ゾーン数、Noは域内の発生ゾーン数、NSは域外の発生ゾーン数である。
本変形例に係るOD交通量の実数推定方法を実行するOD交通量推定装置の構成及び動作等は、上記実施形態に係るOD交通量推定装置50と基本的には同じである。ただし、次の点が異なる。
すなわち、CPU51がステップS116〜S120の処理を実行することで実現される推定部14が、式(19)で表されるモデルを、最小にする演算、すなわち前述の式(6)、(7)の連立方程式の解を求めることで、発生ゾーン別の発生交通量Oc、Skを推定する。ただし、この場合の式(6)、(7)の偏微分は、式(19)で表されるΨに対して行われる。なお、本変形例においても、ステップS118において式(6)、(7)の連立方程式の解を求めることで推定された発生ゾーン別の発生交通量Oc、Skに負の値が含まれているか否かが、ステップS119において判断され、このステップS119の判断が肯定された場合には、ステップS120において、式(8)から式(11)の制約条件の下で、前述と同様の非線形数理最適化手法を適用した推定演算が行われる。
以上説明した本変形例に係るOD交通量推定装置及びOD交通量の実数推定方法によると、前述した実施形態に係るOD交通量推定装置50及びOD交通量の実数推定方法と同等の効果を得ることができる。これに加え、常に安定した推定解(不定とならない推定解)を求めることが可能となる。さらに、本変形例では、集中交通量を実数観測する目的ゾーンの数は1つだけでも、各発生ゾーンからの発生交通量を推定することが可能であり、上記実施形態に比べて集中交通量の実数観測のための労力の負担等が軽減される。
なお、上記実施形態及び変形例に係るOD交通量推定装置において、推定部14は、前述した連立方程式の解を求めるのみでも良い場合がある。前述したように、集中(目的)ゾーンの観測値及び目的地選択確率の誤差が小さく、推定される各ゾーンの発生交通量が多量であると、発生交通量の推定値は非負となることが多いからである。したがって、図4のステップS119及びステップS120は、設けなくても良い場合がある。この場合には、CPU51がステップS116及びS118の処理を実行することで推定部14が実現されることになる。
なお、上記実施形態及び変形例に係るOD交通量推定装置において、第1の演算部16と第2の演算部18との少なくとも一方は、設けられていなくても良い。かかる場合であっても、推定部14により、各発生ゾーンの発生交通量を推定することができる。
なお、前述したフローチャート(図4)に対応するプログラムは、CD−ROM、DVD−ROMその他の情報記録媒体に格納しておいても良い。
以上説明したように、本発明のOD交通量の実数推定方法、OD交通量の実数推定装置及びプログラムは、OD交通量の実数流動推定に適用することができる。
12…決定部、12a…目的地選択確率決定部、12b…内内比率決定部、12c…外内比率決定部、14…推定部、16…第1の演算部、18…第2の演算部、50…OD交通量推定装置。

Claims (18)

  1. 決定手段が、ICTデータから得られる対象域内及び対象域外に設定された複数のゾーン間のOD交通のサンプルデータに基づき、前記対象域内及び前記対象域外の発生ゾーン別の複数の目的ゾーンそれぞれへの目的地選択確率、前記対象域内の前記発生ゾーンからの発生交通量が前記対象域内のゾーンに目的地を持つ確率であるOD交通の内内比率及び前記対象域外の前記発生ゾーンからの発生交通量が前記対象域内のゾーンに目的地をもつ確率であるOD交通の外内比率をそれぞれ得ることと、
    前記対象域内の少なくとも2つの目的ゾーンの集中交通量を実数観測することと、
    推定手段が、前記発生ゾーン別の前記目的ゾーンへの目的地選択確率、前記内内比率及び前記外内比率と、前記少なくとも2つの目的ゾーンの前記集中交通量の観測値のデータとに基づいて、前記観測が行われた前記少なくとも2つの目的ゾーンの前記集中交通量の推定値と観測値との残差の平方和を最小にする演算を行い、前記発生ゾーン別の発生交通量を推定することと、を含むOD交通量の実数推定方法。
  2. 前記発生ゾーン別の発生交通量を推定することは、前記残差の平方和を最小にする前記演算として、前記対象域内の前記発生ゾーンcからの発生交通量をOc、前記内内比率をτc、前記対象域内の前記発生ゾーンcから前記対象域内の目的ゾーンdへの目的地選択確率をmcd、前記対象域外の発生ゾーンkからの発生交通量をSk、前記外内比率をλk、前記対象域外の発生ゾーンkから前記対象域内の目的ゾーンdへの目的地選択確率をqkd、前記対象域内の目的ゾーンdの集中交通量の観測値(実数値)をQ* dとして、下記式(5)で表される前記残差の平方和Ψを最小にするため、式(6)と式(7)の連立一次方程式の解を求めることを含む請求項1に記載のOD交通量の実数推定方法。
    Figure 0005971828
  3. 前記発生ゾーン別の発生交通量を推定することは、
    前記連立一次方程式の解を求めることで得られた前記ゾーン別の発生交通量の推定値に負の値が含まれているか否かを判断することと、
    前記ゾーン別の発生交通量の推定値に負の値が含まれている場合に、前記式(5)で表される前記残差の平方和Ψを、式(8)から式(11)で表される制約条件の下で、最小にするため、非線形数理最適化手法を用いて、クーン・タッカー条件を満たすように推定演算を行って、前記発生ゾーン別の発生交通量の推定値を求めることと、をさらに含む請求項2に記載のOD交通量の実数推定方法。
    Figure 0005971828
  4. 決定手段が、ICTデータから得られる対象域内及び対象域外に設定された複数のゾーン間のOD交通のサンプルデータに基づき、前記対象域内及び前記対象域外の発生ゾーン別の複数の目的ゾーンそれぞれへの目的地選択確率、前記対象域内の前記発生ゾーンからの発生交通量が前記対象域内のゾーンに目的地を持つ確率であるOD交通の内内比率及び前記対象域外の前記発生ゾーンからの発生交通量が前記対象域内のゾーンに目的地をもつ確率であるOD交通の外内比率をそれぞれ得ることと、
    前記対象域内の少なくとも1つの目的ゾーンの集中交通量を実数観測することと、
    推定手段が、前記発生ゾーン別の前記目的ゾーンへの目的地選択確率、前記内内比率及び前記外内比率と、前記少なくとも1つの目的ゾーンの前記集中交通量の観測値と、前記対象域内及び前記対象域外の発生ゾーンによる発生交通量のサンプル値の相対比率とに基づいて、前記観測が行われた前記少なくとも1つの目的ゾーンの前記集中交通量の推定値と観測値とを近似させる残差項と、前記ゾーン別の発生交通量の推定値を、前記発生ゾーン別の発生交通量の推定値総和に対する前記サンプル値相対比率のゾーン別の発生交通量の推定値に近似させる残差項と、の重み付け平均値を、最小にする演算を行い、前記発生ゾーン別の発生交通量を推定することと、を含むOD交通量の実数推定方法。
  5. 前記重み付け平均値は、前記集中交通量の推定値と観測値との残差の平方和を前記集中交通量の実数観測の対象となったゾーンの数で除した第1の残差平均値と、前記発生ゾーン別の発生交通量の推定値と、前記発生ゾーン別の発生交通量の推定値総和に対する前記サンプル値相対比率のゾーン別の発生交通量の推定値との残差平方和を、前記対象域内及び前記対象域外の発生ゾーンの総数で除した第2の残差平均値と、の和である請求項4に記載のOD交通量の実数推定方法。
  6. 推定された前記対象域内の発生ゾーンの発生交通量と、前記発生ゾーンから前記対象域内の目的ゾーンへの目的地選択確率と、前記内内比率とを用いて、演算により内内OD交通量を求めるとともに、前記発生ゾーンの発生交通量と、前記発生ゾーンから前記対象域外の目的ゾーンへの目的地選択確率と、前記内内比率とを用いて、演算により内外OD交通量を求めることを、さらに含む請求項1〜5のいずれか一項に記載のOD交通量の実数推定方法。
  7. 前記推定された前記対象域外の発生ゾーンの発生交通量と、前記発生ゾーンから前記対象域内の目的ゾーンへの目的地選択確率と、前記外内比率とを用いて、演算により外内OD交通量を求めるとともに、前記発生ゾーンの発生交通量と、前記発生ゾーンから前記対象域外の目的ゾーンへの目的地選択確率と、前記外内比率とを用いて、演算により外外OD交通量を求めることを、さらに含む請求項1〜6のいずれか一項に記載のOD交通量の実数推定方法。
  8. 前記ICTデータは、モバイル移動データである請求項1〜7のいずれか一項に記載のOD交通量の実数推定方法。
  9. ICTデータから得られる対象域内及び対象域外に設定された複数のゾーン間のOD交通のサンプルデータの入力に応じて、前記対象域内及び前記対象域外の発生ゾーン別の複数の目的ゾーンそれぞれへの目的地選択確率、前記対象域内の前記発生ゾーンの発生交通量が前記対象域内のゾーンに目的地を持つ確率であるOD交通の内内比率及び前記対象域外の前記発生ゾーンからの発生交通量が前記対象域内のゾーンに目的地をもつ確率であるOD交通の外内比率をそれぞれ決定する決定手段と、
    前記対象域内の少なくとも2つの目的ゾーンの集中交通量の実数観測により得られた観測値のデータの入力に応答して、前記発生ゾーン別の前記目的ゾーンへの目的地選択確率、前記内内比率及び前記外内比率と、入力された前記観測値のデータとに基いて、前記観測が行われた前記少なくとも2つの目的ゾーンの前記集中交通量の推定値と観測値との残差の平方和を最小にする演算を行い、前記発生ゾーン別の発生交通量を推定する推定手段と、を備えるOD交通量の実数推定装置。
  10. 前記決定手段は、入力された前記サンプルデータに基づいて、前記対象域内の前記発生ゾーンcから前記対象域内の目的ゾーンdへの目的地選択確率mcdと、前記対象域外の発生ゾーンkから前記対象域内の目的ゾーンdへの目的地選択確率qkdと、前記内内比率τcと、前記外内比率λkと、を決定し、
    前記推定手段は、前記対象域内の前記目的ゾーンdの集中交通量の観測値(実数値)Q* dの入力に応答し、前記対象域内の前記発生ゾーンcからの発生交通量をOc、前記対象域外の発生ゾーンkからの発生交通量をSkとして、下記式(5)で表される前記残差の平方和Ψを最小にするため、式(6)と式(7)の連立一次方程式の解を求めることで、前記発生交通量Oc及びSkを推定する請求項9に記載のOD交通量の実数推定装置。
    Figure 0005971828
  11. 前記推定手段は、さらに、前記連立一次方程式の解を求めることで得られた前記ゾーン別の発生交通量の推定値に負の値が含まれているか否かを判断するとともに、前記ゾーン別の発生交通量の推定値に負の値が含まれている場合に、前記式(5)で表される前記残差の平方和Ψを、式(8)から式(11)で表される制約条件の下で、最小にするため、非線形数理最適化手法を用いて、クーン・タッカー条件を満たすように推定演算を行って、前記発生ゾーン別の発生交通量の推定値を求める請求項10に記載のOD交通量の実数推定装置。
    Figure 0005971828
  12. ICTデータから得られる対象域内及び対象域外に設定された複数のゾーン間のOD交通のサンプルデータの入力に応じて、前記対象域内及び前記対象域外の発生ゾーン別の複数の目的ゾーンそれぞれへの目的地選択確率、前記対象域内の前記発生ゾーンの発生交通量が前記対象域内のゾーンに目的地を持つ確率であるOD交通の内内比率及び前記対象域外の前記発生ゾーンからの発生交通量が前記対象域内のゾーンに目的地をもつ確率であるOD交通の外内比率をそれぞれ決定する決定手段と、
    前記対象域内の少なくとも1つの目的ゾーンの集中交通量の実数観測により得られた観測値のデータの入力に応答して、前記発生ゾーン別の前記目的ゾーンへの目的地選択確率、前記内内比率及び前記外内比率と、前記少なくとも1つの目的ゾーンの前記集中交通量の観測値と、前記対象域内及び前記対象域外の発生ゾーンによる発生交通量のサンプル値の相対比率とに基づいて、前記観測が行われた前記少なくとも1つの目的ゾーンの前記集中交通量の推定値と観測値とを近似させる残差項と、前記発生ゾーン別の発生交通量の推定値を、前記発生ゾーン別の発生交通量の推定値総和に対する前記サンプル値の相対比率のゾーン別の発生交通量の推定値に近似させる残差項と、の重み付け平均値を、最小にする演算を行い、前記発生ゾーン別の発生交通量を推定する推定手段と、を備えるOD交通量の実数推定装置。
  13. 前記重み付け平均値は、前記集中交通量の推定値と観測値との残差の平方和を前記集中交通量の実数観測の対象となったゾーンの数で除した第1の残差平均値と、前記発生ゾーン別の発生交通量の推定値と、前記発生ゾーン別の発生交通量の推定値総和に対する前記サンプル値相対比率のゾーン別の発生交通量の推定値との残差平方和を、前記対象域内及び前記対象域外の発生ゾーンの総数で除した第2の残差平均値と、の和である請求項12に記載のOD交通量の実数推定装置。
  14. 推定された前記対象域内の発生ゾーンの発生交通量と、前記発生ゾーンから前記対象域内の目的ゾーンへの目的地選択確率と、前記内内比率とを用いて、演算により内内OD交通量を求めるとともに、前記発生ゾーンの発生交通量と、前記発生ゾーンから前記対象域外の目的ゾーンへの目的地選択確率と、前記内内比率とを用いて、演算により内外OD交通量を求める第1の演算手段をさらに備える請求項9〜13のいずれか一項に記載のOD交通量の実数推定装置。
  15. 前記推定された前記対象域外の発生ゾーンの発生交通量と、前記発生ゾーンから前記対象域内の目的ゾーンへの目的地選択確率と、前記外内比率とを用いて、演算により外内OD交通量を求めるとともに、前記発生ゾーンの発生交通量と、前記発生ゾーンから前記対象域外の目的ゾーンへの目的地選択確率と、前記外内比率とを用いて、演算により外外OD交通量を求める第2の演算手段を、さらに備える請求項9〜14のいずれか一項に記載のOD交通量の実数推定装置。
  16. 前記ICTデータは、モバイル移動データである請求項9〜15のいずれか一項に記載のOD交通量の実数推定装置。
  17. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法を、コンピュータに実行させるためのOD交通量の実数推定プログラム。
  18. 請求項17に記載のOD交通量の実数推定プログラムが記録されたコンピュータによる読み取りが可能な情報記録媒体。
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