JP5970298B2 - 二軸引張試験装置 - Google Patents
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また、非特許文献1に記載された技術では、互いに直交する軸上に配置される油圧シリンダのうち、同一軸上に配置される2台の油圧シリンダは、同一の油圧源から圧油が供給され、しかも、パンタグラフ等の等変位機構によって、同一軸上に配置される2台の油圧シリンダの変位が強制的に等しくなるように設定されている。しかしながら、この場合にあっても、互いに直交する軸上に配置される油圧シリンダ同士の変位を同期させる調整が必要であった。
よって、第一軸方向に移動するリンク組は伸びる方向に変形し、第二軸方向に移動するリンク組は縮む方向に変形することになる。このため、第一軸方向に移動するリンク組と第二軸方向に移動するリンク組との長さが異なることになり、第一軸方向と第二軸方向とで引張試験時のリンク部材のひずみに差が生じ、二軸引張試験を精度良く実施することができないおそれがあった。
この場合、単軸引張試験機や油圧シリンダ等の直線駆動手段を用いることによって、回転板を中心軸回りに回転させることができ、二軸引張試験を簡単に実施することが可能となる。
この場合、把持部と支持部との間に設けた付勢手段の弾性係数(例えばばね定数)を適宜設定することによって、変位を荷重に変換し荷重制御による二軸に沿った四方向への試験片の引張試験が可能になる。
本発明の第1の実施形態を図1から図4を参照して説明する。
図1は、互いに直交する第一軸S1及び第二軸S2の四方向(矢印A、B、C、Dで示す方向)に沿って十字形の試験片1を引っ張ることにより引張試験を行う二軸引張試験装置10を示す図である。なお、十字形の試験片1の四方向には、引っ張り時に該試験片1において、互いに直交する方向の荷重に対して、試験片1中央部以外が変形の抵抗とならないようにスリットが形成されている。
図2(b)に示すように、上述した試験片1を保持する第1〜第4試験片保持手段41、42、43、44は、十字形状の試験片1の端部を掴む把持部41A、42A、43A、44Aと、第1〜第4スライダー21、22、23、24に連結される支持部41B、42B、43B、44Bと、を備えている。
また、第一軸S1に沿うように配置された把持部41Aと支持部41Bの間および、把持部43Aと支持部43Bの間のいずれか一方または両方、第二軸S2に沿うように配置された把持部42Aと支持部42Bの間および、把持部44Aと支持部44Bの間のいずれか一方または両方にそれぞれ荷重測定用のロードセルが設けられているが、図では省略されている。
第1〜第4リンク部材31、32、33、34は、その一端が回転板11の径方向内方側部分に連結され、他方が第1〜第4スライダー21、22、23、24にそれぞれ連結されている。なお、図2(a)に示すように、本実施形態では、これら第1〜第4リンク部材31、32、33、34の一端は、対応する第1〜第4スライダー21、22、23、24が移動する第一軸S1又は第二軸S2に対して回転方向R後方側部分に位置する領域に連結されている。
そして、図1に示すように、回転板11は、駆動リンク部材15の他端が油圧シリンダ5のロッド6の先端に連結され、この油圧シリンダ5のロッド6を出没させることによって、中心軸O回りに回転するように構成されている。
この二軸引張試験装置10は、前述のように、油圧シリンダ5に連結されて使用されるものである。詳述すると、図1に示すように、回転板11の軸部12が固定されるとともに、油圧シリンダ5のロッド6の先端に駆動リンク部材15の他端が連結される。なお、本実施形態では、油圧シリンダ5のロッド6の出没方向が第一軸S1と一致するように配置されている。
この回転板11の回転移動に伴って、第1リンク部材31は、第1スライダー21を回転板11の中心軸Oから離間する方向に押圧し、第2リンク部材32は、第2スライダー22を回転板11の中心軸Oから離間する方向に押圧し、第3リンク部材33は、第3スライダー23を回転板11の中心軸Oから離間する方向に押圧し、第4リンク部材34は、第4スライダー24を回転板11の中心軸Oから離間する方向に押圧することになる。
ここで、図3(b)に示すように、第1スライダー21及び第3スライダー23は、第一軸S1上を移動するようにガイドされているので、それぞれ矢印A方向、矢印B方向へと移動する。また、第2スライダー22及び第4スライダー24は、第二軸S2上を移動するようにガイドされているので、それぞれ矢印C方向、矢印D方向へと移動する。ガイドの方法については、支持ピンとスライダーの間にレールのようなガイド部材を配置した板を設ける方法等がある。
また、図1及び図4に示すように、第2スライダー22に取り付けられた第2試験片保持手段42及び第4スライダー24に取り付けられた第4試験片保持手段44によって、試験片1が第二軸S2に沿って引っ張られることになる。
このようにして、互いに直交する第一軸S1及び第二軸S2の四方向への二軸引張試験が実施される。
さらに、本実施形態においては、回転板11に径方向内方に切り欠かれた領域が形成されているので、回転板11の軽量化を図ることができる。
本発明の第2の実施形態である二軸引張試験装置について、図5及び図6を用いて説明する。なお、この第2の実施形態において、前記第1の実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
また、回転板11において、第2リンク部材132及び第4リンク部材134の一端が連結された位置の中心軸Oからの径方向長さr2、r4は、第1リンク部材131及び第3リンク部材133の一端が連結された位置の中心軸Oからの径方向長さr1、r3の2倍とされている。
本発明の第3の実施形態である二軸引張試験装置について、図7を用いて説明する。なお、この第3の実施形態において、前記第1の実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
例えば、本実施形態では、油圧シリンダによって回転板を回転させる構成として説明したが、これに限定されることはなく、単軸引張試験機によって、駆動リンク部材を直線移動させるものであってもよい。
あるいは、回転板に回転駆動装置からの駆動力を伝達する回転駆動伝達部材を設けて、サーボモータ等の回転駆動装置によって回転板を回転させてもよい。
さらに、回転板、リンク部材の形状は、本実施形態に限定されることはなく、適宜設計変更してもよい。
10,110、210 二軸引張試験装置
11 回転板
15 駆動リンク部材(回転駆動伝達部材)
21、121 第1スライダー
22、122 第2スライダー
23、123 第3スライダー
24、124 第4スライダー
31、131 第1リンク部材
32、132 第2リンク部材
33、133 第3リンク部材
34、134 第4リンク部材
41、241 第1試験片保持手段
42、242 第2試験片保持手段
43、243 第3試験片保持手段
44、244 第4試験片保持手段
41A、42A、43A、44A、241A、242A、243A、244A 把持部
41B、42B、43B、44B、241B、242B、243B、244B 支持部
241C、242C、243C、244C 引張ばね(付勢手段)
Claims (3)
- 互いに直交する二軸の四方向に沿って試験片を引っ張ることにより該試験片の引張り試験を行う二軸引張試験装置であって、
回転板と、この回転板を前記二軸の直交する点を中心軸として当該中心軸回りに回転させる回転駆動伝達部材と、ガイド部材によって直交する前記二軸の四方向のそれぞれに向かって移動可能な4つのスライダーと、一端が前記回転板に前記二軸に対して前記回転方向後方側で回転可能に連結されるとともに他端が各スライダーに連結された4つのリンク部材と、を備え、
前記回転板が中心軸回りに回転することにより、前記スライダーが前記リンク部材によって前記四方向のそれぞれに向かって進退可能に移動する構成とされており、
前記スライダーには、それぞれ前記試験片を保持するための試験片保持手段が直接的あるいは間接的に取り付けられており、試験片保持手段は前記スライダーと同じ距離だけ変位することを特徴とする二軸引張試験装置。 - 前記回転駆動伝達部材は、一端が前記回転板に連結されるとともに他端が直線駆動手段に連結された駆動リンク部材であることを特徴とする請求項1に記載の二軸引張試験装置。
- 前記試験片保持手段は、前記試験片の端部を掴む把持部と、前記スライダーに連結される支持部とを有し、これら把持部と支持部との間に付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二軸引張試験装置。
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