JP5971177B2 - 苛性ソーダ水溶液の蒸発濃縮設備 - Google Patents

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本発明は、苛性ソーダ水溶液の蒸発濃縮設備に関し、さらに詳しくはプレート型の熱交換器を蒸発器に用いる苛性ソーダ蒸発濃縮設備に関する。
従来、苛性ソーダ水溶液の蒸発濃縮については、薄膜降下式の熱交換器と液室を備えた蒸発缶を用いた薄膜降下式蒸発濃縮設備が広く用いられてきた。
薄膜降下式蒸発濃縮設備は、シェルアンドチューブ型の熱交換器を用いて、チューブの内表面に均一に薄い液膜を形成させながら、上から下方向への流れを作り、チューブの外側(シェル側)から蒸気で加熱することにより、チューブ内を液膜状態で降下する液体を蒸発濃縮させ、濃縮された液体を蒸発缶下部に溜める構造となっている。多重効用型の場合には、これらを多段に接続した仕組みである。
しかしながら、薄膜降下式の熱交換器では、以下(1)〜(5)の問題点がある。
(1)チューブの内表面に均一に液膜を形成する必要上、大きなチューブ伝熱面積が必要となるため設備全体が大型化し、特に高温・高濃度の領域ではニッケル等の高価な耐食材質を用いる必要があるため熱交換器費用が高額になるとともに、これを据え付ける架台等の費用も高額となる。
(2)熱交換器すべてのチューブ内に均一な薄膜を形成させるため、頂部の液供給口部分に複雑な液分散機構が必要となる。
(3)主に伝熱管の下部領域で液量が不足することによる液膜切れが発生しないように、常に供給液量を管理する必要があり、多くの場合には蒸発缶底部の液をポンプを用いて蒸発缶頂部に循環することで液量を確保しているが、大型の循環ポンプが必要となるため、設備費が高額になるとともに、ランニングコストも高額になる。
(4)循環ポンプにより蒸発缶底部の液を塔頂に循環することで、塔頂部での液組成は、苛性ソーダ濃度が高くなる方向に変化し、塔頂部の液の沸点が上昇して加熱蒸気との温度差が小さくなり加熱効率が落ちるため、効率低下をカバーするために熱交換器を大型化する必要がある。
(5)蒸発器内部での液の保有量が多いため、運転条件を変更する時等は定常状態になるまで長時間を要することや、メンテナンス等で器内の液を抜き取る場合に作業が大変になる。
これに対して、供給原料を蒸発缶に供給する前に、フラッシュ蒸発設備で予め蒸発させ、ここで発生する蒸気を、これよりも温度レベルの低い蒸発缶で利用することで蒸気の有効利用を図り、低温・低濃度の蒸発缶での加熱負荷を高める代わりに、高温・高濃度の蒸発缶の加熱負荷を軽減することで、高温・高濃度領域の蒸発缶を小型化し設備費用を下げる技術が提案されている(特公平3−44802号公報)。
また、蒸発缶頂部への供給液量を管理し、蒸発缶頂部への液量が熱交換に必要な量を満たしている場合には循環をせず、必要な熱量を満たしていない場合には循環をするよう切り替えることにより、塔頂部での液の沸点上昇を極力抑え加熱効率を維持する技術が提案されている(特公平6−73601号公報)。
しかしながら、これらの改良技術でも、シェルアンドチューブ型熱交換器を薄膜降下式蒸発器に用いるため、前記問題点が完全には解決されていない。
特公平3−44802号公報 特公平6−73601号公報
本発明は、上記の状況を鑑み、蒸発濃縮設備全体がコンパクトであり、気液分離器での極力高い液滴捕集効率を確保しながら、蒸発器と気液分離器を効率的に接続させた苛性ソーダ水溶液の蒸発濃縮設備を提供することを目的とし、さらに希薄苛性ソーダ水溶液の蒸発器への供給流量の調整が可能な蒸発濃縮設備を提供する。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、多数の伝熱板を重ねたプレート型熱交換器を蒸発器に用い、蒸発器内では苛性ソーダ水溶液を上向きの流れになるようにすることで、蒸発濃縮設備全体がコンパクトであり、かつ優れた液滴捕集効率を発現する苛性ソーダ水溶液の多重効用濃縮設備において、蒸発器入口に備えた苛性ソーダ水溶液供給量調節弁と蒸発器の間に制限オリフィスを設置し、そのうちの少なくとも1カ所の制限オリフィスを複数個設置する苛性ソーダ水溶液の多重効用濃縮設備を完成するに至った。
すなわち、本願における請求項1記載の発明は、苛性ソーダ水溶液を加熱して水を蒸発させる蒸発器と、該蒸発器において加熱濃縮された濃縮液と蒸発水蒸気を分離させる気液分離器とを備えた苛性ソーダ水溶液蒸発濃縮設備において、プレート型熱交換器を蒸発器に用い、蒸発器入口に備えた苛性ソーダ水溶液供給量調節弁と蒸発器の間に制限オリフィスを設置し、そのうちの少なくとも1カ所の制限オリフィスは複数個である苛性ソーダ水溶液の多重効用濃縮設備である。
請求項2記載の発明は、蒸発器入口に備えた苛性ソーダ供給量調節弁と蒸発器の間に制限オリフィスを設置し、そのうちの少なくとも1カ所の制限オリフィスを2個設置する請求項1記載の苛性ソーダ水溶液の多重効用蒸発濃縮設備である。
請求項3記載の発明は、気液分離器がサイクロン型気液分離器であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の苛性ソーダ水溶液の多重効用蒸発濃縮設備である。
請求項4記載の発明は、プレート型熱交換器出口の角型ノズルに取り付けられた長方形フランジと気液分離器とを、丸型パイプを介して接続することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の苛性ソーダ水溶液の多重効用蒸発濃縮設備である。
本発明の苛性ソーダ水溶液の多重効用蒸発濃縮設備は、伝熱面での熱効率が高いため、蒸発濃縮設備を小型化でき、苛性ソーダ水溶液を効率的に濃縮することが可能であり、さらに、複数個の制限オリフィスを設置して、これを切り替えて操業することで、希薄苛性ソーダ水溶液の蒸発器への供給流量の調整が容易になる。
プレート型熱交換器を蒸発器に用いた苛性ソーダ水溶液の多重効用蒸発濃縮設備の概略図である。 苛性ソーダ供給量調節弁と蒸発器の間に制限オリフィスを2個設置した苛性ソーダ水溶液の多重効用蒸発濃縮設備の部分図である。 蒸発器(プレート型熱交換器)とサイクロン型気液分離器の接続部の概略図である。 蒸発器と気液分離器の接続管の概略図である。 サイクロン型気液分離器直胴への入口ノズル取付け部分の概略図である。
本発明における苛性ソーダ水溶液の多重効用蒸発濃縮設備は、多数の伝熱板を重ねたプレート型の熱交換器を蒸発器とし、蒸発器の出口側では、希薄苛性ソーダ水溶液が蒸発して発生した蒸気と濃縮された苛性ソーダ水溶液が混合物で排出されるため、この蒸発蒸気と濃縮苛性ソーダ水溶液を分離するための気液分離器を設置したものである。
蒸発濃縮に使用する苛性ソーダ水溶液は特に限定されないが、例えば、塩化ナトリウムの電解反応で得られる濃度32質量%程度の苛性ソーダ水溶液などが例示される。
本発明について、添付の図面を参照しながら、より詳しく説明する。
図1に本発明における苛性ソーダ水溶液の多重効用蒸発濃縮設備の概略を示す。図1において、1A、1Bおよび1Cはプレート型熱交換器(蒸発器)を示し、2A、2Bおよび2Cは気液分離器、3A、3Bおよび3Cはプレート型熱交換器と気液分離器を接続する接続管を示す。
例えば、濃縮される希薄苛性ソーダ水溶液(32質量%)は、蒸発器1Cの側面下部にある入口に供給され、蒸発器1Cの内部を上向きに流れる。一方、気液分離器2Bからの蒸気は蒸発器1Cの側面上部にある入口に供給され、蒸発器1Cの内部を下向きに流れる。希薄苛性ソーダ水溶液は蒸発器1C内で気液分離器2Bからの蒸気で加熱され、蒸発器1Cの側面上部にある出口から蒸発蒸気と濃縮苛性ソーダ水溶液の混合物で排出され、接続管3Cを通って気液分離器2Cの直胴部に入る。一方、気液分離器2Bからの蒸気は、蒸発器1Cで加熱に用いられることで凝縮し、蒸発器1Cの側面下部にある出口からドレンとして排出される。
気液分離器2C内で蒸発蒸気と濃縮苛性ソーダ水溶液に分離され、濃縮苛性ソーダ水溶液は、送液ポンプ4Cにより気液分離器2Cの底部から抜き出され、次の蒸発器1Bの側面下部にある入口に供給される。一方、気液分離器2Cで分離された蒸発蒸気は、気液分離器2Cの頂部より排出された後、凝縮器5により凝縮され、未凝縮物は真空発生装置6で排気される。
蒸発器1Bの側面下部にある入口に供給された苛性ソーダ水溶液は蒸発器1Bの内部を上向きに流れる。一方、気液分離器2Aからの蒸気は蒸発器1Bの側面上部にある入口に供給され、蒸発器1Bの内部を下向きに流れる。苛性ソーダ水溶液は蒸発器1B内で気液分離器2Aからの蒸気で加熱され、蒸発器1Bの側面上部にある出口から蒸発蒸気と濃縮苛性ソーダ水溶液の混合物で排出され、接続管3Bを通って気液分離器2Bの直胴部に入る。一方、気液分離器2Aからの蒸気は、蒸発器1Bで加熱に用いられることで凝縮し、蒸発器1Bの側面下部にある出口からドレンとして排出される。
気液分離器2B内で蒸発蒸気と濃縮苛性ソーダ水溶液に分離され、濃縮苛性ソーダ水溶液は、送液ポンプ4Bにより気液分離器2Bの底部から抜き出され、次の蒸発器1Aの側面下部にある入口に供給される。一方、気液分離器2Bで分離された蒸発蒸気は、気液分離器2Bの頂部より排出された後、蒸発器1Cに入り加熱用蒸気として使用される。
蒸発器1Aの側面下部にある入口に供給された苛性ソーダ水溶液は蒸発器1Aの内部を上向きに流れる。一方、加熱用蒸気は蒸発器1Aの側面上部にある入口に供給され、蒸発器1Aの内部を下向きに流れる。苛性ソーダ水溶液は蒸発器1A内で加熱用蒸気により加熱され、蒸発器1Aの側面上部にある出口から蒸発蒸気と濃縮苛性ソーダ水溶液の混合物で排出され、接続管3Aを通って気液分離器2Aの直胴部に入る。一方、加熱用蒸気は、蒸発器1Aで加熱に用いられることで凝縮し、蒸発器1Aの側面下部にある出口からドレンとして排出される。
気液分離器2A内で蒸発蒸気と濃縮苛性ソーダ水溶液に分離され、濃縮苛性ソーダ水溶液は、送液ポンプ4Aにより、気液分離器2Aの底部から製品として抜き出される(図1では濃度48質量%)。一方、気液分離器2Aで分離された蒸発蒸気は気液分離器2Aの頂部より排出された後、蒸発器1Bに入り加熱用蒸気として使用される。
気液分離器2Aの底部から抜き出される製品苛性ソーダ水溶液、および蒸発器1Aの側面下部から排出される加熱蒸気のドレンは温度レベルが高いため、この熱エネルギーを回収し有効に利用すべく、気液分離器2Cから抜き出されて蒸発器1Bに供給される苛性ソーダ水溶液、および気液分離器2Bから抜き出されて蒸発器1Aに供給される苛性ソーダ水溶液を、先に述べた高温の製品苛性ソーダ水溶液および加熱蒸気のドレンと熱交換させ、熱エネルギーを回収するための予熱器を設けることもある(図1では予熱器は省略してある)。
図2に本発明における苛性ソーダ水溶液供給量調節弁と蒸発器の間に制限オリフィスを2個設置した苛性ソーダ水溶液の多重効用蒸発濃縮設備の部分図を示す。
図2において、1はプレート型熱交換器(蒸発器)、2は気液分離器、3は蒸発器と気液分離器を接続する接続管、7は苛性ソーダ水溶液供給量調節弁、8−1、8−2は制限オリフィスの切替弁、9−1、9−2は制限オリフィスを示す。
多重効用蒸発濃縮設備において、希薄苛性ソーダ水溶液を蒸発器に供給するに当り、蒸発器入口に備えた苛性ソーダ水溶液供給量調節弁で供給流量を調整するが、供給する希薄苛性ソーダ水溶液の液温度がその圧力での沸点を越える場合には供給配管内で液の一部が蒸発するため、供給流量の正確な調整が出来なくなる。
これに対し、供給量調節弁と蒸発器の間に制限オリフィスを設置して、制限オリフィスで通液抵抗を持たせることにより、これより上流の配管内の圧力を上げて液の沸点を上げることにより、配管内での液の蒸発を防止し正確な供給量調整を行うことが可能となる。
しかしながら、生産調整等のため、多重効用蒸発濃縮設備を定格能力から下げて運転する場合には、これに応じて蒸発器に供給する希薄苛性ソーダ水溶液の流量も低減する必要がある。上述の制限オリフィスでの通液抵抗は、通液量により変化し、制限オリフィスを通過する液量が多ければ通液抵抗は増加し、液量が少なければ通液抵抗は減少するため、運転負荷を下げるにつれて、制限オリフィス上流での配管内圧力も低下する。
この場合、定格能力を基準として設計した口径の制限オリフィスでは、運転負荷が低い時にはオリフィスでの通液抵抗が小さくなるため、上流の配管内の圧力が十分に上がらず配管内で液が蒸発してしまうことも有り得る。
定格能力から運転負荷を下げても、配管内での液の蒸発が起こらないようにするため、オリフィス口径の異なる制限オリフィスを複数基並列に用意し、運転負荷に応じて制限オリフィスの切替弁を切り替えて使用することで、対応が可能となる(図2では9−1および9−2の2基の制限オリフィスを切り替えて運転する)。
なお、制限オリフィス口径を選択することにより、25%〜100%の運転負荷に対応することが可能となる。
本発明の苛性ソーダ水溶液の多重効用蒸発濃縮設備における気液分離器には旋回流の遠心力を利用して分離を行なうサイクロン型や、物理的に液滴を捕捉する機構を取付けたメッシュデミスター型等があり、何れの形式でも使用可能であるが、サイクロン型の気液分離器は、構造が簡単であり液滴の捕集効率が高く運転中の圧力損失も小さい等の利点があり、サイクロン型の気液分離器が好ましい。
通常、サイクロン型気液分離器では、液滴捕集効率を高く維持するために、良好な旋回流を得る目的で入口ノズルの断面形状を長方形にする場合が多く、また蒸発器用途で市販されているプレート型熱交換器も、サイクロン型気液分離器との接続を前提として、出口ノズルの形状が長方形またはこれに近い形になっているものがある。
多重効用蒸発濃縮設備では、各蒸発缶を経て苛性ソーダ水溶液の濃度を高めると、これに伴って運転温度も高くなるため、高温・高濃度の蒸発缶(熱交換器・気液分離器)は、内部の液温度・圧力の関係上、日本では労働安全衛生法令で定められる圧力容器(第一種圧力容器)に該当する場合がある。これはプレート型熱交換器を用いた場合でも同様であり、プレート型熱交換器とこれに接続する気液分離器は圧力容器(第一種圧力容器)に該当する場合がある。
圧力容器に該当する場合、容器に取付ける接続ノズルの断面形状として、法令(圧力容器構造規格)では長方形のノズルに関する規定が無いため、ノズル形状は丸型とする必要があるが、上述のように、蒸発器用途で市販されているプレート型熱交換器自体の出口ノズルの断面形状は、長方形またはこれに近い形になっているものがあり、これに接続するサイクロン型気液分離器も、捕集効率上入口ノズルの断面形状は長方形とするのが一般的である。
このため、プレート型熱交換器を蒸発器として用い、これにサイクロン型の気液分離器を設置する場合で、これらが圧力容器に該当する場合には、圧力容器構造規格を遵守しつつ、プレート型熱交換器の利点を損なわず、気液分離器での極力高い液滴捕集効率を確保しながら、蒸発器と気液分離器を接続するという課題を解決する必要がある。
圧力容器構造規格を満たすためには、プレート型熱交換器の長方形またはそれに近い形の出口ノズル以降を丸型ノズルに変換し、サイクロン型気液分離器の入口ノズルも丸型として接続する必要がある。本来であれば、プレート型熱交換器からサイクロン型気液分離器までを長方形のノズルで以って製作すべき処を、法規上の制約で丸型に変更せざるを得ないが、その際でもプレート型熱交換器の利点を損なわず、極力サイクロン型気液分離器の効率を落とさないようにすることが重要である。
図3および図4にプレート型熱交換器と気液分離器との接続管を示す。接続管としては、蒸発器出口の角型ノズルに取付ける長方形のフランジと、これに接続する丸型パイプ、長方形フランジを取付けたのとは反対の丸型パイプ端に取付ける気液分離器接続用の丸型フランジから構成されることが好ましい。
長方形のフランジのどの位置にどのようなサイズの丸型パイプを取付けるかが重要であり、排出される蒸発蒸気と濃縮苛性ソーダ水溶液の流れを極力妨げないようにするため、蒸発器出口の有効断面積を極力大きく取る必要があることから、丸型パイプの径は可能な限り大きい方が望ましく、また丸型パイプの垂直方向位置は極力下にする方が、蒸発器内の保有液量を少なく出来るため、保有液量が少ないというプレート型熱交換器の利点を活かす点で望ましい。
具体的には、丸型パイプを取付けるフランジを縦長の長方形とした場合に、プレート型熱交換器への取付代を除いた部分の短辺(横方向)の長さをa、長辺(縦方向)の長さをb、気液分離器入口の丸パイプ外径をdとした場合に、望ましいのはd=aとしパイプの下端が取付代を除いた長方形の下端に接するように配置する場合である。
実際には、パイプには規格サイズ品を使用することが多くdの値を任意には選べないこと、長方形フランジと丸パイプを接合する際の接合代も必要となること、プレート型熱交換器の出口も完全な長方形ではないこともありうること等、種々の制約が出てくることから、パイプ径dのサイズは0.58a〜aの範囲にあることが好ましい。
さらに、プレート型熱交換器に取付ける長方形フランジから丸型パイプ径dへ1回で変換するのではなく、長方形フランジ→パイプ径d'→パイプ径dのように、途中段階の径d'を経て最終的にパイプ径dに縮小しても構わない。この場合には、パイプ径d'〜dの間は偏芯型レデューサーを用い、パイプ下端を合わせて接続することが望ましい。
図5にサイクロン型気液分離器直胴への入口ノズル取付け部分を示すが、一般的なサイクロン型気液分離器では、直胴部の内径Dに対して入口ノズルのサイズは、縦がD/2、横がD/5の長方形となっている。この長方形を丸型にすると液滴の捕集効率が低下するが、長方形のノズルは法規上認められないため、丸型パイプで代替することになる。
蒸気や苛性ソーダ水溶液の流れを極力妨げないようにするため、長方形のノズルをこれと同じ断面積の丸型パイプで代替することを前提とすると、丸型パイプの半径d=0.357Dと表され、これよりD=2.80dとなり、接続する丸型パイプの径からサイクロンの径が求まる。しかしながら、丸型パイプの径から算出したサイクロンの径は、これに限定したものではなく、多少の過不足は問題ないものの、サイクロン径を小さくすれば、サイクロンの特性上圧力損失は増加し処理可能量は減少し、またサイクロン径を無用に大きくすることは設備費用の観点から望ましくない。このため、サイクロンの径Dは2.6d〜4.0dであることが好ましく、さらに好ましくは2.8d〜3.5dである。
このサイクロンに丸型パイプのノズルを取付けるに際して、サイクロン内部での旋回流を極力良好な状態とするには、ノズルのパイプ外縁がサイクロン直胴部の接線に重なるようにするのが望ましいが、現実的には容器製作上の制約もあり、直胴部接線に重なるようには製作出来ない。
一方、入口ノズルの位置をサイクロン直胴部の中心線に近づけ過ぎても、サイクロンによる液滴捕集効果は低下するため、望ましい入口ノズルの位置は、サイクロン型気液分離器の入口ノズルのサイクロン型気液分離器の直胴部中心線からの偏位をxとして、サイクロン型気液分離器の直胴部の半径をr とした場合、サイクロン型気液分離器直胴部中心線からの入口ノズルの偏位率(x/r)が0.500〜0.642であることが好ましく、さらに好ましくは0.540〜0.642である。
前記の考え方に基づいて、接続管およびサイクロン型気液分離器を製作することで、圧力容器関係の法令を遵守しつつ、プレート型熱交換器とサイクロン型気液分離器の接続を可能とするとともに、サイクロン型気液分離器での分離効率を良好に維持することが出来る。
なお、前記接続管は、気液分離器形式としてサイクロン型に限定されるものではなく、メッシュデミスター型のように、一般的に入口ノズルが丸型でノズルの取付位置が中心線から偏芯していないものに対しても、適用が可能である。
本発明の苛性ソーダ水溶液の多重効用蒸発濃縮設備を用いることで、例えば、塩化ナトリウムの電解反応により得られる32質量%苛性ソーダ水溶液を濃縮して、48質量%苛性ソーダ水溶液を得ることができる。
本発明の苛性ソーダ水溶液の多重効用蒸発濃縮設備は、気液分離器での分離効率に優れたものであり、また、伝熱面での熱効率が高く、設備全体がコンパクトになるため、苛性ソーダ水溶液の蒸発濃縮に広く使用することが可能である。
なお、本発明の多重効用蒸発濃縮設備は、苛性ソーダ水溶液に限られず、苛性カリ水溶液など種々の水溶液の蒸発濃縮に適用可能な設備である。
1A、1B、1C 蒸発器(プレート型熱交換器)
2A、2B、2C 気液分離器
3A、3B、3C 蒸発器と気液分離器の接続管
4A、4B、4C 送液ポンプ
5 凝縮器
6 真空発生装置
7A、7B、7C 苛性ソーダ水溶液供給流量調節弁
8A 制限オリフィス切替弁
9A、9B、9C 制限オリフィス
1−1 蒸発蒸気および濃縮苛性ソーダ水溶液出口(長方形)
1−2 加熱蒸気ドレン出口
1−3 加熱蒸気入口
1−4 希薄苛性ソーダ水溶液入口
2−1 蒸発蒸気および濃縮苛性ソーダ水溶液入口ノズル(丸型)
2−2 蒸気出口
2−3 濃縮苛性ソーダ水溶液出口
3−1 長方形フランジ外枠、網掛部はプレート型熱交換器への取付代
3−2 長方形フランジに内、プレート型熱交換器への取付代を除いた部分
3−3 丸型パイプ
3−4 気液分離器接続用丸型フランジ
2−1−1 気液分離器入口ノズル(丸型パイプ)
2−1−2 入口ノズルフランジ(丸型)
x 入口ノズルの気液分離器中心からの偏位
r サイクロン型気液分離器直胴部半径(D/2)

Claims (4)

  1. 苛性ソーダ水溶液を加熱して水を蒸発させる蒸発器と、該蒸発器において加熱濃縮された濃縮液と蒸発水蒸気を分離させる気液分離器とを備えた苛性ソーダ水溶液蒸発濃縮設備において、プレート型熱交換器を蒸発器に用い、蒸発器入口に備えた苛性ソーダ水溶液供給量調節弁と蒸発器の間に制限オリフィスを設置し、そのうちの少なくとも1カ所の制限オリフィスは複数個である苛性ソーダ水溶液の多重効用蒸発濃縮設備。
  2. 蒸発器入口に備えた苛性ソーダ水溶液供給量調節弁と蒸発器の間に制限オリフィスを設置し、そのうちの少なくとも1カ所の制限オリフィスを2個設置する請求項1記載の苛性ソーダ水溶液の多重効用蒸発濃縮設備。
  3. 気液分離器がサイクロン型気液分離器であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の苛性ソーダ水溶液の多重効用蒸発濃縮設備。
  4. プレート型熱交換器出口の角型ノズルに取り付けられた長方形フランジと気液分離器とを、丸型パイプを介して接続することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の苛性ソーダ水溶液の多重効用蒸発濃縮設備。
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