JP4979628B2 - 二軸引張試験装置 - Google Patents
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また、非特許文献1に記載された技術では、互いに直交する軸上に配置される油圧シリンダのうち、同一軸上に配置される2台の油圧シリンダは、同一の油圧源から圧油が供給され、しかも、パンタグラフ等の等変位機構によって、同一軸上に配置される2台の油圧シリンダの変位が強制的に等しくなるように設定されている。
しかしながら、この場合にあっても、互いに直交する軸上に配置される油圧シリンダ同士の変位を同期させる調整が必要になっていた。
二軸引張試験装置100は、例えば図に示すように単軸引張試験機200に組みつけられる。
具体的には、二軸引張試験装置100は、上下に延びる一方の軸S1に沿った下側の先端部を単軸引張試験機200の基盤201に連結され、軸S1に沿った上側に先端部を単軸引張試験機200の可動プレート202に連結される。ここで、二軸引張試験装置100の左右の先端部は、それぞれフリーになっている。
可動プレートは、例えばモータで駆動されるボールネジ機構等の駆動手段によって上下に移動可能である。
一端側駆動リンク片11は、駆動リンク部材10の一端側にて連結軸11A・11Bにより各基端部が回動自在に設けられるとともに、その先端部が接触されかつその接触部分が連結軸11Cにより回動自在に連結されている。
他端側駆動リンク片12は、駆動リンク部材10の他端側にて連結軸12A・12Bにより各基端部が回動自在に設けられるとともに、その先端部が接触されかつその接触部分が連結軸12Cにより回動自在に連結されている。
ここで、一端側駆動リンク片11及び他端側駆動リンク片12の長さは、駆動リンク部材10の略1/2である。
一端側従動リンク片14は、従動リンク部材13の一端側にて連結軸14A・14Bにより各基端部が回動自在に設けられるとともに、その先端部が接触されかつその接触部分が連結軸14Cにより回動自在に連結されている。
他端側従動リンク片15は、従動リンク部材13の他端側にて連結軸15A・15Bにより各基端部が回動自在に設けられるとともに、その先端部が接触されかつその接触部分が連結軸15Cにより回動自在に連結されている。
ここで、一端側従動リンク片14及び他端側従動リンク片15の長さは、従動リンク部材13の略1/2である。
具体的には、可動プレート202と基盤201との間で、駆動パンタグラフ2の一方側駆動リンク片11及び他方側駆動リンク片12が引っ張られて、該駆動リンク片11・12が軸線S1に沿って互いに離間する方向に動作した場合には、該駆動リンク片11・12に設けられる駆動側連結軸11A・11B・12A・12Bが、従動パンタグラフ3の軸線S2から離れるように移動する。これによって、接続リンク4(リンク部材20〜23からなる)を経由して、該軸線S2を挟んで反対側に位置する従動側連結軸14A・14B・15A・15Bは、従動パンタグラフ3の軸線S2に近接するように移動し、これよって該従動側連結軸14A・14B・15A・15Bが設けられる従動パンタグラフ3の従動リンク片14・15の先端部が、該従動パンタグラフ3の軸線S2に沿い離間する方向に動作する。
また、このような四方向への引っ張り動作は、駆動パンタグラフ2及び従動パンタグラフ3を接続する接続リンク4によって互いに同期させて行うことができるので、その結果、従来のような4台の油圧シリンダを用いた機構のように、二軸S1・S2の四方向に沿う面倒な軸合わせが不要となり、装置構造の簡素化を図ることが可能となる。また、このような二軸S1・S2の四方向への試験片の引っ張り試験は、汎用の一軸の万能試験機を用いて行うことができるので、既存の単軸引張試験機200にリンク機構を組み込むことで安価に装置を製作することができる。また、接続リンク4を構成するリンク部材20〜23はその長さを適宜変更することで、駆動側の軸S1と従動側の軸S2の移動比率を変更して、二軸S1・S2のひずみ比を変えた引っ張り試験が可能となる。また、一方のリンク片の長さを適宜変更し、リンク部材とリンク片の長さの比を変えることで、駆動側の軸と従動側の軸の移動比率を変更して、二軸のひずみ比を変えた試験が可能になる。
また、上記のように構成された二軸引張試験装置100では、駆動パンタグラフ2の引っ張り動作を従動パンタグラフ3に伝達する接続リンク4のリンク部材20〜23について、一方の軸線S1に沿う駆動パンタグラフ2から、他方の軸線S2に沿う従動パンタグラフ3への力の伝達量を調整するために、リンク部材20〜23の長さを長くしたり、短くしたりと適宜、調整しても良い。
例えば、前記した実施形態では、二軸引張試験装置100を単軸引張試験機200に組みつけて、駆動パンタグラフ2の下側の先端部を固定、上側の先端部を移動可能な構成にしたが、本発明の二軸引張試験装置は、必ずしも単軸引張試験機200に組みつけて使用される必要はなく、フレームに取り付けた駆動手段によって、駆動パンタグラフ2の一方の先端部のみあるいは双方の先端部をそれぞれ引っ張る構成にしても良い。また、駆動手段としては、モータとボールネジ機構に限られることなく、例えば油圧シリンダや空圧シリンダを用いてよい。
また、前記した実施形態では、接続リンク4として図3に示すように、左右に2本ずつ合計4本用いたが、これに限られることなく、少なくとも1本あればよい。
また、前記した実施形態では、試験片保持手段5〜8に対しその片側に、駆動パンタグラフ及び従動パンタグラフ等からなるリンク機構を配置した構成になっているが、これに限られることなく、試験片保持手段5〜8の左右両側に、すなわち試験片の両面をはさむように、それぞれ駆動パンタグラフ及び従動パンタグラフ等からなるリンク機構を配置した構成にしてもよい。このような構成にすることで、試験片保持手段5〜8に生じがちなたわみ変形を少なくし、高精度の引張試験が実現できる。また、上述のようなたわみ変形を少なくするために、S1、S2軸に沿ってガイドレールを設け、このガイドレールによって試験片保持手段5〜8を案内するなど、他の手段を用いても良い。
2 駆動パンタグラフ
3 従動パンタグラフ
4 接続リンク
5〜8 試験片保持手段
5A〜8A 把持部
5B〜8B 支持部
5C〜8C 引張ばね(付勢手段)
10 駆動リンク部材
11 一端側駆動リンク片
11A〜11C (駆動側)連結軸
12 他端側駆動リンク片
12A〜12C (駆動側)連結軸
13 従動リンク部材
14 一端側従動リンク片
14A〜14C (従動側)連結軸
15 他端側従動リンク片
15A〜15C (従動側)連結軸
100 二軸引張試験装置
200 単軸引張試験機
S1・S2 軸線
O 中心軸
Claims (6)
- 互いに直交する二軸の四方向に沿って試験片を引っ張ることにより該試験片の引張り試験を行う二軸引張試験装置であって、
一方の軸に沿うように伸縮自在に設けられ両先端部のうち少なくとも一方に伸び方向の駆動力を与える駆動手段が連結される駆動パンタグラフと、他方の軸に沿うように伸縮自在に設けられた従動パンタグラフと、これら駆動パンタグラフと従動パンタグラフの間に配置されて前記駆動パンタグラフの伸縮動作を前記従動パンタグラフに伝達する接続リンクと、を具備し、
前記駆動パンタグラフ及び前記従動パンタグラフの各先端部には、前記試験片を保持するための試験片保持手段が取り付けられることを特徴とする二軸引張試験装置。 - 前記駆動パンタグラフは、中央部分が回転自在に連結された2本の駆動リンク部材と、該駆動リンク部材の一端側にて各基端部が回動自在に設けられるとともにそれらの先端部が互いに回動自在に連結された2本の一端側駆動リンク片と、前記駆動リンク部材の他端側にて各基端部が回動自在に設けられるとともにそれらの先端部が互いに回動自在に連結された2本の他端側駆動リンク片とを有し、
前記従動パンタグラフは、中央部分が回転自在に連結された2本の従動リンク部材と、該従動リンク部材の一端側にて各基端部が回動自在に設けられるとともにそれらの先端部が互いに回動自在に連結された2本の一端側従動リンク片と、前記従動リンク部材の他端側にて各基端部が回動自在に設けられるとともにそれらの先端部が互いに回動自在に連結された2本の他端側従動リンク片とを有し、
前記駆動リンク部材を回転可能に連結する支持軸と、前記従動リンク部材を回転可能に連結する支持軸とが互いに共通する支持軸で構成されることを特徴とする請求項1に記載の二軸引張試験装置。 - 前記接続リンクは、前記一端側駆動リンク片または前記他端側駆動リンク片と前記駆動リンク部材とを回動自在に連結する駆動側連結軸と、前記一端側従動リンク片または前記他端側従動リンク片と前記従動リンク部材とを回動自在に連結する従動側連結軸との間に、それら連結軸に対して回動可能に連結されることを特徴とする請求項2に記載の二軸引張試験装置。
- 前記駆動パンタグラフの一端側及び他端側駆動リンク片の各先端部、並びに前記従動パンタグラフの一端側及び他端側従動リンク片の各先端部には、前記試験片を保持するための前記試験片保持手段が取り付けられることを特徴とする請求項2または3に記載の二軸引張試験装置。
- 前記駆動パンタグラフの一端側及び他端側駆動リンク片の先端部の少なくとも一方に、前記駆動手段が連結されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の二軸引張試験装置。
- 前記試験片保持手段は、前記試験片の端部を掴む把持部と、前記駆動パンタグラフ及び前記従動パンタグラフに連結される支持部とを有し、これら把持部と支持部との間に付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の二軸引張試験装置。
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