JP5967471B2 - 回路基板に対する電線の位置決め装置及び位置決め方法 - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、回路基板に対し、電線の長さ方向における所定の接続部を確実に接続できるようにすることを目的とする。
基板保持手段において回路基板を移動規制状態に保持し、電線保持手段において複数本の電線を移動規制状態に保持すれば、回路基板と複数本の電線とが所定の位置関係となるように位置決めされる。これにより、回路基板に対し、電線の長さ方向における所定の接続部を確実に接続できる。
また、基板収容部内に収容された回路基板は、基板用規制部材の係止により、確実に基板収容部内に保持される。基板用規制部材を係止位置から退避位置へ変位させれば、基板収容部に対する回路基板の着脱を容易に行うことができる。
電線は、その先端部に固着された端子金具に端子係止手段を係止させることによって、位置決めされた状態に保持される。
電線は、その先端部を電線突当手段に突き当てることによって、位置決めされた状態に保持される。
電線は、保持溝に収容することにより、長さ方向と交差する方向において位置決めされた状態に保持される。
保持溝内の電線に電線用規制部材を当接させることにより、電線を保持溝内に収容した状態に確実に保持することができる。
装置本体に回路基板を移動規制状態で保持し、同じく装置本体に複数本の電線を移動規制状態で保持すれば、回路基板と複数本の電線とが所定の位置関係となるように位置決めされる。これにより、回路基板に対し、電線の長さ方向における所定の接続部を確実に接続できる。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1〜図13を参照して説明する。本実施形態の位置決め装置30は、充電用コネクタ(図示省略)から後方へ導出されたワイヤーハーネス20を、充電用コネクタの後方近傍位置に配される基板ユニット10に対して位置決めするためのものである。詳細には、位置決め装置30は、ワイヤーハーネス20を構成する複数本の電線22L,22R,23,24L,24Rの長さ方向における所定位置に設定した接続部25を、基板ユニット10を構成する回路基板11に対して位置決めする。尚、以下の説明において、便宜上、図5〜11,13における左方を「前方」とする。また、前後方向と、回路基板11の近傍における電線21,22L,22R,23,24L,24Rの長さ方向(配索方向)は、同義で用いる。
充電用コネクタは、車外に設置した給電装置(図示省略)から、車両に搭載したバッテリ(図示省略)へ電力供給するために、車両に設けられたコネクタである。充電用コネクタは、車体に取り付けられたハウジング(図示省略)と、ハウジング内に後方から挿入される3つの充電用端子金具26(本発明の構成要件である端子金具)とを備えて構成されている。
図3,9,11〜13に示すように、基板ユニット10は、回路基板11と、回路基板11の表面(つまり、上面)に実装された複数の基板用端子金具12と、回路基板11の表面に実装された複数の回路構成部材13とから構成されている。ワイヤーハーネス20を構成する電線22L,22R,23,24L,24Rは、基板用端子金具12を介して回路基板11に接続される。基板ユニット10にワイヤーハーネス20を接続すると、車両と給電装置との間で充電制御用の情報を送受信するための電力線送信手段(Power Line Communication)を構成する。
図7,13に示すように、ワイヤーハーネス20は、1本のアース線21と、アース線21より細い一対の電力線22L,22R(本発明の構成要件である電線)と、電力線22L,22Rより細い1本の第1信号線23(本発明の構成要件である電線)と、電力線22L,22Rより細い2本の第2信号線24L,24R(本発明の構成要件である電線)とを備えて構成されている。一対の電力線22L,22Rのうち左側の電力線22Lは、前側導電路22LFと後側導電路22LRとに分断されている。3本の信号線23,24L,24Rのうち第1信号線23は、その前端部においてアース線21の前端部近くに接続されている。これらの電線21,22L,22R,23,24L,24Rは、いずれも、撚り線からなる導体と、導体の外周を包囲する合成樹脂製の絶縁被覆とから構成されている。
図7,12に示すように、アース線21の前端部と一対の電力線22L,22Rの前端部には、夫々、充電用端子金具26が導通可能に固着されている。充電用端子金具26は、その前端部が前後方向に細長い円柱形の接触部27となっている。この接触部27は、図示しない給電側の相手側端子と導通をとるための手段として機能する。したがって、接触信頼性の観点から、接触部27の表面が傷付けられることは避けなければならない。充電用端子金具26の後端部には、後端面が開放された円筒形をなすクローズバレルタイプの電線圧着部(図示省略)が形成されている。電線圧着部には、絶縁被覆を皮剥して露出させた導体の前端部が導通可能に且つ同軸状に固着されている。電線圧着部の後半部分から絶縁被覆の前端部に亘る領域には、防水用の熱収縮チューブ28が液密状に外嵌されている。
図1,2,7に示すように、位置決め装置30は、装置本体31と、電線保持手段32と、基板保持手段33とを備えて構成されている。電線保持手段32は、端子係止手段34と、複数の保持溝41,42L,42R,43L,43R,44と、左右一対のストッパ45L,45R(本発明の構成要件である電線突当手段と、押さえ板50(本発明の構成要件である電線用規制部材)とを備えて構成されている。
端子係止手段34は、装置本体31の前端部に配されており、端子収容部35と、左右一対の板収容溝36と、左右一対のバネ収容部37と、保持板38と、一対のコイルバネ39とを備えて構成されている。
図1,4に示すように、複数本の保持溝41,42L,42R,43L,43R,44は、いずれも、装置本体31の上面を凹ませた形態であって、前後方向に細長く延びている。図5,7に示すように、装置本体31の幅方向中央部には、アース線21の前端部と第1信号線23の前端部を収容して左右方向(電線21,22L,22R,23,24L,24Rの長さ方向と交差し、且つ回路基板11の表面と平行な方向)に位置決めした状態で保持する第1保持溝41が形成されている。
図1,2に示すように、左右一対のストッパ45L,45Rは、装置本体31に対して着脱可能である。図1に示すように、左側のストッパ45Lには、被支持部46Lと、被支持部46Lから右方へ延出する突当部47Lが形成されており、右側のストッパ45Rには、被支持部46Rと、被支持部46Rから左方へ延出する突当部47Rが形成されている。
図1,2に示すように、押さえ板50は、装置本体31に対して着脱可能である。押さえ板50は、全体として左右方向に長い形状である。押さえ板50の下端縁には、その左右両端部から下方へ突出する一対の脚部51と、左右方向中央部を凹ませた形態の逃がし凹部52とが形成されている。装置本体31の上面には、押さえ板50を装着状態に保持するための手段として左右一対の支持溝53が形成されている。支持溝53に脚部51を嵌合させることで、押さえ板50は、第3保持溝43L,43R及び第4保持溝44の前端よりも少し後方に位置した状態に保持される。
図4,5に示すように、基板保持手段33は、装置本体31に形成した基板収容部54と、装置本体31に取り付けられた左右一対の可動爪55(本発明の構成要件である基板用規制部材)とを備えて構成されている。基板収容部54は、装置本体31の上面を凹ませた形態である。基板収容部54の前後方向の寸法は、回路基板11と同じ寸法か、それよりも僅かに大きい寸法である。基板収容部54の前後方向における形成領域は、第1保持溝41及び第2保持溝42L,42Rの後端と、第3保持溝43L,43R及び第4保持溝44の前端との間の範囲である。
次に、本実施形態の作用を説明する。回路基板11とワイヤーハーネス20とを位置決めする際には、まず、可動爪55を退避位置へ退避させた状態で、基板ユニット10を基板収容部54内に落とし込むようにしてセットする。すると、基板ユニット10(回路基板11)は、前後方向及び左右方向に位置決めされる。そして、可動爪55を手作業で係止位置へ変位させると、基板ユニット10は、更に上下方向においても位置決めされる。以上により、基板ユニット10が装置本体31に対し、三次元方向(つまり、前後方向、左右方向及び上下方向の全ての方向)において位置決めされる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、電線用規制部材を相対本体に対して着脱可能としたが、電線用規制部材は、装置本体に回動可能に取り付けられていてもよい。
(2)上記実施形態では、端子係止手段を、保持板とコイルバネとを用いて構成したが、端子係止手段は、装置本体の上面を凹ませて溝幅が変化しない溝部としてもよい。
(3)上記実施形態では、電線突当手段を装置本体に対して着脱可能としたが、電線突当手段は、装置本体に一体形成又は装置本体に固定されていてもよい。
<参考例>
(1)上記実施形態では、基板用規制部材を装置本体に対して回動可能に取り付けたが、基板用規制部材を装置本体に対して着脱可能にすることも考えられる。
(2)上記実施形態では、回路基板を基板収容部内に収容することによって位置決め状態に保持したが、回路基板を、装置本体に突出形成した複数の突部や壁部で囲まれることによって位置決め状態に保持することも考えられる。
22L,22R…電力線(電線)
23…第1信号線(電線)
24L,24R…第2信号線(電線)
26…充電用端子金具(端子金具)
30…位置決め装置
31…装置本体
32…電線保持手段
33…基板保持手段
34…端子係止手段
41…第1保持溝
42L,42R…第2保持溝
43L,43R…第3保持溝
44…第4保持溝
45L,45R…ストッパ(電線突当手段)
50…押さえ板(電線用規制部材)
54…基板収容部
55…可動爪(基板用規制部材)
Claims (6)
- 回路基板の表面に実装した基板用端子金具に接続される複数本の電線を、前記回路基板に対して位置決めするための装置であって、
装置本体と、
前記装置本体に形成され、前記回路基板を移動規制した状態で保持する基板保持手段と、
前記基板保持手段を構成し、前記装置本体の上面を凹ませた形態であって、前記回路基板を収容可能な基板収容部と、
前記基板保持手段を構成し、上下方向の軸を支点として係止位置と退避位置との間で回動可能であり、前記係止位置では、前記基板収容部内の前記回路基板の外周縁部に係止することで前記回路基板の浮き上がりを規制し、前記退避位置では前記回路基板への係止を解除する基板用規制部材と、
前記装置本体に形成され、前記複数本の電線を移動規制した状態で保持する電線保持手段と、
前記電線保持手段を構成し、前記端子金具を付勢することで前記電線と前記端子金具を移動規制するコイルバネとを備えていることを特徴とする回路基板に対する電線の位置決め装置。 - 前記電線保持手段を構成し、前記電線の先端部に固着された端子金具に係止することで前記電線を移動規制する端子係止手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の回路基板に対する電線の位置決め装置。
- 前記電線保持手段を構成し、前記電線の先端部を突き当てることで前記電線を移動規制する電線突当手段を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回路基板に対する電線の位置決め装置。
- 前記電線保持手段を構成し、前記電線を収容することで、前記電線の長さ方向と交差する方向への移動を規制する保持溝を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の回路基板に対する電線の位置決め装置。
- 前記電線保持手段を構成し、前記保持溝内に収容されている前記電線に当接することで、前記電線が前記保持溝外へ離脱するのを規制可能な電線用規制部材を備えていることを特徴とする請求項4記載の回路基板に対する電線の位置決め装置。
- 回路基板の表面に実装した基板用端子金具に接続される複数本の電線を、前記回路基板に対して位置決めするための方法であって、
装置本体の上面を凹ませた形態の基板収容部内に前記回路基板を収容し、
前記回路基板を、上下方向の軸を支点として回動可能な基板用規制部材によって浮き上がり規制状態にするとともに、前記装置本体に対して移動規制状態に保持し、
前記複数本の電線の先端部に固着された端子金具をコイルバネで付勢することにより、前記電線と前記端子金具を前記装置本体に対して移動規制状態で保持することを特徴とする回路基板に対する電線の位置決め方法。
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